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JPH0611328B2 - 生理活性物質を固定した多孔性中空繊維を使用した液の処理方法 - Google Patents

生理活性物質を固定した多孔性中空繊維を使用した液の処理方法

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JPH0611328B2
JPH0611328B2 JP59213693A JP21369384A JPH0611328B2 JP H0611328 B2 JPH0611328 B2 JP H0611328B2 JP 59213693 A JP59213693 A JP 59213693A JP 21369384 A JP21369384 A JP 21369384A JP H0611328 B2 JPH0611328 B2 JP H0611328B2
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physiologically active
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substance
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清和 今井
友雄 塩見
正光 宮
昭夫 大森
弘幸 赤須
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Kuraray Co Ltd
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  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生理活性物質が化学的に結合されている多孔
性中空繊維を使用した液の処理方法に関するものであ
る。さらに詳しくは抗生物質、ホルモン、酵素、細胞、
微生物菌体、オルガネラ、核酸、医薬品等が化学的に結
合されている、物質透過性、特に蛋白質、多糖類の透過
性に優れた多孔性中空繊維を使用した液の処理方法に関
するものである。
〔従来の技術〕
酵素や微生物菌体、さらには動植物細胞やオルガネラ、
抗原あるいは抗体、ホルモン、抗生物質、核酸、医薬品
などを物理的、化学的に固定化した材料は各種有用物質
の合成手段として、あるいは各種センサー用、医療用、
分析用などに広範囲な用途を有する。従来こうした固定
化材料として公知のものは、担体として多糖類、ポリマ
ー粒、多孔性ガラス、金属酸化物、活性炭などの粒状物
や、ゲル、フイルム、紙、織物、編物などを用いるも
のが多く、中空繊維を担体とするものは比較的少ない
が、中空繊維を担体とするものとして、例えば特開昭53
-18792号にはポリアクリロニトリルを素材とする非対称
型中空繊維に化学的結合法によつて酵素を固定する方法
が提示されており、また特開昭56-39788号、同56-13138
7号、同56-164789号にも表面に緻密層を有する中空繊維
型分離膜に物理的、あるいは(又は)化学的に酵素を固
定する方法が開示されている。しかしながら、これ等の
方法によつて得られる酵素固定膜は酵素の流出を防止す
るために膜表面に、平均孔径0.001μ〜0.01μ程度の細
孔よりなる酵素不透過性緻密層を設けた限外過膜を利
用したものであり、これらは本発明の目的とする生理活
性物質と該生理活性物質で処理されるる物質および処理
して得られる産生物質のいずれをも透過させうる孔径を
有する、物質透過性に優れた多孔性の生理活性物質固定
中空繊維の使用による液の処理方法とは基本的に異なつ
ている。また、特開昭57-146567号には菌体が透過しな
い範囲の孔径の多孔性膜に溶菌酵素を固定し、この膜の
一面に菌体分散液を接触させて菌体の細胞壁を一部また
は全部溶解させて菌体を破壊し、菌体の構成成分を膜透
過液として得ることを特徴とする技術が開示されてお
り、さらに、より孔径の小さな多孔膜を利用する方法と
して特願昭49-101614号には中空部に酵素液を封入し、
膜壁を通じての拡散により被処理液を中空部で処理し、
逆拡散により生成物を膜壁外へ取り出す方法が開示され
ている。しかしながら、これらの2つの方法は、前者で
は被処理物質を膜透過させることなく処理する点で、
又、後者では酵素が化学的に固定されておらず、かつ酵
素が透過し得ない程の小さな孔径の多孔膜を用いている
点で本発明の目的とする物質透過性に優れた多孔性の生
理活性物質固定中空繊維の使用による液の処理方法とは
異なつている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
酵素不透過性緻密層を膜表面に有する限外過膜は一般
に異方性膜と呼ばれ、膜壁内に指状の巨大空隙を有して
おり、そのため、膜の比表面積は小さい。それ故、この
種の膜に生理活性物質を化学的に固定しようとする場合
には吸着量を多くとることができず、しかも、流路巾が
広いために被処理物質と生理活性物質の接触確率が低い
という問題がある。
被処理物質が孔径に比して大きく膜透過し得ない場合に
は中空繊維の内表面(または外表面)のみが処理に利用
されるだけであり、単位体積当りの有効処理面積が小さ
く、処理速度が遅い。また、膜壁内への被処理物質の沈
着が発生し、処理速度を一層劣化させる恐れもある。
又、生理活性物質を中空部に封入した場合には被処理物
質は拡散により膜壁を横切り、中空部で処理され逆拡散
により再び膜壁を横切らねばならず処理速度が遅い。被
処理物質や産生物質の分子量が大きい場合は拡散係数が
小さくなるため特に処理速度が低下する。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明者らは以上の様な問題点を解決すべく多孔性中空
繊維への生理活性物質の固定を鋭意研究した結果、本発
明に至つた。
すなわち本発明は、生理活性物質が化学的に結合され、
該生理活性物質と該生理活性物質で処理される被処理物
質および処理して得られる産生物質のいずれをも透過さ
せうる孔径を有し、かつ比表面積が10m2/g以上である
多孔性の中空繊維に、該生理活性物質で処理される物質
を含む被処理液を供給して処理し、得られた産生物質を
含む処理液を該中空繊維の膜壁を通して取り出すことを
特徴とする生理活性物質固定中空繊維の使用による液の
処理方法である。
本発明において用いられる中空繊維の特徴は、先ず第1
に、生理活性物質が十分に透過しうる孔径を有する膜構
造であること、該生理活性物質が十分に結合しうる大き
な比表面積を有する点にある。結合される生理活性物質
が膜壁内を透過しえないと、結合に利用しうる膜構造が
表面部のみに限定されてしまい、結合量が小さくなり、
被処理物質の処理速度が遅くなる。一方、単に生理活性
物質を透過させる孔径を有しているのみで巨大な空隙の
多い膜では生理活性物質の結合しうる面積が少なく、や
はり処理速度が遅い。それ故本発明の第1の目的とする
ところは、生理活性物質が十分透過しうる孔径で、大き
な比表面積の中空繊維に該生理活性物質を固定すること
である。孔径と比表面積の間には若干の関連があるた
め、細胞、微生物、オルガネラなどの大きな物を固定し
ようとする場合は比表面積は低下せざるを得ないが、本
発明の目的とする速い処理速度を達成するためには、1
0m2/g以上、好ましくは30m2/g以上の比表面積が必要
である。比表面積はBET法により測定される。また、
ここでいう十分な透過性とは、該生理活性物質の希薄水
溶液(約0.1W/V%)の過実験から次式によつて算
出される透過率が50%以上の場合をいう。
尚、Cin =中空繊維入口の蛋白濃度 Cout= 同 出口の蛋白濃度 CuF =液の蛋白濃度 本発明で用いられる中空繊維のもう1つの特徴は、生理
活性物質で処理される被処理物質と処理して得られる産
生物質も十分に透過しうる孔径を有している点である。
これ等の要件も既に述べた理由により処理速度の向上に
結びついている。孔径の上限については特に規制はない
が、固定される生理活性物質、被処理物質、産生物質の
うち最大のもののストークス径の10倍以内が好まし
い。孔径が過大だと生理活性物質と被処理物質との接触
確率が減少し、処理速度の低下を招く。
以上に述べた様な要件を満足する中空繊維のうち、特に
膜壁全体にわたりスポンジ状の多孔構造を有する膜は、
物質透過性、処理速度の経時的劣化が少なく好適であ
る。
本発明において用いられる中空繊維の素材は特に限定は
なく例えば多孔性ガラスなどの無機材料、セルロース、
コラーゲン、キチンなどの天然有機高分子、スチレン、
ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリテトラフ
ロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリアミノ酸などの合成有機高分子材料がある。
これらの材料は単独で用いても良いし、共重合体やポリ
マーブレンドとして用いても良い。また光照射、放射線
照射、化学処理などにより、グラフト化や官能基の導入
を行なつた素材を用いても良いが、予め水酸基、アルデ
ヒド、カルボキシル基、アミノ基、イミド基などを有す
るものは固定化のための工程が少なく好適である。以
下、代表的なものについて簡単に説明する。
ポリビニルアルコールを生理活性物質固定用中空繊維素
材として用いる場合には、まず該中空繊維を水不溶性と
し、かつ多孔質構造を保持するための処理が必要であ
る。不溶化処理の方法としてはホルマリンやベンズアル
デヒド等によるホルマール化、グルタルアルデヒド、水
酸化チタン等の架橋剤による架橋、電子線やガンマー線
等による架橋反応が用いられる。これら不溶化処理によ
つて元のポリビニルアルコール中の水酸基の一部が失わ
れるが、本発明の生理活性物質固定用担体として用いる
場合、水酸基の残存率は好ましくは20モル%以上、さ
らに好ましくは35モル%以上である。
また中空繊維素材としてビニルアルコール系共重合体を
用いる場合にも共重合体中のビニルアルコール残基の含
有率は好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは3
5モル%以上である。残存率が20%より小さいと水酸
基を利用する結合法だけでは固定化量が少なくなり、中
空繊維の比活性が低い。
本発明において用いられる多孔質中空繊維そのものは公
知の製法により製造することができる。例えばポリビニ
ルアルコールの多孔性中空繊維は特開昭52-21420号に記
載されている方法により、エチレンビニルアルコール系
共重合体の多孔質中空繊維は特開昭51-145474号に記載
されている方法をもとに製造することができる。また、
これらの多孔質中空繊維のプロフイールは、通常、内径
が50μ以上、20,000μ以下、好適には100μ以上5000
μ以下、さらに好適には175μ以上2000μ以下であ
る。これより細いと中空繊維が機械的に弱く、また集
束、成形してモジユール化した際に中空部流路側の圧損
が大きくなりすぎる。これより太いと単位体積当りの膜
面積が小さくなりぎて十分な固定化量が得られず、被処
理液の処理効率が低い。
固定化される生理活性物質としては、酵素(含補酵
素)、微生物菌体、細胞、オルガネラ、ホルモン、抗生
物質、核酸、医薬品などをあげる事ができる。
医薬品としては、例えば、シクロフォスファミド、アザ
チオプリン等の免疫抑制物質、レバミゾール等の免疫調
節物質、インターフェロン、インターロイキン等の免疫
関連物質に代表される免疫系を抑制または活性化する物
質、プロスタグランジン、トロンボキサン、プロスタサ
イクリン、ロイコトリエン、副腎皮質ステロイドなどが
固定化される。
オルガネラとしては例えばミトコンドリア、核、クロマ
トホアー、クロロプラスト、ペルオキシゾームなどが固
定化される。
細胞としては例えば腎細胞、肝細胞、ランゲルハンス島
細胞、各種リンパ球、およびハイブリツド化された細胞
などが固定化される。
微生物菌体としては例えば大腸菌、枯草菌、放線菌、ブ
ドウ状球菌、メタノール菌などの細菌類、酵母、各種の
カビなどが固定化される。
酵素としては、単離精製されたものの他、微生物菌体内
酵素のように細胞内に存在する酵素でも良いし、細胞か
ら抽出された酵素でも良い。あるいはまた単一の酵素だ
けでなく、複数の酵素を固定化しても良いし、補酵素
や、ATP、ADPなどと共に固定化しても良い。具体
例としては、例えばアミノ酸オキシダーゼ、カタラー
ゼ、キサンチンオキシダーゼ、グルコースオキシダー
ゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタ
ミン酸デヒドロゲナーゼ、チトクロムCオキシダーゼ、
チロシナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ペルオキシダー
ゼ、6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーーゼ、リンゴ
酸デヒドロゲナーゼのような酸化還元酵素、アスパラギ
ン酸アセチルトランスフエラーゼ、アスパラギン酸アミ
ノトランスフエラーゼ、グリシンアミノトランスフエラ
ーゼ、グルタミン酸−オキザロ酢酸アミノトランスフエ
ラーゼ、グルタミン酸−ピルビン酸アミノトランスフエ
ラーゼ、クレアチンホスホキナーゼ、ヒスタミンメチル
トランスフエラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、フラクトキ
ナーゼ、ヘキソキナーゼ、8−リジンアセチルトランス
フエラーゼ、ロイシンアミノペプチターゼのような転移
酵素、アスパラギナーゼ、アセチルコリンエステラー
ゼ、アミノアミラーゼ、アミラーゼ、アルギナーゼ、L
−アルギニンデイミナーゼ、インベルターゼ、マルター
ゼ、ラクターゼ、ウレアーゼ、ウリカーゼ、ウロキナー
ゼ、エステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カリクレイ
ン、キモトリプシン、トリプシン、トロンビン、ペプシ
ン、パパイン、パンクレアチン、ナリンギナーゼ、ヌク
レオチダーゼ、ヒヤウロニダーゼ、プラスミン、ペクチ
ナーゼ、ヘスペリジナーゼ、ペニシリナーゼ、ペニシリ
ンアミダーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、ホスフアタ
ーゼ、リボヌクレアーゼ、レンニン、メリビアーゼ、ア
ルドラーゼ、セルラーゼ、アントシアナーゼ、ナリンジ
ナーゼ、タンナーゼのような加水分解酵素、アスパラギ
ン酸デカルボキシラーゼ、アスパルターゼ、クエン酸リ
アーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒスチジン
アンモニアリアーゼ、フエニルアラニンアンモニアリア
ーゼ、フマラーゼ、フマール酸ヒドラターゼ、リンゴ酸
シンテターゼのようなリアーゼ、アラニンラセマーゼ、
グルコースイソメラーゼ、グリコースホスフエートイソ
メラーゼ、グルタミン酸ラセマーゼ、乳酸ラセマーゼ、
メチオニンラセマーゼのような異性化酵素、アスパラギ
ンシンターゼ、ダルタチオンシンターゼ、ピルビン酸シ
ンターゼ、DNAリガーゼなどのリガーゼ、EcoRI、Hind
III、Bam HI、Sal I、Pst Iなどの制限酵素等がある。
これらの生理活性物質を多孔質中空繊維に固定する方法
としては、担体結合法が用いられるが、微生物菌体、細
胞、オルガネラ等を固定する際には包括法を併用しても
良い。担体結合法のうちでは共有結合法、イオン結合法
が好適であり、共有結合法としては例えばジアゾ法、ア
ルキル化法、ペプチド法などが好ましい。また、これら
の化学薬品を用いる結合法の外、光や放射線の照射を利
用して共有結合や、イオン結合を行なわせることもでき
る。
不溶化処理されたポリビニルアルコールや、エチレンビ
ニルアルコール系ポリマー、セルロース等の水酸基は、
酵素、細胞、オルガネラ、微生物菌体、核酸、ホルモ
ン、抗生物質、医薬品などの有する水酸基、アミノ基、
カルボキシル基等と適当な試薬によつて結合することが
できる。以下にビニルアルコールの水酸基と、生理活性
物質のアミノ基間の結合形成法を例として列挙する。こ
こで固定化物のアミノ基をR−NH2、ビニルアルコール
で示す。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) アクリル酸系ポリマーよりなる中空繊維への生理活性物
質の固定は例えば次の様にして行なえる。ここで はアクリル酸系ポリマーを、R−NH2は酵素を表わす。
(10) ナイロンよりなる中空繊維への生理活性物質の固定は例
えば次の様にして行なえる。ここで はナイロンを、R−NH2は酵素を表わす。
(11) 本発明の生理活性物質固定中空繊維を用いれば、被処理
液は中空繊維が多孔性であるため、中空繊維の膜壁を通
しつつ、効率よく処理される。被処理液は全量が膜壁を
通る必要はなく、中空繊維の内部または外部を循環させ
ながら、1部が膜壁を通過し、有用物質が中空繊維の膜
壁を通して取り出されればよい。
被処理液は、生理活性物質を固定した中空繊維の反応収
率、反応速度、目的とする物質の所望の純度等により、
バツチ式、連続式のうち好適な方法で処理する事ができ
る。また同様の見地より循環の有無、循環量と膜透過量
の比も最適な条件を選択する事ができる。被処理液の流
路は中空繊維の中空部でも、外表面側でも良い。通常は
循環方式では中空部を、全量押込み透過(非循環)方式
では外表面側を流す方が有利である。また上記の様な方
法で処理を行なうに際し、本発明の中空繊維は単繊維と
してだけでなく、両端開口型や片端閉止型など公知のモ
ジユール形態に集束、成形して用いることができる。
本発明の中空繊維の具体的な利用例としては、例えば生
化学分野ではDNA組換え技術で育種された微生物を中
空繊維の膜壁内および(または)表面に固定し、一方の
側より培養液と共にペプチド、アミノ酸、糖、ATP、
塩類等の低分子量原料物質を供給し、他の側より人由来
ホルモン、ポリペプチド、インターフエロン、ワクチン
などの高分子量生産物を得ることへの利用を挙げること
ができる。同様に菌体外タンパク質生産菌を固定した中
空繊維を用いて、飼料用や食料用タンパク質の生産を行
なわせることもできる。
食品工業の分野では例えばβ−ガラクトシダーゼを固定
した中空繊維に、外表面側よりチーズホエーを供給し、
ホエー中の乳糖を膜壁内を通過させつつ連続的に加水分
解することに利用できる。本発明によれば、この際に分
子量数万のホエータンパク質も膜壁内を通過し得るた
め、従来の限外過膜を担体とする酵素固定の欠点であ
るホエータンパク質の膜壁上への濃縮、ゲル層生成と、
それに伴う加水分解速度の低下を防止することができ
る。
本発明の対象となる被処理液としては上記の例の外、体
液、血漿、細胞や微生物の培養液、多糖類、糖蛋白、蛋
白、ペプタイド、核酸等の合成のための調製原料および
(または)生成物含有液、さらに食品工業や医薬品製造
における製造工程液、廃液などがある。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 比表面積45m2/g、インベルターゼ(分子量29万)に
対する透過率76%、内径220μ、外径330μのエ
チレンビニルアルコール(エチレン含量32モル%、ケ
ン化度99.9%)よりなる多孔質中空繊維を用いて、公知
の方法により50cm2の膜面積の小型モジユールを作製し
た。該モジユールの中空繊維内外に硫酸10W/V%、芒
硝25W/V%、アミノアセトアルデヒド5W/V%を含む水
溶液を流し、24時間、40℃でアミノアセタール化を
行なつたのち、純水で十分に洗浄した。次いで5μg/
mlのインベルターゼ水溶液を中空部側に流し、一部は膜
壁を通過させつつ室温下で10時間循環し、インベルタ
ーゼの固定化を行つた。純水で十分に未結合状態の酵素
を洗浄除去した後、1W/V%のサツカロースを含む酢酸
緩衝溶液を用いpH4.5、40℃において吸着率、比活
性、活性収率の測定を行なつた。なお、ここでいう吸着
率とは であり、比活性とは であり、活性収率とは のことである。
得られた吸着率は78%、比活性は88%、活性収率は
69%と高く、酵素よりも大きな孔径の多孔膜に固定し
たにもかかわらず酵素の流出は少なく、高い活性が保持
されていた。
また該モジユールの中空部内に種々の濃度のサツカロー
スを含む酢酸緩衝溶液(pH4.5、40℃)を10ml/min
の速度で供給し、一部を膜壁を透過させつつ処理したと
ころ、みかけのミハエリス定数として1.2×10-2Mを得
た。これは固定化されない酵素自身のミハエリス定数1.
5×10-2Mに比較して小さく、本発明の生理活性物質固
定中空繊維が、高い処理速度を有していることは明らか
である。
比較例1 比表面積53m2/g、インベルターゼに対する透過率1
%、内径220μ、外径300μエチレンビニルアルコ
ール(エチレン含量32モル%、ケン化度99.9%)より
なる微多孔質中空繊維を用いた他は実施例1と同様にし
てインベルターゼを固定し、吸着率、比活性、活性収
率、みかけのミハエリス定数の測定を行なつた。吸着率
は89%と実施例1より高かつたが比活性は80.3%と低
く、活性収率は71.4%、みかけのミハエリス定数は1.9
×10-2Mで実施例1に比較し、反応速度が遅かつた。
比較例2 比表面積90cm2、厚さ1mmのエチレンビニルアルコー
ルフイルム(エチレン含量32モル%、ケン化度99.9
%)を硫酸25W/V%、芒硝25W/V%、アミノアセトア
ルデヒド5W/V%を含む水溶液中に浸漬し、70℃で8
時間振とうしてアミノアセタール化を行つたのち、純水
で十分に洗浄した。次いで5μg/mlのインベルターゼ
水溶液中に室温で24時間振とうして酵素を固定化し
た。純水で十分に未結合状態の酵素を除去し、得られた
フイルムをサツカロース溶液中で振とうしつつ分解反応
を行なわせた他は実施例1と同様にして該固定化酵素フ
イルムを評価した。
吸着率は85.7%と高かつたが、比活性は17.7%、活性収
率は15.1%と小さく、みかけのミハエリス定数も7.9×1
0-2と大きく、実施例1に比較して明らかに劣つてい
た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、生理活性物質が化学的に結合され、該
生理活性物質と該生理活性物質で処理される被処理物質
および処理して得られる産生物質のいずれをも透過させ
うる孔径を有し、かつ比表面積が10m2/g以上である多
孔性の中空繊維に、該生理活性物質で処理される物質を
含む被処理液を供給して処理し、得られた産生物質を含
む処理液を該中空繊維の膜壁を通して取り出す、生理活
性物質固定中空繊維の使用による液の処理方法が提供さ
れる。本発明の処理方法は、生理活性物質の流出が少な
く、処理速度が速い優れた処理方法であり、各種有用物
質の合成手段として、あるいは各種センサー用、医療
用、分析用等、広範囲に利用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生理活性物質が化学的に結合され、該生理
    活性物質と該生理活性物質で処理される被処理物質およ
    び処理して得られる産生物質のいずれをも透過させうる
    孔径を有し、かつ比表面積が10m2/g以上である多孔性の
    中空繊維に、該生理活性物質で処理される物質を含む被
    処理液を供給して処理し、得られた産生物質を含む処理
    液を該中空繊維の膜壁を通して取り出すことを特徴とす
    る生理活性物質固定中空繊維の使用による液の処理方
    法。
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