JPH059307A - 防水シート - Google Patents
防水シートInfo
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- JPH059307A JPH059307A JP18805091A JP18805091A JPH059307A JP H059307 A JPH059307 A JP H059307A JP 18805091 A JP18805091 A JP 18805091A JP 18805091 A JP18805091 A JP 18805091A JP H059307 A JPH059307 A JP H059307A
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- JP
- Japan
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- weight
- thermoplastic elastomer
- parts
- waterproof sheet
- compound
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- Pending
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 長期間にわたって良好な耐候性を有する防水
シートを提供する。 【構成】 (a) オレフィン系熱可塑性エラストマー10〜
35重量%と、(b) 結晶性ポリオレフィン65〜90重量%
と、前記(a) +(b) 100 重量部に対して、(c) 無機フィ
ラー40重量部以下、及び(d) 以下に示す三種類の添加剤 (イ)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜1.0 重量
部、(ロ)ベンゾトリアゾール系化合物0.01〜1.0 重量
部、及び(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾエ
ート系化合物0.01〜1.0 重量部を含有する熱可塑性エラ
ストマー組成物から成形された防水シート。
シートを提供する。 【構成】 (a) オレフィン系熱可塑性エラストマー10〜
35重量%と、(b) 結晶性ポリオレフィン65〜90重量%
と、前記(a) +(b) 100 重量部に対して、(c) 無機フィ
ラー40重量部以下、及び(d) 以下に示す三種類の添加剤 (イ)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜1.0 重量
部、(ロ)ベンゾトリアゾール系化合物0.01〜1.0 重量
部、及び(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾエ
ート系化合物0.01〜1.0 重量部を含有する熱可塑性エラ
ストマー組成物から成形された防水シート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマー組
成物から成形された防水シートに関し、さらに詳しく
は、良好な耐候性を有する防水シートに関する。
成物から成形された防水シートに関し、さらに詳しく
は、良好な耐候性を有する防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑
性エラストマーは、ゴムとプラスチックの中間領域を埋
める材料として、あるいはゴムの代替材料として、自動
車部品等の各種工業製品に広く使用されている。また、
種々の建設現場で用いられているいわゆる土木用のシー
トを始めとする各種防水シートにも、この熱可塑性エラ
ストマーが利用されている。なお、土木工事の防水施工
法に用いる防水シートとしては、加硫ゴムを主成分とし
た組成物から形成したもの、熱可塑性エラストマー組成
物から形成したもの等がある。
性エラストマーは、ゴムとプラスチックの中間領域を埋
める材料として、あるいはゴムの代替材料として、自動
車部品等の各種工業製品に広く使用されている。また、
種々の建設現場で用いられているいわゆる土木用のシー
トを始めとする各種防水シートにも、この熱可塑性エラ
ストマーが利用されている。なお、土木工事の防水施工
法に用いる防水シートとしては、加硫ゴムを主成分とし
た組成物から形成したもの、熱可塑性エラストマー組成
物から形成したもの等がある。
【0003】防水シートは、産業廃棄物処理場や農業用
溜池、ゴルフ場等の池など屋外で広く使用されている
が、このような屋外での使用においては紫外線による劣
化が問題となる。紫外線による劣化を防止するために、
通常、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、又はサリチ
ル酸エステル系等の耐候安定剤が防水シート製造用の樹
脂組成物中に添加される。また、耐候性のみならず、成
形性やその他の物性を向上するために、合成ゴム成分や
各種無機充填剤も添加される。
溜池、ゴルフ場等の池など屋外で広く使用されている
が、このような屋外での使用においては紫外線による劣
化が問題となる。紫外線による劣化を防止するために、
通常、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、又はサリチ
ル酸エステル系等の耐候安定剤が防水シート製造用の樹
脂組成物中に添加される。また、耐候性のみならず、成
形性やその他の物性を向上するために、合成ゴム成分や
各種無機充填剤も添加される。
【0004】しかしながら、熱可塑性エラストマーに合
成ゴムや各種無機充填剤等を添加した場合、トリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系、又はサリチル酸エステル系等
の耐候安定剤を添加したとしても耐候性が向上しないこ
とがあった。また、ある程度の耐候性が付与されたとし
ても、それは長期間持続するものではなかった。
成ゴムや各種無機充填剤等を添加した場合、トリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系、又はサリチル酸エステル系等
の耐候安定剤を添加したとしても耐候性が向上しないこ
とがあった。また、ある程度の耐候性が付与されたとし
ても、それは長期間持続するものではなかった。
【0005】したがって本発明の目的は、長期間にわた
って良好な耐候性を有する防水シートを提供することで
ある。
って良好な耐候性を有する防水シートを提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーと、結晶性ポリオレフインと、無機フィラーとをそ
れぞれ特定量配合するとともに、さらに、特定の三種類
の化合物を特定量だけ添加した組成物からなる防水シー
トは、長期間にわたって良好な耐候性を保持することを
発見し、本発明に想到した。
の結果、本発明者らは、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーと、結晶性ポリオレフインと、無機フィラーとをそ
れぞれ特定量配合するとともに、さらに、特定の三種類
の化合物を特定量だけ添加した組成物からなる防水シー
トは、長期間にわたって良好な耐候性を保持することを
発見し、本発明に想到した。
【0007】すなわち本発明の防水シートは、(a) オレ
フィン系熱可塑性エラストマー10〜35重量%と、(b) 結
晶性ポリオレフィン65〜90重量%と、前記(a) +(b) 10
0 重量部に対して、(c) 無機フィラー40重量部以下、及
び(d) 以下に示す三種類の添加剤 (イ)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜1.0 重量
部、(ロ)ベンゾトリアゾール系化合物0.01〜1.0 重量
部、及び(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾエ
ート系化合物0.01〜1.0 重量部を含有する熱可塑性エラ
ストマー組成物から成形されたことを特徴とする。
フィン系熱可塑性エラストマー10〜35重量%と、(b) 結
晶性ポリオレフィン65〜90重量%と、前記(a) +(b) 10
0 重量部に対して、(c) 無機フィラー40重量部以下、及
び(d) 以下に示す三種類の添加剤 (イ)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜1.0 重量
部、(ロ)ベンゾトリアゾール系化合物0.01〜1.0 重量
部、及び(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾエ
ート系化合物0.01〜1.0 重量部を含有する熱可塑性エラ
ストマー組成物から成形されたことを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明の防水シートの原料となる熱可塑性エラストマー組成
物の各成分について説明する。
明の防水シートの原料となる熱可塑性エラストマー組成
物の各成分について説明する。
【0009】(a) オレフィン系熱可塑性エラストマー
本発明に使用する(a) オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーとは、オレフィン系共重合体ゴムと、ポリオレフィン
とを動的に熱処理し、部分的に架橋させたものである。
ーとは、オレフィン系共重合体ゴムと、ポリオレフィン
とを動的に熱処理し、部分的に架橋させたものである。
【0010】オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造
に用いるオレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-ペ
ンテン等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共重合
体ゴムが挙げられる。この共重合体ゴムとしては、典型
的にはエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン
−プロピレン共重合体ゴム(EPR)及びエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) 等が挙げられる。エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM) 中のジエ
ンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエ
ン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン等の非
共役ジエン又はブタジエン、イソプレン等の共役ジエン
を使用することができる。
に用いるオレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-ペ
ンテン等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共重合
体ゴムが挙げられる。この共重合体ゴムとしては、典型
的にはエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン
−プロピレン共重合体ゴム(EPR)及びエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) 等が挙げられる。エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM) 中のジエ
ンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエ
ン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン等の非
共役ジエン又はブタジエン、イソプレン等の共役ジエン
を使用することができる。
【0011】このようなオレフィン系共重合体ゴム中の
エチレンの含有量は20〜90重量%であり、好ましくは35
〜80重量%である。エチレンの含有量が20重量%未満、
あるいは90重量%を超えると、エラストマーとしての性
質の発現が困難となる。またヨウ素価(不飽和度)は30
以下であり、ムーニー粘度ML1+8 (127℃) は5〜300で
あるのが好ましい。このようなオレフィン系共重合体ゴ
ムの結晶化度は、通常40重量%以下である。
エチレンの含有量は20〜90重量%であり、好ましくは35
〜80重量%である。エチレンの含有量が20重量%未満、
あるいは90重量%を超えると、エラストマーとしての性
質の発現が困難となる。またヨウ素価(不飽和度)は30
以下であり、ムーニー粘度ML1+8 (127℃) は5〜300で
あるのが好ましい。このようなオレフィン系共重合体ゴ
ムの結晶化度は、通常40重量%以下である。
【0012】次に、オレフィン系熱可塑性エラストマー
の製造に用いることのできるポリオレフィンとしては、
アイソタクチックポリプロピレン、プロピレンと他のα
−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン−エチ
レン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロ
ピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチ
ル−1−ペンテン共重合体などを用いることができる。
の製造に用いることのできるポリオレフィンとしては、
アイソタクチックポリプロピレン、プロピレンと他のα
−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン−エチ
レン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロ
ピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチ
ル−1−ペンテン共重合体などを用いることができる。
【0013】上記したオレフィン系共重合体ゴムと、ポ
リオレフィンとからオレフィン系熱可塑性エラストマー
を製造するが、上述の二成分に加えて、臭素化ブチルゴ
ム、鉱物油系の軟化剤等を適宜添加し、有機パーオキサ
イドにより部分架橋して、適当な柔軟性を有するエラス
トマーを得る。
リオレフィンとからオレフィン系熱可塑性エラストマー
を製造するが、上述の二成分に加えて、臭素化ブチルゴ
ム、鉱物油系の軟化剤等を適宜添加し、有機パーオキサ
イドにより部分架橋して、適当な柔軟性を有するエラス
トマーを得る。
【0014】オレフィン系共重合体ゴムと、ポリプロピ
レンと、臭素化ブチルゴムと、鉱物油系の軟化剤とを用
いてオレフィン系エラストマーとする場合には、その配
合量を以下の通りとするのがよい。すなわち、ポリプロ
ピレン10〜100 重量部に、臭素化ブチルゴム0〜90重量
部と、ポリプロピレン+臭素化ブチルゴムの合計100 重
量部に対して、オレフィン系共重合体ゴム10〜120 重量
部、好ましくは20〜100 重量部と、ポリプロピレン+臭
素化ブチルゴムの合計100 重量部に対して、鉱物油系の
軟化剤10〜150 重量部、好ましくは20〜120 重量部とを
混合する。
レンと、臭素化ブチルゴムと、鉱物油系の軟化剤とを用
いてオレフィン系エラストマーとする場合には、その配
合量を以下の通りとするのがよい。すなわち、ポリプロ
ピレン10〜100 重量部に、臭素化ブチルゴム0〜90重量
部と、ポリプロピレン+臭素化ブチルゴムの合計100 重
量部に対して、オレフィン系共重合体ゴム10〜120 重量
部、好ましくは20〜100 重量部と、ポリプロピレン+臭
素化ブチルゴムの合計100 重量部に対して、鉱物油系の
軟化剤10〜150 重量部、好ましくは20〜120 重量部とを
混合する。
【0015】なお、有機パーオキサイドの添加は、上記
の各成分の合計100 重量部に対して、0.1 〜5 重量部、
好ましくは1〜2重量部とするのがよい。
の各成分の合計100 重量部に対して、0.1 〜5 重量部、
好ましくは1〜2重量部とするのがよい。
【0016】このようなオレフィン系熱可塑性エラスト
マーは、架橋度が5〜60%(エラストマー組成物全体に
対する割合)で、JIS Aによる硬度が50〜95となること
が望ましい。
マーは、架橋度が5〜60%(エラストマー組成物全体に
対する割合)で、JIS Aによる硬度が50〜95となること
が望ましい。
【0017】なお、このオレフィン系熱可塑性エラスト
マーの製造は、以上述べた各成分を混合し、動的に熱処
理、すなわち溶融混練することにより製造することがで
きる。混練装置としては、開放型のミキシングロールや
非開放型のバンバリーミキサー、押出機(二軸も含
む)、ニーダー、連続ミキサー等、従来より公知のもの
を使用しうる。これらのうちでは、非開放型の装置を用
いるのが好ましく、窒素や炭酸ガス等の不活性ガス雰囲
気下で混練するのが好ましい。混練の温度は、ポリオレ
フィン、ハロゲン化ブチルゴム、オレフィン系共重合体
ゴム等の融点に応じて適宜設定する。また、混練時間
は、1〜30分、好ましくは5〜10分とするのがよい。
マーの製造は、以上述べた各成分を混合し、動的に熱処
理、すなわち溶融混練することにより製造することがで
きる。混練装置としては、開放型のミキシングロールや
非開放型のバンバリーミキサー、押出機(二軸も含
む)、ニーダー、連続ミキサー等、従来より公知のもの
を使用しうる。これらのうちでは、非開放型の装置を用
いるのが好ましく、窒素や炭酸ガス等の不活性ガス雰囲
気下で混練するのが好ましい。混練の温度は、ポリオレ
フィン、ハロゲン化ブチルゴム、オレフィン系共重合体
ゴム等の融点に応じて適宜設定する。また、混練時間
は、1〜30分、好ましくは5〜10分とするのがよい。
【0018】(b) 結晶性ポリオレフィン
本発明に使用し得る結晶性ポリオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペン
テン-1等のα−オレフィンの単独重合体、エチレンとプ
ロピレン又は他のα−オレフィンとの非エラストマー性
共重合体、もしくはこれらのα−オレフィンの2種以上
の非エラストマー性共重合体、あるいはこれらの単独重
合体どうし、共重合体どうし、さらには単独重合体と共
重合体とをブレンドしたもの等を用いることができる。
好ましくは、エチレン単独、又はエチレンとプロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン等のα−オレフィン(好まし
くは炭素数4〜8のもの)とを共重合して得られる結晶
性ポリエチレンを用いる。
ン、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペン
テン-1等のα−オレフィンの単独重合体、エチレンとプ
ロピレン又は他のα−オレフィンとの非エラストマー性
共重合体、もしくはこれらのα−オレフィンの2種以上
の非エラストマー性共重合体、あるいはこれらの単独重
合体どうし、共重合体どうし、さらには単独重合体と共
重合体とをブレンドしたもの等を用いることができる。
好ましくは、エチレン単独、又はエチレンとプロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン等のα−オレフィン(好まし
くは炭素数4〜8のもの)とを共重合して得られる結晶
性ポリエチレンを用いる。
【0019】結晶性ポリエチレンの密度は、0.90〜0.97
g/cm3 、好ましくは、0.91〜0.94g/cm3 、メルトイ
ンデックス(MI:190 ℃、2.16kgの荷重、以下メルト
インデックスの項はこれと同じ条件とする) は0.1〜50
g/10分、好ましくは、0.5〜20g/10分である。密度
が0.90g/cm3 未満では、シートにおける引張強度等の
物性値の低下が著しい。また、密度が0.97を超えると、
シートの柔軟性が悪くなるので好ましくない。
g/cm3 、好ましくは、0.91〜0.94g/cm3 、メルトイ
ンデックス(MI:190 ℃、2.16kgの荷重、以下メルト
インデックスの項はこれと同じ条件とする) は0.1〜50
g/10分、好ましくは、0.5〜20g/10分である。密度
が0.90g/cm3 未満では、シートにおける引張強度等の
物性値の低下が著しい。また、密度が0.97を超えると、
シートの柔軟性が悪くなるので好ましくない。
【0020】一方、メルトインデックスが0.1 未満であ
ると、シート成形性が悪くなるので好ましくない。また
メルトインデックスが50を超す値であると、オレフィン
系熱可塑性エラストマーとの混練性が悪化し、好ましく
ない。
ると、シート成形性が悪くなるので好ましくない。また
メルトインデックスが50を超す値であると、オレフィン
系熱可塑性エラストマーとの混練性が悪化し、好ましく
ない。
【0021】このような結晶性ポリオレフィンの配合に
より、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性、
耐熱性、機械的強度、接合力等が向上する。
より、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性、
耐熱性、機械的強度、接合力等が向上する。
【0022】(c) 無機フィラー
本発明では、上記の二種類の成分(a) 、(b) に加えて無
機フィラーを添加する。これによってエラストマー組成
物の熱伝導性を高め、防水シートの接合部の安定性の向
上、接合時間の短縮を図ることができる。
機フィラーを添加する。これによってエラストマー組成
物の熱伝導性を高め、防水シートの接合部の安定性の向
上、接合時間の短縮を図ることができる。
【0023】このような無機フィラーとしては、具体的
には、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、ア
ルミナ、カーボンブラック、クレー、アスベスト、ガラ
ス繊維等が挙げられる。
には、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、ア
ルミナ、カーボンブラック、クレー、アスベスト、ガラ
ス繊維等が挙げられる。
【0024】本発明では、上記した各成分(a) 、(b) 、
及び(c) に、さらに耐候性を向上させるために、以下の
添加剤を加える。(d) 耐候性向上用添加剤 耐候性を向上させるための添加剤としては、(イ)ヒン
ダードフェノール系化合物、(ロ)ベンゾトリアゾール
系化合物、及び(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベ
ンゾエート系化合物とを用いる。
及び(c) に、さらに耐候性を向上させるために、以下の
添加剤を加える。(d) 耐候性向上用添加剤 耐候性を向上させるための添加剤としては、(イ)ヒン
ダードフェノール系化合物、(ロ)ベンゾトリアゾール
系化合物、及び(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベ
ンゾエート系化合物とを用いる。
【0025】上記した三種類の添加剤を用いることによ
り、耐候性の向上を図るとともに、防水シートのひび割
れや退色を防ぐことができる。
り、耐候性の向上を図るとともに、防水シートのひび割
れや退色を防ぐことができる。
【0026】ヒンダードフェノール系化合物としては、
2,6-ジ-t-ブチル-4- メチルフェノール、1,1,3-トリ(2-
メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニル) ブタ
ン、テトラキス〔メチレン(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒド
ロキシヒドロケイ皮酸エステル) 〕メタン、n-オクタデ
シル- β-(4 ′- ヒドロキシ-3′,5′- ジ-t- ブチルフ
ェニル) プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6- ト
リス(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、トリス-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジ
ル)イソシアネート、ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3-(3,5- ジ-t-ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロ
ピオネート等が挙げられる。
2,6-ジ-t-ブチル-4- メチルフェノール、1,1,3-トリ(2-
メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニル) ブタ
ン、テトラキス〔メチレン(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒド
ロキシヒドロケイ皮酸エステル) 〕メタン、n-オクタデ
シル- β-(4 ′- ヒドロキシ-3′,5′- ジ-t- ブチルフ
ェニル) プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6- ト
リス(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、トリス-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジ
ル)イソシアネート、ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3-(3,5- ジ-t-ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロ
ピオネート等が挙げられる。
【0027】また、ベンゾトリアゾール系化合物として
は、2-(2′−ヒドロキシ-5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-5′-t- ブチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ
-5′−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′
−ヒドロキシ-4′- オクトキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2-(2′−ヒドロキシ-3′,5′- ジ-t- ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキ
シ-3′,5′- ジイソアミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2-(2′−ヒドロキシ-3′,5′- ジメチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-3′
-t- ブチル-5′- メチルフェニル)-5-クロロベンゾト
リアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-3′,5′- ジ-t-
ブチルフェニル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-
(2′−ヒドロキシ-3′,5′−ジメチルフェニル)-5
- クロロベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-
3′,5′- ジクロロフェニル)ベンゾトリアゾール等
が挙げられる。
は、2-(2′−ヒドロキシ-5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-5′-t- ブチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ
-5′−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′
−ヒドロキシ-4′- オクトキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2-(2′−ヒドロキシ-3′,5′- ジ-t- ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキ
シ-3′,5′- ジイソアミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2-(2′−ヒドロキシ-3′,5′- ジメチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-3′
-t- ブチル-5′- メチルフェニル)-5-クロロベンゾト
リアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-3′,5′- ジ-t-
ブチルフェニル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-
(2′−ヒドロキシ-3′,5′−ジメチルフェニル)-5
- クロロベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ-
3′,5′- ジクロロフェニル)ベンゾトリアゾール等
が挙げられる。
【0028】さらに、ヒンダードアミン系化合物として
は、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒド
ロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポ
リ〔(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル) アミノ-1,3,5-
トリアジン-2,4- ジイル)((2,2,6,6- テトラメチル-4-
ピペリジル) イミノ) ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラ
メチル-4- ピペリジル) イミノ)〕、N,N ′- ビス(3-
アミノプロピル) エチレンジアミン-2,4- ビス〔N-ブチ
ル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル) アミ
ノ〕-6- クロロ-1,3,5- トリアジン縮合物、ビス(2,2,
6,6- テトラメチル-4- ピペリジル) セバケート、2-(3,
5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6- ペンタメチル-4- ピペリジ
ル) 等が挙げられる。
は、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒド
ロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポ
リ〔(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル) アミノ-1,3,5-
トリアジン-2,4- ジイル)((2,2,6,6- テトラメチル-4-
ピペリジル) イミノ) ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラ
メチル-4- ピペリジル) イミノ)〕、N,N ′- ビス(3-
アミノプロピル) エチレンジアミン-2,4- ビス〔N-ブチ
ル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル) アミ
ノ〕-6- クロロ-1,3,5- トリアジン縮合物、ビス(2,2,
6,6- テトラメチル-4- ピペリジル) セバケート、2-(3,
5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6- ペンタメチル-4- ピペリジ
ル) 等が挙げられる。
【0029】また、ベンゾエート系化合物としては、サ
リチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サ
リチル酸p-ブチルフェニル、レゾルシノールモノベンゾ
エート、2,4-ジ-t- ブチルフェニル-3,5- ジ-t- ブチル
-4- ヒドロキシベンゾエート、4-オクチルフェニル-3,5
- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート等が挙げら
れる。
リチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サ
リチル酸p-ブチルフェニル、レゾルシノールモノベンゾ
エート、2,4-ジ-t- ブチルフェニル-3,5- ジ-t- ブチル
-4- ヒドロキシベンゾエート、4-オクチルフェニル-3,5
- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート等が挙げら
れる。
【0030】なお、ヒンダードアミン系化合物及びベン
ゾエート系化合物については、防水シートの使用目的、
他の成分等に応じてどちらか一方を適宜選択して用い
る。
ゾエート系化合物については、防水シートの使用目的、
他の成分等に応じてどちらか一方を適宜選択して用い
る。
【0031】本発明では、上記した各成分(a) 、(b) 、
(c) 及び(d) に加えて、さらに、金属劣化防止剤、帯電
防止剤、顔料等を適宜添加することができる。
(c) 及び(d) に加えて、さらに、金属劣化防止剤、帯電
防止剤、顔料等を適宜添加することができる。
【0032】次に、上記した各成分の配合量について説
明する。まず、(a) オレフィン系熱可塑性エラストマー
と、(b) 結晶性ポリオレフィンとの配合量は、(a) オレ
フィン系熱可塑性エラストマー+(b) 結晶性ポリオレフ
ィンを 100重量%として、(a) オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーが10〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、
(b) 結晶性ポリオレフィンが65〜90重量%、好ましくは
70〜90重量%とする。オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーが10重量%未満であると、防水シートの柔軟性が低下
することになり好ましくない。一方、オレフィン系熱可
塑性エラストマーの量が35重量%を超えると、防水シー
ト間の接合力が低下するので好ましくない。
明する。まず、(a) オレフィン系熱可塑性エラストマー
と、(b) 結晶性ポリオレフィンとの配合量は、(a) オレ
フィン系熱可塑性エラストマー+(b) 結晶性ポリオレフ
ィンを 100重量%として、(a) オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーが10〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、
(b) 結晶性ポリオレフィンが65〜90重量%、好ましくは
70〜90重量%とする。オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーが10重量%未満であると、防水シートの柔軟性が低下
することになり好ましくない。一方、オレフィン系熱可
塑性エラストマーの量が35重量%を超えると、防水シー
ト間の接合力が低下するので好ましくない。
【0033】(c) 無機フィラーの配合量は、上記した成
分(a) +(b) の合計100 重量部に対して、40重量部以
下、好ましくは30重量部以下とする。無機フィラーが40
重量部を超す値とすると、得られるシートの柔軟性が低
下することになる。
分(a) +(b) の合計100 重量部に対して、40重量部以
下、好ましくは30重量部以下とする。無機フィラーが40
重量部を超す値とすると、得られるシートの柔軟性が低
下することになる。
【0034】また、(d) の耐候性向上用の添加剤の配合
量は、上記した成分(a) +(b) の合計100 重量部に対し
て、(イ)ヒンダードフェノール系化合物を0.01〜1.0
重量部、(ロ)ベンゾトリアゾール系化合物を0.01〜1.
0 重量部、(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾ
エート系化合物を0.01〜1.0 重量部とする。上記した各
耐候性向上用の添加剤のうちの一つでもその添加剤量が
0.01重量部未満であると、耐候性が低下する。また、各
耐候性向上用の添加剤のうちの一つでも1.0 重量部を超
えると、防水シートにおいて表面のしみ出し(ブルーミ
ング)が起こり、表面の曇りが発生する。
量は、上記した成分(a) +(b) の合計100 重量部に対し
て、(イ)ヒンダードフェノール系化合物を0.01〜1.0
重量部、(ロ)ベンゾトリアゾール系化合物を0.01〜1.
0 重量部、(ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾ
エート系化合物を0.01〜1.0 重量部とする。上記した各
耐候性向上用の添加剤のうちの一つでもその添加剤量が
0.01重量部未満であると、耐候性が低下する。また、各
耐候性向上用の添加剤のうちの一つでも1.0 重量部を超
えると、防水シートにおいて表面のしみ出し(ブルーミ
ング)が起こり、表面の曇りが発生する。
【0035】シート成形用材料としての熱可塑性エラス
トマー組成物の調製は、上記各成分(a) 〜(d) 及び必要
に応じて添加された添加剤を混合し、この混合物を、バ
ンバリーミキサー、一軸又は二軸押出機、ミキシングロ
ール、ニーダー、連続ミキサー等の従来の混練装置を用
いて、150 〜250 ℃、好ましくは180 〜230 ℃で、1〜
10分間程度混練することにより行われる。
トマー組成物の調製は、上記各成分(a) 〜(d) 及び必要
に応じて添加された添加剤を混合し、この混合物を、バ
ンバリーミキサー、一軸又は二軸押出機、ミキシングロ
ール、ニーダー、連続ミキサー等の従来の混練装置を用
いて、150 〜250 ℃、好ましくは180 〜230 ℃で、1〜
10分間程度混練することにより行われる。
【0036】なお、各成分の配合順序(混合順序)につ
いては特に制限はなく、用いる材料にあわせて適宜設定
する。
いては特に制限はなく、用いる材料にあわせて適宜設定
する。
【0037】上記の方法で得られた熱可塑性エラストマ
ー組成物からの防水シートの成形には、通常行われてい
るシート成形法をそのまま採用することができる。すな
わち、180 〜250 ℃程度の温度で、Tダイから溶融混合
物を押し出すことにより、厚さが、0.1 〜3.0 mm程度の
シートを容易に成形することができる。また、軟化点以
上に加熱した熱可塑性エラストマー組成物を、カレンダ
ーロール等でシート状に成形することも可能である。
ー組成物からの防水シートの成形には、通常行われてい
るシート成形法をそのまま採用することができる。すな
わち、180 〜250 ℃程度の温度で、Tダイから溶融混合
物を押し出すことにより、厚さが、0.1 〜3.0 mm程度の
シートを容易に成形することができる。また、軟化点以
上に加熱した熱可塑性エラストマー組成物を、カレンダ
ーロール等でシート状に成形することも可能である。
【0038】
【作用】本発明では、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーと、結晶性ポリオレフィンと、無機フィラーと、三種
類の耐候性向上用の添加剤とを適量混合してなる熱可塑
性エラストマー組成物を用いて防水シートを成形してい
るが、三種類の添加剤を上述した量だけ配合することに
より、長期間にわたって良好な耐候性を得ることができ
る。また、耐候性ばかりではなく、オレフィン系熱可塑
性エラストマーによる柔軟性や、結晶性ポリオレフィン
の有する耐熱性、機械的強度等を兼ね備えた防水シート
となる。さらに、無機フィラーの配合により、防水シー
トの熱伝導率が高くなり、接合作業のスピードアップ、
接合部分の安定性がより一層向上することになる。
ーと、結晶性ポリオレフィンと、無機フィラーと、三種
類の耐候性向上用の添加剤とを適量混合してなる熱可塑
性エラストマー組成物を用いて防水シートを成形してい
るが、三種類の添加剤を上述した量だけ配合することに
より、長期間にわたって良好な耐候性を得ることができ
る。また、耐候性ばかりではなく、オレフィン系熱可塑
性エラストマーによる柔軟性や、結晶性ポリオレフィン
の有する耐熱性、機械的強度等を兼ね備えた防水シート
となる。さらに、無機フィラーの配合により、防水シー
トの熱伝導率が高くなり、接合作業のスピードアップ、
接合部分の安定性がより一層向上することになる。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。まず、各実施例及び比較例に用いたオレフィン
系熱可塑性エラストマーの調製方法、及びその他の成分
について説明する。
明する。まず、各実施例及び比較例に用いたオレフィン
系熱可塑性エラストマーの調製方法、及びその他の成分
について説明する。
【0040】(a) オレフィン系熱可塑性エラストマーの
調製 プロピレン−エチレンブロック共重合体(メルトフロ
ーレート(MFR 、230℃、2.16kg荷重)15g/10分)30重
量部と、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体:ム
ーニー粘度ML1+8 (127℃)45 、エチレン含有量66重量
%、ジエン成分;エチリデンノルボルネン、ヨウ素価1
8、70重量部と、臭素化ブチルゴム(ムーニー粘度ML
1+8 (125℃)47 、臭素含有量2重量%、不飽和度2モル
%)5重量部と、軟化剤(パラフィン系のプロセスオ
イル)10重量部とを混合し、これにパーオキサイド
(2,5- ジメチル-2,5−ジ(t- ブチルパーオキシ) ヘキシ
ン-3)を前記〜の合計量100 重量部に対して0.3 重
量部加えて175 ℃で3 〜5 分混練し、部分架橋して熱可
塑性エラストマーを得た。この熱可塑性エラストマーの
架橋度(パラキシレン不溶分から計算した値)は40%で
あり、JIS A による硬度は70であった。
調製 プロピレン−エチレンブロック共重合体(メルトフロ
ーレート(MFR 、230℃、2.16kg荷重)15g/10分)30重
量部と、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体:ム
ーニー粘度ML1+8 (127℃)45 、エチレン含有量66重量
%、ジエン成分;エチリデンノルボルネン、ヨウ素価1
8、70重量部と、臭素化ブチルゴム(ムーニー粘度ML
1+8 (125℃)47 、臭素含有量2重量%、不飽和度2モル
%)5重量部と、軟化剤(パラフィン系のプロセスオ
イル)10重量部とを混合し、これにパーオキサイド
(2,5- ジメチル-2,5−ジ(t- ブチルパーオキシ) ヘキシ
ン-3)を前記〜の合計量100 重量部に対して0.3 重
量部加えて175 ℃で3 〜5 分混練し、部分架橋して熱可
塑性エラストマーを得た。この熱可塑性エラストマーの
架橋度(パラキシレン不溶分から計算した値)は40%で
あり、JIS A による硬度は70であった。
【0041】(b) 結晶性ポリオレフィン
LLDPE:直線状低密度ポリエチレン(メルトインデ
ックス(MI)0.9g/10分、密度0.920 g/cm3 ) を用い
た。
ックス(MI)0.9g/10分、密度0.920 g/cm3 ) を用い
た。
【0042】(c) 無機フィラー
重質炭酸カルシウム(平均粒径4μm)を用いた。
【0043】(d) 耐候性向上用添加剤
(イ)ヒンダードフェノール系化合物(H−Phと略す
る) としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3-
(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピオ
ネート〕を用いた。 (ロ)ベンゾトリアゾール系化合物(BTAと略する)
としては、2-(3-t- ブチル-5- メチル-2- ヒドロキシフ
ェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールを用いた。 (ハ)ヒンダードアミン系化合物(H−Aと略する)と
しては、ポリ〔(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル) アミ
ノ-1,3,5- トリアジン-2,4- ジイル)((2,2,6,6-テトラ
メチル-4- ピペリジル) イミノ) ヘキサメチレン((2,2,
6,6-テトラメチル-4- ピペリジル) イミノ)〕を用い
た。又、ベンゾエート系化合物(BAと略する)として
は、2,4-ジ-t- ブチルフェニル-3,5- ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシベンゾエートを用いた。
る) としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3-
(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピオ
ネート〕を用いた。 (ロ)ベンゾトリアゾール系化合物(BTAと略する)
としては、2-(3-t- ブチル-5- メチル-2- ヒドロキシフ
ェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールを用いた。 (ハ)ヒンダードアミン系化合物(H−Aと略する)と
しては、ポリ〔(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル) アミ
ノ-1,3,5- トリアジン-2,4- ジイル)((2,2,6,6-テトラ
メチル-4- ピペリジル) イミノ) ヘキサメチレン((2,2,
6,6-テトラメチル-4- ピペリジル) イミノ)〕を用い
た。又、ベンゾエート系化合物(BAと略する)として
は、2,4-ジ-t- ブチルフェニル-3,5- ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシベンゾエートを用いた。
【0044】実施例1〜5、比較例1〜6
各成分を表1に示す割合で配合し、二軸混練押出機で、
シリンダー温度210 ℃で溶融混練し、ペレット状の混練
物を得た。
シリンダー温度210 ℃で溶融混練し、ペレット状の混練
物を得た。
【0045】得られたペレットを用いてシート成形機に
よりシート状に成形し、サンプルとした。
よりシート状に成形し、サンプルとした。
【0046】
表1(1)
(d) 成分(2) 例No.
(a) 成分 (b) 成分 (c) 成分 H−Ph H−A BA BTA
実施例1 30 70 10 0.10 0.20 − 0.20
実施例2 30 70 10 0.05 0.05 − 0.05
実施例3 30 70 10 0.50 1.00 − 1.00
実施例4 30 70 10 0.10 − 0.20 0.20
実施例5 10 90 10 0.10 0.20 − 0.20
比較例1 30 70 10 0.10 0.20 − −
比較例2 30 70 10 0.10 − − 0.20
比較例3 30 70 10 − 0.20 − 0.20
比較例4 5 95 10 0.05 0.05 − 0.05
比較例5 50 50 10 0.05 0.05 − 0.05
比較例6 30 70 50 0.05 0.05 − 0.05
【0047】表1注(1) :単位は重量部
(2) :H−Phは上述のヒンダードフェノール系化合物で
あり、H−Aは上述のヒンダードアミン系化合物であ
り、BAは上述のベンゾエート系化合物であり、またB
TAは上述のベンゾトリアゾール系化合物である。
あり、H−Aは上述のヒンダードアミン系化合物であ
り、BAは上述のベンゾエート系化合物であり、またB
TAは上述のベンゾトリアゾール系化合物である。
【0048】各サンプルについて、下記の試験を行っ
た。試験方法は以下の通りであった。 (1) 引張破断強度(kg/cm2 ): JIS K6310、3号ダンベ
ル、引張スピードを500 mm/分とした。 (2) 引張破断伸度(%):JIS K 6310による。 (3) 引裂強度: JIS K6310、B形、引張スピードを500
mm/分とした。 (4) 柔軟性:引張弾性率(kg/cm2 )の違いにより、以下
の基準で評価した。 引張弾性率(kg/cm2 ) ○:1200未満 △:1200以上〜1600未満 ×:1600以上 (5) 接合力:自動熱融着機を用いてサンプルを熱融着
し、幅25mmでのピール強度(kg/25mm) を測定した。 (6) 耐候性:70×30×30mmの射出成形試験片を用い、こ
れをサンシャインウェザオメータ(ブラックパネル温
度:83℃、スプレー/ドライサイクル:18分/102分)
を用いて促進耐候試験を行った。試験片の促進耐候試験
前後の引張強度の変化を測定し、引張強度の保持率が促
進耐候試験後に50%になる時間を求めた。そして、以下
の基準により耐候性を評価した。 ○:保持率が50%になる時間が2000時間以上 △:保持率が50%になる時間が1000時間以上2000時間未
満 ×:保持率が50%になる時間が1000時間未満
た。試験方法は以下の通りであった。 (1) 引張破断強度(kg/cm2 ): JIS K6310、3号ダンベ
ル、引張スピードを500 mm/分とした。 (2) 引張破断伸度(%):JIS K 6310による。 (3) 引裂強度: JIS K6310、B形、引張スピードを500
mm/分とした。 (4) 柔軟性:引張弾性率(kg/cm2 )の違いにより、以下
の基準で評価した。 引張弾性率(kg/cm2 ) ○:1200未満 △:1200以上〜1600未満 ×:1600以上 (5) 接合力:自動熱融着機を用いてサンプルを熱融着
し、幅25mmでのピール強度(kg/25mm) を測定した。 (6) 耐候性:70×30×30mmの射出成形試験片を用い、こ
れをサンシャインウェザオメータ(ブラックパネル温
度:83℃、スプレー/ドライサイクル:18分/102分)
を用いて促進耐候試験を行った。試験片の促進耐候試験
前後の引張強度の変化を測定し、引張強度の保持率が促
進耐候試験後に50%になる時間を求めた。そして、以下
の基準により耐候性を評価した。 ○:保持率が50%になる時間が2000時間以上 △:保持率が50%になる時間が1000時間以上2000時間未
満 ×:保持率が50%になる時間が1000時間未満
【0049】試験結果を表2に示す。
【0050】
表2
引張破断 引張破断 例No.
強度(1) 伸度(2) 引裂強度(3 ) 接合力(4 ) 柔軟性 耐候性
実施例1 160 800 75 35 ○ ○
実施例2 160 800 75 35 ○ ○
実施例3 150 750 70 30 ○ ○
実施例4 160 800 75 35 ○ ○
実施例5 150 750 90 35 ○ ○
比較例1 160 800 75 35 ○ ×
比較例2 160 800 75 35 ○ ×
比較例3 160 800 75 35 ○ △
比較例4 170 700 95 40 × ○
比較例5 120 600 60 30 ○ ○
比較例6 100 500 50 30 × ×
【0051】表2注(1) :単位はkg/cm2 。
(2) :単位は%。
(3) :単位はkg/cm2 。
(4) :単位はkg/25mm。
【0052】実施例1〜4と、比較例1〜3との比較か
らわかるように、成分(a) 〜(c) の種類及び配合量が同
様であっても、耐候性向上用の添加剤が二種類の場合に
は耐候性が劣る。また、実施例5と、比較例4,5の比
較からわかるように、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーと結晶性ポリオレフィンの比率が本発明で特定した範
囲から外れると、機械的物性が低下する。また、比較例
6のように、(c) 無機フィラーの配合量を本発明におけ
る配合範囲より多くすると、試験した全ての項目におい
て物性が低下した。
らわかるように、成分(a) 〜(c) の種類及び配合量が同
様であっても、耐候性向上用の添加剤が二種類の場合に
は耐候性が劣る。また、実施例5と、比較例4,5の比
較からわかるように、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーと結晶性ポリオレフィンの比率が本発明で特定した範
囲から外れると、機械的物性が低下する。また、比較例
6のように、(c) 無機フィラーの配合量を本発明におけ
る配合範囲より多くすると、試験した全ての項目におい
て物性が低下した。
【0053】
【発明の効果】オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物による本発明の防水シートは、屋外で長期間使用する
に耐えうる高い耐候性を有しており、また、機械的強
度、耐熱性、柔軟性にも良好である。さらに、熱融着に
よる接合力も大きく、接合部分が破壊して漏水するよう
なことはない。
物による本発明の防水シートは、屋外で長期間使用する
に耐えうる高い耐候性を有しており、また、機械的強
度、耐熱性、柔軟性にも良好である。さらに、熱融着に
よる接合力も大きく、接合部分が破壊して漏水するよう
なことはない。
【0054】本発明の防水シートは、長期間屋外で使用
する防水シートとして好適であり、産業廃棄物処理場、
農業用溜池、ゴルフ場の池等に好適に利用できる。
する防水シートとして好適であり、産業廃棄物処理場、
農業用溜池、ゴルフ場の池等に好適に利用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
C08L 23/00 LCE 7107−4J
// C08L 23:00
Claims (1)
- 【請求項1】 (a) オレフィン系熱可塑性エラストマー
10〜35重量%と、 (b) 結晶性ポリオレフィン65〜90重量%と、 前記(a) +(b) 100 重量部に対して、 (c) 無機フィラー40重量部以下、及び (d) 以下に示す三種類の添加剤 (イ)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜1.0 重量
部、 (ロ)ベンゾトリアゾール系化合物0.01〜1.0 重量部、
及び (ハ)ヒンダードアミン系化合物又はベンゾエート系化
合物0.01〜1.0 重量部を含有する熱可塑性エラストマー
組成物から成形されたことを特徴とする防水シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18805091A JPH059307A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 防水シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18805091A JPH059307A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 防水シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059307A true JPH059307A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16216811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18805091A Pending JPH059307A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 防水シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059307A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08253634A (ja) * | 1995-01-20 | 1996-10-01 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP2002088200A (ja) * | 2000-07-11 | 2002-03-27 | Japan Polyolefins Co Ltd | 安定化されたポリエチレン樹脂組成物 |
KR100359986B1 (ko) * | 1999-11-19 | 2002-11-08 | 금정산업 주식회사 | 자외선 차단용 수축 필름 및 쉬트 수지 조성물 |
JP2006290917A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-26 | Mitsui Chemicals Inc | ゴム組成物およびその用途 |
CN113913127A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-01-11 | 山东京博中聚新材料有限公司 | 一种耐候性丁基橡胶复合材料自粘防水卷材及其制备方法 |
-
1991
- 1991-07-02 JP JP18805091A patent/JPH059307A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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