JPH06142460A - オリゴ糖の粉末化方法 - Google Patents
オリゴ糖の粉末化方法Info
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- JPH06142460A JPH06142460A JP4059491A JP4059491A JPH06142460A JP H06142460 A JPH06142460 A JP H06142460A JP 4059491 A JP4059491 A JP 4059491A JP 4059491 A JP4059491 A JP 4059491A JP H06142460 A JPH06142460 A JP H06142460A
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- Japan
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- oligosaccharide
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- reverse osmosis
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、単糖、2糖、3糖、4糖、及びそれ
以上の多糖の混在した多成分からなるオリゴ糖水溶液か
らオリゴ糖粉末を得る方法に関するものである。 【構成】本発明にかかわるオリゴ糖の粉末化方法は、多
成分からなる原料オリゴ糖水溶液を逆浸透膜で分画・濃
縮処理する工程と、分画・濃縮液を乾燥処理する工程を
含むことを特徴とする。 【効果】オリゴ糖は従来液状又は賦形剤が多く混在した
粉化物であり用途は限定されていたが、オリゴ糖自体の
粉化物が得られるので食品加工への用途は広がることは
もちろん、オリゴ糖の機能を持つ有効組成分が膜処理に
より濃縮されたのでオリゴ糖自体の持つ特性が増大し、
食品加工への応用が多方面に展開出来る。
以上の多糖の混在した多成分からなるオリゴ糖水溶液か
らオリゴ糖粉末を得る方法に関するものである。 【構成】本発明にかかわるオリゴ糖の粉末化方法は、多
成分からなる原料オリゴ糖水溶液を逆浸透膜で分画・濃
縮処理する工程と、分画・濃縮液を乾燥処理する工程を
含むことを特徴とする。 【効果】オリゴ糖は従来液状又は賦形剤が多く混在した
粉化物であり用途は限定されていたが、オリゴ糖自体の
粉化物が得られるので食品加工への用途は広がることは
もちろん、オリゴ糖の機能を持つ有効組成分が膜処理に
より濃縮されたのでオリゴ糖自体の持つ特性が増大し、
食品加工への応用が多方面に展開出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単糖、2糖、3糖、4
糖、及びそれ以上の多糖の混在した多成分からなるオリ
ゴ糖水溶液からオリゴ糖粉末を得る方法に関するもので
ある。
糖、及びそれ以上の多糖の混在した多成分からなるオリ
ゴ糖水溶液からオリゴ糖粉末を得る方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ビフィズス菌増殖因子、食品加工
への物性改良、抗う蝕性等各種機能を示す多くのオリゴ
糖が開発され、実用に供されている。これらのオリゴ糖
の内、ビフィズス菌増殖因子として機能を示すものとし
て、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリ
ゴ糖、ガラクトオリゴ糖等があり、その機能を示すのは
主として3,4糖であるとされている。即ち大豆オリゴ
糖ではラフィノース(3糖)、スタキオース(4糖)、
フラクトオリゴ糖では1−ケストース(3糖)、ニスト
ース(4糖)、1−F−フラクトフラノシルニストース
(5糖)、イソマルトオリゴ糖ではパノース(3糖)、
イソマルトトリオース(3糖)とその他4糖、ガラクト
オリゴ糖では4′−ガラクトシルラクトース(3糖)、
6′−ガラクトシルラクトース(3糖)、その他4糖で
ある。
への物性改良、抗う蝕性等各種機能を示す多くのオリゴ
糖が開発され、実用に供されている。これらのオリゴ糖
の内、ビフィズス菌増殖因子として機能を示すものとし
て、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリ
ゴ糖、ガラクトオリゴ糖等があり、その機能を示すのは
主として3,4糖であるとされている。即ち大豆オリゴ
糖ではラフィノース(3糖)、スタキオース(4糖)、
フラクトオリゴ糖では1−ケストース(3糖)、ニスト
ース(4糖)、1−F−フラクトフラノシルニストース
(5糖)、イソマルトオリゴ糖ではパノース(3糖)、
イソマルトトリオース(3糖)とその他4糖、ガラクト
オリゴ糖では4′−ガラクトシルラクトース(3糖)、
6′−ガラクトシルラクトース(3糖)、その他4糖で
ある。
【0003】しかし、オリゴ糖は通常3,4,5糖と単
糖及び2糖が混在して販売されている。例えば大豆オリ
ゴ糖の組成は水分24%,スタキオース(4糖)18
%、ラフィノース(3糖)6%、ショ糖(2糖)30
%、グルコース(単糖)及びフラクトース(単糖)22
%(ソーヤーオリゴジャパン社大豆オリゴ糖カタログ)
となっている。またフラクトオリゴ糖の組成は固型分比
でグルコース(単糖)+フラクトース(単糖)33%,
ショ糖(2糖)12%,1−ケストース(3糖)25
%、ニストース(4糖)25%、1−F−フラクトフラ
ノシルニストース(5糖)5%(明治製菓社メイオリゴ
カタログ)である。この様な各種の糖の混在した組成物
からビフィズス菌増殖因子である3,4,5糖の組成比
を上昇させることは経済的に得策ではなく、通常上記の
様に混在した組成物として市販されている。
糖及び2糖が混在して販売されている。例えば大豆オリ
ゴ糖の組成は水分24%,スタキオース(4糖)18
%、ラフィノース(3糖)6%、ショ糖(2糖)30
%、グルコース(単糖)及びフラクトース(単糖)22
%(ソーヤーオリゴジャパン社大豆オリゴ糖カタログ)
となっている。またフラクトオリゴ糖の組成は固型分比
でグルコース(単糖)+フラクトース(単糖)33%,
ショ糖(2糖)12%,1−ケストース(3糖)25
%、ニストース(4糖)25%、1−F−フラクトフラ
ノシルニストース(5糖)5%(明治製菓社メイオリゴ
カタログ)である。この様な各種の糖の混在した組成物
からビフィズス菌増殖因子である3,4,5糖の組成比
を上昇させることは経済的に得策ではなく、通常上記の
様に混在した組成物として市販されている。
【0004】一方、この様な多成分の混在したオリゴ糖
を結晶化することは不可能である。また顆粒化、粉末化
も困難であり、従って粉末化の場合多量の賦形剤を混合
して行われている。またこの様なオリゴ糖は吸湿性の高
い性質をしており、例え粉末化されてもその保管には充
分な対策を必要とする。従ってこれらのオリゴ糖は通常
液状で取扱われている。
を結晶化することは不可能である。また顆粒化、粉末化
も困難であり、従って粉末化の場合多量の賦形剤を混合
して行われている。またこの様なオリゴ糖は吸湿性の高
い性質をしており、例え粉末化されてもその保管には充
分な対策を必要とする。従ってこれらのオリゴ糖は通常
液状で取扱われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に粉末化困難な多成分からなるオリゴ糖水溶液を原料と
して、有用なオリゴ糖濃度の高いオリゴ糖粉末を得る方
法を提供することを目的とする。
に粉末化困難な多成分からなるオリゴ糖水溶液を原料と
して、有用なオリゴ糖濃度の高いオリゴ糖粉末を得る方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわるオリゴ
糖の粉末化方法は、多成分からなる原料オリゴ糖水溶液
を逆浸透膜で分画・濃縮処理する工程と、分画・濃縮液
を乾燥処理する工程を含むことを特徴とする。
糖の粉末化方法は、多成分からなる原料オリゴ糖水溶液
を逆浸透膜で分画・濃縮処理する工程と、分画・濃縮液
を乾燥処理する工程を含むことを特徴とする。
【0007】単一物質はそれぞれ固有の溶解度や晶析濃
度等の特性を持っており、物質の粉末化条件には溶解
度、晶析濃度が関与している。従って多成分からなる混
合系では各組成分の溶解度、晶析濃度が異なっており、
結晶化、粉末化の困難なことは当然である。本発明者ら
は、多成分からなるオリゴ糖水溶液を逆浸透膜で分画・
濃縮処理しその組成比を変えることにより、単一成分と
しなくても、従来粉末化困難であったオリゴ糖の粉末が
得られることを見いだした。
度等の特性を持っており、物質の粉末化条件には溶解
度、晶析濃度が関与している。従って多成分からなる混
合系では各組成分の溶解度、晶析濃度が異なっており、
結晶化、粉末化の困難なことは当然である。本発明者ら
は、多成分からなるオリゴ糖水溶液を逆浸透膜で分画・
濃縮処理しその組成比を変えることにより、単一成分と
しなくても、従来粉末化困難であったオリゴ糖の粉末が
得られることを見いだした。
【0008】多成分より単一成分へ分画、分別する方法
としてはクロマト法があるが、実用化には経済性から得
策ではなく、限界瀘過や逆浸透瀘過等の膜分画はクロマ
ト分画に比べ単一組成への分画機能は幾分劣るが、適当
な条件を選ぶことにより粉末化可能な程度までオリゴ糖
の組成比を変えることができるので、経済性の点で実用
化に適した方法である。
としてはクロマト法があるが、実用化には経済性から得
策ではなく、限界瀘過や逆浸透瀘過等の膜分画はクロマ
ト分画に比べ単一組成への分画機能は幾分劣るが、適当
な条件を選ぶことにより粉末化可能な程度までオリゴ糖
の組成比を変えることができるので、経済性の点で実用
化に適した方法である。
【0009】逆浸透膜処理したオリゴ糖濃縮液の乾燥処
理方法としては噴霧乾燥法、真空ベルト乾燥法、濃縮液
よりの晶析等の方法があるが、生産性の点で噴霧乾燥法
が好ましい。噴霧乾燥を行う場合の固形分濃度は20〜
50重量%が適当なので、逆浸透膜処理したオリゴ糖分
画・濃縮液の濃度が低い場合には、必要に応じて真空蒸
発法等により更に濃縮した後噴霧乾燥する。上記各方法
による乾燥物は必要に応じて更に粉砕しても良い。
理方法としては噴霧乾燥法、真空ベルト乾燥法、濃縮液
よりの晶析等の方法があるが、生産性の点で噴霧乾燥法
が好ましい。噴霧乾燥を行う場合の固形分濃度は20〜
50重量%が適当なので、逆浸透膜処理したオリゴ糖分
画・濃縮液の濃度が低い場合には、必要に応じて真空蒸
発法等により更に濃縮した後噴霧乾燥する。上記各方法
による乾燥物は必要に応じて更に粉砕しても良い。
【0010】更に詳しく説明すると、この様な多組成分
からなるオリゴ糖を逆浸透処理により分画する場合、2
糖(分子量約340)以下と3糖(分子量約500)以
上との分画、または単糖(分子量約180)と2糖以上
との分画を行う。膜処理においては膜分画の特性から分
画性には限界があり、また市販膜種類も限定されるの
で、適当な分画分子量の膜を用い処理圧力、流速、温度
等を制御すれば良い。一定の分画性を得るには、一般に
低分子量分画の膜では高圧処理で、より大きい分子量分
画の膜ではやや低圧で処理する。しかし処理圧が高すぎ
ると膜の目詰り等が生じ、高い透過流速が得られない欠
点がある。
からなるオリゴ糖を逆浸透処理により分画する場合、2
糖(分子量約340)以下と3糖(分子量約500)以
上との分画、または単糖(分子量約180)と2糖以上
との分画を行う。膜処理においては膜分画の特性から分
画性には限界があり、また市販膜種類も限定されるの
で、適当な分画分子量の膜を用い処理圧力、流速、温度
等を制御すれば良い。一定の分画性を得るには、一般に
低分子量分画の膜では高圧処理で、より大きい分子量分
画の膜ではやや低圧で処理する。しかし処理圧が高すぎ
ると膜の目詰り等が生じ、高い透過流速が得られない欠
点がある。
【0011】本発明においては、限界濾過膜と逆浸透膜
の中間に位置する分画分子量1000以下のルーズ逆浸
透膜(例えば日東電工社製NTR7450:分画分子量
500)を用いるのが好ましい。分画分子量1000以
下のルーズ逆浸透膜でのオリゴ糖の処理において圧力2
0Kg/cm2 G未満では膜の目づまりは殆どなく、透
過速度を著しく低下させない。また20Kg/cm2 G
未満の圧力では3糖以上のオリゴ糖の透過が抑制される
(参考例1参照)。
の中間に位置する分画分子量1000以下のルーズ逆浸
透膜(例えば日東電工社製NTR7450:分画分子量
500)を用いるのが好ましい。分画分子量1000以
下のルーズ逆浸透膜でのオリゴ糖の処理において圧力2
0Kg/cm2 G未満では膜の目づまりは殆どなく、透
過速度を著しく低下させない。また20Kg/cm2 G
未満の圧力では3糖以上のオリゴ糖の透過が抑制される
(参考例1参照)。
【0012】一方、各オリゴ糖はそれぞれ独自の構成糖
からなっており、特徴ある性質を備えているが、いずれ
のオリゴ糖も、原料オリゴ糖水溶液を逆浸透膜で原料オ
リゴ糖水溶液の2倍以上の固形分濃度に分画・濃縮処理
することにより、それぞれ粉末化することができる(実
施例1及び3参照)。処理液の濃度を2倍に濃縮した場
合を例に取ると、処理原料液の濃度にかかわらず、分画
・濃縮液中のオリゴ糖中の3糖以上の割合は変わらない
(参考例2参照)。
からなっており、特徴ある性質を備えているが、いずれ
のオリゴ糖も、原料オリゴ糖水溶液を逆浸透膜で原料オ
リゴ糖水溶液の2倍以上の固形分濃度に分画・濃縮処理
することにより、それぞれ粉末化することができる(実
施例1及び3参照)。処理液の濃度を2倍に濃縮した場
合を例に取ると、処理原料液の濃度にかかわらず、分画
・濃縮液中のオリゴ糖中の3糖以上の割合は変わらない
(参考例2参照)。
【0013】逆浸透膜による分画・濃縮処理を行う為の
原料オリゴ糖水溶液の濃度について述べると、濃度が高
すぎると粘度が高くなるため高圧を必要とし、透過流速
を著しく減少させ、また目づまりを起こし易くなるの
で、高くとも30重量%以下、好ましくは20重量%以
下とするのが良い。また原料オリゴ糖水溶液の濃度が低
過ぎると分画物の濃縮に費用がかかり経済効率が悪くな
るので、少なくとも3重量%以上、好ましくは5重量%
以上とするのが良い。このような原料濃度範囲では、上
記のように、分画・濃縮液中のオリゴ糖中の3糖以上の
割合は変わらないので、逆浸透操作を効率的に行える条
件で行えば良い。
原料オリゴ糖水溶液の濃度について述べると、濃度が高
すぎると粘度が高くなるため高圧を必要とし、透過流速
を著しく減少させ、また目づまりを起こし易くなるの
で、高くとも30重量%以下、好ましくは20重量%以
下とするのが良い。また原料オリゴ糖水溶液の濃度が低
過ぎると分画物の濃縮に費用がかかり経済効率が悪くな
るので、少なくとも3重量%以上、好ましくは5重量%
以上とするのが良い。このような原料濃度範囲では、上
記のように、分画・濃縮液中のオリゴ糖中の3糖以上の
割合は変わらないので、逆浸透操作を効率的に行える条
件で行えば良い。
【0014】以上詳述した逆浸透膜で分画・濃縮処理に
より、後述の実施例から明らかなように、大豆オリゴ糖
では3糖以上の組成比を原液の36%程度から45〜7
0%に、またフラクトオリゴ糖では3糖以上の組成比を
原液の56%から80%以上に増加することが出来た。
また同時に2糖以下、特に単糖の組成比は著しく減少し
た。この様な組成比の変化から脱水処理による粉化は容
易となり、粉化物の吸湿性も少なくなり改善された。
より、後述の実施例から明らかなように、大豆オリゴ糖
では3糖以上の組成比を原液の36%程度から45〜7
0%に、またフラクトオリゴ糖では3糖以上の組成比を
原液の56%から80%以上に増加することが出来た。
また同時に2糖以下、特に単糖の組成比は著しく減少し
た。この様な組成比の変化から脱水処理による粉化は容
易となり、粉化物の吸湿性も少なくなり改善された。
【0015】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0016】
【実施例1】糖分組成比としてスタキオース(4糖)2
4重量%、ラフィノース(3糖)12重量%、シューク
ロース(2糖)47重量%、単糖17重量%を含有(3
糖以上の割合36重量%)する市販大豆オリゴ糖(カル
ピス社製:濃度76重量%)を水で稀釈して濃度15重
量%とした処理原液20Kgを逆浸透膜装置(日東電工
社製RUW−4型、膜モジュールNTR−7450S、
分画分子量500)を用いて、圧力10Kg/cm2
G、温度35℃、クロスフロー方式で、濃縮液が原液の
2分の1の量になるまで通液し濃縮液10Kgを得た。
濃縮液の糖分組成はスタキオース34重量%、ラフィノ
ース13重量%、シュークロース45重量%、単糖8重
量%(3糖以上の割合47重量%)であった。この濃縮
液を固形分濃度30重量%になるまで真空蒸発法により
濃縮し、噴霧乾燥機(ヤマト科学社製バルビスミニスプ
レーGA−31型)を用い空気温度110℃にて粉化し
た。噴霧乾燥機の壁への粉末の付着はなく、さらさらの
オリゴ糖粉末が得られた。
4重量%、ラフィノース(3糖)12重量%、シューク
ロース(2糖)47重量%、単糖17重量%を含有(3
糖以上の割合36重量%)する市販大豆オリゴ糖(カル
ピス社製:濃度76重量%)を水で稀釈して濃度15重
量%とした処理原液20Kgを逆浸透膜装置(日東電工
社製RUW−4型、膜モジュールNTR−7450S、
分画分子量500)を用いて、圧力10Kg/cm2
G、温度35℃、クロスフロー方式で、濃縮液が原液の
2分の1の量になるまで通液し濃縮液10Kgを得た。
濃縮液の糖分組成はスタキオース34重量%、ラフィノ
ース13重量%、シュークロース45重量%、単糖8重
量%(3糖以上の割合47重量%)であった。この濃縮
液を固形分濃度30重量%になるまで真空蒸発法により
濃縮し、噴霧乾燥機(ヤマト科学社製バルビスミニスプ
レーGA−31型)を用い空気温度110℃にて粉化し
た。噴霧乾燥機の壁への粉末の付着はなく、さらさらの
オリゴ糖粉末が得られた。
【0017】
【参考例1】実施例1で使用した大豆オリゴ糖液(濃度
76重量%)を水で稀釈して濃度15重量%とした処理
原液を実施例1と同様な方法により、圧力のみを変えて
逆浸透処理した時の処理原液に対する3糖以上の透過割
合は下記のとうりであった。圧力30Kg/cm2 Gで
は3糖以上の成分が大半透過してしまうので、20Kg
/cm2 G未満の圧力で逆浸透させるのが良いことが分
かる。 圧力(Kg/cm2 G) 10 15 20 30 処理原液に対する3糖以上の透過割合(%) 17 12 14 54
76重量%)を水で稀釈して濃度15重量%とした処理
原液を実施例1と同様な方法により、圧力のみを変えて
逆浸透処理した時の処理原液に対する3糖以上の透過割
合は下記のとうりであった。圧力30Kg/cm2 Gで
は3糖以上の成分が大半透過してしまうので、20Kg
/cm2 G未満の圧力で逆浸透させるのが良いことが分
かる。 圧力(Kg/cm2 G) 10 15 20 30 処理原液に対する3糖以上の透過割合(%) 17 12 14 54
【0018】
【参考例2】実施例1で使用した大豆オリゴ糖液(全糖
中3糖以上の割合36重量%)を圧力10Kg/cm2
G逆浸透膜処理する際の処理液濃度を変えて濃縮液中の
3糖以上の割合(%)を測定したところ下記の通りであ
った。濃縮液中の3糖以上の割合は処理原液濃度5〜3
0%の範囲で殆ど変わらない。 処理原液濃度(重量%) 5 10 15 20 30 濃縮液中の3糖以上の割合(%) 54 53 55 54 55
中3糖以上の割合36重量%)を圧力10Kg/cm2
G逆浸透膜処理する際の処理液濃度を変えて濃縮液中の
3糖以上の割合(%)を測定したところ下記の通りであ
った。濃縮液中の3糖以上の割合は処理原液濃度5〜3
0%の範囲で殆ど変わらない。 処理原液濃度(重量%) 5 10 15 20 30 濃縮液中の3糖以上の割合(%) 54 53 55 54 55
【0019】
【比較例1】実施例1で使用した大豆オリゴ糖液(濃度
76重量%)を濃度30重量%に稀釈し、実施例1に記
載した方法で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の壁への粉末の
付着が非常に多く、また脱水されたオリゴ糖は粉玉多く
粉末化しなかった。
76重量%)を濃度30重量%に稀釈し、実施例1に記
載した方法で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の壁への粉末の
付着が非常に多く、また脱水されたオリゴ糖は粉玉多く
粉末化しなかった。
【0020】
【実施例2】実施例1で使用した濃度15重量%の大豆
オリゴ糖処理原液20Kgを実施例1の装置および圧
力、温度条件で濃縮液が処理原液の2分の1の量になる
まで通液し、次いで濃縮液に水を加え20Kgとし再度
上記条件で通液する操作を合計5度繰り返し濃縮液10
Kgを得た。濃縮液の糖分組成はスタキオース52重量
%、ラフィノース15重量%、シュークロース28重量
%、単糖15重量%(3糖以上の割合67重量%)であ
った。この濃縮液を実施例1に記載した方法で固形分濃
度30重量%になるまで濃縮した後噴霧乾燥した。噴霧
乾燥機の壁への粉末の付着はなく、さらさらのオリゴ糖
粉末が得られた。
オリゴ糖処理原液20Kgを実施例1の装置および圧
力、温度条件で濃縮液が処理原液の2分の1の量になる
まで通液し、次いで濃縮液に水を加え20Kgとし再度
上記条件で通液する操作を合計5度繰り返し濃縮液10
Kgを得た。濃縮液の糖分組成はスタキオース52重量
%、ラフィノース15重量%、シュークロース28重量
%、単糖15重量%(3糖以上の割合67重量%)であ
った。この濃縮液を実施例1に記載した方法で固形分濃
度30重量%になるまで濃縮した後噴霧乾燥した。噴霧
乾燥機の壁への粉末の付着はなく、さらさらのオリゴ糖
粉末が得られた。
【0021】
【実施例3】糖分組成比としてフラクトシルニストース
(5糖)及びニストース(4糖)27重量%、1−ケス
トース(3糖)24重量%、シュークロース(2糖)1
2重量%、単糖(ブドウ糖,果糖)32重量%を含有
(3糖以上の割合56重量%)する市販フラクトオリゴ
糖(明治製菓社製メイオリゴG)を水で稀釈して濃度1
5重量%とした処理原液20Kgを実施例1と同様な方
法で逆浸透膜で分画・濃縮処理し濃縮液10Kgを得
た。濃縮液の糖分組成はフラクトシルニストース及びニ
ストース52重量%、1−ケストース35重量%、シュ
ークロース5重量%及び単糖8重量%(3糖以上の割合
87重量%)であった。この濃縮液を実施例1に記載し
た方法で固形分濃度30重量%になるまで濃縮した後噴
霧乾燥した。噴霧乾燥機の壁への粉末の付着はなく、さ
らさらのオリゴ糖粉末が得られた。
(5糖)及びニストース(4糖)27重量%、1−ケス
トース(3糖)24重量%、シュークロース(2糖)1
2重量%、単糖(ブドウ糖,果糖)32重量%を含有
(3糖以上の割合56重量%)する市販フラクトオリゴ
糖(明治製菓社製メイオリゴG)を水で稀釈して濃度1
5重量%とした処理原液20Kgを実施例1と同様な方
法で逆浸透膜で分画・濃縮処理し濃縮液10Kgを得
た。濃縮液の糖分組成はフラクトシルニストース及びニ
ストース52重量%、1−ケストース35重量%、シュ
ークロース5重量%及び単糖8重量%(3糖以上の割合
87重量%)であった。この濃縮液を実施例1に記載し
た方法で固形分濃度30重量%になるまで濃縮した後噴
霧乾燥した。噴霧乾燥機の壁への粉末の付着はなく、さ
らさらのオリゴ糖粉末が得られた。
【0022】
【比較例2】実施例3で使用したフラクトオリゴ糖(濃
度76重量%)を濃度30重量%に稀釈し、実施例1に
記載した方法で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の壁への粉末
の付着が多く、また脱水されたオリゴ糖は粉玉が発生し
流動性が悪い粉末であった。
度76重量%)を濃度30重量%に稀釈し、実施例1に
記載した方法で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の壁への粉末
の付着が多く、また脱水されたオリゴ糖は粉玉が発生し
流動性が悪い粉末であった。
【0023】
【発明の効果】オリゴ糖は従来液状又は賦形剤が多く混
在した粉化物であり用途は限定されていたが、オリゴ糖
自体の粉化物が得られるので食品加工への用途は広がる
ことはもちろん、オリゴ糖の機能を持つ有効組成分が膜
処理により濃縮されたのでオリゴ糖自体の持つ特性が増
大し、食品加工への応用が多方面に展開出来る。また膜
処理により反応性に富む単糖(主にブドウ糖、果糖)組
成分が減少したことにより噴霧乾燥時の着色率は減少し
又加工食品への適用でも着色率は減少する。また粉化品
の吸湿性も減少し取扱いが容易となる。
在した粉化物であり用途は限定されていたが、オリゴ糖
自体の粉化物が得られるので食品加工への用途は広がる
ことはもちろん、オリゴ糖の機能を持つ有効組成分が膜
処理により濃縮されたのでオリゴ糖自体の持つ特性が増
大し、食品加工への応用が多方面に展開出来る。また膜
処理により反応性に富む単糖(主にブドウ糖、果糖)組
成分が減少したことにより噴霧乾燥時の着色率は減少し
又加工食品への適用でも着色率は減少する。また粉化品
の吸湿性も減少し取扱いが容易となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 多成分からなる原料オリゴ糖水溶液を逆
浸透膜で分画・濃縮処理する工程と、分画・濃縮液を乾
燥処理する工程を含むことを特徴とするオリゴ糖の粉末
化方法。 - 【請求項2】 乾燥処理が噴霧乾燥である請求項1記載
のオリゴ糖の粉末化方法。 - 【請求項3】 分画分子量が1000以下のルーズ逆浸
透膜を使用する請求項1記載のオリゴ糖の粉末化方法。 - 【請求項4】 原料オリゴ糖水溶液を逆浸透膜で原料の
2倍以上の固形分濃度に分画・濃縮処理する請求項1記
載のオリゴ糖の粉末化方法。 - 【請求項5】 逆浸透膜による分画・濃縮処理を20K
g/cm2 G未満の圧力で行う請求項4記載のオリゴ糖
の粉末化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4059491A JPH06142460A (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | オリゴ糖の粉末化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4059491A JPH06142460A (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | オリゴ糖の粉末化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06142460A true JPH06142460A (ja) | 1994-05-24 |
Family
ID=12584835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4059491A Pending JPH06142460A (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | オリゴ糖の粉末化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06142460A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6913771B2 (en) | 2002-01-09 | 2005-07-05 | Oladur, Ltd | Process for the production of soybean sugars and the product produced thereof |
JP2006189646A (ja) * | 2005-01-06 | 2006-07-20 | Nagase & Co Ltd | レジスト現像液中の炭酸塩の除去方法、除去装置、及びレジスト現像液の濃度管理方法 |
JP4756232B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2011-08-24 | ダニスコ スイートナーズ オイ | 分離プロセス |
WO2018110068A1 (ja) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | 株式会社明治 | フラクトオリゴ糖含有組成物の製造方法 |
-
1991
- 1991-02-13 JP JP4059491A patent/JPH06142460A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4756232B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2011-08-24 | ダニスコ スイートナーズ オイ | 分離プロセス |
US6913771B2 (en) | 2002-01-09 | 2005-07-05 | Oladur, Ltd | Process for the production of soybean sugars and the product produced thereof |
JP2006189646A (ja) * | 2005-01-06 | 2006-07-20 | Nagase & Co Ltd | レジスト現像液中の炭酸塩の除去方法、除去装置、及びレジスト現像液の濃度管理方法 |
WO2018110068A1 (ja) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | 株式会社明治 | フラクトオリゴ糖含有組成物の製造方法 |
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