JPH0594956A - 気相成長装置とそれを用いた気相成長方法 - Google Patents
気相成長装置とそれを用いた気相成長方法Info
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- JPH0594956A JPH0594956A JP4076480A JP7648092A JPH0594956A JP H0594956 A JPH0594956 A JP H0594956A JP 4076480 A JP4076480 A JP 4076480A JP 7648092 A JP7648092 A JP 7648092A JP H0594956 A JPH0594956 A JP H0594956A
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Abstract
い薄膜成長が可能で、ブロックバルブのライン数を少な
くすることを実現した気相成長装置を提供する。 【構成】 ガス供給ラインA70,B71,C72はそ
れぞれAsH3プロセスラインA62,B65,C68
とバランスラインA61,B64,C67とで構成され
る。バランスラインA61,B64,C67によってガ
ス供給ラインA70,B71,C72,ダミーライン6
2の粘度流量積は等しくなる。成膜時において、AsH
3(A),AsH3(B),AsH3(C)のガスを使用
しない場合にのみ、ダミーライン62をメインラインに
接続すればよく、1本のダミーラインでメインライン1
のガスの圧力変動を生じない気相結晶成長装置の構成を
得る。
Description
ンに対して1本のダミーラインで対応するために、異な
る組成の材料を積層する場合に開閉するバルブ数を半減
し、バルブの切り替えに伴うメインラインの圧力変動を
抑制することで界面急峻性に優れた超薄膜の形成を可能
としたと共に、高価なブロックバルブの数を著しく減少
させたことで安価で機器構成がシンプルでありながら、
極めて安定した結晶性を有し界面急峻性に優れた超薄膜
の形成を実現した気相成長装置およびそれを用いた気相
成長方法に関するものである。
(末松他、シ゛ャーナル オフ゛ クリスタル ク゛ロース J.Cryst. Growth,9
3,353(1988))。1は原料ガスを結晶成長室に供給するメ
インライン、2は結晶成長に必要ないガスを排出するた
めのベントライン、4,6,8,10,12,14はガ
スのメインライン1への流れを制御するエアバルブ、
5,7,9,11,13,15はガスのベントライン2
への流れを制御するエアバルブ、20,22,23,2
5,26,28はガス流量を100,100,180,
180,90,90ccmに制御するマスフローコント
ローラ、62はAのガスを供給するプロセスガスライン
であるガスラインA、60は、ガスラインAと流量の等
しい水素を供給するダミーラインA、65はBのガスを
供給するプロセスガスラインであるガスラインB、63
はガスラインBと流量の等しい水素を供給するダミーラ
インB、68はCのガスを供給するプロセスガスライン
であるガスラインC、66はガスラインCと流量の等し
い水素を供給するダミーラインCである。
ミーラインA,B,Cはそれぞれバルブ4〜15を介して
メインライン1とベントライン2の両方につながってい
る。
長装置においてその動作を説明する。結晶成長にAのガ
スを必要としない場合にはガスラインAのバルブ6は閉
でありバルブ7は開の状態にある。その結果ガスAはベ
ントラインに供給され結晶成長に寄与しないこととな
る。一方、ガスラインAと等しい流量に調整されたダミ
ーラインAのバルブ4は開でありバルブ5は閉である。
その結果ガスAと等しい流量の水素ガスがメインライン
に供給されることとなる。今、ガスAをメインラインに
供給する場合には、ガスラインAをメインラインに、ガ
スラインBをベントラインに接続すればよい。従って、
同時にバルブ4、7を閉にし5、6を開にすればよいこ
とになる。
供給されるガスの流量に変化が無いためメインラインに
供給されるガスのトータルガス流量は一定となり、流量
変動により誘起されるメインラインのガスの圧力の変動
が抑制される。メインラインのガスの圧力が安定してい
るということは、供給するガスの流量が極めて小さい場
合に非常に重要となる。
流量の大きいガスラインをメインラインに接続した場合
メインラインのガス流量が増大することにより、メイン
ラインのガスの圧力が増大する。その結果、流量の小さ
いガスラインにおいては、ガスがメインラインからプロ
セスガスラインへ逆流する。特に、極めて薄い結晶例え
ば量子井戸構造を作製しようとした場合、数秒おきにガ
ス流の切り替えをする必要があるが、この場合にガスの
逆流が生ずるとバルブの切り替えのタイミングと実際に
供給されるガスの流れとではタイミングがずれてしま
い、結晶界面でそれぞれの結晶組成の変動を生じてしま
う。(以降はこの状態をさして、ガスの切れが悪いため
に結晶の界面急峻性が悪いと表現する。)以上に示した
ように界面急峻性に優れた結晶薄膜を得るためにはプロ
セスガスラインと等しい流量の水素のダミーラインが必
要とされてきた。
量が小さいことに問題があり、ガスの流量を一定以上に
保つため、図6に示した様に流量の小さいプロセスガス
ラインに対して、水素の希釈ラインを接続する方法が採
られてきた。
ンライン、2は結晶成長に必要ないガスを排出するため
のベントライン、6,10,14はガスのメインライン
1への流れを制御するエアバルブ、7,11,15はガ
スのベントライン2への流れを制御するエアバルブ、3
は6,7,10,11,14,15のエアバルブを一つ
のブロック状の台座に近接して組み込んだブロックバル
ブ、21,22,25,28はそれぞれ流量を200,
1,100,200に制御するマスフローコントロー
ラ、62はAのガスを供給するガスラインA、61はガ
スラインAを希釈するための水素を供給する希釈ライン
A、65はBのガスを供給するガスラインB、68はC
のガスを供給するガスラインCである。
長装置装置においてその動作を説明する。結晶成長にA
のガスを必要としない場合にはガスラインA62のバル
ブ6は閉でありバルブ7は開の状態にある。その結果ガ
スAはベントラインに供給され結晶成長に寄与しないこ
ととなる。メインライン1へ大流量の例えば成分ガスと
してアルシンが供給された場合、ガスの切り替えにとも
なうメインラインのガス圧力の上昇による影響をガスの
流量が著しく小さいガスラインAは直接的に受けてメイ
ンライン1中を流れているガスがガスラインA62内に
逆流する。このメインラインからのガスの逆流を防ぐた
めにガスラインA62の流量を増加する必要がある。そ
のためにガスラインAに対して水素を供給しガスAを希
釈してガス流量を増加させて、圧力上昇にともなうガス
の逆流を防止することができる。結晶成長にガスAを必
要とする場合には、ガスラインAをメインラインに接続
すればよい。従って、同時にバルブ7を閉にし6を開に
すればよいことになる。
力変動は若干生ずるが、メインラインのガスがガスライ
ンAへ逆流することはない。希釈ガスラインを必要とす
るガスラインは流量が少ないためにダミーラインは設置
されない。
ブをメインラインにできるだけ近づけてコンパクトに集
積化し、ブロックバルブ内のメインラインの容積をきわ
めて小さくしておりガスの滞留によるガスの緩やかな組
成変化を抑制するものである。界面急峻性を得るにはガ
スの組成が急激に変化する必要があるが、そのためには
メインラインの容積をできるだけ小さくしガスの滞留を
防止する必要がある。
な構成では、各プロセスラインに対してそれぞれダミー
ラインが必要となるためブロックバルブに供給するライ
ン数としてはプロセスガスラインの2倍のラインが必要
となる。つまり、ガスラインAからガスラインBへ切り
替える場合、バルブ4〜11の合計8個のバルブを切り
替える必要がありバルブ制御性の僅かのずれからメイン
ラインの圧力変動を生じてしまう。
価が高価であるためにできるだけブロックバルブのライ
ン数を減らす必要もあった。
のライン数は少ないが、メインラインに圧力変動を生じ
てしまい、精度のよい超薄膜の作製は不可能である。安
定した結晶の膜厚制御性を得ようとした場合には流量調
整用の希釈ラインに加えてそれぞれのプロセスラインに
対してメインガス圧力を安定化するダミーラインが必要
となり、図5と同様な構成となり、結局ブロックバルブ
のライン数を減少させることはできないという問題点を
有していた。
インと各プロセスガスラインに対して供給ガスの粘度流
量積を一定とするために必要なガスを不活性ガス例えば
水素として供給するバランスラインより構成されるガス
供給ラインを用いることで、同時に成長室にガスを供給
しない複数のガス供給ラインの粘度流量積を一定とす
る。このガス供給グループに対しては、ダミーラインは
1本でよい。従って、ダミーラインは(グループ内のガ
ス供給ラインの数−1)本設置する必要がなくなり、ブ
ロックバルブの数も(グループ内のガス供給ラインの数
−1)個減少する。その結果として、極めて安定した結
晶性を有し、界面急峻性に優れた超薄膜を形成を可能と
したばかりでなく、高価なブロックバルブの必要ライン
数を約半分に減少する事で安価でありバルブ構成がシン
プルなガス供給ラインにより構成される気相成長装置を
提供することを目的とする。
するため、プロセスガスを供給するプロセスガスライン
と、前記プロセスガスラインに流量調節ガスを供給する
バランスラインと、前記プロセスガスラインと前記バラ
ンスラインとからなるガス供給ラインと、流量調節ガス
を供給するダミーラインとを含むガス供給グループで構
成され、前記ガス供給グループ内の前記ガス供給ライン
は互いに同時にメインラインへプロセスガスを供給しな
い気相成長装置とする。
量積が等しくなるようにバランスラインの流量を調節す
る工程と、成長に必要な前記ガス供給ラインのプロセス
ガスをメインラインへ供給する工程と、全ての前記ガス
供給ラインのプロセスガスを前記メインラインに供給し
ていないときにのみ前記ダミーラインより前記メインラ
インにガスを供給する工程とを有する気相成長方法とす
るものである。
粘度流量積を一定にするためにそれぞれのガスラインに
対してガスの粘度流量積が一定の値を取るようなバラン
スラインを設けている。配管内で発生する圧力はΔP=
32・μ・L・u/(g・d・d)であらわされる。こ
こでdは管またはニードルバルブの内径、gは重力加速
度、Lは長さ、μは流体の粘度、uは流体の平均速度で
ある。粘度の異なる流体で同じ圧力差ΔPを発生させる
場合μ・uを等しくする必要がある。但し、流量がレイ
ノルズ数Re=d・u・ρ/μを越える場合には圧力差
ΔP=f・L・ρ・u・u/(2・g・m)となり、流
量の二乗と比重の積であらわされるが便宜上f・ρ・u
・uも粘度流量積として示した。ここで、fは摩擦係数
(Friction factor)、mは動水半径(Hydraulic mea
n depth)、ρは流体の密度である。バランスラインに
より供給するガスは不活性ガスであれば問題なく、例え
ば水素や窒素等が適当である。このバランスラインによ
りブロックバルブに流入する各ガス供給ラインの粘度流
量積は一定となる。ガス供給グループとしては同時にメ
インラインにガスを流入することの無いガスラインであ
る同じ成分のガスラインが一例としてあげられる。例え
ば、図3に示したようにInGaAsP(λg=1.3μ
m)とInGaAsの量子井戸構造およびInGaAs
P(λg=1.0μm)の導波路層を作製する場合のTEG
ガス供給ラインのグループであるTEGグループ50に
ついて図2に示す。TEGの流量としてはTEGガス供
給ラインA81,B84,C86それぞれ100ccm
と160ccmと30ccmが必要であり、この2種類
の流量のガスはそれぞれ異なったTEGバブラーからそ
れぞれ100ccmと160ccmと30ccmに流量
設定された個別のマスフローコントローラを通して供給
される。量子井戸層それぞれの層に対して一つのプロセ
スガスラインのマスフローコントローラで流量をかえな
がら成長した場合にはそれぞれの層の成長時間が10秒
程度なのに対して、マスフローコントローラの流量が1
秒程度の調整期間を経て安定することより良好な界面急
峻性得られない。ここで、ガスの供給量をそれぞれ10
0ccm,160ccm,30ccmに固定して供給し
た場合にはそれぞれの流量に対応して100ccm,1
60ccm,30ccmのダミーラインがそれぞれ必要
となってくる。しかしながら、TEGガスラインに対し
てそれぞれ100ccm,40ccm,170ccmの
バランスラインA80,B83,C85を設けて、ガス
ラインにそれぞれの流量の水素ガスを混合することで、
TEGガスラインの流量とバランスラインの流量の和で
あるガス供給ラインA87,B88,C89の流量とし
てそれぞれ200ccの混合ガスを供給することにな
る。この場合、2つの濃度のTEGガスは同時に供給す
ることはないため、成長室にTEGガスを供給しないと
きにのみダミーライン83から200ccの水素を供給
すれば良い。導波路層と量子井戸構造を作製する場合に
はそれぞれの濃度のTEGガスを切り替えて使用するた
め、ダミーラインは成長室に接続する必要はない。この
ように、従来であればTEGガスライン3系統に対して
ダミーラインが3系統必要となるため、計6系統12バ
ルブのバルブブロックが必要となっていた。しかしなが
ら、それぞれ同時に使用しないガスの流量をバランスラ
インで等しくすることによりダミーラインは1系統でよ
く、4系統8バルブのブロックバルブとなりバルブ数は
2/3に低減される。特に、ダミーラインが1系統とな
るためガスライン間でバルブを切り替える場合にはそれ
ぞれのプロセスガスラインに対応するダミーラインのバ
ルブを切り替える必要がなくなる。従って異なる結晶を
成長する場合に、結晶界面において切り替えるバルブ数
が半減し、メインラインの圧力変動が抑制される。
ンにてブロックバルブ数の低減効果が大きい。図1に示
したように、InP系結晶成長を行う場合、ドーパント
としてはDMZn,DEZn,H2Se,H2S、SiH
4,CpMg,などが用いられる。これらのドーパント
に対してそれぞれにダミーラインを設定した場合には、
6系統のダミーラインが必要となり、12系統のバルブ
ブロックが必要となる。しかしながら、それぞれのドー
パントに対してガス供給ラインの流量が等しくなるよう
にバランスラインにより水素ガスを供給した場合1系統
のダミーラインで充分となり、7系統のバルブブロック
構成でき、5系統のバルブブロックを他のガスの供給用
として使用することが可能となる。バルブブロックの1
ライン当りの価格は、1個のマスフローコントローラの
価格の3倍程度であるため、追加のマスフローコントロ
ーラを含めたバルブブロック系の価格は従来の70%程
度となる。以上、成長室へのガスの切り替えバルブとし
てバルブブロックとしたがバルブの価格がマスフローコ
ントローラの価格に対して高価である場合にも同様に有
効である。
装置の構成図を示すものである。
に供給するメインライン、2は結晶成長に必要ないガス
を排出するためのベントライン、4はガスのメインライ
ン1への流れを制御するエアバルブ、5はガスのベント
ライン2への流れを制御するエアバルブ、3は4,5の
エアバルブを一つのブロック状の台座に近接して組み込
んだブロックバルブ、10はガス流量を制御するマスフ
ローコントローラ、50はTEGaグループ、51はA
sH3グループ、52はTMIグループ、53はPH3グ
ループ、54はドーパントグループである。
P MQWレーザ構造を結晶成長するにはAsH3グル
ープ、PH3グループ、TEGa(トリメチルガリウ
ム)グループ、TMI(トリメチルインジウム)グルー
プ、ドーパントグループをそれぞれブロックバルブに接
続した結晶成長装置が必要となる。すなわち、結晶成長
中に同種のガスを同時にメインラインに供給しないガス
として、濃度が同じであっても流量が異なるAsH3グ
ループ,PH3グループ,TEGaグループ,TMIグ
ループがあり、p型ドーパントとn型ドーパントを併せ
てドーピングする事がないために各種ドーパントグルー
プ等があげられる。このTEGaなどのプロセスガスは
バランスラインにてグループ内の他の供給ガスと流量が
同じになるように混合・調節される。その結果、異なる
結晶を連続して成長するときにはそれぞれの結晶に必要
な濃度のガス供給ライン同士でバルブを切り替えてガス
を供給すればよいことになる。この場合、いずれのガス
供給ラインの場合でも粘度流量積が等しくなっているの
で流量調節用のダミーラインのバルブを切り替える必要
はなく、その成分のガスを利用しない結晶を結晶を成長
する場合にのみダミーラインをメインラインに接続すれ
ばメインラインの圧力は変動しない。
に圧力変動を生じやすく、従来の方法では良好な界面が
得られない原因となったAsH3ガスを供給するAsH3
ガス供給ライングループ51を代表として説明する。
61、AsH3(A)プロセスライン62(以下プロセ
スラインをPLと略す)、ダミーライン60、バランス
ラインB64、AsH3(B)PL65、バランスライ
ンC67、AsH3(C)PL68からなっている。ま
たバランスラインA61とAsH3(A)PL62がつ
ながってガス供給ラインA70を、バランスラインB6
4とAsH3(B)PL65がつながってガス供給ライ
ンB71、バランスラインC67とAsH3(C)PL
68がつながってガス供給ラインC72を構成してい
る。
00ccm,21が181ccm,22が77ccm,
24が15ccm,25が200ccm,27が260
cccm,28が20ccmとなっている。
についての動作を説明する。AsH3(A)PL62に
20%−AsH3ガス77ccmを流し、バランスライ
ンA61には水素ガスを181ccm流す。これらのガ
スはガス供給ラインA70で混合される。同様にAsH
3(B)PL65には20%−AsH3ガス200scc
m、バランスラインB64には水素ガスを15ccm流
す。これらのガスはガス供給ラインB71で混合され
る。AsH3(C)PL68には10%−AsH3ガス2
0sccm、バランスラインC67には水素ガスを26
0ccm流す。これらのガスはガス供給ラインC72で
混合される。バランスラインA61,B64,C67の
流量はガス供給ラインA70,B71,C72とダミー
ライン60の粘度流量積が等しくなるようにそれぞれ設
定されている。
H3(B)65,AsH3(B)68の流量が異なる理
由を以下に示す。異なる組成の結晶を連続して成長する
場合に、成長する結晶の組成に合わせて1つのプロセス
ラインだけでマスフローの流量を変化させた場合には、
マスフローコントローラの流量が安定するまでに時間が
かかり良好な界面急峻性は得られない。そこで、それぞ
れの結晶に必要なAsH3 の流量をあらかじめ独立した
ラインとして設定しておきそれぞれの組成の結晶に対し
てラインを切り替えることで界面急峻性に優れた結晶を
得る必要がある。
制御方法を表1を用いて述べる。井戸層43とバリア層
42よりなる量子井戸構造を得るにはTEGaとAsH
3の流量をそれぞれの結晶に対応して変化させる必要が
あるが、ここでは特に、AsH3のバルブ制御方法につ
いて示す。
nGaAsP(λ=1.0μm)導波路層41、InG
aAsP(λ=1.3μm)をバリア層42としInG
aAsを井戸層43とした量子井戸構造、p−InPク
ラッド層44を含むレーザ構造を示している。
るに際して、AsH3ガスの制御について詳しく説明す
る。AsH3ガスは、導波路層41,バリア層42,井戸
層43のそれぞれを成長させる時には異なった組成のガ
スが必要となる。InGaAsP(λg=1.3μm)
バリア層42と、InGaAs井戸層43よりなる量子
井戸構造を作製する場合のAsH3ガスの制御として
は、InGaAsP導波路層41成長時にはプロセスガ
スCとして10%AsH3を20ccm、InGaAs
Pバリア層42成長にはプロセスガスAとして20%ー
AsH3ガスを77ccm、InGaAs井戸層43成
長時にはプロセスガスBとして20%ーAsH3ガスを2
00ccm供給する必要がある。各膜厚をそれぞれ15
0nm,10nm,6nmと設定した場合ガスの供給時
間はそれぞれ8分34秒,20秒,8秒であり1つのプ
ロセスラインだけでマスフローコントローラを用いて流
量を変化させた場合には流量が安定するまで2秒程度の
時間を要する。この時間は5原子層の堆積時間に匹敵す
るため界面の急峻性が悪化する。したがって、AsH 3
に対して3系統のガス流量をもつプロセスガスA,B,
Cを設定しておく必要がある。すなわち、ガスAとして
77ccmの20%ーAsH3,ガスBとして200cc
mの20%ーAsH3,ガスCとして20ccmの10%
ーAsH3がそれぞれ対応する。
の流量を一定とするためのバランスラインの水素の流量
は、それぞれ181ccm,15ccm,260ccm
である。混合ガスの全流量は258ccm,215cc
m,280ccmとなる。このときのダミーラインの水
素ガス流量は300sccmである。混合ガスの流量が
ダミーラインのガスの流量と異なるのは、AsH3ガス
が粘性が帯びているためで、このガスの粘性の影響はP
H3やAsH3の様に高い濃度で100ccm以上の流量
を流す場合に特に問題となり、例えば、ダミーライン3
00ccmに対して、100%PH3は179ccm程
度となる。
長するのに先立つ基板温度上昇時にはPH3のみ供給
し、AsH3ガスは必要ないためメインラインにはダミ
ーライン60の水素を供給しておき、ガス供給ラインA
70,B71,C72はベントラインに接続しておく。
バルブは4,7,11,15が開で5,6,10,14
が閉である。昇温後導波路層41を成長するが、この場
合はダミーラインをベントラインに接続すると同時にラ
インCをメインラインに接続する必要がある。すなわ
ち、バルブは同時に4,15を閉にし、5,14を開に
する。次に、バリア層42を成長する。ガス供給ライン
Cをベントラインに接続すると同時にガス供給ラインA
をメインラインに接続する必要がある。すなわち、バル
ブは同時に7,14を閉にし、6,15を開にする。次
に井戸層43を成長する。ガス供給ラインA70をベン
トラインに接続し、ガス供給ラインB71をメインライ
ンに接続する。バルブは同時に6,11を閉にし、7,
10を開にする。以降、量子井戸構造の成長が終了する
までラインAとラインBの切り替えを10数回繰り返す
ことになる。以上の操作において、メインラインとベン
トラインに供給されるガスの粘度流量積に変化が無いた
め、バルブ切り替えによるメインラインのガスの圧力の
変動はほとんど生じないことになる。
バランスライン93による水素の供給は、例えばドーピ
ングガスであるH2Se94ように供給するガスの流量
が15sccmと極めて小さい場合に希釈ラインと同様
の効果を示す。ドーピングガスの場合、ガス供給ライン
A91としては200ppmのDMZnが134scc
mの流量で供給されており、バランスライン90は水素
が64sccmの流量で供給されているとする。ダミー
ライン92は100%水素を200sccm供給してい
る。DMZnとバランス用水素の合計の流量が198c
cmとなるが、これはDMZnガスに粘性があるために
メインラインの中を流れる時に流れに抵抗を生じ圧力を
招くためその分の流量を前もって減少させてある。ガス
供給ラインB94としては100ppmのH2Seが1
5sccmの流量で供給されており、バランスライン9
3は水素が185sccmの流量で供給している。H2
Seを添加したn−InP結晶を成長した後さらにH2
Seを添加したn−InGaAsPを成長する場合、P
H3のガス流量は300sccmから100sccmへ
と大きく変化する。その場合、ガスの切り替え時間であ
る0.05-0.07秒間はメインラインのガス流量が微妙に変
動する。その結果、流量の小さいH2Seラインだけの
場合は、ガスがメインラインから逆流する可能性があ
る。他のドーピングガスと同様にバランスラインを18
5sccmとすることでメインラインに供給されるガス
の流量は200sccmとなり逆流は生じない。
ーケンスを示す。特に急峻性が重要となるバリア層42
と井戸層43の10回程度に及ぶ繰り返し成長時に於
て、本発明によりバルブ操作は1/2回に簡略化された
ことがわかる。
びベントライン2は200Torrの減圧状態になって
おり、成長室は70Torrの減圧状態となっていると
した。その結果、メインラインおよびベントラインの圧
力変動は10torrから2torr以下へ減少し、結
晶の界面急峻性は1.5nmから0.5nm以下へ低減
した。
使用することの無い各プロセスガスラインそれぞれに各
供給ガスラインの粘度流量積を等しくするバランスライ
ンを設けることにより、プロセスガスそれぞれに必要で
あったダミーラインを1本とするとともに、同時に切り
替えるバルブ数を半減し結晶性及び界面急峻性を向上さ
せることができる。
インとしたが同時に流さないプロセスガスグループであ
ればどの様なガスであってもよい。また、成長する結晶
はInP系としたがとしたGaAs系、他の化合物半導
体、酸化物系、絶縁膜系など他の気相成長としてもよ
い。また、バランスラインおよびダミーラインとして水
素を供給するとしたがその他の不活性ガスでもよい。ま
た、成長室へのガスの切り替えバルブとしてブロックバ
ルブとしたが通常のバルブであっても他の構造のバルブ
であってもよい。プロセスガスとして有機金属ガスを用
いたが、ハイドライド、シランなどの半導体および超伝
導材料用プロセスガスであってもよい。
薄膜形成時にバルブの切り替え回数を半減することで界
面急峻性に優れた超薄膜の形成を可能としただけでな
く、高価なブロックバルブの必要ライン数を著しく減少
させたことで安価であり機器構成がシンプルでありなが
ら極めて安定した結晶を作製しうる気相成長装置を提供
することができ、その実用的効果はきわめて大きい。
成図
EGaグループの構成図
sH3グループの構成図
を示す図
Claims (3)
- 【請求項1】プロセスガスを供給するプロセスガスライ
ンと、前記プロセスガスラインに流量調節ガスを供給す
るバランスラインと、前記プロセスガスラインと前記バ
ランスラインとからなるガス供給ラインと、流量調節ガ
スを供給するダミーラインとを含むガス供給グループで
構成され、前記ガス供給グループ内の前記ガス供給ライ
ンは互いに同時にメインラインへプロセスガスを供給し
ないことを特徴とする気相成長装置。 - 【請求項2】バランスラインにより、ダミーラインと等
しい粘度流量積に調節されたガス供給ラインで構成され
たことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。 - 【請求項3】ダミーラインとガス供給ラインの、粘度流
量積が等しくなるようにバランスラインの流量を調節す
る工程と、成長に必要な前記ガス供給ラインのプロセス
ガスをメインラインへ供給する工程と、全ての前記ガス
供給ラインのプロセスガスを前記メインラインに供給し
ていないときにのみ前記ダミーラインより前記メインラ
インにガスを供給する工程とを有することを特徴とする
の気相成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7648092A JP2646931B2 (ja) | 1991-04-11 | 1992-03-31 | 気相成長装置とそれを用いた気相成長方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7888391 | 1991-04-11 | ||
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