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JPH0544839A - 組合せオイルリング - Google Patents

組合せオイルリング

Info

Publication number
JPH0544839A
JPH0544839A JP3225178A JP22517891A JPH0544839A JP H0544839 A JPH0544839 A JP H0544839A JP 3225178 A JP3225178 A JP 3225178A JP 22517891 A JP22517891 A JP 22517891A JP H0544839 A JPH0544839 A JP H0544839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil ring
side rail
side rails
nitriding
spacer expander
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3225178A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Ishida
政男 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TPR Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Piston Ring Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teikoku Piston Ring Co Ltd filed Critical Teikoku Piston Ring Co Ltd
Priority to JP3225178A priority Critical patent/JPH0544839A/ja
Priority to US07/919,862 priority patent/US5308089A/en
Publication of JPH0544839A publication Critical patent/JPH0544839A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J9/00Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
    • F16J9/06Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction using separate springs or elastic elements expanding the rings; Springs therefor ; Expansion by wedging
    • F16J9/064Rings with a flat annular side rail
    • F16J9/066Spring expander from sheet metal
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J9/00Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
    • F16J9/06Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction using separate springs or elastic elements expanding the rings; Springs therefor ; Expansion by wedging
    • F16J9/064Rings with a flat annular side rail
    • F16J9/066Spring expander from sheet metal
    • F16J9/069Spring expander from sheet metal with a "C"-shaped cross section along the entire circumference
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S277/00Seal for a joint or juncture
    • Y10S277/935Seal made of a particular material
    • Y10S277/939Containing metal
    • Y10S277/94Alloy

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボアの変形に対するサイドレールの追随性を
向上させた3ピース型の組合せオイルリングを提供す
る。 【構成】 上下2本のサイドレール13、15の間にス
ペーサエキスパンダ17を配置した組合せオイルリング
31において、サイドレール13、15の内周に所定間
隔で複数の切欠き13aを形成する。また、サイドレー
ル13、15の外周面にのみ、イオン窒化処理層21を
形成することにより、サイドレールの脆化を防止しつ
つ、耐久性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関やコンプレッ
サなどのピストンに装着され、オイルコントロールを行
なう組合せオイルリングに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関は、ますます高性能化さ
れ、高速、高荷重のものが開発されている。これに伴っ
て、シリンダやピストンリング等の摺動部材の耐熱性、
耐摩耗性、耐焼き付き性等を向上させるべく様々な改善
がなされている。最近では、これに加えて燃料消費量
や、潤滑油消費量の一層の低減が求められている。この
ため、特にガソリンエンジン等においては、3ピース型
の組合せオイルリングが多用されるようになってきた。
【0003】3ピース型の組合せオイルリングは、上下
2本のサイドレールの間にスペーサエキスパンダを配置
した構造をなし、上下レールが別々であるので、ボアの
微小な変形にも追従しやすく、上下レールがピストンの
オイルリング溝の上面にも下面にも接触するので、シー
ル効果に優れており、上下レールの合い口を180 °ずら
せて組み付けることができるので、合い口のところが開
くということがなく、その結果、潤滑油消費量の低減が
図られるという利点を有している。
【0004】図9には、このような組合せオイルリング
の一例が示されている。この組合せオイルリング11
は、環状のサイドレール13、15を上下に配し、この
サイドレール13、15の間に断面がコ字状をなすスペ
ーサエキスパンダ17を圧縮した状態で装着したもので
ある。スペーサエキスパンダ17には、潤滑油をオイル
リング溝内に導く役割をなす切欠き19が形成されてい
る。
【0005】サイドレール13、15は、耐摩耗性を向
上させるために、その表面の全体あるいは部分的に硬質
被膜21を形成することが多く行われている。例えば、
特開昭58−136771号には、サイドレールの全表
面に窒化層を設けることが開示されており、実開昭53
−147309号には、サイドレールの内周面及び外周
面に焼き入れ又は窒化処理による硬化層を形成すること
が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、組合
せオイルリングは、上下レールが別々であるので、ボア
の微小な変形に追従しやいという利点があるが、複数の
シリンダが一体に形成されたシリンダブロックを有する
エンジンにおいては、燃焼室と燃焼室との間で特に高温
となるため温度分布に偏りが生じて、熱膨張差によりボ
アの真円度がくずれることとなるので、十分な追随性が
得られないことがあった。
【0007】また、特開昭58−136771号に示さ
れるように、サイドレールの表面の全体を窒化処理した
場合には、サイドレールが脆化してクラックなどが生じ
やすくなり、また、サイドレールとピストンのオイルリ
ング溝との接触により、オイルリング溝が摩耗しやすく
なるという問題点があった。
【0008】更に、実開昭53−147309号に示さ
れるように、サイドレールの内周面及び外周面に窒化処
理を施した場合は、表面全体を窒化処理する場合に比べ
て、脆化の問題は軽減されるが、内周面が硬質となるこ
とにより、オイルリング溝の摩耗という問題は解決され
なかった。すなわち、オイルリング溝の上下の内壁に
は、サイドレールの内周面及び合い口の内周角部が当た
りやすく、これらによってオイルリング溝が削られるか
らである。
【0009】したがって、本発明の一つの目的は、ボア
の変形に対するサイドレールの追随性を更に向上させた
組合せオイルリングを提供することにある。本発明のも
う一つの目的は、サイドレールを脆化させることなく、
耐摩耗性を向上させ、オイルリング溝の摩耗も防止でき
る組合せオイルリングを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の一つは、上下2本のサイドレールの間にス
ペーサエキスパンダを配置した3ピース型の組合せオイ
ルリングにおいて、前記サイドレールの内周に所定間隔
で複数の切欠きを設けたことを特徴とする。
【0011】また、本発明のもう一つは、上下2本のサ
イドレールの間にスペーサエキスパンダを配置した3ピ
ース型の組合せオイルリングにおいて、前記サイドレー
ルの内周に所定間隔で複数の切欠きを設け、前記サイド
レールの外周にのみイオン窒化処理を施したことを特徴
とする。
【0012】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0013】本発明においては、サイドレールの内周に
所定間隔で切欠きを設ける。この切欠きは、サイドレー
ルのフレキシブル性を高めて、ボアの微小な変形に対す
る追随性を高めるのに寄与する。切欠きの形状は、扇
形、三角、円弧など、どのような形状であってもよい。
切欠きのピッチ、大きさ等は、特に限定されないが、切
欠きピッチが2〜4mm、切欠き幅が1〜2mm、切欠き深
さが0.3 〜0.5mm であることが好ましい。切欠きピッ
チ、切欠き幅、切欠き深さが上記より小さいと、フレキ
シブル性を高める効果が十分に得られず、上記よりも大
きいと、サイドレールの剛性が低下する虞れがある。
【0014】本発明のより好ましい態様においては、サ
イドレールは、その外周面にのみイオン窒化処理が施さ
れる。イオン窒化法は、低真空中で窒素ガス単体又は窒
素ガスと微量の炭化水素系ガスの混合ガスを使って、グ
ロー放電させて窒化又は軟窒化する方法である。より具
体的に説明すると、例えば炉内を10-2〜10-3Torr程度ま
で真空にした後、窒素と水素の混合ガスを導入し、炉内
圧力を処理条件に合わせて1〜10Torrにコントロールす
る。この中で炉体を陽極とし、処理品を陰極として、両
者間にグロー放電を発生させることにより、イオン化し
た窒素を加速して、高速度で処理品に衝突させ、処理品
の表面を窒化する方法である。本発明においては、イオ
ン窒化法を採用することにより、例えば後述する実施例
に記載された方法により、サイドレールの外周面にのみ
効率的に窒化処理を施すことができる。
【0015】このイオン窒化法は、短時間の処理で厚
い窒化層が得られる、処理温度が低い、表面に化合
物層が生成しない、イオン窒化層の摩擦係数は、他の
窒化処理層に比べて小さい、H+ 、N+ イオンのスパ
ッタリング作用により前処理の必要がない、無公害で
ある、という優れた利点を有している。また、サイドレ
ールの材質として焼戻マルテンサイト系ステンレス鋼を
用いた場合には、窒化層としてFe4Nの単層が形成され、
疲れ強さの限界が高く、耐久性に優れた硬質被膜とする
ことができる。
【0016】なお、本発明において、サイドレール外周
の窒化層の深さは、特に限定されないが、サイドレール
外周面からHv700 以上の部分が30〜110 μmとなるよう
にすることが好ましい。また、サイドレール外周面の硬
さは、Hv900 〜1300とすることが好ましい。
【0017】また、本発明では、上下2本のサイドレー
ルの間に配置されるスペーサエキスパンダの少なくとも
サイドレール内周との接触部分にも窒化処理を施すこと
が好ましい。スペーサエキスパンダに施される窒化処理
は、イオン窒化処理に限定されることはなく、ガス窒化
法、塩浴軟窒化法、ガス軟窒化法など、公知の各種方法
を採用することができる。この場合、スペーサエキスパ
ンダの上記サイドレールとの接触面だけに窒化処理を施
してもよく、あるいはスペーサエキスパンダの全表面に
窒化処理を施してもよい。
【0018】サイドレールは、シリンダボアと接触する
ため、耐熱性、耐摩耗性に優れた材質が好ましく、例え
ばCr13〜22%を含む焼戻マルテンサイト系ステン
レス鋼が好ましく採用される。この焼戻マルテンサイト
系ステンレス鋼を用いた場合には、前述したように、イ
オン窒化層としてFe4Nの単層が形成されるという利点が
得られる。また、スペーサエキスパンダは、サイドレー
ルに張力を付与するため、耐熱性、耐摩耗性とともに、
バネ性及び靭性に優れた材質が好ましく、例えばオース
テナイト系ステンレス鋼が好ましく採用される。
【0019】
【作用】本発明の組合せオイルリングは、サイドレール
の内周に所定間隔で複数の切欠きを設けたので、サイド
レールのフレキシブル性が高まり、ボアの微小な変形に
対する追随性が向上し、潤滑油消費量の一層の低減が図
られる。
【0020】また、サイドレールの外周面にのみイオン
窒化処理を施した場合には、サイドレール全体を窒化処
理した場合に比べて、サイドレールの脆化を低減できる
とともに、最も激しい摺動抵抗を受けるボアとの接触面
において耐摩耗性を高め、耐久性を向上させることがで
きる。
【0021】更に、サイドレールの外周面にのみイオン
窒化処理を施した場合には、オイルリング溝の内壁と接
触するサイドレールの上下面や内周部分、合い口の端面
などは、窒化処理されていないので、オイルリング溝の
摩耗も防止できる。
【0022】更に、サイドレールの外周面にのみイオン
窒化処理を施した場合には、サイドレールの内周に切欠
きを形成することが容易にできるが、サイドレールの全
体を窒化処理してしまうと、内周に切欠きを形成するこ
とが困難となる。
【0023】
【実施例】図2には、本発明の組合せオイルリングの一
実施例が示されている。
【0024】この組合せオイルリング31は、上下2本
の厚さ0.5mm 程度の薄いスチールリボンによって形成さ
れた環状のサイドレール13、15を上下に配し、この
サイドレール13、15の間に断面がコ字状をなすスペ
ーサエキスパンダ17を圧縮した状態で装着したもので
ある。
【0025】サイドレール13、15は、この実施例の
場合、Cr13〜22%を含む焼戻マルテンサイト系ス
テンレス鋼からなり、その外周面、すなわち、シリンダ
ボアに接触する部分にのみイオン窒化法により窒化処理
が施され、窒化処理層21が形成されている。このた
め、サイドレールの表面全体に窒化処理を施した場合に
比べて、脆化を防止して耐久性を向上させることができ
る。
【0026】なお、窒化処理の施されていない面、すな
わちサイドレール13、15の外周面以外の面には、必
要に応じて、なじみ性をもたせるように、四三酸化鉄層
の形成、パーカライジング、すずめっき等による表面処
理を施してもよい。
【0027】そして、本発明においては、サイドレール
13、15の内周に、所定間隔で複数の切欠き13aが
形成されている。図1に示すように、この切欠き13a
は、所定の深さA、幅B、ピッチCで形成されている。
この場合、切欠き13aの深さAは0.3 〜0.5 mm、幅B
は1〜2mm、ピッチCは2〜4mmであることが好まし
い。
【0028】スペーサエキスパンダ17は、この実施例
の場合、オーステナイト系ステンレス鋼からなり、所定
間隔で切欠き19が形成されており、サイドレール1
3、15でかき集められた潤滑油をオイルリング溝内に
導くようになっている。スペーサエキスパンダ17の内
周側には耳部23が形成されており、この耳部23が上
下に配置されたサイドレール13、15と係合するよう
になっている。なお、スペーサエキスパンダ17の形状
は、図示した断面コ字状のものに限定されることはな
く、波形スペーサエキスパンダなど他の形状のものを採
用してもよい。
【0029】この実施例では、スペーサエキスパンダ1
7のサイドレール13、15との接触部分、特に上記耳
部23には窒化処理が施され、窒化処理層33がそれぞ
れ形成されており、より硬度の高い材質からなるサイド
レール13、15との接触によるスペーサエキスパンダ
17の摩耗を防止している。なお、スペーサエキスパン
ダ17に窒化処理を施す場合には、ガス窒化法、塩浴軟
窒化法、ガス軟窒化法など各種方法を採用することがで
きる。また、スペーサエキスパンダ17は、その表面全
体に窒化処理を施してもよい。
【0030】図3には、図2に示す組合せオイルリング
をピストンのオイルリング溝内に装着した状態が示され
ている。
【0031】ピストンのオイルリング溝35内に装着さ
れた組合せオイルリング31は、スペーサエキスパンダ
17の拡張力によって、その外周面がシリンダボア37
に圧接され、余分なオイルをかき落とす。このとき、サ
イドレール13、15の外周面にはイオン窒化法による
窒化処理層が形成されているため摩耗を防止することが
できる。
【0032】一方、スペーサエキスパンダ17の拡張力
は、サイドレール13、15を上下に押す方向にも作用
し、サイドレール13の内周側の上面をオイルリング溝
35の内壁上面に、サイドレール15の内周側の下面を
オイルリング溝35の内壁下面にそれぞれ圧接させる。
このとき、サイドレール13、15の外周面以外の部分
には窒化処理層が形成されていないので、リング溝35
の内壁の摩耗を防止することができる。
【0033】また、サイドレール13、15内周の合い
口部分にも窒化処理層が形成されていないので、合い口
部分がオイルリング溝35の内壁に接触することによる
オイルリング溝35の摩耗も防止される。
【0034】一方、スペーサエキスパンダ17の耳部2
3のサイドレール13、15との接触部分には窒化処理
層33が形成されているので、サイドレール13、15
との接触によるスペーサエキスパンダ17の摩耗を防止
することができ、スペーサエキスパンダの摩耗による張
力の低下を防止できる。
【0035】実験例1 図4に示すように、焼戻マルテンサイト系ステンレス鋼
からなるサイドレール43を、支持板41上に立設され
た円筒47外周に巻き付けて上下に積層し、その上面に
押え板45を載置して、サイドレール43を上下に密着
させた。この状態でサイドレール43の外方から外周面
43aに対してイオン窒化法により窒化処理を行ない窒
化処理層を形成した。
【0036】図5には、この方法によって窒化処理を行
なったサイドレール43が示されている。サイドレール
43は、上下に密着した状態で外周面43aに窒化処理
がなされるので、サイドレール43の上下面及び内周面
43bには窒化処理はなされず、サイドレール43の外
周面43aにのみ窒化処理層21が形成される。
【0037】図6には、図4におけるサイドレール43
の積層位置A〜Eと、各位置において形成された窒化処
理層の深さとの関係が示されている。すなわち、図4に
おけるA〜Eの箇所からそれぞれサンプルを取出し、そ
れぞれのサイドレール43に形成された窒化処理層21
の深さを測定したものである。
【0038】この結果、サイドレール43の外周面43
aに形成された窒化処理層21の深さは、サンプル位置
にかかわらず全て60μm 程度であり、サイドレール43
に対してほぼ均一の深さで窒化処理層21が形成されて
いることがわかる。
【0039】図7には、サイドレール43の外周面43
aに形成された窒化処理層21の外周からの深さと断面
の硬度との関係が示されている。
【0040】この結果、サイドレール43の母材の硬度
が Hv372であるのに対して、イオン窒化法による窒化処
理層21を形成した場合には、窒化処理層21の外周面
から60μm 程度の深さの箇所では Hv1000 以上の硬度を
示し、イオン窒化処理を施さない場合に比べて硬度が極
めて高いことがわかる。
【0041】実験例2 図8に示す測定方法により、サイドレールのシリンダボ
アに対する追随性を評価した。すなわち、図8(a)に
おいて、51はシリンダであり、90度の角度で切り欠
いた開口52を有している。53は測定対象となる組合
せオイルリングであり、その合い口54を下方に向け
て、シリンダ51内に嵌着される。55はダイヤルゲー
ジであり、開口52からの突出量を測定する。また、図
8(b)において、56はコンプレッションリングであ
り、シリンダ51内に嵌着される。オイルリング53の
開口52からの突出量は、コンプレッションリング56
の開口52からの突出量を0点として、それに対して何
ミリ多く突出したかによって評価した。
【0042】組合せオイルリングとして、表1に示す各
種のサイドレールを有するものを作成し、これらのサイ
ドレールを有する組合せオイルリングについて、上記の
方法によりシリンダボアに対する追随性を評価した。ま
た、サイドレールの断面2次モーメントIを測定し、切
欠きを有しない比較例1の値INo1 と比較するため、I
No1 /Iの値を求めた。これらの結果を表1に示す。な
お、表1において、サイドレールの幅は、図1における
Tの長さを意味している。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果から、サイドレールの内周に切
欠きを設けた実施例1〜4は、サイドレールの内周に切
欠きを設けなかった比較例1、2に比べて、図8におけ
る開口52からの突出量が多く、シリンダボアに対する
追随性に優れていることがわかる。なお、比較例2は、
サイドレールの幅を実施例1〜4より狭くしたものであ
るが、サイドレールの内周に切欠きを設けた実施例1〜
4の方が、シリンダボアに対する追随性は優れている。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の組合せオ
イルリングによれば、サイドレールの内周に所定間隔で
複数の切欠きを設けたことにより、サイドレールのフレ
キシブル性が高まり、ボアの微小な変形に対する追随性
が向上し、潤滑油消費量の一層の低減を図ることができ
る。また、サイドレールの外周面にのみイオン窒化処理
を施した場合には、サイドレールの脆化を防止しつつ、
耐久性を向上させることができ、更に、オイルリング溝
の摩耗も低減することができる。したがって、本発明に
よれば、潤滑油消費量を長期に亙って低く維持できるオ
イルリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組合せオイルリングの一実施例におけ
るオイルリングを示す部分拡大平面図である。
【図2】本発明の組合せオイルリングの一実施例を示す
斜視図である。
【図3】上記図2に示す組合せオイルリングをピストン
のオイルリング溝内に装着した状態を示す断面図であ
る。
【図4】サイドレールの外周面のみにイオン窒化処理層
を形成する方法を示す説明図である。
【図5】図4に示す方法により窒化処理を施したサイド
レールを示す部分拡大断面図である。
【図6】図4に示す方法により形成された窒化処理層の
深さとサイドレールの積層位置との関係を示す図であ
る。
【図7】図4に示す方法により形成された窒化処理層の
外周からの深さと断面の硬度との関係を示す図である。
【図8】サイドレールのシリンダボアに対する追随性を
評価する試験方法を示す説明図である。
【図9】従来の組合せオイルリングの一例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
13、15 サイドレール 17 スペーサエキスパンダ 21 窒化処理層 23 耳部 31 組合せオイルリング 33 窒化処理層 43 サイドレール 43a サイドレール外周面 43b サイドレール内周面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下2本のサイドレールの間にスペーサ
    エキスパンダを配置した3ピース型の組合せオイルリン
    グにおいて、前記サイドレールの内周に所定間隔で複数
    の切欠きを設けたことを特徴とする組合せオイルリン
    グ。
  2. 【請求項2】 上下2本のサイドレールの間にスペーサ
    エキスパンダを配置した3ピース型の組合せオイルリン
    グにおいて、前記サイドレールの内周に所定間隔で複数
    の切欠きを設け、前記サイドレールの外周にのみイオン
    窒化処理を施したことを特徴とする組合せオイルリン
    グ。
  3. 【請求項3】 前記サイドレールの切欠きは、切欠きピ
    ッチが2〜4mm、切欠き幅が1〜2mm、切欠き深さが0.
    3 〜0.5mm である請求項1又は2記載の組合せオイルリ
    ング。
JP3225178A 1991-08-09 1991-08-09 組合せオイルリング Pending JPH0544839A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3225178A JPH0544839A (ja) 1991-08-09 1991-08-09 組合せオイルリング
US07/919,862 US5308089A (en) 1991-08-09 1992-07-27 Combined oil ring

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3225178A JPH0544839A (ja) 1991-08-09 1991-08-09 組合せオイルリング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0544839A true JPH0544839A (ja) 1993-02-23

Family

ID=16825184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3225178A Pending JPH0544839A (ja) 1991-08-09 1991-08-09 組合せオイルリング

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5308089A (ja)
JP (1) JPH0544839A (ja)

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