[go: up one dir, main page]

JPH06144246A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

Info

Publication number
JPH06144246A
JPH06144246A JP29533792A JP29533792A JPH06144246A JP H06144246 A JPH06144246 A JP H06144246A JP 29533792 A JP29533792 A JP 29533792A JP 29533792 A JP29533792 A JP 29533792A JP H06144246 A JPH06144246 A JP H06144246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric motor
assist
clutch
steering
power steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29533792A
Other languages
English (en)
Inventor
Keita Ozeki
啓太 尾関
Hirotaka Umeda
寛隆 梅田
Naoyuki Maeda
直之 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T R W S S J KK
Original Assignee
T R W S S J KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T R W S S J KK filed Critical T R W S S J KK
Priority to JP29533792A priority Critical patent/JPH06144246A/ja
Publication of JPH06144246A publication Critical patent/JPH06144246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無理な力がステアリングシャフトやラックギ
ヤに加わることがなく、ノイズ等によってパワーアシス
ト方向が逆転するといったこともなく、耐久性がよく、
高精度の制御にも適した電動式パワーステアリング装置
を提供する。 【構成】 電動式パワーステアリング装置1は、ラック
軸3に形成した右ネジ5,左ネジ7に係合するボールナ
ット11,13と、これらの間に配置された電動モータ
15とを備え、各ボールナット11,13及びロータ1
7の対面部分に摩擦係合型のクラッチ25,27が形成
されている。各ボールナット11,13は、カムリング
43,直動変換ロッド61及びスプリング63の作用に
より、入力軸41が右回転されると左へ、左回転すると
右へ移動する。そして、クラッチ25,27が係合する
ことで、電動モータ15の左回転がいずれかのボールナ
ット11,13へ伝えられ、操舵方向と合致したパワー
アシストを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動式パワーステアリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両のパワーステアリング装
置として、機械式のバルブを用いて油路を切り換える油
圧式のものが実用化されているが、油圧式では精密な制
御をするのには不都合なため、電動式のパワーステアリ
ング装置の実用化が望まれていた。
【0003】こうした背景の中で、例えば、特開昭59
−50864号,特開昭60−25854号,特開昭6
0−154955号,特開昭62−261573号,特
公平3−15591号,特公平4−28583号,特公
平4−57543号,実公平3−52606号,実公平
4−27743号など、種々の電動式パワーステアリン
グ装置が提案されてきた。
【0004】これらの電動式パワーステアリング装置に
おいては、ステアリングシャフトに取り付けたトルクセ
ンサによってドライバーの加えた操舵力を電気信号に変
換し、サーボ式の電動モータを正逆回転制御してラック
軸を左右に移動させ、パワーアシストを実行していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらサーボ
式モータでは、トルクセンサによって得られた電気信号
がノイズなどの影響で正逆反対の誤った信号になってし
まったとき、運転者の意図とは反対にパワーアシストを
実行することとなり、十分なフェイルセーフが必要とな
った。このため現実には、電動式では、低速走行中にだ
けパワーアシストを実行するシステムが軽自動車用とし
て実用化されているにとどまっていた。
【0006】また、サーボモータは、ブラシの摩耗の問
題もあって、モータ自体が故障しやすく、パワーアシス
トの方向が指示されるまでは停止させておく必要がある
ため、立ち上がりが遅くなるという問題もあった。そこ
で、そもそもサーボモータを用いることをやめ、一方向
にしか回転しないモータと、2種類のギヤ機構とを利用
し、これらギヤ機構とモータとを電磁クラッチにて係脱
切り換える構成の装置も提案されている(実公昭43−
19859号)。この構成であれば、モータを常時起動
状態にしておくこともできるので、起動遅れはなくな
り、サーボモータ特有の故障の問題も解消する。しか
し、電磁クラッチの制御信号がノイズ等によって誤った
信号となるおそれがあり、やはり、本質的なフェイルセ
ーフとならなかった。
【0007】こうした中で、特開昭59−128047
号,特開昭59−128048号の様に、上述の実公昭
43−19859号と同様のシステムにおいて、ステア
リングシャフトに設けたスプリングを利用して機械的に
クラッチの係脱を行う装置が提案されている。この装置
では、電気信号の異常によってパワーアシスト方向が逆
転するといったことはなくなる。
【0008】しかし、このシステムでは、パワーアシス
トによってステアリングシャフト下端のピニオンギヤと
係合するラックギヤに直接大きな力が加わるので、ラッ
クギヤに無理がかかり、損傷しやすいという問題があっ
た。また、このピニオンギヤとラックギヤとの間には遊
びがあること、及び電動モータによってステアリングシ
ャフトが強くねじられることなどにより、バックラッシ
ュが生じて微妙な制御ができないという問題もあった。
【0009】そこで、本発明においては、こうした無理
な力がステアリングシャフトやラックギヤに加わること
がなく、ノイズ等によってパワーアシスト方向が逆転す
るといった問題も生じることがなく、耐久性がよく、微
妙な制御にも適した電動式パワーステアリング装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる課題を解
決するためになされた本発明の電動式パワーステアリン
グ装置は、電動モータと、ラック軸側に設けられ、前記
電動モータに対してクラッチ機構を介して係合されたと
き、ステアリングシャフトの回動に応じたアシスト力を
ラック軸自体に与えるアシスト機構とを備える電動式パ
ワーステアリング装置において、前記電動モータとし
て、一方向へだけ回転するモータを用い、前記クラッチ
機構を、該電動モータの回転力を左操舵のアシスト力と
して前記アシスト機構を機能させる第1の係合状態と、
該電動モータの回転力を右操舵のアシスト力として前記
アシスト機構を機能させる第2の係合状態とをとり得る
機構として構成し、前記ステアリングシャフトの回動運
動を直線運動に変換すると共に、該直線運動を前記クラ
ッチ機構に伝達し、該クラッチ機構を前記第1の係合状
態,第2の係合状態及び離脱状態の間で切り換えるメカ
ニカル切換機構を備えたことを特徴とする。
【0011】本発明の電動式パワーステアリング装置に
よれば、アシスト機構は、ラック軸側に設けられ、ラッ
ク軸自体を左右に移動させるものであるから、ステアリ
ングシャフトを強くねじったり、ラックギヤに無理な力
を加えることがない。また、電動モータはサーボ式でな
いから、そもそも耐久性に優れている。しかも、クラッ
チ機構は、メカニカル切換機構にて切り換えられるの
で、パワーアシスト方向がドライバーの意図している方
向と逆転するといったことが一切ない。
【0012】ここで、請求項2に記載した様に、前記ク
ラッチ機構を前記アシスト機構と一体に構成し、前記メ
カニカル切換機構は、該アシスト機構を直接左右に移動
させることで、前記クラッチ機構による第1,第2の係
合状態及び離脱状態を切り換え、該アシスト機構及びメ
カニカル切換機構は、前記第1,第2の各係合状態にお
いて、アシスト機構の受ける反力がクラッチ機構をセル
フタッチとする様に構成すれば、パワーアシストの要求
が大きければ大きいほどクラッチ機構の係合が強くな
り、的確にパワーアシストを実行することができる。
【0013】こうした本発明の電動式パワーステアリン
グ装置のより具体的な構成としては、請求項3記載の様
に、前記アシスト機構を、前記ラック軸に形成したネジ
溝と、該ネジ溝に係合するボールナットとからなるボー
ルスクリュー機構にて構成することができる。ボースル
クリュー機構は、ラック軸に対して曲げを加えることが
なく、がたつきを抑えて微妙な制御を実行するのに適し
ている。
【0014】
【実施例】以下、本発明を適用した電動式パワーステア
リング装置の実施例を図面に従って説明する。図1〜図
3に第1実施例を示す。なお、実施例は右ハンドル車に
ついてのものであって、図1は車両の後方から前方を見
たときの要部の断面図である。この第1実施例の電動式
パワーステアリング装置1は、ラック軸3に形成した右
ネジ5及び左ネジ7の各々に係合するボールナット1
1,13と、このボールナット11,13の間に配置さ
れた電動モータ15とを備えている。電動モータ15に
おいては、ロータ17の中心にラック軸3が挿通されて
おり、このロータ17の周囲にステータ19が配置固定
されている。ロータ17は、ギヤーハウジング23内で
左右方向には移動できないが回転は自在となるようにボ
ールベアリング21によって支持されている。
【0015】また、各ボールナット11,13及びロー
タ17の対面部分には、これらと一体的に設けられた2
組の摩擦係合型のクラッチ25,27が設けられてい
る。各ボールナット11,13は、これらクラッチ2
5,27を介してロータ17からの回転力を伝達され
る。
【0016】ボールナット11,13は、それぞれ、ギ
ヤーハウジング23内においてラック軸3に沿って左右
方向へ移動自在となっている筒状の枠体31,33に対
して、ボールベアリング35,37にて回転自在に支持
されている。そして、これら枠体31,33は、連結ロ
ッド39にて連結され、同時に左右へ移動する様に構成
されている。
【0017】一方、ハンドル(図示略)と連結される入
力軸41には、図2に詳しく示すようなカムリング43
が取り付けられている。このカムリング43には、図2
(A)に示す様に斜め右下がりに延びる斜め長孔45
と、図2(C)に示す様に垂直方向に延びる垂直長孔4
7とが設けられている。そして、斜め長孔45には入力
軸41のハンドル側部分41aに突設されたピン51が
係合し、垂直長孔47にはピニオン側部分41bに突設
されたピン53が係合している。また、カムリング43
の上下には、スプリング55,57が配設されている。
このスプリング55,57は、入力軸41が回転する際
に、ハンドル側部分41aに対してピニオン側部分41
bが所定の位相角度をもって回転する様にするためのも
のである。
【0018】従って、ハンドルが右操舵されると、まず
ハンドル側部分41aが右回転し初めるが、ピニオン側
部分41bはすぐには右回転しない。従って、斜め長孔
45は、そこに係合しているピン51に図示左側の当接
面を押される。この結果、カムリング43が下降し始め
る。そして、この右操舵による入力トルクがある大きさ
になると、上側のスプリング55を介してカムリング4
3とピニオン側部分41bとが一体的に右回転し始め
る。カムリング43は、このピニオン側部分41bがハ
ンドル側部分41aろ一体的に右回転し始める状態にな
るまで下がり続け、以後はその高さを保ったまま右回転
する様になる。ハンドルが左操舵された場合には、この
逆に、まず、カムリング43が上昇し始め、ある位置で
上昇しなくなり、以後はカムリング43とピニオン側部
分41bとが一体的に左回転し始める。
【0019】ここで、カムリング43が下降すると、こ
のカム面に当接されている直動変換ロッド61が図示左
へ移動し、枠体31,33及びボールナット11,13
を左へ移動させる。また、左側ボールナット13の背後
に配設されたスプリング63が直動変換ロッド61に対
して図示右方向へ押圧力を与えているので、カムリング
43が上昇する際には、枠体31,33及びボールナッ
ト11,13が右方向へ移動される。この様にして、ハ
ンドル操作に伴う入力軸41の回転が、直線運動に変換
され、ボールナット11,13を左右へ移動させる。な
お、右側のボールナット11の背後にもスプリング65
が配設されているが、左側のスプリング63よりもバネ
力の小さいものである。
【0020】この様な直動変換機構により、ハンドルが
右操舵されてカムリング43が下降すると、枠体31,
33及びボールナット11,13が共に左へ移動し、右
側のクラッチ25が係合する。従って、右側のボールナ
ット11が電動モータ15の回転力を受けて回転し始め
る。ここで、電動モータ15は、常時ゆっくりと左回転
しており、図示しないコントローラによって操舵量に応
じた回転速度になるよう加速・減速制御がなされる。こ
の加速・減速制御は、カムリング43の周囲に設けたト
ルク検出器67にて、操舵に伴って入力軸41に発生す
るトルクを検出し、その検出値に応じて実行される。な
お、本実施例では、このトルク検出器67は、カムリン
グ43の動きをその周囲に配置したコイルにて検知して
入力トルクを検出する構成とされている。
【0021】こうしてハンドルが右操舵されて電動モー
タ15の左回転が右側のボールナット11に伝えられる
と、ラック軸3は図示右方向へパワーアシストされる。
このとき、ボールナット11がラック軸3から受ける反
力は図示左方向への力となるから、クラッチ25はセル
フタッチ状態となる。従って、強いパワーアシストが必
要なとき、クラッチ25は、自然に、より強い係合状態
となり、滑ることなくスムーズに力を伝達することがで
きる。そして、この強い力は、ラック軸3自体をまっす
ぐに右方向へ移動させる力であるので、ラック軸3に曲
げを生じさせることがない。また、ピニオンギヤ71自
体は強くねじられているわけではないので、ラックギヤ
73に無理な力が加わるといったこともない。その後、
右操舵が完了すると、カムリング43が中立位置へ復帰
するので、右側のクラッチ25は左側のクラッチ27と
同様に離脱状態となる。
【0022】ハンドルが左操舵されたときには、逆に、
カムリング43が上昇し、枠体31,33及びボールナ
ット11,13が共に右へ移動し、左側のクラッチ27
が係合する。従って、今度は左側のボールナット13が
左回転を開始し、ラック軸3は図示左方向へパワーアシ
ストされる。このときも、クラッチ27は、セルフタッ
チ状態となる。
【0023】この様に、操舵による入力トルクが入力軸
41に加わると、その大きさによってクラッチOFF領
域,クラッチON領域が機構的に定まる。この状態を模
式図に表したのが図3である。ここで、ある程度の入力
トルクまでをクラッチOFF領域としたのは、車両が直
進中であってもドライバーはわずかにハンドルを左右へ
動かしながら運転していることが多いし、車輪が路面か
ら受ける微妙な振動によっても入力軸41が左右に微小
回転するときがあるので、かかる状態でパワーアシスト
が働かない様にするためである。
【0024】この様に構成した結果、第1実施例のパワ
ーステアリング装置によれば、ラック軸3に曲げを加え
たりすることなく、ラックギヤ73にも無理を掛けずに
パワーアシストを実行することができる。しかも、電動
モータ15を利用しているので、精度の高い微妙なパワ
ーアシストを実行することも可能である。
【0025】また、電動モータ15は、一方向へだけ回
転するモータであるから、サーボモータの様に故障しや
すいといったことがない。そして、クラッチ25,27
で係合離脱することによってパワーアシストの有無及び
方向を制御しているので、この電動モータ15は常時起
動状態としておくことができ、起動時の立ち上がりの遅
れといったことがない。加えて、クラッチが係合してい
ない状態においては、モータイナーシャがラック軸3に
加わることがない。従って、ハンドルの切り返しが容易
である。
【0026】しかも、直動変換ロッド61を採用し、入
力トルクに応じてメカニカルにクラッチを切り換える機
構としているので、クラッチの係脱において電気信号の
誤りが生じることがなく、ドライバーの意図と反対の方
向にパワーアシストがなされてしまうといったことがな
い。加えて、トルク検出器67においては、入力トルク
の方向は関係なく、大きさだけを検出すればよく、信号
の誤りが生じ難い。また、仮にトルク検出値が誤ってい
たとしても、パワーアシストの方向が逆転するといった
ことはないので、ドライバーは単にハンドルが重いとか
軽いとかいった印象を受けるだけである。
【0027】さらに、本実施例のクラッチ機構はセルフ
タッチとなる構成であるので、パワーアシスト力に比例
してクラッチの係合力が増す。従って、自然に的確なパ
ワーアシストが得られ、かつ、強いパワーアシストを加
える際にもクラッチ部分の滑りが生じ難いことから、ク
ラッチ自体の耐久性も良好なものとなる。
【0028】次に、第2実施例を図4に基づいて説明す
る。なお、第1実施例と同じ役割の部品については、第
1実施例で用いた符号に100を足して表示し、詳しい
説明は省略する。第2実施例のパワーステアリング装置
101では、第1実施例と違って、左右のボールナット
111,113は軸方向へ移動しないように配設し、各
ボールナット111,113にスプライン嵌合するスリ
ーブ124,126と電動モータ115のロータ117
との間で摩擦係合型のクラッチ125,127を構成し
ている。そして、直動変換ロッド161は、このスリー
ブ124,126を左右に移動させることでクラッチの
係合離脱を切り換える様に構成されている。作用・効果
は第1実施例とほぼ同様であるが、セルフタッチ機能は
発揮しない。その一方、直動変換ロッド161に対する
反力が小さいので、直動変換ロッド161自体の耐久性
はよい。
【0029】次に、第3実施例を図5に基づいて説明す
る。なお、第1実施例等と同じ構成部品については、第
1実施例等で用いた符号の百の位を「2」に変えて表示
し、詳しい説明は省略する。第3実施例のパワーステア
リング装置201は、第1実施例と違って、電動モータ
215のロータ217の方を直動変換ロッド261に連
結し、ロータ217を左右に移動可能なように構成した
ものである。具体的には、ロータ217の右側のボール
ベアリング221aの方にリング部材222を配設し、
これと直動変換ロッド261とを連結した。この場合も
セルフタッチ機能はなくなるが、第1,第2実施例に比
べると連結ロッド39,139が不要になる点で構造が
簡単となる。
【0030】次に、第4実施例を図6に基づいて説明す
る。なお、第1実施例等と同じ構造については、第1実
施例等で用いた符号の百の位を「3」に変えて表示し、
詳しい説明は省略する。第4実施例のパワーステアリン
グ装置301は、電動モータ315にラック軸303を
挿通せず、両者を並列位置へ配設し、第3実施例におい
てロータ217があった位置に筒状の回転体380を配
設し、この回転体380と電動モータ315との間に減
速ギヤ382を配設したものである。そして、回転体3
80がリング部材322を介して連結ロッド361と連
結され、左右に移動することによって摩擦係合型のクラ
ッチ325,327の係脱を切り換えるように構成され
ている。この構成によると、電動モータ315を減速し
て用いることができ、回転数の高い小型モータを用いる
ことも可能になる。また、ラック軸方向についてのパワ
ーアシスト用部品の配置の自由度が上がる。
【0031】次に、第5実施例を図7に基づいて説明す
る。この第5実施例は、ボールスクリュー機構を一つだ
けにしたものである。なお、第1実施例等と同じ構造に
ついては、既に用いた符号の百の位を「4」に変えて表
示し、詳しい説明は省略する。
【0032】第5実施例のパワーステアリング装置40
1は、ギヤハウジング423の左端に電動モータ415
を配設し、その右側にボールナット411を配設し、こ
のボールナット411を囲み込む様にケーシング412
を配設すると共に、このケーシング412をロータ41
7とスプライン嵌合させ、ケーシング412の左右の内
壁とボールナット411との間に摩擦係合型のクラッチ
425,427を配設している。
【0033】ボールナット411は、このケーシング4
12よりも右側へ突出する支持スリーブ411a及びボ
ールベアリング435を介してギヤハウジング423に
回転自在に支持されている。また、ケーシング412と
ボールナット411とは、スプリング463,465に
よってオフセットされている。そして、左側のクラッチ
427は、リングギヤ414a2,遊星ギヤ414b及
びサンギヤ414cからなる反転機構414とボールナ
ット411との間に構成されている。従って、ボールナ
ット411は、どちらのクラッチ425,427を介し
て電動モータ415と係合されるかによって回転方向が
違ったものとなる。
【0034】いずれのクラッチ425,427を係合さ
せるかは、第4実施例と同様に、ケーシング412の右
端を支持するボールベアリングの部分に配置されたリン
グ部材422が、直動変換ロッド461を介して左右に
移動されることによって切り換えられる。この実施例で
は、直動変換ロッド461は、図7(C)に示す様に、
例えばカムリング443に設けた溝444aに遊嵌され
たリング444bと連結されることにより、カムリング
443の上昇・下降に伴って左右に移動される。カムリ
ング443の上昇・下降の原理は第1実施例と全く同様
である。
【0035】この第5実施例についてもセルフタッチ機
能はないが、ボールナットが一つで済み、ラック軸40
3のネジ溝は1種類でよいし、ギヤハウンジグ423が
全体として小型でよくなるなど、他の実施例に比べて構
成が簡単になるという利点がある。
【0036】次に、第6実施例を図8に基づいて説明す
る。この第6実施例も、ボールスクリュー機構を一つだ
けにしたものである。なお、第1実施例等と同じ構造に
ついては、符号の百の位を「5」に変えて表示し、詳し
い説明は省略する。第6実施例のパワーステアリング装
置501では、ギヤハウジング523の中央部において
ロータ軸517aを下にして電動モータ515を配設
し、ボールナット511には右方向へ突出するスリーブ
511aを形成し、このスリーブ511aに鍔付回転体
590をスプライン嵌合してある。鍔付回転体590は
2枚の鍔591,592を備えている。そして、この鍔
付回転体590の各鍔591,592とロータ軸517
aの先端の摩擦部材517bとによって摩擦係合型のク
ラッチ525,527を構成している。さらに、鍔付回
転体590を、第5実施例のケーシング412と同様
に、リング部材522及び直動変換ロッド561を介し
て左右に移動させる構成とし、これによってボールナッ
ト511の回転方向を変えて駆動できる様になってい
る。この第6実施例によれば、第5実施例よりもさらに
ギヤハウジング523をコンパクト化できるという利点
がある。
【0037】以上、本発明のいくつかの実施例を説明し
たが、本発明の電動式パワーステアリング装置は、上記
各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない限り種々なる態様に変形することが可能であ
る。例えば、ステアリング入力軸の回転運動を直線運動
に変換する機構を実施例と異なる機構で構成してもよ
い。一例として、図9(A)に示す様に、入力軸741
から突設させた突起750に直動変換ロッド761を貫
通させ、ストッパ750a,750bが突起750と当
接することで入力軸741の回転を直線運動に変換する
構成とすることができる。また、他の例として、図9
(B)に示す様に、入力軸841に設けた突起850か
らさらにピン850aを突設し、このピン850aを直
動変換ロッド861の溝850bに係合させておき、回
転運動を直線運動に変換する様に構成することもでき
る。その他、種々の回転運動を直線運動に変換するメカ
ニカルな機構を採用し得ることはもちろんである。さら
に、アシスト機構についても、ボールスクリュー機構で
はなく、他の機構を採用することができる。
【0038】また、第1実施例〜第3実施例における電
動モータとボールスクリューとを逆にし、それぞれが逆
方向に回転する二つの電動モータの間に配設した一つの
ボールスクリュー機構をいずれかの電動モータと係合さ
せることによってラック軸に対するパワーアシスト方向
を切り換える構成としても構わない。
【0039】加えて、実施例の様な入力軸の機構のもの
に限らず、トーションバーを用いた入力軸であってもよ
いし、電動モータは常時ゆっくり回しておく装置構成に
限らず常には停止させておくものであっても構わない。
さらに、カムリングについても、図10(A)に示す様
に、垂直の第1カム面1001と、斜めの第2カム面1
003と、さらに垂直の第3カム面1005とを有する
様に形成してもよい。この場合、ハンドルの回転し初め
においては第2カム面1003に沿って直動変換ロッド
1007が速く左右に移動し、その後直動変換ロッド1
007は垂直なカム面1001又は1005に当接して
保持状態となる。また、同図(B)に示す様に、断面湾
曲状のカム面1010としておいてもよい。なお、図中
点線は、実施例におけるカム面を比較のため示したもの
である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
無理な力がステアリングシャフトやラックギヤに加わる
ことがなく、ノイズ等によってパワーアシスト方向が逆
転するといった問題も生じることがなく、耐久性がよ
く、微妙な制御にも適した電動式パワーステアリング装
置を提供することができる。
【0041】また、請求項2に記載したセルフタッチと
なる構成を採用すれば、パワーアシストの要求が大きけ
れば大きいほどクラッチ機構の係合が強くなり、クラッ
チが滑ることなく的確なパワーアシストを実行すること
ができる。そして、クラッチ部分の耐久性も向上する。
【0042】加えて、請求項3記載の様にボールスクリ
ュー機構で構成すれば、ラック軸に対して曲げを加える
ことがなく、がたつきを抑えて精度の高い微妙な制御を
実行することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の要部の構成を示す断面図であ
る。
【図2】 第1実施例のカムリング部分の断面図であ
る。
【図3】 第1実施例におけるクラッチ係合領域と入力
トルクとの関係を表す説明図である。
【図4】 第2実施例の要部の構成を示す断面図であ
る。
【図5】 第3実施例の要部の構成を示す断面図であ
る。
【図6】 第4実施例の要部の構成を示す断面図であ
る。
【図7】 第5実施例の要部の構成を示す断面図及び一
部部品の正面図である。
【図8】 第6実施例の要部の構成を示す断面図及び一
部部品の斜視図である。
【図9】 直動変換機構の変形例を示す説明図である。
【図10】 カムリングの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,101,201,301,401,501・・・電
動式パワーステアリング装置、3,103,203,3
03,403,503・・・ラック軸、11,13,1
11,113,211,213,311,313,41
1,511・・・ボールナット、15,115,21
5,315,415,515・・・電動モータ、25,
27,125,127,225,227,325,32
7,425,427,525,527・・・クラッチ、
39,139・・・連結ロッド、41,141,74
1,841・・・入力軸、43,143,443・・・
カムリング、45・・・斜め長孔、47・・・垂直長
孔、55,57・・・スプリング、61,161,26
1,361,461,561,761,861・・・直
動変換ロッド、63,65,163,165,263,
265,363,365・・・スプリング、67,16
7・・・トルク検出器、414・・・反転機構、590
・・・鍔付回転体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータと、 ラック軸側に設けられ、前記電動モータに対してクラッ
    チ機構を介して係合されたとき、ステアリングシャフト
    の回動に応じたアシスト力をラック軸自体に与えるアシ
    スト機構とを備える電動式パワーステアリング装置にお
    いて、 前記電動モータとして、一方向へだけ回転するモータを
    用い、 前記クラッチ機構を、該電動モータの回転力を左操舵の
    アシスト力として前記アシスト機構を機能させる第1の
    係合状態と、該電動モータの回転力を右操舵のアシスト
    力として前記アシスト機構を機能させる第2の係合状態
    とをとり得る機構として構成し、 前記ステアリングシャフトの回動運動を直線運動に変換
    すると共に、該直線運動を前記クラッチ機構に伝達し、
    該クラッチ機構を前記第1の係合状態,第2の係合状態
    及び離脱状態の間で切り換えるメカニカル切換機構を備
    えたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ機構を前記アシスト機構と
    一体に構成し、 前記メカニカル切換機構は、該アシスト機構を直接左右
    に移動させることで、前記クラッチ機構による第1,第
    2の係合状態及び離脱状態を切り換え、 該アシスト機構及びメカニカル切換機構は、前記第1,
    第2の各係合状態において、アシスト機構の受ける反力
    がクラッチ機構をセルフタッチとする様に構成されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の電動式パワーステアリン
    グ装置。
  3. 【請求項3】 前記アシスト機構を、前記ラック軸に形
    成したネジ溝と、該ネジ溝に係合するボールナットとか
    らなるボールスクリュー機構にて構成したことを特徴と
    する請求項1又は請求項2のいずれか記載の電動式パワ
    ーステアリング装置。
JP29533792A 1992-11-04 1992-11-04 電動式パワーステアリング装置 Pending JPH06144246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29533792A JPH06144246A (ja) 1992-11-04 1992-11-04 電動式パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29533792A JPH06144246A (ja) 1992-11-04 1992-11-04 電動式パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06144246A true JPH06144246A (ja) 1994-05-24

Family

ID=17819312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29533792A Pending JPH06144246A (ja) 1992-11-04 1992-11-04 電動式パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06144246A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5671637A (en) * 1994-11-30 1997-09-30 Mercedes-Benz Ag Servo-assisted rack-and-pinion system
US5775459A (en) * 1994-12-23 1998-07-07 Mercedes-Benz Ag Rack-and-pinion steering system
US6851508B2 (en) 2000-07-21 2005-02-08 Nsk Ltd. Motor-operated power steering device
US7219761B2 (en) 2000-07-21 2007-05-22 Nsk Ltd. Motor-operated power steering apparatus
US7242161B2 (en) 2002-09-19 2007-07-10 Nsk, Ltd. Control device for motorized power steering device

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5671637A (en) * 1994-11-30 1997-09-30 Mercedes-Benz Ag Servo-assisted rack-and-pinion system
US5775459A (en) * 1994-12-23 1998-07-07 Mercedes-Benz Ag Rack-and-pinion steering system
US6851508B2 (en) 2000-07-21 2005-02-08 Nsk Ltd. Motor-operated power steering device
US7219761B2 (en) 2000-07-21 2007-05-22 Nsk Ltd. Motor-operated power steering apparatus
US7237646B2 (en) 2000-07-21 2007-07-03 Nsk, Ltd. Electrically driven power steering apparatus
US7242161B2 (en) 2002-09-19 2007-07-10 Nsk, Ltd. Control device for motorized power steering device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1265751A (en) Motor-driven power steering device
US4784234A (en) Motor driven power steering system
JP4672427B2 (ja) 遊星ローラ駆動装置及び同装置を設置したステアリング装置
JP2012045978A (ja) 車両用操舵装置
JPH084383Y2 (ja) 車両用操蛇装置
JPH06144246A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2727173B2 (ja) サーボモータ支援形ピニオン・ラック形ステアリング装置
JP2743354B2 (ja) 2輪・4輪駆動切換装置
JP2010241258A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2653965B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2006123857A (ja) 車両用ステアリング装置
JP4539026B2 (ja) 車両用操舵装置
JPH05180299A (ja) アクチュエータ
JPH08207797A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH046511B2 (ja)
JPH02220969A (ja) 電動式動力舵取装置
JP2529937Y2 (ja) 電動式動力操舵装置
JP2000074760A (ja) トルク検出機構
JPH0826124A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2661665B2 (ja) クラッチ装置
JPH03253463A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2500189Y2 (ja) 前後輪操舵車の後輪操舵装置
JP3094136B2 (ja) バッテリー式フォークリフト
JP2664226B2 (ja) クラッチ装置
JPS63277946A (ja) 電気式パワ−ステアリングのトルク検出装置