JPH05329836A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法Info
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- JPH05329836A JPH05329836A JP13919792A JP13919792A JPH05329836A JP H05329836 A JPH05329836 A JP H05329836A JP 13919792 A JP13919792 A JP 13919792A JP 13919792 A JP13919792 A JP 13919792A JP H05329836 A JPH05329836 A JP H05329836A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 予熱時の膨脹倍率が小さく、外面と内部の温
度差が小さくすることができるので安定した成形性を示
すと共に、強度、剛性の優れた工業部品に好適な繊維強
化熱可塑性成形素材を得る。 【構成】 集束剤により集束されたガラス繊維のチョッ
プドストランドと粉粒状又は繊維状の熱可塑性樹脂とを
水中にて攪拌し均一に分散させた後、分散液を抄造して
繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造する方法におい
て、前記ガラス繊維の集束剤の集束成分の形成皮膜の水
溶出率が3〜10重量%であって、前記集束されたガラ
ス繊維の強熱減量が0.05〜0.4重量%であること
を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方
法。
度差が小さくすることができるので安定した成形性を示
すと共に、強度、剛性の優れた工業部品に好適な繊維強
化熱可塑性成形素材を得る。 【構成】 集束剤により集束されたガラス繊維のチョッ
プドストランドと粉粒状又は繊維状の熱可塑性樹脂とを
水中にて攪拌し均一に分散させた後、分散液を抄造して
繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造する方法におい
て、前記ガラス繊維の集束剤の集束成分の形成皮膜の水
溶出率が3〜10重量%であって、前記集束されたガラ
ス繊維の強熱減量が0.05〜0.4重量%であること
を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品・弱電部品
・その他の工業部品、土木建築材料などに用いられる繊
維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法に関する。本発
明方法により製造された繊維強化熱可塑性樹脂成形素材
は特に成形性に優れ、該素材より得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形品は、強度及び剛性が優れているので、バ
ンパービーム、フロントエンドパネル、インストルメン
トパネル、ドアトリムなどの自動車部品、家電製品のハ
ウジング、パネル状土木建築材料などとして有用なもの
である。
・その他の工業部品、土木建築材料などに用いられる繊
維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法に関する。本発
明方法により製造された繊維強化熱可塑性樹脂成形素材
は特に成形性に優れ、該素材より得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形品は、強度及び剛性が優れているので、バ
ンパービーム、フロントエンドパネル、インストルメン
トパネル、ドアトリムなどの自動車部品、家電製品のハ
ウジング、パネル状土木建築材料などとして有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品・弱電部品・その他の
工業部品、土木建築材料等の分野で、製品としての強度
・剛性・耐久性・寸法安定性などが要求される用途にお
いては、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂シート、同シート
を曲げ加工などにより賦形したもの、加熱圧縮成形して
成形品としたもの、などが用いられている。かかるガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂成形品を得るための成形素材の
製法として、特公昭52−12283号公報に記載され
る抄造法が良く知られている。この公報に記載される方
法は、泡中に熱可塑性樹脂粉粒体とガラス繊維チョップ
ドストランドを投入し、攪拌して、ガラス繊維チョップ
ドストランドを単繊維状に解繊・分散させた後、抄紙法
により不織布(以下ウェブという)を形成し、必要に応
じて、得られたウェブを加熱加圧成形してシート状にす
る方法である。
工業部品、土木建築材料等の分野で、製品としての強度
・剛性・耐久性・寸法安定性などが要求される用途にお
いては、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂シート、同シート
を曲げ加工などにより賦形したもの、加熱圧縮成形して
成形品としたもの、などが用いられている。かかるガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂成形品を得るための成形素材の
製法として、特公昭52−12283号公報に記載され
る抄造法が良く知られている。この公報に記載される方
法は、泡中に熱可塑性樹脂粉粒体とガラス繊維チョップ
ドストランドを投入し、攪拌して、ガラス繊維チョップ
ドストランドを単繊維状に解繊・分散させた後、抄紙法
により不織布(以下ウェブという)を形成し、必要に応
じて、得られたウェブを加熱加圧成形してシート状にす
る方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の抄紙法による成
形素材の製造においては、従来、澱粉、ポリビニルアル
コール等、水溶性成分からなる集束剤で処理したガラス
繊維が用いられてきた。かかるガラス繊維は水中で極め
て容易に、又均一に解繊・分散するので、これを用いた
成形素材をスタンプ成形やフロー成形して得られる成形
品は成形素材の板厚が比較的小さい場合は強度・剛性が
高く、品質の安定性も優れていた。しかし、板厚がより
大(例えば成形素材として厚さ3mm以上)となると解繊
されたガラス繊維が三次元方向に配列するので、該成形
素材を成形するに先立って赤外線ヒーター等で熱可塑性
樹脂の溶融点以上に予熱するとガラス繊維のスプリング
バックにより板厚が成形素材原反の3〜7倍の厚さに膨
脹する。この膨脹があまりに著しいと原反の表面のみが
加熱され、原反内部が加熱されにくくなるため、原反表
面温度と内部温度との間に極端な温度差が生じ、成形が
不安定になったり成形時に高圧を用いる必要が生じてガ
ラス繊維の切断が発生し成形品の強度・剛性が低下した
りする原因となる。また、上述の欠点を改良する方法と
して、ストランドの番手が50テックス(1,000m
当りのストランド重量;g)程度に非水溶性の集束剤で
集束したガラス繊維チョップドストランドを解繊させ
ず、そのまま成形素材に分散させる方法があるが、この
場合はガラス繊維同士が互いに強固に接着しているた
め、樹脂とガラス繊維の有効接着界面が減少し、成形品
の強度・剛性が発現しないという問題を有している。
形素材の製造においては、従来、澱粉、ポリビニルアル
コール等、水溶性成分からなる集束剤で処理したガラス
繊維が用いられてきた。かかるガラス繊維は水中で極め
て容易に、又均一に解繊・分散するので、これを用いた
成形素材をスタンプ成形やフロー成形して得られる成形
品は成形素材の板厚が比較的小さい場合は強度・剛性が
高く、品質の安定性も優れていた。しかし、板厚がより
大(例えば成形素材として厚さ3mm以上)となると解繊
されたガラス繊維が三次元方向に配列するので、該成形
素材を成形するに先立って赤外線ヒーター等で熱可塑性
樹脂の溶融点以上に予熱するとガラス繊維のスプリング
バックにより板厚が成形素材原反の3〜7倍の厚さに膨
脹する。この膨脹があまりに著しいと原反の表面のみが
加熱され、原反内部が加熱されにくくなるため、原反表
面温度と内部温度との間に極端な温度差が生じ、成形が
不安定になったり成形時に高圧を用いる必要が生じてガ
ラス繊維の切断が発生し成形品の強度・剛性が低下した
りする原因となる。また、上述の欠点を改良する方法と
して、ストランドの番手が50テックス(1,000m
当りのストランド重量;g)程度に非水溶性の集束剤で
集束したガラス繊維チョップドストランドを解繊させ
ず、そのまま成形素材に分散させる方法があるが、この
場合はガラス繊維同士が互いに強固に接着しているた
め、樹脂とガラス繊維の有効接着界面が減少し、成形品
の強度・剛性が発現しないという問題を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、予熱時の加熱の均一性、成形性に優れ、
該素材より得られる成形品の諸物性に優れた繊維強化熱
可塑性樹脂成形素材の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、抄造法におけるガラス繊維チョップドス
トランドの集束剤の性質と、上述の予熱時の加熱の均一
性、成形性及び成形品の諸物性との相関を詳細に検討
し、特定の性質の集束剤を特定量で処理したガラス繊維
チョップドストランドを用いることによって、上述の問
題点が改良されることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明の繊維強化熱可塑性
樹脂成形素材の製造方法は、集束剤により集束されたガ
ラス繊維のチョップドストランドと粉粒状又は繊維状の
熱可塑性樹脂とを水中にて攪拌し均一に分散させた後、
分散液を抄造して繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造
する方法において、前記ガラス繊維の集束剤の集束成分
の形成皮膜の水溶出率が3〜10重量%であって、前記
集束されたガラス繊維の強熱減量が0.05〜0.4重
量%であることを特徴とするものである。
決するために、予熱時の加熱の均一性、成形性に優れ、
該素材より得られる成形品の諸物性に優れた繊維強化熱
可塑性樹脂成形素材の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、抄造法におけるガラス繊維チョップドス
トランドの集束剤の性質と、上述の予熱時の加熱の均一
性、成形性及び成形品の諸物性との相関を詳細に検討
し、特定の性質の集束剤を特定量で処理したガラス繊維
チョップドストランドを用いることによって、上述の問
題点が改良されることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明の繊維強化熱可塑性
樹脂成形素材の製造方法は、集束剤により集束されたガ
ラス繊維のチョップドストランドと粉粒状又は繊維状の
熱可塑性樹脂とを水中にて攪拌し均一に分散させた後、
分散液を抄造して繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造
する方法において、前記ガラス繊維の集束剤の集束成分
の形成皮膜の水溶出率が3〜10重量%であって、前記
集束されたガラス繊維の強熱減量が0.05〜0.4重
量%であることを特徴とするものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕 〔I〕素材原料 (1) 熱可塑性樹脂(A成分) 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法にお
いて用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、AB
S樹脂、SAN樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリ
スルホン、ポリフェニレンスルフィドなどを挙げること
ができるが、これら各成分の2種類又はそれ以上の成分
の混合物として用いることもできる。これら熱可塑性樹
脂の中でも、ガラス繊維の添加効果(強度、剛性、耐久
性の向上)という観点から、結晶性樹脂、特にポリプロ
ピレン、ポリアミド及びポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート)を使用す
ることが好ましい。また、これら熱可塑性樹脂には、こ
れら熱可塑性樹脂に通常配合される可塑剤、熱安定剤、
光安定剤、充填材、染料、顔料、耐衝撃改良材、フィラ
ー、核剤などを添加することもできる。これら熱可塑性
樹脂を粉粒体として用いる場合の粉粒体の直径は、10
〜2,000μm、特に50〜1,000μm程度であ
ることが好ましく、また、繊維として用いる場合の直径
は20〜1,000μm、特に40〜500μmが好ま
しく、長さは1.5〜50mm、特に6〜25mm程度であ
ることが好ましい。
いて用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、AB
S樹脂、SAN樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリ
スルホン、ポリフェニレンスルフィドなどを挙げること
ができるが、これら各成分の2種類又はそれ以上の成分
の混合物として用いることもできる。これら熱可塑性樹
脂の中でも、ガラス繊維の添加効果(強度、剛性、耐久
性の向上)という観点から、結晶性樹脂、特にポリプロ
ピレン、ポリアミド及びポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート)を使用す
ることが好ましい。また、これら熱可塑性樹脂には、こ
れら熱可塑性樹脂に通常配合される可塑剤、熱安定剤、
光安定剤、充填材、染料、顔料、耐衝撃改良材、フィラ
ー、核剤などを添加することもできる。これら熱可塑性
樹脂を粉粒体として用いる場合の粉粒体の直径は、10
〜2,000μm、特に50〜1,000μm程度であ
ることが好ましく、また、繊維として用いる場合の直径
は20〜1,000μm、特に40〜500μmが好ま
しく、長さは1.5〜50mm、特に6〜25mm程度であ
ることが好ましい。
【0006】(2) ガラス繊維(B成分)ガラス繊維チョップドストランド 本発明において上記熱可塑性樹脂と共に用いられるガラ
ス繊維チョップドストランドは、単繊維の直径が3〜5
0μm、望ましくは5〜20μmのガラス長繊維を以下
の集束剤で処理して集束数が数十〜数千としたストラン
ドを、長さが1〜100mm、望ましくは6〜25mmに切
断したものである。本発明においては上記ガラス繊維の
他に、他のガラス繊維、カーボン繊維、アラミッド繊
維、金属繊維、セラミックス繊維などの強化繊維を本発
明の趣旨を逸脱しない範囲内で併用することもできる。
ス繊維チョップドストランドは、単繊維の直径が3〜5
0μm、望ましくは5〜20μmのガラス長繊維を以下
の集束剤で処理して集束数が数十〜数千としたストラン
ドを、長さが1〜100mm、望ましくは6〜25mmに切
断したものである。本発明においては上記ガラス繊維の
他に、他のガラス繊維、カーボン繊維、アラミッド繊
維、金属繊維、セラミックス繊維などの強化繊維を本発
明の趣旨を逸脱しない範囲内で併用することもできる。
【0007】ガラス繊維の集束剤 本発明において用いられるガラス繊維チョップドストラ
ンドは、サイジングを目的とした集束成分としての樹脂
エマルジョン、樹脂との接着性、相溶性を目的とした表
面処理成分としてのカップリング剤、及び、潤滑剤、帯
電防止剤等の構成成分を含む集束剤で表面処理されてい
る。一般に繊維強化樹脂材料に用いられるガラス繊維チ
ョップドストランドの集束剤を構成する成分の種類、
量、混合比率は、用途により種々のものが実用化されて
いるが、湿式抄造法による繊維強化熱可塑性樹脂の製造
に適したものは未だ充分に開発されていない。特に、強
度・剛性を中心とした物性の優れた繊維強化樹脂を得る
のに適したガラス繊維チョップドストランドは成形性を
阻害するし、また、成形性のよい繊維強化樹脂を得るの
に適したガラス繊維チョップドストランドは物性、特に
耐衝撃性を阻害するなどの性質を有する。
ンドは、サイジングを目的とした集束成分としての樹脂
エマルジョン、樹脂との接着性、相溶性を目的とした表
面処理成分としてのカップリング剤、及び、潤滑剤、帯
電防止剤等の構成成分を含む集束剤で表面処理されてい
る。一般に繊維強化樹脂材料に用いられるガラス繊維チ
ョップドストランドの集束剤を構成する成分の種類、
量、混合比率は、用途により種々のものが実用化されて
いるが、湿式抄造法による繊維強化熱可塑性樹脂の製造
に適したものは未だ充分に開発されていない。特に、強
度・剛性を中心とした物性の優れた繊維強化樹脂を得る
のに適したガラス繊維チョップドストランドは成形性を
阻害するし、また、成形性のよい繊維強化樹脂を得るの
に適したガラス繊維チョップドストランドは物性、特に
耐衝撃性を阻害するなどの性質を有する。
【0008】それ故、本発明者らは、ガラス繊維の集束
剤の種類、量、成分比率を検討し、集束成分として、5
0℃で10時間の形成条件によって形成された肉厚50
0μmの形成皮膜を20℃の水中に1週間浸漬したとき
の溶出率が3〜10重量%、好ましくは3〜8重量%で
ある集束剤を用いること、並びに集束剤によるガラス繊
維表面の処理量が強熱(640℃、30分)減量で0.
05〜0.4重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%
とすることにより、成形性に優れ、得られる成形品の物
性が優れたガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形素材が得ら
れることを見出した。特に、水溶出率が3重量%未満の
ものでは水系分散液中におけるガラス繊維の解繊性が悪
く、従って成形素材を成形した成形品の強度・剛性が劣
り、10重量%を超えるものでは成形素材予熱時のガラ
ス繊維のスプリングバックによる原反の膨脹が激しくな
ると共に、得られる成形品の物性が劣ることとなる。ま
た、水溶出率が3〜10重量%であっても、強熱減量が
0.4重量%を超えるものでは水系分散液中におけるガ
ラス繊維の解繊性が極めて悪く、従って成形素材を成形
した成形品の強度・剛性が極端に低下するし、0.05
重量%未満では成形素材予熱時のガラス繊維のスプリン
グバックによる原反の膨脹が大きくなる。
剤の種類、量、成分比率を検討し、集束成分として、5
0℃で10時間の形成条件によって形成された肉厚50
0μmの形成皮膜を20℃の水中に1週間浸漬したとき
の溶出率が3〜10重量%、好ましくは3〜8重量%で
ある集束剤を用いること、並びに集束剤によるガラス繊
維表面の処理量が強熱(640℃、30分)減量で0.
05〜0.4重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%
とすることにより、成形性に優れ、得られる成形品の物
性が優れたガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形素材が得ら
れることを見出した。特に、水溶出率が3重量%未満の
ものでは水系分散液中におけるガラス繊維の解繊性が悪
く、従って成形素材を成形した成形品の強度・剛性が劣
り、10重量%を超えるものでは成形素材予熱時のガラ
ス繊維のスプリングバックによる原反の膨脹が激しくな
ると共に、得られる成形品の物性が劣ることとなる。ま
た、水溶出率が3〜10重量%であっても、強熱減量が
0.4重量%を超えるものでは水系分散液中におけるガ
ラス繊維の解繊性が極めて悪く、従って成形素材を成形
した成形品の強度・剛性が極端に低下するし、0.05
重量%未満では成形素材予熱時のガラス繊維のスプリン
グバックによる原反の膨脹が大きくなる。
【0009】水溶出率と強熱減量の値が共に上述の範囲
内にあれば成形素材の成形性、成形した成形品物性値が
共に優れるようになる作用機構については未だ充分に究
明されていないが、水溶出率と強熱減量の値が適正な集
束剤で処理されたガラス繊維チョップドストランドは水
系分散液中で一旦モノフィラメントに近い状態に解繊
し、周辺の電気化学的状態等により解繊したガラス繊維
が斥力を失い、その一部或いはかなりの部分が数十ない
し数百本の束を形成して再凝集するためと推定すること
ができる。このような再凝集したガラス繊維が分散した
成形素材は、充分に解繊したガラス繊維が分散した成形
素材と比較してシート予熱時のガラス繊維のスプリング
バックによる原反の膨脹が少なく物性も劣らない。ま
た、ガラス繊維が水系分散液中においてあまり解繊せず
束状のストランドのまま分散した成形素材と比較して成
形した成形品の強度・剛性が著しく優れる。
内にあれば成形素材の成形性、成形した成形品物性値が
共に優れるようになる作用機構については未だ充分に究
明されていないが、水溶出率と強熱減量の値が適正な集
束剤で処理されたガラス繊維チョップドストランドは水
系分散液中で一旦モノフィラメントに近い状態に解繊
し、周辺の電気化学的状態等により解繊したガラス繊維
が斥力を失い、その一部或いはかなりの部分が数十ない
し数百本の束を形成して再凝集するためと推定すること
ができる。このような再凝集したガラス繊維が分散した
成形素材は、充分に解繊したガラス繊維が分散した成形
素材と比較してシート予熱時のガラス繊維のスプリング
バックによる原反の膨脹が少なく物性も劣らない。ま
た、ガラス繊維が水系分散液中においてあまり解繊せず
束状のストランドのまま分散した成形素材と比較して成
形した成形品の強度・剛性が著しく優れる。
【0010】特に、前述のガラス繊維の集束剤の水溶出
率、及び強熱減量の範囲を達成し、成形性、物性共に優
れた成形素材とするためには、集束剤の集束成分として
ポリウレタン系エマルジョン、カップリング成分として
シランカップリング剤を使用することが好ましい。上記
ポリウレタン系エマルジョンのポリウレタン樹脂として
は、キシレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネ
ート等のジイソシアネートとポリエーテル系ポリオー
ル、ポリエステル系ポリオール等との反応により得られ
るものであるが、本発明ではその組合せを問わない。ま
た、上記シランカップリング剤は樹脂とガラス繊維の接
着性を改良するためのものであり、例えばγ‐アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等が使用される。
率、及び強熱減量の範囲を達成し、成形性、物性共に優
れた成形素材とするためには、集束剤の集束成分として
ポリウレタン系エマルジョン、カップリング成分として
シランカップリング剤を使用することが好ましい。上記
ポリウレタン系エマルジョンのポリウレタン樹脂として
は、キシレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネ
ート等のジイソシアネートとポリエーテル系ポリオー
ル、ポリエステル系ポリオール等との反応により得られ
るものであるが、本発明ではその組合せを問わない。ま
た、上記シランカップリング剤は樹脂とガラス繊維の接
着性を改良するためのものであり、例えばγ‐アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等が使用される。
【0011】(3) 配合比 熱可塑性樹脂(A成分)とガラス繊維(B成分)との配
合割合は、一般にA成分:B成分=30〜90重量%:
70〜10重量%、好ましくは30〜80重量%:70
〜20重量%、特に好ましくは40〜70重量%:60
〜30重量%である。上記A成分の配合割合が30重量
%未満では成形素材としての成形加工性が劣り、また、
成形した成形品の耐衝撃性、表面平滑度が劣る。また、
A成分の配合割合が90重量%を超えては成形した成形
品の強度・剛性の向上効果が不充分となるので望ましく
ない。
合割合は、一般にA成分:B成分=30〜90重量%:
70〜10重量%、好ましくは30〜80重量%:70
〜20重量%、特に好ましくは40〜70重量%:60
〜30重量%である。上記A成分の配合割合が30重量
%未満では成形素材としての成形加工性が劣り、また、
成形した成形品の耐衝撃性、表面平滑度が劣る。また、
A成分の配合割合が90重量%を超えては成形した成形
品の強度・剛性の向上効果が不充分となるので望ましく
ない。
【0012】〔II〕繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製
造 本発明の湿式抄造法による成形素材の製造は公知の種々
の方法を適用できるが、熱可塑性樹脂としてポリプロピ
レンを用いる場合の例を挙げて以下に具体的に説明す
る。集束されたガラス繊維のチョップドストランドとポ
リプロピレン粉粒体を分散槽内の液体中に投入する。該
分散槽内では、強化用ガラス繊維とポリプロピレン粉粒
体を均一に分散させるための攪拌を行う。次いで、この
充分に攪拌された分散液をポンプによりメッシュ状コン
ベアーベルトの上側に設置されたヘッドボックス内に供
給する。このヘッドボックスの下側のメッシュ状コンベ
アーベルトの下にはウェットボックスが設置されてお
り、該ウェットボックス内の圧力は負圧に保たれて、該
ヘッドボックス内の分散液をメッシュ状コンベアーベル
トを介して吸引脱水することにより、メッシュ状コンベ
アーベルト上にガラス繊維とポリプロピレン粉粒体とが
均一に分散されたウェブを得る。このウェブを通風式の
熱風乾燥炉で乾燥し、更に、ダブルベルトプレスを用い
て該乾燥ウェブをマトリックスであるポリプロピレンの
融点以上に加熱・溶融した後、加圧・冷却することによ
ってガラス繊維をポリプロピレンにより固着させたガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂成形素材シートを得る。そし
て、加圧力を制御することによって、殆ど空隙を含まな
いソリッドなシート及び多孔質の通気性シートとする。
次いで、これらのガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形素材
シートをリールなどに巻き取るか、カッターにより所定
の幅・長さに裁断して実用に供する。
造 本発明の湿式抄造法による成形素材の製造は公知の種々
の方法を適用できるが、熱可塑性樹脂としてポリプロピ
レンを用いる場合の例を挙げて以下に具体的に説明す
る。集束されたガラス繊維のチョップドストランドとポ
リプロピレン粉粒体を分散槽内の液体中に投入する。該
分散槽内では、強化用ガラス繊維とポリプロピレン粉粒
体を均一に分散させるための攪拌を行う。次いで、この
充分に攪拌された分散液をポンプによりメッシュ状コン
ベアーベルトの上側に設置されたヘッドボックス内に供
給する。このヘッドボックスの下側のメッシュ状コンベ
アーベルトの下にはウェットボックスが設置されてお
り、該ウェットボックス内の圧力は負圧に保たれて、該
ヘッドボックス内の分散液をメッシュ状コンベアーベル
トを介して吸引脱水することにより、メッシュ状コンベ
アーベルト上にガラス繊維とポリプロピレン粉粒体とが
均一に分散されたウェブを得る。このウェブを通風式の
熱風乾燥炉で乾燥し、更に、ダブルベルトプレスを用い
て該乾燥ウェブをマトリックスであるポリプロピレンの
融点以上に加熱・溶融した後、加圧・冷却することによ
ってガラス繊維をポリプロピレンにより固着させたガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂成形素材シートを得る。そし
て、加圧力を制御することによって、殆ど空隙を含まな
いソリッドなシート及び多孔質の通気性シートとする。
次いで、これらのガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形素材
シートをリールなどに巻き取るか、カッターにより所定
の幅・長さに裁断して実用に供する。
【0013】
【実施例】本発明の効果をより具体的に説明するため、
以下に実験例を示すが、本発明は以下の実験例に限定さ
れるものではない。 <実施例1>ポリプロピレンホモポリマーのペレット
(三菱油化試作品、メルトフローレート150g/10
分)を機械的に粉砕して得た平均粒径約350μmの粉
体60重量%と、表1の実施例1の欄に示す、集束成分
の形成被膜の水溶出率が7重量%の集束剤で処理した太
さ10μm、長さ13mm、集束数800、強熱減量0.
1重量%のガラス繊維チョップドストランド(日本電気
硝子社製、ECS−13−IP−044G−A)40重
量%とを用い、湿式抄造法により作成したウェブを熱プ
レスして50cm×50cm、厚さ3.8mmの成形素材シー
トを得た。抄造時のガラス繊維の解繊状態は良好であ
り、シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡によ
り観察したところ、ガラス繊維の約20%程度が30〜
200本程度の束状の再凝集体として存在していた。束
状の再凝集体を形成するガラス繊維とガラス繊維との僅
かな間隙にはポリプロピレンが存在するのが観察され
た。なお、成形素材シート中のガラス繊維の状態の評価
は以下に示す評価基準により行った。 凝集:30フィラメント以上の凝集が生じた。 ストランド:800フィラメントの未解繊ストランドが
多数存在した。 フィラメント:モノフィラメントもしくは2〜5フィラ
メントの凝集程度であった。 このシートから試験片を切り出し、ASTM D688
−72による引張り強度及びJIS K7203−73
による曲げ強度、曲げ弾性率を測定した結果を表2に示
す。次に、該シートを45cm×9cmに裁断したブランク
5枚を遠赤外線ヒーターで表面温度が220℃となるま
で予熱し、5枚のホットブランクを重ねてプレス成形し
て長さ約500mm、幅約100mm、深さ約60mm、肉厚
約6mmのフラワーポット型成形品を得た。予熱時のブラ
ンクの膨脹倍率(予熱後のブランクの厚み/予熱前のブ
ランクの厚み)及び成形品の底部中央部の引張り強度、
曲げ強度及び曲げ弾性率の測定結果を表2に示す。な
お、シート加熱時の膨脹倍率はブランクの均一な加熱を
可能にするためには2以下、望ましくは1.5以下とす
る必要がある。
以下に実験例を示すが、本発明は以下の実験例に限定さ
れるものではない。 <実施例1>ポリプロピレンホモポリマーのペレット
(三菱油化試作品、メルトフローレート150g/10
分)を機械的に粉砕して得た平均粒径約350μmの粉
体60重量%と、表1の実施例1の欄に示す、集束成分
の形成被膜の水溶出率が7重量%の集束剤で処理した太
さ10μm、長さ13mm、集束数800、強熱減量0.
1重量%のガラス繊維チョップドストランド(日本電気
硝子社製、ECS−13−IP−044G−A)40重
量%とを用い、湿式抄造法により作成したウェブを熱プ
レスして50cm×50cm、厚さ3.8mmの成形素材シー
トを得た。抄造時のガラス繊維の解繊状態は良好であ
り、シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡によ
り観察したところ、ガラス繊維の約20%程度が30〜
200本程度の束状の再凝集体として存在していた。束
状の再凝集体を形成するガラス繊維とガラス繊維との僅
かな間隙にはポリプロピレンが存在するのが観察され
た。なお、成形素材シート中のガラス繊維の状態の評価
は以下に示す評価基準により行った。 凝集:30フィラメント以上の凝集が生じた。 ストランド:800フィラメントの未解繊ストランドが
多数存在した。 フィラメント:モノフィラメントもしくは2〜5フィラ
メントの凝集程度であった。 このシートから試験片を切り出し、ASTM D688
−72による引張り強度及びJIS K7203−73
による曲げ強度、曲げ弾性率を測定した結果を表2に示
す。次に、該シートを45cm×9cmに裁断したブランク
5枚を遠赤外線ヒーターで表面温度が220℃となるま
で予熱し、5枚のホットブランクを重ねてプレス成形し
て長さ約500mm、幅約100mm、深さ約60mm、肉厚
約6mmのフラワーポット型成形品を得た。予熱時のブラ
ンクの膨脹倍率(予熱後のブランクの厚み/予熱前のブ
ランクの厚み)及び成形品の底部中央部の引張り強度、
曲げ強度及び曲げ弾性率の測定結果を表2に示す。な
お、シート加熱時の膨脹倍率はブランクの均一な加熱を
可能にするためには2以下、望ましくは1.5以下とす
る必要がある。
【0014】<実施例2>集束剤中のポリエステル系ウ
レタンエマルジョンAの配合比を増し、強熱減量を0.
3重量%としたガラス繊維チョップドストランド(日本
電気硝子社製、ECS−13−IP−044G−B)を
用いる以外は実施例1と全く同様にシート及び成形品を
作成した。抄造時のガラス繊維の解繊状態は良好であ
り、シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡によ
り観察したところ、ガラス繊維の約50%程度が30〜
200本程度の束状の再凝集体として存在していた。束
状の再凝集体を形成するガラス繊維とガラス繊維との僅
かな間隙にはポリプロピレンが存在するのが観察され
た。シート及び成形品の物性値並びに予熱時のブランク
の膨脹倍率の測定結果を表2に示す。
レタンエマルジョンAの配合比を増し、強熱減量を0.
3重量%としたガラス繊維チョップドストランド(日本
電気硝子社製、ECS−13−IP−044G−B)を
用いる以外は実施例1と全く同様にシート及び成形品を
作成した。抄造時のガラス繊維の解繊状態は良好であ
り、シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡によ
り観察したところ、ガラス繊維の約50%程度が30〜
200本程度の束状の再凝集体として存在していた。束
状の再凝集体を形成するガラス繊維とガラス繊維との僅
かな間隙にはポリプロピレンが存在するのが観察され
た。シート及び成形品の物性値並びに予熱時のブランク
の膨脹倍率の測定結果を表2に示す。
【0015】<比較例1>集束剤中のポリエステル系ウ
レタンエマルジョンAの配合比をさらに増し、強熱減量
を0.5重量%としたガラス繊維チョップドストランド
(日本電気硝子社製、ECS−13−IP−044G−
C)を用いる以外は実施例1と全く同様にシート及び成
形品を作成した。抄造時のガラス繊維の解繊状態は良好
でなく、シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡
により観察したところ、ガラス繊維の約90%程度が6
0〜800本程度のストランドとして存在していた。ス
トランド中のガラス繊維とガラス繊維との間隙にはポリ
プロピレンの存在が殆ど確認されなかった。シート及び
成形品の物性値並びに予熱時のブランクの膨脹倍率の測
定結果を表2に示す。
レタンエマルジョンAの配合比をさらに増し、強熱減量
を0.5重量%としたガラス繊維チョップドストランド
(日本電気硝子社製、ECS−13−IP−044G−
C)を用いる以外は実施例1と全く同様にシート及び成
形品を作成した。抄造時のガラス繊維の解繊状態は良好
でなく、シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡
により観察したところ、ガラス繊維の約90%程度が6
0〜800本程度のストランドとして存在していた。ス
トランド中のガラス繊維とガラス繊維との間隙にはポリ
プロピレンの存在が殆ど確認されなかった。シート及び
成形品の物性値並びに予熱時のブランクの膨脹倍率の測
定結果を表2に示す。
【0016】<比較例2>より水溶性の高いポリエステ
ル系ウレタンをベースとするエマルジョンBを含む集束
剤で処理したガラス繊維チョップドストランド(日本電
気硝子社製、ECS−13−IP−044G−D)を用
いる以外は実施例2と全く同様にシートを作成した。抄
造時のガラス繊維の解繊状態は極めて良好であったが、
シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡により観
察したところ、ガラス繊維のほぼ全量がモノフィラメン
トの状態又は2〜5本のフィラメントの再凝集体として
存在していた。
ル系ウレタンをベースとするエマルジョンBを含む集束
剤で処理したガラス繊維チョップドストランド(日本電
気硝子社製、ECS−13−IP−044G−D)を用
いる以外は実施例2と全く同様にシートを作成した。抄
造時のガラス繊維の解繊状態は極めて良好であったが、
シートの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡により観
察したところ、ガラス繊維のほぼ全量がモノフィラメン
トの状態又は2〜5本のフィラメントの再凝集体として
存在していた。
【0017】<比較例3>より水溶性に乏しいポリエス
テル系ウレタンをベースとするエマルジョンCを含む集
束剤で処理したガラス繊維チョップドストランド(日本
電気硝子社製、ECS−13−IP−044G−E)を
用いる以外は実施例2と全く同様にシートを作成した。
抄造時のガラス繊維の解繊状態は極めて悪く、シートの
内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡により観察したと
ころ、ガラス繊維のほぼ全量がストランド状態で存在し
ていた。
テル系ウレタンをベースとするエマルジョンCを含む集
束剤で処理したガラス繊維チョップドストランド(日本
電気硝子社製、ECS−13−IP−044G−E)を
用いる以外は実施例2と全く同様にシートを作成した。
抄造時のガラス繊維の解繊状態は極めて悪く、シートの
内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡により観察したと
ころ、ガラス繊維のほぼ全量がストランド状態で存在し
ていた。
【0018】<比較例4>ポリエステル系ウレタンエマ
ルジョンに代えてポリビニルアルコールを含む集束剤で
処理したガラス繊維チョップドストランド(日本電気硝
子社製、ECS−13−IP−044G−F)を用いる
以外は実施例2と全く同様にシートを作成した。抄造時
のガラス繊維の解繊状態は極めて良好であったが、シー
トの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡により観察し
たところ、ガラス繊維のほぼ全量がモノフィラメントの
状態で存在していた。
ルジョンに代えてポリビニルアルコールを含む集束剤で
処理したガラス繊維チョップドストランド(日本電気硝
子社製、ECS−13−IP−044G−F)を用いる
以外は実施例2と全く同様にシートを作成した。抄造時
のガラス繊維の解繊状態は極めて良好であったが、シー
トの内部のガラス繊維の分散状態を顕微鏡により観察し
たところ、ガラス繊維のほぼ全量がモノフィラメントの
状態で存在していた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明の方法により得られるガラス繊維
強化熱可塑性樹脂成形素材は、予熱時のブランクの膨脹
倍率が小さくホットブランクの外面〜内部の温度差が小
さいので安定した成形性が得られると共に、成形した成
形品の強度・剛性が優れ、工業部品用に好適な素材とな
る。
強化熱可塑性樹脂成形素材は、予熱時のブランクの膨脹
倍率が小さくホットブランクの外面〜内部の温度差が小
さいので安定した成形性が得られると共に、成形した成
形品の強度・剛性が優れ、工業部品用に好適な素材とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 75/06 NGE 8620−4J B29K 105:06 (72)発明者 大 沢 俊 行 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 野 沢 忠 道 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 田 口 功 滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 (72)発明者 有 岡 雅 行 滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】集束剤により集束されたガラス繊維のチョ
ップドストランドと粉粒状又は繊維状の熱可塑性樹脂と
を水中にて攪拌し均一に分散させた後、分散液を抄造し
て繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造する方法におい
て、前記ガラス繊維の集束剤の集束成分の形成皮膜の水
溶出率が3〜10重量%であって、前記集束されたガラ
ス繊維の強熱減量が0.05〜0.4重量%であること
を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方
法。 - 【請求項2】ガラス繊維の集束剤が、集束成分としての
ポリウレタン系エマルジョンと表面処理成分としてのシ
ランカップリング剤から主としてなることを特徴とする
請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13919792A JPH05329836A (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13919792A JPH05329836A (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05329836A true JPH05329836A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=15239821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13919792A Pending JPH05329836A (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05329836A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013052602A (ja) * | 2011-09-05 | 2013-03-21 | Teijin Ltd | 表面が平滑で均一な厚みを有する成形体およびその製造方法 |
JP2013056976A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Teijin Ltd | 繊維強化複合材料から構成される成形体の製造方法 |
JP2016037509A (ja) * | 2014-08-05 | 2016-03-22 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法 |
JP2017210581A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維強化プラスチック成形体用基材、繊維強化プラスチック成形体及び繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法 |
US9850368B2 (en) | 2012-02-09 | 2017-12-26 | Toray Industries, Inc. | Carbon fiber composite material |
US9909253B2 (en) | 2013-06-26 | 2018-03-06 | Teijin Limited | Random mat, shaped product of fiber reinforced composite material, and carbon fiber mat |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP13919792A patent/JPH05329836A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013052602A (ja) * | 2011-09-05 | 2013-03-21 | Teijin Ltd | 表面が平滑で均一な厚みを有する成形体およびその製造方法 |
JP2013056976A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Teijin Ltd | 繊維強化複合材料から構成される成形体の製造方法 |
US9850368B2 (en) | 2012-02-09 | 2017-12-26 | Toray Industries, Inc. | Carbon fiber composite material |
US9909253B2 (en) | 2013-06-26 | 2018-03-06 | Teijin Limited | Random mat, shaped product of fiber reinforced composite material, and carbon fiber mat |
JP2016037509A (ja) * | 2014-08-05 | 2016-03-22 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法 |
JP2017210581A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維強化プラスチック成形体用基材、繊維強化プラスチック成形体及び繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法 |
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