JPH06118052A - イオン選択性電極 - Google Patents
イオン選択性電極Info
- Publication number
- JPH06118052A JPH06118052A JP4264582A JP26458292A JPH06118052A JP H06118052 A JPH06118052 A JP H06118052A JP 4264582 A JP4264582 A JP 4264582A JP 26458292 A JP26458292 A JP 26458292A JP H06118052 A JPH06118052 A JP H06118052A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- electrode
- polymer
- selective electrode
- intermediate layer
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Abstract
(57)【要約】
【構成】電極容器1の中央に生体液の流路5に沿ってイ
オン感応膜4を固定し、イオン感応膜4と銀/銀塩の内
部電極3の間に高分子イオン導電体から構成される中間
層6を設ける。高分子イオン導電体の含有量は50〜8
0重量%とする。 【効果】内部溶液が存在しないために、長期安定性に優
れ、正確性が向上し、高い信頼性のイオン選択性電極が
得られる。
オン感応膜4を固定し、イオン感応膜4と銀/銀塩の内
部電極3の間に高分子イオン導電体から構成される中間
層6を設ける。高分子イオン導電体の含有量は50〜8
0重量%とする。 【効果】内部溶液が存在しないために、長期安定性に優
れ、正確性が向上し、高い信頼性のイオン選択性電極が
得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体液中のイオン分析
に使用する上で好適なイオン選択性電極に関する。
に使用する上で好適なイオン選択性電極に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン選択性電極は液中の特定のイオン
の濃度を選択的に定量できるという特徴があり、特定イ
オンの濃度モニタ,水質分析などの広い分野において使
用されてきた。特に、医療分野では血液や尿などの生体
液に含まれるイオン、例えば塩素イオン,カリウムイオ
ンなどの定量に応用されている。これは、生体液中の特
定のイオン濃度が生体の代謝反応と密接な関係にあるこ
とに基づいており、イオン濃度を測定することにより、
高血圧症状,腎疾患,神経障症害などの種々の診断を行
なうものである。
の濃度を選択的に定量できるという特徴があり、特定イ
オンの濃度モニタ,水質分析などの広い分野において使
用されてきた。特に、医療分野では血液や尿などの生体
液に含まれるイオン、例えば塩素イオン,カリウムイオ
ンなどの定量に応用されている。これは、生体液中の特
定のイオン濃度が生体の代謝反応と密接な関係にあるこ
とに基づいており、イオン濃度を測定することにより、
高血圧症状,腎疾患,神経障症害などの種々の診断を行
なうものである。
【0003】陰イオン選択性電極の場合には対象とする
陰イオンの活量aと陰イオン選択性電極が示す電位Eと
の間には以下の数1のように、活量aの対数と電位の変
化とが比例する関係が成立し、電位の測定値から目的と
するイオンの活量が簡単に計算できるからである。
陰イオンの活量aと陰イオン選択性電極が示す電位Eと
の間には以下の数1のように、活量aの対数と電位の変
化とが比例する関係が成立し、電位の測定値から目的と
するイオンの活量が簡単に計算できるからである。
【0004】
【数1】 E=E°+2.303(RT/ZF)loga …(数1) 数1においてRは気体定数、Tは絶対温度、Zはイオン
価、Fはファラデー定数、E°は系の標準電極電位であ
る。このようにイオン選択性電極を用いれば、電位を測
定するだけで広い濃度範囲でのイオンの定量が可能とな
る。
価、Fはファラデー定数、E°は系の標準電極電位であ
る。このようにイオン選択性電極を用いれば、電位を測
定するだけで広い濃度範囲でのイオンの定量が可能とな
る。
【0005】一般に、イオン選択性電極は図1に示すよ
うに電極容器1には内部溶液2を満たし、この内部溶液
2に銀/塩化銀の内部電極3を浸し、電極容器1の中央
には生体液の流路5に沿ってイオン感応膜4を固定して
ある。従来のイオン選択性電極では、イオン感応膜と内
部電極との導電をつかさどる内部溶液として支持電解質
を含む寒天ゲルが用いられている。
うに電極容器1には内部溶液2を満たし、この内部溶液
2に銀/塩化銀の内部電極3を浸し、電極容器1の中央
には生体液の流路5に沿ってイオン感応膜4を固定して
ある。従来のイオン選択性電極では、イオン感応膜と内
部電極との導電をつかさどる内部溶液として支持電解質
を含む寒天ゲルが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高分子支持膜
型イオン選択性電極は、イオン感応膜と内部電極と内部
溶液とこれらを収容する容器から構成される。内部溶液
には支持電解質を含む寒天ゲルが用いられるため容器か
らの液漏れの心配が少ない。しかし、従来技術を用いた
イオン電極では長期間の使用中に寒天ゲル内部の水分子
が徐々に気化するため、長期間にわたる安定性が低下す
る。
型イオン選択性電極は、イオン感応膜と内部電極と内部
溶液とこれらを収容する容器から構成される。内部溶液
には支持電解質を含む寒天ゲルが用いられるため容器か
らの液漏れの心配が少ない。しかし、従来技術を用いた
イオン電極では長期間の使用中に寒天ゲル内部の水分子
が徐々に気化するため、長期間にわたる安定性が低下す
る。
【0007】発明の目的は、実用的に使用する上で長期
的に電極性能が維持されるイオン選択性電極を提供する
ことにある。
的に電極性能が維持されるイオン選択性電極を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、イオン感応
膜と内部電極と内部溶液とこれらを収容する容器から構
成されるイオン選択性電極において、内部溶液として無
機塩を含む高分子イオン導電体をイオン感応膜と内部電
極の中間層として用いることにより達成される。
膜と内部電極と内部溶液とこれらを収容する容器から構
成されるイオン選択性電極において、内部溶液として無
機塩を含む高分子イオン導電体をイオン感応膜と内部電
極の中間層として用いることにより達成される。
【0009】本発明の中間層の主構成成分の一つは高分
子イオン導電体であり、特に限定されずに公知のものを
用いうる。本発明で好適に使用される高分子イオン導電
体を一般式で以下に示す。
子イオン導電体であり、特に限定されずに公知のものを
用いうる。本発明で好適に使用される高分子イオン導電
体を一般式で以下に示す。
【0010】 ポリアルキルオキサイド
【0011】
【化1】
【0012】nは1〜5の整数であり、重合度mは10
〜5,000,000までの値となる。ここでnが2又は
3の時、各々ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレン
オキサイドとなる。
〜5,000,000までの値となる。ここでnが2又は
3の時、各々ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレン
オキサイドとなる。
【0013】 オキシド鎖を持つ高分子化合物
【0014】
【化2】
【0015】但し、Rは水素原子またはアルキル基、重
合度lは100以上、nは1〜5の整数、重合度mは1
0〜5,000,000までの値となる。Rで示されるア
ルキル基の炭素数は限定されずいかなるものでも使用で
きるが、一般には炭素数1〜4のものが好適に使用され
る。
合度lは100以上、nは1〜5の整数、重合度mは1
0〜5,000,000までの値となる。Rで示されるア
ルキル基の炭素数は限定されずいかなるものでも使用で
きるが、一般には炭素数1〜4のものが好適に使用され
る。
【0016】 カルボン酸塩を持つ高分子化合物
【0017】
【化3】
【0018】但し、Rは水素原子またはアルキル基、重
合度lは100以上の値となる。Rで示されるアルキル
基の炭素数は限定されずいかなるものでも使用できる
が、一般には炭素数1〜4のものが好適に使用される。
Xはアルカリ金属のカチオンである。ここで、Rが水素
原子またはメチル基の場合、各々ポリアクリル酸塩また
はポリメタクリル酸塩となる。
合度lは100以上の値となる。Rで示されるアルキル
基の炭素数は限定されずいかなるものでも使用できる
が、一般には炭素数1〜4のものが好適に使用される。
Xはアルカリ金属のカチオンである。ここで、Rが水素
原子またはメチル基の場合、各々ポリアクリル酸塩また
はポリメタクリル酸塩となる。
【0019】 スルホン酸塩を持つ高分子化合物
【0020】
【化4】
【0021】但し、Rは水素原子またはアルキル基、重
合度lは100以上の値となる。Rで示されるアルキル
基の炭素数は限定されずいかなるものでも使用できる
が、一般には炭素数1〜4のものが好適に使用される。
Xはアルカリ金属のカチオンである。ここで、Rが水素
原子の場合、ポリスチレンスルホン酸塩となる。
合度lは100以上の値となる。Rで示されるアルキル
基の炭素数は限定されずいかなるものでも使用できる
が、一般には炭素数1〜4のものが好適に使用される。
Xはアルカリ金属のカチオンである。ここで、Rが水素
原子の場合、ポリスチレンスルホン酸塩となる。
【0022】 カルボン酸塩を持つ天然高分子化合物
【0023】
【化5】
【0024】セルビオースのヒドロキシメチル基のヒド
ロキシル基をカルボン酸塩に置換したものである。Xは
アルカリ金属のカチオン、重合度nは1000〜100
00である。
ロキシル基をカルボン酸塩に置換したものである。Xは
アルカリ金属のカチオン、重合度nは1000〜100
00である。
【0025】
【化6】
【0026】マルトースのヒドロキシメチル基のヒドロ
キシル基をカルボン酸塩に置換したものである。Xはア
ルカリ金属のカチオン、重合度nは1000以下であ
る。
キシル基をカルボン酸塩に置換したものである。Xはア
ルカリ金属のカチオン、重合度nは1000以下であ
る。
【0027】
【作用】本発明におけるイオン感応膜と内部電極の間の
中間層は、アルカリ金属塩を含む高分子イオン導電体か
ら構成される。この高分子はアルカリ金属塩を解離させ
てイオン化し、高分子自身が構成する塩がイオン化する
ことで優れた導電性を示す。また、高分子のセグメント
運動に基づく導電性も示す。両物質とも水溶性であるた
め加工性にも優れており、従来の寒天ゲルのように水分
子を含んでいないため水分子の蒸発による電極性能の低
下が起こりにくい。
中間層は、アルカリ金属塩を含む高分子イオン導電体か
ら構成される。この高分子はアルカリ金属塩を解離させ
てイオン化し、高分子自身が構成する塩がイオン化する
ことで優れた導電性を示す。また、高分子のセグメント
運動に基づく導電性も示す。両物質とも水溶性であるた
め加工性にも優れており、従来の寒天ゲルのように水分
子を含んでいないため水分子の蒸発による電極性能の低
下が起こりにくい。
【0028】
【実施例】図2は本発明が適用されるイオン選択性電極
の断面図を示す。電極容器1の中央には生体液の流路5
に沿ってイオン感応膜4を固定してある。イオン感応膜
4と銀/銀塩の内部電極3の間に高分子イオン導電体か
ら構成される中間層6を挟んである。高分子イオン導電
体は加工性の点から、含有量は50〜80重量%が適切
である。また、ポリアルキルオキサイドは重合度が40
0以下であると液体となり、1000以上になると固体
状になるので重合度は1000以上が好ましい。中間層
としての強度の点から厚さは1μm以上あることが望ま
しい。
の断面図を示す。電極容器1の中央には生体液の流路5
に沿ってイオン感応膜4を固定してある。イオン感応膜
4と銀/銀塩の内部電極3の間に高分子イオン導電体か
ら構成される中間層6を挟んである。高分子イオン導電
体は加工性の点から、含有量は50〜80重量%が適切
である。また、ポリアルキルオキサイドは重合度が40
0以下であると液体となり、1000以上になると固体
状になるので重合度は1000以上が好ましい。中間層
としての強度の点から厚さは1μm以上あることが望ま
しい。
【0029】第1の実施例では、高分子イオン導電体と
してポリエチレンオキサイド(化7)を用いて中間層と
した。
してポリエチレンオキサイド(化7)を用いて中間層と
した。
【0030】
【化7】
【0031】ナトリウムテトラフェニルボーレートを4
0重量%、ポリエチレンオキサイドを60重量%となる
ように秤量し、蒸留水10ml(ミリリットル)中で撹
拌しながら混合し、乾燥させることで中間層を調製し
た。内部電極には銀/銀テトラフェニルボーレート,イ
オン感応膜にはカリウムイオン感応膜を用いた。
0重量%、ポリエチレンオキサイドを60重量%となる
ように秤量し、蒸留水10ml(ミリリットル)中で撹
拌しながら混合し、乾燥させることで中間層を調製し
た。内部電極には銀/銀テトラフェニルボーレート,イ
オン感応膜にはカリウムイオン感応膜を用いた。
【0032】第2の実施例では、高分子イオン導電体と
してポリカルボキシエチレンオキサイド(化8)を用い
て中間層とした。内部電極には銀/銀テトラフェニルボ
ーレート,イオン感応膜にはカリウムイオン感応膜を用
いた。
してポリカルボキシエチレンオキサイド(化8)を用い
て中間層とした。内部電極には銀/銀テトラフェニルボ
ーレート,イオン感応膜にはカリウムイオン感応膜を用
いた。
【0033】
【化8】
【0034】ナトリウムテトラフェニルボーレートを4
0重量%、ポリカルボキシエチレンオキサイドを60重
量%となるように秤量し、蒸留水10ml中で撹拌しなが
ら混合し、乾燥させることで中間層を調製した。
0重量%、ポリカルボキシエチレンオキサイドを60重
量%となるように秤量し、蒸留水10ml中で撹拌しなが
ら混合し、乾燥させることで中間層を調製した。
【0035】第3の実施例では、高分子イオン導電体と
してポリアクリル酸ナトリウム(化9)を用いて中間層
とした。内部電極には銀/銀テトラフェニルボーレー
ト,イオン感応膜にはカリウムイオン感応膜を用いた。
してポリアクリル酸ナトリウム(化9)を用いて中間層
とした。内部電極には銀/銀テトラフェニルボーレー
ト,イオン感応膜にはカリウムイオン感応膜を用いた。
【0036】
【化9】
【0037】ナトリウムテトラフェニルボーレートを4
0重量%、ポリアクリル酸ナトリウムを60重量%とな
るように秤量し、蒸留水10ml中で撹拌しながら混合
し、乾燥させることで中間層を調製した。
0重量%、ポリアクリル酸ナトリウムを60重量%とな
るように秤量し、蒸留水10ml中で撹拌しながら混合
し、乾燥させることで中間層を調製した。
【0038】第4の実施例では、高分子イオン導電体と
してポリスチレンスルホン酸ナトリウム(化10)を用
いて中間層とした。内部電極には銀/銀テトラフェニル
ボーレート,イオン感応膜にはカリウムイオン感応膜を
用いた。
してポリスチレンスルホン酸ナトリウム(化10)を用
いて中間層とした。内部電極には銀/銀テトラフェニル
ボーレート,イオン感応膜にはカリウムイオン感応膜を
用いた。
【0039】
【化10】
【0040】ナトリウムテトラフェニルボーレートを4
0重量%、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを60重
量%となるように秤量し、蒸留水10ml中で撹拌しなが
ら混合し、乾燥させることで中間層を調製した。
0重量%、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを60重
量%となるように秤量し、蒸留水10ml中で撹拌しなが
ら混合し、乾燥させることで中間層を調製した。
【0041】第5の実施例では、高分子イオン導電体と
して天然高分子化合物であるセルビオースのヒドロキシ
メチル基のヒドロキシル基をカルボン酸塩に置換した化
合物(化11)を用いて中間層とした。内部電極には銀
/銀テトラフェニルボーレート,イオン感応膜にはカリ
ウムイオン感応膜を用いた。
して天然高分子化合物であるセルビオースのヒドロキシ
メチル基のヒドロキシル基をカルボン酸塩に置換した化
合物(化11)を用いて中間層とした。内部電極には銀
/銀テトラフェニルボーレート,イオン感応膜にはカリ
ウムイオン感応膜を用いた。
【0042】
【化11】
【0043】ナトリウムテトラフェニルボーレートを4
0重量%、(化11)を60重量%となるように秤量
し、蒸留水10ml中で撹拌しながら混合し、乾燥させる
ことで中間層を調製した。
0重量%、(化11)を60重量%となるように秤量
し、蒸留水10ml中で撹拌しながら混合し、乾燥させる
ことで中間層を調製した。
【0044】第6の実施例では、高分子イオン導電体と
して天然高分子化合物であるマルトースのヒドロキシメ
チル基のヒドロキシル基をカルボン酸塩に置換した化合
物(化12)を用いて中間層とした。内部電極には銀/
銀テトラフェニルボーレート,イオン感応膜にはカリウ
ムイオン感応膜を用いた。
して天然高分子化合物であるマルトースのヒドロキシメ
チル基のヒドロキシル基をカルボン酸塩に置換した化合
物(化12)を用いて中間層とした。内部電極には銀/
銀テトラフェニルボーレート,イオン感応膜にはカリウ
ムイオン感応膜を用いた。
【0045】
【化12】
【0046】ナトリウムテトラフェニルボーレートを4
0重量%、(化12)を60重量%となるように秤量
し、蒸留水10ml中で撹拌しながら混合し、乾燥させる
ことで中間層を調製した。
0重量%、(化12)を60重量%となるように秤量
し、蒸留水10ml中で撹拌しながら混合し、乾燥させる
ことで中間層を調製した。
【0047】次に、本発明に基づく実施例の効果につい
て説明する。ここで、本発明との対応のために従来例を
示す。従来例は寒天50重量%,支持電解質20重量
%,水30重量%である。
て説明する。ここで、本発明との対応のために従来例を
示す。従来例は寒天50重量%,支持電解質20重量
%,水30重量%である。
【0048】図3は本発明の第1,第2の実施例のイオ
ン選択性電極と上述の従来例について、100mmol の
塩化カリウム水溶液測定での電極電位の経時変化を調べ
た結果を示す。図3において(a),(b)及び(c)
はそれぞれ本発明に基づく第1の実施例,第2の実施例
及び従来例の結果を示している。従来例に基づくイオン
選択性電極は電極電位の低下が著しいが、本発明に基づ
く実施例によるイオン選択性電極では電極電位の低下が
ほとんど見られない。これは、イオン感応膜と内部電極
との間の中間層の導電作用が非常に安定に維持されてい
ることを示している。
ン選択性電極と上述の従来例について、100mmol の
塩化カリウム水溶液測定での電極電位の経時変化を調べ
た結果を示す。図3において(a),(b)及び(c)
はそれぞれ本発明に基づく第1の実施例,第2の実施例
及び従来例の結果を示している。従来例に基づくイオン
選択性電極は電極電位の低下が著しいが、本発明に基づ
く実施例によるイオン選択性電極では電極電位の低下が
ほとんど見られない。これは、イオン感応膜と内部電極
との間の中間層の導電作用が非常に安定に維持されてい
ることを示している。
【0049】図4は本発明の第3,第4の実施例のイオ
ン選択性電極と上述の従来例について、100mmol の
塩化カリウム水溶液測定におけるスロープ感度の経時変
化を調べた結果を示す。図4において(a),(b)及
び(c)はそれぞれ本発明に基づく第3の実施例,第4
の実施例及び従来例の結果を示している。従来例に基づ
くイオン選択性電極はスロープ感度が不安定で比較的短
時間で感度が低下するのに対し、本発明に基づく実施例
によるイオン選択性電極のスロープ感度は従来例に比べ
て安定で長期間にわたり高い値を維持した。
ン選択性電極と上述の従来例について、100mmol の
塩化カリウム水溶液測定におけるスロープ感度の経時変
化を調べた結果を示す。図4において(a),(b)及
び(c)はそれぞれ本発明に基づく第3の実施例,第4
の実施例及び従来例の結果を示している。従来例に基づ
くイオン選択性電極はスロープ感度が不安定で比較的短
時間で感度が低下するのに対し、本発明に基づく実施例
によるイオン選択性電極のスロープ感度は従来例に比べ
て安定で長期間にわたり高い値を維持した。
【0050】図5は本発明の第5,第6の実施例のイオ
ン選択性電極と上述の従来例について、100mmol の
塩化カリウム水溶液測定における電極電位のドリフトを
調べた結果を示す。図5において(a),(b)及び
(c)はそれぞれ本発明に基づく第5の実施例,第6の
実施例及び従来例の結果を示している。従来例に基づく
イオン選択性電極では電極電位がやや不安定でドリフト
が大きいのに対し、本発明に基づく実施例によるイオン
選択性電極のドリフトは従来例に比べて長期間にわたり
高安定性を示した。
ン選択性電極と上述の従来例について、100mmol の
塩化カリウム水溶液測定における電極電位のドリフトを
調べた結果を示す。図5において(a),(b)及び
(c)はそれぞれ本発明に基づく第5の実施例,第6の
実施例及び従来例の結果を示している。従来例に基づく
イオン選択性電極では電極電位がやや不安定でドリフト
が大きいのに対し、本発明に基づく実施例によるイオン
選択性電極のドリフトは従来例に比べて長期間にわたり
高安定性を示した。
【0051】このように本発明に基づくイオン選択性電
極は従来例に比較して電極性能が長期間持続するという
特徴をもつため、実用的なイオン選択性電極が得られ
る。
極は従来例に比較して電極性能が長期間持続するという
特徴をもつため、実用的なイオン選択性電極が得られ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、イオン電極としての特
性である正確性が向上するため、長期間の使用が可能と
なる。
性である正確性が向上するため、長期間の使用が可能と
なる。
【図1】従来のイオン選択性電極の断面図。
【図2】本発明の一実施例のイオン選択性電極の断面
図。
図。
【図3】本発明の実施例のイオン選択性電極と従来例に
ついて、100mmol の塩化カリウム水溶液測定での電
極電位の経時変化の特性図。
ついて、100mmol の塩化カリウム水溶液測定での電
極電位の経時変化の特性図。
【図4】本発明の実施例のイオン選択性電極と従来例に
ついて、100mmol の塩化カリウム水溶液測定でのス
ロープ感度の経時変化の特性図。
ついて、100mmol の塩化カリウム水溶液測定でのス
ロープ感度の経時変化の特性図。
【図5】本発明の実施例のイオン選択性電極と従来例に
ついて、100mmol の塩化カリウム水溶液測定での電
極電位のドリフトの経時変化の特性図。
ついて、100mmol の塩化カリウム水溶液測定での電
極電位のドリフトの経時変化の特性図。
1…電極収容容器、2…内部溶液、3…内部電極、4…
感応膜、5…試料流路、6…中間層。
感応膜、5…試料流路、6…中間層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 ▲吉▼雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】高分子物質を支持膜とするイオン感応膜
と、前記イオン感応膜を設けた容器内に配置された内部
電極との間に中間層を設けたことを特徴とするイオン選
択性電極。 - 【請求項2】請求項1において、前記中間層が高分子イ
オン導電体であるイオン選択性電極。 - 【請求項3】請求項2において、前記高分子イオン導電
体の重合度が10〜5,000,000 であるイオン選択性電
極。 - 【請求項4】請求項3において、前記高分子イオン導電
体中に無機塩を分散させるイオン選択性電極。 - 【請求項5】請求項4において、前記無機塩にアルカリ
金属塩を用いるイオン選択性電極。 - 【請求項6】請求項5において、前記高分子イオン導電
体を50〜80重量%、前記無機塩を20〜50重量%
含有するイオン選択性電極。 - 【請求項7】請求項6において、前記中間層は1μm以
上の薄膜であるイオン選択性電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264582A JPH06118052A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | イオン選択性電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264582A JPH06118052A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | イオン選択性電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06118052A true JPH06118052A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17405298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4264582A Pending JPH06118052A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | イオン選択性電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06118052A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0631130A2 (en) * | 1993-06-25 | 1994-12-28 | Hitachi, Ltd. | Solid-state ion sensor |
-
1992
- 1992-10-02 JP JP4264582A patent/JPH06118052A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0631130A2 (en) * | 1993-06-25 | 1994-12-28 | Hitachi, Ltd. | Solid-state ion sensor |
EP0631130A3 (en) * | 1993-06-25 | 1996-12-11 | Hitachi Ltd | Solid-state ion sensor. |
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