JPH06122060A - 減圧鋳造方法 - Google Patents
減圧鋳造方法Info
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- JPH06122060A JPH06122060A JP4275920A JP27592092A JPH06122060A JP H06122060 A JPH06122060 A JP H06122060A JP 4275920 A JP4275920 A JP 4275920A JP 27592092 A JP27592092 A JP 27592092A JP H06122060 A JPH06122060 A JP H06122060A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、有機粘結剤を使用する鋳型におい
て、鋳造した鋳物(鋳鋼)のガス欠陥を低減あるいは防
止することを目的とするものである。 【構成】 有機粘結剤を用いた鋳型による鋳造方法にお
いて、通気穴を有する鋳枠に造型した鋳型を、上部が開
放された鋼板製のチャンバ内にセットし、鋳枠とチャン
バの上部間をシール板で閉鎖した後でチャンバ内を減圧
し、減圧状態を維持しながら溶鋼を鋳型に注湯し、凝固
させる減圧鋳造方法。
て、鋳造した鋳物(鋳鋼)のガス欠陥を低減あるいは防
止することを目的とするものである。 【構成】 有機粘結剤を用いた鋳型による鋳造方法にお
いて、通気穴を有する鋳枠に造型した鋳型を、上部が開
放された鋼板製のチャンバ内にセットし、鋳枠とチャン
バの上部間をシール板で閉鎖した後でチャンバ内を減圧
し、減圧状態を維持しながら溶鋼を鋳型に注湯し、凝固
させる減圧鋳造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機粘結剤を使用した鋳
型(砂型)中に溶鋼を注湯する鋳物の製作方法に関する
ものである。
型(砂型)中に溶鋼を注湯する鋳物の製作方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】大型鋳鋼用鋳型の粘結剤としては、代表
的なものとして、無機バインダ…水ガス,有機バインダ
…フラン樹脂,フェノール樹脂,等が使用されている。
水ガラスを粘結剤とした鋳型は、鋳造後の鋳型強度が大
きく、鋳型の崩壊性が悪い。このため型ばらしに多大の
時間がかかる。
的なものとして、無機バインダ…水ガス,有機バインダ
…フラン樹脂,フェノール樹脂,等が使用されている。
水ガラスを粘結剤とした鋳型は、鋳造後の鋳型強度が大
きく、鋳型の崩壊性が悪い。このため型ばらしに多大の
時間がかかる。
【0003】一方、フランあるいはフェノール樹脂等の
有機化合物を粘結剤とした鋳型は、注湯後に鋳型が鋳物
によって加熱されると、約400℃以上で粘結剤が分解
・気化する。従って、鋳型の崩壊性は非常に良好である
が、鋳物砂1グラム当り10cc以上のガスを発生し、
この鋳型から発生するガスが溶鋼(鋳物)中に侵入し
て、鋳物が凝固後にガス欠陥として残留する。
有機化合物を粘結剤とした鋳型は、注湯後に鋳型が鋳物
によって加熱されると、約400℃以上で粘結剤が分解
・気化する。従って、鋳型の崩壊性は非常に良好である
が、鋳物砂1グラム当り10cc以上のガスを発生し、
この鋳型から発生するガスが溶鋼(鋳物)中に侵入し
て、鋳物が凝固後にガス欠陥として残留する。
【0004】また、従来は大気圧下で注湯,凝固してい
るのが一般的であり、発生ガスによって鋳型内部は必ず
大気圧以上の圧力になっている。鋳型内の圧力が溶鋼静
圧以上になると、鋳型の砂粒子間のガスが圧力差により
溶鋼中に侵入して鋳物内部を上昇する間に捕捉され、数
mm以上の比較的大きなガス欠陥として現われている。
一方、鋳型内部の圧力が溶鋼静圧以下である場合でも、
鋳物(溶鋼)と鋳型内のガス成分の濃度差により、ガス
成分が溶鋼中に一旦溶解し、凝固過程でガス成分の溶解
度が低下することにより、過飽和分が気泡となって欠陥
を発生している。
るのが一般的であり、発生ガスによって鋳型内部は必ず
大気圧以上の圧力になっている。鋳型内の圧力が溶鋼静
圧以上になると、鋳型の砂粒子間のガスが圧力差により
溶鋼中に侵入して鋳物内部を上昇する間に捕捉され、数
mm以上の比較的大きなガス欠陥として現われている。
一方、鋳型内部の圧力が溶鋼静圧以下である場合でも、
鋳物(溶鋼)と鋳型内のガス成分の濃度差により、ガス
成分が溶鋼中に一旦溶解し、凝固過程でガス成分の溶解
度が低下することにより、過飽和分が気泡となって欠陥
を発生している。
【0005】有機粘結剤を使用する限り、粘結剤の熱分
解によるガス発生は避けられず、ガス欠陥防止の対策と
して、造型過程でガス抜きを設置しているが、大型で複
雑形状の鋳鋼では場所によってガス抜きが不充分にな
り、また薄肉の中子等ではガス抜きの設置が不可能な場
合があり、しばしばガス欠陥が発生し、その補修に多大
の人手と時間を要しているのが現状である。
解によるガス発生は避けられず、ガス欠陥防止の対策と
して、造型過程でガス抜きを設置しているが、大型で複
雑形状の鋳鋼では場所によってガス抜きが不充分にな
り、また薄肉の中子等ではガス抜きの設置が不可能な場
合があり、しばしばガス欠陥が発生し、その補修に多大
の人手と時間を要しているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、フラ
ンあるいはフェノール樹脂等の有機化合物を粘結剤とし
た鋳型は、注湯後に粘結剤が熱分解して、多量のガスを
発生し、鋳型の通気度が小さいと、発生したガスにより
鋳型内のガス圧力が増大し、このガスが溶鋼中に侵入し
て、鋳物の内部あるいは鋳物の表層部にガス欠陥が発生
する等の問題点を有する。
ンあるいはフェノール樹脂等の有機化合物を粘結剤とし
た鋳型は、注湯後に粘結剤が熱分解して、多量のガスを
発生し、鋳型の通気度が小さいと、発生したガスにより
鋳型内のガス圧力が増大し、このガスが溶鋼中に侵入し
て、鋳物の内部あるいは鋳物の表層部にガス欠陥が発生
する等の問題点を有する。
【0007】有機粘結剤を使用する限り、粘結剤の熱分
解によるガス発生は避けられず、従来もガス抜きを設置
して鋳型内圧力の低下に工夫しているが、経験的にガス
抜きを設置していることもあり、大型で複雑形状の鋳鋼
品ではガス抜き効果が不充分になり、また薄肉の中子等
ではガス抜きの設置が不可能な場合があり、しばしばガ
ス欠陥が発生している。
解によるガス発生は避けられず、従来もガス抜きを設置
して鋳型内圧力の低下に工夫しているが、経験的にガス
抜きを設置していることもあり、大型で複雑形状の鋳鋼
品ではガス抜き効果が不充分になり、また薄肉の中子等
ではガス抜きの設置が不可能な場合があり、しばしばガ
ス欠陥が発生している。
【0008】本発明は、有機粘結剤を使用する鋳型にお
いて、鋳造した鋳物(鋳鋼)のガス欠陥を低減あるいは
防止することを目的とするものである。
いて、鋳造した鋳物(鋳鋼)のガス欠陥を低減あるいは
防止することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】鋳物(鋳鋼)のガス欠陥
は、鋳型内のガス圧力あるいは発生ガス組成によって、
その発生メカニズムが異なるが、以下の2種類に大別さ
れる。 (1) 鋳型内の圧力が溶鋼の静圧より大きくなった場
合 圧力差により鋳型内砂粒間のガスが溶鋼中にガス状で侵
入し、浮力によって溶鋼中を上昇する過程で鋳物内に捕
捉されてそのまま残留する。 (2) 鋳型内の圧力が溶鋼の静圧より小さい場合 鋳型内砂粒子間のガスと溶鋼中のガス成分の濃度差(平
衡する圧力差)によりガス成分が一旦溶鋼に溶解し、凝
固過程でガス成分の溶解度が低下することにより、過飽
和分が気泡となってガス欠陥を生成する。
は、鋳型内のガス圧力あるいは発生ガス組成によって、
その発生メカニズムが異なるが、以下の2種類に大別さ
れる。 (1) 鋳型内の圧力が溶鋼の静圧より大きくなった場
合 圧力差により鋳型内砂粒間のガスが溶鋼中にガス状で侵
入し、浮力によって溶鋼中を上昇する過程で鋳物内に捕
捉されてそのまま残留する。 (2) 鋳型内の圧力が溶鋼の静圧より小さい場合 鋳型内砂粒子間のガスと溶鋼中のガス成分の濃度差(平
衡する圧力差)によりガス成分が一旦溶鋼に溶解し、凝
固過程でガス成分の溶解度が低下することにより、過飽
和分が気泡となってガス欠陥を生成する。
【0010】鋳型内で発生したガスの圧力が溶鋼の静圧
より大きい場合、あるいは小さい場合でも、鋳型内のガ
ス圧力が大きいほどガス欠陥が発生し易い。従って、発
生したガスを鋳型の外面から排気して、鋳型内の圧力を
低く保ちながら注湯及び凝固させることにより、鋳型か
ら溶鋼中へのガスの侵入を防止あるいは減少して、ガス
欠陥の発生を防止する。
より大きい場合、あるいは小さい場合でも、鋳型内のガ
ス圧力が大きいほどガス欠陥が発生し易い。従って、発
生したガスを鋳型の外面から排気して、鋳型内の圧力を
低く保ちながら注湯及び凝固させることにより、鋳型か
ら溶鋼中へのガスの侵入を防止あるいは減少して、ガス
欠陥の発生を防止する。
【0011】
(1) 発生したガスを鋳型の外面から排気して、鋳型
内の圧力を常に溶鋼の静圧以下に保ちながら注湯及び凝
固させることにより、鋳型内のガスが直接溶鋼(鋳物)
中に侵入することが防止される。 (2) 鋳型内のガス圧力が溶鋼静圧以下でも、鋳型内
のガス成分と溶鋼中のガス成分の濃度差(平衡する分圧
差)により、ガス成分が溶鋼中に溶解し、凝固過程でガ
ス成分の溶解度が低下することにより、過飽和分が気泡
となってガス欠陥を発生する場合がある。例えばフラ
ン,フェノール等の有機バインダは、熱分解によりメタ
ンガスを発生するが、次の(化1)に示す反応により水
素が溶鋼中に溶解する。
内の圧力を常に溶鋼の静圧以下に保ちながら注湯及び凝
固させることにより、鋳型内のガスが直接溶鋼(鋳物)
中に侵入することが防止される。 (2) 鋳型内のガス圧力が溶鋼静圧以下でも、鋳型内
のガス成分と溶鋼中のガス成分の濃度差(平衡する分圧
差)により、ガス成分が溶鋼中に溶解し、凝固過程でガ
ス成分の溶解度が低下することにより、過飽和分が気泡
となってガス欠陥を発生する場合がある。例えばフラ
ン,フェノール等の有機バインダは、熱分解によりメタ
ンガスを発生するが、次の(化1)に示す反応により水
素が溶鋼中に溶解する。
【0012】
【化1】
【0013】水蒸気についても同様である。
【0014】
【化2】
【0015】上記(1),(2)項のいずれの場合で
も、溶鋼中の溶解量はガス分圧に比例している。従って
鋳型内の圧力(全圧)を低くすることにより、有害ガス
成分の分圧が低下し、溶鋼中のガス成分の溶解量が凝固
時の飽和溶解量以下になり、ガス欠陥の発生が防止され
る。
も、溶鋼中の溶解量はガス分圧に比例している。従って
鋳型内の圧力(全圧)を低くすることにより、有害ガス
成分の分圧が低下し、溶鋼中のガス成分の溶解量が凝固
時の飽和溶解量以下になり、ガス欠陥の発生が防止され
る。
【0016】
【実施例】本発明による減圧注湯方法を実施するための
鋳型装置の概要を図1に示す。図において、1は取鍋,
2は溶鋼,3は鋳込口,4は押湯,5は鋳型(主型),
6は中子,7は鋳枠,8は通気穴,9はチャンバ,10
はシール板,11はバルブ,12は排気ポンプ,13は
ガス抜きである。
鋳型装置の概要を図1に示す。図において、1は取鍋,
2は溶鋼,3は鋳込口,4は押湯,5は鋳型(主型),
6は中子,7は鋳枠,8は通気穴,9はチャンバ,10
はシール板,11はバルブ,12は排気ポンプ,13は
ガス抜きである。
【0017】次に本装置を用いた減圧注湯方法の実施例
について説明する。通気穴8を有する鋳枠7に主型5及
び中子6(中子6の概略形状は図2参照)を、フランを
粘結剤とし、キシレンスルホン酸を硬化触媒として造型
した。故意にバインダからのガス発生量を増大させてガ
ス欠陥を明瞭にするために、クロマイト砂100部に対
してフラン粘結剤を2部,キシレンスルホン酸を0.5
部配合した。鋳型5及び中子6を上部が開放した鋼板製
のチャンバ9内に設置し、更にチャンバ9と鋳型5間の
上部に鋼板製のシール板10を設置して、約120℃の
温風で24時間乾燥した後に、排気ポンプ12でチャン
バ9内を排気しながら、取鍋1内の溶鋼2を鋳型5,6
に注湯し、注湯完了後10分して排気ポンプ12を停止
して、その後はチャンバ9内を大気圧に戻して凝固を完
了させた。
について説明する。通気穴8を有する鋳枠7に主型5及
び中子6(中子6の概略形状は図2参照)を、フランを
粘結剤とし、キシレンスルホン酸を硬化触媒として造型
した。故意にバインダからのガス発生量を増大させてガ
ス欠陥を明瞭にするために、クロマイト砂100部に対
してフラン粘結剤を2部,キシレンスルホン酸を0.5
部配合した。鋳型5及び中子6を上部が開放した鋼板製
のチャンバ9内に設置し、更にチャンバ9と鋳型5間の
上部に鋼板製のシール板10を設置して、約120℃の
温風で24時間乾燥した後に、排気ポンプ12でチャン
バ9内を排気しながら、取鍋1内の溶鋼2を鋳型5,6
に注湯し、注湯完了後10分して排気ポンプ12を停止
して、その後はチャンバ9内を大気圧に戻して凝固を完
了させた。
【0018】上記の減圧注湯方法において、溶鋼2の材
質はSO460であり、注湯温度は1630℃とした。
また減圧注湯の効果を確認する目的で、全く同一条件に
て造型した鋳型5,6に対して、大気圧下で注湯,凝固
させた鋳物を比較材とした。大気圧下で注湯,凝固させ
た場合の中子6内部の圧力測定結果の一例は図4に示す
とおりであった(鋳型内のガス圧力の測定は内径2mm
の鋼管を介して圧力計にて測定した。圧力測定位置は図
2に示したとおりであり、鋳物との界面から2mm内側
の中子6内で測定した)。
質はSO460であり、注湯温度は1630℃とした。
また減圧注湯の効果を確認する目的で、全く同一条件に
て造型した鋳型5,6に対して、大気圧下で注湯,凝固
させた鋳物を比較材とした。大気圧下で注湯,凝固させ
た場合の中子6内部の圧力測定結果の一例は図4に示す
とおりであった(鋳型内のガス圧力の測定は内径2mm
の鋼管を介して圧力計にて測定した。圧力測定位置は図
2に示したとおりであり、鋳物との界面から2mm内側
の中子6内で測定した)。
【0019】これに対して減圧しながら注湯,凝固させ
た場合の同一位置でのガス圧力の測定結果例は図5の
(A)に示す通りであり、注湯前は約−1000mmH
2 O(約−70mmHg)であるが、溶湯が充満するこ
とによって、湯口部及び押湯部からの空気の吸引が減少
し、最終的には約−3000mmH2 O(約−220m
mHg)に到達し、鋳型5,6内は常に負圧を保持する
ことができた。
た場合の同一位置でのガス圧力の測定結果例は図5の
(A)に示す通りであり、注湯前は約−1000mmH
2 O(約−70mmHg)であるが、溶湯が充満するこ
とによって、湯口部及び押湯部からの空気の吸引が減少
し、最終的には約−3000mmH2 O(約−220m
mHg)に到達し、鋳型5,6内は常に負圧を保持する
ことができた。
【0020】大気圧下で注湯,凝固させた場合には、図
6の鋳物断面写真に示すように、中子の上方に位置する
鋳物内部に多量のガス欠陥が存在している。一方、本発
明により鋳型内を減圧しながら溶鋼を注湯,凝固させた
場合には、図7の鋳物断面写真に示すように、ガス欠陥
は存在していない。次に他の鋳型装置を用いた本発明の
実施例を図3について説明する。図3に示すように、中
子6aの内部にガス抜き13を設置し、ガス抜き13の
一端を鋳型5とチャンバ9間の空間部に導入し、ガス抜
き13の設置以外は図1と同じ構造とする。本装置を用
い図1の鋳型装置と同一条件で造型,乾燥し、同一能力
の排気ポンプ12で排気しながら、同一条件の溶鋼2を
注湯し、凝固させた。この場合の鋳型5,6a内圧力の
測定結果例は、図5の(B)に示すようになり、中子6
a内は、ガス抜きがない場合より、更に低い圧力に維持
することができ、ガス欠陥のない健全な鋳物を製造する
ことができた。
6の鋳物断面写真に示すように、中子の上方に位置する
鋳物内部に多量のガス欠陥が存在している。一方、本発
明により鋳型内を減圧しながら溶鋼を注湯,凝固させた
場合には、図7の鋳物断面写真に示すように、ガス欠陥
は存在していない。次に他の鋳型装置を用いた本発明の
実施例を図3について説明する。図3に示すように、中
子6aの内部にガス抜き13を設置し、ガス抜き13の
一端を鋳型5とチャンバ9間の空間部に導入し、ガス抜
き13の設置以外は図1と同じ構造とする。本装置を用
い図1の鋳型装置と同一条件で造型,乾燥し、同一能力
の排気ポンプ12で排気しながら、同一条件の溶鋼2を
注湯し、凝固させた。この場合の鋳型5,6a内圧力の
測定結果例は、図5の(B)に示すようになり、中子6
a内は、ガス抜きがない場合より、更に低い圧力に維持
することができ、ガス欠陥のない健全な鋳物を製造する
ことができた。
【0021】なお、図3において図1と同一の符号は同
一の部材を示している。
一の部材を示している。
【0022】
【発明の効果】本発明による減圧鋳造方法は、有機粘結
剤を用いた鋳型による鋳造方法において、通気穴を有す
る鋳枠に造型した鋳型を、上部が開放された鋼板製のチ
ャンバ内にセットし、鋳枠とチャンバの上部間をシール
板で閉鎖した後でチャンバ内を減圧し、減圧状態を維持
しながら溶鋼を鋳型に注湯し、凝固させることにより、
次の効果を有する。
剤を用いた鋳型による鋳造方法において、通気穴を有す
る鋳枠に造型した鋳型を、上部が開放された鋼板製のチ
ャンバ内にセットし、鋳枠とチャンバの上部間をシール
板で閉鎖した後でチャンバ内を減圧し、減圧状態を維持
しながら溶鋼を鋳型に注湯し、凝固させることにより、
次の効果を有する。
【0023】熱分解によって多量のガスを発生するフラ
ン,フェノール等の有機粘結剤を使用した鋳型を用いた
場合に、ガス欠陥の発生を防止、あるいは減少すること
ができ、鋳造欠陥の補修に要する時間が大幅に減少す
る。また欠陥が存在しない(あるいは少ない)ために、
機械的性質が良好で、信頼性に優れた鋳鋼の製造が可能
である。
ン,フェノール等の有機粘結剤を使用した鋳型を用いた
場合に、ガス欠陥の発生を防止、あるいは減少すること
ができ、鋳造欠陥の補修に要する時間が大幅に減少す
る。また欠陥が存在しない(あるいは少ない)ために、
機械的性質が良好で、信頼性に優れた鋳鋼の製造が可能
である。
【図1】本発明を実施するための鋳型装置の1例を示す
構成図である。
構成図である。
【図2】図1に示した中子の具体的寸法及び圧力測定位
置を示す図である。
置を示す図である。
【図3】本発明を実施するための鋳型装置の他の例を示
す構成図である。
す構成図である。
【図4】従来の大気圧下注湯,凝固時の中子内のガス圧
力の経時変化を示す線図である。
力の経時変化を示す線図である。
【図5】本発明による減圧鋳造時の中子内のガス圧力の
経時変化を示す線図である。
経時変化を示す線図である。
【図6】従来の大気圧下注湯,凝固時の鋳物内部にガス
欠陥を発生した金属組織を示す写真である。
欠陥を発生した金属組織を示す写真である。
【図7】本発明による減圧鋳造時の鋳物断面の金属組織
を示す写真である。
を示す写真である。
1 取鍋 2 溶鋼 3 鋳込口 4 押湯 5 鋳型(主型) 6 中子 7 鋳枠 8 通気穴 9 チャンバ 10 シール板 11 バルブ 12 排気ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬躰 重満 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 田中 俊彰 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内
Claims (1)
- 【請求項1】 有機粘結剤を用いた鋳型による鋳造方法
において、通気穴を有する鋳枠に造型した鋳型を、上部
が開放された鋼板製のチャンバ内にセットし、鋳枠とチ
ャンバの上部間をシール板で閉鎖した後でチャンバ内を
減圧し、減圧状態を維持しながら溶鋼を鋳型に注湯し、
凝固させることを特徴とした減圧鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4275920A JPH06122060A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 減圧鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4275920A JPH06122060A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 減圧鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06122060A true JPH06122060A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=17562270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4275920A Withdrawn JPH06122060A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 減圧鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06122060A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007032174A1 (ja) | 2005-09-15 | 2007-03-22 | Masahito Goka | 鋳造法 |
JP2010105023A (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-13 | Daido Castings:Kk | 減圧吸引鋳造方法 |
JP2018024013A (ja) * | 2016-08-11 | 2018-02-15 | 財團法人金屬工業研究發展中心Metal Industries Research & Development Centre | 鋳造品冷却装置 |
-
1992
- 1992-10-14 JP JP4275920A patent/JPH06122060A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007032174A1 (ja) | 2005-09-15 | 2007-03-22 | Masahito Goka | 鋳造法 |
JP2010105023A (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-13 | Daido Castings:Kk | 減圧吸引鋳造方法 |
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CN107716904A (zh) * | 2016-08-11 | 2018-02-23 | 财团法人金属工业研究发展中心 | 铸造冷却装置 |
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