JPH0611732B2 - メタクリル酸メチルの精製法 - Google Patents
メタクリル酸メチルの精製法Info
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- JPH0611732B2 JPH0611732B2 JP26257185A JP26257185A JPH0611732B2 JP H0611732 B2 JPH0611732 B2 JP H0611732B2 JP 26257185 A JP26257185 A JP 26257185A JP 26257185 A JP26257185 A JP 26257185A JP H0611732 B2 JPH0611732 B2 JP H0611732B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は改良されたメタクリル酸メチルの精製法に関す
るものである。詳しくはメタクリル酸メチルに含有され
るイン酪酸メチルおよび/またはアクリル酸メチルを分
離し、高純度のメタクリル酸メチルを製造する方法に関
する。
るものである。詳しくはメタクリル酸メチルに含有され
るイン酪酸メチルおよび/またはアクリル酸メチルを分
離し、高純度のメタクリル酸メチルを製造する方法に関
する。
近年メタクリル酸メチルを原料とするアクリル樹脂はそ
の優れた特徴からオートビデオ,光ディスク,光学部品
分野などに受容が拡大しており、高品質の原料が要求さ
れている。
の優れた特徴からオートビデオ,光ディスク,光学部品
分野などに受容が拡大しており、高品質の原料が要求さ
れている。
メタクリル酸メチルの製造法としては、イソブチレン,
第3級ブタノール,メタクロレインあるいはイソブチル
アルデヒドを水蒸気の存在下に分子状酸素を含有するガ
スにより接触酸化して得られるメタクリル酸を、メタノ
ールと共に酸触媒の存在下でエステル化反応を行ない、
メタクリル酸メチルを得る方法が知られている。
第3級ブタノール,メタクロレインあるいはイソブチル
アルデヒドを水蒸気の存在下に分子状酸素を含有するガ
スにより接触酸化して得られるメタクリル酸を、メタノ
ールと共に酸触媒の存在下でエステル化反応を行ない、
メタクリル酸メチルを得る方法が知られている。
上記気相接触化反応でメタクリル酸を製造する場合、原
料の種類および酸化工程が一段酸化か二段酸化かにより
若干の差はあるが、主反応生成物のメタクリル酸の他
に、主たる不純物である酢酸と共にギ酸,プリピオン
酸,アクリル酸およびイソ酪酸などの一塩基酸およびマ
レイン酸,シトラコン酸等の二塩基酸等の酸類が副生す
る。したがつて酸化反応生成ガスを冷却凝縮して得られ
るメタクリル酸水溶液中には上記酸類が混在しており、
これは通常溶媒によるメタクリル酸の抽出,溶媒の回
収,メタクリル酸の蒸留分離等の精製工程を経てメタク
リル酸が精製されることも既に周知となつている。しか
しながら上記不純物酸類はメタクリル酸と沸点が比較的
近かつたり、気相会合などの影響があつて、完全に除去
することは困難であつた。このうちマレイン酸およびシ
トラコン酸の二塩基酸類については本発明者等が先にそ
の除去法を提案している(特願昭60-49248,60-7435
1)。しかし一塩基酸類についてはこれまで完全に除去
する方法の提案はなされていない。したがつて該一塩基
酸類を含むメタクリル酸とメタノールでエステル化反応
を行なつた場合、エステル化反応生成物中には未反応の
メタクリル酸,メタノール;生成物であるメタクリル酸
メチル,水;ならびに不純物である酸のメチルエステル
類が混在することになる。かかるエステル化反応生成物
から通常水によるメタノールの抽出,蒸留による低沸点
物および高沸点物の分離等の精製工程を経てメタクリル
酸メチルを得ているが、低沸点不純物であるギ酸メチ
ル,プロピオン酸メチル,アクリル酸メチルおよびイソ
酪酸メチルのうち、特にイソ酪酸メチルを通常の方法で
分離するのは、メタクリル酸メチルと沸点比較的近いた
め、容易ではない。イソ酪酸メチルとメタクリル酸メチ
ルとを分離する方法としては特開昭51-146418,特公昭56
-37976があるが、これは抽出蒸留法によるもので、第3
物質である溶媒を添加するため、溶媒の回収費用と設備
が必要となり、得策ではない。
料の種類および酸化工程が一段酸化か二段酸化かにより
若干の差はあるが、主反応生成物のメタクリル酸の他
に、主たる不純物である酢酸と共にギ酸,プリピオン
酸,アクリル酸およびイソ酪酸などの一塩基酸およびマ
レイン酸,シトラコン酸等の二塩基酸等の酸類が副生す
る。したがつて酸化反応生成ガスを冷却凝縮して得られ
るメタクリル酸水溶液中には上記酸類が混在しており、
これは通常溶媒によるメタクリル酸の抽出,溶媒の回
収,メタクリル酸の蒸留分離等の精製工程を経てメタク
リル酸が精製されることも既に周知となつている。しか
しながら上記不純物酸類はメタクリル酸と沸点が比較的
近かつたり、気相会合などの影響があつて、完全に除去
することは困難であつた。このうちマレイン酸およびシ
トラコン酸の二塩基酸類については本発明者等が先にそ
の除去法を提案している(特願昭60-49248,60-7435
1)。しかし一塩基酸類についてはこれまで完全に除去
する方法の提案はなされていない。したがつて該一塩基
酸類を含むメタクリル酸とメタノールでエステル化反応
を行なつた場合、エステル化反応生成物中には未反応の
メタクリル酸,メタノール;生成物であるメタクリル酸
メチル,水;ならびに不純物である酸のメチルエステル
類が混在することになる。かかるエステル化反応生成物
から通常水によるメタノールの抽出,蒸留による低沸点
物および高沸点物の分離等の精製工程を経てメタクリル
酸メチルを得ているが、低沸点不純物であるギ酸メチ
ル,プロピオン酸メチル,アクリル酸メチルおよびイソ
酪酸メチルのうち、特にイソ酪酸メチルを通常の方法で
分離するのは、メタクリル酸メチルと沸点比較的近いた
め、容易ではない。イソ酪酸メチルとメタクリル酸メチ
ルとを分離する方法としては特開昭51-146418,特公昭56
-37976があるが、これは抽出蒸留法によるもので、第3
物質である溶媒を添加するため、溶媒の回収費用と設備
が必要となり、得策ではない。
本発明の目的は、イソブチレン、第3級ブタノール、メ
タクロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の
存在化に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化して
得られるメタクリル酸を、メタノールと共に酸触媒の存
在化でエステル化反応を行ない、メタクリル酸メチルを
製造する方法において、反応生成物中に混在する不純物
特に従来分離困難であつたイソ酪酸メチルを効率よく分
離する方法を提供するものである。
タクロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の
存在化に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化して
得られるメタクリル酸を、メタノールと共に酸触媒の存
在化でエステル化反応を行ない、メタクリル酸メチルを
製造する方法において、反応生成物中に混在する不純物
特に従来分離困難であつたイソ酪酸メチルを効率よく分
離する方法を提供するものである。
本発明者等はこの問題点を解決すべく鋭意研究を行なつ
た結果、プロピオン酸メチルおよびアクリル酸メチルと
メタクリル酸メチルを蒸留分離する際に、イソ酪酸メチ
ルが塔内に蓄積してくることを見い出し、これをサイド
カットすることで実質的にイソ酪酸メチル等を含有しな
いメタクリル酸メチルの製造法を完成するに至つた。
た結果、プロピオン酸メチルおよびアクリル酸メチルと
メタクリル酸メチルを蒸留分離する際に、イソ酪酸メチ
ルが塔内に蓄積してくることを見い出し、これをサイド
カットすることで実質的にイソ酪酸メチル等を含有しな
いメタクリル酸メチルの製造法を完成するに至つた。
即ち本発明はイソブチレン、第3級ブタノール,メタク
ロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在
下に分子状酸素を含有するガスにより触媒酸化して得ら
れるメタクリル酸をメタノールと共に酸触媒の存在下で
エステル化反応を行ない、メタクリル酸メチルを製造す
るに際し、エステル化反応生成物を第1工程でメタクリ
ル酸メチル,メタノールおよび水を主成分とする留出液
と未反応のメタクリル酸を主成分とする缶出液とに蒸留
分離し、該缶出液はエステル化工程へ循環し、該留出液
は第2工程のメタノール抽出器に入れ、該抽出器にて水
で未反応メタノールを抽出,回収し、エステル化工程へ
循環させ、他方メタノール抽出器上部からのメタクリル
酸メチル相を第3工程で蒸留し、低沸物を留去し、留出
液はデカンターで有機層と水層に分離し、水層は廃棄
し、有機層は一部塔頂へ還流する一方、残りを第4工程
で蒸留し、塔頂からアクリル酸メチルおよびプロピオン
酸メチル、塔濃縮部中段からイソ酪酸メチル、塔底から
メタクリル酸メチルを主成分とする留分を抜出し、メタ
クリル酸メチル留分は第3工程へ循環し、第3工程の缶
出液は第5工程で高沸点物を蒸留分離し、塔頂付近から
メタクリル酸メチルを得、一方塔頂留出液は第3工程へ
循環することを特徴とするメタクリル酸メチルの精製法
である。
ロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在
下に分子状酸素を含有するガスにより触媒酸化して得ら
れるメタクリル酸をメタノールと共に酸触媒の存在下で
エステル化反応を行ない、メタクリル酸メチルを製造す
るに際し、エステル化反応生成物を第1工程でメタクリ
ル酸メチル,メタノールおよび水を主成分とする留出液
と未反応のメタクリル酸を主成分とする缶出液とに蒸留
分離し、該缶出液はエステル化工程へ循環し、該留出液
は第2工程のメタノール抽出器に入れ、該抽出器にて水
で未反応メタノールを抽出,回収し、エステル化工程へ
循環させ、他方メタノール抽出器上部からのメタクリル
酸メチル相を第3工程で蒸留し、低沸物を留去し、留出
液はデカンターで有機層と水層に分離し、水層は廃棄
し、有機層は一部塔頂へ還流する一方、残りを第4工程
で蒸留し、塔頂からアクリル酸メチルおよびプロピオン
酸メチル、塔濃縮部中段からイソ酪酸メチル、塔底から
メタクリル酸メチルを主成分とする留分を抜出し、メタ
クリル酸メチル留分は第3工程へ循環し、第3工程の缶
出液は第5工程で高沸点物を蒸留分離し、塔頂付近から
メタクリル酸メチルを得、一方塔頂留出液は第3工程へ
循環することを特徴とするメタクリル酸メチルの精製法
である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明におけるエステル化反応の原料となるメタクリル
酸はイソブチレン,第3級ブタノール,メタクロレイン
あるいはイソブチルアルデヒドを1段ないし2段の触媒
層によつて接触酸化して得られた反応生成ガスら分離精
製されたものが使用される。メタクリル酸の分離精製方
法としては種々の方法が提案されているが、得られるメ
タクリル酸の品質は大同小異であり、通常プロピオン酸
20〜100ppm,アクリル酸10〜300ppm,イソ酪酸10〜500p
pm,未知不純物100〜300ppmのような不純物が含有され
ている。かかるメタクリル酸を原料にエステル化反応を
行なう場合、エステル化反応が平衡反応であるため、十
分に反応させると酸の種類に応じた平衡転化率に達する
が、通常メタクリル酸の単流転化率が50%以上となるよ
うに、反応温度,空間速度,メタノールモル比等の条件
が選ばれる。
酸はイソブチレン,第3級ブタノール,メタクロレイン
あるいはイソブチルアルデヒドを1段ないし2段の触媒
層によつて接触酸化して得られた反応生成ガスら分離精
製されたものが使用される。メタクリル酸の分離精製方
法としては種々の方法が提案されているが、得られるメ
タクリル酸の品質は大同小異であり、通常プロピオン酸
20〜100ppm,アクリル酸10〜300ppm,イソ酪酸10〜500p
pm,未知不純物100〜300ppmのような不純物が含有され
ている。かかるメタクリル酸を原料にエステル化反応を
行なう場合、エステル化反応が平衡反応であるため、十
分に反応させると酸の種類に応じた平衡転化率に達する
が、通常メタクリル酸の単流転化率が50%以上となるよ
うに、反応温度,空間速度,メタノールモル比等の条件
が選ばれる。
本発明者らの検討によると不純物の酸については平衡恒
数がいずれもメタクリル酸と同等か、むしろ若干大きめ
である。上記条件における反応速度もほぼ同時であるあ
るため、エステルになつた分の不純物濃度としては相対
的に高められた状態でメタクリル酸メチルに同伴される
ことになる。
数がいずれもメタクリル酸と同等か、むしろ若干大きめ
である。上記条件における反応速度もほぼ同時であるあ
るため、エステルになつた分の不純物濃度としては相対
的に高められた状態でメタクリル酸メチルに同伴される
ことになる。
このように未反応原料のメタクリル酸およびその不純
物,メタノール,反応生成物であるメタクリル酸メチ
ル,アクリル酸メチル,プロピオン酸メチル,イソ酪酸
メチルおよびの他のエステル類と水から成るエステル化
反応生成物が本発明の精製の対象となる。
物,メタノール,反応生成物であるメタクリル酸メチ
ル,アクリル酸メチル,プロピオン酸メチル,イソ酪酸
メチルおよびの他のエステル類と水から成るエステル化
反応生成物が本発明の精製の対象となる。
以下図面に従つて、更に詳細に本発明を説明する。
第1図において管1よりメタクリル酸,管2よりメタノ
ールがエステル化反応器Aに導入され、強酸性陽イオン
交換樹脂触媒によりメタクリル酸メチルが生成する。反
応器Aから出たエステル化生成物は管3より第1工程の
メタクリル酸回収塔Bに供給さ、塔底から実質上メタク
リル酸メチルおよび水を含まないメタクリル酸が分離さ
れ、管4を通してエステル化反応器Aへ循環される。ま
たメタクリル酸メチル,低沸点のエステル類(酢酸メチ
ル,プロピオン酸メチル,アクリル酸メチルおよびイソ
酪酸メチル等),水および未反応のメタノールは留出駅
として塔頂から抜出され管5を通して、第2工程のメタ
ノール抽出塔Cへ送液される。メタノール抽出塔Cの塔
頂に管9から水が供給されるメタノールが抽出除去さ
れ、管6を経てメタノール回収塔Dに送られ、メタノー
ルは蒸留回収され、管9からエステル化反応器Aへ循環
使用される。またメタノール回収塔塔底から分離された
水は冷却した後、管9を通してメタノール抽出塔Cへ循
環使用される。一方メタノール抽出塔C塔頂からはメタ
クリル酸メチルを主成分とする抽残液が管7を経て第3
工程の脱水塔Eへ供給され、水を含む低沸点のエステル
類,メタノールおよびメタクリル酸メチルの一部が留去
される。留出液は管10を経てデカンターFで2層に分離
され、水層は管13から系外にとり出され排棄される。ま
た場合によつてはメタノール回収塔Dへ送られるメタノ
ール分が回収される。また有機層は一部が管12から脱水
塔E塔頂へ還流され、残りは管14を経て第4工程の低沸
点分離塔Gへ供給される。ここで塔底からは若干のイソ
酪酸メチルを含むメタクリル酸メチルが抜き出され管15
を通つて脱水塔Eへ循環され、イソ酪酸メチルは濃縮部
中段の管17を経て抜き出される。残りの低沸点エステル
類及び微量の水とメタノールは管16から留去排棄され
る。一方脱水塔Eの塔底からは微量の低沸点のエステル
類と高沸点物を含むメタクリル酸メチルが抜き出され、
管11を通って第5工程のメタクリル酸メチル精製塔H
に供給される。この塔で製品メタクリル酸メチルは濃縮
部中段の管18から実質上イソ酪酸メチル等の低沸点のエ
ステルを含まない状態で抜き出される。微量の低沸点の
エステル類を含むメタクリル酸メチルの一部は塔頂より
留去され、管19を経て脱水塔Eへ循環され、高沸点物は
塔底の管20より排出される。
ールがエステル化反応器Aに導入され、強酸性陽イオン
交換樹脂触媒によりメタクリル酸メチルが生成する。反
応器Aから出たエステル化生成物は管3より第1工程の
メタクリル酸回収塔Bに供給さ、塔底から実質上メタク
リル酸メチルおよび水を含まないメタクリル酸が分離さ
れ、管4を通してエステル化反応器Aへ循環される。ま
たメタクリル酸メチル,低沸点のエステル類(酢酸メチ
ル,プロピオン酸メチル,アクリル酸メチルおよびイソ
酪酸メチル等),水および未反応のメタノールは留出駅
として塔頂から抜出され管5を通して、第2工程のメタ
ノール抽出塔Cへ送液される。メタノール抽出塔Cの塔
頂に管9から水が供給されるメタノールが抽出除去さ
れ、管6を経てメタノール回収塔Dに送られ、メタノー
ルは蒸留回収され、管9からエステル化反応器Aへ循環
使用される。またメタノール回収塔塔底から分離された
水は冷却した後、管9を通してメタノール抽出塔Cへ循
環使用される。一方メタノール抽出塔C塔頂からはメタ
クリル酸メチルを主成分とする抽残液が管7を経て第3
工程の脱水塔Eへ供給され、水を含む低沸点のエステル
類,メタノールおよびメタクリル酸メチルの一部が留去
される。留出液は管10を経てデカンターFで2層に分離
され、水層は管13から系外にとり出され排棄される。ま
た場合によつてはメタノール回収塔Dへ送られるメタノ
ール分が回収される。また有機層は一部が管12から脱水
塔E塔頂へ還流され、残りは管14を経て第4工程の低沸
点分離塔Gへ供給される。ここで塔底からは若干のイソ
酪酸メチルを含むメタクリル酸メチルが抜き出され管15
を通つて脱水塔Eへ循環され、イソ酪酸メチルは濃縮部
中段の管17を経て抜き出される。残りの低沸点エステル
類及び微量の水とメタノールは管16から留去排棄され
る。一方脱水塔Eの塔底からは微量の低沸点のエステル
類と高沸点物を含むメタクリル酸メチルが抜き出され、
管11を通って第5工程のメタクリル酸メチル精製塔H
に供給される。この塔で製品メタクリル酸メチルは濃縮
部中段の管18から実質上イソ酪酸メチル等の低沸点のエ
ステルを含まない状態で抜き出される。微量の低沸点の
エステル類を含むメタクリル酸メチルの一部は塔頂より
留去され、管19を経て脱水塔Eへ循環され、高沸点物は
塔底の管20より排出される。
以下に本発明の実施例を示す。実施例中の%は重量%で
ある。
ある。
実施例1 エステル化反応生成物を第1図のメタクリル酸回収塔B
で未反応メタクリル酸および高沸点物を蒸留分離した留
出液でメタクリル酸メチル71.3%,メタノール14.7%,水1
3.9%,および微量成分としてアクリル酸メチル65ppm,プ
ロピオン酸メチル34ppm,イソ酪酸メチル130ppmその他不
純物100ppmを含む粗メタクリル酸メチルを、メタノール
抽出塔C塔底に1.2kg/hrで供給し、水を塔頂へ0.2kg/hr
で供給して向流接触せしめ、抽残液を1.02kg/hrで得
た。抽残液の組成はメタクリル酸メチル98.5%,アクリル
酸メチル77ppm,プロピオン酸メチル4ppm,イソ酪酸メチ
ル140ppm他不純物0.18%,水1.3%であつた。該抽残液を脱
水塔Eに送り、メタクリル酸メチルの一部と共に水,メ
タノールおよび他の低沸点のエステル類を分離した。脱
水塔は操作圧力300mmHg(絶対圧),塔頂温度54℃,塔底温
度75℃で操作し、塔底よりメタクリル酸メチル99.7%,イ
ソ酪酸メチル15ppm,メタクリル酸300ppmおよび他不純物
0.2%の缶出液0.94kg/hrを得た。一方塔頂留出液はデカ
ンターFで2層に分離し、メタクリル酸メチル98.3%,
水1.3%,アクリル酸メチル0.12%,プロピオン酸メチル0.
08%,イソ酪酸メチル0.21%,メタノール0.1%の油層0.06k
g/hrと水97.4%,メタクリル酸メチル1.7%,メタノール0.
9%,アクリル酸メチル23ppm,プロピオン酸メチル17ppm,
イソ酪酸メチル15ppmの水層0.014kg/hrを得た。該水層
は系外に排出し、該油層は低沸分離塔Cへ供給した。低
沸分離塔は300 mmHg(絶対圧),塔頂温度50℃,塔底温
度75℃で操作し、塔頂からメタノール0.7%,水11.7%,ア
クリル酸メチル0.9%,プロピオン酸メチル0.7%,イソ酪
酸メチル0.1%,メタクリル酸メチル85.6%の留出液0.005
7kg/hrを、また濃縮部中段からアクリル酸メチル0.7%,
プルピオン酸メチル0.5%,イソ酪酸メチル12.3%,メタク
リル酸メチル86.5%からなる留出液0.0012kg/hrを抜き出
し、塔底からイソ酪酸メチル30ppm以下のメタクリル酸
メチル0.053kg/hrを得た。次に脱水塔の塔底液0.94kg/h
rをメタクリル酸メチル精留塔Hに供給し、操作圧200mm
Hg(絶対圧),塔頂温度60℃,塔底温度72℃で操作し塔
頂からイソ酪酸メチルが濃縮されたメタクリル酸メチル
の留出液0.047kg/hrを抜き出し、また濃縮部中段からサ
イドカットで実質上イソ酪酸メチルを含まない精製メタ
クリル酸メチル0.80kg/hrを得、缶出液として高沸点物
を含むメタクリル酸メチルを0.094kg/hr抜き出した。塔
頂留出液の組成はメタクリル酸メチル99.95%,イソ酪酸
メチル182ppm,缶出液の組成はメタクリル酸メチル97.9
%,メタクリル酸0.3%,その他2%で、製品となるサイドカ
ット液の組成はメタクリル酸メチル99.99%,イソ酪酸メ
チル5ppmであつた。メタクリル酸メチル精製塔の缶出液
を更にフラッシュ蒸留によりメタクリル酸メチルを回収
し、メタクリル酸メチル82.7%,メタクリル酸2.3%その他
15%の液0.013kg/hrを排棄した。このときの全精製収率
は98.4%であつた。
で未反応メタクリル酸および高沸点物を蒸留分離した留
出液でメタクリル酸メチル71.3%,メタノール14.7%,水1
3.9%,および微量成分としてアクリル酸メチル65ppm,プ
ロピオン酸メチル34ppm,イソ酪酸メチル130ppmその他不
純物100ppmを含む粗メタクリル酸メチルを、メタノール
抽出塔C塔底に1.2kg/hrで供給し、水を塔頂へ0.2kg/hr
で供給して向流接触せしめ、抽残液を1.02kg/hrで得
た。抽残液の組成はメタクリル酸メチル98.5%,アクリル
酸メチル77ppm,プロピオン酸メチル4ppm,イソ酪酸メチ
ル140ppm他不純物0.18%,水1.3%であつた。該抽残液を脱
水塔Eに送り、メタクリル酸メチルの一部と共に水,メ
タノールおよび他の低沸点のエステル類を分離した。脱
水塔は操作圧力300mmHg(絶対圧),塔頂温度54℃,塔底温
度75℃で操作し、塔底よりメタクリル酸メチル99.7%,イ
ソ酪酸メチル15ppm,メタクリル酸300ppmおよび他不純物
0.2%の缶出液0.94kg/hrを得た。一方塔頂留出液はデカ
ンターFで2層に分離し、メタクリル酸メチル98.3%,
水1.3%,アクリル酸メチル0.12%,プロピオン酸メチル0.
08%,イソ酪酸メチル0.21%,メタノール0.1%の油層0.06k
g/hrと水97.4%,メタクリル酸メチル1.7%,メタノール0.
9%,アクリル酸メチル23ppm,プロピオン酸メチル17ppm,
イソ酪酸メチル15ppmの水層0.014kg/hrを得た。該水層
は系外に排出し、該油層は低沸分離塔Cへ供給した。低
沸分離塔は300 mmHg(絶対圧),塔頂温度50℃,塔底温
度75℃で操作し、塔頂からメタノール0.7%,水11.7%,ア
クリル酸メチル0.9%,プロピオン酸メチル0.7%,イソ酪
酸メチル0.1%,メタクリル酸メチル85.6%の留出液0.005
7kg/hrを、また濃縮部中段からアクリル酸メチル0.7%,
プルピオン酸メチル0.5%,イソ酪酸メチル12.3%,メタク
リル酸メチル86.5%からなる留出液0.0012kg/hrを抜き出
し、塔底からイソ酪酸メチル30ppm以下のメタクリル酸
メチル0.053kg/hrを得た。次に脱水塔の塔底液0.94kg/h
rをメタクリル酸メチル精留塔Hに供給し、操作圧200mm
Hg(絶対圧),塔頂温度60℃,塔底温度72℃で操作し塔
頂からイソ酪酸メチルが濃縮されたメタクリル酸メチル
の留出液0.047kg/hrを抜き出し、また濃縮部中段からサ
イドカットで実質上イソ酪酸メチルを含まない精製メタ
クリル酸メチル0.80kg/hrを得、缶出液として高沸点物
を含むメタクリル酸メチルを0.094kg/hr抜き出した。塔
頂留出液の組成はメタクリル酸メチル99.95%,イソ酪酸
メチル182ppm,缶出液の組成はメタクリル酸メチル97.9
%,メタクリル酸0.3%,その他2%で、製品となるサイドカ
ット液の組成はメタクリル酸メチル99.99%,イソ酪酸メ
チル5ppmであつた。メタクリル酸メチル精製塔の缶出液
を更にフラッシュ蒸留によりメタクリル酸メチルを回収
し、メタクリル酸メチル82.7%,メタクリル酸2.3%その他
15%の液0.013kg/hrを排棄した。このときの全精製収率
は98.4%であつた。
第1図は本発明を実施する1つの態様を示すフローシー
トである。
トである。
フロントページの続き (72)発明者 瀬川 博三 新潟県北蒲原郡中条町協和町4―7 (72)発明者 与口 勝治 新潟県北蒲原郡中条町協和町2―3
Claims (1)
- 【請求項1】イソブチレン,第3級ブタノール,メタク
ロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在
下に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化して得ら
れるメタクリル酸をメタノールと共に酸触媒の存在下で
エステル化反応を行ない、メタクリル酸メチルを製造す
るに際し、エステル化反応生成物を第1工程でメタクリ
ル酸メチル,メタノールおよび水を主成分とする留出液
と未反応のメタクリル酸を主成分とする缶出液とに蒸留
分離し、該缶出液はエステル化工程へ循環し、該留出液
は第2工程のメタノール抽出器に入れ、該抽出器にて水
で未反応メタノールを抽出、回収しエステル化工程へ循
環させ、他方メタノール抽出器上部からのメタクリル酸
メチル相を第3工程で蒸留し、低沸点物を留去し、該留
出液はデカンターで有機層と水層に分離し、水層は排棄
し、有機層は一部塔頂へ還流する一方残りを第4工程で
蒸留し、塔頂からアクリル酸メチルおよびプロピオン酸
メチル,塔濃縮部中段からイソ酪酸メチル,および塔底
からメタクリル酸メチルを主成分とする留分を抜出し、
メタクリル酸メチル留分は第3工程へ循環し、第3工程
の缶出液は第5工程で高沸点物を蒸留分離し、濃縮部中
段からメタクリル酸メチルを得、一方塔頂留出液は第3
工程へ循環することを特徴とするメタクリル酸メチルの
精製法。
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JP26257185A JPH0611732B2 (ja) | 1985-11-25 | 1985-11-25 | メタクリル酸メチルの精製法 |
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JP26257185A JPH0611732B2 (ja) | 1985-11-25 | 1985-11-25 | メタクリル酸メチルの精製法 |
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-
1985
- 1985-11-25 JP JP26257185A patent/JPH0611732B2/ja not_active Expired - Fee Related
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