JPH06104031B2 - 低水分油いため玉ねぎ加工品の製法 - Google Patents
低水分油いため玉ねぎ加工品の製法Info
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- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は、水分含量が低く従って常温保存が可能でかつ
風味の良い油いため玉ねぎ加工品に関するものである。
更に詳細には、本発明は、調理の食品素材、特に外食産
業の食品素材として有用である油いため玉ねぎ加工品の
製法に関するものである。
風味の良い油いため玉ねぎ加工品に関するものである。
更に詳細には、本発明は、調理の食品素材、特に外食産
業の食品素材として有用である油いため玉ねぎ加工品の
製法に関するものである。
(発明の解決しようとする問題点と従来技術) スープ、ソースなどの洋式料理に広く使われている油い
ため玉ねぎ(以下オニオンソテーという)は、通常次の
ような方法で作られている。すなわち外皮を除いた玉ね
ぎを薄片に切断し、この薄片を加熱された食油又はバタ
ーと共に、はじめ5分間位は強火でいため、次に弱火で
10分間位いためると玉ねぎ片は透明化し、水分が少なく
なってくる。これを再び弱火で20〜30分位いためると、
あめ色となりオニオンソテーが得られる。このようにし
て得られたオニオンソテーの水分含量は30〜60w/w%
(以下%という)程度であるため、直ちに料理に用いな
ければならず、常温保管しておくことは困難である。ま
た、数分間という短時間内に調理することが要求されて
いる外食産業などでは、常時使われている食品素材は常
温保管品であることが求められている。しかし、オニオ
ンソテーを常温保管するためには、微生物管理上水分含
量を30%以下、好ましくは17%以下にする必要がある。
ため玉ねぎ(以下オニオンソテーという)は、通常次の
ような方法で作られている。すなわち外皮を除いた玉ね
ぎを薄片に切断し、この薄片を加熱された食油又はバタ
ーと共に、はじめ5分間位は強火でいため、次に弱火で
10分間位いためると玉ねぎ片は透明化し、水分が少なく
なってくる。これを再び弱火で20〜30分位いためると、
あめ色となりオニオンソテーが得られる。このようにし
て得られたオニオンソテーの水分含量は30〜60w/w%
(以下%という)程度であるため、直ちに料理に用いな
ければならず、常温保管しておくことは困難である。ま
た、数分間という短時間内に調理することが要求されて
いる外食産業などでは、常時使われている食品素材は常
温保管品であることが求められている。しかし、オニオ
ンソテーを常温保管するためには、微生物管理上水分含
量を30%以下、好ましくは17%以下にする必要がある。
従来の方法で得られたオニオンソテーを更に水分含量を
少なくするためにいため作業を継続するか、又は、乾燥
器で乾燥することを試みたが、あめ色となったオニオン
ソテーは玉ねぎ成分、油脂、水が一体となり、水分が油
で包まれた形体となって水分の蒸発を困難にしている。
更に脱水に長い時間をかけると、着色がいちぢるしくな
り、また風味を悪くし湯戻り性も悪くなる。
少なくするためにいため作業を継続するか、又は、乾燥
器で乾燥することを試みたが、あめ色となったオニオン
ソテーは玉ねぎ成分、油脂、水が一体となり、水分が油
で包まれた形体となって水分の蒸発を困難にしている。
更に脱水に長い時間をかけると、着色がいちぢるしくな
り、また風味を悪くし湯戻り性も悪くなる。
現在、外食産業の急速な発展にともない、調理熟練者の
不足をきたしており、また調理面の簡素化、調理時間の
短縮、保存設備の合理化が求められており、オニオンソ
テーなどの調理の中間的な食品素材は別途つくられて供
給される方向に進んでいる。かかる状況下において、低
温保管されることなく常温保管が可能でかつ風味の良い
オニオンソテーの出現が待たれている。そのためには、
オニオンソテーの水分含量を30%以下、好ましくは17%
以下とし、しかも風味が従来の調理法でつくられたもの
と大差ないものが求められている。尚、現在市場で見ら
れる水分30%以下の玉ねぎ加工品は、油揚げ処理(フラ
イ加工)で脱水したもの、及び玉ねぎのスライスしたも
のを熱風で乾燥した乾燥玉ねぎがある程度であって、オ
ニオンソテー特有の風味を持つものはみられない。
不足をきたしており、また調理面の簡素化、調理時間の
短縮、保存設備の合理化が求められており、オニオンソ
テーなどの調理の中間的な食品素材は別途つくられて供
給される方向に進んでいる。かかる状況下において、低
温保管されることなく常温保管が可能でかつ風味の良い
オニオンソテーの出現が待たれている。そのためには、
オニオンソテーの水分含量を30%以下、好ましくは17%
以下とし、しかも風味が従来の調理法でつくられたもの
と大差ないものが求められている。尚、現在市場で見ら
れる水分30%以下の玉ねぎ加工品は、油揚げ処理(フラ
イ加工)で脱水したもの、及び玉ねぎのスライスしたも
のを熱風で乾燥した乾燥玉ねぎがある程度であって、オ
ニオンソテー特有の風味を持つものはみられない。
(問題を解決するための手段) 最終的なオニオンソテーの水分含量を30%以下、好まし
くは17%以下まで減少させることは、従来の調理加工法
ではきわめて困難なことは上に記した通りであるが、本
発明者は、鋭意研究の結果、油いため行程の前に、玉ね
ぎを薄片に切断しないで鱗片状にほぐした状態で乾燥行
程にかけて、水分含量を40〜80%までに乾燥し、そのあ
と薄片に切断し、次に油いためすると極めて容易に10〜
30%の低水分品が得られ、かつ風味低下が少ないことを
見出し、本発明を完成したものである。
くは17%以下まで減少させることは、従来の調理加工法
ではきわめて困難なことは上に記した通りであるが、本
発明者は、鋭意研究の結果、油いため行程の前に、玉ね
ぎを薄片に切断しないで鱗片状にほぐした状態で乾燥行
程にかけて、水分含量を40〜80%までに乾燥し、そのあ
と薄片に切断し、次に油いためすると極めて容易に10〜
30%の低水分品が得られ、かつ風味低下が少ないことを
見出し、本発明を完成したものである。
一般に、野菜の調理技術の要点は、野菜の細胞液に含ま
れる成分を溶出させないように調理することにありとさ
れている。水分流出の防止法として、高温短時間処理法
があるが、ある程度の水分流出はまぬがれない。
れる成分を溶出させないように調理することにありとさ
れている。水分流出の防止法として、高温短時間処理法
があるが、ある程度の水分流出はまぬがれない。
玉ねぎにおいても、細胞液の流出は味の劣化をまねくた
めに避けなければならないが、玉ねぎを薄片に切断して
脱水処理すると、約90%の水分からなる玉ねぎでは、あ
る程度の可溶性成分の流出はまぬがれないこととなり、
風味の低下が起ることになる。
めに避けなければならないが、玉ねぎを薄片に切断して
脱水処理すると、約90%の水分からなる玉ねぎでは、あ
る程度の可溶性成分の流出はまぬがれないこととなり、
風味の低下が起ることになる。
本発明においては、玉ねぎを鱗片状のまま水分含量を40
〜80%まで減少させてから油いためすることによって、
細胞中の可溶性成分の流出が少なく、風味の良いオニオ
ンソテーが得るものである。これは鱗片状の乾燥時に玉
ねぎ組織の表層面の乾燥が先に進行し、硬化して細胞液
の損失が少なくなるためと考えられる。そしてこの水分
調製されたものを小さく切断して油いためすると容易に
低水分含量で風味のよいオニオンソテーが得られること
が明らかとなったのである。
〜80%まで減少させてから油いためすることによって、
細胞中の可溶性成分の流出が少なく、風味の良いオニオ
ンソテーが得るものである。これは鱗片状の乾燥時に玉
ねぎ組織の表層面の乾燥が先に進行し、硬化して細胞液
の損失が少なくなるためと考えられる。そしてこの水分
調製されたものを小さく切断して油いためすると容易に
低水分含量で風味のよいオニオンソテーが得られること
が明らかとなったのである。
本発明は、外皮を除いた玉ねぎを、鱗片にばらし、減圧
加熱法又は熱風法により乾燥して水分含量を40〜80w/w
%としたのち、切断し、次に水分含量が10〜30w/w%に
なるまで油いため処理することを特徴とする低水分油い
ため玉ねぎ加工品の製法である。
加熱法又は熱風法により乾燥して水分含量を40〜80w/w
%としたのち、切断し、次に水分含量が10〜30w/w%に
なるまで油いため処理することを特徴とする低水分油い
ため玉ねぎ加工品の製法である。
次に本発明について更に詳しく説明する。
まず外皮が除かれた玉ねぎを切断又は無切断により鱗片
状にばらす第1行程がある。ここでいう鱗片とは、玉ね
ぎの鱗茎を形成する多肉の包葉の一片をいう。鱗片を得
るには、例えば玉ねぎの毛根部側、茎葉側を薄く切断し
次に縦横に切断し、4分割したのち鱗片にばらすなどの
方法があるが、好ましくは刃物による切断をさけて、大
きい玉ねぎ片に解体、ばらすのが良い。無切断による処
理とは、例えば球状玉ねぎの毛根部側及び茎葉側を高熱
板で焼いたのち、ざくつ機にかけてばらして鱗片を得る
方法などがある。要は通常のオニオンソテーをつくる時
のように小さく切断しないで大きい玉ねぎを片すなわち
鱗片を得ることにある。それは次の乾燥工程時における
玉ねぎの細胞液の損失と変質を可及的に少なくするため
に必修である。得られた鱗片は通常の減圧加熱法又は熱
風乾燥法により水分含量40〜80%まで乾燥する。このと
き水分含量が80%を超えると、最終製品の水分含量を30
%以下にすることが困難となり、また40%の下まで乾燥
すると風味低下をきたすことになる。従って水分含量は
40〜80%にする必要がある。なお、新鮮な玉ねぎの水分
含量は約90%である。
状にばらす第1行程がある。ここでいう鱗片とは、玉ね
ぎの鱗茎を形成する多肉の包葉の一片をいう。鱗片を得
るには、例えば玉ねぎの毛根部側、茎葉側を薄く切断し
次に縦横に切断し、4分割したのち鱗片にばらすなどの
方法があるが、好ましくは刃物による切断をさけて、大
きい玉ねぎ片に解体、ばらすのが良い。無切断による処
理とは、例えば球状玉ねぎの毛根部側及び茎葉側を高熱
板で焼いたのち、ざくつ機にかけてばらして鱗片を得る
方法などがある。要は通常のオニオンソテーをつくる時
のように小さく切断しないで大きい玉ねぎを片すなわち
鱗片を得ることにある。それは次の乾燥工程時における
玉ねぎの細胞液の損失と変質を可及的に少なくするため
に必修である。得られた鱗片は通常の減圧加熱法又は熱
風乾燥法により水分含量40〜80%まで乾燥する。このと
き水分含量が80%を超えると、最終製品の水分含量を30
%以下にすることが困難となり、また40%の下まで乾燥
すると風味低下をきたすことになる。従って水分含量は
40〜80%にする必要がある。なお、新鮮な玉ねぎの水分
含量は約90%である。
乾燥の温度、時間などの条件は特に制限されないが通常
70℃で4時間以下で乾燥が終了するのが好ましい。この
時水分含量の比較的多いもの(例えば水分含量60〜80%
のもの)は最終加工品の水分含量の比較的多いもの(例
えば水分含量20〜30%のもの)を得るのに適している。
水分含量の少ないもの(例えば水分含量40〜60%のも
の)は水分含量の少ないもの(例えば水分含量10〜20%
のもの)を得るのに適している。次に乾燥の終ったもの
は、通常のオニオンソテーをつくる時の大きさの薄片又
は細片に切断される。これは油いためが速やかに均一に
行なわれるためである。次に常法に準じてバター又は食
油で油いため処理が行なわれる。当初は強火でいため、
玉ねぎ片が透明化し、組織がやわらかくなると弱火にし
て、玉ねぎの水分含量が10〜30%になるまでいためる。
通常40〜60分間の油いためでこの水分含量となる。いた
め時間が短かいと薄茶色の加工品が、長いとあめ色の加
工品が得られるが、使用される料理の種類、保存性など
オニオンソテー使用者側のニーズにより油いための処理
時間、色調、風味、水分含量を決めると良い。なお、最
終製品の水分含量は30%を超えるものは保存性が充分で
なく、10%の下まで油いためを行なうと風味低下をきた
すので最終製品の水分含量は10〜30%でなければならな
い。
70℃で4時間以下で乾燥が終了するのが好ましい。この
時水分含量の比較的多いもの(例えば水分含量60〜80%
のもの)は最終加工品の水分含量の比較的多いもの(例
えば水分含量20〜30%のもの)を得るのに適している。
水分含量の少ないもの(例えば水分含量40〜60%のも
の)は水分含量の少ないもの(例えば水分含量10〜20%
のもの)を得るのに適している。次に乾燥の終ったもの
は、通常のオニオンソテーをつくる時の大きさの薄片又
は細片に切断される。これは油いためが速やかに均一に
行なわれるためである。次に常法に準じてバター又は食
油で油いため処理が行なわれる。当初は強火でいため、
玉ねぎ片が透明化し、組織がやわらかくなると弱火にし
て、玉ねぎの水分含量が10〜30%になるまでいためる。
通常40〜60分間の油いためでこの水分含量となる。いた
め時間が短かいと薄茶色の加工品が、長いとあめ色の加
工品が得られるが、使用される料理の種類、保存性など
オニオンソテー使用者側のニーズにより油いための処理
時間、色調、風味、水分含量を決めると良い。なお、最
終製品の水分含量は30%を超えるものは保存性が充分で
なく、10%の下まで油いためを行なうと風味低下をきた
すので最終製品の水分含量は10〜30%でなければならな
い。
従来の通常のオニオンソテーの製法において、水分含量
90%の新鮮な玉ねぎの切断した薄片を直ちに油いためし
たものでは、30分間の油いためで水分含量60%位のも
の、60分間位の油いためで水分含量38%位のものが得ら
れる程度で、60分以上油いため処理を行っても水分の減
少はさして進行せず、こげ臭などがつき風味が低下して
くる。これに対し本発明の方法では容易に水分含量10〜
30%のものが得られる。本発明の方法で得られた玉ねぎ
加工品は下記の実施例でみられるように油の酸化程度も
少なく風味が良く、そして従来の水分含量30%以上のオ
ニオンソテーよりも保存性がすぐれている。例えば水分
含量17〜30%の加工品は食品保存用のアルコール液の噴
霧密閉包装、窒素充填包装、又は油いため工程の最終時
点で食塩、香辛料などを加えて水分活性を低下させる
と、常温でより長期間保存が可能となり、10〜17%のも
のはそのままで非常に長期間常温保存が可能である。
90%の新鮮な玉ねぎの切断した薄片を直ちに油いためし
たものでは、30分間の油いためで水分含量60%位のも
の、60分間位の油いためで水分含量38%位のものが得ら
れる程度で、60分以上油いため処理を行っても水分の減
少はさして進行せず、こげ臭などがつき風味が低下して
くる。これに対し本発明の方法では容易に水分含量10〜
30%のものが得られる。本発明の方法で得られた玉ねぎ
加工品は下記の実施例でみられるように油の酸化程度も
少なく風味が良く、そして従来の水分含量30%以上のオ
ニオンソテーよりも保存性がすぐれている。例えば水分
含量17〜30%の加工品は食品保存用のアルコール液の噴
霧密閉包装、窒素充填包装、又は油いため工程の最終時
点で食塩、香辛料などを加えて水分活性を低下させる
と、常温でより長期間保存が可能となり、10〜17%のも
のはそのままで非常に長期間常温保存が可能である。
従来のオニオンソテーの製法で得られた油いためが終了
したものを、さらに加熱して水分を除くことは上記のよ
うに困難であったが、本発明のように、前もってばらさ
れた玉ねぎ鱗片を乾燥し水分を除くことは容易であり風
味低下もきわめて少なかった。それは乾燥時に玉ねぎ組
織の表面の乾燥が内部よりも先に進行し表面硬化し、玉
ねぎの液に含まれる成分の損失、変質が少なかったため
と考えられる。そのためるには乾燥される玉ねぎ片が大
きく、なるべく傷つけられていないこと即ち刃物による
組織断面の少ない方が好ましい。
したものを、さらに加熱して水分を除くことは上記のよ
うに困難であったが、本発明のように、前もってばらさ
れた玉ねぎ鱗片を乾燥し水分を除くことは容易であり風
味低下もきわめて少なかった。それは乾燥時に玉ねぎ組
織の表面の乾燥が内部よりも先に進行し表面硬化し、玉
ねぎの液に含まれる成分の損失、変質が少なかったため
と考えられる。そのためるには乾燥される玉ねぎ片が大
きく、なるべく傷つけられていないこと即ち刃物による
組織断面の少ない方が好ましい。
次に試験例及び実施例について述べる。
試験例。
外皮を除いた玉ねぎ(水分含量90.5%)を得て、玉ねぎ
の毛根側及び茎葉側の不要部を切除し、さらに縦横に刃
物で4分割し、あとは手でばらして鱗片状又はわん状片
とする。これを60℃の通風乾燥機に2時間かけて乾燥し
水分含量79.2%のものを得、これを本発明法A(第1
表)の乾燥品とした。更に乾燥を進め4時間後にとり出
したものは水分含量41.7%であった。これを本発明法B
(第1表)の乾燥品とした上記A及びB品は乾燥後にス
ライサーにかけて薄片にして油いため材料とした。他
方、上記の玉ねぎ4分割物を乾燥することなく直ちにス
ライサーにかけ薄片としたものを従来法C及びD(第1
表)とし油いため材料とした。上記A,B,C,Dを別々にと
り、バターを用いて(新鮮玉ねぎ1000gに対してバター2
2g使用)常法に準じていためた。A区のものはいため時
間35分、B区のものは30分、C区のものは35分後、D区
のものも同じく35分後にとり出した。そしてD区のもの
はさらに60℃の通風乾燥機に入れて5時間乾燥してとり
出した。その各々の水分含量を“日本食品標準成分表”
の示す分析法により、水戻り性は官能検査により測定さ
れ、それらの結果を第1表に示す。
の毛根側及び茎葉側の不要部を切除し、さらに縦横に刃
物で4分割し、あとは手でばらして鱗片状又はわん状片
とする。これを60℃の通風乾燥機に2時間かけて乾燥し
水分含量79.2%のものを得、これを本発明法A(第1
表)の乾燥品とした。更に乾燥を進め4時間後にとり出
したものは水分含量41.7%であった。これを本発明法B
(第1表)の乾燥品とした上記A及びB品は乾燥後にス
ライサーにかけて薄片にして油いため材料とした。他
方、上記の玉ねぎ4分割物を乾燥することなく直ちにス
ライサーにかけ薄片としたものを従来法C及びD(第1
表)とし油いため材料とした。上記A,B,C,Dを別々にと
り、バターを用いて(新鮮玉ねぎ1000gに対してバター2
2g使用)常法に準じていためた。A区のものはいため時
間35分、B区のものは30分、C区のものは35分後、D区
のものも同じく35分後にとり出した。そしてD区のもの
はさらに60℃の通風乾燥機に入れて5時間乾燥してとり
出した。その各々の水分含量を“日本食品標準成分表”
の示す分析法により、水戻り性は官能検査により測定さ
れ、それらの結果を第1表に示す。
そして、A,B,C,D区のオニオンソテーをガラスシャーレ
にとり、室温下(平均温度20℃)に開放状態で放置し5
〜20日後のかびの発生状況及び官能検査による風味試験
を行ない、第1表の結果を得た。かびの発生状況は、菌
そうが肉眼的に見られなかったものを(−)とし、菌そ
うが一部で見られたものを(+)、漸次その程度により
(++)、(+++)として示した。従来法によりつく
られたオニオンソテー(C区)の風味は製造直後はもち
ろん良好であったが、3日目位からかびの発生が見ら
れ、5日後食用に供し得ないものとなった。C区のもの
を熱風乾燥機にかけて水分を除いたD区のものは保存性
は良かったが、加熱時間が長かったためか水戻り性は悪
く、風味も良くなかった。これらに対し本発明のA,B,の
ものはC区の比べて官能試験ではほとんど差がみられ
ず、保存試験もA区のものが10日間、B区のものが20日
間は良好な結果を示し、従来品のC区,D区のものと比べ
て良好な成績を示した。一般にオニオンソテーのような
外食産業向きの業務用食品素材は常温保管で最低5〜6
日間の品質保証が求められているが、従来法のC区のも
のは5日間の保存が出来ず、D区のものは風味上の問題
があった。これに対して本発明のA区、B区のいずれの
ものも上記の要求にこたえられるものであった。なおB
区のものは他の保存試験で3ケ月後も品質に変化がない
ことが明らかにされた。
にとり、室温下(平均温度20℃)に開放状態で放置し5
〜20日後のかびの発生状況及び官能検査による風味試験
を行ない、第1表の結果を得た。かびの発生状況は、菌
そうが肉眼的に見られなかったものを(−)とし、菌そ
うが一部で見られたものを(+)、漸次その程度により
(++)、(+++)として示した。従来法によりつく
られたオニオンソテー(C区)の風味は製造直後はもち
ろん良好であったが、3日目位からかびの発生が見ら
れ、5日後食用に供し得ないものとなった。C区のもの
を熱風乾燥機にかけて水分を除いたD区のものは保存性
は良かったが、加熱時間が長かったためか水戻り性は悪
く、風味も良くなかった。これらに対し本発明のA,B,の
ものはC区の比べて官能試験ではほとんど差がみられ
ず、保存試験もA区のものが10日間、B区のものが20日
間は良好な結果を示し、従来品のC区,D区のものと比べ
て良好な成績を示した。一般にオニオンソテーのような
外食産業向きの業務用食品素材は常温保管で最低5〜6
日間の品質保証が求められているが、従来法のC区のも
のは5日間の保存が出来ず、D区のものは風味上の問題
があった。これに対して本発明のA区、B区のいずれの
ものも上記の要求にこたえられるものであった。なおB
区のものは他の保存試験で3ケ月後も品質に変化がない
ことが明らかにされた。
〔実施例〕 外皮が除かれた玉ねぎ100kgの上下両側に赤く熱した鉄
板をあてて焼き、次に玉ねぎをざくつ機にかけてばら
す。ばらしが不完全なものは人力ではがして大きな玉ね
ぎ片を得る。これを熱風乾燥機で温度70℃で2時間乾燥
し、水分含量58.0%のもの23.3kgを得る。これを通常の
野菜スライサー(厚さ1.2mm)にかけて薄片とした。次
に、攪はん機付き大型油いため機に食用油(サラダ油)
2.5kgを加えて加熱し、油の温度が150℃位になったとき
に上記の玉ねぎ薄片を加えて85〜100℃(品温)位で約
7分間いためると玉ねぎは透明化してくる。透明化した
ら温度を下げて80〜85℃位で攪はん下にいためる。30分
後に更に70〜80℃位に品温を下げて加熱をつづけると漸
次玉ねぎはあめ色になる。45分後に食塩、調味料、香辛
料を適量加え50分後に加熱を中止する。そして調味され
たオニオンソテー14.2kgを得た。この分析値は次の通り
である。水分含量15.2%、粗脂肪含量15.0%、POV3.30
(チオバルビツール酸法) (本発明の効果) 本発明の方法で得られる油いため玉ねぎ(オニオンソテ
ー)は、従来法に比べて水分含量が少なくなっているの
で常温下での保存性が良く、かつ風味、水戻り性が良好
である。そして本品は、外食産業などで洋式料理の食品
素材であるオニオンソテーを調理の都度つくらなくても
よく、また業務用食品素材に求められている常温下で最
低5〜6日間は品質保証されるものとの要求に合致する
ものである。各種のスープ類、ソース類、シチュー料
理、カレー料理などに適時、適量使用出来る便利性を与
えるものである。
板をあてて焼き、次に玉ねぎをざくつ機にかけてばら
す。ばらしが不完全なものは人力ではがして大きな玉ね
ぎ片を得る。これを熱風乾燥機で温度70℃で2時間乾燥
し、水分含量58.0%のもの23.3kgを得る。これを通常の
野菜スライサー(厚さ1.2mm)にかけて薄片とした。次
に、攪はん機付き大型油いため機に食用油(サラダ油)
2.5kgを加えて加熱し、油の温度が150℃位になったとき
に上記の玉ねぎ薄片を加えて85〜100℃(品温)位で約
7分間いためると玉ねぎは透明化してくる。透明化した
ら温度を下げて80〜85℃位で攪はん下にいためる。30分
後に更に70〜80℃位に品温を下げて加熱をつづけると漸
次玉ねぎはあめ色になる。45分後に食塩、調味料、香辛
料を適量加え50分後に加熱を中止する。そして調味され
たオニオンソテー14.2kgを得た。この分析値は次の通り
である。水分含量15.2%、粗脂肪含量15.0%、POV3.30
(チオバルビツール酸法) (本発明の効果) 本発明の方法で得られる油いため玉ねぎ(オニオンソテ
ー)は、従来法に比べて水分含量が少なくなっているの
で常温下での保存性が良く、かつ風味、水戻り性が良好
である。そして本品は、外食産業などで洋式料理の食品
素材であるオニオンソテーを調理の都度つくらなくても
よく、また業務用食品素材に求められている常温下で最
低5〜6日間は品質保証されるものとの要求に合致する
ものである。各種のスープ類、ソース類、シチュー料
理、カレー料理などに適時、適量使用出来る便利性を与
えるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】外皮を除いた玉ねぎを、鱗片にばらし、減
圧加工熱法又は熱風法により乾燥して水分含量を40〜80
w/w%としたのち、切断し、次に水分含量が10〜30w/w%
になるまで油いため処理することを特徴とする低水分油
いため玉ねぎ加工品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22488186A JPH06104031B2 (ja) | 1986-09-25 | 1986-09-25 | 低水分油いため玉ねぎ加工品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22488186A JPH06104031B2 (ja) | 1986-09-25 | 1986-09-25 | 低水分油いため玉ねぎ加工品の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6379556A JPS6379556A (ja) | 1988-04-09 |
JPH06104031B2 true JPH06104031B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=16820630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22488186A Expired - Fee Related JPH06104031B2 (ja) | 1986-09-25 | 1986-09-25 | 低水分油いため玉ねぎ加工品の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06104031B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2714048B2 (ja) * | 1988-10-07 | 1998-02-16 | 株式会社日立製作所 | 画像表示装置 |
JP7560845B2 (ja) * | 2019-07-11 | 2024-10-03 | 株式会社Mizkan Holdings | 野菜加熱処理物含有食品及びその製造方法、並びに野菜の不快味の低減方法 |
JPWO2023145921A1 (ja) * | 2022-01-31 | 2023-08-03 |
-
1986
- 1986-09-25 JP JP22488186A patent/JPH06104031B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6379556A (ja) | 1988-04-09 |
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