JPH06118039A - 熱分析装置 - Google Patents
熱分析装置Info
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- JPH06118039A JPH06118039A JP4265183A JP26518392A JPH06118039A JP H06118039 A JPH06118039 A JP H06118039A JP 4265183 A JP4265183 A JP 4265183A JP 26518392 A JP26518392 A JP 26518392A JP H06118039 A JPH06118039 A JP H06118039A
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- JP
- Japan
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- sample
- temperature
- heat sink
- detector
- electromagnetic wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 H型の回転対称形のヒートシンクの対称軸に
貫通孔を設け、その貫通孔を塞ぐように試料を載置す
る。そして、試料上面からヒートシンクの貫通孔と同軸
に貫通孔を設けてあり、そしてヒートシンクと同材質の
試料保持具にて試料を所定位置に保持する。ヒートシン
クの貫通孔に電磁波を通過させて、試料を照射する。試
料を照射した電磁波は、試料により回折または透過して
試料螺子具の貫通孔から放出される。この放出された電
磁波を検出器により検出する。ヒートシンクには、試料
近傍と、試料より少し離れた位置にそれぞれ温度検出器
が設置されており、示差熱及び試料とシンクの温度は検
出される。 【効果】 試料の調査分析を熱及び透過電磁線(X線、
紫外線)にて温度による影響を調査できる。
貫通孔を設け、その貫通孔を塞ぐように試料を載置す
る。そして、試料上面からヒートシンクの貫通孔と同軸
に貫通孔を設けてあり、そしてヒートシンクと同材質の
試料保持具にて試料を所定位置に保持する。ヒートシン
クの貫通孔に電磁波を通過させて、試料を照射する。試
料を照射した電磁波は、試料により回折または透過して
試料螺子具の貫通孔から放出される。この放出された電
磁波を検出器により検出する。ヒートシンクには、試料
近傍と、試料より少し離れた位置にそれぞれ温度検出器
が設置されており、示差熱及び試料とシンクの温度は検
出される。 【効果】 試料の調査分析を熱及び透過電磁線(X線、
紫外線)にて温度による影響を調査できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱分析装置に関するもの
である。特に、加熱・冷却等の試料の温度を制御しなが
ら、試料に電磁波を透過させ、その試料を透過すること
による電磁波の回折、散乱や吸収を測定すると同時に熱
分析を行う装置に関するものである。また、試料の所定
温度における電磁波の回折、散乱や吸収の特性を測定す
る装置に関するものである。
である。特に、加熱・冷却等の試料の温度を制御しなが
ら、試料に電磁波を透過させ、その試料を透過すること
による電磁波の回折、散乱や吸収を測定すると同時に熱
分析を行う装置に関するものである。また、試料の所定
温度における電磁波の回折、散乱や吸収の特性を測定す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置としては、理学電機
(株)発行の「熱分析ガイドブック(1) −DTA−を中
心に−」(1971年5月1日発行)に示されているX
線回折と示差熱分析(DTA)を同時に行う高温X線回
折−DTA同時測定装置がある。それを図5に示す。円
盤状のヒートシンク3の上下面に窪み3aを設け、一方
の窪み3aに試料1を他方の窪み1aに標準試料1aを
載置する。ヒートシンク3の外周には、ヒータ5が配置
され、そのヒータ5は温度コントローラ20より温度制
御される。試料1の温度測定および温度制御のための第
2の熱電対8がヒートシンク3に設けられている。
(株)発行の「熱分析ガイドブック(1) −DTA−を中
心に−」(1971年5月1日発行)に示されているX
線回折と示差熱分析(DTA)を同時に行う高温X線回
折−DTA同時測定装置がある。それを図5に示す。円
盤状のヒートシンク3の上下面に窪み3aを設け、一方
の窪み3aに試料1を他方の窪み1aに標準試料1aを
載置する。ヒートシンク3の外周には、ヒータ5が配置
され、そのヒータ5は温度コントローラ20より温度制
御される。試料1の温度測定および温度制御のための第
2の熱電対8がヒートシンク3に設けられている。
【0003】また、示差熱測定の為に、試料1と標準試
料1aにそれぞれ第1の熱電対4が設けられている。試
料2の表面にX線を照射するためにX線管24bが備え
られており、そしてX線の照射して試料1により回折さ
れたX線を検出するX線検出器25が、試料1の表面に
対して同一側に設けられている。つまり、試料側からX
線を照射し、そして試料側に反射されたそして回折され
たX線線を検出する構成になっている。また、X線の反
射を測定するため試料1のX線照射及び検出側はX線が
通るように開放されている。
料1aにそれぞれ第1の熱電対4が設けられている。試
料2の表面にX線を照射するためにX線管24bが備え
られており、そしてX線の照射して試料1により回折さ
れたX線を検出するX線検出器25が、試料1の表面に
対して同一側に設けられている。つまり、試料側からX
線を照射し、そして試料側に反射されたそして回折され
たX線線を検出する構成になっている。また、X線の反
射を測定するため試料1のX線照射及び検出側はX線が
通るように開放されている。
【0004】また、示差走査熱分析装置(DSC)と赤
外線吸収分光測定や、可視光を透過させて試料の状態変
化を顕微鏡で観察する装置としては、メトラー社より販
売されているFP84DSC測定ホットステージと顕微
鏡や顕微鏡付きフーリエ変換赤外線吸収分光装置(顕微
鏡付FT−IR)とを組み合わせた装置がある。メトラ
ー社のFP84DSC測定ホットステージは、ヒータ付
き円盤状のヒートシンクに、それぞれ対称の位置に温度
検出器を設け、試料と標準試料をそれぞれの温度検出器
に載置する。ヒートシンクの試料載置部には、光が透過
するように貫通孔が設けられている。ヒートシンクの貫
通孔を通過した光は、試料を照射しそして試料を透過し
て、顕微鏡又は顕微鏡付FT−RIにて観察または検出
される。
外線吸収分光測定や、可視光を透過させて試料の状態変
化を顕微鏡で観察する装置としては、メトラー社より販
売されているFP84DSC測定ホットステージと顕微
鏡や顕微鏡付きフーリエ変換赤外線吸収分光装置(顕微
鏡付FT−IR)とを組み合わせた装置がある。メトラ
ー社のFP84DSC測定ホットステージは、ヒータ付
き円盤状のヒートシンクに、それぞれ対称の位置に温度
検出器を設け、試料と標準試料をそれぞれの温度検出器
に載置する。ヒートシンクの試料載置部には、光が透過
するように貫通孔が設けられている。ヒートシンクの貫
通孔を通過した光は、試料を照射しそして試料を透過し
て、顕微鏡又は顕微鏡付FT−RIにて観察または検出
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】試料に電磁波を照射
し、そのときの試料による電磁波の回折、散乱や吸収と
いった現象を検出器で検出し、試料の構造やその変化を
調べることは広く行われている。この種の測定として代
表的なものとして、X線回折測定や赤外吸収分光測定が
ある。試料の内部構造は、試料の温度により一般に変化
するため、X回折や赤外吸収分光の測定でも試料の温度
を変化させながらそれらの測定することが行われてい
る。
し、そのときの試料による電磁波の回折、散乱や吸収と
いった現象を検出器で検出し、試料の構造やその変化を
調べることは広く行われている。この種の測定として代
表的なものとして、X線回折測定や赤外吸収分光測定が
ある。試料の内部構造は、試料の温度により一般に変化
するため、X回折や赤外吸収分光の測定でも試料の温度
を変化させながらそれらの測定することが行われてい
る。
【0006】一方、試料の温度を変化させながら、試料
の物性変化を測定する手法としては、熱分析が一般的で
ある。特に、示差熱分析(DTA)や示差走査熱量計
(DSC)は試料の構造変化に伴う試料の相転移を測定
するために良く使われている。従って、これらX線回折
や赤外吸収の測定とDTA、DSCといった熱分析を同
時に行うことは試料の構造や温度変化に伴う構造変化の
解析に役にたつものとなる。
の物性変化を測定する手法としては、熱分析が一般的で
ある。特に、示差熱分析(DTA)や示差走査熱量計
(DSC)は試料の構造変化に伴う試料の相転移を測定
するために良く使われている。従って、これらX線回折
や赤外吸収の測定とDTA、DSCといった熱分析を同
時に行うことは試料の構造や温度変化に伴う構造変化の
解析に役にたつものとなる。
【0007】図5に示した従来例では、X線回折は試料
1表面を反射した回折X線を検出する構成されている。
つまり、反射型で測定するため、試料1のX線が照射さ
れる面が大きく開放されており、試料の表面と裏面とで
温度差が発生しやすい欠点があった。また、液体の試料
1については、図5の従来例では、測定できないと言う
欠点があった。
1表面を反射した回折X線を検出する構成されている。
つまり、反射型で測定するため、試料1のX線が照射さ
れる面が大きく開放されており、試料の表面と裏面とで
温度差が発生しやすい欠点があった。また、液体の試料
1については、図5の従来例では、測定できないと言う
欠点があった。
【0008】また、メトラー社のFP−84DSCホッ
トステージと顕微鏡又は顕微鏡付赤外吸収分光装置との
組み合わせた装置では、DSCとして構成するため、試
料と標準試料とが円盤状のヒートシンク上の中心から離
れた対称の位置にそれぞれ配置されている。そして、ヒ
ートシンク上のそれぞれの位置に貫通穴が設けられてお
り、試料側の貫通穴より光が試料に照射されるようにな
っている。試料は透明材料よりなる試料容器に収納され
ている。試料容器の材料は、透明材料であり一般に非常
に熱伝導率か悪く、またその試料容器は熱抵抗を持った
温度検出器の上に載置されているため、ヒートシンクか
ら試料自身への熱の移動は、通常の熱量分析装置に対し
て、非常に少なくなっている。
トステージと顕微鏡又は顕微鏡付赤外吸収分光装置との
組み合わせた装置では、DSCとして構成するため、試
料と標準試料とが円盤状のヒートシンク上の中心から離
れた対称の位置にそれぞれ配置されている。そして、ヒ
ートシンク上のそれぞれの位置に貫通穴が設けられてお
り、試料側の貫通穴より光が試料に照射されるようにな
っている。試料は透明材料よりなる試料容器に収納され
ている。試料容器の材料は、透明材料であり一般に非常
に熱伝導率か悪く、またその試料容器は熱抵抗を持った
温度検出器の上に載置されているため、ヒートシンクか
ら試料自身への熱の移動は、通常の熱量分析装置に対し
て、非常に少なくなっている。
【0009】つまり、試料とヒートシンクとの温度差が
大きくなり、熱量分析(DSC)として精度が悪くな
る。更には、試料に光が透過すると、試料自身の光の吸
収による温度上昇があり、この温度上昇による熱は、逆
に試料とヒートシンクとの間に存在する高熱抵抗物質に
より、ヒートシンクへ逃げにくくなっている。従って、
前述の試料温度の上昇に伴う熱がすみやかにヒートシン
クに吸収されないため、試料自身の熱特性を示さなくな
る。つまり、熱分析装置として信頼性に問題があった。
大きくなり、熱量分析(DSC)として精度が悪くな
る。更には、試料に光が透過すると、試料自身の光の吸
収による温度上昇があり、この温度上昇による熱は、逆
に試料とヒートシンクとの間に存在する高熱抵抗物質に
より、ヒートシンクへ逃げにくくなっている。従って、
前述の試料温度の上昇に伴う熱がすみやかにヒートシン
クに吸収されないため、試料自身の熱特性を示さなくな
る。つまり、熱分析装置として信頼性に問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、実質的に回転対称体形状のヒートシンク
と、前記ヒートシンクの外周に巻かれたヒータと、前記
ヒータに通電し前記ヒートシンクの温度を制御する温度
コントローラと、前記ヒートシンクの回転対称軸上に試
料を載置し、前記試料は前記ヒートシンクに囲まれると
ともに、前記ヒートシンクに設けられた前記回転対称軸
上に電磁波が通過し、そして前記試料を透過するための
貫通孔と、前記回転対称軸上に設けられ、前記試料に前
記電磁波を照射するための電磁波発生源と、前記試料に
対して前記電磁波発生源の反対側に設けられた電磁波検
出器と、前記試料の温度を測定するための前記試料の近
傍で前記ヒートシンク内に固定された第一の温度検出器
と、前記試料と前記第一の検出器との距離より離れた距
離の位置の前記ヒートシンク内に設けられた第二の温度
検出器と、前記第一の温度検出器と前記第二の温度検出
器との出力差を検出する熱分析信号検出器とからなるこ
とを特徴とする熱分析装置である。
決するために、実質的に回転対称体形状のヒートシンク
と、前記ヒートシンクの外周に巻かれたヒータと、前記
ヒータに通電し前記ヒートシンクの温度を制御する温度
コントローラと、前記ヒートシンクの回転対称軸上に試
料を載置し、前記試料は前記ヒートシンクに囲まれると
ともに、前記ヒートシンクに設けられた前記回転対称軸
上に電磁波が通過し、そして前記試料を透過するための
貫通孔と、前記回転対称軸上に設けられ、前記試料に前
記電磁波を照射するための電磁波発生源と、前記試料に
対して前記電磁波発生源の反対側に設けられた電磁波検
出器と、前記試料の温度を測定するための前記試料の近
傍で前記ヒートシンク内に固定された第一の温度検出器
と、前記試料と前記第一の検出器との距離より離れた距
離の位置の前記ヒートシンク内に設けられた第二の温度
検出器と、前記第一の温度検出器と前記第二の温度検出
器との出力差を検出する熱分析信号検出器とからなるこ
とを特徴とする熱分析装置である。
【0011】
【作用】本発明は、上記構成により、試料に電磁波を透
過させながら試料内の温度分布を少なくするための構成
となっている。まず、回転対称体のヒートシンクに対し
て外周に均一巻かれたヒータで加熱してヒートシンクの
温度をコントロールする場合、ヒートシンク内では、回
転対称軸上が最も温度分布(温度勾配)が少なくなる。
本願発明の装置においては、試料は実質的に回転対称体
であるヒートシンクの対称軸上に設置されているため、
ヒートシンク内の最も温度分布(勾配)が少ない位置に
置かれることになる。しかも試料のまわりを直接ヒート
シンクで囲まれる構造となるため、試料への熱流入もヒ
ートシンクから直接行われ、試料内での温度分布(不均
一性)も最小に抑えられる。ヒートシンクの回転対称軸
上には、電磁波を透過させるための貫通孔があけられる
が、この穴による試料内の温度分布への影響は試料に対
して軸対称であり、対称軸以外のところに貫通孔を設け
たどの場合よりも最も理想的となる。
過させながら試料内の温度分布を少なくするための構成
となっている。まず、回転対称体のヒートシンクに対し
て外周に均一巻かれたヒータで加熱してヒートシンクの
温度をコントロールする場合、ヒートシンク内では、回
転対称軸上が最も温度分布(温度勾配)が少なくなる。
本願発明の装置においては、試料は実質的に回転対称体
であるヒートシンクの対称軸上に設置されているため、
ヒートシンク内の最も温度分布(勾配)が少ない位置に
置かれることになる。しかも試料のまわりを直接ヒート
シンクで囲まれる構造となるため、試料への熱流入もヒ
ートシンクから直接行われ、試料内での温度分布(不均
一性)も最小に抑えられる。ヒートシンクの回転対称軸
上には、電磁波を透過させるための貫通孔があけられる
が、この穴による試料内の温度分布への影響は試料に対
して軸対称であり、対称軸以外のところに貫通孔を設け
たどの場合よりも最も理想的となる。
【0012】また第一の温度検出器の温度検出部は試料
の温度を計測する目的で設置されるものであり、ヒート
シンク内で試料位置の非常に近い位置にある。そして、
第二の温度検出器は試料から少しはなれた位置でのヒー
トシンク内の温度を検知する。試料として転移温度の良
く知られた高純度金属等を用い昇温を行うと金属の融解
時第一の温度検知器と第二の温度検知器の温度差が大き
くなり融解が終了すると再び定常的な温度差にもどる。
従ってこの温度差信号を用い、第一の温度検出器の試料
温度計測の校正を行うことが可能となる。第二の温度検
出器で検知している近傍のヒートシンクを基準試料と考
えれば、第一の温度検出器と第二の温度検出器との温度
差信号はいわゆるDTA信号と同等の信号とみなすこと
ができる。したがってこの温度差信号を熱分析の信号と
して出力することによりDTAとしての機能を果たす。
の温度を計測する目的で設置されるものであり、ヒート
シンク内で試料位置の非常に近い位置にある。そして、
第二の温度検出器は試料から少しはなれた位置でのヒー
トシンク内の温度を検知する。試料として転移温度の良
く知られた高純度金属等を用い昇温を行うと金属の融解
時第一の温度検知器と第二の温度検知器の温度差が大き
くなり融解が終了すると再び定常的な温度差にもどる。
従ってこの温度差信号を用い、第一の温度検出器の試料
温度計測の校正を行うことが可能となる。第二の温度検
出器で検知している近傍のヒートシンクを基準試料と考
えれば、第一の温度検出器と第二の温度検出器との温度
差信号はいわゆるDTA信号と同等の信号とみなすこと
ができる。したがってこの温度差信号を熱分析の信号と
して出力することによりDTAとしての機能を果たす。
【0013】
【実施例】図1(a)と図1(b)は、それぞれ本発明
による装置の第1の実施例で、特に試料を加熱冷却する
炉の部分の側断面図および正断面図を示す。1は試料、
2は試料を支持するためのワッシャー状の試料ホルダ、
3はヒートシンクである。ヒートシンク3は断面H型の
回転対称体(円筒)で熱伝導の良い材質(実施例では
銅)で作られている。この形状は特開昭62−1955
49号、実公平3−2847号公報等に開示されている
ように、良く知られている示差走査熱量計(DSC)の
ヒートシンク構造とほぼ同じ形状である。
による装置の第1の実施例で、特に試料を加熱冷却する
炉の部分の側断面図および正断面図を示す。1は試料、
2は試料を支持するためのワッシャー状の試料ホルダ、
3はヒートシンクである。ヒートシンク3は断面H型の
回転対称体(円筒)で熱伝導の良い材質(実施例では
銅)で作られている。この形状は特開昭62−1955
49号、実公平3−2847号公報等に開示されている
ように、良く知られている示差走査熱量計(DSC)の
ヒートシンク構造とほぼ同じ形状である。
【0014】ヒートシンク3の温度を検知し温度コント
ロールするための第2の温度検出器は、実施例では第2
の熱電対8を用いている。第2の温度検出器である第2
の熱電対8は、特に温度検出部である先端部は、ヒート
シンク3に熱的に良く接触するように、ろう付けでヒー
トシンク3に固定されている。ヒートシンク3の表面外
周にはヒーター線5が巻かれており、ヒートシンク3を
加熱することができる。特開平2−105046号公報
等に開示されているように、良く知られている熱分析装
置と同様、温度コントローラ20は、ヒーター線5およ
び温度制御用熱電対8と接続されており、ヒートシンク
3は温度コントローラ20で設定される温度プログラム
に従い温度コントロールされる。この構成によりヒート
シンク3は温度コントロールされながら加熱冷却される
加熱炉として機能する。
ロールするための第2の温度検出器は、実施例では第2
の熱電対8を用いている。第2の温度検出器である第2
の熱電対8は、特に温度検出部である先端部は、ヒート
シンク3に熱的に良く接触するように、ろう付けでヒー
トシンク3に固定されている。ヒートシンク3の表面外
周にはヒーター線5が巻かれており、ヒートシンク3を
加熱することができる。特開平2−105046号公報
等に開示されているように、良く知られている熱分析装
置と同様、温度コントローラ20は、ヒーター線5およ
び温度制御用熱電対8と接続されており、ヒートシンク
3は温度コントローラ20で設定される温度プログラム
に従い温度コントロールされる。この構成によりヒート
シンク3は温度コントロールされながら加熱冷却される
加熱炉として機能する。
【0015】試料1はワッシャー状の試料ホルダ2の中
央の穴に挿入され、試料1によっては試料ホルダ2の表
裏をアルミ箔等で挟む。試料ホルダ2の材質は、各種形
状の試料を保持するため、耐熱性の材質である弗素樹
脂、又は熱伝導性の良い金属材料(銅、銀等)である。
また特に、液状、又は試料加熱により液状になるまで分
析する場合は、試料1を挿入した試料ホルダ2の表裏を
アルミ又は透明フィルムで挟む。実施例では試料1の形
状は直径6mm、厚さ1mmである。試料ホルダは、ヒ
ートシンク3の外径は、凹部の内径と係合するようにな
っており、試料1をセットした試料ホルダ2をヒートシ
ンク3の凹部底面にセットしたとき、試料1の中心はは
ヒートシンク3の回転対称軸と一致するようになってい
る。他に、ヒートシンク3の試料1を載置する側の凹部
形状を更に一段、ヒートシンク3の回転対称軸を中心に
した円形の凹部(窪み)を設け、その凹部に直接または
試料ホルダ2にセットして試料1を載置してもよい。
央の穴に挿入され、試料1によっては試料ホルダ2の表
裏をアルミ箔等で挟む。試料ホルダ2の材質は、各種形
状の試料を保持するため、耐熱性の材質である弗素樹
脂、又は熱伝導性の良い金属材料(銅、銀等)である。
また特に、液状、又は試料加熱により液状になるまで分
析する場合は、試料1を挿入した試料ホルダ2の表裏を
アルミ又は透明フィルムで挟む。実施例では試料1の形
状は直径6mm、厚さ1mmである。試料ホルダは、ヒ
ートシンク3の外径は、凹部の内径と係合するようにな
っており、試料1をセットした試料ホルダ2をヒートシ
ンク3の凹部底面にセットしたとき、試料1の中心はは
ヒートシンク3の回転対称軸と一致するようになってい
る。他に、ヒートシンク3の試料1を載置する側の凹部
形状を更に一段、ヒートシンク3の回転対称軸を中心に
した円形の凹部(窪み)を設け、その凹部に直接または
試料ホルダ2にセットして試料1を載置してもよい。
【0016】このように、セットした試料ホルダー2
を、図1側断面図右方向よりヒートシンク3の中央平坦
部に入れる。さらにヒートシンク3と同材質で作られ、
外周にネジ山が形成されている試料固定具7を、ヒート
シンク3の凹部側面に設けられたネジ山と噛み合わせて
ネジ込み、試料1および試料ホルダー2をヒートシンク
中央平坦部(凹部)に押し付け固定する。試料固定具7
はヒートシンク3と同材質でできていることにより、試
料1を固定したときはヒートシンク一部として機能す
る。つまり試料1はヒートシンクに囲まれ、ヒートシン
ク3を温度コントロールすることにより試料1の温度を
可変することができる。試料1は試料固定具7の脱着に
よりヒートシンク3からの脱着が可能である。なお、試
料固定具7のヒートシンクへの固定は、前述の構造によ
らず、ネジ止め等でも可能である。
を、図1側断面図右方向よりヒートシンク3の中央平坦
部に入れる。さらにヒートシンク3と同材質で作られ、
外周にネジ山が形成されている試料固定具7を、ヒート
シンク3の凹部側面に設けられたネジ山と噛み合わせて
ネジ込み、試料1および試料ホルダー2をヒートシンク
中央平坦部(凹部)に押し付け固定する。試料固定具7
はヒートシンク3と同材質でできていることにより、試
料1を固定したときはヒートシンク一部として機能す
る。つまり試料1はヒートシンクに囲まれ、ヒートシン
ク3を温度コントロールすることにより試料1の温度を
可変することができる。試料1は試料固定具7の脱着に
よりヒートシンク3からの脱着が可能である。なお、試
料固定具7のヒートシンクへの固定は、前述の構造によ
らず、ネジ止め等でも可能である。
【0017】ヒートシンク3に巻かれているヒータ5の
外周には、冷媒ガス流通用リング10が設けられてい
る。この構造は、特開平2−116744号公報に示さ
れているものと同様である。この冷媒ガス流通用リング
10は、冷媒ガス22がヒートシンク3の外周を通過す
るように、ヒートシンク3の外径と冷媒ガス流通用リン
グ10の内径に空間を設けてあり、そしてヒートシンク
3と冷媒ガス流通用リング10とは冷媒ガス導入孔21
aと冷媒ガス排出孔21bを除き、気密を持って形成さ
れている。冷却ガス流通用リング10内に冷媒ガスを流
すことによりヒートシンク3の冷却(降温)や室温以下
からの昇温を行うことが可能となる。
外周には、冷媒ガス流通用リング10が設けられてい
る。この構造は、特開平2−116744号公報に示さ
れているものと同様である。この冷媒ガス流通用リング
10は、冷媒ガス22がヒートシンク3の外周を通過す
るように、ヒートシンク3の外径と冷媒ガス流通用リン
グ10の内径に空間を設けてあり、そしてヒートシンク
3と冷媒ガス流通用リング10とは冷媒ガス導入孔21
aと冷媒ガス排出孔21bを除き、気密を持って形成さ
れている。冷却ガス流通用リング10内に冷媒ガスを流
すことによりヒートシンク3の冷却(降温)や室温以下
からの昇温を行うことが可能となる。
【0018】冷媒ガス流通用リング10を支持する支持
台23により前述の装置全体を支持している。ヒートシ
ンク3の中央(回転対称軸)および試料固定具7の中央
には電磁波(実施例ではX線24)が通過できる貫通孔
6、6(実施例では直径2mm)が、それぞれあけられ
ている。X線は、図1側断面図に示したように左側より
入射し、ヒートシンク3の貫通孔6から試料1を照射し
て透過し、試料固定具7の貫通孔6から右方向に出射す
る。出射側の試料固定具7の貫通孔6は試料を透過し回
折散乱したX線24aが出射できるようにある立体角を
持った穴となっている。出射するX線24aを適切なX
線検出器25で検知することにより試料1によるX線回
折や吸収の測定を行うことができる。回折したX線を検
出する場合は、X線検出器25の位置を所定の位置に移
動させてから、または移動させながら回折X線24aを
検出する。
台23により前述の装置全体を支持している。ヒートシ
ンク3の中央(回転対称軸)および試料固定具7の中央
には電磁波(実施例ではX線24)が通過できる貫通孔
6、6(実施例では直径2mm)が、それぞれあけられ
ている。X線は、図1側断面図に示したように左側より
入射し、ヒートシンク3の貫通孔6から試料1を照射し
て透過し、試料固定具7の貫通孔6から右方向に出射す
る。出射側の試料固定具7の貫通孔6は試料を透過し回
折散乱したX線24aが出射できるようにある立体角を
持った穴となっている。出射するX線24aを適切なX
線検出器25で検知することにより試料1によるX線回
折や吸収の測定を行うことができる。回折したX線を検
出する場合は、X線検出器25の位置を所定の位置に移
動させてから、または移動させながら回折X線24aを
検出する。
【0019】また、試料1を透過したX線を検出する場
合は、X線検出器25をX線出射側のヒートシンク3の
回転対称軸状に設置する。ヒートシンク3のほぼ中央部
には試料1の温度を計測するための第1の温度検出器と
してシース型の熱電対4が試料1の設置される位置の極
近傍に埋め込まれている。実施例ではX線の入射方向か
ら見て4本のシース型熱電対4が、ヒートシンク3の軸
中心から直径4mmの同心円上に配置されている。それ
ぞれの熱電対はヒートシンク3内で動かないようにろう
付けで固定されている。4本の試料温度計測用第1の熱
電対4はそれぞれ並列に結線され4点での計測温度の平
均温度が出力される。
合は、X線検出器25をX線出射側のヒートシンク3の
回転対称軸状に設置する。ヒートシンク3のほぼ中央部
には試料1の温度を計測するための第1の温度検出器と
してシース型の熱電対4が試料1の設置される位置の極
近傍に埋め込まれている。実施例ではX線の入射方向か
ら見て4本のシース型熱電対4が、ヒートシンク3の軸
中心から直径4mmの同心円上に配置されている。それ
ぞれの熱電対はヒートシンク3内で動かないようにろう
付けで固定されている。4本の試料温度計測用第1の熱
電対4はそれぞれ並列に結線され4点での計測温度の平
均温度が出力される。
【0020】また試料温度計測の温度校正を行い、そし
て熱分析信号として使用するため、試料温度計測用の第
1の熱電対4の出力と温度制御用の第2の熱電対8の出
力の差(つまり、それぞれの温度差)を図示しない熱分
析信号検出器により検出する。これは、試料温度測定用
の第1の熱電対4と温度制御用の第2の熱電対8を直列
に結線しその出力を検出すればよい。
て熱分析信号として使用するため、試料温度計測用の第
1の熱電対4の出力と温度制御用の第2の熱電対8の出
力の差(つまり、それぞれの温度差)を図示しない熱分
析信号検出器により検出する。これは、試料温度測定用
の第1の熱電対4と温度制御用の第2の熱電対8を直列
に結線しその出力を検出すればよい。
【0021】次に本実施例での測定手順を説明する。ま
ず最初に試料温度計測、つまり第1の温度検出器(第1
の熱電対4)の温度校正を行う。これは熱分析、特に示
差走査熱量計(DSC)や示差熱分析(DTA)等で良
く行われている方法に準じた方法を用いる。試料として
転移温度の良く知られた物質、例えば高純度金属等を用
い、その試料の融解等の転移を検知し、そのときの計測
温度を、用いた試料の転移温度に合わせる方法である。
具体的には以下のように行う。
ず最初に試料温度計測、つまり第1の温度検出器(第1
の熱電対4)の温度校正を行う。これは熱分析、特に示
差走査熱量計(DSC)や示差熱分析(DTA)等で良
く行われている方法に準じた方法を用いる。試料として
転移温度の良く知られた物質、例えば高純度金属等を用
い、その試料の融解等の転移を検知し、そのときの計測
温度を、用いた試料の転移温度に合わせる方法である。
具体的には以下のように行う。
【0022】試料1として例えば高純度のインジウム
(In)を用い試料ホルダー2に入れ、上記に述べたよ
うにヒートシンク3の中央平坦部に設置する。次に温度
コントローラ20を用いてヒートシンク3の温度を一定
の速度で昇温する。このとき上記に述べたように、試料
温度計測用の第1の熱電対4から試料近傍の温度、温度
制御用第2の熱電対8からヒートシンク3の温度が出力
される。また試料温度計測用第1の熱電対4と温度制御
用の第2の熱電対8の温度差が同時に出力され、そして
検出される。
(In)を用い試料ホルダー2に入れ、上記に述べたよ
うにヒートシンク3の中央平坦部に設置する。次に温度
コントローラ20を用いてヒートシンク3の温度を一定
の速度で昇温する。このとき上記に述べたように、試料
温度計測用の第1の熱電対4から試料近傍の温度、温度
制御用第2の熱電対8からヒートシンク3の温度が出力
される。また試料温度計測用第1の熱電対4と温度制御
用の第2の熱電対8の温度差が同時に出力され、そして
検出される。
【0023】図2はヒートシンク3を一定の昇温速度で
昇温したときの温度制御用第2の熱電対8の出力、試料
温度計測用第1の熱電対4の出力および試料温度計測用
第1の熱電対4と温度制御用第2の熱電対8のの出力の
差(温度差)の時間に対する変化の示した図である。図
2からわかるように試料1(今ここではIn)の温度が
あがりその融点に達して時、試料Inは融解するため、
試料温度計測用第1の熱電対4で計測している温度はI
nの融解潜熱のため一定昇温曲線から少し離れ温度の上
昇が緩やかになる。試料Inの融解が終了すると再び元
の一定昇温曲線に復帰する。一方、温度制御用第2の熱
電対8の出力は試料Inの融解の間も一定昇温を続け
る。したがって試料温度計測用第1の熱電対4と温度制
御用第2の熱電対8の温度差は図2に示したように試料
Inの融解によりピークを示す。この温度差信号は良く
知られた示差熱分析(DTA)の信号と同様の信号であ
る。
昇温したときの温度制御用第2の熱電対8の出力、試料
温度計測用第1の熱電対4の出力および試料温度計測用
第1の熱電対4と温度制御用第2の熱電対8のの出力の
差(温度差)の時間に対する変化の示した図である。図
2からわかるように試料1(今ここではIn)の温度が
あがりその融点に達して時、試料Inは融解するため、
試料温度計測用第1の熱電対4で計測している温度はI
nの融解潜熱のため一定昇温曲線から少し離れ温度の上
昇が緩やかになる。試料Inの融解が終了すると再び元
の一定昇温曲線に復帰する。一方、温度制御用第2の熱
電対8の出力は試料Inの融解の間も一定昇温を続け
る。したがって試料温度計測用第1の熱電対4と温度制
御用第2の熱電対8の温度差は図2に示したように試料
Inの融解によりピークを示す。この温度差信号は良く
知られた示差熱分析(DTA)の信号と同様の信号であ
る。
【0024】DTAでは一般的にピークの立ち上がりオ
ンセット位置での温度を試料Inの融点とする。そして
そのときの計測温度が既知の融点と異なっていた時は、
試料温度計測の出力を既知の融点に合うように補正す
る。このようにしてDTA装置の温度校正が行われる。
したがって本実施例の場合も温度差信号のピーク立ち上
がりオンセットでの温度を試料Inの融点と判断するこ
とができ、もしそのときの試料温度計測用第1の熱電対
4の出力が試料Inの融点と異なっていたときは、DT
Aの場合と同様に出力を補正することにより温度校正す
ることができる。このように温度校正した後は試料温度
計測用第1の熱電対4の出力は試料の温度を示している
ことになる。
ンセット位置での温度を試料Inの融点とする。そして
そのときの計測温度が既知の融点と異なっていた時は、
試料温度計測の出力を既知の融点に合うように補正す
る。このようにしてDTA装置の温度校正が行われる。
したがって本実施例の場合も温度差信号のピーク立ち上
がりオンセットでの温度を試料Inの融点と判断するこ
とができ、もしそのときの試料温度計測用第1の熱電対
4の出力が試料Inの融点と異なっていたときは、DT
Aの場合と同様に出力を補正することにより温度校正す
ることができる。このように温度校正した後は試料温度
計測用第1の熱電対4の出力は試料の温度を示している
ことになる。
【0025】次に実際にX線回折等の測定を行いたい試
料を試料1として入れ替えヒートシンク3の中央平坦部
にセットする。X線24を左方向からヒートシンク3の
貫通孔6に入射させ、右方向に適切な(X線)検出器2
5を配置して試料によるX線回折や吸収を測定する。そ
してX線による測定を行いながら温度コントローラ20
にてヒートシンク3の温度を温度プログラムに従いコン
トロールする。これにより温度プログラムに従って試料
の温度を変化させた時の、試料の温度信号と試料温度と
ヒートシンク温度の差(DTA信号に準じる信号)およ
び試料によるX線回折や吸収の信号を同時に測定するこ
とができる。例えば試料の温度の変化に伴い試料の結晶
構造が変化する場合、試料の温度と対応した結晶変化に
伴うX線回折データの変化が見られる。またこの結晶変
化による熱の出入りも温度差信号にて検知することが可
能である。
料を試料1として入れ替えヒートシンク3の中央平坦部
にセットする。X線24を左方向からヒートシンク3の
貫通孔6に入射させ、右方向に適切な(X線)検出器2
5を配置して試料によるX線回折や吸収を測定する。そ
してX線による測定を行いながら温度コントローラ20
にてヒートシンク3の温度を温度プログラムに従いコン
トロールする。これにより温度プログラムに従って試料
の温度を変化させた時の、試料の温度信号と試料温度と
ヒートシンク温度の差(DTA信号に準じる信号)およ
び試料によるX線回折や吸収の信号を同時に測定するこ
とができる。例えば試料の温度の変化に伴い試料の結晶
構造が変化する場合、試料の温度と対応した結晶変化に
伴うX線回折データの変化が見られる。またこの結晶変
化による熱の出入りも温度差信号にて検知することが可
能である。
【0026】本実施例の構造では試料温度の計測および
その温度校正方法がDSC,DTAと同様の方法を用い
ているため、試料温度の計測精度が標準のDSC,DT
Aと同程度保証される。しかも試料1はヒートシンク内
の温度分布の対称中心に位置し、X線の透過する最低限
の穴を除いて熱伝導の良いヒートシンク3で囲まれてい
るため、X線透過中の試料内での温度分布も裁量の状態
に保つことが可能である。したがって温度信号、温度差
信号、およびX線回折のデータを同時に得ることが可能
となる。
その温度校正方法がDSC,DTAと同様の方法を用い
ているため、試料温度の計測精度が標準のDSC,DT
Aと同程度保証される。しかも試料1はヒートシンク内
の温度分布の対称中心に位置し、X線の透過する最低限
の穴を除いて熱伝導の良いヒートシンク3で囲まれてい
るため、X線透過中の試料内での温度分布も裁量の状態
に保つことが可能である。したがって温度信号、温度差
信号、およびX線回折のデータを同時に得ることが可能
となる。
【0027】本実施例では温度差信号の検出を試料温度
計測用第1の熱電対4と温度制御用第2の熱電対8との
出力の差で取り出す方法で説明したが、図3に第2の実
施例であり、別の方法で温度差信号を取り出した例を示
す。この例では前述の実施例での4本の試料温度計測用
熱電対4の内、2本は試料近傍に、残りの2本は同心円
上で且つ試料1からより離れた位置に固定し、前者2本
と後者2本の出力の差を温度差信号として取り出してい
る。つまり、試料1近傍でヒートシンク3の回転対称軸
から等距離に埋設されている4対からなる第2の温度検
出器うち対角にある1対の第2の熱電対4を他の第2の
熱電対4より試料1の表面からの距離を遠くして配置す
る。
計測用第1の熱電対4と温度制御用第2の熱電対8との
出力の差で取り出す方法で説明したが、図3に第2の実
施例であり、別の方法で温度差信号を取り出した例を示
す。この例では前述の実施例での4本の試料温度計測用
熱電対4の内、2本は試料近傍に、残りの2本は同心円
上で且つ試料1からより離れた位置に固定し、前者2本
と後者2本の出力の差を温度差信号として取り出してい
る。つまり、試料1近傍でヒートシンク3の回転対称軸
から等距離に埋設されている4対からなる第2の温度検
出器うち対角にある1対の第2の熱電対4を他の第2の
熱電対4より試料1の表面からの距離を遠くして配置す
る。
【0028】ここでは、試料側に近い熱電対2本を試料
温度計測用第1の熱電対4(これは、第1の温度検出器
となる)、より試料側に遠い熱電対2本を参照温度計測
用として第3の熱電対4a(これは、第2の温度検出器
となる。)とする。熱電対の配置とそれらの配線とを除
き、その他の構成は第一の実施例と同様である。この構
成において、例えば試料としてインジウムを使い昇温を
行うと、試料温度計測用第1の熱電対4(第1の温度検
出器)と参照温度計測用第3の熱電対4a(第2の温度
検出器)の出力、及びそれらの出力の差は図4に示した
ようになり、その温度差信号はインジウムの融解により
ピークを示し、そのピーク立ち上がりオンセット位置で
の温度はインジウムの融点と見なせる。これにより温度
校正もでき、温度差信号はヒータ5のオンオフによる加
熱変動による外乱が少なくなり、差の出力信号は小さく
なるが、熱分析信号としては、より正確な信号となる。
つまり、より正確なDTAと対応した熱分析信号とな
る。
温度計測用第1の熱電対4(これは、第1の温度検出器
となる)、より試料側に遠い熱電対2本を参照温度計測
用として第3の熱電対4a(これは、第2の温度検出器
となる。)とする。熱電対の配置とそれらの配線とを除
き、その他の構成は第一の実施例と同様である。この構
成において、例えば試料としてインジウムを使い昇温を
行うと、試料温度計測用第1の熱電対4(第1の温度検
出器)と参照温度計測用第3の熱電対4a(第2の温度
検出器)の出力、及びそれらの出力の差は図4に示した
ようになり、その温度差信号はインジウムの融解により
ピークを示し、そのピーク立ち上がりオンセット位置で
の温度はインジウムの融点と見なせる。これにより温度
校正もでき、温度差信号はヒータ5のオンオフによる加
熱変動による外乱が少なくなり、差の出力信号は小さく
なるが、熱分析信号としては、より正確な信号となる。
つまり、より正確なDTAと対応した熱分析信号とな
る。
【0029】なお、本実施例ではX線回折の装置と組み
合わせて説明したが、本実施例で示した構成のまま、電
磁波として例えば赤外光を図1(a)の断面図の左側よ
り入射させ、出射側に適切な紫外線検出器を設置するこ
とにより、試料の赤外吸収と試料温度、および温度差信
号としての熱分析信号を同時に測定できることは明らか
である。また本実施例の構成のまま側断面図左側を下方
向にして、下より可視光を入射させ、出射側に顕微鏡を
配置すれば、試料の顕微鏡による観測と試料温度、およ
び温度差信号としての熱分析信号を同時に測定できるこ
とは明らかである。
合わせて説明したが、本実施例で示した構成のまま、電
磁波として例えば赤外光を図1(a)の断面図の左側よ
り入射させ、出射側に適切な紫外線検出器を設置するこ
とにより、試料の赤外吸収と試料温度、および温度差信
号としての熱分析信号を同時に測定できることは明らか
である。また本実施例の構成のまま側断面図左側を下方
向にして、下より可視光を入射させ、出射側に顕微鏡を
配置すれば、試料の顕微鏡による観測と試料温度、およ
び温度差信号としての熱分析信号を同時に測定できるこ
とは明らかである。
【0030】
【発明の効果】熱分析および電磁波回折、吸収または透
過を同時測定する装置において、本発明では、試料の温
度を計測するとともに、試料に電磁波を透過できるよう
にして、試料をヒートシンクの最も温度分布の良い位置
に設置し、且つヒートシンクで囲む構成としたため、試
料の温度分布を最小限に抑え、試料温度計測の信頼性を
高めた同時測定ができる。また試料温度校正も従来のD
SC,DTAと同様の方法で行える効果もある。またX
線回折測定においても透過型で測定するため液体試料で
も測定できる効果がある。
過を同時測定する装置において、本発明では、試料の温
度を計測するとともに、試料に電磁波を透過できるよう
にして、試料をヒートシンクの最も温度分布の良い位置
に設置し、且つヒートシンクで囲む構成としたため、試
料の温度分布を最小限に抑え、試料温度計測の信頼性を
高めた同時測定ができる。また試料温度校正も従来のD
SC,DTAと同様の方法で行える効果もある。またX
線回折測定においても透過型で測定するため液体試料で
も測定できる効果がある。
【図1】(a)および(b)はそれぞれ本発明による第
1の実施例の側断面図および正断面図を示す。
1の実施例の側断面図および正断面図を示す。
【図2】本第1の実施例においてインジウムを測定した
時の温度制御用第2の熱電対8、試料温度計測用第2の
熱電対4、およびそれぞれの温度差の時間に対する変化
を示したグラフ図である。
時の温度制御用第2の熱電対8、試料温度計測用第2の
熱電対4、およびそれぞれの温度差の時間に対する変化
を示したグラフ図である。
【図3】温度差信号を別の方法で取り出した第2の実施
例の側断面図を示す。
例の側断面図を示す。
【図4】図3で示した第2の実施例における試料温度計
測用第1の熱電対4、参照温度計測用第3の熱電対4
a、およびそれらの温度差信号を示したグラフ図であ
る。
測用第1の熱電対4、参照温度計測用第3の熱電対4
a、およびそれらの温度差信号を示したグラフ図であ
る。
【図5】従来例の反射型X線回折装置付きの熱分析装置
の概略ブロック図である。
の概略ブロック図である。
1 試料 2 ワッシャー状試料ホルダ 3 ヒートシンク 4 試料温度計測用第1の熱電対 4a 参照温度計測用第3の熱電対 5 ヒーター 6 電磁波の通過する貫通孔 7 試料固定具 8 温度制御用第2の熱電対
Claims (5)
- 【請求項1】 実質的に回転対称体形状であり、前記回
転対称体の対称軸上に試料を載置する熱良導体よりなる
ヒートシンクと、前記ヒートシンクの外周に巻かれたヒ
ータと、前記ヒータに通電し前記ヒートシンクの温度を
制御する温度コントローラと、前記試料を前記ヒートシ
ンクの所定位置に前記ヒートシンクとの間に前記試料を
挟み、そして固定支持するための試料固定具と、前記ヒ
ートシンクに設けられた前記回転対称軸上に電磁波が通
過し、そして前記試料を透過するために前記ヒートシン
クに設けられたヒートシンク貫通孔と、前記試料を通過
した電磁波を通過すための前記試料固定具に設けられた
固定具貫通孔と、前記回転対称軸上に設けられ、前記試
料に前記電磁波を照射するための電磁波発生源と、前記
試料に対して前記電磁波発生源の反対側に設けられた電
磁波検出器と、前記試料の温度を測定するための前記試
料の近傍で前記ヒートシンク内に固定された第一の温度
検出器と、前記試料と前記第一の検出器との距離より離
れた距離の位置の前記ヒートシンク内に設けられた第二
の温度検出器と、前記第一の温度検出器と前記第二の温
度検出器との出力差を検出する熱分析信号検出器とから
なることを特徴とする熱分析装置。 - 【請求項2】 請求項1の熱分析装置において、前記第
二の温度検出器が前記ヒートシンクの温度を制御するた
めの温度検出器である熱分析装置。 - 【請求項3】 請求項1の熱分析装置において、前記ヒ
ートシンクは実質的に断面H型の回転対称体である熱分
析装置。 - 【請求項4】 請求項1の熱分析装置において、前記電
磁波はX線であり、前記検出器は前記試料を通過したX
線を検出するX線検出器である熱分析装置。 - 【請求項5】 請求項1の熱分析装置において、前記電
磁波は光線であり、前記検出器は前記試料を通過した光
線を検出する光検出器である熱分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4265183A JPH06118039A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | 熱分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4265183A JPH06118039A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | 熱分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06118039A true JPH06118039A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17413722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4265183A Pending JPH06118039A (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | 熱分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06118039A (ja) |
Cited By (12)
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---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-10-02 JP JP4265183A patent/JPH06118039A/ja active Pending
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