JPH06129618A - 廃棄物の溶融処理方法 - Google Patents
廃棄物の溶融処理方法Info
- Publication number
- JPH06129618A JPH06129618A JP29916792A JP29916792A JPH06129618A JP H06129618 A JPH06129618 A JP H06129618A JP 29916792 A JP29916792 A JP 29916792A JP 29916792 A JP29916792 A JP 29916792A JP H06129618 A JPH06129618 A JP H06129618A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furnace
- waste
- melting
- ash
- dust
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Incineration Of Waste (AREA)
- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 塊状炭素系可燃物質を熱源としてシュレッダ
ーダストを加熱溶融し、スラグ材および金属類として回
収する廃棄物の溶融処理方法に関する。 【構成】 廃棄物を塊状炭素系可燃物質と共にシャフト
炉方式の炉上部の装入口から装入し、下部羽口から酸素
源を供給し、炉底の排出孔から反応熱によって溶融した
廃棄物中の灰分および非燃焼物を排出し、炉頂部から不
完全な燃焼により発生したガスを排出する廃棄物の溶融
処理方法において、廃棄物を細かく裁断,破砕し、鉄を
回収した残渣のシュレッダーダストを溶融処理する際、
溶融炉内の空塔速度が0.1Nm/s以上となるように
酸素および空気を羽口から供給する廃棄物の溶融処理方
法である。 【効果】 炉内に不燃物が堆積するのを防止し、局部的
にガス流が吹き抜けるなどの現象を防ぐことが可能とな
り、溶融炉が安定して操業できる。
ーダストを加熱溶融し、スラグ材および金属類として回
収する廃棄物の溶融処理方法に関する。 【構成】 廃棄物を塊状炭素系可燃物質と共にシャフト
炉方式の炉上部の装入口から装入し、下部羽口から酸素
源を供給し、炉底の排出孔から反応熱によって溶融した
廃棄物中の灰分および非燃焼物を排出し、炉頂部から不
完全な燃焼により発生したガスを排出する廃棄物の溶融
処理方法において、廃棄物を細かく裁断,破砕し、鉄を
回収した残渣のシュレッダーダストを溶融処理する際、
溶融炉内の空塔速度が0.1Nm/s以上となるように
酸素および空気を羽口から供給する廃棄物の溶融処理方
法である。 【効果】 炉内に不燃物が堆積するのを防止し、局部的
にガス流が吹き抜けるなどの現象を防ぐことが可能とな
り、溶融炉が安定して操業できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コークスのような塊状
炭素系可燃物質を熱源として、自動車および家庭電化製
品の廃棄物から発生するシュレッダーダストを加熱溶融
して、土木用資材、コンクリート細骨材、表面化粧用骨
材用スラグ材および金属類として回収する溶融処理方法
に関する。
炭素系可燃物質を熱源として、自動車および家庭電化製
品の廃棄物から発生するシュレッダーダストを加熱溶融
して、土木用資材、コンクリート細骨材、表面化粧用骨
材用スラグ材および金属類として回収する溶融処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来回収された大半の廃棄物は、焼却方
式で処理されているが、焼却方式では焼却灰の処分場を
必要とする等の欠点がある。特に大都市圏では、焼却灰
の処分場の確保が困難であり、焼却灰を減容化さらには
有効利用が可能な方式で処理する必要性が高まってい
る。
式で処理されているが、焼却方式では焼却灰の処分場を
必要とする等の欠点がある。特に大都市圏では、焼却灰
の処分場の確保が困難であり、焼却灰を減容化さらには
有効利用が可能な方式で処理する必要性が高まってい
る。
【0003】廃棄物の灰分を溶融処理する方式として
は、廃棄物を一旦焼却した後、焼却灰を溶融処理する間
接溶融方式と、廃棄物を直接溶融処理する直接溶融方式
の二方式があるが、設備の簡便な直接溶融方式の方が望
ましい。
は、廃棄物を一旦焼却した後、焼却灰を溶融処理する間
接溶融方式と、廃棄物を直接溶融処理する直接溶融方式
の二方式があるが、設備の簡便な直接溶融方式の方が望
ましい。
【0004】直接溶融方式としては、コークスを配合し
た廃棄物をシャフト炉の頂部から装入し、羽口から酸素
含有ガスあるいは酸素富化ガスを炉内に吹込み、コーク
スや熱分解によって生じた炭素質を、高温炉床において
高温度で燃焼させ、炉内の乾燥帯,乾留ガス化帯および
燃焼溶融帯を順次降下して溶融スラグ化し、高温の燃焼
排ガスは、シャフト内の廃棄物充填層を対向流として上
昇せしめて、可燃ガスとして回収するようにした溶融炉
自体は、特公昭52−24790号公報,特公昭55−
21923号公報,および特開昭60−23714号公
報に開示されている。
た廃棄物をシャフト炉の頂部から装入し、羽口から酸素
含有ガスあるいは酸素富化ガスを炉内に吹込み、コーク
スや熱分解によって生じた炭素質を、高温炉床において
高温度で燃焼させ、炉内の乾燥帯,乾留ガス化帯および
燃焼溶融帯を順次降下して溶融スラグ化し、高温の燃焼
排ガスは、シャフト内の廃棄物充填層を対向流として上
昇せしめて、可燃ガスとして回収するようにした溶融炉
自体は、特公昭52−24790号公報,特公昭55−
21923号公報,および特開昭60−23714号公
報に開示されている。
【0005】前記した特公昭52−24790号公報の
公開技術は、廃棄物に40%以上の酸素を含むガスを噴
射してガスおよび溶融スラグならびに溶融金属を回収す
るものである。
公開技術は、廃棄物に40%以上の酸素を含むガスを噴
射してガスおよび溶融スラグならびに溶融金属を回収す
るものである。
【0006】また次の特公昭55−21923号公報に
開示の技術は、廃棄物と共に石灰源を補給して、スラグ
成分を調整するというものである。
開示の技術は、廃棄物と共に石灰源を補給して、スラグ
成分を調整するというものである。
【0007】さらに次の特開昭60−23714号公報
に開示の技術は、微細な産業廃棄物やその中間処理物,
例えば廃棄物の焼却灰や溶融炉からの回収ダストを、ダ
イスの飛散に伴うトラブルを防止して、良好に溶融処理
できるように工夫したものである。
に開示の技術は、微細な産業廃棄物やその中間処理物,
例えば廃棄物の焼却灰や溶融炉からの回収ダストを、ダ
イスの飛散に伴うトラブルを防止して、良好に溶融処理
できるように工夫したものである。
【0008】また溶融炉において廃棄物を溶融処理する
場合、廃棄物の種類としては都市ごみ、下水汚泥に関す
るものが大半を占めている。
場合、廃棄物の種類としては都市ごみ、下水汚泥に関す
るものが大半を占めている。
【0009】ところで近年自動車および家庭電化製品等
の耐久消費財の廃棄物の処理が問題となってきている。
これらの廃棄物の処理は、シュレッダーマシン等により
細かく裁断されて、鉄およびアルミ等は回収・有効利用
が図られるが、回収残渣はプラスチック,繊維,ガラス
等からなりシュレッダーダストと呼ばれてその処理が会
社問題化している。
の耐久消費財の廃棄物の処理が問題となってきている。
これらの廃棄物の処理は、シュレッダーマシン等により
細かく裁断されて、鉄およびアルミ等は回収・有効利用
が図られるが、回収残渣はプラスチック,繊維,ガラス
等からなりシュレッダーダストと呼ばれてその処理が会
社問題化している。
【0010】そのシュレッダーダストの代表的な性状を
表1に示す。表1には比較のために都市ごみの性状も示
す。
表1に示す。表1には比較のために都市ごみの性状も示
す。
【0011】
【表1】
【0012】表1から明らかなようにシュレッダーダス
トは、灰分が30〜45%と都市ごみの灰分5〜20%
に比較して多いこと、また発熱量が高いことが特徴であ
る。さらに灰分の性状としては、都市ごみの場合は瓶,
缶類等が元の大きさのまま混入しているのに対して、シ
ュレッダーダストの場合は裁断工程を経るためにガラ
ス,金属類が数mm以下の細粉状になっているものが、
都市ごみに比べて多いことが特徴である。
トは、灰分が30〜45%と都市ごみの灰分5〜20%
に比較して多いこと、また発熱量が高いことが特徴であ
る。さらに灰分の性状としては、都市ごみの場合は瓶,
缶類等が元の大きさのまま混入しているのに対して、シ
ュレッダーダストの場合は裁断工程を経るためにガラ
ス,金属類が数mm以下の細粉状になっているものが、
都市ごみに比べて多いことが特徴である。
【0013】かかる性状のシュレッダーダストを処理す
る場合、従来の焼却炉で処理した場合には多量の焼却灰
が残り、灰の処分場の確保等の問題があることは、すで
に述べたとおりである。
る場合、従来の焼却炉で処理した場合には多量の焼却灰
が残り、灰の処分場の確保等の問題があることは、すで
に述べたとおりである。
【0014】また発熱量が高いことから、従来のストー
カ式の焼却炉で焼却する場合、クリンカの発生および炉
床を焼損する等のトラブルが発生する。
カ式の焼却炉で焼却する場合、クリンカの発生および炉
床を焼損する等のトラブルが発生する。
【0015】直接溶融炉方式で処理する場合、ガラス,
金属粉等の微細な灰分のために溶融炉内の通気性が阻害
され、溶融炉内での通気抵抗が増加し、さらにガスの偏
流が起きる等の問題がある。
金属粉等の微細な灰分のために溶融炉内の通気性が阻害
され、溶融炉内での通気抵抗が増加し、さらにガスの偏
流が起きる等の問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの問題点
は、従来の開示された技術によっては解決する方法が提
示されていない。すなわち上記の最初および二番目に開
示された公報の技術は、一般的な溶融炉の操業条件につ
いて述べたものであり、シュレッダーダスト特有の問題
点である、微細な灰分を含む廃棄物を処理するための技
術を提供するものではない。
は、従来の開示された技術によっては解決する方法が提
示されていない。すなわち上記の最初および二番目に開
示された公報の技術は、一般的な溶融炉の操業条件につ
いて述べたものであり、シュレッダーダスト特有の問題
点である、微細な灰分を含む廃棄物を処理するための技
術を提供するものではない。
【0017】上記の三番目の公報の技術は、溶融炉から
排出されたダストを捕集し、再度溶融炉に吹き込み溶融
する技術を提供しているが、微細な灰分を多く含む廃棄
物の溶融処理方法を提供するものではない。
排出されたダストを捕集し、再度溶融炉に吹き込み溶融
する技術を提供しているが、微細な灰分を多く含む廃棄
物の溶融処理方法を提供するものではない。
【0018】また廃棄物から微細な灰分を篩い分け、造
粒して溶融炉に装入する方法が考えられるが、造粒のた
めの設備費,運転費が多くかかり望ましくない。
粒して溶融炉に装入する方法が考えられるが、造粒のた
めの設備費,運転費が多くかかり望ましくない。
【0019】本発明は、灰分の多いシュレッダーダスト
等の廃棄物を、焼却等の処理を経ないで直接溶融処理
し、溶融した灰分および金属分を有効利用することが可
能な廃棄物の溶融処理方法を提供する。
等の廃棄物を、焼却等の処理を経ないで直接溶融処理
し、溶融した灰分および金属分を有効利用することが可
能な廃棄物の溶融処理方法を提供する。
【0020】また微細な灰分を含むシュレッダーダスト
の灰分を、造粒等の事前処理をすることなく、直接溶融
炉で溶融処理する際に、微細な灰分による溶融炉内の通
気抵抗の増加,さらには炉内のガスの偏流等の問題を解
決する廃棄物の溶融処理方法を提供する。
の灰分を、造粒等の事前処理をすることなく、直接溶融
炉で溶融処理する際に、微細な灰分による溶融炉内の通
気抵抗の増加,さらには炉内のガスの偏流等の問題を解
決する廃棄物の溶融処理方法を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は、廃棄物を塊状炭素系可燃物質と共に
シャフト炉方式の廃棄物溶融炉の炉上部の装入口から装
入し、炉下部の羽口から酸素源を供給し、炉底の排出孔
から反応熱によって溶融した廃棄物中の灰分および非燃
焼物を排出し、炉頂部から不完全な燃焼により発生した
ガスを排出する廃棄物の溶融処理方法において、廃棄物
を細かく裁断または破砕し、鉄を回収した残渣のシュレ
ッダーダストを溶融処理する際、溶融炉内の空塔速度が
0.1Nm/s以上となるように酸素および空気を羽口
から供給することを特徴とする廃棄物の溶融処理方法で
ある。
の本発明の手段は、廃棄物を塊状炭素系可燃物質と共に
シャフト炉方式の廃棄物溶融炉の炉上部の装入口から装
入し、炉下部の羽口から酸素源を供給し、炉底の排出孔
から反応熱によって溶融した廃棄物中の灰分および非燃
焼物を排出し、炉頂部から不完全な燃焼により発生した
ガスを排出する廃棄物の溶融処理方法において、廃棄物
を細かく裁断または破砕し、鉄を回収した残渣のシュレ
ッダーダストを溶融処理する際、溶融炉内の空塔速度が
0.1Nm/s以上となるように酸素および空気を羽口
から供給することを特徴とする廃棄物の溶融処理方法で
ある。
【0022】
【作用】本発明は、シャフト炉方式の廃棄物の溶融炉に
おいて、シュレッダーダストを溶融処理する際、溶融炉
内の空塔速度が0.1Nm/s以上となるように酸素お
よび空気を羽口から供給することにより、シュレッダー
ダストに含まれる微細な灰分を飛散させ、炉内に微細な
灰分が滞留することによる炉内の通気抵抗の増加、ガス
の偏流等のトラブルを回避できる。
おいて、シュレッダーダストを溶融処理する際、溶融炉
内の空塔速度が0.1Nm/s以上となるように酸素お
よび空気を羽口から供給することにより、シュレッダー
ダストに含まれる微細な灰分を飛散させ、炉内に微細な
灰分が滞留することによる炉内の通気抵抗の増加、ガス
の偏流等のトラブルを回避できる。
【0023】飛散した灰分は、造粒して再び溶融炉に装
入することにより、溶融スラグとして回収可能である。
一方、粗粒は溶融炉内を降下し、炉下部の高温帯で溶融
して排出孔から取り出される。従って、シュレッダーダ
ストを事前処理することなく、直接シャフト炉式の溶融
炉で溶融処理することが可能となる。
入することにより、溶融スラグとして回収可能である。
一方、粗粒は溶融炉内を降下し、炉下部の高温帯で溶融
して排出孔から取り出される。従って、シュレッダーダ
ストを事前処理することなく、直接シャフト炉式の溶融
炉で溶融処理することが可能となる。
【0024】このため、従来のストーカ等の焼却炉で
は、焼却が困難な廃棄物の処理を可能とし、さらに焼却
方式では、処分が問題となる灰の減容化,有効利用を図
ることが可能となる。また焼却後に溶融する間接溶融方
式に比較して、設備構成が簡便である。
は、焼却が困難な廃棄物の処理を可能とし、さらに焼却
方式では、処分が問題となる灰の減容化,有効利用を図
ることが可能となる。また焼却後に溶融する間接溶融方
式に比較して、設備構成が簡便である。
【0025】
【実施例】自動車,家庭電化製品等の廃棄物をシュレッ
ダーマシン等で細かく裁断し、鉄等を回収した後、残渣
はシュレッダーダストとして溶融処理工程へ供給する。
このシュレッダーダストの性状は前記した表1に示す通
りである。
ダーマシン等で細かく裁断し、鉄等を回収した後、残渣
はシュレッダーダストとして溶融処理工程へ供給する。
このシュレッダーダストの性状は前記した表1に示す通
りである。
【0026】溶融処理工程の実施例として、塊状炭素系
可燃物質としてコークスを用いた場合を図1に示す。
可燃物質としてコークスを用いた場合を図1に示す。
【0027】図1において、溶融炉1の炉上部に設けら
れた装入装置4から、廃棄物,コークスおよび石灰が溶
融炉1に装入される。溶融炉1はシャフト部1a,朝顔
部1bおよび炉底部1cから構成されている。また朝顔
部1bには朝顔部圧力計22が設けられている。
れた装入装置4から、廃棄物,コークスおよび石灰が溶
融炉1に装入される。溶融炉1はシャフト部1a,朝顔
部1bおよび炉底部1cから構成されている。また朝顔
部1bには朝顔部圧力計22が設けられている。
【0028】溶融炉1の下部周辺に設けられた羽口2に
接続された空気供給管3aおよび酸素供給管3bを通っ
て、各々空気および酸素が供給される。該空気および酸
素供給量は、各々空気流量調節弁21a,酸素流量調節
弁21bで調節する。
接続された空気供給管3aおよび酸素供給管3bを通っ
て、各々空気および酸素が供給される。該空気および酸
素供給量は、各々空気流量調節弁21a,酸素流量調節
弁21bで調節する。
【0029】溶融炉に装入された廃棄物およびコークス
等は、炉内で充填層を形成し、炉下部の羽口から吹き込
まれた空気および酸素により、コークスおよび廃棄物の
一部が炉下部1cで燃焼する。
等は、炉内で充填層を形成し、炉下部の羽口から吹き込
まれた空気および酸素により、コークスおよび廃棄物の
一部が炉下部1cで燃焼する。
【0030】燃焼ガスは溶融炉内を炉底部1cから朝顔
部1b,シャフト部1aへと上昇し、燃焼ガスの顕熱に
より廃棄物を予熱,乾燥,熱分解する。廃棄物の乾燥、
熱分解の過程で発生した水蒸気、熱分解ガスおよび微細
なダストはガス排出管6から排出される。
部1b,シャフト部1aへと上昇し、燃焼ガスの顕熱に
より廃棄物を予熱,乾燥,熱分解する。廃棄物の乾燥、
熱分解の過程で発生した水蒸気、熱分解ガスおよび微細
なダストはガス排出管6から排出される。
【0031】実施例では、溶融炉外に排出される微細な
ダストの平均粒子直径は10〜40ミクロンであり、そ
の飛散量は炉内の空塔速度が早いほど多くなる。また溶
融炉内の通気抵抗は微細な粒子の堆積が増加するほど増
加するが、良好なガス流れを保つためには、通気抵抗が
過大にならないように操業条件を選ぶ必要がある。
ダストの平均粒子直径は10〜40ミクロンであり、そ
の飛散量は炉内の空塔速度が早いほど多くなる。また溶
融炉内の通気抵抗は微細な粒子の堆積が増加するほど増
加するが、良好なガス流れを保つためには、通気抵抗が
過大にならないように操業条件を選ぶ必要がある。
【0032】微細な粒子は廃棄物にもともと含まれてい
るものの他に、乾燥,熱分解過程で発生するものであ
り、廃棄物の種類によって発生量が異なる。従って廃棄
物によって炉内の空塔速度を調節する必要がある。
るものの他に、乾燥,熱分解過程で発生するものであ
り、廃棄物の種類によって発生量が異なる。従って廃棄
物によって炉内の空塔速度を調節する必要がある。
【0033】一方廃棄物の灰分および非燃焼物とコーク
ス,石灰は、高温に加熱され炉底部1cへと下りてい
く。炉底部1cにはコークスおよび廃棄物中の不燃物で
形成された充填層が形成され、羽口から吹き込まれた空
気および酸素でコークスが燃焼し、灰分および非燃焼物
は1300℃から1450℃に加熱され、溶融状態とな
ってスラグ排出孔5から炉外へ排出される。
ス,石灰は、高温に加熱され炉底部1cへと下りてい
く。炉底部1cにはコークスおよび廃棄物中の不燃物で
形成された充填層が形成され、羽口から吹き込まれた空
気および酸素でコークスが燃焼し、灰分および非燃焼物
は1300℃から1450℃に加熱され、溶融状態とな
ってスラグ排出孔5から炉外へ排出される。
【0034】石灰は、スラグの塩基度すなわちスラグ中
の石灰分CaOと珪酸分SiO2 の比率を0.5以上と
し、溶融状態のスラグの流動性の調整のために添加す
る。
の石灰分CaOと珪酸分SiO2 の比率を0.5以上と
し、溶融状態のスラグの流動性の調整のために添加す
る。
【0035】ガス排出管6にはダスト捕集装置7が設け
られ、ガス中のダストは捕集され、捕集されたダストは
貯蔵タンク8に一時的に貯蔵された後、切出し装置9か
ら切出されてダスト供給管10を通って、2次燃焼炉1
3へ供給される。また、搬送ガス供給管11からはダス
ト搬送用のガスが供給される。本実施例は搬送ガスでダ
ストを搬送しているが、スクリューコンベア等の機械式
搬送装置も採用可能である。
られ、ガス中のダストは捕集され、捕集されたダストは
貯蔵タンク8に一時的に貯蔵された後、切出し装置9か
ら切出されてダスト供給管10を通って、2次燃焼炉1
3へ供給される。また、搬送ガス供給管11からはダス
ト搬送用のガスが供給される。本実施例は搬送ガスでダ
ストを搬送しているが、スクリューコンベア等の機械式
搬送装置も採用可能である。
【0036】一方ダスト捕集装置7を通ったガスは、ガ
ス管12を通って、2次燃焼炉13へ供給される。2次
燃焼炉13には空気供給管14から燃焼用空気が供給さ
れ、ガスおよび可燃性ダストと混合して炉内で燃焼す
る。
ス管12を通って、2次燃焼炉13へ供給される。2次
燃焼炉13には空気供給管14から燃焼用空気が供給さ
れ、ガスおよび可燃性ダストと混合して炉内で燃焼す
る。
【0037】燃焼排ガスは排ガス管15を通って、ボイ
ラ16へ導入され、排熱を回収された後、集塵機17お
よび洗煙装置18でダストおよび公害物質を除去された
後、ブロワ19を通って、煙突20から排出される。
ラ16へ導入され、排熱を回収された後、集塵機17お
よび洗煙装置18でダストおよび公害物質を除去された
後、ブロワ19を通って、煙突20から排出される。
【0038】図1に示した設備を用いて、シュレッダー
ダストと都市ごみの溶融処理を行った。その操業成績を
表2に示す。表2において、シャフト部空塔速度は溶融
炉への空気および酸素の供給量をシャフト部1aの断面
積で割った値である。
ダストと都市ごみの溶融処理を行った。その操業成績を
表2に示す。表2において、シャフト部空塔速度は溶融
炉への空気および酸素の供給量をシャフト部1aの断面
積で割った値である。
【0039】
【表2】
【0040】表2から明らかなようにシュレッダーダス
トの場合、シャフト部空塔速度が0.1Nm/s以上の
場合は、朝顔部圧力計22の示す圧力が400〜420
mmAqであるが、0.1Nm/s以下の場合は朝顔部
圧力計22の示す圧力が950mmAqとなる。
トの場合、シャフト部空塔速度が0.1Nm/s以上の
場合は、朝顔部圧力計22の示す圧力が400〜420
mmAqであるが、0.1Nm/s以下の場合は朝顔部
圧力計22の示す圧力が950mmAqとなる。
【0041】シャフト部空塔速度が遅い場合に朝顔部圧
力が2倍以上に上昇した理由は、微細な不燃物が炉内に
蓄積し、通気抵抗を増大させたためである。このように
シャフト炉内に微細な不燃物が堆積して通気性を阻害す
ると、局部的にガス流が吹き抜けるなどの現象が生じ、
操業上好ましくない。さらに空気および酸素の供給用の
動力が増加して、運転費が増加するなどの問題も生じ
る。
力が2倍以上に上昇した理由は、微細な不燃物が炉内に
蓄積し、通気抵抗を増大させたためである。このように
シャフト炉内に微細な不燃物が堆積して通気性を阻害す
ると、局部的にガス流が吹き抜けるなどの現象が生じ、
操業上好ましくない。さらに空気および酸素の供給用の
動力が増加して、運転費が増加するなどの問題も生じ
る。
【0042】一方シャフト部空塔速度が早い場合には、
朝顔部圧力の上昇が見られないが、その理由は、微細な
不燃物が炉外に吹き飛ばされて、炉内に堆積しないため
である。このことはガス排出管6における飛散ダスト量
の測定によっても確認されている。また飛散したダスト
は2次燃焼炉13で未燃分が燃焼して灰となって回収さ
れる。
朝顔部圧力の上昇が見られないが、その理由は、微細な
不燃物が炉外に吹き飛ばされて、炉内に堆積しないため
である。このことはガス排出管6における飛散ダスト量
の測定によっても確認されている。また飛散したダスト
は2次燃焼炉13で未燃分が燃焼して灰となって回収さ
れる。
【0043】この灰は造粒して再び溶融炉に装入するこ
とにより、溶融スラグとして回収可能である。2次燃焼
炉以降で回収される灰が従来の都市ごみに比べてやや増
加するが、大半の灰分は溶融炉下部から溶融スラグとし
て回収される。溶融スラグは水砕処理を行い、コンクリ
ート細骨材等として有効利用される。
とにより、溶融スラグとして回収可能である。2次燃焼
炉以降で回収される灰が従来の都市ごみに比べてやや増
加するが、大半の灰分は溶融炉下部から溶融スラグとし
て回収される。溶融スラグは水砕処理を行い、コンクリ
ート細骨材等として有効利用される。
【0044】一方都市ごみの場合は、シュレッダーダス
トのようにシャフト部空塔速度が0.1Nm/s以下の
場合でも朝顔部圧力の上昇は見られない。これは都市ご
みの場合は微細な灰分がシュレッダーダストに比較して
少ないからである。
トのようにシャフト部空塔速度が0.1Nm/s以下の
場合でも朝顔部圧力の上昇は見られない。これは都市ご
みの場合は微細な灰分がシュレッダーダストに比較して
少ないからである。
【0045】またシュレッダーダストを50%都市ごみ
に混入した場合は、シュレッダーダスト100%の場合
と同じような挙動を示した。
に混入した場合は、シュレッダーダスト100%の場合
と同じような挙動を示した。
【0046】以上の操業成績から、シュレッダーダスト
をシャフト炉式の溶融炉で処理する場合、シャフト部空
塔速度が0.1Nm/s以上となるようにすれば、都市
ごみと同様の炉況で溶融処理が可能である。
をシャフト炉式の溶融炉で処理する場合、シャフト部空
塔速度が0.1Nm/s以上となるようにすれば、都市
ごみと同様の炉況で溶融処理が可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明によって、以下の効果を実現する
ことができる。
ことができる。
【0048】(1)シュレッダーダストをシャフト炉式
の溶融炉で処理する場合、溶融炉内の空塔速度が0.1
Nm/s以上となるように酸素および空気を羽口から供
給することによって、微細な不燃物を炉外に吹き飛ば
し、シャフト炉内に微細な不燃物が堆積して通気性を阻
害するのを防止し、局部的にガス流が吹き抜けるなどの
現象を防ぐことが可能となる。また溶融炉の炉況が安定
し操業が容易となる。従って、シャフト炉式溶融炉での
シュレッダーダストの処理が可能となる。
の溶融炉で処理する場合、溶融炉内の空塔速度が0.1
Nm/s以上となるように酸素および空気を羽口から供
給することによって、微細な不燃物を炉外に吹き飛ば
し、シャフト炉内に微細な不燃物が堆積して通気性を阻
害するのを防止し、局部的にガス流が吹き抜けるなどの
現象を防ぐことが可能となる。また溶融炉の炉況が安定
し操業が容易となる。従って、シャフト炉式溶融炉での
シュレッダーダストの処理が可能となる。
【0049】(2)溶融炉内の通気抵抗の増加を抑制で
きることから、空気および酸素の供給用のブロワ動力の
運転費が増加するなどの問題も回避することが可能とな
る。
きることから、空気および酸素の供給用のブロワ動力の
運転費が増加するなどの問題も回避することが可能とな
る。
【0050】(3)シャフト炉による直接溶融処理が可
能となったことから、従来のストーカ等の焼却炉では発
熱量が高いために焼却が困難なシュレッダーダストの処
理が可能となり、さらに、焼却方式では処分が問題とな
る灰の減容化,有効利用を図ることが可能となる。
能となったことから、従来のストーカ等の焼却炉では発
熱量が高いために焼却が困難なシュレッダーダストの処
理が可能となり、さらに、焼却方式では処分が問題とな
る灰の減容化,有効利用を図ることが可能となる。
【0051】(4)廃棄物を一旦焼却し、焼却灰を溶融
する間接溶融方式に比較して、シャフト炉による直接溶
融方式は設備が簡便であり、設備費および運転費が安
い。
する間接溶融方式に比較して、シャフト炉による直接溶
融方式は設備が簡便であり、設備費および運転費が安
い。
【図1】本発明の方法を実施する装置の一例を示すブロ
ック図である。
ック図である。
1 溶融炉 1a シャフト部 1b 朝顔部 1c 炉底部 2 羽口 3a 空気供給管 3b 酸素供給管 4 装入装置 5 スラグ排出孔 6 ガス排出管 7 ダスト捕集装置 8 貯蔵タンク 9 切出し装置 10 ダスト供給管 11 搬送ガス供給管 12 ガス管 13 2次燃焼炉 14 空気供給管 15 排ガス管 16 ボイラ 17 集塵機 18 洗煙装置 19 ブロワ 20 煙突 21a 空気流量調節弁 21b 酸素流量調節弁 22 朝顔部圧力計
Claims (1)
- 【請求項1】 廃棄物を塊状炭素系可燃物質と共にシャ
フト炉方式の廃棄物溶融炉の炉上部の装入口から装入
し、炉下部の羽口から酸素源を供給し、炉底の排出孔か
ら反応熱によって溶融した廃棄物中の灰分および非燃焼
物を排出し、炉頂部から不完全な燃焼により発生したガ
スを排出する廃棄物の溶融処理方法において、廃棄物を
細かく裁断または破砕し、鉄を回収した残渣のシュレッ
ダーダストを溶融処理する際、溶融炉内の空塔速度が
0.1Nm/s以上となるように酸素および空気を羽口
から供給することを特徴とする廃棄物の溶融処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29916792A JPH06129618A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 廃棄物の溶融処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29916792A JPH06129618A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 廃棄物の溶融処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06129618A true JPH06129618A (ja) | 1994-05-13 |
Family
ID=17868997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29916792A Withdrawn JPH06129618A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 廃棄物の溶融処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06129618A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002224654A (ja) * | 2000-11-30 | 2002-08-13 | Nippon Steel Corp | 廃自動車・廃家電等の金属/非金属系複合廃棄物の再資源化方法 |
JP2011038679A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Nippon Steel Engineering Co Ltd | 廃棄物溶融処理方法 |
WO2011027395A1 (ja) * | 2009-09-03 | 2011-03-10 | 新日鉄エンジニアリング株式会社 | 廃棄物溶融炉および廃棄物溶融処理方法 |
-
1992
- 1992-10-13 JP JP29916792A patent/JPH06129618A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002224654A (ja) * | 2000-11-30 | 2002-08-13 | Nippon Steel Corp | 廃自動車・廃家電等の金属/非金属系複合廃棄物の再資源化方法 |
JP2011038679A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Nippon Steel Engineering Co Ltd | 廃棄物溶融処理方法 |
WO2011027395A1 (ja) * | 2009-09-03 | 2011-03-10 | 新日鉄エンジニアリング株式会社 | 廃棄物溶融炉および廃棄物溶融処理方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4753181A (en) | Incineration process | |
US3697256A (en) | Method of incinerating refuse | |
RU2088631C1 (ru) | Установка для термической обработки отходов и способ термической обработки отходов | |
WO2002021047A1 (fr) | Four de fusion a gazeification de dechets et procede de fonctionnement de ce four de fusion | |
KR20020035280A (ko) | 열분해 용융 방식을 이용한 폐기물 소각시스템 | |
JP2005249279A (ja) | バイオマスを利用する廃棄物溶融処理方法 | |
JPH09235559A (ja) | 直立炉中で残留物および廃棄物を物質的およびエネルギー的に利用する方法 | |
JPH06129618A (ja) | 廃棄物の溶融処理方法 | |
KR100470730B1 (ko) | 폐기물의 용융소각장치 및 이를 이용한 용융소각방법 | |
JPH08121728A (ja) | 廃棄物の溶融炉からの発生ガスの燃焼方法および廃棄物溶融炉の2次燃焼炉 | |
JP2740644B2 (ja) | 灰の溶融装置およびその方法 | |
JPH08110021A (ja) | 廃棄物の溶融炉の発生ガス処理装置 | |
JP3046723B2 (ja) | 廃棄物溶融炉の2次燃焼炉 | |
JP2629117B2 (ja) | 廃棄物の溶融炉 | |
JP3921044B2 (ja) | 廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰の処理方法 | |
JP3374020B2 (ja) | 廃棄物熱分解溶融システム | |
JPH04302909A (ja) | 廃棄物処理方法およびその装置 | |
JPH01184314A (ja) | 廃棄物溶融炉 | |
JP3984484B2 (ja) | シュレッダーダストの溶融処理方法 | |
JP3759200B2 (ja) | 廃棄物の熱分解・溶融方法およびその装置 | |
JPH08121727A (ja) | 廃棄物の溶融炉の2次燃焼炉構造 | |
KR100535196B1 (ko) | 화격자소각로로부터의플라이더스트를열적처리하기위한방법및장치 | |
JP2519523B2 (ja) | オイルコ―クス末燃ダストの燃焼方法およびその装置 | |
JPH09166309A (ja) | 廃棄物溶融炉の操業方法 | |
JPH1157362A (ja) | 廃棄物溶融炉等の排ガス処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000104 |