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JPH0534312A - イオンセンサー - Google Patents

イオンセンサー

Info

Publication number
JPH0534312A
JPH0534312A JP3214734A JP21473491A JPH0534312A JP H0534312 A JPH0534312 A JP H0534312A JP 3214734 A JP3214734 A JP 3214734A JP 21473491 A JP21473491 A JP 21473491A JP H0534312 A JPH0534312 A JP H0534312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ion
chain
organic
polyorganosiloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3214734A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Matsuda
好晴 松田
Hiromori Tsutsumi
宏守 堤
Hiroyuki Asai
博之 浅井
Takashi Nakamura
隆司 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Toray Silicone Co Ltd filed Critical Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Priority to JP3214734A priority Critical patent/JPH0534312A/ja
Publication of JPH0534312A publication Critical patent/JPH0534312A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶液中の陽イオンの量を迅速かつ正確に測定
することのできるイオンセンサーを提供する。 【構成】 炭化水素基を介してケイ素原子に結合した
式、(−COO-)nMn+ (式中、Mn+は金属イオ
ン、または4級窒素を含む炭素数10以下の有機イオ
ン、nは1,2または3である。)で示されるカルボキ
シレート基を含有するポリオルガノシロキサン鎖とポリ
オキシアルキレン鎖とから構成された高分子共重合体架
橋物膜をイオン選択膜として用いることを特徴とするイ
オンセンサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオンセンサーに関し、
詳しくは、溶液中の陽イオンの量を測定するイオンセン
サーに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、溶液中の各種金属イオンやアルキルアンモニウムな
どの有機陽イオンを定量する方法としては、原子吸光
法,イオン交換クロマトグラフィー法,ICP発光分析
法などが知られている。しかしながら、これらの方法は
溶液調製や分析処理の煩雑さ,かなり大きな機器を要す
ることによる携帯性の悪さ,さらには各種機器を必要と
するために全体的に高価であるなどの欠点があった。
【0003】また、溶液中の各種金属イオンやアルキル
アンモニウムイオンなどの有機陽イオンを高分子化合物
からなるイオン選択膜を用いたイオンセンサーにより定
量する方法も知られている。かかるイオンセンサーに用
いられるイオン選択膜としては数多くのものが知られて
おり、例えば、測定イオンに選択的に感応するイオン交
換体やバリノマイシン,モノクチン等のニュートラルキ
ャリヤーを溶解させた溶剤溶液をポリウレタン樹脂等の
多孔質膜に含浸させてなる液体物質を感応膜とするイオ
ン選択膜が知られており、また、バリノマイシンとポリ
塩化ビニル樹脂と可塑剤をテトラヒドロフランに溶解
し、その溶解物を平滑なシャーレに流し込み、しかる後
にテトラヒドロフランを気散させて得られる K+に感応
するイオン選択膜が知られている(逢坂哲彌,山川昇
編,電気化学法−応用測定マニュアル,講談社1990
年刊参照)。ところが、これらのイオン選択膜を用いた
イオンセンサーは、イオン選択膜の、マトリックスから
液体物質が溶出したり、イオン感応性の物質や可塑剤が
溶出してイオン選択性能が低下するという欠点があり、
長時間の使用に耐え得ないという欠点があった。
【0004】本発明の目的は上記のような欠点がなく、
溶液中の陽イオンの量を迅速かつ正確に測定することの
できるイオンセンサーを提供するにある。
【0005】
【課題の解決手段とその作用】かかる本発明は,炭化水
素基を介してケイ素原子に結合した式、(−COO-
nMn+ (式中、Mn+は金属イオン、または4級窒素を
含む炭素数10以下の有機イオン、nは1,2または3
である。)で示されるカルボキシレート基を含有するポ
リオルガノシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とか
ら構成された高分子共重合体架橋物膜をイオン選択膜と
して用いることを特徴とするイオンセンサーに関する。
【0006】これについて説明するに、上記高分子共重
合体架橋物はメチレン基,エチレン基,プロピレン基,
ブチレン基,ペンチレン基,ヘキセレン基,ヘプチレン
基,オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキル基;フェ
ニレン基,ナフチレン基等の炭素数6〜20のアリーレ
ン基等で例示されるような炭化水素基を介してケイ素原
子に結合した、式、(−COO-)nMn+(式中、Mn+
はリチウム,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,カ
ルシウム,コバルト等で例示されるアルカリ金属,アル
カリ土類金属,遷移金属などの金属イオンまたは4級窒
素を含む炭素数10以下の有機イオンである。)で示さ
れる化学構造を有するカルボキシレート基含有オルガノ
ポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とから構成
されたものであればよく、その高分子化合物の種類,形
態,架橋密度等については特に限定されない。
【0007】この高分子共重合体架橋物は後で詳述する
ように(A)1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基
含有炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンと(B)
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有するポリオキシ
アルキレン鎖含有高分子化合物、および(C)アルカリ,
アルカリ土類,遷移金属など金属原子あるいは4級窒素
を含む炭素数10以下の有機基を含むアルカリ化合物か
らなる混合物を脱水縮合反応により硬化せしめることに
より製造されたものであることが好ましい。
【0008】本発明のイオンセンサーは参照電極に対し
て電位差計測を行い、いわゆるNernst式(1)を
用いて活量を求めることを目的としている。いいかえる
と目的のイオンに選択的に応答するイオン選択膜を隔て
て被検溶液と標準溶液を置き、この膜の両端に発生する
電位差を2つの参照電極(比較電極)を用いて測定する
と、電位差Eiは目的のイオンiの活量aiの対数に対し
て変化し、理想的な場合、その関係は式(1)で与えら
れる。 Ei=Ei0+2.303(RT/ZiF)log ai (1) ここでEiは観測される電位差,Ei0はその電極の構成
(内部溶液の有無やその種類,イオン選択膜から外部へ
の接続方式)によって決まる定数,Rは気体定数,Tは
測定時の絶対温度,Ziはイオンiのイオン価,Fはフ
ァラデー定数,aiはイオンの活量である。溶液のイオ
ン強度から活量係数を求め、活量を濃度に換算できる。
また、分析操作ではいわゆるグランプロットにより直接
濃度を求めることが出来るものである。従って、イオン
センサーの性能を左右するものは、かかる膜のイオン選
択性である。またこれらの膜に求められる性質はイオン
選択性だけでなく、機械的強度,化学的安定性などがあ
る。
【0009】上記要求を満足するイオンセンサーに使用
されるイオン選択膜には次のような性能が要求される。
陽イオンの輸率がほぼ1であること、他の陰イオンなど
の輸送が起こらないこと(高いイオン選択性)、および
共存イオン(目的以外の陽イオン及び陰イオン)による
妨害のないことである。さらにセンサーの形状の自由度
を増すために自由に成型できること、試料溶液となじみ
がよいことも要求される。
【0010】本発明において用いるイオン選択性膜は、
前記式中のMn+である陽イオンが膜内の電荷輸送を行う
ことになる。また、この陽イオンの対イオンであるカル
ボキシル基は高分子鎖に固定化されており膜内での移動
はほとんど無視できる。このため陽イオンの輸率は1と
なる。また、陽イオンの輸率を1としたことにより被検
溶液中の共存する陰イオンによる妨害が低減できる。こ
れは膜内への陰イオンの拡散が妨げられるためである。
さらにイオン選択膜の材質を高分子共重合体架橋物膜に
したことにより従来のガラス電極にない形状のものを作
製することができる。これはイオンセンサー電極の小型
化及び軽量化を可能とするものであり本発明においてき
わめて重要な特徴の一つである。また、従来のポリ塩化
ビニルなどをマトリックス材料に用いた各種イオン選択
性電極で不可能であった有機溶媒中の各種陽イオン濃度
の測定も架橋構造をもつ高分子膜としたことにより可能
となる。すなわち従来の技術ではその膜が測定溶媒に可
溶であるところから素子が破壊され測定は不可能であっ
た。
【0011】かかる本発明のイオンセンサーに用いる高
分子共重合体架橋物膜の製造方法について好ましい方法
は、以下の方法が推奨される。「(A)1分子中に少なく
とも2個のカルボキシル基含有炭化水素基を有するポリ
オルガノシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個の
水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有高分子化合
物、および(C)アルカリ、アルカリ土類、遷移金属ある
いは4級窒素を含む炭素数10以下の有機基を含むアル
カリ化合物からなる混合物を脱水縮合反応により硬化せ
しめることにより製造する方法。」である。
【0012】これについて説明するに、(A)成分のポリ
オルガノシロキサンは、高分子共重合体架橋物を形成す
るためには1分子中に2個以上のカルボキシル基含有炭
化水素基を有することが必要であり、また、このカルボ
キシル基含有炭化水素基が結合したシロキサン単位とそ
れ以外のシロキサン単位の比率が 0.01〜100の範
囲内にあるものが好ましい。本成分の分子構造は直鎖
状,分岐状,環状,網状,三次元構造の何れでもよい
が、高分子共重合体架橋物の形成の容易さからその半数
以上は直鎖状もしくは分岐状であることが好ましい。ま
た、その分子量は特に限定されないが、製造の容易さ、
高分子共重合体架橋物としての適度の硬さを得るために
は100〜100万の範囲内にあることが好ましい。
【0013】(A)成分のカルボキシル基含有炭化水素基
としては、例えば、一般式、HOOC−R1−(式中、
1はメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オ
クチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基またはフェ
ニレン基,ナフチレン基等の炭素数6〜20のアリーレ
ン基である。)で示される基が挙げられ、これらの中で
もカルボキシアルキル基が好ましく、カルボキシプロピ
ル基が特に好ましい。(A)成分中のカルボキシル基含有
炭化水素基以外の有機基としては、例えば、メチル基,
エチル基,プロピル基等のアルキル基;フェニル基,ト
リル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェ
ネチル基等のアラルキル基が例示される。
【0014】また、ケイ素原子に結合した少量の水素原
子,アルコキシ基が含まれてもよい。経済性および良好
な高分子共重合体架橋物の形成性の観点からはケイ素原
子に結合したオルガノ基の半数以上はメチル基であるこ
とが好ましい。かかるポリオルガノシロキサンとして
は、例えば、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封
鎖されたメチルカルボキシプロピルシロキサン・ジメチ
ルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がトリメチルシロ
キシ基で封鎖されたメチルカルボキシプロピルシロキサ
ン・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられる。
かかるポリオルガノシロキサンの合成方法としては種々
の方法が知られているが、その1つの方法としてはシア
ノ基を有するオルガノジクロロシランとシアノ基を有さ
ないオルガノジクロロシランを共加水分解して得られる
環状物と末端停止剤とを硫酸水溶液中で攪拌し、シアノ
基がカルボキシル基に転化する反応と開環重合を起こさ
せる方法が挙げられる。
【0015】(B)成分の高分子化合物は上記(A)成分の
架橋剤であり、架橋剤としての働きをするためには、1
分子中に少なくとも2個の水酸基を含有することが必要
である。また、高イオン伝導性発現のため高分子共重合
体架橋物中にはポリオキシアルキレン単位を有すること
が好ましいが、そのためには(B)成分の高分子化合物構
造中にポリオキシアルキレン単位を含有することが好ま
しい。
【0016】ところで、(A)成分と(B)成分が互いに相
溶することは工程中に溶剤を使用することが避けられる
ばかりか、架橋反応の完結、架橋生成物の構造、物性の
良好な再現性をもたらすため大変重要なことである。
(A)成分と相溶するための(B)成分の分子構造および化
学構造についてはシロキサン単位を有していることが好
ましく、高分子共重合体架橋物の形成の容易さ等から一
般式
【化1】 (式中、R2は1価の有機基,R3は2価の有機基,R4
はアルキレン基,R5は1価の有機基,a,cは0〜1
000の整数,bは2〜1000の整数,pは2〜10
0の整数である。)で示される末端に水酸基を有するポ
リオキシアルキレン鎖を少なくとも2本グラフト鎖とし
て有するポリオルガノシロキサンが好ましい。かかるオ
ルガノポリシロキサンは上式中、R2 は、メチル基,エ
チル基,プロピル基等のアルキル基;フェニル基,トリ
ル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネ
チル基等のアラルキル基が例示される。また、一部、少
量の水素原子,アルコキシ基が含まれてもよい。経済性
および良好な高分子共重合体架橋物の形成性の観点から
はR2の半数以上はメチル基であることが好ましい。R3
はメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン
基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オク
チレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基またはフェニ
レン基,ナフチレン基等のアリーレン基等の2価の有機
基である。R4 はメチレン基,エチレン基,プロピレン
基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチ
レン基等のアルキレン基である。R5 はメチル基,エチ
ル基,プロピル基等のアルキル基;アセチル基またはプ
ロピオニル基等の1価の有機基である。a,cは0〜1
000の範囲内であり、bは2〜1000の範囲内であ
り、それぞれは特に限定されないが、(A)成分と(B)成
分が相溶するためにはaと(b+c)の比率は(1:
5)〜(5:1)の範囲内が好ましい。
【0017】かかるグラフト共重合体の合成方法として
は種々の方法が知られているが、その1つの方法として
は側鎖の一部が水素原子で置き換わったポリオルガノシ
ロキサンに、片末端に不飽和炭化水素基を有し他末端に
アシロキシ基を有するポリオキシアルキレンと、片末端
に不飽和炭化水素基を有し他末端にトリメチルシリル基
を有するポリオキシアルキレンを所定の比率によりヒド
ロシリル化反応によりグラフトさせ、しかる後に過剰量
のアルコールによりグラフト末端のトリメチルシリル基
のみを水酸基に転化する方法が挙げられる。
【0018】(B)成分は上記のような1分子中に少なく
とも2個の水酸基を有し、構造中にオキシアルキレン単
位を含む高分子化合物であるが、より高いイオン伝導性
を要求される場合には、この高分子化合物に一般式HO
−(R6O)q−H (式中、R6はアルキレン基,qは
2〜100の整数である。)で示される分子鎖両末端に
水酸基を有するポリオキシアルキレンまたはHO−(R
7O)r−R8(式中、R7はアルキレン基,R8は1価の
有機基,rは2〜100の整数である。)で示される分
子鎖片末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンを含
有するものであることが好ましい。かかるポリオキシア
ルキレンは上式中、R6,R7はメチレン基,エチレン
基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシ
レン基,ヘプチレン基等のアルキレン基である。R8
メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基;アセ
チル基またはプロピオニル基等の1価の有機基である。
q,rは1〜100の範囲内であり、5〜20の範囲内
が好ましい。
【0019】かかる分子鎖両末端に水酸基を有するポリ
オキシアルキレンまたは分子鎖片末端に水酸基を有する
ポリオキシアルキレンは上記(A)成分と縮合反応し、高
分子共重合体架橋物中にポリオキシアルキレンの架橋鎖
またはグラフト鎖の含有量を増加する働きをする。本発
明においては、かかる架橋鎖またはグラフト鎖が存在し
なくても高分子化合物中のポリオキシアルキレン鎖によ
りポリオキシアルキレンの架橋鎖またはグラフト鎖を形
成させることはできる。しかし、(A)成分と(B)成分
が相溶する条件においては高分子化合物中のポリオキシ
アルキレン鎖の導入量には限界があるため、分子鎖両末
端に水酸基を有するポリオキシアルキレンまたは分子鎖
片末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンを(B)成
分中に含有させる方が好ましい。また本発明において
は、高分子共重合体架橋物中にポリオキシアルキレンの
グラフト鎖が若干存在した方がイオン伝導性が向上する
傾向にある。
【0020】(C)成分は、アルカリ、アルカリ土類、遷
移金属あるいは4級窒素を含む炭素数10以下の有機基
を含むアルカリ化合物であり、その種類は特に限定され
ないが、水酸化物,アルコラート,水素化物等が好まし
く、特に水酸化物の形態で使用されることが好ましい。
具体的には、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸
化カルシウム,水酸化コバルト,水酸化テトラメチルア
ンモニウム,水酸化テトラエチルアンモニウム等が挙げ
られる。
【0021】かかる(C)成分は、(A)成分と(B)成分の
エステル化反応の触媒作用をすると同時に、最終的には
(A)成分中のカルボキシル基を脱水により、金属あるい
は4級アンモニウムカルボキシレート化する役割をす
る。その結果、高分子共重合体架橋物としては、負イオ
ン(カルボキシレートイオン)はシロキサンポリマー鎖
に固定され、対イオンである金属イオンまたは4級アン
モニウムイオンが分散された形態になる。
【0022】また、その分散量は高分子共重合体架橋物
中のオキシアルキレン基のモル数[RO]に対する金属
イオンまたは4級アンモニウムイオンのモル数が 0.0
05〜0.25とすることが好ましく、より好ましくは
0.02〜0.1である。これはこの比が 0.25を越え
ると高分子共重合体架橋物の極性が上がり、セグメント
の運動性が悪くなり、また 0.005未満になるとキャ
リア数の低下から高いイオン伝導性が得難くなるからで
ある。
【0023】また、(A)成分中のカルボキシル基のモル
数と、(B)成分中の水酸基のモル数と(C)成分中のアル
カリ当量の合計の比率は(1:10)〜(10:1)の
範囲内であり、(1.0:1.2)〜(1.2:1.0)の
範囲内が好ましい。これは(A)〜(C)成分はいずれの
比率でもエステル化反応が起こり、固体化した高分子共
重合体架橋物が得られるが、(B)成分中の水酸基のモル
数と(C)成分中のアルカリ当量の合計と(A)成分中のカ
ルボキシル基のモル数の比が大幅に異なると、未反応の
カルボキシル基または水酸基が残存した状態となる傾向
にあり、好ましくない。
【0024】この方法においては(A)成分〜(C)成分か
らなる混合物を脱水縮合反応により硬化させ高分子共重
合体架橋物を形成させるのであるが、この架橋物は主に
(A)成分中のカルボキシル基と(B)成分の水酸基とのエ
ステル化反応によって形成されるものである。その反応
手段としてはカルボキシル基と水酸基との反応に用いら
れている従来公知の反応手段、例えば、アルカリ等のエ
ステル化反応触媒を使用し、常温または加熱下に反応さ
せる方法が利用できる。また、加熱はこのエステル化反
応を促進すると同時にエステル化反応によって発生した
副生物である水を除去するために有効な技術手段であ
り、その温度は通常150℃以下である。ここで、エス
テル化触媒として4級窒素原子を含む水酸化物を用いる
場合には、分解防止の意味で反応温度は100℃以下に
抑える必要がある。
【0025】また、この架橋反応は無溶媒の条件で行う
ことができる。(A)成分と(B)成分は攪拌等の操作で容
易に均一に混合できる。(C)成分はポリオキシアルキレ
ン鎖に対して溶解性を持つので、(B)成分に予め溶解さ
せておくか、(A)成分と(B)成分を混合させた後に添加
してもよい。(C)成分のポリオキシアルキレン鎖への溶
解は攪拌等の操作でも可能だが、溶解時間短縮のために
は加熱あるいは超音波照射等の操作あるいはごく少量の
水の添加が効果的である。また、溶解工程において溶剤
の使用が許容できる場合には、有機溶剤中で(A)成分〜
(C)成分を混合、溶解させ、しかる後に溶剤を蒸発させ
てもよい。かかる有機溶剤は特に限定されないが、例え
ば、テトラヒドロフラン,ジオキサン,アセトニトリ
ル,ジメチホルムアミド,ジメチルスルホキシドが挙げ
られる。
【0026】また、このエステル化反応は副生物として
水を生成するので、最終的には(A)成分〜(C)成分の混
合体を減圧下に置くことが好ましく、例えば、常圧加熱
下でエステル化反応をある程度進行させた後に減圧下で
加熱し、生成した水の除去とエステル化反応の完結を同
時に行う方法が推奨される。ただし、溶解工程に溶剤を
使用した場合は、常圧下に溶剤の沸点以下でエステル化
反応をある程度進行させた後に、溶剤を蒸発させ、しか
る後に減圧下で加熱する必要がある。
【0027】本発明のイオンセンサーは上記の固体電解
質膜を用い参照電極との組合せにより構築されるもので
あるが、その構築方法や使用する参照電極については特
に限定されない。使用する系にあわせた装置の構成など
があるので適宜合わせて行なえばよい。
【0028】
【実施例】以下実施例にて本発明をより詳細に説明す
る。なお、実施例中、電位差の測定は次の方法により行
なった。参照電極には飽和カロメル電極を用い,電位差
の測定は横河電機デジタルマルチメーターModel2
502Aを用いて測定した。
【0029】
【実施例1】下記に示される化合物(1)1.29g、化
合物(2)1.47g、化合物(3) 0.23gおよび水酸
化テトラメチルアンモニウム(10%水溶液)2.59m
l とを攪拌混合し、超音波を照射して十分に溶解させ
た。この溶液を3cm四方のテフロン製の皿に流し込み、
ホットプレート上で120℃で2時間加熱した後、真空
乾燥器にて100℃で4日間真空乾燥して、0.9mm の
厚さの透明なフィルムを得た。このフィルムの赤外吸収
スペクトルを調べたところ、水酸基および遊離カルボン
酸に由来するピークが認められないこと、エステル生成
によるカルボニル基の伸縮振動ピークが1740cm-1
みられること、カルボキシレートイオンによる非対称伸
縮振動ピークが1600cm-1にみられることから、エス
テル化反応はほぼ完全に行われていることがわかった。
フィルムのイオン導電率を測定したところ、25℃で
2.5×10-7S・cm-1の値が得られた。 化合物(1):
【化2】 化合物(2):
【化3】 化合物(3): HO(CH2CH2O)12CH3 このようにして調製したフィルムをイオン選択膜として
図1に示すような電極構成のイオンセンサーを作成し
た。また、試験液として濃度の異なるテトラエチルアン
モニウムクロライドのアセトニトリル溶液を4種類調製
した。次にこれらの試験液中のテトラエチルアンモニウ
ムクロライドを前記イオンセンサーを使用して測定し
た。この測定結果を図2に示した。これらの測定結果か
らテトラエチルアンモニウムクロライドの濃度の対数に
比例して電位差が生じておりその傾きは約60mVとな
りNernst式にしたがっていることが判明した。
【0030】
【実施例2】上記化合物(1)1.29g、化合物(2)1.
47g、化合物(3) 0.23g、水酸化コバルト81.
79mgおよび水0.16gとから実施例1と同様にして
固体電解質フィルムを形成させた。ただし反応温度は1
40℃とした。フィルムのイオン導電率を測定したとこ
ろ、25℃で3.6×10-7S・cm-1の値が得られた。
このフィルムをイオン選択膜とするイオンセンサーを実
施例1と同様にして作成した。また、試験液として濃度
の異なる塩化コバルト/アセトニトリル溶液を実施例1
と同様にして調製した。次にこれらの試験液中の塩化コ
バルトイオンを前記イオンセンサーを使用して測定し
た。これらの測定結果は電位差が塩化コバルトイオン濃
度の対数に比例して直線的に変化し、その傾きは約30
mVとなりほぼ理論値に一致した。
【0031】
【実施例3】上記化合物(1)1.29g、化合物(2)1.
47g、化合物(3) 0.23g、水酸化リチウム42.
07mgおよび水0.16gとから実施例1と同様にして
固体電解質フィルムを形成させた。ただし反応温度は1
40℃とした。フィルムのイオン導電率を測定したとこ
ろ、25℃で2.0×10-7S・cm-1の値が得られた。
このフィルムをイオン選択膜とするイオンセンサーを実
施例1と同様にして作成した。また、試験液として濃度
の異なる過塩素酸リチウム溶液を調製し、これらの試験
液中の過塩素酸リチウム濃度を前記イオンセンサーを使
用し実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果
は電位差が過塩素酸リチウムイオン濃度の対数に比例し
て直線的に変化し、その傾きは約60mVとなり、これ
らの値はほぼ理論値に一致した。
【0032】
【発明の効果】本発明のイオンセンサーは高い陽イオン
選択性を示し、各種有機溶剤に対して不溶であるので有
機溶媒中での陽イオン濃度の測定が可能である。そし
て、溶液中の陽イオンの量を迅速かつ正確に測定できる
という特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で作成した本発明のイオンセン
サーの断面図を示したものである。この図1では飽和カ
ロメル電極を参照電極に使用した場合を示している。1
は水銀,2は塩化水銀(I),3は飽和塩化カリウム水溶
液,4は本発明の高分子膜,5はリード線,6はテトラ
エチルアンモニウムクロライドのアセトニトリル溶液,
7は飽和カロメル電極,8は電位差計図1において、セ
ンサーにあたる部分は1から5の部分にあたり6,7,
8は測定系に適用したときに必要なものである。また、
1から3の部分は用いる参照電極により適宜変えて使用
される。
【図2】図2は実施例1で作成した本発明のイオンセン
サーを使用してテトラエチルアンモニウムイオンを測定
した結果を示したものである。cは被測定溶液中のテト
ラエチルアンモニウムイオン濃度であり、Eはこのセン
サーの示す電位差[飽和カロメル電極(SCE)に対す
る電圧]を表わしている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素基を介してケイ素原子に結合し
    た式、(−COO-)nMn+ (式中、Mn+は金属イオ
    ン、または4級窒素を含む炭素数10以下の有機イオ
    ン、nは1,2または3である。)で示されるカルボキ
    シレート基を含有するポリオルガノシロキサン鎖とポリ
    オキシアルキレン鎖とから構成された高分子共重合体架
    橋物膜をイオン選択膜として用いることを特徴とするイ
    オンセンサー。
  2. 【請求項2】 高分子共重合体架橋物が、(A)1分子中
    に少なくとも2個のカルボキシル基含有炭化水素基を有
    するポリオルガノシロキサン、(B)1分子中に少なくと
    も2個の水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有高
    分子化合物、および(C)アルカリ,アルカリ土類,遷移
    金属など金属原子あるいは4級窒素を含む炭素数10以
    下の有機基を含むアルカリ化合物からなる混合物を脱水
    縮合反応により硬化せしめることにより製造されたもの
    である請求項1記載のイオンセンサー。
JP3214734A 1991-07-31 1991-07-31 イオンセンサー Pending JPH0534312A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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