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JPH06100618A - 塩素化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JPH06100618A
JPH06100618A JP24928492A JP24928492A JPH06100618A JP H06100618 A JPH06100618 A JP H06100618A JP 24928492 A JP24928492 A JP 24928492A JP 24928492 A JP24928492 A JP 24928492A JP H06100618 A JPH06100618 A JP H06100618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin
chlorine
powder
chlorinated
chlorination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24928492A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Morita
和弘 森田
Hidefumi Morita
英文 森田
Yoshihiko Eguchi
吉彦 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP24928492A priority Critical patent/JPH06100618A/ja
Publication of JPH06100618A publication Critical patent/JPH06100618A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • C08F8/20Halogenation
    • C08F8/22Halogenation by reaction with free halogens

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水性懸濁法で、トルエンやキシレン等の有機
溶剤に対する溶解性に優れ、塗料やインキの用途に適し
た塩素化ポリオレフィンを効率的に製造する。 【構成】 ポリオレフィン粉粒体の水性懸濁液に、ラジ
カルが発生しない条件で塩素を溶解させる工程により、
塩素を粉粒体内部に浸透させ、次いで加熱又は/及び光
照射により塩素化する。この二つの工程を交互に繰り返
し行うことにより、均一に塩素化され、かつ高塩素化度
の塩素化ポリオレフィン粉粒体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に対する溶解
性に優れた塩素化ポリオレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン粉粒体を水性媒体中に懸
濁させ、これを加熱するか或いは光を照射しながら、こ
れに塩素を導入して数時間連続的に塩素化反応を行っ
て、塩素化ポリオレフィンを製造する技術は広く知られ
ている(例えば、特公昭36−4745号公報、特開昭
51−138791号公報参照)。
【0003】このような水性懸濁法による塩素化方法
は、溶液法による塩素化方法に比べ、溶媒を使用しない
ため、溶媒の除去という煩雑な工程が必要でなく、また
人体や環境にも悪影響がなく、安全で経済的な方法であ
る。
【0004】しかし、上記引例に記載の水性懸濁法によ
り得られる塩素化ポリオレフィンは、溶液法に比べて、
粒子の内部まで充分に均一に塩素化されず、トルエン、
キシレンなどの有機溶剤には溶解しない。
【0005】それゆえ、この種の塩素化ポリオレフィン
は、成形用樹脂や耐衝撃改良剤や難燃化剤などの用途に
は適するが、トルエン、キシレンなどの安価な汎用の有
機溶剤を用いる塗料やインキなどの用途には不適当であ
る。
【0006】水性懸濁法で、トルエン、キシレンなどの
有機溶剤に完全に溶解する塩素化ポリオレフィンを製造
する方法として、特開平3−199207号公報には、
微粉化して得られる、比表面積が300〜20000 c
m2/gのポリオレフィン粉末を塩素化することが提案さ
れている。
【0007】この技術は、ポリオレフィン粉末の表面積
を大きくすることにより、粒子の表面からの塩素化反応
を促進して塩素化度を高め、それにより有機溶剤に対す
る溶解性を改善するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ポリオレフ
ィンは簡単には微粉化しにくく、細かく微粉化するに
は、一般に、特殊機構の微粉砕機や特殊溶剤を用いる溶
解析出法が採用される。しかし、このような方法では微
粉化コストが著しく高く、塩素化ポリオレフィンの製造
コストが高くなるという不利な点がある。
【0009】また、単に、比表面積が平均で300〜2
0000 cm2/gのポリオレフィン粉末を使用するだけ
では、粗い粒子も混在しており、塩素化度をある程度高
めることはできても、塩素化反応の途中で粒子が凝集す
ることがあり、粒子の内部まで均一に塩素化することは
できない。そのため、有機溶剤に対する溶解性は不充分
となる。
【0010】したがって、実際には、塩素化反応中に粒
子をボールミルで粉砕したり、或いは渦巻きポンプで強
制循環することにより、凝集体から粒子を離解しなけれ
ばならない。
【0011】ところが、このような方法では、粒子の処
理設備を新たに付加せねばならず、またこの処理に手間
がかかり、効率的な製造方法とは言いがたい。
【0012】本発明は、上記の問題を解決するもので、
水性懸濁法で、有機溶剤に対する溶解性に優れた塩素化
ポリオレフィンを効率的に低コストで製造する方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明で使用するポリオ
レフィンは、エチレンやα−オレフィンの単独重合体、
エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンと他
のモノマーとの共重合体である。
【0014】エチレンやα−オレフィンの単独重合体と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリヘキセン、ポリ4−メチルペンテン等が挙
げられる。
【0015】エチレンとα−オレフィンとの共重合体と
しては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、
エチレン−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペ
ンテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0016】エチレンと他のモノマーとの共重合体とし
ては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ブタ
ジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0017】これらのポリオレフィンには、酸化処理、
無水マレイン酸処理などの化学変成が行われていても差
し支えない。
【0018】ポリオレフィンの分子量には特別な規定は
ないが、得られる塩素化ポリオレフィンを有機溶剤に溶
解して使用するためには、低分子量が好ましく、重量平
均分子量で1000〜50000が望ましい。また、構
造的には、アイソタクチック、シンジオタクチック、ア
タクチックのいずれでもよい。
【0019】また、ポリオレフィン粉粒体の粒径として
は、一般に、従来の水性懸濁法で用いられている粉粒体
の粒径と同程度のものが使用される。粒径が大きくなる
と、塩素が粉粒体内に浸透するのに時間がかかるように
なるので、最大粒径が1mm以下の粉粒体が好ましく、さ
らに好ましくは最大粒径が500μm 以下の粉粒体であ
る。
【0020】このような粉粒体は、公知の方法で重合さ
れたポリオレフィン重合物を、適当な篩いにかけること
によって調製することができる。また、ポリオレフィン
重合物を公知の汎用粉砕機で一旦粉砕し、これを適当な
篩いにかけることによって調製することができる。この
場合、粒径が比較的粗いので、粉砕コストが著しく高く
なることはない。
【0021】本発明においては、まず、(1)ポリオレ
フィン粉粒体の水性懸濁液に、ラジカルが発生しない条
件で塩素を溶解する。ポリオレフィンを均一に塩素化す
るには、塩素が粉粒体の内部まで浸透し飽和した後に塩
素化反応が行われるのが好ましい。従って、塩素を懸濁
液に供給し、塩素が懸濁液に飽和になるようにして一定
時間保持するのが好ましく、こうすることによりポリオ
レフィン粉粒体の内部まで塩素が自然に拡散して実質的
に飽和される。
【0022】水性懸濁液に塩素を溶解する際の塩素の圧
力は高いほうが、水性媒体中及び粉粒体中での塩素の飽
和濃度も高くなって好ましいが、反応容器の耐圧に限界
があるので、一般に1〜5 kg/cm2 に設定するのが好
ましい。
【0023】なお、塩素は、気体状でも液体状でもよ
く、懸濁液中に供給してもよいし、気相中に供給しても
よい。
【0024】塩素が粉粒体内で実質的に飽和に達したこ
とは、例えば、ポリオレフィン粉粒体を水性媒体に懸濁
させた状態で、この水性媒体中に塩素を導入して溶解さ
せ、水性媒体中に溶解した塩素が飽和に達したことを、
公知の塩素濃度測定法で測定し、それに基づいて間接的
(実質的)に確認することができる。
【0025】塩素濃度測定法としては、例えば、塩素が
溶解した水性媒体を一定量採取し、これに沃化カリウム
を加えて沃素を遊離させ、この沃素をチオ硫酸ナトリウ
ムで滴定する方法が採用される。
【0026】上記の保持時間は、短すぎると塩素が飽和
に達せず、粉粒体の内部の塩素濃度が少なくなり、逆に
飽和に達した後で長時間保持しても意味がない。保持時
間は、ポリオレフィン粉粒体の粒径、水性媒体の温度、
導入される塩素圧等により異なるが、最大粒径が1mm以
下のポリオレフィン粉粒体を使用する場合は、一般に5
〜30分が適当である。
【0027】水性懸濁液の水性媒体としては、水が好適
に使用されるが、反応中のポリオレフィンの凝集を防ぐ
ために、水に分散剤を添加してもよい。また、塩酸水溶
液を用いてもよい。
【0028】分散剤としてはは、例えば、メタクリル酸
メチルエステル−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩
などのアクリル酸系共重合体の誘導体類、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド共重合体などのアルキレ
ンオキサイド類、リン酸エステル類、スルホン酸系化合
物等があげられる。分散剤の添加量は、ポリオレフィン
粉粒体100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ま
しい。
【0029】ラジカルが発生しない条件とは、光、熱、
或いはラジカル発生剤により塩素化反応が開始されない
条件を意味する。すなわち、上記(1)の工程では、反
応を開始する光源やラジカル発生剤は使用しない。ま
た、熱源の場合は、90℃以上で反応の進行に充分なラ
ジカルが発生するので、上記(1)の工程は、一般に9
0℃未満の温度で行われる。
【0030】次に、(2)ラジカルが発生する条件で、
ポリオレフィンを塩素化する。ラジカルが発生する条件
とは、光、熱、或いはラジカル発生剤により塩素化反応
が開始される条件を意味する。
【0031】本発明においては、上記塩素を溶解する工
程(1)と塩素化工程(2)を、所定の塩素化度に達す
るまで交互に繰り返す。
【0032】本発明の2〜4では、溶解する工程(1)
は90℃未満の温度で5〜30分間塩素を水性懸濁液に
溶解することによって行われる。
【0033】本発明の2では、塩素化工程(2)は90
℃未満の温度で1〜10分間光を照射することによって
行われる。光の波長は200〜600nmが好ましい。
【0034】本発明の3では、塩素化工程(2)は90
℃〜ポリオレフィンの軟化温度の範囲で1〜10分間加
熱することによって行われる。反応温度は、ポリオレフ
ィンの軟化温度を越えると、粉粒体同志が合着するた
め、使用するポリオレフィンの軟化温度以下の温度で行
う。ここでいう軟化温度とは、示差走査熱量計(DS
C)における吸熱の開始温度を指す。
【0035】本発明の4では、塩素化工程(2)は90
℃〜ポリオレフィンの軟化温度の範囲で0.5〜5分間
加熱すると共に光を照射することによって行われる。
【0036】有機過酸化物、アゾ系化合物等のラジカル
発生剤は、長時間の半減期を有しており、ラジカル発生
期間を制御しにくいので、使用しないのが好ましい。
【0037】また、反応温度は、一段階で一定温度に設
定してもよく、反応中のポリオレフィン粉粒体の凝集を
防ぐためや、反応性を上げるために、二段階以上の異な
る温度に設定して、塩素化反応を行ってもよい。
【0038】このようにして塩素化反応が進行し、粉粒
体内に実質的に飽和されている塩素が消費されていく
が、塩素は懸濁液から連続的に供給される。従って、塩
素化工程中には、供給される塩素は粉粒体の内部に到達
する前に、粉粒体の表層付近でポリオレフィンに塩素化
されてしまう。
【0039】それゆえ、塩素化工程(2)の時間は、あ
まり長すぎると粉粒体の表層付近の塩素化度が高くな
り、不均一に塩素化されることになる。したがって、塩
素化の時間は、熱源又は光源を単独で用いる場合は、1
〜10分に限定される。熱源と光源とを併用する場合
は、0.5〜5分に限定されるのである。
【0040】一般に、塩素化ポリオレフィンは塩素含有
率が低くくなるにつれて、有機溶剤に対する溶解性が低
下する。逆に、高い塩素含有率を得るには、長時間の塩
素化反応が必要となり経済的でない。
【0041】それゆえ、最終的に得られる塩素化ポリオ
レフィンの塩素化度は、塩素含有率で表すと、一般に2
5〜70重量%、好ましくは60〜70重量%とされ
る。このような塩素化度を得るためには、前記(1)と
(2)の工程は、条件により異なるが、通常、交互に1
0回以上繰り返される。
【0042】
【作用】ポリオレフィン粉粒体を水性媒体中に懸濁さ
せ、これに塩素を導入して塩素化するに際し、従来技術
のように、塩素を導入しながら塩素化する場合は、塩素
は粒子の中心部まで浸透しにくい。また、塩素化される
につれて粒子は肥大し、より一層塩素は粒子の中心部ま
で浸透しにくくなる。
【0043】しかも、塩素化反応速度は、塩素の拡散浸
透速度よりも格段に速いため、粒子の表面付近が優先的
に塩素化され、最終的に粒子の中心部の塩素化度が極端
に低くなり、この中心部の低塩素化部分がトルエンやキ
シレンなどの有機溶剤に溶解しにくくなる。
【0044】そこで、ポリオレフィン粉粒体の水性懸濁
液に、ラジカルが発生しない条件で塩素を溶解し、次に
ラジカルが発生する条件でポリオレフィンを塩素化する
と、粉粒体には内部まで塩素が浸透し、粉粒体はその表
面付近から中心部にかけてほぼ同時に均一に塩素化され
る。
【0045】このように、ポリオレフィン粉粒体への塩
素の拡散浸透過程と塩素化反応過程とを切り離して、所
望の塩素化度に達するまで、前記(1)と(2)の工程
とを交互に繰り返すと、粉粒体は常にその内部まで塩素
が拡散飽和した状態で塩素化されるので、粉粒体の内外
で塩素化度の不均一が生じにくくなり、しかも繰り返し
の操作により次第に高度に塩素化される。
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。
尚、以下、「部」とあるのは「重量部」を意味する。実施例1 重量平均分子量15000、密度0.89g/cm2 、軟
化温度(DSCによる)105℃で、最大粒径500μ
m のポリプロピレン粉粒体100部を、内面グラスライ
ニングを施した攪拌機付き加圧反応器に仕込み、これに
イオン交換水10000部を入れ、さらに分散剤とし
て、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体(平均分子量4000、組成モル比1:1)0.2部
を添加した。
【0046】先ず、(1)加圧反応器を加熱して85℃
に保持し攪拌下で、これに反応器内の塩素圧が4.5 k
g/cm2 になるように液化塩素を懸濁液中に導入し、液
化塩素の導入しながら10分間保持し、その後、液化塩
素の導入を止めた。
【0047】次に、(2)これに高圧水銀灯(波長25
4〜560nm)を2分間照射しながら、光による塩素
化反応を行った。さらに、上記(1)の操作と(2)の
操作とを20回交互に繰り返した。
【0048】生成した塩素化ポリプロピレン粉粒体の塩
素含有量を酸素フラスコ燃焼法により測定したところ、
平均塩素含有量は60.1重量%であった。
【0049】得られた塩素化ポリプロピレン粉粒体を2
5℃のトルエンに20重量%となるように入れ、これを
1時間攪拌して溶解させて溶解性試験を行ったところ、
全部が完全に透明に溶解し不溶解部分は全くなかった。
【0050】実施例2 実施例1において、液化塩素の導入を止めた後、光によ
る塩素化反応に代えて、これを100℃に加熱昇温して
5分間熱による塩素化を行った。なお、その後85℃に
冷却降温する。それ以外は、実施例1と同様に行った。
【0051】生成した塩素化ポリプロピレン粉粒体の平
均塩素含有量は、60.1重量%であった。また、トル
エンに対する溶解性も、全部が完全に透明に溶解し不溶
解部分は全くなかった。
【0052】実施例3 実施例1において、ポリプロピレン粉粒体に代えて、重
量平均分子量4000、密度0.93g/cm2 、軟化温
度(DSCによる)90℃で、最大粒径500μm のポ
リエチレン粉粒体を用いた。
【0053】また、前記(1)の操作と(2)の操作と
を30回交互に繰り返した。それ以外は、実施例1と同
様に行った。
【0054】生成した塩素化ポリエチレン粉粒体の平均
塩素含有量は、59.3重量%であった。また、トルエ
ンに対する溶解性も、全部が完全に透明に溶解し不溶解
部分は全くなかった。
【0055】実施例4 実施例1において、液化塩素の導入からの保持時間を2
5分に変更し、高圧水銀灯の照射時間を5分に変更し
た。
【0056】また、前記(1)の操作と(2)の操作と
を15回交互に繰り返した。それ以外は、実施例1と同
様に行った。
【0057】生成した塩素化ポリエチレン粉粒体の平均
塩素含有量は、62.5重量%であった。また、トルエ
ンに対する溶解性も、全部が完全に透明に溶解し不溶解
部分は全くなかった。
【0058】比較例1 重量平均分子量15000、密度0.89g/cm2 、軟
化温度(DSCによる)105℃で、最大粒径500μ
m のポリプロピレン粉粒体100部を、内面グラスライ
ニングを施した攪拌機付き加圧反応器に仕込み、これに
イオン交換水10000部を入れ、さらに分散剤とし
て、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体(平均分子量4000、組成モル比1:1)0.2部
を添加した。
【0059】次いで、加圧反応器を加熱して85℃に保
持し攪拌下で、高圧水銀灯(波長254〜560nm)
を照射しながら、この懸濁液中に反応器内の塩素圧が4
kg/cm2 になるように液化塩素を連続的に導入して、
1時間光による塩素化反応を行った。
【0060】生成した塩素化ポリプロピレン粉粒体の平
均塩素含有量は、62.4重量%であった。また、トル
エンに対する溶解性試験では、不溶解部分が残った。こ
の不溶解部分を濾過し真空乾燥してその重量を測定した
ところ、不溶解部分は8.5重量%であった。
【0061】比較例2 重量平均分子量4000、密度0.93g/cm2 、軟化
温度(DSCによる)90℃で、最大粒径500μm の
ポリエチレン粉粒体を用いた。また、加熱温度を100
℃に変更し、塩素化反応時間を2時間に変更した。それ
以外は、比較例1と同様に行った。
【0062】生成した塩素化ポリエチレン粉粒体の平均
塩素含有量は、60.1重量%であった。また、トルエ
ンに対する溶解性試験では、不溶解部分が残った。この
不溶解部分を濾過し真空乾燥してその重量を測定したと
ころ、不溶解部分は5.3重量%であった。
【0063】
【発明の効果】本発明の塩素化ポリオレフィンの製造方
法は上述の通りであり、塩素は粉粒体の内部まで速やか
に浸透拡散し、その状態で塩素化されるので、粉粒体は
表面から中心まで全体として均一に塩素化され、また高
度に塩素化される。
【0064】それゆえ、ポリオレフィンを微粉化して、
特定の比表面積のポリオレフィン粉末粒子を使用する必
要がなく、製造コストを著しく低減させることができる
という利点がある。
【0065】また、塩素化反応の途中で粒子をボールミ
ルで粉砕したり、或いは渦巻きポンプで強制循環するよ
うな面倒な操作を付加することなしに、トルエン、キシ
レン等の安価な有機溶剤に完全に溶解する塩素化ポリオ
レフィンを効率的に製造することができるという利点が
ある。
【0066】したがって、本発明の製造方法により得ら
れる塩素化ポリオレフィンは、塗料やインキの用途に好
適に使用される。なお、この塩素化ポリオレフィンは、
成形用樹脂や耐衝撃改良剤や難燃化剤などの用途にも使
用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ポリオレフィン粉粒体の水性懸濁
    液に、ラジカルが発生しない条件で塩素を溶解する工程
    と、(2)ラジカルが発生する条件でポリオレフィンを
    塩素化する工程を、交互に繰り返すことを特徴とする塩
    素化ポリオレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)ポリオレフィン粉粒体の水性懸濁
    液に、90℃未満の温度で塩素を5〜30分間溶解する
    工程と、(2)90℃未満の温度で1〜10分間光を照
    射してポリオレフィンを塩素化する工程を、交互に繰り
    返すことを特徴とする塩素化ポリオレフィンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 (1)ポリオレフィン粉粒体の水性懸濁
    液に、90℃未満の温度で塩素を5〜30分間溶解する
    工程と、(2)90℃〜ポリオレフィンの軟化温度の温
    度範囲で1〜10分間加熱してポリオレフィンを塩素化
    する工程を、交互に繰り返すことを特徴とする塩素化ポ
    リオレフィンの製造方法。
  4. 【請求項4】 (1)ポリオレフィン粉粒体の水性懸濁
    液に、90℃未満の温度で塩素を5〜30分間溶解する
    工程と、(2)90℃〜ポリオレフィンの軟化温度の温
    度範囲で0.5〜5分間加熱すると共に光を照射してポ
    リオレフィンを塩素化する工程を、交互に繰り返すこと
    を特徴とする塩素化ポリオレフィンの製造方法。
JP24928492A 1992-09-18 1992-09-18 塩素化ポリオレフィンの製造方法 Pending JPH06100618A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157346A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 株式会社カネカ 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法及び製造装置
CN106397642A (zh) * 2015-07-29 2017-02-15 瑞来斯实业公司 一种聚合物的氯化方法

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