JPH06108401A - 省力化軌道下部の道床安定化工法 - Google Patents
省力化軌道下部の道床安定化工法Info
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- JPH06108401A JPH06108401A JP25172892A JP25172892A JPH06108401A JP H06108401 A JPH06108401 A JP H06108401A JP 25172892 A JP25172892 A JP 25172892A JP 25172892 A JP25172892 A JP 25172892A JP H06108401 A JPH06108401 A JP H06108401A
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Abstract
ト床版上の省力化軌道の敷設に際し、下部道床バラスト
の不安定要因による軌道狂いを防止することを目的とす
る。 【構成】 省力化軌道の填充層直下の道床バラストに、
急硬性または普通硬化性のセメント系グラウト材、瀝青
系乳剤あるいはセメント瀝青系グラウト材等の安定化材
を散布もしくは注入することを特徴とする。
Description
において、下部道床を安定化させるための工法に関す
る。
ら成る有道床軌道の形態ができあがって以来、2世紀の
間その基本的構造には大きな変化がなく今日まで至って
いる。その理由は、建設費が安く、配線変更が容易とい
う優れた長所を有していること等が挙げられる。しか
し、その反面、列車通過に伴ってレール面が沈下し、そ
の結果生じた軌道狂いの修復に保守を要するという宿命
を背負っている。
の大小、列車頻度、枕木の形状・寸法および弾性被覆材
の有無等が挙げられる。他方、内的要因としては、道床
バラストの締固め程度や土路盤支持力の大小等があり、
これらが軌道狂いに大きな影響を与えることがよく知ら
れている。これらの要因に対処するため、近年、鉄道線
路の保守作業を省力化することを目的とし、種々の新し
い軌道が実現しつつある。そのうち、既設線を対象とす
る土路盤上の省力化軌道としては、E型舗装軌道、填充
道床軌道、枠型スラブ軌道および有道床弾性枕木軌道等
がその代表例として挙げられる。
路盤支持力を有する土路盤上、またはコンクリート床版
上に道床バラストを敷き、その上にそれぞれ大形PC枕
木、普通PC枕木、枠型軌道スラブあるいは弾性被覆材
付PC枕木等を敷設し、レールを締結する構造となって
いる。これら各種軌道に共通していえることは、填充層
下部の変形(沈下量)軽減策として、まず、道床バラス
トに対しては十分に締固めると共に土路盤に対しては置
換工、排水工、強化路盤工、雨水の表面排水工等の支持
力を向上する諸種の工法が試用されてきたことが挙げら
れる。
図、図13の横断面図に例示する既設線省力化軌道のE
型舗装軌道においては、旧道床バラスト5を所定厚さま
で掘削して表面転圧を行った後、その上面に不織布4を
敷いてその上に豆砕石を散布・転圧し、さらにその上に
大形PC枕木2よりなる軌匡を組み、不織布4から上部
を注入材(加熱型改質アスファルトまたは急硬性セメン
ト瀝青系グラウト材)で固める填充層3よりなる構造を
もち、軌道の表面と側部にアスコン舗装7を行ってい
る。
構造を有し、いずれの場合も構造的には最下部の路盤
層、中間部の道床バラスト層(既設線は旧バラストのま
ま、新設線は新規バラストを敷込み・転圧したもの)、
最上部の填充層と軌匡からなっている。しかしながら、
中間部の道床バラスト層は、施工上、既設線においては
旧道床を掘削・除去するときにその表層部を乱すことが
避けられないため、これに起因した初期沈下を抑制する
ことが困難である。また、新設線においても、新規バラ
ストを完全に締め固めることができないため、同様な圧
密による軌道狂い(沈下)が避けられない状態であっ
た。
上記と同様な現象が発生する。
道において、新設線施工の場合、下部道床を形成する新
規バラスト層は、十分に転圧されたとはいえ、初期沈下
(圧密過程)と供用経年に伴う定常沈下(流動過程)は
不可避的であり、特に初期沈下により顕著な軌道狂いを
発生することが多い。
の表層は掘削・除去時に掻き乱されているので、一時的
な転圧だけでは供用後における圧密・流動過程の沈下を
十分に防ぐことは困難である等の問題を抱えている。省
力化軌道は、一般に上部に填充層、下部に道床バラスト
を介在するタイプの施工方法が採用されているため、上
述したような現象に起因する軌道狂いは、省力化軌道と
して死活を左右する共通的な課題であり、緊急かつ重要
な課題としてクローズアップされている。
め、第1に、省力化軌道下部の道床バラストに散布・注
入する安定化材は、軌道の種類、積載荷重、道床の状
態、バラスト固結の深さ、散布・注入方法等の様々な条
件を勘案し、急硬性または普通硬化性のセメント系グラ
ウト材、瀝青系乳剤、セメント瀝青系グラウト材のう
ち、最も適切な材料を選択する。特には、載荷条件や耐
久性を満たす性能を有し、簡易かつ能率的に施工がで
き、しかも安価な材料を使用する。
部の道床、例えば新設線では新規バラスト層、既設線で
は在来の旧バラスト層に対し、安定化材を散布または注
入して固結し、バラスト相互の結合力を高め、下部道床
に十分な支持力を付与することによって供用荷重に対す
る変形抵抗を増大させることが必要である。これは、軌
道狂いの軽減あるいは防止に寄与する。
する方法としては、以下の方法が考えられる。 バラスト表面に直接散布する。 不織布に前もって安定化材漏洩用の孔をあけておく。 不織布の軌間部位置に安定化材漏洩用の編目状の織布
または合成樹脂系のメッシュ等を配置しておき、填充材
注入時にその一部を下部バラスト内に漏洩させる。
き管を挿入しておき、仮軌道敷設後に安定化材を注入す
る。 以上いずれかの方法によって下部道床を固めることによ
り、所定の耐荷性を有する支持層が効果的に築造できる
ことになる。第3に、道床支持力向上の程度を選択する
手段としては、軌道の種類や現場条件に応じて安定化材
の浸透深さを加減する。この浸透深さの調節は、安定化
材の散布量の多少、コンシステンシーの大小および浸透
方法の選択によって行い、例えば下部道床の表面だけ、
半層だけあるいは全層に浸透・固化させる。この手段を
適材適所的に活用することにより、現場条件に適合しか
つ経済的にすぐれた軌道を敷設することができる。
は、支持力の向上や伝達荷重の分散化に寄与すると共に
道床自体の圧密・流動過程の沈下を軽減または除去し、
永年の供用に対して軌道狂いの発生を防止することがで
きる効果がある。さらに詳しく説明する。本発明の省力
化軌道下部の道床安定化工法(以下道床安定化工法とい
う)では、安定化材として急硬性または普通硬化性のセ
メント系グラウト材、瀝青系乳剤あるいはセメント瀝青
系グラウト材等を適宜使用する。道床バラストへの散布
・注入方法は、現場条件、施工規模、固化方法、安定化
材の種類等により、最も適切な方法を選択して施工す
る。その詳細は下記の通りである。
に大別され、通常、前者は既設線、後者は新設線に適用
することが原則となる。セメント系グラウト材として
は、一般にセメントペースト、セメントモルタル、エヤ
ーグラウトおよびこれらに高分子系乳剤を混入した材料
等を使用することができるが、特にはセメントモルタル
が好ましい。
に調節できるため、バラスト内への浸透深さをある程度
増減することが可能であり、強度発現性にすぐれしかも
比較的安価である。使用する材料は、通常、セメント、
混和材、急硬材(主として既設線で使用)、増量材、凝
結調節剤(急硬材と併用)、水等よりなる。その配合割
合は、一般にセメント100重量部(以下単に部とい
う)、混和材が5〜300部、急硬材が5〜30部、増
量材が0〜200部、凝結調節剤が0〜2部、水20〜
200部である。そのうち、急硬材は既設線施工におい
て短時間で所要強度を得る場合に有効であり、配合割合
が5部以下では急硬性が不十分となり、30部を超える
と不経済となる。
ト、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセ
メント、耐硫酸塩セメント、中庸熱セメント、超速硬性
セメント、アルミナセメント等が使用できる。特に、急
硬材を使用する場合にはこれとの水和反応性が優れる普
通ポルトランドセメントが好適である。これは主として
長期強度の確保に役立つ。
た石粉、消石灰、ベントナイト、クレーもしくはフライ
アッシュ等を使用する。特には、セメントや急硬材等と
の混合性がよく、ブリージングを抑制するものが好まし
い。急硬材としては、カルシウムアルミネート系鉱物と
石膏の配合物に無機微粉末を配合してなる混合物を使用
する。カルシウムアルミネート系鉱物は、CaOとAl
2 03 を電気炉等によって溶融して得られたもので、非
晶質のものが好ましい。その粉末度は、強度発現性を考
慮し、ブレーン値で4000〜8000cm2/g の微粉末
状のものがよい。石膏は、各種形態のものがあるが、II
型無水石膏が好ましい。無機微粉末は、高炉スラグ、活
性シリカ、焼成白土等のシリカ質成分を主体とするもの
が好ましい。これらの混合物からなる急硬材は、主に短
時間強度の発現に寄与する。
等を使用する。特には、石質が堅硬で吸水率が小さく、
粒径の細かい硅砂が好ましい。凝結調節剤としては、無
機塩類と有機酸等を使用する。無機塩類には、ZnCl
2 、CaCl2 、FeCl2 等の無機ハロゲン化合物、
Na2 SO4 、K2 SO4 、KNO3 、Na2 NO3 、
CaB4 O7 、Na2 B4 O7 、Na2 CO3、K2 C
O3 等の硫酸塩、硝酸塩、硼酸塩、炭酸塩等がある。
コン酸およびクエン酸等のオキシカルボン酸またはその
塩類等がある。これら無機塩類と有機酸を単味または併
用して用いる。また、必要に応じて市販のセメント減水
剤を併用することも可能である。この凝結調節剤は、主
に急硬材を用いるグラウト材の作業性を調節するために
使用する。
沼水等の淡水を用いる。これは、本グラウト材の流動性
を調節するために使用する。上記した各材料の他に、高
分子系乳剤を添加する場合がある。この高分子系乳剤と
しては、ゴムラテックス、合成高分子重合体エマルジョ
ン、合成樹脂エマルジョンおよび水溶性高分子重合体等
が使用できる。特には、セメント、急硬材、増量材等と
の混合性がよいSBR系ラテックス及びアクリル樹脂系
エマルジョンが好ましい。これは、主として脆性、感温
性、耐衝撃性等を改善するはたらきをする。
布・注入は、下記の要領で実施する。例えば、下部バラ
スト表面に散布・注入する場合は、通常、各材料を図1
0に示す順序で投入し、所定の混練り(約2分間)を行
う。混練り終了後、直ちに手撒きが可能な容器を用いて
バラスト表面に所定量散布する。バラスト内への浸透深
さは、散布量の増減またはモルタルのコンシステンシー
の大小によって調節する。
もって挿入している場合(孔あきパイプ方式)は、図
1、図2、図3に示す如く、混練りしたモルタルを注入
ロート9を介して注入管7の孔8から下部バラスト5内
にお浸透させる。この施工法では、下部バラスト5の間
隙を完全に充填することが原則となる。つぎに、瀝青系
乳剤としては、ストレートアスファルト、ブローンアス
ファルト、セミブローンアスファルト等の石油アスファ
ルト類、天然アスファルト類およびタール類から得られ
た1種または2種以上を混合してなる瀝青類、あるいは
これらの瀝青物にゴム、合成高分子重合体等を添加・混
合して改質された瀝青物を主材とし、これに界面活性剤
と多価金属塩を加え、さらに必要に応じて乳化助剤、分
散剤および保護コロイド等を適宜使用して水中で乳化さ
せたものを使用する。また、これらの瀝青乳剤にゴムラ
テックス、合成高分子重合体エマルジョン、合成樹脂エ
マルジョンおよび水溶性合成高分子重合体等を添加・混
合したものを使用することができる。
ニオン系、カチオン系およびノニオン系のもの1種以上
を、多価金属塩にはAlCl3 、FeCl3 、CaCl
2 、FeCl2 およびMgCl2 等の塩化物を1種以上
を使用する。改質のために添加するゴムは、天然ゴム、
イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン
・ブタジエンブロック重合ゴム、スチレン・イソプレン
ゴム、スチレン・イソプレンブロック重合ゴム、クロロ
プレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴ
ムおよびポリウレタンゴム等である。
もので、酢酸ビニル重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合物、アクリル酸エステル・酢酸ビニル共重合物、マレ
イン酸エステル・酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合物、アクリル酸エステル重合物、スチレ
ン・アクリル酸エステル共重合物、アクリル酸エステル
共重合物、塩化ビニル重合物および共重合物、塩化ビニ
リデン重合物およびアルキット樹脂等である。
等のエラストマーを含有するものは、分解生成した道床
バラスト外周部の被膜が弾力性、撓み性および耐衝撃性
にすぐれた性状となる。瀝青物の種類では、石油アスフ
ァルトがタールより弾力性、撓み性等の点ですぐれる
が、耐油性、耐水性の点ではタールがすぐれる。一般に
は石油アスファルト系の瀝青乳剤を使用する。
り浸透用と混合用に分かれるが、本発明では、浸透用が
適合し、道床バラストに接して分解生成したアスファル
ト被膜とバラストとの付着性がよく、雨水その他で再乳
化しないものでなければならない。通常、カチオン系の
石油アスファルト乳剤やこれにゴム等を添加して接着力
を高めたゴム入りアスファルト乳剤を使用する。
70重量%の濃度のものを使用する。この濃度は、上記
より高いものや低いものも使用できるが、作業性と道床
バラストへの浸透性の許す範囲内で水分の少ないものが
好ましい。なお、この瀝青系乳剤は、工場製品であり、
通常、現場においてじょろ、特殊容器等を用いて人力で
散布する。特に、新設線等の大規模施工では、エンジン
スプレイヤ等で散布する。
は、セメント、急硬材、瀝青乳剤、高分子系乳剤、細骨
材、凝結調節剤、消泡剤、発泡剤および水等を添加して
なる安定化材を使用することができる。このグラウト材
は、省力化軌道の型式や安定化材を散布・浸透させる施
工方法により、使用する材料と配合を変えるのが通例で
ある。
孔を設けた場合や軌間部だけ網目布を敷いた場合には、
上部填充層に使用するグラウト材を下部バラストに漏洩
させるため、E型舗装軌道専用填充材をそのまま使用す
る。填充道床軌道においては、この軌道専用の填充材を
そのまま使用することとなる。他方、旧道床バラストの
表面に安定化材を散布・浸透させた後、新しい省力化軌
道を敷設する場合には、下部道床に対する列車荷重によ
る支圧応力が非常に小さいこと(圧縮応力で1kgf/cm2
以下)、安価なものが望ましいこと等を勘案し、これに
適合するセメント瀝青系グラウト材を使用する。
ント、急硬材、細骨材、凝結調節剤および水には上述し
たセメントモルタルと同質のものを使用する。瀝青乳剤
としては、瀝青物例えば針入度40/60〜200/5
00程度のストレートアスファルトを主材とし、これに
界面活性剤と多価金属塩を加え、さらに必要に応じて乳
化助剤、分散剤、保護コロイド等を適宜添加して水中に
乳化させたものである。また、瀝青物にゴム、合成高分
子重合体等を添加・混合して改質された瀝青物を乳化し
たものを使用することもできる。
合成高分子重合体エマルジョン、合成樹脂エマルジョン
および水溶性高分子重合体等が使用でき、特には、セメ
ント、急硬性混和材、瀝青乳剤等との混合性にすぐれる
SBR系ラテックス及びアクリル樹脂系エマルジョンが
好ましい。消泡剤としては、例えばシリコン系消泡剤の
他、アルコール系、アミド系、エーテル系、金属石鹸等
を使用することができる。
末、マグネシウム粉末、亜鉛粉末等があり、これらをス
テアリン酸等の有機酸で処理したものも使用できる。上
記した各材料の他に繊維を添加する場合がある。繊維に
は、ガラス繊維、石綿等の無機繊維、木綿、麻、毛、レ
ーヨン、人絹等の天然または人造繊維、ポリアミド、ビ
ニロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン等の
合成繊維および炭素繊維等がある。特には、ガラス繊維
(長さ3〜20mm)やポリプロピレン繊維(長さ2〜
5mm)等が好ましい。
道用の填充材を不織布の孔から漏洩させ、下部バラスト
内に浸透させる場合(孔あき不織布方式)は、下記の要
領で混練り・注入する。使用する填充材の標準配合は、
普通ポルトランドセメント75部、急硬材25部、瀝青
乳剤115部、高分子系乳剤25部、細骨材100部、
水30部、凝結調節剤1.5部、消泡剤0.1部、アル
ミニウム粉末0.003部である。
混練りを行う。混練り終了後、直ちにE型軌道スラブの
両側から自然流下させ、図5、図6、図7に示す不織布
4の孔10から下部バラスト5内に注入・浸透させる方
式で施工する。このとき、下部バラスト5内への浸透量
の多少は、不織布4に設ける孔10の直径の寸法と間隔
および填充材の可使時間の長短によって調節することが
できる。なお、不織布4としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ナイロン、塩化ビニル、綿、麻等の人造系
または天然系の単一材料もしくはそれらの複合材料が使
用される。
目12から下部バラスト5内に注入・浸透させる場合、
下部バラスト5内への填充材の浸透量の調節は、上記し
た孔あき不織布の場合とまったく同じ要領により、開き
目12の寸法の大小と填充材の可使時間の長短で行う。
なお、網目布11としては、鋼、炭素、ガラス、ポリエ
チレン、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニル等の金
属質系、無機質系、有機質系等の単一材料もしくはそれ
らの複合材料の編み物、織布、不織布、成型品等のメッ
シュもしくはマットが使用でき、填充材の漏洩が可能で
十分な強度と耐久性があればよい。
布する場合、軌道構造の要求性能に応じ、セメント瀝青
系グラウト材の使用配合とその浸透深さを適宜選択す
る。例えば、グラウト材の配合は、所要強度を満足し、
できるだけ安価なものが好ましいため瀝青乳剤の使用量
を少なくする。つぎに、バラストの表層部だけ固める条
件では、グラウト材の散布量を少なくし、かつコンシス
テンシーを小さく(固く)する。バラスト層の半分だけ
固める条件では、バラストの空隙量を計算し、その半層
分の量だけ散布すると共にコンシステンシーを表層固化
の場合より幾分大きく(軟らかく)する。バラスト層の
全層固化の条件では、コンシステンシーをさらに大きく
して(Jロート法によるフロータイムで約6〜10秒)
完全浸透させる。
ト材を各々混練りし、それら試料のコンシステンシー、
可使時間、ブリージング率、短・長期の圧縮強度を調査
した。その結果を表2に示す。
を100cc入れ、90°傾けても流れ出ない経時
(分)。
の値。 圧縮強度 JIS R 5201に準拠。 (2)使用材料 セメント;普通ポルトランドセメント カルシウムアルミネート;C12A7 、ブレーン値6
300cm2 /g 石膏;II型無水石膏、ブレーン値6000cm2 /
g フライアッシュ;電発フライアッシュ ベントナイト;関東ベントナイト鉱業社製 石灰石;ホワイトンB(白石工業社製) 硅砂;日瓢硅砂N80(瓢産業社製) 凝結調節剤;クエン酸:炭酸カリ=3:1(試薬;
和光純薬) 水;水道水 (3)試験結果 既設線施工の場合、満足な施工性を有し、注入後約1時
間の初列車通過時までに所要強度を発現させることが要
求される。表1に示す実施例の配合は、表2に示すごと
くいずれも作業上必要な可使時間を十分に満たしてい
る。そのうち、実施例2、3、7〜12は短・長期強度
の発現性の観点において優れた結果が得られた。
調査するため、填充層下面の不織布に開孔部を設け、下
記の要領で実物大模型軌道を敷設し、繰り返し載荷試験
を行った。 (1)安定化材 本施工は、填充層の注入材を不織布の孔から漏洩させる
方法であるため、注入材自身が安定化材としての役割を
果たすことになる。
の品質を表5に示す。
(K30≧11kgf/cm3 )、新規バラストの道床
部(約15cm)、孔あき不織布、豆砕石(約6c
m)、枠型軌道スラブ、レール等よりなる。この軌道上
から、上記(1)の注入材を流し込み、不織布下の道床
バラストを固結すると共に上部填充層を形成させ、枠型
スラブ軌道を敷設した。
生機を取り付けた2軸ワキ型貨車(軸重=7tf)を供
試軌道上に定置し、この振動発生部を作動させることに
よって車軸を加振し、軌道に繰返し衝撃を与える。実際
には、動的+静的輪重が100KN程度となるような回
転数(約27HZ )で累積20時間の動荷重を軌道に繰
返し載荷した。
対沈下量を測定した。 (4)試験結果 安定化材の品質 表5に示すように、流動性がよく、可使時間も適当で、
順調に注入された。
kgf/cm2 以上)を十分に満足していた。 沈下特性 図14に示す如く、繰返し回数192万回(通トン=4
200万トン)において、本工法の安定化材を使用した
枠型スラブ軌道の最終沈下量は、無処理の枠型スラブ軌
道と比べて約1/2、一般のPC枕木有道床軌道と比べ
て約1/6と小さく、その効果は顕著である。
し、その後の定常沈下も極めて少なく、最終沈下量は約
2mm程度に止まった。これは、敷設後に軌道狂いによ
る保守作業を必要としないことを示すものであり、各種
省力化軌道に対して効果的に適用できることが確証され
た。
力化軌道の填充層直下の道床バラストに安定化材の急硬
性または普通硬化性のセメント系グラウト材、瀝青系乳
剤あるいはセメント瀝青系グラウト材等を散布または注
入することによって、新設線や既設線において、初期沈
下や定常沈下に起因する軌道狂いの発生を抑制すること
ができ、その保守作業を除去したり著しく減少させるこ
とができることになる。
せる施工方法として、そのバラスト表面に直接散布、填
充層下面の不織布等に開孔部を設けたり、不織布の軌間
部に編目状織布や合成樹脂系メッシュ等を設置したりあ
るいは道床バラスト内に孔あき管を挿入することによっ
て、上記安定化材を容易かつ有効に浸透させることがで
きることになる。
増減、コンシステンシーを調節、あるいは両者を併用
し、下部バラスト層に表面浸透・半分浸透・全部浸透さ
せることによって軌道構造の要求に応ずるバラストの相
互結合力を適正かつ経済的に達成することができ、支持
力の向上をはかることができることになる。
ある。
順序を示す説明図である。
ある。
ある。
説明図である。
を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】省力化軌道の填充層直下の道床バラスト
に、急硬性または普通硬化性のセメント系グラウト材、
瀝青系乳剤あるいはセメント瀝青系グラウト材等の安定
化材を散布もしくは注入することを特徴とする省力化軌
道下部の道床安定化工法。 - 【請求項2】請求項1において、安定化材を散布もしく
は注入する量を増減したり、コンシステンシーを調節す
るか、これら両者を併用することにより、道床バラスト
層の表面浸透、半分浸透、全部浸透を選択することを特
徴とする省力化軌道下部の道床安定化工法。 - 【請求項3】請求項1において、道床バラストの表面に
直接散布すること、または填充層下面の不織布に開孔部
を設けるか、軌間部を編目状の織布や合成樹脂系メッシ
ュを敷くか、あるいは不織布下部のバラスト内に孔あき
管を挿入して安定化材を注入することを特徴とする省力
化軌道下部の道床安定化工法。
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---|---|---|---|
JP4251728A JP2625329B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 省力化軌道下部の道床安定化工法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP4251728A JP2625329B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 省力化軌道下部の道床安定化工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06108401A true JPH06108401A (ja) | 1994-04-19 |
JP2625329B2 JP2625329B2 (ja) | 1997-07-02 |
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JP4251728A Expired - Fee Related JP2625329B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 省力化軌道下部の道床安定化工法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2625329B2 (ja) |
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