JPH05572U - アンチロツクブレーキ装置 - Google Patents
アンチロツクブレーキ装置Info
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- JPH05572U JPH05572U JP4718591U JP4718591U JPH05572U JP H05572 U JPH05572 U JP H05572U JP 4718591 U JP4718591 U JP 4718591U JP 4718591 U JP4718591 U JP 4718591U JP H05572 U JPH05572 U JP H05572U
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】前輪及び後輪ブレーキの液圧の配分を適性化す
ることにより、アンチロックブレーキ装置の制動効率を
向上すること。 【構成】左右両側の前輪ブレーキ14A,14B及び左
右両側の後輪ブレーキ15A,15Bとマスターシリン
ダ11との間にそれぞれアンチロック装置を配置する。
左右両側の後輪ブレーキ用のアンチロック装置16A〜
Dとマスターシリンダとの間にそれぞれ圧力検出孔で検
出する圧力に応じて入力液圧に対して出力液圧を比例減
圧するプロポーショニングバルブ18A,18Bを配置
する。プロポーショニングバルブの圧力検出孔を同側の
前輪ブレーキと該前輪ブレーキ用のアンチロック装置と
の間に接続する。
ることにより、アンチロックブレーキ装置の制動効率を
向上すること。 【構成】左右両側の前輪ブレーキ14A,14B及び左
右両側の後輪ブレーキ15A,15Bとマスターシリン
ダ11との間にそれぞれアンチロック装置を配置する。
左右両側の後輪ブレーキ用のアンチロック装置16A〜
Dとマスターシリンダとの間にそれぞれ圧力検出孔で検
出する圧力に応じて入力液圧に対して出力液圧を比例減
圧するプロポーショニングバルブ18A,18Bを配置
する。プロポーショニングバルブの圧力検出孔を同側の
前輪ブレーキと該前輪ブレーキ用のアンチロック装置と
の間に接続する。
Description
【0001】
本考案は、アンチロックブレーキ装置に関し、特に、前輪及び後輪ブレーキの
液圧配分の適正化を図り制動効率の向上を図るものである。
【0002】
従来より、圧力検出孔で検出する圧力に応じて入力液圧に対して出力液圧を比
例減圧するプロポーショニングバルブ (以下、Pバルブと略する。)を備えたア
ンチロックブレーキ装置が提供されている。
【0003】
上記Pバルブは、後輪が前輪より先にロックして車体の安定性を損なうのを防
止するために、後輪ブレーキの液圧と前輪ブレーキの液圧の配分を適切に設定す
る機能を果すものである。従って、本来アンチロック装置 (以下、ABS装置と
略する。)を備えていれば、Pバルブは不要である。
【0004】
しかし、前輪及び後輪ブレーキの制動力のアンバランスで路面の摩擦係数μに
に比べて、早期にABS装置が作動してノイズ、振動等の不快感を生じるのを防
止したり、ABS装置が故障した場合等を考慮して、アンチロックブレーキ装置
であっても、Pバルブを設けている。
【0005】
図7は、上記のようにPバルブを備えるアンチロックブレーキ装置の一例であ
る。
該アンチロックブレーキ装置はX配管であって、左右両側の前輪ブレーキ1A
、1B及び後輪ブレーキ2A、2Bはそれぞれアンチロック装置(ABS装置)
3A、3B、3C、3Dを備え、後輪ブレーキ2A、2Bとマスターシリンダ5
の間にPバルブ4A、4Bを配置している。
【0006】
該Pバルブ4A、4Bは、それぞれ圧力検出孔6a、6bを他方の油圧系統の
マスターシリンダ5の出口側と接続しており、後輪が前輪より先にロックしない
ように、上記圧力検出孔6a、6bで検出するマスターシリンダ2の出口側圧力
に応じて、後輪ブレーキ2A、2Bの液圧を前輪ブレーキ1A、1Bの液圧に対
して比例減圧すると共に、失陥が生じた場合には他方の油圧系列のPバルブ2A
、2Bの比例減圧を解除して、後輪ブレーキ2A、2Bの液圧を昇圧する構成と
している。
【0007】
上記のようなアンチロックブレーキ装置では、一般的にはドライバー以外は車
両に何も搭載していない状態 (空車時)において最も後輪がロックしやすいため
、これに応じて前輪及び後輪ブレーキの液圧の配分を設定して、制動力を配分し
ている。
【0008】
しかしながら、荷物、他の人員等を搭載した状態 (積車時)での理想的な前輪
及び後輪ブレーキの液圧の配分は、上記空車時と比較して、後輪側の配分が大き
くなるため、上記Pバルブによる前輪及び後輪ブレーキ液圧の配分では、後輪に
は理想的な制動力に対して不当に低い制動力しか配分されないことがある。
【0009】
これに対して、減速度を検知して転動するボールを用い、空車時には比較的低
い液圧で後輪ブレーキの比例減圧を開始し(低い折点液圧)、積車時に上記空車時
よりも高い液圧で後輪ブレーキの比例減圧を開始して(高い折点液圧)、少しでも
理想的な前輪及び後輪のブレーキ液圧の配分に近付けようとする減速度感応型比
例制御弁や、車体のサスペンション変位から積載荷重を検出して、上記折点液圧
を調整する車高反応型比例制御弁が知られている。
【0010】
しかしながら、前者の場合には、ボール回りの液流力によりボールが早めに転
動することもあり、一方、後者の場合には、ノーズダイブの影響で後輪サスペン
ションが浮き気味になることもあり、よって、これらの比例制御弁を使用しても
後輪のブレーキ力は、本来必要なブレーキ力よりも大幅に小さくなってしまうこ
ともある。
【0011】
上記のように理想的な前輪及び後輪ブレーキ制動力の配分と比較して、後輪ブ
レーキ力が小さい状態では、本来理想的な配分がなされていれば達成できる車体
減速度を得る前に、結果的に過負担となった前輪がロック状態となりABS装置
が作動する。この状態から更にブレーキペダルを踏み込んでマスターシリンダを
作動させれば、後輪ブレーキ圧を次第に上昇させることも可能であるが、一般に
ABS装置の作動は、ブレーキの踏みすぎに対する警告であると理解されている
ため、ドライバーはそれ以上強く踏み込まない場合が多い。
【0012】
即ち、後輪ブレーキ液圧は、Pバルブにより抑制されているため、アンチロッ
ク制御が前輪ブレーキにおいてのみ行なわれ、後輪ブレーキのブレーキ力の不足
、ひいては車両全体の制動力の不足を招き、ABS装置を備えるにも拘わらず却
って制動距離が伸びてしまう。
【0013】
これに対して、実開平1−90660号公報に開示されているように、マスタ
ーシリンダとアンチロック作動を行うアクチュエータとの間にPバルブを設ける
と共に、マスターシリンダとアクチュエータの間に電磁開閉弁を備えたバイパス
ラインを設けた構成が提案されている。
【0014】
上記の構成では、アクチュエータが正常に作動している通常時には、上記電磁
開閉弁を開弁状態として実質上Pバルブを作動させない一方、アクチュエータの
作動に異常が生じた場合には、上記電磁開閉弁を閉弁状態としてバイパスライン
を閉鎖してPバルブを作動させる。
【0015】
この構成によれば、上記したようにPバルブを設けたことによる後輪ブレーキ
の液圧の不足を解消することができる。
【0016】
しかしながら、上記の構成とする場合には、バイパスライン及び電磁開閉弁を
設ける必要があるため構造が複雑化すると共にコストが増大する。
また、アクチュエータが正常に作動している状態でも、Pバルブを使用せずに
直接マスターシリンダからアクチュエータに圧力を加えているため、時間的に、
μレベルあるいはGレベルで見ると、後輪が早期にロックを起こしやすく、その
ため、後輪に度々アンチロック作動が生じて煩わしい。
【0017】
本考案は上記のような従来のアンチロックブレーキ装置における問題を解決す
るためになされたものであり、アンチロックブレーキ装置において、前輪及び後
輪ブレーキ液圧の配分を常時適切な状態とし、よって、制動効率の向上を図るこ
とを目的とするものである。
【0018】
従って、本考案は、左右両側の前輪ブレーキ及び左右両側の後輪ブレーキとマ
スターシリンダとの間にそれぞれアンチロック装置を配置し、上記左右両側の後
輪ブレーキ用のアンチロック装置とマスターシリンダとの間にそれぞれ圧力検出
孔で検出する圧力に応じて入力液圧に対して出力液圧を比例減圧するプロポーシ
ョニングバルブを配置し、該プロポーショニングバルブの圧力検出孔を同側の前
輪ブレーキと該前輪ブレーキ用のアンチロック装置との間に接続しているアンチ
ロックブレーキ装置を提供するものである。
【0019】
詳しくは、上記アンチロックブレーキ装置では、左側前輪ブレーキと右側後輪
ブレーキを接続する油圧系統と、右側前輪ブレーキと左側後輪ブレーキを接続す
る油圧系統とをそれぞれマスターシリンダと接続したX配管として、それぞれの
プロポーショニングバルブの圧力検出孔をそのプロポーショニングバルブを設け
た油圧系統と異なる油圧系統の前輪ブレーキと該前輪ブレーキ用のアンチロック
装置との間に接続している。
【0020】
あるいは、左右両側の前輪ブレーキを接続する油圧系統と、左右両側の後輪ブ
レーキと接続する油圧系統とをそれぞれマスターシリンダと接続してもよい。
【0021】
本考案に係るアンチロックブレーキ装置では、上記のような構成としているた
め、前輪ブレーキがアンチロック制御を開始するまでは、プロポーショニングバ
ルブにより後輪ブレーキの液圧をマスターシリンダの液圧、即ち、前輪ブレーキ
の液圧に対して比例減圧する。前輪ブレーキがアンチロック制御を開始すると、
上記プロポーショニングバルブが圧力検出孔からこれを検知して、上記後輪ブレ
ーキ液圧の比例減圧を解除する。そのため、ドライバーがブレーキペダルを踏み
込んでマスターシリンダを作動させなくても、後輪ブレーキの液圧は、マスター
シリンダの液圧に向かって昇圧し、前輪及び後輪ブレーキの液圧の配分は理想的
な配分に近付く。
【0022】
また、油圧系統に失陥が生じた場合にも、プロポーショニングバルブが圧力検
出孔からこれを検知し、後輪ブレーキ液圧の比例減圧を解除し、よって、失陥に
よる制動効率の低下を補償することができる。
【0023】
次に、図面に示す実施例に基づき、本考案について詳細に説明する。
図1に示す本考案の第1実施例は、FF車用のアンチロックブレーキ装置であ
って、マスターシリンダ11から第1及び第2油圧系統12、13を設けて、X
配管としている。即ち、第1油圧系統12が左側の前輪ブレーキ14Aと右側の
後輪ブレーキ15Bに接続する一方、第2油圧系統13が右側の前輪ブレーキ
14Aと左側の後輪ブレーキ15Aに接続している。
【0024】
上記前輪ブレーキ14A、14B及び後輪ブレーキ15A、15Bは、それぞ
れマスターシリンダ11との間にアンチロック装置(ABS装置)16A、16B
、16C、16Dを備えている。
【0025】
また、左右両側の後輪ブレーキ15A、15BのABS装置16C、16Dと
マスターシリンダ11の間には、それぞれプロポーショニングバルブ(Pバルブ)
18A、18Bを配置している。
上記Pバルブ18A、18Bは、図2に示すような構造であって、入口孔21
をマスターシリンダ11側と接続する一方、出口孔22を後輪ブレーキ14A、
14BのABS装置16C、16Dに接続している。また、圧力検出孔24、
24は、他方の油圧系統12、13の前輪ブレーキ14A、14Bと該前輪ブレ
ーキ14A、14B用のABS装置16A、16Bとの間に連通している。
【0026】
Pバルブ18A、18Bのハウジング25には、図中下方から第1から第5孔
部26、27、28、29、30を軸線方向に連続して設けると共に、上記入口
孔21、出口孔22をそれぞれ第1孔部26及び第2孔部27と連通するように
径方向に貫通して設けている。
【0027】
ハウジング25の図中下端の第1孔部26の開口部26aは下方ガイド孔32
aを設けたプラグ32で封止している。
一方、ハウジング25の上端の第5孔部30の開口部30aは、後述するプラ
ンジャ36の上方部36fを摺動自在に突出するプランジャ孔34と上記した圧
力検出孔24を軸線方向に連続して設けたエンドプラグ35で封止している。
また、プランジャ孔34には、上記圧力検出孔24の両側に径方向に貫通して
設けた接続孔60、61を貫通させている。
【0028】
プランジャ36は、空洞部36aを設けた下方部36bを上記下方ガイド孔
32aに摺動自在に挿入している。プラグ32の上部には、カップシール38を
配置しており、プランジャ36の外周部36cが第1有効面積Aを構成する。ま
た、上記カップシール38により上記空洞部36aと下方ガイド孔32aの間の
空気を密閉しており、該空気をプランジャ36の上下動により圧縮する構成とし
ている。
【0029】
下方部36bに連続して設けたフランジ部36cと上記カップシール38の上
方に配置したリテーナ40との間には、ばね41を縮挿しており、プランジャ
36を図中上方に弾性的に付勢している。
【0030】
上記フランジ部36cの上方には、小径の首部36dと該首部36dより大径
のバルブヘッド部36eを設けている。
上記首部36dには、図3に示すような略円環状のシールバルブ42の孔部
42aを外嵌している。
【0031】
シールバルブ42は外周部にリップ部42bを設けており、第1孔部26の内
周面とシールバルブ42の外周面との間の作動液の流れを阻止している。
また、シールバルブ42の下面42cには半球状の複数の突起42dを設けて
おり、該突起42dを上記フランジ部36cの上面に配置すると共に、上記首部
36dの外径を孔部42aの内径より大きく設定して両者の間に間隔を形成して
いるため、図1で示すようにプランジャ36がばね41の付勢力により図中上方
に位置してバルブヘッド部36eとシールバルブ42が離反した状態では、作動
液がシールバルブ42を通過することができる。
【0032】
一方、上記首部36dの上方に設けたバルブヘッド部36eの外径は上記孔部
42aよりも大きく設定しており、該バルブヘッド部36eをシールバルブ42
に当接するとシールバルブ42を通過する作動液の流れを封鎖し、バルブヘッド
部36eと孔部42の接合線に囲まれる面積が有効面積Bを構成する。
【0033】
上記バルブヘッド部36eに連続して設けた上方部36fは、小径な第3孔部
28に摺動自在に支承されると共に、第4孔部29を介して上記したエンドプラ
グ35のプランジャ孔34内に突出している。エンドプラグ35の先端と第5孔
部30と第4孔部29が構成する肩部43の間にはワッシャ44を介してシール
部材45のOリング部45aを挟持している。該シール部材45は中央孔45b
を貫通するプランジャ36の上方部36fの外周を上記0リング部45aの上下
両側に設けた円環状のシール用フランジ部45c、45dによりシールしており
、よって、プランジャ36の上方部36fが第3有効面積Cを形成している。
尚、本実施例では接続孔60、61はいずれの油圧系統とも接続せず封鎖して
いる。また、上記入口孔21、出口孔22及び圧力検出孔24には、ぞれぞれコ
ーンシート48を配置して第1及び第2油圧系統12、13を形成する管部材(
図示せず)を確実に接続することができるようにしている。
【0034】
上記のPバルブ18A、18Bは、図4に示すような作動的特性を示す。
尚、図中S1は積車時の理想的な液圧の配分を示し、S2は空車時の理想的な
液圧の配分を示している。
【0035】
まず、前輪ブレーキ14A、14BのABS装置16A、16Bが作動せず、
かつ、第1及び第2油圧系統12、13に失陥が生じていない状態(正常時)では
、マスターシリンダ11からの入力液圧PMが所定の値(折点液圧PM1)に達す
るまでは、上記入力液圧PM、後輪ブレーキ15A、15Bに対する出力液圧PR
は等しい。
【0036】
しかしながら、上記折点液圧PM1に達すると、圧力検出孔24で検出する液圧
に応じて、上記入力液圧PMを比例減圧して、後輪ブレーキ15A、15Bに対
して出力液圧PRとして供給する。一方、前輪ブレーキ14A、14Bには、直
接入力液圧PMを供給しており、マスターシリンダ11の液圧と前輪ブレーキ1
4A、14Bの液圧は等しい。従って、液圧の配分は、前輪ブレーキ14A、
14B側に傾く。
【0037】
この場合、上記比例減圧を開始する入力液圧(折点液圧PM1)は、ばね41の
付勢力をFとすると、
PM1=F/A
である。
また、比例減圧の減圧比は、
tanθ1=(B−A−C)/(B−C)
となる。
【0038】
アンチロック作動時、または、油圧系列に失陥が生じた場合には、圧力検出孔
24が液圧の低下を検出して上記折点液圧PM1に達しても比例減圧を行わず、ま
た、比例減圧中の場合には該比例減圧が解除され、後輪ブレーキ15A、15B
と前輪ブレーキ14A、14Bの液圧の配分が等しい状態で昇圧する。
【0039】
この場合、折点液圧PM2は、
PM2=F/(A−C)
である。
また、比例減圧の減圧比は、
tanθ2=(B−A)/(B−C)
である。
従って、折点液圧については、
F/A<<F/(A−C)
であるから、
PM1<<PM2
であり、一方、比例減圧の減圧比については、
(B−A−C)/(B−C)<(B−A)/(B−C)
である。
【0040】
即ち、上記Pバルブ18A、18Bは正常作動時には、折点液圧PM1が低く、
かつ、減圧比が小さい一方、前輪側のABS装置の作動時又は油圧系統に失陥が
生じた場合には、折点液圧PM2が高く、かつ、減圧比も大きい。
【0041】
次に、上記の構成からなる第1実施例の作動について説明する。
以下の説明では、車両が荷物、人員等を積載した状態(積車時)であるものと
する。
ブレーキペダル50を踏み込むと、マスターシリンダ11の液圧は油圧系統
12、13を通って、前輪及び後輪ブレーキ14A、14B、15A、15Bに
供給される。
【0042】
この時、マスターシリンダ11からの入力液圧PMが上記折点液圧PM1に達す
るまで、前輪ブレーキ14A、14Bと後輪ブレーキ15A、15Bの液は等し
い。
入力液圧PMが上記折点液圧PM1に達すると、Pバルブ18A、18Bのプラ
ンジャ36が圧力検出孔24からの液圧により図2中下方に押し下げられ、比例
減圧を行う。即ち、後輪ブレーキ16A、16Bの液圧を抑えて、後輪ブレーキ
16A、16Bの液圧が前輪ブレーキ14A、14Bの液圧よりも低くなるよう
にブレーキ液圧を配分する。
【0043】
このときの減圧比は、上記したように、
tanθ1=(B−A−C)/(B−C)
である。
【0044】
上記のように比例減圧が行われている状態で前輪ブレーキ14A、14BのA
BS装置16A、16Bが作動して前輪ブレーキ14A、14Bのブレーキ液圧
を減圧すると、前輪ブレーキ14A、14BとABS装置16A、16Bの間に
圧力検出孔24、24を接続している他方の油圧系統12、13のPバルブ18
A、18Bが検出して、後輪ブレーキ15A、15Bの比例減圧を解除する。即
ち、上記圧力検出孔24、24に作用する液圧がABS装置16A、16Bの作
動により低下し、ばね41の弾性的付勢力によりプランジャ36が図2中上方に
移動して、よって、入口孔21に作用する液圧がシールバルブ42を介して後輪
ブレーキ18A、18Bに減圧されることなく供給される。
【0045】
そのため、後輪ブレーキ18A、18Bのブレーキ液圧は、マスターシリンダ
11の圧力を上昇させなくても、即ち、ブレーキペダル50を踏み込まなくても
Pバルブ18A、18Bの減圧作用が解除されることによりマスターシリンダ
11の液圧に向けて上昇し、上記Pバルブ18A、18Bの比例減圧により抑え
られていた分のブレーキ力を最大限利用することができる。
【0046】
例えば、前記した図4において、ある摩擦係数μ1の路面で点Aで示す状態で
前輪ブレーキ14A、14Bのアンチロック制御が始まると、上記のようにPバ
ルブ18A、18Bは比例減圧を解除する。そのため、ドライバーがブレーキペ
ダル50を踏み込まなくても、後輪ブレーキ15A、15Bのブレーキ液圧は、
点Bまで上昇し、後輪ブレーキ15A、15BのABS装置16C、16Dのみ
が作動してアンチロック制御状態となる。
【0047】
また、他の摩擦係数μ2を有する路面の場合には、点Cにおいて、前輪ブレー
キ14A、14Bのアンチロック制御が始まるとPバルブ18A、18Bが比例
減圧を解除して後輪ブレーキ15A、15Bの圧力が上昇する。そのため、点D
で示すように、前輪及び後輪ブレーキ14A、14B、15A、15Bのブレー
キ液圧は適正配分に近付いて、前輪及び後輪が共にロックしない状態となる。
【0048】
上記いずれの場合もブレーキ効率は、アンチロック制御が開始された後も後輪
ブレーキの液圧を比例減圧した場合と比較して、良好である。特に、後者のよう
に前輪及び後輪ブレーキ14A、14B、15A、15Bの圧力が適正配分に近
付いた場合には、ドライバーは更にブレーキペダル50を踏み込むため、ブレー
キ力の配分を最終的には上記理想制動配分S1に到達させることができる
【0049】
また、第1実施例では、上記第1及び第2油圧系統12、13のうちの一方に
失陥が生じると、他方の油圧系統12、13のPバルブ18A、18Bが上記失
陥による減圧を検出して減圧作用を解除する。そのため、上記失陥を起こした油
圧系統12、13の前輪ブレーキ14A、14Bと同じ側の後輪ブレーキ15A
、15Bのブレーキ液圧が上昇し、よって、上記失陥による制動力の低下を補償
することができる。
【0050】
図5に示す本考案の第1実施例は、FR車用のアンチロックブレーキ装置であ
って、マスターシリンダ51から第1油圧系統52を左右両側の前輪ブレーキ
53A、53Bに接続する一方、第2油圧系統54を左右両側の後輪ブレーキ
55A、55Bに接続している。
【0051】
また、上記第1実施例と同様に、前輪ブレーキ53A、53B及び後輪ブレー
キ55A、55Bとマスターシリンダ51の間には、ABS装置57A、57B
、57C、57Dを接続している。
また、後輪ブレーキ55A、55BのABS装置57C、57Dとマスターシ
リンダ51の間にはPバルブ58A、58Bを配置している。
該Pバルブ58A、58Bは上記第1実施例と同一の特性であり圧力検出孔
60をそれぞれ同じ油圧系統52、54の前輪ブレーキ53A、53BとABS
装置57A、57Bの間に接続している。
【0052】
第2実施例のアンチロックブレーキ装置では、正常状態では、マスターシリン
ダ51からの圧力をPバルブ58A、58Bで検出して、該圧力が折点圧力PM1
以上となると後輪ブレーキ55A、55Bの圧力を前輪ブレーキ53A、53B
の圧力に対して比例減圧して、よって、前輪及び後輪ブレーキ圧力53A、53
B、55A、55Bを適切に配分する。
【0053】
上記比例減圧時に前輪ブレーキ53A、53BのABS装置57A、57Bが
作動してアンチロック制御が始まると、該アンチロック制御による減圧をPバル
ブ58A、58Bが検出して、アンチロック制御が始まった前輪ブレーキ67A
、67Bと同側の油圧系統52、54の後輪ブレーキ55A、55Bの比例減圧
を解除し、よって、その後輪ブレーキ55A、55Bのブレーキ液圧をマスター
シリンダ51の液圧に向けて昇圧させる。
【0054】
また、前輪ブレーキ53A、53Aを接続する第1油圧系統54Aに失陥が生
じた場合には、該失陥による減圧を左右両側のPバルブ58A、58Bが検出し
て、左右両側の後輪ブレーキ55A、55Bの比例減圧を解除する。そのため、
失陥により前輪ブレーキ53A、53Bのブレーキ力が弱くなった場合には、左
右両側の後輪ブレーキ55A、55Bのブレーキ液圧を昇圧して上記前輪ブレー
キ53A、53Bの失陥を補償することができる。
【0055】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である
。
例えば、図6に示すように、第1実施例において、ABS装置16A、16B
をPバルブ18A、18Bの圧力検出孔24に接続すると共に、接続孔61を前
輪ブレーキ14A、14Bと接続するように第1及び第2油圧系統12、13の
配管を変更することが可能である。
また、上記Pバルブの構造も上記のものに限定されるものではない。
【0056】
以上の説明から明らかなように、本考案に係るアンチロックブレーキ装置では
前輪ブレーキ及び後輪ブレーキとマスターシリンダとの間にそれぞれアンチロ
ック装置を配置すると共に、後輪ブレーキ用のアンチロック装置とマスターシリ
ンダとの間にそれぞれプロポーショニングバルブを配置し、その圧力検出孔を同
側の前輪ブレーキと該前輪ブレーキ用のアンチロック装置との間に接続している
いるため、プロポーショニングバルブが後輪ブレーキ液圧を比例減圧している場
合に前輪ブレーキがアンチロック制御を開始すると、プロポーショニングバルブ
はこれを圧力検出孔の液圧の低下として検知し、比例減圧を解除することができ
る。
【0057】
そのため、アンチロック制御の開始と共に、後輪ブレーキの液圧は、ドライバ
ーがブレーキペダルを踏み込まずとも、マスターシリンダの液圧に向けて上昇し
、よって、前輪及び後輪ブレーキ液圧の配分を理想制動配分に近付けて、よって
、制動性能を向上することができる。
【0058】
また、本考案に係るアンチロックブレーキ装置では、アンチロック作動が生じ
ない状態では、プロポーショニングバルブの比例減圧機能により適切な前輪及び
後輪ブレーキ液圧の配分を得ることができる。
【0059】
更に、油圧系統に失陥が生じた場合にも、プロポーショニングバルブの比例減
圧が解除することができるため、後輪ブレーキ液圧を昇圧して、上記失陥による
制動力の低下を補償することができる。
【0060】
本考案は、上記のような効果を、特別に油圧系統、バルブ等を設けることなく
、達成することが可能であり、構造を簡略化して、コストを低減することができ
る等の種々の利点を有するものである。
【図1】 本考案に係るアンチロックブレーキ装置の第
1実施例を示す構成図である。
1実施例を示す構成図である。
【図2】 プロポーショニングバルブを示す断面図であ
る。
る。
【図3】シールバルブを示す一部破断側面図である。
【図4】 第1実施例の作動を示す後輪ブレーキ液圧−
前輪液圧線図である。
前輪液圧線図である。
【図5】 第2実施例を示す構成図である。
【図6】 変形例を示す構成図である。
【図7】 従来のアンチロックブレーキ装置の一例を示
す構成図である。
す構成図である。
1.14,53 前輪ブレーキ
2,11,51 マスターシリンダ
3,16,57 アンチロック装置
4,18,58 プロポーショニングバルブ
Claims (3)
- 【請求項1】 左右両側の前輪ブレーキ及び左右両側の
後輪ブレーキとマスターシリンダとの間にそれぞれアン
チロック装置を配置し、上記左右両側の後輪ブレーキ用
のアンチロック装置とマスターシリンダとの間にそれぞ
れ圧力検出孔で検出する圧力に応じて入力液圧に対して
出力液圧を比例減圧するプロポーショニングバルブを配
置し、該プロポーショニングバルブの圧力検出孔を同側
の前輪ブレーキと該前輪ブレーキ用のアンチロック装置
との間に接続しているアンチロックブレーキ装置。 - 【請求項2】 左側前輪ブレーキと右側後輪ブレーキを
接続する油圧系統と、右側前輪ブレーキと左側後輪ブレ
ーキを接続する油圧系統とをそれぞれマスターシリンダ
と接続したX配管として、それぞれのプロポーショニン
グバルブの圧力検出孔をそのプロポーショニングバルブ
を設けた油圧系統と異なる油圧系統の前輪ブレーキと該
前輪ブレーキ用のアンチロック装置との間に接続したこ
とを特徴とする請求項1記載のアンチロックブレーキ装
置。 - 【請求項3】 左右両側の前輪ブレーキを接続する油圧
系統と、左右両側の後輪ブレーキと接続する油圧系統と
をそれぞれマスターシリンダと接続している請求項1記
載のアンチロック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4718591U JPH05572U (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | アンチロツクブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4718591U JPH05572U (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | アンチロツクブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05572U true JPH05572U (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=12768044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4718591U Withdrawn JPH05572U (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | アンチロツクブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05572U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5379128A (en) * | 1976-12-20 | 1978-07-13 | Bendix Corp | Carburetor |
JPS5595063U (ja) * | 1979-12-24 | 1980-07-01 |
-
1991
- 1991-06-21 JP JP4718591U patent/JPH05572U/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5379128A (en) * | 1976-12-20 | 1978-07-13 | Bendix Corp | Carburetor |
JPS5595063U (ja) * | 1979-12-24 | 1980-07-01 | ||
JPS6115417Y2 (ja) * | 1979-12-24 | 1986-05-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19950907 |