JPH06145195A - ペプチド合成における副反応防止法 - Google Patents
ペプチド合成における副反応防止法Info
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- JPH06145195A JPH06145195A JP33775792A JP33775792A JPH06145195A JP H06145195 A JPH06145195 A JP H06145195A JP 33775792 A JP33775792 A JP 33775792A JP 33775792 A JP33775792 A JP 33775792A JP H06145195 A JPH06145195 A JP H06145195A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 縮合剤を使用する、側鎖アミド基無保護のア
スパラギンまたはグルタミンを用いるペプチド合成法を
提供する。 【構成】 式{A−O−B}X(I)〔式中Aは (Rはハロゲン、アルキル基、アラルキル基、又はアリ
ール基、nは0〜4の整数を表わし、R1,R2,
R3,及びR4はH、アルキル基、アラルキル基、又は
アリール基を表わし)を表わし、Bは または (R5及びR6はアルキル基、アラルキル基、又はアリ
ール基であり)、Xはハロゲンイオン、(PF6)−,
(BF4)−を表わす〕で表わされる縮合剤で側鎖無保
護のアスパラギンまたは側鎖無保護のグルタミンのカル
ボキシル基を活性化し、フリーのアミノ基と縮合するペ
プチドの化学合成において、式 A−OH(II)〔式
中、Aは前記定義に同じ〕で表わされるアルコール成分
を添加する。
スパラギンまたはグルタミンを用いるペプチド合成法を
提供する。 【構成】 式{A−O−B}X(I)〔式中Aは (Rはハロゲン、アルキル基、アラルキル基、又はアリ
ール基、nは0〜4の整数を表わし、R1,R2,
R3,及びR4はH、アルキル基、アラルキル基、又は
アリール基を表わし)を表わし、Bは または (R5及びR6はアルキル基、アラルキル基、又はアリ
ール基であり)、Xはハロゲンイオン、(PF6)−,
(BF4)−を表わす〕で表わされる縮合剤で側鎖無保
護のアスパラギンまたは側鎖無保護のグルタミンのカル
ボキシル基を活性化し、フリーのアミノ基と縮合するペ
プチドの化学合成において、式 A−OH(II)〔式
中、Aは前記定義に同じ〕で表わされるアルコール成分
を添加する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペプチドの化学合成に
おいて、アスパラギンまたはグルタミン由来の副反応を
抑え、簡便でしかも高収率で側鎖無保護のアスパラギン
またはグルタミンをペプチド鎖に導入する方法に関す
る。
おいて、アスパラギンまたはグルタミン由来の副反応を
抑え、簡便でしかも高収率で側鎖無保護のアスパラギン
またはグルタミンをペプチド鎖に導入する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ペプチドの化学合成において側鎖無保護
のアスパラギンまたはグルタミンを用いると脱水が起こ
り、ニトリルが生成することが知られている(Int.
J.Peptide Protein Res.,3
4,287(1989))。縮合剤として反応速度が速
い縮合剤といわれているベンゾトリアゾール−1−イル
オキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサ
フルオロフォスフェート(Benzotriazol−
1−yl−oxy−tris(dimethylami
no)phosphoniumhexafluorop
hosphate,BOP)あるいはそれと同様な反応
機構で用いることのできるものは、近年特にその利用が
増加してきているが、それら縮合剤を用いた場合問題で
あることが知られている。特にアスパラギンからβ−シ
アノアラニンの副生が顕著であり、収率が大きく低下す
ることが指摘されている(Peptides,74(1
991))。また、このような副反応が起こるとこの生
成したβ−シアノアラニンはさらに縮合剤により再度活
性化されて、合成中のペプチド鎖中に導入されてしまう
という問題がある。
のアスパラギンまたはグルタミンを用いると脱水が起こ
り、ニトリルが生成することが知られている(Int.
J.Peptide Protein Res.,3
4,287(1989))。縮合剤として反応速度が速
い縮合剤といわれているベンゾトリアゾール−1−イル
オキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサ
フルオロフォスフェート(Benzotriazol−
1−yl−oxy−tris(dimethylami
no)phosphoniumhexafluorop
hosphate,BOP)あるいはそれと同様な反応
機構で用いることのできるものは、近年特にその利用が
増加してきているが、それら縮合剤を用いた場合問題で
あることが知られている。特にアスパラギンからβ−シ
アノアラニンの副生が顕著であり、収率が大きく低下す
ることが指摘されている(Peptides,74(1
991))。また、このような副反応が起こるとこの生
成したβ−シアノアラニンはさらに縮合剤により再度活
性化されて、合成中のペプチド鎖中に導入されてしまう
という問題がある。
【0003】α−アミノ基の保護基として9−フルオレ
ニルメトキシカルボニル(9−Fluorenylme
thycarbonyl,Fmoc)基を用いるFmo
cストラテジーにおいては既に側鎖アミドに保護基を用
いるのが常法となっているが、保護基除去の際の副反応
およびコストアップが問題となっている。しかし、αア
ミノ基の保護基としてt−ブトキシカルボニル(ter
t.−Butoxycarbonyl,Boc)基を用
いるBocストラテジーでは、以下に挙げる理由でこの
副反応はあまり重視されず側鎖アミド無保護の状態で用
いられてきた。 1)ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を縮合
剤として用いる場合、側鎖アミド基の脱水反応によるニ
トリルの副生自体が非常に少ない。 2)副生したニトリルは最後のフッ化水素処理でほぼ定
量的に元のアミド基に戻る。 従来活性化剤として主に用いられてきたDCC法におい
ては,ほんの僅かに起こるニトリルの副生も,添加剤と
して1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1−Hydr
oxybenzotriazole,HOBt)を等モ
ル加えることによりほぼ完全に抑えられることが知られ
ている(Chem.Ber.,103,788(197
0))。しかしBOPを用いる方法においては、事情が
全く異なりアスパラギン側鎖に保護基を導入する方法以
外に効果的解決策は見いだされていないのが現状であ
る。ところがこの保護基を用いた場合にも、特に、側鎖
保護されたアスパラギンは高価であるとか、保護基除去
の際の副反応の危険性の問題もある。
ニルメトキシカルボニル(9−Fluorenylme
thycarbonyl,Fmoc)基を用いるFmo
cストラテジーにおいては既に側鎖アミドに保護基を用
いるのが常法となっているが、保護基除去の際の副反応
およびコストアップが問題となっている。しかし、αア
ミノ基の保護基としてt−ブトキシカルボニル(ter
t.−Butoxycarbonyl,Boc)基を用
いるBocストラテジーでは、以下に挙げる理由でこの
副反応はあまり重視されず側鎖アミド無保護の状態で用
いられてきた。 1)ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を縮合
剤として用いる場合、側鎖アミド基の脱水反応によるニ
トリルの副生自体が非常に少ない。 2)副生したニトリルは最後のフッ化水素処理でほぼ定
量的に元のアミド基に戻る。 従来活性化剤として主に用いられてきたDCC法におい
ては,ほんの僅かに起こるニトリルの副生も,添加剤と
して1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1−Hydr
oxybenzotriazole,HOBt)を等モ
ル加えることによりほぼ完全に抑えられることが知られ
ている(Chem.Ber.,103,788(197
0))。しかしBOPを用いる方法においては、事情が
全く異なりアスパラギン側鎖に保護基を導入する方法以
外に効果的解決策は見いだされていないのが現状であ
る。ところがこの保護基を用いた場合にも、特に、側鎖
保護されたアスパラギンは高価であるとか、保護基除去
の際の副反応の危険性の問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、このよ
うな側鎖無保護アスパラギンに,近年活発に開発されて
いる反応速度の速い縮合剤を用いてペプチド合成を行な
うと、側鎖無保護アスパラギンからたとえ僅かでも生じ
たニトリルは続く脱Boc反応中にフッ化水素にたいし
て安定なN−tert.−ブチルアミド(N−tBuア
ミド)に変化することを見出した。そして、ペプチドの
主鎖に取り込まれた側鎖N−tBuアミド基は主鎖のア
ミド結合のように元のアミド基に戻すことはできず、目
的とするペプチドの収率低下の原因となるほか、精製の
妨げとなる。更に、Fmocストラテジーにおいては上
記したように既に側鎖アミドに保護基を用いるのが常法
となっているが、この場合コストアップが問題となって
おり、さらに保護基を効率よく除去することも問題であ
る。そこで本発明ではこのような問題点がなく且つ従来
のDCCより活性化および反応速度が速い縮合剤を使用
する場合であっても、側鎖アミド基無保護のアスパラギ
ンまたはグルタミンを、簡便な操作でニトリル副生の無
い、または少ない縮合を実現することを目的とする。
うな側鎖無保護アスパラギンに,近年活発に開発されて
いる反応速度の速い縮合剤を用いてペプチド合成を行な
うと、側鎖無保護アスパラギンからたとえ僅かでも生じ
たニトリルは続く脱Boc反応中にフッ化水素にたいし
て安定なN−tert.−ブチルアミド(N−tBuア
ミド)に変化することを見出した。そして、ペプチドの
主鎖に取り込まれた側鎖N−tBuアミド基は主鎖のア
ミド結合のように元のアミド基に戻すことはできず、目
的とするペプチドの収率低下の原因となるほか、精製の
妨げとなる。更に、Fmocストラテジーにおいては上
記したように既に側鎖アミドに保護基を用いるのが常法
となっているが、この場合コストアップが問題となって
おり、さらに保護基を効率よく除去することも問題であ
る。そこで本発明ではこのような問題点がなく且つ従来
のDCCより活性化および反応速度が速い縮合剤を使用
する場合であっても、側鎖アミド基無保護のアスパラギ
ンまたはグルタミンを、簡便な操作でニトリル副生の無
い、または少ない縮合を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は 式(1) {A−0−B}X (I) 〔式中、Aは
【0006】
【化5】
【0007】または
【0008】
【化6】
【0009】(但し、Rはハロゲン、アルキル基、アラ
ルキル基、又はアリール基、nは0〜4 の整数を表わ
す)または
ルキル基、又はアリール基、nは0〜4 の整数を表わ
す)または
【0010】
【化7】
【0011】(但し、R1、R2、R3、及びR4はそ
れぞれ互いに独立に水素、アルキル基、アラルキル基、
アリール基を表わし、R1とR3及びはR2とR4とは
それぞれ互いに独立に環を形成しても良い)を表わし、
Bは
れぞれ互いに独立に水素、アルキル基、アラルキル基、
アリール基を表わし、R1とR3及びはR2とR4とは
それぞれ互いに独立に環を形成しても良い)を表わし、
Bは
【0012】
【化8】
【0013】(但し、R5、及びR6はそれぞれ互いに
独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基であ
って、R5はR6と環を形成していてもよい)、Xはハ
ロゲンイオン、(PF6)−,又は(BF4)−を表わ
す〕で表わされる縮合剤で側鎖無保護のアスパラギンま
たは側鎖無保護のグルタミンのカルボキシル基を活性化
し、フリーのアミノ基と縮合するペプチドの化学合成法
において、式(II) A−OH (II) 〔式中、Aは前記定義に同じで且つ式(I)中のAとは
独立に選ばれる〕で表わされるアルコール成分を添加す
ることを特徴とするペプチド合成法を提供する。
独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基であ
って、R5はR6と環を形成していてもよい)、Xはハ
ロゲンイオン、(PF6)−,又は(BF4)−を表わ
す〕で表わされる縮合剤で側鎖無保護のアスパラギンま
たは側鎖無保護のグルタミンのカルボキシル基を活性化
し、フリーのアミノ基と縮合するペプチドの化学合成法
において、式(II) A−OH (II) 〔式中、Aは前記定義に同じで且つ式(I)中のAとは
独立に選ばれる〕で表わされるアルコール成分を添加す
ることを特徴とするペプチド合成法を提供する。
【0014】本発明に従えば、ニトリルの副生成反応を
抑え、しかも高収率で縮合反応を行うことのできるペプ
チド合成法が提供される。本発明の式(I)で表わされ
る縮合剤としては、具体的にはベンゾトリアゾール−1
−イルオキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
(Benzotriazol−1−yl−oxy−tr
is(dimethylamino)phosphon
ium)塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ ト
リスピロリジノホスホニウム(Benzotriazo
l−1−yl−oxy−tris−pyrrolidi
nophosphonium)塩、2−(1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメ
チルウロニウム(2−(1H−Benzotriazo
l−1−yl)−1,1,3,3−tetrameth
yluronium)塩、2−(5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド)テトラメチルウロニウム
(2−(5−Norbornene−2,3−dica
rboximido)tetramethluroni
um)塩塩等を挙げることができ、これらと同様の反応
性を有するものや同様の反応機構に従って縮合反応に関
与するものが挙げられる。なかでもベンゾトリアゾール
−1−イルオキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニ
ウム ヘキサフルオロホスフェート(Benzotri
azol−1−yl−oxy−tris(dimeth
ylamino)phosphonium hexaf
luorophosphate,BOP)、ベンゾトリ
アゾール−1−イルオキシ トリスピロリジノホスホニ
ウム ヘキサフルオロホスフェート(Benzotri
azol−1−yl−oxy−tris−pyrrol
idinophosphonium hexafluo
rophosphate,PyBOP)、2−(1H−
ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テ
トラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
(2−(1H−Benzotriazol−1−yl)
−1,1,3,3−tetramethyluroni
um hexafluorophosphate,HB
TU)、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキ
シイミド)テトラメチルウロニウム テトラフルオロボ
レート(2−(5−Norbornene−2,3−d
icarboximido)tetramethylu
ronium tetrafluoroborate,
TNTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テト
ラフルオロボレート(2−(1H−Benzotria
zol−1−yl)−1,1,3,3−tetrame
thyluronium tetrafluorobo
rate,TBTU)が好ましく使用される。
抑え、しかも高収率で縮合反応を行うことのできるペプ
チド合成法が提供される。本発明の式(I)で表わされ
る縮合剤としては、具体的にはベンゾトリアゾール−1
−イルオキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
(Benzotriazol−1−yl−oxy−tr
is(dimethylamino)phosphon
ium)塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ ト
リスピロリジノホスホニウム(Benzotriazo
l−1−yl−oxy−tris−pyrrolidi
nophosphonium)塩、2−(1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメ
チルウロニウム(2−(1H−Benzotriazo
l−1−yl)−1,1,3,3−tetrameth
yluronium)塩、2−(5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド)テトラメチルウロニウム
(2−(5−Norbornene−2,3−dica
rboximido)tetramethluroni
um)塩塩等を挙げることができ、これらと同様の反応
性を有するものや同様の反応機構に従って縮合反応に関
与するものが挙げられる。なかでもベンゾトリアゾール
−1−イルオキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニ
ウム ヘキサフルオロホスフェート(Benzotri
azol−1−yl−oxy−tris(dimeth
ylamino)phosphonium hexaf
luorophosphate,BOP)、ベンゾトリ
アゾール−1−イルオキシ トリスピロリジノホスホニ
ウム ヘキサフルオロホスフェート(Benzotri
azol−1−yl−oxy−tris−pyrrol
idinophosphonium hexafluo
rophosphate,PyBOP)、2−(1H−
ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テ
トラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
(2−(1H−Benzotriazol−1−yl)
−1,1,3,3−tetramethyluroni
um hexafluorophosphate,HB
TU)、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキ
シイミド)テトラメチルウロニウム テトラフルオロボ
レート(2−(5−Norbornene−2,3−d
icarboximido)tetramethylu
ronium tetrafluoroborate,
TNTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テト
ラフルオロボレート(2−(1H−Benzotria
zol−1−yl)−1,1,3,3−tetrame
thyluronium tetrafluorobo
rate,TBTU)が好ましく使用される。
【0015】また、式(II)で表わされるアルコール
としては、具体的には3−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(3−
Hydroxy−3,4−dihydro−4−oxo
−1,2,3−benzotriazine,HOOB
t)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド(N−Hydroxy−5−norb
ornene−2,3−dicarboximide,
HONB)、N−ヒドロキシフタルイミド(N−Hyd
roxyphthalimide)、1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール(1−Hydroxybenzotr
iazole,HOBt)等を挙げることができ、特に
HOOBt、HONBが好ましく使用される。式(I
I)で表されるアルコールとしては、前記したものと同
様の作用を有するものであれば、制限なく使用すること
ができよう。式(I)で表わされる縮合剤と式(II)
で表わされるアルコールとの好ましい組合せは、式
(I)中のAと式(II)中のAとが異なるものがよ
く、具体的には例えば、BOPとHONB、TNTUと
HOBt、TNTUとHOOBt等の組合せが好ましく
用いられる。式(II)で表わされるアルコール成分の
使用量は式(I)で表わされる縮合剤の使用量に対して
0.5〜100倍モルである。0.5倍モル未満ではそ
の効果は不十分であり、また100倍モルを超えると反
応液の粘度が高くなりすぎる他にコストアップ要因とな
るので好ましくない。好ましい使用量は1〜50倍モ
ル、更に好ましくは2〜10倍モルである。 式(I
I)で表わされるアルコール成分の添加時期は縮合反応
が完結する以前であり、縮合反応開始以前が好ましい。
としては、具体的には3−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(3−
Hydroxy−3,4−dihydro−4−oxo
−1,2,3−benzotriazine,HOOB
t)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド(N−Hydroxy−5−norb
ornene−2,3−dicarboximide,
HONB)、N−ヒドロキシフタルイミド(N−Hyd
roxyphthalimide)、1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール(1−Hydroxybenzotr
iazole,HOBt)等を挙げることができ、特に
HOOBt、HONBが好ましく使用される。式(I
I)で表されるアルコールとしては、前記したものと同
様の作用を有するものであれば、制限なく使用すること
ができよう。式(I)で表わされる縮合剤と式(II)
で表わされるアルコールとの好ましい組合せは、式
(I)中のAと式(II)中のAとが異なるものがよ
く、具体的には例えば、BOPとHONB、TNTUと
HOBt、TNTUとHOOBt等の組合せが好ましく
用いられる。式(II)で表わされるアルコール成分の
使用量は式(I)で表わされる縮合剤の使用量に対して
0.5〜100倍モルである。0.5倍モル未満ではそ
の効果は不十分であり、また100倍モルを超えると反
応液の粘度が高くなりすぎる他にコストアップ要因とな
るので好ましくない。好ましい使用量は1〜50倍モ
ル、更に好ましくは2〜10倍モルである。 式(I
I)で表わされるアルコール成分の添加時期は縮合反応
が完結する以前であり、縮合反応開始以前が好ましい。
【0016】本発明は側鎖アミド基無保護のアスパラギ
ンまたはグルタミンが対象となるが、特にニトリルを副
生し易い側鎖アミド基無保護のアスパラギンの縮合にお
いて最も効力を発揮する。また同様な側鎖アミド基を有
するアミノ酸にも応用することができる。なお、本発明
で使用するアミノ酸のα−アミノ基の保護基としては、
例えばFmoc基、Boc基があるが、これに限定され
るものではない。ペプチド合成において通常用いられて
いる各種保護基のなかから選択して用いることができ
る。ベンジルオキシカルボニル(Benzyloxyc
arbonyl,Z)基などその他の各種保護基で保護
されたアミノ酸を使用できるが、特に保護基がBoc基
である場合に本発明はより効果的である。また、本発明
は液相法、固相法のいずれでも有効であり、通常のそれ
らに用いられる試薬、化合物、装置などを用いることが
できる。本発明によれば、Bocストラテジー,Fmo
cストラテジーにかかわらずアスパラギンまたはグルタ
ミンを側鎖無保護で導入することが可能で、より簡便で
且つ副反応がなく、しかも安いコストで合成することが
可能である。さらに側鎖保護基除去の収率、副反応を考
慮する必要がなく、より高純度のペプチドの合成が可能
となる。
ンまたはグルタミンが対象となるが、特にニトリルを副
生し易い側鎖アミド基無保護のアスパラギンの縮合にお
いて最も効力を発揮する。また同様な側鎖アミド基を有
するアミノ酸にも応用することができる。なお、本発明
で使用するアミノ酸のα−アミノ基の保護基としては、
例えばFmoc基、Boc基があるが、これに限定され
るものではない。ペプチド合成において通常用いられて
いる各種保護基のなかから選択して用いることができ
る。ベンジルオキシカルボニル(Benzyloxyc
arbonyl,Z)基などその他の各種保護基で保護
されたアミノ酸を使用できるが、特に保護基がBoc基
である場合に本発明はより効果的である。また、本発明
は液相法、固相法のいずれでも有効であり、通常のそれ
らに用いられる試薬、化合物、装置などを用いることが
できる。本発明によれば、Bocストラテジー,Fmo
cストラテジーにかかわらずアスパラギンまたはグルタ
ミンを側鎖無保護で導入することが可能で、より簡便で
且つ副反応がなく、しかも安いコストで合成することが
可能である。さらに側鎖保護基除去の収率、副反応を考
慮する必要がなく、より高純度のペプチドの合成が可能
となる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細、かつ具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0018】比較例1.「BOPによるBoc−Asn
とGly−OBzlの縮合反応」t−ブトキシカルボニ
ル−L−アスパラギン(Boc−Asn)100mg,
および(グリシン ベンジルエステル p−トルエンス
ルホネート(Gly−OBzl・Tos,Glycin
e benzyl ester p−toluenes
ulfonate)145mgをDMF1mlに溶解
し、DIEA 300μlを加えて溶液が均一になるま
で撹拌した。BOP 190mgを粉末のまま加え、室
温で1時間撹拌した。反応液の1部を逆相HPLCで分
析したところ、ペプチドに由来する2本のシグナルが2
0分(Iピーク)と23分(IIピーク)に現れた(面
積比=5:2)。HPLCで分取、分析を行い、NM
R,MSよりIピークがN−α−t−ブトキシカルボニ
ルアスパラギニルグリシン ベンジルエステル(α−B
oc−Asn−Gly−OBzl),IIピークがt−
ブトキシカルボニル−β−シアノアラニルグリシン ベ
ンジルエステル(Boc−Ala(CN)−Gly−O
Bzl)であることが明らかとなった。
とGly−OBzlの縮合反応」t−ブトキシカルボニ
ル−L−アスパラギン(Boc−Asn)100mg,
および(グリシン ベンジルエステル p−トルエンス
ルホネート(Gly−OBzl・Tos,Glycin
e benzyl ester p−toluenes
ulfonate)145mgをDMF1mlに溶解
し、DIEA 300μlを加えて溶液が均一になるま
で撹拌した。BOP 190mgを粉末のまま加え、室
温で1時間撹拌した。反応液の1部を逆相HPLCで分
析したところ、ペプチドに由来する2本のシグナルが2
0分(Iピーク)と23分(IIピーク)に現れた(面
積比=5:2)。HPLCで分取、分析を行い、NM
R,MSよりIピークがN−α−t−ブトキシカルボニ
ルアスパラギニルグリシン ベンジルエステル(α−B
oc−Asn−Gly−OBzl),IIピークがt−
ブトキシカルボニル−β−シアノアラニルグリシン ベ
ンジルエステル(Boc−Ala(CN)−Gly−O
Bzl)であることが明らかとなった。
【0019】Iピーク: MS(EI 法):m/z 380((M+1)+) HPLC:保持時間:19.5分 カラム:YMC R−ODS−5 S−5 120A
ODS(登録商標、YMC社) 流速:1.5ml/min. 移動相: A=0.1%TFA/水 B=0.1%TFA/CH3CN 勾配: B conc.5〜65%(30
min.)
ODS(登録商標、YMC社) 流速:1.5ml/min. 移動相: A=0.1%TFA/水 B=0.1%TFA/CH3CN 勾配: B conc.5〜65%(30
min.)
【0020】IIピーク: HPLC:保持時間:23.5分 NMR(CDCl3溶液):δ 1.45(9H,
s),2.8〜2.9(2H,d),4.0〜4.2
(2H,d),5.2(2H,s),7.4(5H,
m) IR(KBr):ν 2300cm−1 MS(EI 法):m/z 361(M+)
s),2.8〜2.9(2H,d),4.0〜4.2
(2H,d),5.2(2H,s),7.4(5H,
m) IR(KBr):ν 2300cm−1 MS(EI 法):m/z 361(M+)
【0021】比較例2.「BOPによるBoc−Asn
とGly−OBzlの縮合反応」
とGly−OBzlの縮合反応」
【0022】実施例1と同様の試薬を用いて実験を行な
った。Boc−Asn 100mgをDMF 1mlに
溶解し、DIEA 300μl及びBOP 390mg
を加え、0℃で5分間撹拌した。DMF500μlに溶
解したGly−OBzl・Tos(150mg)を加
え、0℃で30分間撹拌した。反応液の一部をHPLC
分析したところ、Iピークは殆ど現れず、定量的にβシ
アノアラニン体(IIピーク)が生成することを確認し
た。得られたIIピーク成分10mgに2.0mlの1
0%エタンジチオール/40%TFA/ジクロロメタン
を加え、室温で20分間撹拌した。減圧により溶媒を除
去し、50%メタノール/水に溶解し、HPLC分析を
行なった。12分(IIIピーク)と17分(IVピー
ク)に現れた2本のピーク成分を分取、分析を行なっ
た。NMR,FAB−MSよりIIIピークはβ−シア
ノアラニルグリシン ベンジルエステル(Ala(C
N)−Gly−OBzl)、IVピークはγ−N−ター
シャリーブチルアスパラギニルグリシン ベンジルエス
テル(Asn(tBu)−Gly−OBzl)であるこ
とが確認された。
った。Boc−Asn 100mgをDMF 1mlに
溶解し、DIEA 300μl及びBOP 390mg
を加え、0℃で5分間撹拌した。DMF500μlに溶
解したGly−OBzl・Tos(150mg)を加
え、0℃で30分間撹拌した。反応液の一部をHPLC
分析したところ、Iピークは殆ど現れず、定量的にβシ
アノアラニン体(IIピーク)が生成することを確認し
た。得られたIIピーク成分10mgに2.0mlの1
0%エタンジチオール/40%TFA/ジクロロメタン
を加え、室温で20分間撹拌した。減圧により溶媒を除
去し、50%メタノール/水に溶解し、HPLC分析を
行なった。12分(IIIピーク)と17分(IVピー
ク)に現れた2本のピーク成分を分取、分析を行なっ
た。NMR,FAB−MSよりIIIピークはβ−シア
ノアラニルグリシン ベンジルエステル(Ala(C
N)−Gly−OBzl)、IVピークはγ−N−ター
シャリーブチルアスパラギニルグリシン ベンジルエス
テル(Asn(tBu)−Gly−OBzl)であるこ
とが確認された。
【0023】IIIピーク: NMR(CDCl3溶液):δ 2.9〜3.1(2
H,d),4.1(2H,br),5.2(2H,
s),7.3(5H,m) FABMS:m/z 262((M+H)+) IVピーク: NMR(CDCl3溶液):δ 1.3(9H,s),
4.0〜4.2(1H,br),5.2(2H,s),
6.6(1H,br),7.3(5H,m) FABMS:m/z 336((M+H)+)
H,d),4.1(2H,br),5.2(2H,
s),7.3(5H,m) FABMS:m/z 262((M+H)+) IVピーク: NMR(CDCl3溶液):δ 1.3(9H,s),
4.0〜4.2(1H,br),5.2(2H,s),
6.6(1H,br),7.3(5H,m) FABMS:m/z 336((M+H)+)
【0024】実施例1. 「BOPによるBoc−As
nとGly−OBzlの縮合反応」 Boc−Asn 100mg、およびGly−OBzl
・Tos 145mgをDMF1mlに溶解し、HON
B 280mgとDIEA 300μlを加えて室温で
30分撹拌した。BOP 190mgを加え、室温で3
0分間撹拌した。反応液の1部を逆相HPLCで分析
し、実施例1.で現れたIIピークの面積が1%以下で
あることを確認した。
nとGly−OBzlの縮合反応」 Boc−Asn 100mg、およびGly−OBzl
・Tos 145mgをDMF1mlに溶解し、HON
B 280mgとDIEA 300μlを加えて室温で
30分撹拌した。BOP 190mgを加え、室温で3
0分間撹拌した。反応液の1部を逆相HPLCで分析
し、実施例1.で現れたIIピークの面積が1%以下で
あることを確認した。
【0025】実施例2.「BOPによるBoc−Asn
とGly−OBHzlの縮合反応」 添加剤としてHONBのかわりにHOOBt 280m
gを加えて実施例1.と同様の反応を行なった。HPL
CよりIIピークの面積が1%以下であることを確認し
た。
とGly−OBHzlの縮合反応」 添加剤としてHONBのかわりにHOOBt 280m
gを加えて実施例1.と同様の反応を行なった。HPL
CよりIIピークの面積が1%以下であることを確認し
た。
【0026】実施例3.比較例2と同じ反応で条件を変
えて実験を行った。分析も同様に行った。結果を表1に
示す。
えて実験を行った。分析も同様に行った。結果を表1に
示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例4.実施例3と同じ手順で種々の縮
合剤におけるアルコール添加剤の効果を検討した。分析
も同様に行った。結果を表2に示す。
合剤におけるアルコール添加剤の効果を検討した。分析
も同様に行った。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】比較例3. 「BOPを縮合剤に用いる固
相法によるアシルキャリアープロティン(65〜74)
(ACP(65〜74))の合成」 メリフィールド レジン(Merrifield Re
sin)を出発原料に用いてステップワイズに合成を行
なった。
相法によるアシルキャリアープロティン(65〜74)
(ACP(65〜74))の合成」 メリフィールド レジン(Merrifield Re
sin)を出発原料に用いてステップワイズに合成を行
なった。
【0031】1)脱Boc反応 Boc−Gly−O−レジン(Resin)0.79g
(0.63mmol/g)をナス型フラスコに入れ、4
0%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを加えて30分
間穏やかに撹拌した。溶液をグラスフィルターに注ぎ、
ろ過して溶液を取り除いた。残ったレジンをジクロロメ
タンで2回、10%DIEA/ジクロロメタンで2回洗
浄し、ジクロロメタン、ジエチルエーテルで交互に洗浄
後、空気中で乾燥してGly−O−レジンを得た。
(0.63mmol/g)をナス型フラスコに入れ、4
0%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを加えて30分
間穏やかに撹拌した。溶液をグラスフィルターに注ぎ、
ろ過して溶液を取り除いた。残ったレジンをジクロロメ
タンで2回、10%DIEA/ジクロロメタンで2回洗
浄し、ジクロロメタン、ジエチルエーテルで交互に洗浄
後、空気中で乾燥してGly−O−レジンを得た。
【0032】2)アスパラギンの縮合反応 Boc−Asn 232mgをDMF20mlに溶解し
た。DIEA 0.7mlに続いて前項で得られたレジ
ンを加え、室温で穏やかに撹拌した。10mlDMFに
溶解したBOP 900mgを加えて室温で30分間撹
拌した。レジンの一部を取り、カイザーテストで定量的
に反応が進行していることを確認した。さらに10分間
撹拌後、溶液をグラスフィルターにあけ、レジンをジク
ロロメタン、ジエチルエーテルで交互に洗浄し、空気中
で乾燥した。以後、上記1)及び2)の操作を繰り返し
た。計9回の縮合反応を行ない、1.4gのレジンを得
た。
た。DIEA 0.7mlに続いて前項で得られたレジ
ンを加え、室温で穏やかに撹拌した。10mlDMFに
溶解したBOP 900mgを加えて室温で30分間撹
拌した。レジンの一部を取り、カイザーテストで定量的
に反応が進行していることを確認した。さらに10分間
撹拌後、溶液をグラスフィルターにあけ、レジンをジク
ロロメタン、ジエチルエーテルで交互に洗浄し、空気中
で乾燥した。以後、上記1)及び2)の操作を繰り返し
た。計9回の縮合反応を行ない、1.4gのレジンを得
た。
【0033】3)フッ化水素による脱保護 前項で得られたレジンのうち500mgを用いて常法に
従って脱保護した。20%酢酸/水で抽出、凍結乾燥し
て250mgの粗生成物を得た。乾燥後、一部をHPL
C分析した。目的物に相当する14分(Vピーク)の他
に17.5分にtBuアミド体に相当するシグナル(V
Iピーク)が現れた。(面積比2:1)
従って脱保護した。20%酢酸/水で抽出、凍結乾燥し
て250mgの粗生成物を得た。乾燥後、一部をHPL
C分析した。目的物に相当する14分(Vピーク)の他
に17.5分にtBuアミド体に相当するシグナル(V
Iピーク)が現れた。(面積比2:1)
【0034】実施例5.「HOOBtを添加剤として用
いるACP(65〜74)の合成」 アスパラギンの縮合反応時にHOOBtを添加して比較
例3.と同様の反応を行なった。 1)脱Boc反応 比較例3と同様の処理を行なった。 2)アスパラギンの縮合反応 Boc−Asn 232mg,HOOBt 280mg
をDMF20mlに溶解した。DIEA 0.7mlに
続いて前項で得られたレジンを加え、室温で穏やかに撹
拌した。10mlDMFに溶解したBOP 900mg
を加えて室温で30分間撹拌した。以後比較例3.と同
様の処理を行なった。以後、上記1)及び2)の操作を
繰り返したが、アスパラギン以外の縮合反応には添加剤
を加えずに反応を行った。計9回の縮合反応を行ない、
1.4gのレジンを得た。 3)フッ化水素による脱保護 比較例3に従い脱保護を行なった。乾燥後、一部をHP
LC分析したところ、目的物Vピークだけ現れ、副生成
物であるVIピークは検出されなかった。
いるACP(65〜74)の合成」 アスパラギンの縮合反応時にHOOBtを添加して比較
例3.と同様の反応を行なった。 1)脱Boc反応 比較例3と同様の処理を行なった。 2)アスパラギンの縮合反応 Boc−Asn 232mg,HOOBt 280mg
をDMF20mlに溶解した。DIEA 0.7mlに
続いて前項で得られたレジンを加え、室温で穏やかに撹
拌した。10mlDMFに溶解したBOP 900mg
を加えて室温で30分間撹拌した。以後比較例3.と同
様の処理を行なった。以後、上記1)及び2)の操作を
繰り返したが、アスパラギン以外の縮合反応には添加剤
を加えずに反応を行った。計9回の縮合反応を行ない、
1.4gのレジンを得た。 3)フッ化水素による脱保護 比較例3に従い脱保護を行なった。乾燥後、一部をHP
LC分析したところ、目的物Vピークだけ現れ、副生成
物であるVIピークは検出されなかった。
Claims (4)
- 【請求項1】 式(I) {A−0−B}X (I) 〔式中、Aは 【化1】 または 【化2】 (但し、Rはハロゲン、アルキル基、アラルキル基、又
はアリール基、nは0〜4 の整数を表わす)または 【化3】 (但し、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ互いに
独立に水素、アルキル基、アラルキル基、又はアリール
基を表わし、R1とR3及びR2とR4とはそれぞれ独
立に環を形成しても良い)を表わし、Bは 【化4】 (但し、R5、及びR6はそれぞれ互いに独立にアルキ
ル基、アラルキル基、又はアリール基であって、R5は
R6と環を形成していてもよい)、Xはハロゲンイオ
ン、(PF6)−,又は(BF4)−を表わす〕で表わ
される縮合剤で側鎖無保護のアスパラギンまたは側鎖無
保護のグルタミンのカルボキシル基を活性化し、フリー
のアミノ基と縮合するペプチドの化学合成法において、
式(II) A−OH (II) 〔式中、Aは前記定義に同じで且つ式(I)の基Aとは
独立に選ばれる〕で表わされるアルコール成分を添加す
ることを特徴とするペプチド合成法。 - 【請求項2】 式(I)で表わされる縮合剤が、ベンゾ
トリアゾール−1−イルオキシ トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニウム(Benzotriazol−1−y
l−oxy−tris(dimethylamino)
phosphonium)塩、ベンゾトリアゾール−1
−イルオキシ トリスピロリジノホスホニウム(Ben
zotriazol−1−yl−oxy−tris−p
yrrolidinophosphonium)塩、2
−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,
3,3−テトラメチルウロニウム(2−(1H−Ben
zotriazol−1−yl)−1,1,3,3−t
etramethyluronium)塩、または2−
(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)テ
トラメチルウロニウム(2−(5−Norbornen
e−2,3−dicarboximido)tetra
methyluronium)塩である請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】 式(II)で表わされるアルコール成分
が、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−
1,2,3−ベンゾトリアジン(3−Hydroxy−
3,4−dihydro−4−oxo−1,2,3−b
enzotriazine)、N−ヒドロキシ−5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド(N−Hyd
roxy−5−norbornene−2,3−dic
arboximide)、N−ヒドロキシフタルイミド
(N−hydroxyphthalimide)、1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(1−Hydroxyb
enzotriazole)である請求項1記載の方
法。 - 【請求項4】 使用するアミノ酸のα−アミノ基の保護
基がt−ブトキシカルボニル基である請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33775792A JPH06145195A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | ペプチド合成における副反応防止法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33775792A JPH06145195A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | ペプチド合成における副反応防止法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145195A true JPH06145195A (ja) | 1994-05-24 |
Family
ID=18311677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33775792A Pending JPH06145195A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | ペプチド合成における副反応防止法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06145195A (ja) |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP33775792A patent/JPH06145195A/ja active Pending
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