JPH0551375A - フオルスコリンの包接化合物 - Google Patents
フオルスコリンの包接化合物Info
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- JPH0551375A JPH0551375A JP23255091A JP23255091A JPH0551375A JP H0551375 A JPH0551375 A JP H0551375A JP 23255091 A JP23255091 A JP 23255091A JP 23255091 A JP23255091 A JP 23255091A JP H0551375 A JPH0551375 A JP H0551375A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 水に不溶性のフォルスコリンを分岐サイクロ
デキストリンで包接することにより、可溶性の包接化合
物を提供する。 【構成】 フォルスコリンをグルコシル−β−サイクロ
デキストリン(G1-β-CD)、ジグルコシル−β−サ
イクロデキストリン(G1・G1-β-CD)、マルトシル−
β−サイクロデキストリン(G2-β-CD)、ジマルトシ
ル−β−サイクロデキストリン(G2・G2-β-CD)等の
分岐サイクロデキストリンで包接してなる包接化合物。
デキストリンで包接することにより、可溶性の包接化合
物を提供する。 【構成】 フォルスコリンをグルコシル−β−サイクロ
デキストリン(G1-β-CD)、ジグルコシル−β−サ
イクロデキストリン(G1・G1-β-CD)、マルトシル−
β−サイクロデキストリン(G2-β-CD)、ジマルトシ
ル−β−サイクロデキストリン(G2・G2-β-CD)等の
分岐サイクロデキストリンで包接してなる包接化合物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフォルスコリンの包接化
合物に関し、更に詳細には有用な生理活性を有するフォ
ルスコリンを分岐サイクロデキストリンで包接してなる
包接化合物に関する。
合物に関し、更に詳細には有用な生理活性を有するフォ
ルスコリンを分岐サイクロデキストリンで包接してなる
包接化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】フォルスコリンはインド産しそ科植物で
あるColeusforskohliiから単離・同定された、強力な血
圧降下作用及び心筋収縮力増強作用を有するラブダン型
ジテルペン化合物である。その薬理作用は、細胞膜上の
β-アドレナリンレセプターを介さずに、直接アデニル
酸シクラーゼを活性化してcyclic AMP濃度を高めるもの
で、これまでの薬物には見られない全く新しい作用機作
を有する化合物であると言われている。しかし、フォル
スコリンは経口投与では腸管吸収が悪いため薬理作用が
十分に発現されない。このような訳で、フォルスコリン
は、注射剤として心不全などの治療への使用が期待され
るが、水への溶解度が室温で0.0026%と極端に低いた
め、通常の使用方法では効果が発現されないという欠点
を有する。
あるColeusforskohliiから単離・同定された、強力な血
圧降下作用及び心筋収縮力増強作用を有するラブダン型
ジテルペン化合物である。その薬理作用は、細胞膜上の
β-アドレナリンレセプターを介さずに、直接アデニル
酸シクラーゼを活性化してcyclic AMP濃度を高めるもの
で、これまでの薬物には見られない全く新しい作用機作
を有する化合物であると言われている。しかし、フォル
スコリンは経口投与では腸管吸収が悪いため薬理作用が
十分に発現されない。このような訳で、フォルスコリン
は、注射剤として心不全などの治療への使用が期待され
るが、水への溶解度が室温で0.0026%と極端に低いた
め、通常の使用方法では効果が発現されないという欠点
を有する。
【0003】このため、フォルスコリンの水溶性化の試
みが行われており、今までに、非分岐サイクロデキスト
リン(J.Ocular Pharmacol.5(2),111(1989)),ヒドロ
キシプロピルサイクロデキストリン(Molecular Pharma
col.32.133(1987))などのサイクロデキストリン(C
D)を用いる方法や、可溶化剤であるポリオキシエチレ
ン−ポリオキシプロピレン共重合体を用いる方法(J.Oc
ular Phamacol.5(2),111(1989))などが知られている。
しかしながら、非分岐CDでは、β-CDの場合はそれ
自身の水への溶解度が低いため十分な可溶化量が得られ
ず、また、γ-CDの場合ではフォルスコリンとの間に
水不溶性の包接沈殿を形成し、全く水溶性とはならな
い。したがって、これらの非分岐CDによる水溶性化は
実用上不可能である。
みが行われており、今までに、非分岐サイクロデキスト
リン(J.Ocular Pharmacol.5(2),111(1989)),ヒドロ
キシプロピルサイクロデキストリン(Molecular Pharma
col.32.133(1987))などのサイクロデキストリン(C
D)を用いる方法や、可溶化剤であるポリオキシエチレ
ン−ポリオキシプロピレン共重合体を用いる方法(J.Oc
ular Phamacol.5(2),111(1989))などが知られている。
しかしながら、非分岐CDでは、β-CDの場合はそれ
自身の水への溶解度が低いため十分な可溶化量が得られ
ず、また、γ-CDの場合ではフォルスコリンとの間に
水不溶性の包接沈殿を形成し、全く水溶性とはならな
い。したがって、これらの非分岐CDによる水溶性化は
実用上不可能である。
【0004】一方、ヒドロキシプロピルサイクロデキス
トリン(HP-CD)は、HP-β-CDである程度の水
溶性が認められ、HP-γ-CDではさらにそれの数倍程
度の溶解度が認められている。しかしHP-β-CDによ
る可溶化では、溶解性が充分でなく実際に注射剤とした
ときにCD濃度が高くなりすぎて、溶血作用等の生体へ
の影響を考慮したときに好ましくない。また、HP-γ-
CDは充分な可溶化力を示すが、HP-γ-CDそのもの
の価格が非常に高く(通常β-タイプのCDの数十倍と
言われている)、薬剤の担体として使用するには価格上
実用的でない。しかもHP-CDは、いずれも複数個の
ヒドロキシプロピル基が置換したCDの混合物であり、
単一成分を単離することが著しく困難であることから医
薬品として許可を得る際に非常に不利である。また、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等の
共重合ポリマーなどの可溶化剤の使用もある程度は有効
であるが、やはり可溶化量に限界があり、満足のできる
結果は得られていない。
トリン(HP-CD)は、HP-β-CDである程度の水
溶性が認められ、HP-γ-CDではさらにそれの数倍程
度の溶解度が認められている。しかしHP-β-CDによ
る可溶化では、溶解性が充分でなく実際に注射剤とした
ときにCD濃度が高くなりすぎて、溶血作用等の生体へ
の影響を考慮したときに好ましくない。また、HP-γ-
CDは充分な可溶化力を示すが、HP-γ-CDそのもの
の価格が非常に高く(通常β-タイプのCDの数十倍と
言われている)、薬剤の担体として使用するには価格上
実用的でない。しかもHP-CDは、いずれも複数個の
ヒドロキシプロピル基が置換したCDの混合物であり、
単一成分を単離することが著しく困難であることから医
薬品として許可を得る際に非常に不利である。また、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等の
共重合ポリマーなどの可溶化剤の使用もある程度は有効
であるが、やはり可溶化量に限界があり、満足のできる
結果は得られていない。
【0005】そこで水溶性のフォルスコリン誘導体の開
発が盛んに行われ、最近になり、フォルスコリンと同等
以上の活性を有する誘導体が開発(特開昭63-10783,特
開昭64-9986)されるに至った。しかしこれらのフォル
スコリン誘導体は、フォルスコリンを原料にして相当数
の工程を要して合成されるため、収率の低下が避けられ
ない。しかもこれらの誘導体は水溶性が付与されたとし
てもフォルスコリンの溶解度の30〜50倍程度であり、依
然として充分な溶解性を有していないため、必ずしも良
い方法であるとは言えない。
発が盛んに行われ、最近になり、フォルスコリンと同等
以上の活性を有する誘導体が開発(特開昭63-10783,特
開昭64-9986)されるに至った。しかしこれらのフォル
スコリン誘導体は、フォルスコリンを原料にして相当数
の工程を要して合成されるため、収率の低下が避けられ
ない。しかもこれらの誘導体は水溶性が付与されたとし
てもフォルスコリンの溶解度の30〜50倍程度であり、依
然として充分な溶解性を有していないため、必ずしも良
い方法であるとは言えない。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは上記問題
点を解決すべく種々研究を重ねた結果、フォルスコリン
を分岐サイクロデキストリン(分岐CD)で包接するこ
とにより、従来法よりも更に溶解性の改善された包接化
合物が得られることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明はフォルスコリンを分岐CDで包接し
てなる包接化合物である。本包接化合物は、わずか1工
程で製造することができ、しかもその溶解度はフォルス
コリンの約200倍に達する。
点を解決すべく種々研究を重ねた結果、フォルスコリン
を分岐サイクロデキストリン(分岐CD)で包接するこ
とにより、従来法よりも更に溶解性の改善された包接化
合物が得られることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明はフォルスコリンを分岐CDで包接し
てなる包接化合物である。本包接化合物は、わずか1工
程で製造することができ、しかもその溶解度はフォルス
コリンの約200倍に達する。
【0007】本発明で使用される分岐CDとは、α-C
D,β-CD,γ-CD 等のCDに、グルコース,マル
トース,マルトトリオース等の小糖類が1分子又は2分
子α-1,6結合したものを言い、グルコースが1分子結合
したものをグルコシルCD(以下、G1-CDと記載す
る)、2個結合したものをジグルコシルCD(以下、G1・
G1-CDと記載する)、同様にマルトース分子が1個結
合したものをマルトシルCD(以下、G2-CDと記載す
る)、2個結合したものをジマルトシルCD(以下、G2・
G2-CDと記載する)と称する。
D,β-CD,γ-CD 等のCDに、グルコース,マル
トース,マルトトリオース等の小糖類が1分子又は2分
子α-1,6結合したものを言い、グルコースが1分子結合
したものをグルコシルCD(以下、G1-CDと記載す
る)、2個結合したものをジグルコシルCD(以下、G1・
G1-CDと記載する)、同様にマルトース分子が1個結
合したものをマルトシルCD(以下、G2-CDと記載す
る)、2個結合したものをジマルトシルCD(以下、G2・
G2-CDと記載する)と称する。
【0008】本発明では一般に分岐β−サイクロデキス
トリン(分岐β-CD)であるグルコシル−β−サイク
ロデキストリン(G1-β-CD)、ジグルコシル−β−
サイクロデキストリン(G1・G1-β-CD)、マルトシ
ル−β−サイクロデキストリン(G2-β-CD)、ジマ
ルトシル−β−サイクロデキストリン(G2・G2-β-C
D) 或いは分岐γ−サイクロデキストリン(分岐γ-C
D)であるグルコシル−γ−サイクロデキストリン(G
1-γ-CD)、ジグルコシル−γ−サイクロデキストリ
ン(G1・G1-γ-CD)、マルトシル−γ−サイクロデ
キストリン(G2-γ-CD)、ジマルトシル−γ−サイ
クロデキストリン(G2・G2-γ-CD)が使用される。
この内、本発明ではフォルスコリンの可溶化力と分岐C
Dの価格の両面からみて、G1-β-CD、G2-β-CD等
の分岐β-CDを用いるのが好ましい。
トリン(分岐β-CD)であるグルコシル−β−サイク
ロデキストリン(G1-β-CD)、ジグルコシル−β−
サイクロデキストリン(G1・G1-β-CD)、マルトシ
ル−β−サイクロデキストリン(G2-β-CD)、ジマ
ルトシル−β−サイクロデキストリン(G2・G2-β-C
D) 或いは分岐γ−サイクロデキストリン(分岐γ-C
D)であるグルコシル−γ−サイクロデキストリン(G
1-γ-CD)、ジグルコシル−γ−サイクロデキストリ
ン(G1・G1-γ-CD)、マルトシル−γ−サイクロデ
キストリン(G2-γ-CD)、ジマルトシル−γ−サイ
クロデキストリン(G2・G2-γ-CD)が使用される。
この内、本発明ではフォルスコリンの可溶化力と分岐C
Dの価格の両面からみて、G1-β-CD、G2-β-CD等
の分岐β-CDを用いるのが好ましい。
【0009】本発明の包接化合物は、分岐CDとフォル
スコリンとを水の存在下に接触させ、フォルスコリンと
分岐CDとの包接化合物を生成せしめ、所望によりこの
包接化合物を乾燥,粉末化することにより製造される。
接触は、通常分岐CDの水溶液にフォルスコリン結晶を
添加し、ホモジナイザー,攪拌機等により数分〜数十分
攪拌することにより行われるが、密閉容器中で数日間振
とうする方法や、超音波による包接方法も可能である。
フォルスコリンの使用量は通常分岐CDに対して0.1〜1
モルである。
スコリンとを水の存在下に接触させ、フォルスコリンと
分岐CDとの包接化合物を生成せしめ、所望によりこの
包接化合物を乾燥,粉末化することにより製造される。
接触は、通常分岐CDの水溶液にフォルスコリン結晶を
添加し、ホモジナイザー,攪拌機等により数分〜数十分
攪拌することにより行われるが、密閉容器中で数日間振
とうする方法や、超音波による包接方法も可能である。
フォルスコリンの使用量は通常分岐CDに対して0.1〜1
モルである。
【0010】本発明の包接化合物の可溶化が分岐CDに
よるフォルスコリンの包接によるものであることは、核
磁気共鳴装置(NMR)により確認することが出来る。
図2はフォルスコリン(A)及びフォルスコリンG1-β
-CD包接化合物(B)のクロロホルムを外部標準とし
たフォルスコリンのメチル基部分のNMRスペクトル
(重水溶液)であるが、AとBのスペクトルの違いはG
1-β-CDによる包接により生じたものである。また、
本発明の包接化合物の水溶液から有機溶媒で被包接物質
を抽出したもののNMRを測定すると、このものはフォ
ルスコリンのNMRと同一のパターンを示す。このこと
から、本包接化合物中には、フォルスコリンが分解等さ
れることなく包接されていることが確認された。
よるフォルスコリンの包接によるものであることは、核
磁気共鳴装置(NMR)により確認することが出来る。
図2はフォルスコリン(A)及びフォルスコリンG1-β
-CD包接化合物(B)のクロロホルムを外部標準とし
たフォルスコリンのメチル基部分のNMRスペクトル
(重水溶液)であるが、AとBのスペクトルの違いはG
1-β-CDによる包接により生じたものである。また、
本発明の包接化合物の水溶液から有機溶媒で被包接物質
を抽出したもののNMRを測定すると、このものはフォ
ルスコリンのNMRと同一のパターンを示す。このこと
から、本包接化合物中には、フォルスコリンが分解等さ
れることなく包接されていることが確認された。
【0011】得られた包接化合物は、水溶液としてその
まま注射剤としても良く、あるいは乾燥粉末化して経口
剤,経皮吸収製剤,使用時溶解注射製剤とすることが出
来る。この際、常法により、澱粉,ぶどう糖,乳糖,ガ
ム質,セルロース,ビタミン等の添加剤を加えて所望の
投与剤型に調製することも出来る。
まま注射剤としても良く、あるいは乾燥粉末化して経口
剤,経皮吸収製剤,使用時溶解注射製剤とすることが出
来る。この際、常法により、澱粉,ぶどう糖,乳糖,ガ
ム質,セルロース,ビタミン等の添加剤を加えて所望の
投与剤型に調製することも出来る。
【0012】
【実施例】次に、実施例及び試験例を示し本発明を更に
詳細に説明する。実施例及び試験例における包接化合物
の中のフォルスコリン含量は次のように測定した。即
ち、フォルスコリン包接化合物の水溶液の一定量、ある
いは包接化合物粉末の一定量を適量の水に溶解した水溶
液から、塩化メチレンにてフォルスコリンを抽出し一定
容量とした後、ガスクロマトグラフ(島津GC-14A,クロ
マトパックCR-4A)により定量した。 (ガスクロ条件) カラム=OV-1(on Gas ChromQ) カラム温度=235℃ キャリヤーガス=窒素ガス 流量=40ml/分 検出器=FID
詳細に説明する。実施例及び試験例における包接化合物
の中のフォルスコリン含量は次のように測定した。即
ち、フォルスコリン包接化合物の水溶液の一定量、ある
いは包接化合物粉末の一定量を適量の水に溶解した水溶
液から、塩化メチレンにてフォルスコリンを抽出し一定
容量とした後、ガスクロマトグラフ(島津GC-14A,クロ
マトパックCR-4A)により定量した。 (ガスクロ条件) カラム=OV-1(on Gas ChromQ) カラム温度=235℃ キャリヤーガス=窒素ガス 流量=40ml/分 検出器=FID
【0013】実施例1 G1-β-CD(日研化学(株)製、純度98.5%)のそれぞ
れ2,4,6,8,10,20,40%水溶液2mlにフォルスコリン結晶
(シグマ社製)を対CD1g当り20mg添加し、密栓して3
昼夜振とう機にて振とうして包接可溶化を行う。この振
とう液を0.45μmのミリポアフィルターで濾過後、濾液1
mlを採取して5〜6mlの水で希釈した後塩化メチレンで抽
出する。塩化メチレンを一定容量にした後、ガスクロマ
トグラフにて絶対検量線法で定量した。同様に、HP-
β-CD(ロケット社製)を用いて包接可溶化を行っ
た。その結果を表1に示す。
れ2,4,6,8,10,20,40%水溶液2mlにフォルスコリン結晶
(シグマ社製)を対CD1g当り20mg添加し、密栓して3
昼夜振とう機にて振とうして包接可溶化を行う。この振
とう液を0.45μmのミリポアフィルターで濾過後、濾液1
mlを採取して5〜6mlの水で希釈した後塩化メチレンで抽
出する。塩化メチレンを一定容量にした後、ガスクロマ
トグラフにて絶対検量線法で定量した。同様に、HP-
β-CD(ロケット社製)を用いて包接可溶化を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 20%G1-β-CD水溶液2mlに8mgのフォルスコリンを添加
し、密栓して3昼夜振とう機にて振とう後、0.45μmの
ミリポアフィルターで濾過した後に濾液を凍結乾燥して
包接粉末を得た。この粉末0.1gを6〜7mlの水に溶解し、
塩化メチレンでフォルスコリンを抽出後、ガスクロマト
グラフにて含量を測定した。本包接粉末中のフォルスコ
リン含量は7.8mg/gであった。
し、密栓して3昼夜振とう機にて振とう後、0.45μmの
ミリポアフィルターで濾過した後に濾液を凍結乾燥して
包接粉末を得た。この粉末0.1gを6〜7mlの水に溶解し、
塩化メチレンでフォルスコリンを抽出後、ガスクロマト
グラフにて含量を測定した。本包接粉末中のフォルスコ
リン含量は7.8mg/gであった。
【0016】実施例3 G2-β-CD,G1・G1-β-CD及びG2・G2-β-CDの
それぞれ10%水溶液2mlに、対CD1g当り20mgのフォルス
コリン結晶を添加し、密栓して3昼夜振とうして包接化
を行った。0.45μmミリポアフィルターにて濾過後、濾
液1mlを採取して5〜6mlの水で希釈してから塩化メチレ
ンで抽出した。一定容量とした後ガスクロマトグラフに
て定量した。各CD溶液1mlに溶解したフォルスコリン
量を以下に示す。 分岐CD フォルスコリン溶解量(mg/ml) G2-β-CD 0.48 G1・G1-β-CD 0.44 G2・G2-β-CD 0.38
それぞれ10%水溶液2mlに、対CD1g当り20mgのフォルス
コリン結晶を添加し、密栓して3昼夜振とうして包接化
を行った。0.45μmミリポアフィルターにて濾過後、濾
液1mlを採取して5〜6mlの水で希釈してから塩化メチレ
ンで抽出した。一定容量とした後ガスクロマトグラフに
て定量した。各CD溶液1mlに溶解したフォルスコリン
量を以下に示す。 分岐CD フォルスコリン溶解量(mg/ml) G2-β-CD 0.48 G1・G1-β-CD 0.44 G2・G2-β-CD 0.38
【0017】実施例4 G2-γ-CD(日研化学(株)製、純度99%)のそれぞれ
10、20、30%水溶液2mlにフォルスコリン結晶(シグマ社
製)を対CD1g当り20mg添加し、密栓して3昼夜振とう
を行い包接可溶化を行った。この振とう液を0.45μmの
ミリポアフィルターで濾過後、濾液1mlを採取して5〜6m
lの水で希釈した後塩化メチレンで抽出した。塩化メチ
レンを一定容量にした後、ガスクロマトグラフにて定量
した。各濃度の水溶液1mlに溶解したフォルスコリンの
量を以下に示す。 G2-γ-CD濃度 フォルスコリンの溶解量(mg/ml) 10% 0.88 20% 1.92 30% 3.29
10、20、30%水溶液2mlにフォルスコリン結晶(シグマ社
製)を対CD1g当り20mg添加し、密栓して3昼夜振とう
を行い包接可溶化を行った。この振とう液を0.45μmの
ミリポアフィルターで濾過後、濾液1mlを採取して5〜6m
lの水で希釈した後塩化メチレンで抽出した。塩化メチ
レンを一定容量にした後、ガスクロマトグラフにて定量
した。各濃度の水溶液1mlに溶解したフォルスコリンの
量を以下に示す。 G2-γ-CD濃度 フォルスコリンの溶解量(mg/ml) 10% 0.88 20% 1.92 30% 3.29
【0018】試験例 ペントバルビタール麻酔下のビーグル犬に、実施例2で
調製した包接粉末を生理食塩水に溶解して、体重1Kg当
りフォルスコリンとして3、10、30μgを静脈内に投与し
て、陽性変力の指標である左心室内の立ち上がり速度
(dp/dt)を測定した。その結果を表2に示す。表2よ
り、本フォルスコリン包接化合物は、用量依存的に陽性
変力作用を発現することが分かる。
調製した包接粉末を生理食塩水に溶解して、体重1Kg当
りフォルスコリンとして3、10、30μgを静脈内に投与し
て、陽性変力の指標である左心室内の立ち上がり速度
(dp/dt)を測定した。その結果を表2に示す。表2よ
り、本フォルスコリン包接化合物は、用量依存的に陽性
変力作用を発現することが分かる。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明のフォルスコリン包接化合物は、
従来の非分岐CD、ヒドロキシプロピルCDによる包接
化合物に比べて数倍以上の高い溶解性を示す。また、分
岐CDはHP-CDのような置換度の異なる多成分の混
合物とは違い単一の成分が使用できるので、医薬品の許
可取得に有利である。そのうえ本包接化合物は動物実験
においてフォルスコリンと同様の薬理作用を示した。し
たがって、本発明化合物は注射剤,経口剤,経皮吸収剤
などの医薬品として使用する事が出来る。
従来の非分岐CD、ヒドロキシプロピルCDによる包接
化合物に比べて数倍以上の高い溶解性を示す。また、分
岐CDはHP-CDのような置換度の異なる多成分の混
合物とは違い単一の成分が使用できるので、医薬品の許
可取得に有利である。そのうえ本包接化合物は動物実験
においてフォルスコリンと同様の薬理作用を示した。し
たがって、本発明化合物は注射剤,経口剤,経皮吸収剤
などの医薬品として使用する事が出来る。
【0021】
【図1】フォルスコリンのG1-β-CD包接化合物(水
溶液)の紫外線吸収スペクトルを示す。
溶液)の紫外線吸収スペクトルを示す。
【図2】Aはフォルスコリンの、Bはフォルスコリンの
G1-β-CD包接化合物の、それぞれクロロホルムを外
部標準とした場合のフォルスコリンのメチル基部分の核
磁気共鳴スペクトル(重水溶液)を示す。
G1-β-CD包接化合物の、それぞれクロロホルムを外
部標準とした場合のフォルスコリンのメチル基部分の核
磁気共鳴スペクトル(重水溶液)を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 フォルスコリンを分岐サイクロデキスト
リンで包接してなる包接化合物。 - 【請求項2】 分岐サイクロデキストリンがグルコシル
−β−サイクロデキストリン、ジグルコシル−β−サイ
クロデキストリン、マルトシル−β−サイクロデキスト
リン、ジマルトシル−β−サイクロデキストリン、グル
コシル−γ−サイクロデキストリン、ジグルコシル−γ
−サイクロデキストリン、マルトシル−γ−サイクロデ
キストリン及びジマルトシル−γ−サイクロデキストリ
ンの中から選ばれた1つの化合物である請求項1記載の
包接化合物。 - 【請求項3】 包接化合物が水溶性の粉末である請求項
1又は請求項2記載の包接化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3232550A JP3040015B2 (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | フォルスコリンの包接化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3232550A JP3040015B2 (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | フォルスコリンの包接化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551375A true JPH0551375A (ja) | 1993-03-02 |
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