JPH06100436A - 局所療法製剤 - Google Patents
局所療法製剤Info
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- JPH06100436A JPH06100436A JP18775793A JP18775793A JPH06100436A JP H06100436 A JPH06100436 A JP H06100436A JP 18775793 A JP18775793 A JP 18775793A JP 18775793 A JP18775793 A JP 18775793A JP H06100436 A JPH06100436 A JP H06100436A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 生体局所で分泌される分泌液のpH領域で溶
解またはゲル化する水溶性高分子の懸濁粒子と、局所で
適用しうる薬剤からなる局所療法製剤。 【効果】 この局所療法製剤は、局所適用部位での薬物
の滞留性を向上させ、薬物のバイオアベイラビリティー
を高めることができる。さらに、この局所療法製剤はマ
イクロスフィアの調製等に比べ、簡便でかつ経済的に製
造することができる。
解またはゲル化する水溶性高分子の懸濁粒子と、局所で
適用しうる薬剤からなる局所療法製剤。 【効果】 この局所療法製剤は、局所適用部位での薬物
の滞留性を向上させ、薬物のバイオアベイラビリティー
を高めることができる。さらに、この局所療法製剤はマ
イクロスフィアの調製等に比べ、簡便でかつ経済的に製
造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体局所で分泌される
分泌液のpH領域で溶解またはゲル化する水溶性高分子
の懸濁粒子と、局所で適用しうる薬剤からなる水性の局
所療法製剤に関する。さらに詳細には、本発明は、局所
で適用しうる薬剤に生体局所で分泌される分泌液のpH
領域で溶解またはゲル化する水溶性高分子の懸濁粒子を
共存させることにより、投与部位での分泌液のpHによ
り高分子が溶解またはゲル化し、薬剤の粘性を増加さ
せ、当該部位での薬剤の保持効果を高め、薬物のバイオ
アベイラビリティーを高めた水性の局所療法製剤に関す
る。
分泌液のpH領域で溶解またはゲル化する水溶性高分子
の懸濁粒子と、局所で適用しうる薬剤からなる水性の局
所療法製剤に関する。さらに詳細には、本発明は、局所
で適用しうる薬剤に生体局所で分泌される分泌液のpH
領域で溶解またはゲル化する水溶性高分子の懸濁粒子を
共存させることにより、投与部位での分泌液のpHによ
り高分子が溶解またはゲル化し、薬剤の粘性を増加さ
せ、当該部位での薬剤の保持効果を高め、薬物のバイオ
アベイラビリティーを高めた水性の局所療法製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】局所療法の一つとして軟膏処置法が使用
されているが、例えば、眼、耳あるいは鼻等の粘膜で覆
われた部位等での使用は外的刺激の問題等からその使用
頻度は少ない。したがって、これら部位では、薬物の水
溶液または懸濁液を直接治療部位に点眼、点耳あるいは
点鼻する療法が広く使用されているのが現状である。し
かし、点眼液では点眼直後にその半分に近い溶液が下眼
瞼からこぼれ落ち、また残りの溶液も短時間の内に鼻腔
に流れ出る。点鼻薬についてもその多くは鼻腔から咽頭
に排除されるため、有効濃度の薬物が局所に止まりうる
のは比較的短時間である。このためこれら療法の薬物の
バイオアベイラビリティーは極めて低く、薬物によって
は、投与回数を多くする必要が生じる。
されているが、例えば、眼、耳あるいは鼻等の粘膜で覆
われた部位等での使用は外的刺激の問題等からその使用
頻度は少ない。したがって、これら部位では、薬物の水
溶液または懸濁液を直接治療部位に点眼、点耳あるいは
点鼻する療法が広く使用されているのが現状である。し
かし、点眼液では点眼直後にその半分に近い溶液が下眼
瞼からこぼれ落ち、また残りの溶液も短時間の内に鼻腔
に流れ出る。点鼻薬についてもその多くは鼻腔から咽頭
に排除されるため、有効濃度の薬物が局所に止まりうる
のは比較的短時間である。このためこれら療法の薬物の
バイオアベイラビリティーは極めて低く、薬物によって
は、投与回数を多くする必要が生じる。
【0003】眼科領域においては、点眼剤に種々の粘性
基剤を添加して動粘度を増すと、点眼剤の眼内移行およ
び薬理効果が増加すること、薬物を懸濁粒子として点眼
すると、前眼部によく保持されることが分かっている
が、これらの手段のみでは薬物のバイオアベイラビリテ
ィーを大きく高めるまでには至っていない。
基剤を添加して動粘度を増すと、点眼剤の眼内移行およ
び薬理効果が増加すること、薬物を懸濁粒子として点眼
すると、前眼部によく保持されることが分かっている
が、これらの手段のみでは薬物のバイオアベイラビリテ
ィーを大きく高めるまでには至っていない。
【0004】そのため、薬物のバイオアベイラビリティ
ーを高める目的で、近年、局所療法用のドラッグデリバ
リーシステムの開発が進められてきている。その中でも
H.W.Hui等〔International Jo
urnal of Pharmaceutics、26
巻、203−213頁(1985年)〕は、プロゲステ
ロン含有架橋化アクリル酸ポリマーマイクロスフィア
は、プロゲステロンの前房水への移行性を改善すること
を述べている。また、西村穣等〔日本化学療法学会雑
誌、39巻、728頁(1991年)〕は、ジペカシン
含有マイクロスフィアは耳鼻咽喉科領域の感染症に対し
て新たな持続性局所療法剤となりうる可能性を示唆して
いる。
ーを高める目的で、近年、局所療法用のドラッグデリバ
リーシステムの開発が進められてきている。その中でも
H.W.Hui等〔International Jo
urnal of Pharmaceutics、26
巻、203−213頁(1985年)〕は、プロゲステ
ロン含有架橋化アクリル酸ポリマーマイクロスフィア
は、プロゲステロンの前房水への移行性を改善すること
を述べている。また、西村穣等〔日本化学療法学会雑
誌、39巻、728頁(1991年)〕は、ジペカシン
含有マイクロスフィアは耳鼻咽喉科領域の感染症に対し
て新たな持続性局所療法剤となりうる可能性を示唆して
いる。
【0005】これらマイクロスフィアは一般の懸濁性の
点眼剤、点耳剤あるいは点鼻剤と同様な方法で容易に点
眼、点耳あるいは点鼻できる利点がある。しかし、懸濁
粒子の至適粒子径は投与部位によって異なるのに反し、
任意の均一粒子径のマイクロスフィアは調製が容易でな
く、調製時に使用する残留溶媒の留去が困難である等の
欠点がある。さらに、マイクロスフィアに薬物を封入す
るにあたり、期待する薬物の効果が減少することなく発
現し、当該効果が持続するよう、マイクロスフィアを調
製する必要がある。しかし、V.Vidmar等〔Jo
urnal of Microencapsulati
on、2巻、289−292頁(1985年)〕が報告
しているように、水溶性薬物等はマイクロスフィアから
速やかに溶出し、マイクロスフィア懸濁剤調製直後しか
徐放性製剤としての意義をなさない場合もおこりうるの
が現状である。
点眼剤、点耳剤あるいは点鼻剤と同様な方法で容易に点
眼、点耳あるいは点鼻できる利点がある。しかし、懸濁
粒子の至適粒子径は投与部位によって異なるのに反し、
任意の均一粒子径のマイクロスフィアは調製が容易でな
く、調製時に使用する残留溶媒の留去が困難である等の
欠点がある。さらに、マイクロスフィアに薬物を封入す
るにあたり、期待する薬物の効果が減少することなく発
現し、当該効果が持続するよう、マイクロスフィアを調
製する必要がある。しかし、V.Vidmar等〔Jo
urnal of Microencapsulati
on、2巻、289−292頁(1985年)〕が報告
しているように、水溶性薬物等はマイクロスフィアから
速やかに溶出し、マイクロスフィア懸濁剤調製直後しか
徐放性製剤としての意義をなさない場合もおこりうるの
が現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様な現況に鑑み
て、本発明者等は、マイクロスフィアの調製に比べ簡単
で、かつ適用局所での薬物のバイオアベイラビリティー
の高い局所療法製剤を求めて鋭意研究を重ねた。
て、本発明者等は、マイクロスフィアの調製に比べ簡単
で、かつ適用局所での薬物のバイオアベイラビリティー
の高い局所療法製剤を求めて鋭意研究を重ねた。
【0007】その結果、本発明者等は、生体分泌液のp
H領域で溶解またはゲル化する水溶性高分子を水性懸濁
剤として局所部位に適用すると、投与後、水溶性高分子
が懸濁粒子として投与部位で保持されるとともに、さら
に局所部位の分泌液で水溶性高分子が溶解またはゲル化
することを見出した。さらに、本発明者等は、意外にも
これら水溶性高分子の性質が、これら水溶性高分子の懸
濁剤に薬剤を共存させて適用した場合に、局所適用部位
での薬物の滞留性を向上させ、薬物のバイオアベイラビ
リティーを高めることができる新しい局所療法製剤を提
供しうることを見出し、本発明を完成した。
H領域で溶解またはゲル化する水溶性高分子を水性懸濁
剤として局所部位に適用すると、投与後、水溶性高分子
が懸濁粒子として投与部位で保持されるとともに、さら
に局所部位の分泌液で水溶性高分子が溶解またはゲル化
することを見出した。さらに、本発明者等は、意外にも
これら水溶性高分子の性質が、これら水溶性高分子の懸
濁剤に薬剤を共存させて適用した場合に、局所適用部位
での薬物の滞留性を向上させ、薬物のバイオアベイラビ
リティーを高めることができる新しい局所療法製剤を提
供しうることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は生体
局所で分泌される分泌液のpH領域で溶解またはゲル化
する水溶性高分子の懸濁粒子と、局所で適用しうる薬剤
からなることを特徴とする水性の局所療法製剤である。
局所で分泌される分泌液のpH領域で溶解またはゲル化
する水溶性高分子の懸濁粒子と、局所で適用しうる薬剤
からなることを特徴とする水性の局所療法製剤である。
【0009】本発明で使用される水溶性高分子は、本発
明の生体局所で分泌される分泌液のpH、たとえば涙
(pH7.0〜8.3)、鼻汁(一般的にpH5.0〜
8.0)、耳漏(一般的にpH5.0〜8.0)等で溶
解またはゲル化するものであればよく、例えば、約pH
5〜約pH8で溶解またはゲル化するもの等を有利に使
用することができる。
明の生体局所で分泌される分泌液のpH、たとえば涙
(pH7.0〜8.3)、鼻汁(一般的にpH5.0〜
8.0)、耳漏(一般的にpH5.0〜8.0)等で溶
解またはゲル化するものであればよく、例えば、約pH
5〜約pH8で溶解またはゲル化するもの等を有利に使
用することができる。
【0010】本発明の局所療法製剤で使用される生体局
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子は、例えば、約pH5以上で溶解する水溶性高分子と
して、例えば、ヒドロキシアルキルセルロースとジカル
ボン酸とのエステルおよびその誘導体、アクリル酸系樹
脂等が挙げられる。ヒドロキシアルキルセルロースとジ
カルボン酸とのエステルおよびその誘導体としては、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネ
ート等を使用するのがよい。また、アクリル酸系樹脂と
しては、メタアクリル酸・アクリル酸エステルコポリマ
ーおよびメタアクリル酸・メタアクリル酸エステルコポ
リマーの重合体、例えば、オイドラギットLおよびオイ
ドラギットSの商品名で市販されているものを便宜に使
用することができる。これら水溶性高分子は、単独ある
いは2種以上の混合物として使用してもよい。
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子は、例えば、約pH5以上で溶解する水溶性高分子と
して、例えば、ヒドロキシアルキルセルロースとジカル
ボン酸とのエステルおよびその誘導体、アクリル酸系樹
脂等が挙げられる。ヒドロキシアルキルセルロースとジ
カルボン酸とのエステルおよびその誘導体としては、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネ
ート等を使用するのがよい。また、アクリル酸系樹脂と
しては、メタアクリル酸・アクリル酸エステルコポリマ
ーおよびメタアクリル酸・メタアクリル酸エステルコポ
リマーの重合体、例えば、オイドラギットLおよびオイ
ドラギットSの商品名で市販されているものを便宜に使
用することができる。これら水溶性高分子は、単独ある
いは2種以上の混合物として使用してもよい。
【0011】本発明の局所療法製剤で使用される生体局
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子の添加量はその種類および配合する薬物の種類により
適宜決定されるが、いずれも通常は0.05〜30w/
v%程度、好ましくは0.1〜10w/v%程度を添加
するのがよい。
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子の添加量はその種類および配合する薬物の種類により
適宜決定されるが、いずれも通常は0.05〜30w/
v%程度、好ましくは0.1〜10w/v%程度を添加
するのがよい。
【0012】本発明の局所療法製剤で使用される生体局
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子の微粒子の平均粒子径は、その投与方法および投与部
位により適宜決定されるが、通常は0.1〜400μm
の範囲、好ましくは1〜200μmの範囲にあることが
望ましい。
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子の微粒子の平均粒子径は、その投与方法および投与部
位により適宜決定されるが、通常は0.1〜400μm
の範囲、好ましくは1〜200μmの範囲にあることが
望ましい。
【0013】本発明の局所療法製剤において使用される
生体局所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶
性高分子の微粒子の製造法は、粉砕法、噴霧乾燥法、液
中乾燥法等の一般に使用されている方法が適宜に利用さ
れうる。このようにして得られた微粒子は通常の方法で
液中に分散させることができる。
生体局所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶
性高分子の微粒子の製造法は、粉砕法、噴霧乾燥法、液
中乾燥法等の一般に使用されている方法が適宜に利用さ
れうる。このようにして得られた微粒子は通常の方法で
液中に分散させることができる。
【0014】本発明の局所療法製剤は、使用する生体局
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子の種類、濃度および粒子径によって適用局所での滞留
時間を適宜調整することができる。
所で分泌される分泌液のpH領域で溶解する水溶性高分
子の種類、濃度および粒子径によって適用局所での滞留
時間を適宜調整することができる。
【0015】本発明の局所療法製剤に配合される治療用
薬剤は、水溶性薬物および/または難溶性薬物であって
も、一般に局所に使用される薬物であれば有利に使用す
ることができ、例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、マレ
イン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン、クロモグ
リク酸ナトリウム、アンレキサノクス等の抗アレルギー
剤、硝酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フ
ェニレフリン等の血管収縮剤、フルオロメトロン、デキ
サメタゾン、コーチゾン、プレドニゾロン等のステロイ
ド性抗炎症剤、アズレン、インドメタシン、プラノプロ
フェン等の非ステロイド性抗炎症剤、セファロスポリ
ン、エリスロマイシン、セフメノキシム、クロラムフェ
ニコール、ゲンタマイシン、カナマイシン等の抗菌剤、
塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔剤、マレ
イン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸ブプラノ
ロール等のβ遮断剤、塩酸ピロカルピン、臭化ジスチグ
ミン、硫酸フィゾスチグミン等の縮瞳剤、硫酸アトロピ
ン、塩酸フェニレフリン等の散瞳剤並びに、ピレノキシ
ン、グルタチオン等の白内障治療剤等を挙げることがで
きる。
薬剤は、水溶性薬物および/または難溶性薬物であって
も、一般に局所に使用される薬物であれば有利に使用す
ることができ、例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、マレ
イン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン、クロモグ
リク酸ナトリウム、アンレキサノクス等の抗アレルギー
剤、硝酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フ
ェニレフリン等の血管収縮剤、フルオロメトロン、デキ
サメタゾン、コーチゾン、プレドニゾロン等のステロイ
ド性抗炎症剤、アズレン、インドメタシン、プラノプロ
フェン等の非ステロイド性抗炎症剤、セファロスポリ
ン、エリスロマイシン、セフメノキシム、クロラムフェ
ニコール、ゲンタマイシン、カナマイシン等の抗菌剤、
塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔剤、マレ
イン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸ブプラノ
ロール等のβ遮断剤、塩酸ピロカルピン、臭化ジスチグ
ミン、硫酸フィゾスチグミン等の縮瞳剤、硫酸アトロピ
ン、塩酸フェニレフリン等の散瞳剤並びに、ピレノキシ
ン、グルタチオン等の白内障治療剤等を挙げることがで
きる。
【0016】これら薬物のうち、難溶性薬物は溶解補助
剤等で可溶化し、使用してもよいし、懸濁させて使用す
ることもできる。溶解補助剤としては、例えば、ポリソ
ルベート80等の界面活性剤、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、シクロデキス
トリン等の複合体形成物質が挙げられる。
剤等で可溶化し、使用してもよいし、懸濁させて使用す
ることもできる。溶解補助剤としては、例えば、ポリソ
ルベート80等の界面活性剤、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、シクロデキス
トリン等の複合体形成物質が挙げられる。
【0017】これらの製剤には通常水性液剤に用いられ
る添加剤、例えば保存剤(パラオキシ安息香酸エステル
類、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール等)、安
定化剤(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウム等)、懸濁化剤(カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース等)、等張化剤(塩
化ナトリウム、ソルビトール、グリセリン等)、界面活
性剤(ポリソルベート80等)、緩衝剤(リン酸二水素
ナトリウム、ホウ酸、クエン酸等)、pH調整剤(塩
酸、酢酸、水酸化ナトリウム等)を適宜添加してもよ
い。
る添加剤、例えば保存剤(パラオキシ安息香酸エステル
類、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール等)、安
定化剤(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウム等)、懸濁化剤(カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース等)、等張化剤(塩
化ナトリウム、ソルビトール、グリセリン等)、界面活
性剤(ポリソルベート80等)、緩衝剤(リン酸二水素
ナトリウム、ホウ酸、クエン酸等)、pH調整剤(塩
酸、酢酸、水酸化ナトリウム等)を適宜添加してもよ
い。
【0018】本発明の局所療法製剤は、常法により眼
科、耳鼻科領域等の疾患の治療等に通常使用される水性
の製剤、例えば点眼剤、点耳剤、点鼻剤等として調製す
ることができる。
科、耳鼻科領域等の疾患の治療等に通常使用される水性
の製剤、例えば点眼剤、点耳剤、点鼻剤等として調製す
ることができる。
【0019】以下に実施例および実験例を挙げて本発明
をさらに詳細に説明し、本発明の効果を明らかにする
が、これらは単なる例示であって、これらにより本発明
の範囲が限定されるものではない。
をさらに詳細に説明し、本発明の効果を明らかにする
が、これらは単なる例示であって、これらにより本発明
の範囲が限定されるものではない。
【0020】
【実施例】 〔実施例1〕 点眼剤 フルオロメトロン 0.1g ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート 1.0g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 塩化ナトリウム 0.9g ポリソルベート80 0.2g 塩化ベンザルコニウム 0.005g 蒸留水 全量100ml 蒸留水約80mlに、リン酸二水素ナトリウム(0.1
g)、塩化ナトリウム(0.9g)、ポリソルベート8
0(0.2g)および塩化ベンザルコニウム(0.00
5g)を溶解する。得られた液を0.1規定の塩酸でp
Hを約4.5に調整後、フルオロメトロン(0.1g)
および粒子径約2μmのヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート(1.0g)を分散し、
蒸留水を加えて100mlとし、点眼剤とする。
g)、塩化ナトリウム(0.9g)、ポリソルベート8
0(0.2g)および塩化ベンザルコニウム(0.00
5g)を溶解する。得られた液を0.1規定の塩酸でp
Hを約4.5に調整後、フルオロメトロン(0.1g)
および粒子径約2μmのヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート(1.0g)を分散し、
蒸留水を加えて100mlとし、点眼剤とする。
【0021】 〔実施例2〕 点眼剤 フルオロメトロン 0.02g ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン 4.0g ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート 1.0g グリセリン 2.6g ポリソルベート80 0.2g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 塩化ベンザルコニウム 0.005g 蒸留水 全量100ml 蒸留水約80mlに、フルオロメトロン(0.02g)
およびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン
(4.0g)を溶解後、さらにリン酸二水素ナトリウム
(0.1g)、グリセリン(2.6g)、ポリソルベー
ト80(0.2g)および塩化ベンザルコニウム(0.
005g)を溶解する。得られた液を0.1規定の塩酸
でpHを約4.5に調整後、粒子径約2μmのヒドロキ
シプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート
(1.0g)を分散し、蒸留水を加えて100mlと
し、点眼剤とする。
およびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン
(4.0g)を溶解後、さらにリン酸二水素ナトリウム
(0.1g)、グリセリン(2.6g)、ポリソルベー
ト80(0.2g)および塩化ベンザルコニウム(0.
005g)を溶解する。得られた液を0.1規定の塩酸
でpHを約4.5に調整後、粒子径約2μmのヒドロキ
シプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート
(1.0g)を分散し、蒸留水を加えて100mlと
し、点眼剤とする。
【0022】 〔実施例3〕 点耳剤 硫酸カナマイシン 2.0g ヒドロキシプロピルメチル セルロースフタレート 5.0g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 塩化ナトリウム 0.9g パラオキシ安息香酸メチル 0.02g パラオキシ安息香酸プロピル 0.01g 蒸留水 全量100ml 蒸留水約80mlを加熱し、塩化ナトリウム(0.9
g)、パラオキシ安息香酸メチル(0.02g)および
パラオキシ安息香酸プロピル(0.01g)を溶解し、
冷後さらに硫酸カナマイシン(2.0g)およびリン酸
二水素ナトリウム(0.1g)を溶解する。得られた液
を0.1規定の塩酸でpHを約4に調整後、粒子径約1
0μmのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト(5.0g)を分散し、蒸留水を加えて100mlと
し、点耳剤とする。
g)、パラオキシ安息香酸メチル(0.02g)および
パラオキシ安息香酸プロピル(0.01g)を溶解し、
冷後さらに硫酸カナマイシン(2.0g)およびリン酸
二水素ナトリウム(0.1g)を溶解する。得られた液
を0.1規定の塩酸でpHを約4に調整後、粒子径約1
0μmのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト(5.0g)を分散し、蒸留水を加えて100mlと
し、点耳剤とする。
【0023】 〔実施例4〕 点鼻剤 クロモグリク酸ナトリウム 2.0g オイドラギットL 0.5g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 0.01g 塩化ベンザルコニウム 0.04g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 蒸留水 全量100ml 蒸留水約80mlに、クロモグリク酸ナトリウム(2.
0g)、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(0.01
g)、塩化ベンザルコニウム(0.04g)およびリン
酸二水素ナトリウム(0.1g)を溶解する。得られた
液を0.1規定の塩酸でpHを約4.5に調整後、粒子
径約1μmのオイドラギットL(0.5g)を分散し、
蒸留水を加えて100mlとし、点鼻剤とする。
0g)、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(0.01
g)、塩化ベンザルコニウム(0.04g)およびリン
酸二水素ナトリウム(0.1g)を溶解する。得られた
液を0.1規定の塩酸でpHを約4.5に調整後、粒子
径約1μmのオイドラギットL(0.5g)を分散し、
蒸留水を加えて100mlとし、点鼻剤とする。
【0024】
【実験例】フルオロメトロン点眼剤の結膜組織への移行性試験 (実験方法)実施例1で調製したフルオロメトロンの点
眼剤を被験点眼剤Aとして用いた。点眼剤A50μlを
家兎に点眼し、経時的に結膜中のフルオロメトロンの濃
度を高速液体クロマトグラフィーで測定した。対照はオ
ドメール0.1%点眼液〔登録商標,千寿製薬株式会社
製;フルオロメトロン(0.1w/v%)含有〕を使用
した。
眼剤を被験点眼剤Aとして用いた。点眼剤A50μlを
家兎に点眼し、経時的に結膜中のフルオロメトロンの濃
度を高速液体クロマトグラフィーで測定した。対照はオ
ドメール0.1%点眼液〔登録商標,千寿製薬株式会社
製;フルオロメトロン(0.1w/v%)含有〕を使用
した。
【0025】(実験結果)結膜中のフルオロメトロンの
濃度時間変化曲線を図1に示した。対照および点眼剤A
の濃度時間変化曲線から各点眼剤のAUC(濃度時間曲
線下面積)を算出した。対照では点眼後2時間で結膜中
のフルオロメトロンの濃度は最大となり、その後速やか
に消失した。点眼剤Aでは対照と比較し、最大時の結膜
中のフルオロメトロン濃度は対照より低かったが、点眼
後16時間まで結膜組織(1mg)中のフルオロメトロ
ンの濃度は0.184ngを維持し、AUCは対照の約
1.7倍であった。
濃度時間変化曲線を図1に示した。対照および点眼剤A
の濃度時間変化曲線から各点眼剤のAUC(濃度時間曲
線下面積)を算出した。対照では点眼後2時間で結膜中
のフルオロメトロンの濃度は最大となり、その後速やか
に消失した。点眼剤Aでは対照と比較し、最大時の結膜
中のフルオロメトロン濃度は対照より低かったが、点眼
後16時間まで結膜組織(1mg)中のフルオロメトロ
ンの濃度は0.184ngを維持し、AUCは対照の約
1.7倍であった。
【0026】以上のことから、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースアセテートサクシネートを点眼剤に懸濁さ
せると、薬物の前眼部での滞留性が向上するとともに、
フルオロメトロンのバイオアベイラビリティーが高めら
れることが判った。
ルセルロースアセテートサクシネートを点眼剤に懸濁さ
せると、薬物の前眼部での滞留性が向上するとともに、
フルオロメトロンのバイオアベイラビリティーが高めら
れることが判った。
【0027】
【発明の効果】本発明の局所療法製剤は、局所適用部位
での薬物の滞留性を向上させ、薬物のバイオアベイラビ
リティーを高めることができる。さらに、本発明の局所
療法製剤はマイクロスフィアの調製に比べ簡便かつ経済
的に製造することができる。
での薬物の滞留性を向上させ、薬物のバイオアベイラビ
リティーを高めることができる。さらに、本発明の局所
療法製剤はマイクロスフィアの調製に比べ簡便かつ経済
的に製造することができる。
【図1】フルオロメトロンの被験点眼剤Aあるいは対照
点眼液点眼後の家兎結膜中のフルオロメトロンの濃度時
間変化曲線を示すグラフである。横軸は点眼後の時間
(時間)を、縦軸は結膜組織1mgあたりのフルオロメ
トロン量(ng)を示す。各値は平均値(例数は4)を
示す。
点眼液点眼後の家兎結膜中のフルオロメトロンの濃度時
間変化曲線を示すグラフである。横軸は点眼後の時間
(時間)を、縦軸は結膜組織1mgあたりのフルオロメ
トロン量(ng)を示す。各値は平均値(例数は4)を
示す。
○ 対照 ● 被験点眼剤A
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/32 C 7433−4C 47/38 F 7433−4C E 7433−4C C 7433−4C
Claims (5)
- 【請求項1】 生体局所で分泌される分泌液のpH領域
で溶解またはゲル化する水溶性高分子の懸濁粒子と、局
所で適用しうる薬剤からなることを特徴とする水性の局
所療法製剤。 - 【請求項2】 水溶性高分子がヒドロキシアルキルセル
ロースとジカルボン酸とのエステルおよびその誘導体お
よびアクリル酸系樹脂から選ばれる少なくとも1種の物
質である請求項1記載の製剤。 - 【請求項3】 ヒドロキシアルキルセルロースとジカル
ボン酸とのエステルおよびその誘導体がヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレートおよびヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースアセテートサクシネートから選ば
れる少なくとも1種の化合物である請求項2記載の製
剤。 - 【請求項4】 アクリル酸系樹脂がメタアクリル酸・ア
クリル酸エステルコポリマーおよびメタアクリル酸・メ
タアクリル酸エステルコポリマーから選ばれる少なくと
も1種の化合物である請求項2記載の製剤。 - 【請求項5】 局所療法製剤が点眼剤、点耳剤および点
鼻剤である請求項1、2、3または4記載の製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18775793A JPH06100436A (ja) | 1992-08-03 | 1993-07-29 | 局所療法製剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-206640 | 1992-08-03 | ||
JP20664092 | 1992-08-03 | ||
JP18775793A JPH06100436A (ja) | 1992-08-03 | 1993-07-29 | 局所療法製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100436A true JPH06100436A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=26504539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18775793A Withdrawn JPH06100436A (ja) | 1992-08-03 | 1993-07-29 | 局所療法製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06100436A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016006702A1 (ja) * | 2014-07-11 | 2016-01-14 | 富士フイルム株式会社 | 眼科用水性組成物 |
-
1993
- 1993-07-29 JP JP18775793A patent/JPH06100436A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016006702A1 (ja) * | 2014-07-11 | 2016-01-14 | 富士フイルム株式会社 | 眼科用水性組成物 |
JPWO2016006702A1 (ja) * | 2014-07-11 | 2017-04-27 | 富士フイルム株式会社 | 眼科用水性組成物 |
US9872910B2 (en) | 2014-07-11 | 2018-01-23 | Fujifilm Corporation | Aqueous ophthalmic composition |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001003 |