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JPH06102851B2 - ポリエステル2成分複合繊維 - Google Patents

ポリエステル2成分複合繊維

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Publication number
JPH06102851B2
JPH06102851B2 JP9787886A JP9787886A JPH06102851B2 JP H06102851 B2 JPH06102851 B2 JP H06102851B2 JP 9787886 A JP9787886 A JP 9787886A JP 9787886 A JP9787886 A JP 9787886A JP H06102851 B2 JPH06102851 B2 JP H06102851B2
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JP
Japan
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component
polyester
fiber
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groove
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JP9787886A
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JPS62257420A (ja
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慶明 佐藤
末男 伊藤
宏三 今枝
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は2種のポリマが繊維横断面内において特定の位
置関係に配置されており、ドライタッチでキシミ感のあ
る風合、良好な発色性、更に制電性に優れかつ抗フロス
ティング性のある高級織編物を好適に構成することので
きるポリエステル2成分複合繊維に関する。
[従来の技術] 従来、溶解性の異なる2種の熱可塑性ポリマを溶融複合
紡糸して得られる複合繊維において易溶解性ポリマを繊
維表面付近の特定の位置に配置させ、繊維からあるいは
布帛にしてから易溶解性ポリマを溶解除去することによ
り種々の断面形状の異型断面糸を得る方法が知られてい
る。
特に易溶解性ポリマを繊維表面より繊維内部方向にくさ
び状に複数個配置させた複合繊維から得られる異型断面
糸はドライタッチでキシミ感のある風合、高発色性、独
特の光沢などを織編物に付与できる。このような技術に
関し、具体的には、本発明者らは特開昭56-165015号公
報、特開昭57-5912号公報、特開昭57-5921号公報、特開
昭58-98425号公報などで開示した。
これらの異型断面糸はそこに使用されるポリマーの特性
を反映して非制電性であり、より広範囲な用途へ対応す
るには制電化することが必要である。表面に溝のある繊
維の制電化について、本出願人は特開昭60-139816号公
報にて制電性成分を添加したポリマを繊維表面より繊維
内部方向にくさび状に配置した複合繊維より、この制電
性成分を添加したポリマを一部溶解除去する方法を提案
した。しかしながらこの方法では溶解除去するにつれて
溝が形成され、明瞭に溝が形成された時点では制電化成
分を添加したポリマはほとんど溶解されてしまい、制電
性可能の低下が大きく、抗フロスティング性の低下も大
きいという欠点がある。
特開昭56-73116号公報にもポリオキシアルキレングリコ
ールまたはその誘導体を含有したポリマを繊維表面付近
に配置させた複合繊維を15%以下の範囲内で減量処理を
施し親水性、帯電防止性を付与する技術が開示されてい
る。しかしながら先の特開昭60-139816号公報の技術と
同様に減量処理量に著しく制限がある欠点を有する。
一方、本発明者らは表面に溝を有するカチオン可染性ポ
リエステルを特開昭58-22819号公報にて提案したが、こ
こでの技術では良好な制電性を得るための格別な配慮が
されていない欠点があった。
以上説明したように制電性が付与された表面に溝のある
繊維においては溝効果を発揮できる形状と制電性を両立
させることが困難であり、更に制電性付与に基づく抗フ
ロスティング性の低下も避けられなかったのである。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は良好なる溝形状を有することによるドラ
イタッチ、キシミ感のある風合、良好な発色性を所持す
ると共に、制電性を所持し、しかも抗フロスティング性
のあるポリエステル2成分複合繊維を提供するものであ
る。
[問題点を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、A成分によりB成分が複数個
に分割され、かつA成分が繊維長手方向に連続する溝の
底部を形成する2成分複合繊維において、A成分がブロ
ックポリエーテルアミドを添加混合したポリエステルで
あることを特徴とするポリエステル2成分複合繊維によ
って達成できる。
本発明の2成分複合繊維はポリエステルA成分とポリエ
ステルB成分の2種類のポリエステルで形成されてお
り、その横断面形状はA成分によりB成分が複数個に分
割され、かつA成分が繊維長手方向に連続する溝の底部
を形成している形状である。つまり横断面形状において
その外周はA成分とB成分によって交互に占められると
共に、A成分の表面がB成分の表面より相対的に繊維内
部方向にあり、一体となっているA成分は溝の底部以外
は全てB成分と接している形状である。このように複数
の溝を明瞭に形成させることにより良好なドライタッ
チ、キシミ感、光沢、発色性を付与できる溝効果を発揮
させることできる。なお本発明における溝とはA成分の
表面がB成分の表面より相対的に繊維内部方向にあっ
て、繊維内部方向に凹部となった空間を指すもので、溝
の底部はA成分の表面、側部はB成分の表面である。
以下本発明の2成分繊維の横断面形状について図面にて
説明する。第1図及び第2図は本発明の2成分複合繊維
の好ましい例を示すもので、A成分によってB成分はそ
れぞれ3個、5個に分割されている。A成分が底部、B
成分が側部となった溝も実質的に等間隔でそれぞれ3
個、5個形成されている。A成分は略等しい巾の等間隔
の放射状である。このように溝は繊維表面で実質的に等
間隔であることが溝効果を発揮し易く好ましい。A成分
は略等しい巾であることが、後述する本発明の2成分複
合繊維を製造する際に複合繊維として大きな減量処理を
行なっても、A成分としては比較的小さな減量とするこ
とが可能で安定した良好な制電性を発揮でき好ましいこ
とである。
溝の入口で複合繊維の外表面に接線を引き、接線と交わ
る2点間の距離すなわち溝の入口で溝の側面の端部同志
を結んだ線分Mとこれらの両側面を除いたB成分の繊維
表面とで形成される溝がないと仮定した断面形状は多葉
状形状であって、線分Mが多葉状の凸部に位置関係が一
致して対応していることが溝効果、とりわけ絹様の優雅
な光沢を付与する点から好ましい。この場合好ましい葉
状の数は3〜8個であり、3〜6個がより好ましい。
良好な溝効果を発揮するには線分M、すなわち溝の入口
巾は0.4〜4μの範囲が好ましく、0.6〜3μの範囲がよ
り好ましい。同様に溝の深さ、すなわち溝の底部の中で
もっとも繊維重心に近い点から線分Mへ垂した垂線の長
さは0.3〜2.5μの範囲が好ましく、0.5〜1.8μの範囲が
より好ましい。溝深さが2.5μを越すと発色性が低下し
易やすくなる。
次にA成分に制電剤として添加混合するブロックポリエ
ーテルアミドについて説明する。ブロックポリエーテル
アミドとはポリアルキレンエーテルとポリアミドとのブ
ロック共重合体であり、良好な制電性を複合繊維に付与
するにはポリアルキレンエーテルとして、分子両1,000
以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの
共重合体などが好ましい。なかでも、分子量3,000〜8,0
00のポリエチレングリコールが適している。ブロックポ
リエーテルアミドを構成するポリアミドセグメントはナ
イロン6、ナイロン8、ナイロン12、ナイロン66、ナイ
ロン610のようなホモポリアミドあるいはこれら同志、
または他の共重合成分を含む共重合体でポリアミド形成
成分の重縮合反応により生成するホモまたはコポリアミ
ドである。ブロックポリエーテルアミド中のポリアルキ
レンエーテルセグメント対ポリアミドセグメントの重量
比は30〜70対70〜30が適当である。
このブロックポリエーテルアミドは2成分複合繊維に対
し0.1〜5重量%含有させることが好ましい。0.1重量%
未満では制電性が極めて微小であり、5重量%を越す場
合には制電性能の向上効果が飽和するとともに繊維特性
が低下しやすくなるためである。またブロックポリエー
テルアミドのA成分に添加混合する場合は繊維特性、特
に抗フロスティング性の点からA成分を形成するポリエ
ステルに対し20重量%以下とすることが好ましく、15重
量%以下とすることがより好ましい。
A成分及びB成分を形成するポリエステルとはテレフタ
ル酸,イソフタル酸,フタル酸,ナフタリン−2,6−ジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸もしくはアジピン
酸,セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれら
のエステル類と、エチレングリコール,ジエチレングリ
コール,1,4−ブタンジオール,ネオペンチルグリコー
ル,シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどのジオー
ル化合物とから合成されるポリエステルであり、特に構
成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単位で
あるポリエステルが好ましい。
また、上記ポリエステル成分にポリアルキレングリコー
ル,グリセリン,ペンタエリスリトール,メトキシポリ
アルキレングリコール,ビスフェノールA,スルホイソフ
アル酸などを添加あるいは共重合しても良い。
これらのポリエステルの中でB成分に金属スルホネート
基を有するイソフタル酸成分を共重合したポリエステル
を用いた場合には2成分複合繊維をカチオン可染性とす
ることが可能となるばかりでなく、抗フロスティング性
を向上させる上で著しい効果を発揮する。カチオン可染
性を付与し、抗フロスティング性を向上させるには金属
スルホネート基を有するイソフタル酸のB成分を形成す
るポリエステルに対し0.8〜3.0モル%の範囲とすること
が好ましい。金属スルホネート基を有するイソフタル酸
の共重合量が増加すると、カチオン可染性は増加するが
2成分複合繊維の強度が低下し易すいので、金属スルホ
ネート基を有するイソフタル酸成分を0.8〜3.0モル%と
すると共に分子量が100〜5,000のグリコール成分を0.3
〜10重量%共重合したポリエステルとすることがより好
ましく、更に重合度を80〜100とすることが一層好まし
い。
本発明において金属スルホネート基を有するイソフタル
酸成分とは次式で示される化合物であり、具体的にはジ
メチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート、ビス
−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスルホ)イソ
フタレート、ビス−4−ヒドロキシブチル(5−ナトリ
ウムスルホ)イソフタレート等が挙げられる。
(但しMはNa、Li、Kなどのアルカリ金属を示し、A、
A′は−CH3または−(CH2)nOHを示す。nは2以上の
整数を示す。) 好ましい金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分
としてはジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレ
ート、ビス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムス
ルホ)イソフタレートが挙げられる。
グリコール成分の分子量が100未満であると染色性向上
効果が小さくて好ましくない。又分子量が5,000を越え
たグリコール成分はこれを共重合したポリマーから得ら
れる繊維の染色物の耐光堅牢度が低下して好ましくな
い。より好ましいグリコール成分の分子量は120〜4,000
であり、特に好ましくは120〜1,000である。分子量100
〜5,000のグリコール成分としてはネオペンチルグリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノー
ルA−エチレンオキサイド付加物および次式で示すポリ
アルキレングリコール等があげられる。
A(CnH2nO)mH AはClH2l+1O又はOH、lは、1〜10、 nは2〜5、mは2〜65 より好ましいグリコール成分としてはポリアルキレング
リコールがあげられる。これはポリアルキレングリコー
ルの減粘効果が他のグリコールより大きいため重合度80
〜100のポリマーを得るには他のグリコールより有利で
あるためである。グリコール成分の共重合量は得られる
ポリエステルに対して0.3〜10重量%とすることが好ま
しい。この範囲より少ないと染色性改善効果が小さく、
多くなると物性、耐熱性の低下が大になる。そのため0.
4〜7重量%の範囲が一層好ましい。
B成分が金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルの場合にA成分に添加混合す
るブロックポリエーテルアミド中のポリアミドセグメン
ト量はA成分に対し0.5重量%以上であることが抗フロ
スティング性の点で好ましく、1.0〜10重量%の範囲で
は2成分複合繊維が全てポリエチレンテレフタレートで
形成されている場合以上の良好な抗フロスティング性が
得られより好ましい。
A成分とB成分の比率は良好な溝効果を発揮できる溝形
状とすると共に良好な制電性を付与するために重量比で
4:96〜40:60の範囲が好ましく、6:94〜35:65の範囲がよ
り好ましい。
次に本発明の2成分複合繊維を好適に製造できる方法に
ついて説明する。本発明の2成分複合繊維はブロックポ
リエーテルアミドを添加混合したポリエステルであるA
成分によりB成分が複数個に分割された形状のポリエス
テル2成分複合繊維を複合紡糸法にて紡糸し、必要に応
じ延伸した後、繊維状で好ましくは織編物としてからA
成分の一部を溶解除去することにより好適に製造でき
る。
2成分複合紡糸繊維は前記した本発明者らが提案した公
知の複合紡糸装置を応用することで紡糸できる。2成分
複合紡糸繊維は好ましくは第3図、第4図に示したよう
にA成分によりB成分が複数個に分割されており多葉形
状である。多葉形状の頂点部付近を含んでA成分が配置
されていることが好ましい。第3図の3葉状2成分複合
紡糸繊維、第4図の5葉状複合紡糸繊維よりA成分の一
部を溶解除去することによりそれぞれ第1図、第2図に
示した如くの2成分複合繊維が得られる。
A成分の一部が溶解除去される際にB成分の一部が溶解
除去されることはさしつかえない。いずれにせよA成分
はB成分よりも溶解速度が早いことが必要である。溶解
除去処理は通常ポリエステルで実施されているアルカリ
水溶液処理を好適に使用することができる。溝効果を有
する溝のある二成分繊維とするためにA成分はB成分よ
り溶解速度が大きいことが必要であり、2.0倍以上が好
ましく、2.5倍以上がより好ましい。ポリエステルにブ
ロックポリエーテルアミドを添加混合するとアルカリ水
溶液における溶解性が増加することが知られている。本
発明はブロックポリエーテルアミドを添加混合したポリ
エステルが制電性を有すると共にアルカリ水溶液に対し
易溶解性である特性を有効に生かそうとしたものであ
る。A成分をB成分よりも2.0倍以上アルカリ水溶液に
対し易溶解性とするにはA成分とB成分を形成するポリ
エステルが同種の場合にはA成分にブロックポリエーテ
ルアミドを2重量%以上添加混合させることが好まし
い。
ところがB成分のポリエステルが金属スルホネート基を
有するイソフタル酸成分を共重合したポリエステルにつ
いても金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分の
共重合量を増加させるほどアルカリ水溶液に対する溶解
性が増加することが知られている。従って、B成分のポ
リエステルを金属スルホネート基を有するイソフタル酸
成分を共重合したポリエステルとした場合には溝効果を
発揮させる溝を形成させるために(A成分におけるブロ
ックポリエーテルアミドの重量%)/(B成分における
金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分の共重合
モル%)を3〜20の範囲とすることが好ましい。
2成分複合紡糸繊維におけるA成分とB成分の重量比は
2成分複合繊維において良好な溝効果を発現させるため
に8:92〜40:60の範囲が好ましく、10:90〜35:65の範囲
がより好ましい。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、実施
中で用いた相対粘度、極限粘度、重合度、電気比抵抗、
摩擦帯電圧、アルカリ処理減量率、抗フロスティング性
は次の方法で測定した値である。
A.ブロックポリエーテルアミド組成物の相対粘度 試料を70%の抱水クロラール中に1%濃度になるように
溶解し、これをオストワルド粘度計により25℃で測定し
た値である。
B.ポリエステルの極限粘度 試料をオルトクロロフェノール溶媒に溶解し、オストワ
ルド粘度計により25℃で測定した値である。
C.重合度 重合度は単位重量当りの末端基数を通常用いられる方法
で求め、次式より算出した。
重合度=(2×106)/[末端基数(コ/106g)×ポリ
マの平均分子量] D.電気比抵抗 試料を0.2%のアニオン界面活性剤の弱アルカリ水溶液
中で電気洗濯機を用いて2時間洗濯後、水洗、乾燥す
る。すいで、該試料を長さ(L)5cm、繊度(D)1,000
デニールの繊維束に引き揃えて20℃、40%RH下で2日間
調温調湿した後、振動容量型微小電位測定装置により、
印加電圧500Vで試料の抵抗を測定し次式により算出す
る。
ρ=(R×D)/(9×105×L×d) ρ:体積固有抵抗(Ω・cm) R=抵抗(Ω) d=試料密度(g/cm3) D=繊度(デニール) L=試料長(cm2) E.摩擦帯電圧 京大化研式ロータリースタテイクテスター(興亜商会
製)により摩擦対象布としてあらかじめのり抜き、精
錬、漂白した絹の平織カナキン3号(目付100g/m2)を
用い、ローター回転数400rpm、印加電圧100V、温度20
℃、相対粘度30%の雰囲気中で測定した値である。
F.アルカリ処理減量率 繊維を織物あるいは編物にし、ソーダ灰1g/lおよびサン
デットG−29[三洋化成(株)]1g/lを含む80℃の温水
中で20分間精練し、次いで水洗、乾燥した。乾燥した織
物あるいは編物を約2精秤し、3%の苛性ソーダ水溶液
に浴比1:125、98〜100℃で所定時間投入し処理した。処
理後、湯洗−水洗−酸洗い−水洗−乾燥の後精秤し、減
量率を次式にて算出した。
減量率(%)=[(W0-W1)/W0]×100 W0:アルカリ処理前重量 W1:アルカリ処理後重量 G.抗フロスティング性 第5図に抗フロスティング性試験機の概略図を示す。
湿潤状態の試料(染色した編織物)1を摩擦布2との摩
擦面積が12.5cm2になるように、ヘッド3にホルダー4
を使って取り付け、その上に荷重5の和が750gになるよ
うにする。
一方、摩擦台6を滑り止め用のサンドペーパー7を介し
て取り付け、85rpmで偏心回転させ、10分間摩擦を行っ
た後、試料1をはずしフロスティングの程度を肉眼で判
定する。
すなわち、フロスティングが起っている場合には摩擦さ
れた部分が摩擦されていない部分に比べて白く見えるの
で、摩擦された部分が白く見える状態を観察し次の5段
階に分けて判定した。
5級:フロスティングが認められない。
4級:わずかにフロスティングが認められる程度。
3級:ややフロスティングが認められる。
2級:かなりフロスティングが目立つ。
1級:フロスティングが著しく認められる。
以上の中で3級以上を合格レベルとする。
実施例1 A成分ポリエステルとして相対粘度2.10のブロックポリ
エーテルアミド組成物(分子量5,000のポリエチレング
リコール/ナイロン6セグメントの重量比1/1の組成
物)と極限粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートを
それぞれ重量比で1/9とした混合物を用いた。B成分ポ
リエステルとして極限粘度0.63のポリエチレンテレフタ
レートを用いた複合繊維を水準1とする。B成分ポリエ
ステルとして5−ナトリウムスルホイソフタル酸(2.4
モル%)/テレフタル酸(97.6モル%)とエチレングリ
コールで形成された重合度78の共重合ポリエステルを用
いた複合繊維を水準2とする。B成分ポリエステルとし
て酸成分がテレフタル酸(98.4モル%)、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸(1.6モル%)、グリコール成分
がエチレングリコールと分子量6000のポリエチレングリ
コール(5重量%)である重合度92のポリエステルを用
いた複合繊維を水準3とする。水準1,2,3のB成分ポリ
エステルはほぼ同等の溶融粘度であって、B成分ポリエ
ステルのA成分ポリエステルに対するアルカリ水溶液に
対する溶解速度比はそれぞれ10,3.5,3倍である。水準2
と3のB成分ポリエステルは同等のカチオン可染性を示
す。紡糸温度を295℃、紡糸速度を1,200m/minとし、A
成分:B成分を重量比で80:20として第3図の如くのポリ
エステル2成分複合紡糸繊維とした。この未延伸糸を常
法に従って延伸し、75デニール36のフイラメントの延伸
糸とした。経糸密度112本/インチ、緯糸密度92本/イ
ンチとして羽二重を製織し、アルカリ水溶液(NaOH20g/
l、98℃)にて減量加工を行なった。水準1,2,3でほぼ類
似の第1図に示す如くの溝の形状とするために減量率は
それぞれ15,28,30%とした。A成分のみの減量率はそれ
ぞれ13,10,11%である。代表的な糸、織物特性を第1表
に示した。いずれの織物も絹用のドライタッチ、キシミ
感、光沢と制電製を所持していた。しかしながら水準1
では抗フロスティング性が下限であり減量をこれ以上行
なうことができず、ドレープ性、ふくらみにやや不足す
るものであった。水準2では抗フロスティング性は良好
であるが、織物中原糸強度が小さく実用性が若干不足し
ている。水準3は抗フロスティング性、強度も問題ない
レベルであって風合、外観に加えて実用性をも兼ねそな
えた絹様織物であった。
[発明の効果] 本発明は上述したように2種のポリエステルA成分とB
成分から構成される2成分複合繊維であって、連続する
複数個の溝が形成され、かつ溝の底部がA成分でありか
つA成分には特定の制電剤が添加混合されている。
明瞭な溝が形成されていることに基づきドライタッチ、
キシミ感のある風合、良好な発色性、光沢を所持させる
ことが可能である。A成分に特定の制電剤を添加混合さ
せることにより良好な制電性を付与させることが可能で
ある。特にA成分が2成分複合繊維の一部を形成してい
るため、A成分が繊維表面を形成していない場合よりも
著しく大きな制電性効果を付与することができる。
B成分に金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルを使用することができこの場
合にはカチオン可染化、良好な発色性を付与できるばか
りでなく抗フロスティング性を向上させることもでき
る。更にB成分のポリエステルを特定化することにより
耐光性、強度特性の優れた高発色性素材とすることも可
能である。
以上の如く本発明のポリエステル2成分複合繊維は多機
能を有した織編物とすることが可能であって、とりわけ
高級絹様織編物用として適している。
また本発明のポリエステル2成分複合繊維を製造する際
には特殊な装置を使用する必要もなく特別の加工条件と
しなくても安定して製造できる。とりわけ織編物として
から減量処理して溝を形成させる際には15〜35%の大き
な減量処理することも可能であり、明瞭な溝を形成させ
るばかりでなく、織編物に良好なドレープ性、ソフト
感、ふくらみなどを付与することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の2成分複合繊維の横断面図形
状の好ましい例を示すものであり、第3図、第4図は本
発明における2成分複合紡糸繊維の横断面形状の好まし
い例を示すものであり、第5図は抗フロスティング性試
験の概略図である。 A……A成分、B……B成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:32 101:34 (56)参考文献 特開 昭57−47940(JP,A) 特開 昭60−139816(JP,A) 特開 昭58−98423(JP,A) 特開 昭56−53210(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分によりB成分が複数個に分割され、
    かつA成分が繊維長手方向に連続する溝の底部を形成す
    る2成分複合繊維において、A成分がブロックポリエー
    テルアミドを添加混合したポリエステルであることを特
    徴とするポリエステル2成分複合繊維。
  2. 【請求項2】B成分が金属スルホネート基を有するイソ
    フタル酸成分を共重合したポリエステルである特許請求
    の範囲第(1)項記載のポリエステル2成分複合繊維。
  3. 【請求項3】B成分が金属スルホネート基を有するイソ
    フタル酸成分を0.8〜3.0モル%、分子量が100〜5,000の
    グリコール成分を0.3〜10重量%共重合したポリエステ
    ルである特許請求の範囲第(2)項記載のポリエステル
    2成分複合繊維。
JP9787886A 1986-04-30 1986-04-30 ポリエステル2成分複合繊維 Expired - Lifetime JPH06102851B2 (ja)

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