JPH0556802A - 高級感の有るパール,メタリツク調塗装靴 - Google Patents
高級感の有るパール,メタリツク調塗装靴Info
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- JPH0556802A JPH0556802A JP24449991A JP24449991A JPH0556802A JP H0556802 A JPH0556802 A JP H0556802A JP 24449991 A JP24449991 A JP 24449991A JP 24449991 A JP24449991 A JP 24449991A JP H0556802 A JPH0556802 A JP H0556802A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】スラッシュ製法により成形されるスラッシュ靴
に塗装を施した高級感,高品位感,高貴感の有るパール
調あるいはメタリック調の塗装靴を提供する。 【構成】スラッシュ靴の少なくとも本体部の少なくとも
一部に設けられた塗装層の少なくとも最上層に色塗料層
3を有し、少なくともその下層にパール又はメタリック
塗料層2を有する。また、上記塗装層の少なくとも最上
層にパール又はメタリック塗料と色塗料との混合塗料層
4を有する。色塗料層2がパール又はメタリック塗料層
3のパール又はメタリック顔料の一部を隠蔽し、また混
合塗料層4中の通常の顔料や着色合成樹脂粒子がパール
又はメタリック顔料の一部を隠蔽して、これらの顔料の
輝度を抑制し、鈍い光りを放つ、渋味,深味の有る、高
級感,高品質感,高貴感に富むパール又はメタリック調
塗装靴となる。
に塗装を施した高級感,高品位感,高貴感の有るパール
調あるいはメタリック調の塗装靴を提供する。 【構成】スラッシュ靴の少なくとも本体部の少なくとも
一部に設けられた塗装層の少なくとも最上層に色塗料層
3を有し、少なくともその下層にパール又はメタリック
塗料層2を有する。また、上記塗装層の少なくとも最上
層にパール又はメタリック塗料と色塗料との混合塗料層
4を有する。色塗料層2がパール又はメタリック塗料層
3のパール又はメタリック顔料の一部を隠蔽し、また混
合塗料層4中の通常の顔料や着色合成樹脂粒子がパール
又はメタリック顔料の一部を隠蔽して、これらの顔料の
輝度を抑制し、鈍い光りを放つ、渋味,深味の有る、高
級感,高品質感,高貴感に富むパール又はメタリック調
塗装靴となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高級感の有るパール,
メタリック調塗装靴に関し、詳しくは、スラッシュ製法
により成形されるスラッシュ靴に塗装を施した高級感,
高品位感,高貴感の有るパール調あるいはメタリック調
の塗装靴に関する。
メタリック調塗装靴に関し、詳しくは、スラッシュ製法
により成形されるスラッシュ靴に塗装を施した高級感,
高品位感,高貴感の有るパール調あるいはメタリック調
の塗装靴に関する。
【0002】
【従来の技術】靴は、履き心地,耐水性,あるいは耐久
性が良好であればある程、その商品価値が向上する。ま
た、デザインが多様であったり、ファッション性が優れ
ていれば、商品価値が向上する。ところで、型内にプラ
スチックを流し込んで成形するスラッシュ製法により底
部と本体部とが一体に成形されるスラッシュ靴は、上記
の耐水性が極めて優れる上、履き心地,耐久性も良好で
あることから、豪雪地帯はもとより、最近では都市部に
おいても需要が増大している。但し、スラッシュ靴にお
いて、デザインを多様化したり、ファッション性を向上
させるには、成形型を成形体に所望のデザインや模様
(刻印模様)が施されるように加工するしかない。ま
た、1つの成形型では、1つのデザインあるいは1つの
模様しかできないことから、各種のデザインや模様が施
された靴を成形する場合には、各デザイン,各模様毎に
成形型を調製する必要があり、成形型に要する費用が膨
大となる。加えて、1つの成形型では、1つのサイズの
靴しか成形できず、各サイズ毎の成形型も必要となる。
性が良好であればある程、その商品価値が向上する。ま
た、デザインが多様であったり、ファッション性が優れ
ていれば、商品価値が向上する。ところで、型内にプラ
スチックを流し込んで成形するスラッシュ製法により底
部と本体部とが一体に成形されるスラッシュ靴は、上記
の耐水性が極めて優れる上、履き心地,耐久性も良好で
あることから、豪雪地帯はもとより、最近では都市部に
おいても需要が増大している。但し、スラッシュ靴にお
いて、デザインを多様化したり、ファッション性を向上
させるには、成形型を成形体に所望のデザインや模様
(刻印模様)が施されるように加工するしかない。ま
た、1つの成形型では、1つのデザインあるいは1つの
模様しかできないことから、各種のデザインや模様が施
された靴を成形する場合には、各デザイン,各模様毎に
成形型を調製する必要があり、成形型に要する費用が膨
大となる。加えて、1つの成形型では、1つのサイズの
靴しか成形できず、各サイズ毎の成形型も必要となる。
【0003】このようなことから、スラッシュ靴におい
ては、デザインの多様化やファッション性の向上の要請
に応えるべく、最近、各種の塗装技術が開発されてい
る。この1つに、パール調あるいはメタリック調の光輝
性塗料を塗装する技術がある。すなわち、真珠,貝,雲
母等の微粉末、魚類の鱗から抽出したグアニンの結晶等
の天然材料、又はオキシ塩化ビスマス,雲母と酸化チタ
ンとの複合材,この複合材に更に酸化鉄が加わった複合
材等の合成材料からなるパール様の外観を呈する顔料を
配合した言わゆるパール調塗料、あるいは各種の金属粉
末,合成樹脂フィルム等に各種の金属を蒸着して微粉砕
した蒸着材等からなるメタリック顔料を配合した言わゆ
るメタリック調塗料を、スラッシュ靴の表面に塗装する
技術である。
ては、デザインの多様化やファッション性の向上の要請
に応えるべく、最近、各種の塗装技術が開発されてい
る。この1つに、パール調あるいはメタリック調の光輝
性塗料を塗装する技術がある。すなわち、真珠,貝,雲
母等の微粉末、魚類の鱗から抽出したグアニンの結晶等
の天然材料、又はオキシ塩化ビスマス,雲母と酸化チタ
ンとの複合材,この複合材に更に酸化鉄が加わった複合
材等の合成材料からなるパール様の外観を呈する顔料を
配合した言わゆるパール調塗料、あるいは各種の金属粉
末,合成樹脂フィルム等に各種の金属を蒸着して微粉砕
した蒸着材等からなるメタリック顔料を配合した言わゆ
るメタリック調塗料を、スラッシュ靴の表面に塗装する
技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のパール
調あるいはメタリック調の光輝性塗料により塗装される
靴はいずれも、過度の光輝を発し、個性が強過ぎるた
め、消費者層や用途が限られてしまう。また、過度の光
輝の故に、時として、安価なイメージとなり易い。これ
らの事情により、前述のように、耐水性,履き心地,耐
久性等に優れると言う特性の故に、豪雪地帯はもとより
都市部においても需要が増大しつつあるスラッシュ靴に
おいて、上記のパール調あるいはメタリック調の塗料を
塗装したものは、市場が極く狭いものとなっており、商
品価値を向上させるための要請であるデザインの多様化
やファッション性の向上に必ずしも応えたものになって
いるとは言えない。
調あるいはメタリック調の光輝性塗料により塗装される
靴はいずれも、過度の光輝を発し、個性が強過ぎるた
め、消費者層や用途が限られてしまう。また、過度の光
輝の故に、時として、安価なイメージとなり易い。これ
らの事情により、前述のように、耐水性,履き心地,耐
久性等に優れると言う特性の故に、豪雪地帯はもとより
都市部においても需要が増大しつつあるスラッシュ靴に
おいて、上記のパール調あるいはメタリック調の塗料を
塗装したものは、市場が極く狭いものとなっており、商
品価値を向上させるための要請であるデザインの多様化
やファッション性の向上に必ずしも応えたものになって
いるとは言えない。
【0005】本発明は、以上の諸点を考慮してなされた
もので、その目的は、スラッシュ靴にパール調あるいは
メタリック調の光輝性を有する塗料を塗装するにもかか
わらず、高級感,高品位感,高貴感に富むパール調ある
いはメタリック調の塗装靴を提案することにある。
もので、その目的は、スラッシュ靴にパール調あるいは
メタリック調の光輝性を有する塗料を塗装するにもかか
わらず、高級感,高品位感,高貴感に富むパール調ある
いはメタリック調の塗装靴を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、検討を重ねた結果、スラッシュ靴に施
されたパール調又はメタリック調塗料による塗装層の上
に重ねて通常の色塗料による塗装層を形成するか、ある
いはスラッシュ靴にこれらのパール調又はメタリック調
塗料と通常の色塗料との混合塗料による塗装層を形成す
ることにより、パール調又はメタリック調塗料の塗装
層の過度の光輝を適度に抑えることができること、し
かもこの輝度が適度に抑えられたパール調又はメタリッ
ク調塗料の塗装層は、意外にも、渋味あるいは深味を有
して、高級感,高品位感,高貴感に富むものであるこ
と、の知見を得た。
達成するために、検討を重ねた結果、スラッシュ靴に施
されたパール調又はメタリック調塗料による塗装層の上
に重ねて通常の色塗料による塗装層を形成するか、ある
いはスラッシュ靴にこれらのパール調又はメタリック調
塗料と通常の色塗料との混合塗料による塗装層を形成す
ることにより、パール調又はメタリック調塗料の塗装
層の過度の光輝を適度に抑えることができること、し
かもこの輝度が適度に抑えられたパール調又はメタリッ
ク調塗料の塗装層は、意外にも、渋味あるいは深味を有
して、高級感,高品位感,高貴感に富むものであるこ
と、の知見を得た。
【0007】本発明の塗装靴は、上記の知見に基づくも
ので、 (1)スラッシュ製法により底部と本体部とが一体に成
形されたスラッシュ靴であって、少なくとも本体部の少
なくとも一部に設けられた塗装層の少なくとも最上層に
色塗料による塗装層を有し、少なくともその下層にパー
ル調又はメタリック調塗料による塗装層を有してなるこ
とを特徴とし(以下、第1発明と言う)、また (2)スラッシュ製法により底部と本体部とが一体に成
形されたスラッシュ靴であって、少なくとも本体部の少
なくとも一部に設けられた塗装層の少なくとも最上層に
パール調塗料又はメタリック調塗料と色塗料との混合塗
料による塗装層を有してなることを特徴とする(以下、
第2発明と言う)。なお、第1,第2発明において、最
上層とは、装飾を目的とする塗装層の最上層を言い、場
合によっては最上層の更に上層に、保護、あるいは艶出
し、艶消し等を目的として、クリア層や艶消し層等の最
外層を設けることもある。
ので、 (1)スラッシュ製法により底部と本体部とが一体に成
形されたスラッシュ靴であって、少なくとも本体部の少
なくとも一部に設けられた塗装層の少なくとも最上層に
色塗料による塗装層を有し、少なくともその下層にパー
ル調又はメタリック調塗料による塗装層を有してなるこ
とを特徴とし(以下、第1発明と言う)、また (2)スラッシュ製法により底部と本体部とが一体に成
形されたスラッシュ靴であって、少なくとも本体部の少
なくとも一部に設けられた塗装層の少なくとも最上層に
パール調塗料又はメタリック調塗料と色塗料との混合塗
料による塗装層を有してなることを特徴とする(以下、
第2発明と言う)。なお、第1,第2発明において、最
上層とは、装飾を目的とする塗装層の最上層を言い、場
合によっては最上層の更に上層に、保護、あるいは艶出
し、艶消し等を目的として、クリア層や艶消し層等の最
外層を設けることもある。
【0008】第1,第2発明におけるパール調又はメタ
リック調塗料としては、前述した従来のパール様の外観
を呈する顔料(以下、パール顔料と言う)を配合したパ
ール調塗料又はメタリック顔料を配合したメタリック調
塗料が使用できる。但し、パール調,メタリック調塗料
とも、顔料の粒径が大き過ぎると、顔料の比重が飛躍的
に大きくなり、顔料が塗料中に沈澱したり、塗装された
直後の未乾燥の顔料が低所に流れ落ちてしまう等によ
り、均一なパール調又はメタリック調の塗装層の形成が
極めて困難ないしは不可能となる。逆に、顔料の粒径が
小さ過ぎると、顔料の比重が飛躍的に小さくなり、これ
ら顔料が塗料上に浮上するのみならず、通常の色塗料に
より隠蔽されてしまう可能性が高く、均一なパール調又
はメタリック調の塗装層の形成が極めて困難ないしは不
可能となる。従って、第1,第2発明におけるパール顔
料,メタリック顔料は、鱗片状の粒子形状において、1
0〜60μm程度の粒径範囲を有するものが好ましく使
用できる。
リック調塗料としては、前述した従来のパール様の外観
を呈する顔料(以下、パール顔料と言う)を配合したパ
ール調塗料又はメタリック顔料を配合したメタリック調
塗料が使用できる。但し、パール調,メタリック調塗料
とも、顔料の粒径が大き過ぎると、顔料の比重が飛躍的
に大きくなり、顔料が塗料中に沈澱したり、塗装された
直後の未乾燥の顔料が低所に流れ落ちてしまう等によ
り、均一なパール調又はメタリック調の塗装層の形成が
極めて困難ないしは不可能となる。逆に、顔料の粒径が
小さ過ぎると、顔料の比重が飛躍的に小さくなり、これ
ら顔料が塗料上に浮上するのみならず、通常の色塗料に
より隠蔽されてしまう可能性が高く、均一なパール調又
はメタリック調の塗装層の形成が極めて困難ないしは不
可能となる。従って、第1,第2発明におけるパール顔
料,メタリック顔料は、鱗片状の粒子形状において、1
0〜60μm程度の粒径範囲を有するものが好ましく使
用できる。
【0009】上記のパール調又はメタリック調塗料のビ
ヒクルとしての合成樹脂としては、ウレタン(一液型,
二液型を含む),アクリル,塩化ビニル−アクリル系等
を、単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。溶剤としては、メチルエチルケトン,トルエン,キ
シレン,シクロヘキサノン,ジメチルフォルムアミド,
テトラヒドロフラン等を、単独で又は2種以上を混合し
て使用することができる。必要に応じて、硬化剤,艶消
し剤等の各種の添加剤を、単独で又は2種以上を混合し
て配合することもできる。
ヒクルとしての合成樹脂としては、ウレタン(一液型,
二液型を含む),アクリル,塩化ビニル−アクリル系等
を、単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。溶剤としては、メチルエチルケトン,トルエン,キ
シレン,シクロヘキサノン,ジメチルフォルムアミド,
テトラヒドロフラン等を、単独で又は2種以上を混合し
て使用することができる。必要に応じて、硬化剤,艶消
し剤等の各種の添加剤を、単独で又は2種以上を混合し
て配合することもできる。
【0010】また、第1,第2発明における色塗料と
は、上記したパール顔料又はメタリック顔料を除き、ス
ラッシュ靴等の塗装用塗料として一般に使用されている
通常の各種の顔料を配合してなる塗料を言う。この色塗
料のビヒクルとしての合成樹脂,溶剤,各種の添加剤と
しては、上記のパール調又はメタリック調塗料と同様の
ものの他に、スラッシュ靴に通常使用されている色塗料
と同様のものが使用できる。
は、上記したパール顔料又はメタリック顔料を除き、ス
ラッシュ靴等の塗装用塗料として一般に使用されている
通常の各種の顔料を配合してなる塗料を言う。この色塗
料のビヒクルとしての合成樹脂,溶剤,各種の添加剤と
しては、上記のパール調又はメタリック調塗料と同様の
ものの他に、スラッシュ靴に通常使用されている色塗料
と同様のものが使用できる。
【0011】第1発明では、スラッシュ靴の少なくとも
本体部の少なくとも任意の一部に設けられた塗装層の少
なくとも最上層に、パール顔料又はメタリック顔料を除
く上記の通常の各種顔料を配合してなる色塗料による塗
装層(以下、色塗料層と言う)を有し、該塗料層の少な
くとも下層にパール顔料又はメタリック顔料を配合して
なるパール調又はメタリック調塗料による塗装層(以
下、パール又はメタリック塗料層と言う)を有してい
る。このパール又はメタリック塗料層に使用されるパー
ル顔料又はメタリック顔料は、同一材料,同一色相のも
のを使用してもよいし、異なる材料,異なる色相のもの
を混合して使用することもできる。なお、異なる色相の
ものを混合使用する場合は、上記した通常の顔料の色相
の異なるもの同士を混合する場合と同様の色相混合効果
が生じる。
本体部の少なくとも任意の一部に設けられた塗装層の少
なくとも最上層に、パール顔料又はメタリック顔料を除
く上記の通常の各種顔料を配合してなる色塗料による塗
装層(以下、色塗料層と言う)を有し、該塗料層の少な
くとも下層にパール顔料又はメタリック顔料を配合して
なるパール調又はメタリック調塗料による塗装層(以
下、パール又はメタリック塗料層と言う)を有してい
る。このパール又はメタリック塗料層に使用されるパー
ル顔料又はメタリック顔料は、同一材料,同一色相のも
のを使用してもよいし、異なる材料,異なる色相のもの
を混合して使用することもできる。なお、異なる色相の
ものを混合使用する場合は、上記した通常の顔料の色相
の異なるもの同士を混合する場合と同様の色相混合効果
が生じる。
【0012】このとき、パール又はメタリック塗料層に
おけるパール顔料又はメタリック顔料の密度は、小さ過
ぎると、最上層の色塗料層によりこれらの顔料がほぼ完
全に隠蔽されて、所期のパール,メタリック調の装飾性
を得ることができず、逆に大き過ぎると、輝度が高くな
り過ぎて、高級感,高品位感,高貴感に欠けたものとな
るのみならず、ビヒクルである合成樹脂の量が相対的に
減少してパール,メタリック顔料の接着強度上の問題も
生じて来る。従って、パール又はメタリック塗料層にお
けるパール顔料又はメタリック顔料の密度は、30〜1
70個/mm2程度とすることが好ましい。
おけるパール顔料又はメタリック顔料の密度は、小さ過
ぎると、最上層の色塗料層によりこれらの顔料がほぼ完
全に隠蔽されて、所期のパール,メタリック調の装飾性
を得ることができず、逆に大き過ぎると、輝度が高くな
り過ぎて、高級感,高品位感,高貴感に欠けたものとな
るのみならず、ビヒクルである合成樹脂の量が相対的に
減少してパール,メタリック顔料の接着強度上の問題も
生じて来る。従って、パール又はメタリック塗料層にお
けるパール顔料又はメタリック顔料の密度は、30〜1
70個/mm2程度とすることが好ましい。
【0013】また、このパール又はメタリック塗料層の
厚みは、薄過ぎると、該パール又はメタリック塗料層を
直接あるいは後述するプライマー塗料層を介してスラッ
シュ靴のベース上に設ける場合、該ベース色の隠蔽効果
が低下して該ベース色の影響が強く出ることがあり、所
期の色調で所期のパール,メタリック調の装飾性を得る
ことができなくなり、逆に厚過ぎると、パール,メタリ
ック顔料の量も多くなり、輝度が高くなり過ぎて高級
感,高品位感,高貴感に欠けたものとなる。従って、パ
ール又はメタリック塗料層の厚みは、ウエット状態にお
いて、5〜20μm程度の範囲内とすることが好まし
い。更に、上記のパール又はメタリック塗料層を設ける
のに使用されるパール調又はメタリック調塗料のパール
顔料又はメタリック顔料の濃度は、0.5〜1.0wt
%程度の範囲内とすることが好ましい。
厚みは、薄過ぎると、該パール又はメタリック塗料層を
直接あるいは後述するプライマー塗料層を介してスラッ
シュ靴のベース上に設ける場合、該ベース色の隠蔽効果
が低下して該ベース色の影響が強く出ることがあり、所
期の色調で所期のパール,メタリック調の装飾性を得る
ことができなくなり、逆に厚過ぎると、パール,メタリ
ック顔料の量も多くなり、輝度が高くなり過ぎて高級
感,高品位感,高貴感に欠けたものとなる。従って、パ
ール又はメタリック塗料層の厚みは、ウエット状態にお
いて、5〜20μm程度の範囲内とすることが好まし
い。更に、上記のパール又はメタリック塗料層を設ける
のに使用されるパール調又はメタリック調塗料のパール
顔料又はメタリック顔料の濃度は、0.5〜1.0wt
%程度の範囲内とすることが好ましい。
【0014】そして、上記のパール又はメタリック塗料
層上に設けられる最上層の色塗料層の色相(顔料の色
相)は、特に限定はしないが、パール又はメタリック塗
料層の色相(パール顔料又はメタリック顔料の色相)と
補色関係にある色相に近い色相程、色相の立体感や深味
が生じ、高級感,高品位感,高貴感に富むものとなり、
好ましい。また、色塗料層は、艶消しタイプのものとす
ることが、全体的に過度な輝きが防げるので、高級感,
高品位感,高貴感に富むものとする上で好ましい。
層上に設けられる最上層の色塗料層の色相(顔料の色
相)は、特に限定はしないが、パール又はメタリック塗
料層の色相(パール顔料又はメタリック顔料の色相)と
補色関係にある色相に近い色相程、色相の立体感や深味
が生じ、高級感,高品位感,高貴感に富むものとなり、
好ましい。また、色塗料層は、艶消しタイプのものとす
ることが、全体的に過度な輝きが防げるので、高級感,
高品位感,高貴感に富むものとする上で好ましい。
【0015】色塗料層の厚みは、薄過ぎると、その下層
にあるパール又はメタリック塗料層の隠蔽効果(輝度抑
え効果)が低下して、製品に渋味あるいは深味を付与す
ることができず、高級感,高品位感,高貴感に欠けたも
のとなり、逆に厚過ぎると、パール又はメタリック塗料
層を完全に隠蔽してしまう場合があり、所期のパール調
又はメタリック調の製品を得ることができなくなる。従
って、最上層の色塗料層の厚みは、ウエット状態におい
て、5〜10μm程度の範囲内とすることが好ましい。
また、上記の色塗料層を設けるのに使用される通常の顔
料の濃度は、3〜7wt%程度の範囲内とすることが好
ましい。
にあるパール又はメタリック塗料層の隠蔽効果(輝度抑
え効果)が低下して、製品に渋味あるいは深味を付与す
ることができず、高級感,高品位感,高貴感に欠けたも
のとなり、逆に厚過ぎると、パール又はメタリック塗料
層を完全に隠蔽してしまう場合があり、所期のパール調
又はメタリック調の製品を得ることができなくなる。従
って、最上層の色塗料層の厚みは、ウエット状態におい
て、5〜10μm程度の範囲内とすることが好ましい。
また、上記の色塗料層を設けるのに使用される通常の顔
料の濃度は、3〜7wt%程度の範囲内とすることが好
ましい。
【0016】なお、第1発明においては、必要に応じ
て、上記のパール又はメタリック塗料層の下層に、更
に、色塗料層及びパール又はメタリック塗料層を、それ
ぞれ単層で又は複数層で有していてもよく、それぞれ複
数層で有する場合には、それぞれの層を交互に配置する
ようにしてもよい。また、スラッシュ靴のベース上に直
接パール又はメタリック塗料層を設ける場合は、該パー
ル又はメタリック調塗料のビヒクルとして使用する合成
樹脂の種類によっては、該パール又はメタリック塗料層
とベースとの接着性に欠けることがあるため、予めベー
スにプライマー塗料層を設けておくことができる。更
に、スラッシュ靴のベースの色は、濃色とすることが、
渋味あるいは深味が増し、高級感,高品位感,高貴感に
富む製品とする上で好ましい。しかも、第1発明におい
て、上記の各塗装層は、本体部の任意の一部に設けても
よいし、本体部の全部あるいは底部の側面部等にも設け
てもよい。
て、上記のパール又はメタリック塗料層の下層に、更
に、色塗料層及びパール又はメタリック塗料層を、それ
ぞれ単層で又は複数層で有していてもよく、それぞれ複
数層で有する場合には、それぞれの層を交互に配置する
ようにしてもよい。また、スラッシュ靴のベース上に直
接パール又はメタリック塗料層を設ける場合は、該パー
ル又はメタリック調塗料のビヒクルとして使用する合成
樹脂の種類によっては、該パール又はメタリック塗料層
とベースとの接着性に欠けることがあるため、予めベー
スにプライマー塗料層を設けておくことができる。更
に、スラッシュ靴のベースの色は、濃色とすることが、
渋味あるいは深味が増し、高級感,高品位感,高貴感に
富む製品とする上で好ましい。しかも、第1発明におい
て、上記の各塗装層は、本体部の任意の一部に設けても
よいし、本体部の全部あるいは底部の側面部等にも設け
てもよい。
【0017】第2発明では、スラッシュ靴の少なくとも
本体部の少なくとも任意の一部に設けられた塗装層の少
なくとも最上層に、上記のパール調又はメタリック調塗
料と上記の色塗料との混合塗料による塗装層(以下、混
合塗料層と言う)を有している。このとき、混合する色
塗料の色相(顔料の色相)とパール調又はメタリック調
塗料の色相(パール顔料又はメタリック顔料の色相)と
の組合せは、第1発明の場合と同様に、特に限定はしな
いが、互いに補色関係にある色相に近い色相同士の組合
せ程、高級感,高品位感,高貴感に富むものとなり、好
ましい。また、パール顔料又はメタリック顔料は、第1
発明の場合と同様、同一材料,同一色相のものを使用し
てもよいし、異なる材料,異なる色相のものを混合して
使用することもできる。
本体部の少なくとも任意の一部に設けられた塗装層の少
なくとも最上層に、上記のパール調又はメタリック調塗
料と上記の色塗料との混合塗料による塗装層(以下、混
合塗料層と言う)を有している。このとき、混合する色
塗料の色相(顔料の色相)とパール調又はメタリック調
塗料の色相(パール顔料又はメタリック顔料の色相)と
の組合せは、第1発明の場合と同様に、特に限定はしな
いが、互いに補色関係にある色相に近い色相同士の組合
せ程、高級感,高品位感,高貴感に富むものとなり、好
ましい。また、パール顔料又はメタリック顔料は、第1
発明の場合と同様、同一材料,同一色相のものを使用し
てもよいし、異なる材料,異なる色相のものを混合して
使用することもできる。
【0018】また、混合塗料層におけるパール顔料又は
メタリック顔料の密度は、小さ過ぎると、混合されてい
る色塗料によりこれらの顔料がほぼ完全に隠蔽されて、
所期のパール,メタリック調の塗料層を得ることができ
ず、逆に大き過ぎると、輝度が高くなり過ぎて、高級
感,高品位感,高貴感に欠けたものとなる。従って、混
合塗料層におけるパール顔料又はメタリック顔料の密度
は、30〜170個/mm2程度とすることが好まし
い。そして、この顔料密度を目安として、色塗料とパー
ル調又はメタリック調塗料との混合割合を適宜選定すれ
ばよい。なお、第2発明における混合塗料は、色塗料と
パール調又はメタリック調塗料とをそれぞれ別途調製し
ておいたものを混合して調製してもよいし、色塗料に使
用する顔料,ビヒクルとしての合成樹脂,溶剤,その他
の添加剤と、パール調又はメタリック調塗料に使用する
パール顔料又はメタリック顔料,ビヒクルとしての合成
樹脂,溶剤,その他の添加剤を一緒に混合して調製する
こともできる。
メタリック顔料の密度は、小さ過ぎると、混合されてい
る色塗料によりこれらの顔料がほぼ完全に隠蔽されて、
所期のパール,メタリック調の塗料層を得ることができ
ず、逆に大き過ぎると、輝度が高くなり過ぎて、高級
感,高品位感,高貴感に欠けたものとなる。従って、混
合塗料層におけるパール顔料又はメタリック顔料の密度
は、30〜170個/mm2程度とすることが好まし
い。そして、この顔料密度を目安として、色塗料とパー
ル調又はメタリック調塗料との混合割合を適宜選定すれ
ばよい。なお、第2発明における混合塗料は、色塗料と
パール調又はメタリック調塗料とをそれぞれ別途調製し
ておいたものを混合して調製してもよいし、色塗料に使
用する顔料,ビヒクルとしての合成樹脂,溶剤,その他
の添加剤と、パール調又はメタリック調塗料に使用する
パール顔料又はメタリック顔料,ビヒクルとしての合成
樹脂,溶剤,その他の添加剤を一緒に混合して調製する
こともできる。
【0019】混合塗料層の厚みは、薄過ぎると、該混合
塗料層を直接あるいは上記の第1発明と同様のプライマ
ー塗料層を介してスラッシュ靴のベース上に設ける場
合、該ベース色の隠蔽効果が低下して該ベース色の影響
が強く出ることがあり、所期の色調で所期のパール,メ
タリック調の製品を得ることができなくなり、逆に厚過
ぎると、パール,メタリック顔料の量も多くなり、これ
ら顔料の接着強度上の問題が生じて来る。従って、混合
塗料層の厚みは、ウエット状態において、10〜30μ
m程度の範囲内とすることが好ましい。また、上記の混
合塗料層を設けるのに使用される混合塗料中のパール顔
料又はメタリック顔料の濃度は0.5〜1.0wt%程
度の範囲内とし、通常の顔料の濃度は3〜7wt%程度
の範囲内とすることが好ましい。
塗料層を直接あるいは上記の第1発明と同様のプライマ
ー塗料層を介してスラッシュ靴のベース上に設ける場
合、該ベース色の隠蔽効果が低下して該ベース色の影響
が強く出ることがあり、所期の色調で所期のパール,メ
タリック調の製品を得ることができなくなり、逆に厚過
ぎると、パール,メタリック顔料の量も多くなり、これ
ら顔料の接着強度上の問題が生じて来る。従って、混合
塗料層の厚みは、ウエット状態において、10〜30μ
m程度の範囲内とすることが好ましい。また、上記の混
合塗料層を設けるのに使用される混合塗料中のパール顔
料又はメタリック顔料の濃度は0.5〜1.0wt%程
度の範囲内とし、通常の顔料の濃度は3〜7wt%程度
の範囲内とすることが好ましい。
【0020】なお、第2発明においてはも、第1発明の
場合と同様に、必要に応じて、上記の混合塗料層の下層
に、更に、第1発明と同様の色塗料層及びパール又はメ
タリック塗料層、あるいは混合塗料層を、それぞれ単層
で又は複数層で有していてもよく、それぞれ複数層で設
ける場合には、それぞれの層を交互に配置するようにし
てもよい。また、スラッシュ靴のベース上に直接混合塗
料層を設ける場合は、該混合塗料のビヒクルとして使用
する合成樹脂の種類(色塗料のビヒクルとパール調又は
メタリック調塗料のビヒクルが異なる場合は2種類の合
成樹脂、同一の場合は1種類の合成樹脂)によっては、
該混合塗料層とベースとの接着性に欠けることがあるた
め、予めベースにプライマー塗料層を設けておくことが
できる。更に、スラッシュ靴のベースの色は、第1発明
の場合と同様、濃色とすることが、渋味あるいは深味を
増し、高級感,高品位感,高貴感に富む製品とする上で
好ましい。しかも、第2発明においても、第1発明の場
合と同様に、上記の各塗装層は、本体部の少なくとも任
意の一部に設けてもよいし、本体部の全部あるいは底部
の側面部等にも設けてもよい。
場合と同様に、必要に応じて、上記の混合塗料層の下層
に、更に、第1発明と同様の色塗料層及びパール又はメ
タリック塗料層、あるいは混合塗料層を、それぞれ単層
で又は複数層で有していてもよく、それぞれ複数層で設
ける場合には、それぞれの層を交互に配置するようにし
てもよい。また、スラッシュ靴のベース上に直接混合塗
料層を設ける場合は、該混合塗料のビヒクルとして使用
する合成樹脂の種類(色塗料のビヒクルとパール調又は
メタリック調塗料のビヒクルが異なる場合は2種類の合
成樹脂、同一の場合は1種類の合成樹脂)によっては、
該混合塗料層とベースとの接着性に欠けることがあるた
め、予めベースにプライマー塗料層を設けておくことが
できる。更に、スラッシュ靴のベースの色は、第1発明
の場合と同様、濃色とすることが、渋味あるいは深味を
増し、高級感,高品位感,高貴感に富む製品とする上で
好ましい。しかも、第2発明においても、第1発明の場
合と同様に、上記の各塗装層は、本体部の少なくとも任
意の一部に設けてもよいし、本体部の全部あるいは底部
の側面部等にも設けてもよい。
【0021】以上の第1,第2発明の各塗料層は、スプ
レー法,刷毛塗り法,ディップ法,静電塗装法等のスラ
ッシュ靴の通常の塗装手段によって塗装した後、通常の
乾燥手段により乾燥して形成することができる。但し、
これら塗装手段のうちのディップ法の場合は、第1発明
におけるパール調又はメタリック調塗料、第2発明にお
ける混合塗料の粘度が低過ぎると、ディップ槽から引き
上げた直後に、パール顔料又はメタリック顔料が流れ落
ちたり、この流れ落ちの跡が塗装面に筋状に形成される
等して、所望のパール顔料又はメタリック顔料密度で、
かつ良好な塗装状態で、これらの塗料層を形成すること
ができなくなることがあるため、これらの事態が生じな
い程度の粘度に調整した各塗料を使用する。また、第1
発明の最上層の色塗料層は、後述するように、該塗料層
の微細な隙間を通して、その下層のパール又はメタリッ
ク塗料層のパール顔料又はメタリック顔料が一部見える
ようにする必要があり、このためには色塗料層が微細な
ドットの集合層として形成され易い塗装手段、例えばス
プレー法等を採用して形成することが好ましい。
レー法,刷毛塗り法,ディップ法,静電塗装法等のスラ
ッシュ靴の通常の塗装手段によって塗装した後、通常の
乾燥手段により乾燥して形成することができる。但し、
これら塗装手段のうちのディップ法の場合は、第1発明
におけるパール調又はメタリック調塗料、第2発明にお
ける混合塗料の粘度が低過ぎると、ディップ槽から引き
上げた直後に、パール顔料又はメタリック顔料が流れ落
ちたり、この流れ落ちの跡が塗装面に筋状に形成される
等して、所望のパール顔料又はメタリック顔料密度で、
かつ良好な塗装状態で、これらの塗料層を形成すること
ができなくなることがあるため、これらの事態が生じな
い程度の粘度に調整した各塗料を使用する。また、第1
発明の最上層の色塗料層は、後述するように、該塗料層
の微細な隙間を通して、その下層のパール又はメタリッ
ク塗料層のパール顔料又はメタリック顔料が一部見える
ようにする必要があり、このためには色塗料層が微細な
ドットの集合層として形成され易い塗装手段、例えばス
プレー法等を採用して形成することが好ましい。
【0022】
【作用】第1発明では、最上層の色塗料層が、その下層
のパール又はメタリック塗料層のパール顔料又はメタリ
ック顔料の一部を隠蔽して、これらの顔料が有する輝度
を抑制する作用をなす。すなわち、第1発明の塗装靴を
拡大鏡や顕微鏡等を使用して観た場合、色塗料層の微細
な隙間を通して、その下層のパール又はメタリック塗料
層中に散在するパール顔料又はメタリック顔料が一部散
見される。この外部から散見されるパール顔料又はメタ
リック顔料により、パール調又はメタリック調の装飾効
果が生じる一方、該パール顔料又はメタリック顔料の一
部を覆っている色塗料により、これら顔料の反射面積が
減少したり、あるいは反射率が変化されたり等して、こ
れら顔料の輝度が抑制される。しかも、最上層の色塗料
層が、その下層にあるパール又はメタリック塗料層中の
パール顔料又はメタリック顔料の光輝を、塗装層のかな
り深い所から発生させるような作用をなし、パール調又
はメタリック調の装飾効果を深味あるいは渋味の有るも
のとする。これらの作用により、第1発明の塗装靴を肉
眼で観た場合に、鈍い光りを放つ、渋味あるいは深味の
有る、高級感,高品質感,高貴感に富んだパール又はメ
タリック調の塗装靴として認識される。
のパール又はメタリック塗料層のパール顔料又はメタリ
ック顔料の一部を隠蔽して、これらの顔料が有する輝度
を抑制する作用をなす。すなわち、第1発明の塗装靴を
拡大鏡や顕微鏡等を使用して観た場合、色塗料層の微細
な隙間を通して、その下層のパール又はメタリック塗料
層中に散在するパール顔料又はメタリック顔料が一部散
見される。この外部から散見されるパール顔料又はメタ
リック顔料により、パール調又はメタリック調の装飾効
果が生じる一方、該パール顔料又はメタリック顔料の一
部を覆っている色塗料により、これら顔料の反射面積が
減少したり、あるいは反射率が変化されたり等して、こ
れら顔料の輝度が抑制される。しかも、最上層の色塗料
層が、その下層にあるパール又はメタリック塗料層中の
パール顔料又はメタリック顔料の光輝を、塗装層のかな
り深い所から発生させるような作用をなし、パール調又
はメタリック調の装飾効果を深味あるいは渋味の有るも
のとする。これらの作用により、第1発明の塗装靴を肉
眼で観た場合に、鈍い光りを放つ、渋味あるいは深味の
有る、高級感,高品質感,高貴感に富んだパール又はメ
タリック調の塗装靴として認識される。
【0023】また、色塗料層の色相とパール又はメタリ
ック塗料層の色相が、補色関係又はこれに近い色相同士
である場合、上記のパール顔料又はメタリック顔料の反
射率の変化効果等がより一層良好となって、これら顔料
の輝度の抑制効果が向上し、高級感,高品位感,高貴感
に富むものとなる。そして、ベース色が濃色の場合、該
濃色が上記の色塗料層とパール又はメタリック塗料層と
の相乗作用に更に相乗して、パール調又はメタリック調
の装飾効果に一層の深味あるいは渋味を付与し、更に高
級感,高品位感,高貴感に富むものとなる。
ック塗料層の色相が、補色関係又はこれに近い色相同士
である場合、上記のパール顔料又はメタリック顔料の反
射率の変化効果等がより一層良好となって、これら顔料
の輝度の抑制効果が向上し、高級感,高品位感,高貴感
に富むものとなる。そして、ベース色が濃色の場合、該
濃色が上記の色塗料層とパール又はメタリック塗料層と
の相乗作用に更に相乗して、パール調又はメタリック調
の装飾効果に一層の深味あるいは渋味を付与し、更に高
級感,高品位感,高貴感に富むものとなる。
【0024】第2発明では、混合塗料層中に、パール顔
料又はメタリック顔料と、通常の顔料及び該通常の顔料
で着色された合成樹脂粒子(以下、着色粒子)とが混在
し、通常の顔料及び着色粒子がパール顔料又はメタリッ
ク顔料の一部を隠蔽して、パール顔料又はメタリック顔
料が有する輝度を抑制する作用をなす。すなわち、第2
発明の塗装靴を拡大鏡や顕微鏡等を使用して観た場合、
通常の顔料及び着色粒子の間の微細な隙間に、パール顔
料又はメタリック顔料が一部散見され、該パール顔料又
はメタリック顔料により、パール調又はメタリック調の
装飾効果が生じる一方、該パール顔料又はメタリック顔
料の一部を覆っている通常の顔料及び着色粒子により、
これら顔料の反射面積が減少したり、あるいは反射率が
変化されたり等して、これら顔料の輝度が抑制される。
しかも、パール顔料又はメタリック顔料は、混合塗料層
の上方(浅い所)から下方(深い所)に至るまでほぼ均
一に存在しており、下方に存在しているパール顔料又は
メタリック顔料の輝度と、上方に存在しているこれら顔
料の輝度とが、微妙に異なり、第1発明とは異なる深味
あるいは渋味の有るパール調又はメタリック調の装飾効
果を発現する。これらの作用により、第2発明の塗装靴
においても、肉眼で観た場合には、第1発明の場合と同
様に、鈍い光りを放つ、渋味あるいは深味の有る、高級
感,高品質感,高貴感に富んだパール又はメタリック調
の塗装靴として認識される。
料又はメタリック顔料と、通常の顔料及び該通常の顔料
で着色された合成樹脂粒子(以下、着色粒子)とが混在
し、通常の顔料及び着色粒子がパール顔料又はメタリッ
ク顔料の一部を隠蔽して、パール顔料又はメタリック顔
料が有する輝度を抑制する作用をなす。すなわち、第2
発明の塗装靴を拡大鏡や顕微鏡等を使用して観た場合、
通常の顔料及び着色粒子の間の微細な隙間に、パール顔
料又はメタリック顔料が一部散見され、該パール顔料又
はメタリック顔料により、パール調又はメタリック調の
装飾効果が生じる一方、該パール顔料又はメタリック顔
料の一部を覆っている通常の顔料及び着色粒子により、
これら顔料の反射面積が減少したり、あるいは反射率が
変化されたり等して、これら顔料の輝度が抑制される。
しかも、パール顔料又はメタリック顔料は、混合塗料層
の上方(浅い所)から下方(深い所)に至るまでほぼ均
一に存在しており、下方に存在しているパール顔料又は
メタリック顔料の輝度と、上方に存在しているこれら顔
料の輝度とが、微妙に異なり、第1発明とは異なる深味
あるいは渋味の有るパール調又はメタリック調の装飾効
果を発現する。これらの作用により、第2発明の塗装靴
においても、肉眼で観た場合には、第1発明の場合と同
様に、鈍い光りを放つ、渋味あるいは深味の有る、高級
感,高品質感,高貴感に富んだパール又はメタリック調
の塗装靴として認識される。
【0025】また、通常の顔料の色相とパール顔料又は
メタリック顔料の色相が、補色関係又はこれに近い色相
同士である場合、上記の第1発明の場合と同様に、パー
ル顔料又はメタリック顔料の反射率の変化効果等がより
一層良好となって、輝度の抑制効果が向上し、高級感,
高品位感,高貴感に富むものとなる。そして、ベース色
が濃色の場合、該濃色が混合塗装層中に存在する通常の
顔料とパール顔料又はメタリック顔料との相乗作用に更
に相乗して、上記の第1発明の場合と同様に、パール調
又はメタリック調の装飾効果に一層の深味あるいは渋味
を付与し、更に高級感,高品位感,高貴感に富むものと
なる。
メタリック顔料の色相が、補色関係又はこれに近い色相
同士である場合、上記の第1発明の場合と同様に、パー
ル顔料又はメタリック顔料の反射率の変化効果等がより
一層良好となって、輝度の抑制効果が向上し、高級感,
高品位感,高貴感に富むものとなる。そして、ベース色
が濃色の場合、該濃色が混合塗装層中に存在する通常の
顔料とパール顔料又はメタリック顔料との相乗作用に更
に相乗して、上記の第1発明の場合と同様に、パール調
又はメタリック調の装飾効果に一層の深味あるいは渋味
を付与し、更に高級感,高品位感,高貴感に富むものと
なる。
【0026】
実施例1 黒色の軟質塩化ビニル樹脂を使用してスラッシュ製法に
より成形したスラッシュ靴の本体部の全面に、粒径が1
0〜60μmの範囲にある燐片状のパール顔料(色相ゴ
ールド、ドイツのイー・メルク社製商品名イリオジン3
02)1wt%とアクリル系クリア塗料(特殊色料社製
商品名VL−0341)99wt%とからなるパール調
塗料をウエット状態で厚さ12μmとなるようにスプレ
ー塗装し、更にこの上に通常アクリル系色塗料(色相グ
リーン、特殊色料社製商品名VLT−2600)をウエ
ット状態で厚さ7μmとなるようにスプレー塗装して第
1発明のパール調塗装靴を調製した。なお、上記配合の
パール調塗料によれば、パール塗料層のパール顔料の密
度を平均で88個/mm2程度とすることができる。
より成形したスラッシュ靴の本体部の全面に、粒径が1
0〜60μmの範囲にある燐片状のパール顔料(色相ゴ
ールド、ドイツのイー・メルク社製商品名イリオジン3
02)1wt%とアクリル系クリア塗料(特殊色料社製
商品名VL−0341)99wt%とからなるパール調
塗料をウエット状態で厚さ12μmとなるようにスプレ
ー塗装し、更にこの上に通常アクリル系色塗料(色相グ
リーン、特殊色料社製商品名VLT−2600)をウエ
ット状態で厚さ7μmとなるようにスプレー塗装して第
1発明のパール調塗装靴を調製した。なお、上記配合の
パール調塗料によれば、パール塗料層のパール顔料の密
度を平均で88個/mm2程度とすることができる。
【0027】上記のパール調塗装靴の構成を図1及び図
2(A)により説明する。図1は塗装靴Sの全体を示す
斜視図であり、図2(A)は図1のα部の断面を模式的
に示した図である。図2(A)において、1が黒色軟質
塩化ビニル樹脂製のスラッシュ靴ベースであり、この内
側に裏布10が設けられ、反対側に先ずパール塗料層2
が形成され、最上層に色塗料層3が形成されている。
2(A)により説明する。図1は塗装靴Sの全体を示す
斜視図であり、図2(A)は図1のα部の断面を模式的
に示した図である。図2(A)において、1が黒色軟質
塩化ビニル樹脂製のスラッシュ靴ベースであり、この内
側に裏布10が設けられ、反対側に先ずパール塗料層2
が形成され、最上層に色塗料層3が形成されている。
【0028】このパール調塗装靴を倍率39で顕微鏡写
真を撮ったところ、最上層の色塗料層3の微細な隙間を
介して、その下層のパール塗料層2中に散在している光
輝性を放つパール顔料の一部が散見された。そして、肉
眼で観たところ、鈍い光りを発して、かなりの渋味と深
味とを有する、高級感,高品質感,高貴感に富むパール
調塗装靴として認識された。
真を撮ったところ、最上層の色塗料層3の微細な隙間を
介して、その下層のパール塗料層2中に散在している光
輝性を放つパール顔料の一部が散見された。そして、肉
眼で観たところ、鈍い光りを発して、かなりの渋味と深
味とを有する、高級感,高品質感,高貴感に富むパール
調塗装靴として認識された。
【0029】実施例2 実施例1で使用したパール調塗料と色塗料とを1:1の
割合で混合した混合塗料を、実施例1と同じ黒色軟質塩
化ビニル樹脂製スラッシュ靴に実施例1と同様にして、
ウエット状態で厚さ16μmとなるようにスプレー塗装
して第2発明のパール調塗装靴を調製した。なお、上記
配合の混合塗料によれば、混合塗料層のパール顔料の密
度を平均で91個/mm2程度とすることができる。
割合で混合した混合塗料を、実施例1と同じ黒色軟質塩
化ビニル樹脂製スラッシュ靴に実施例1と同様にして、
ウエット状態で厚さ16μmとなるようにスプレー塗装
して第2発明のパール調塗装靴を調製した。なお、上記
配合の混合塗料によれば、混合塗料層のパール顔料の密
度を平均で91個/mm2程度とすることができる。
【0030】上記のパール調塗装靴の構成を図2(B)
により説明する。図2(B)は図1のα部の断面を模式
的に示した図である。図2(B)において、図2(A)
と同一符号は、図2(A)と同一部を示し、4が最上層
に形成された混合塗料層である。
により説明する。図2(B)は図1のα部の断面を模式
的に示した図である。図2(B)において、図2(A)
と同一符号は、図2(A)と同一部を示し、4が最上層
に形成された混合塗料層である。
【0031】このパール調塗装靴を倍率39で顕微鏡写
真を撮ったところ、混合塗料層4中に散在している通常
の顔料及び着色粒子間の微細な隙間に、やはり該混合塗
料層4中に散在している光輝性を放つパール顔料の一部
が散見された。そして、肉眼で観たところ、実施例1で
得られたパール調塗装靴と同様、鈍い光りを発して、か
なりの渋味と深味とを有する、高級感,高品質感,高貴
感に富むパール調塗装靴として認識された。
真を撮ったところ、混合塗料層4中に散在している通常
の顔料及び着色粒子間の微細な隙間に、やはり該混合塗
料層4中に散在している光輝性を放つパール顔料の一部
が散見された。そして、肉眼で観たところ、実施例1で
得られたパール調塗装靴と同様、鈍い光りを発して、か
なりの渋味と深味とを有する、高級感,高品質感,高貴
感に富むパール調塗装靴として認識された。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、第1,第2発明に
よれば、パール顔料又はメタリック顔料が有する輝度が
適度に抑制されて、従来のパール又はメタリック調塗装
靴では不可能ないしは極めて困難であった鈍い光りを放
つ、しかも渋味あるいは深味を有する、高級感,高品質
感,高貴感に富んだパール又はメタリック調の塗装靴を
得ることができる。また、第1,第2発明では、このよ
うな高級感,高品質感,高貴感に富むパール調又はメタ
リック調の塗装部を、靴の全面に限らず、適宜の任意の
箇所にのみ設けることができるため、斬新な意匠のパー
ル又はメタリック調塗装靴を得ることができる。しか
も、第2発明においては、パール顔料又はメタリック顔
料を混合塗料層の上方から下方に至るまでほぼ均一に存
在させるため、下方のパール顔料又はメタリック顔料の
輝度と、上方のこれら顔料の輝度とが微妙に異なり、第
1発明とは異なる味わいの有るパール又はメタリック調
塗装靴を提供することができる。
よれば、パール顔料又はメタリック顔料が有する輝度が
適度に抑制されて、従来のパール又はメタリック調塗装
靴では不可能ないしは極めて困難であった鈍い光りを放
つ、しかも渋味あるいは深味を有する、高級感,高品質
感,高貴感に富んだパール又はメタリック調の塗装靴を
得ることができる。また、第1,第2発明では、このよ
うな高級感,高品質感,高貴感に富むパール調又はメタ
リック調の塗装部を、靴の全面に限らず、適宜の任意の
箇所にのみ設けることができるため、斬新な意匠のパー
ル又はメタリック調塗装靴を得ることができる。しか
も、第2発明においては、パール顔料又はメタリック顔
料を混合塗料層の上方から下方に至るまでほぼ均一に存
在させるため、下方のパール顔料又はメタリック顔料の
輝度と、上方のこれら顔料の輝度とが微妙に異なり、第
1発明とは異なる味わいの有るパール又はメタリック調
塗装靴を提供することができる。
【図1】第1,第2発明の塗装靴の全体を示す説明図で
ある。
ある。
【図2】図1のα部の断面を模式的に示す図で、(A)
が第1発明の塗装靴を、(B)が第2発明の塗装靴を示
している。
が第1発明の塗装靴を、(B)が第2発明の塗装靴を示
している。
1 スラッシュ靴のベース 2 パール又はメタリック塗料層 3 色塗料層 4 混合塗料層
Claims (2)
- 【請求項1】 スラッシュ製法により底部と本体部とが
一体に成形されたスラッシュ靴であって、少なくとも本
体部の少なくとも一部に設けられた塗装層の少なくとも
最上層に色塗料による塗装層を有し、少なくともその下
層にパール調又はメタリック調塗料による塗装層を有し
てなることを特徴とする高級感の有るパール,メタッリ
ック調塗装靴。 - 【請求項2】 スラッシュ製法により底部と本体部とが
一体に成形されたスラッシュ靴であって、少なくとも本
体部の少なくとも一部に設けられた塗装層の少なくとも
最上層にパール調塗料又はメタリック調塗料と色塗料と
の混合塗料による塗装層を有してなることを特徴とする
高級感の有るパール,メタッリック調塗装靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24449991A JPH0556802A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 高級感の有るパール,メタリツク調塗装靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24449991A JPH0556802A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 高級感の有るパール,メタリツク調塗装靴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0556802A true JPH0556802A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17119582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24449991A Pending JPH0556802A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 高級感の有るパール,メタリツク調塗装靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0556802A (ja) |
-
1991
- 1991-08-29 JP JP24449991A patent/JPH0556802A/ja active Pending
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