JPH05325789A - 偏向ヨークの磁界補正用シートの装着方法 - Google Patents
偏向ヨークの磁界補正用シートの装着方法Info
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- JPH05325789A JPH05325789A JP14859892A JP14859892A JPH05325789A JP H05325789 A JPH05325789 A JP H05325789A JP 14859892 A JP14859892 A JP 14859892A JP 14859892 A JP14859892 A JP 14859892A JP H05325789 A JPH05325789 A JP H05325789A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic field
- deflection yoke
- field correction
- binder
- correction sheet
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- Pending
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- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁界補正用シートを偏向ヨークの湾曲面に取
り付けることが容易であり、しかも装着後は貼着面に沿
った湾曲形状を半永久的に保つことができ、装着当初の
磁界補正効果を長年にわたって維持できる磁界補正用シ
ートの装着方法を提供せんとするものである。 【構成】 ソフトフェライト粉を合成樹脂バインダーに
分散配合して成形した磁界補正用シートを偏向ヨークの
巻線表面に貼着して偏向ヨークの磁界補正を行う技術に
おいて、成形後の常温における初期特性が湾曲可能な可
塑性を有し且つ100℃以上の高温状態下で所定の累積
時間経過させたときに可塑性を失う材料をバインダーと
して用いてなり、常温初期特性である柔軟性を利用して
偏向ヨークの湾曲面に沿って磁界補正用シートを貼着す
るとともに、装着後は受像機の購入者が受像機を稼働さ
せる過程で磁界補正用シートに加えられる熱量により磁
界補正用シートを硬化させることで偏向ヨークの湾曲面
に沿った形状を維持させたことを特徴としている。
り付けることが容易であり、しかも装着後は貼着面に沿
った湾曲形状を半永久的に保つことができ、装着当初の
磁界補正効果を長年にわたって維持できる磁界補正用シ
ートの装着方法を提供せんとするものである。 【構成】 ソフトフェライト粉を合成樹脂バインダーに
分散配合して成形した磁界補正用シートを偏向ヨークの
巻線表面に貼着して偏向ヨークの磁界補正を行う技術に
おいて、成形後の常温における初期特性が湾曲可能な可
塑性を有し且つ100℃以上の高温状態下で所定の累積
時間経過させたときに可塑性を失う材料をバインダーと
して用いてなり、常温初期特性である柔軟性を利用して
偏向ヨークの湾曲面に沿って磁界補正用シートを貼着す
るとともに、装着後は受像機の購入者が受像機を稼働さ
せる過程で磁界補正用シートに加えられる熱量により磁
界補正用シートを硬化させることで偏向ヨークの湾曲面
に沿った形状を維持させたことを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は偏向ヨークの磁界補正用
シートの装着方法に関し、更に詳しくは、湾曲面への装
着が容易で、しかも装着後は貼着面に沿った湾曲形状を
半永久的に保持させることができる磁界補正用シートの
装着方法に関する。
シートの装着方法に関し、更に詳しくは、湾曲面への装
着が容易で、しかも装着後は貼着面に沿った湾曲形状を
半永久的に保持させることができる磁界補正用シートの
装着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビやCRTディスプレイ等に用いら
れるブラウン管に装着される偏向ヨークには、磁界を微
調整する目的で磁界補正用のシート体が用いられてい
る。図6はこの様子を示すもので、偏向ヨークAの巻線
aにシート体1を取付けた状態を示している。シート体
1はソフトフェライト粉を合成樹脂に分散配合したもの
を成形した磁性材含有樹脂シートであり、当該シート体
1は背面に塗布された粘着剤によって湾曲した巻線a表
面に沿って貼り付けられている。そして当該シート体1
の上から更に背面に粘着剤が塗布されたアセテートテー
プ2が重ね貼りされ、シート体1の脱落を防止してい
る。
れるブラウン管に装着される偏向ヨークには、磁界を微
調整する目的で磁界補正用のシート体が用いられてい
る。図6はこの様子を示すもので、偏向ヨークAの巻線
aにシート体1を取付けた状態を示している。シート体
1はソフトフェライト粉を合成樹脂に分散配合したもの
を成形した磁性材含有樹脂シートであり、当該シート体
1は背面に塗布された粘着剤によって湾曲した巻線a表
面に沿って貼り付けられている。そして当該シート体1
の上から更に背面に粘着剤が塗布されたアセテートテー
プ2が重ね貼りされ、シート体1の脱落を防止してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、このようなシー
ト体1のバインダーとしては主としてポリメチルペンテ
ンやポリプロピレンが用いられているが、これら樹脂は
常温では硬く且つ強い弾性復元力を有することから、こ
れらバインダーを用いた磁界補正用シートは偏向ヨーク
の湾曲面に沿わして貼り付けることが困難である。また
貼着直後は粘着剤の粘着力により湾曲形状を維持できる
ものの、時間経過に伴い磁界補正用シート自体が断面直
線状に復元する傾向にある。
ト体1のバインダーとしては主としてポリメチルペンテ
ンやポリプロピレンが用いられているが、これら樹脂は
常温では硬く且つ強い弾性復元力を有することから、こ
れらバインダーを用いた磁界補正用シートは偏向ヨーク
の湾曲面に沿わして貼り付けることが困難である。また
貼着直後は粘着剤の粘着力により湾曲形状を維持できる
ものの、時間経過に伴い磁界補正用シート自体が断面直
線状に復元する傾向にある。
【0004】図7、図8に示す如く、磁界補正用シート
1にはアセテートテープ2を重ね貼りして脱落を防止し
ているが、受像機の使用時間が長くなると、アセテート
テープ2背面の粘着剤2aの粘着力が低下して図9に示
す如くアセテートテープ2がめくれ上がる現象が生じ、
断面直線状に復元したシート体1を巻線表面に保持する
ことはできなくなって、シート体1の脱落を招くことが
ある。またシート体1が脱落しない場合でも、シート体
1が巻線表面に対して離間するため磁界補正効果が機能
しなくなるおそれがあった。
1にはアセテートテープ2を重ね貼りして脱落を防止し
ているが、受像機の使用時間が長くなると、アセテート
テープ2背面の粘着剤2aの粘着力が低下して図9に示
す如くアセテートテープ2がめくれ上がる現象が生じ、
断面直線状に復元したシート体1を巻線表面に保持する
ことはできなくなって、シート体1の脱落を招くことが
ある。またシート体1が脱落しない場合でも、シート体
1が巻線表面に対して離間するため磁界補正効果が機能
しなくなるおそれがあった。
【0005】本考案はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、磁界補正用シートを偏向ヨークの湾曲面に取り
付けることが容易であり、しかも装着後は貼着面に沿っ
た湾曲形状を半永久的に保持させることができ、装着当
初の磁界補正効果を長年にわたって維持できる磁界補正
用シートの装着方法を提供せんとするものである。
であり、磁界補正用シートを偏向ヨークの湾曲面に取り
付けることが容易であり、しかも装着後は貼着面に沿っ
た湾曲形状を半永久的に保持させることができ、装着当
初の磁界補正効果を長年にわたって維持できる磁界補正
用シートの装着方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するに
は、磁界補正用シートを構成する材料として、装着時に
は湾曲面に沿わすことができるフレキシビリティーを有
し、装着後はその湾曲形状を維持できる硬さを有する素
材を選択すればよいことに思いつき、且つ素材の上記特
性変化を受像機の使用過程において常時作用する熱量を
利用すればよいことを着想し、本発明を完成させたもの
である。
は、磁界補正用シートを構成する材料として、装着時に
は湾曲面に沿わすことができるフレキシビリティーを有
し、装着後はその湾曲形状を維持できる硬さを有する素
材を選択すればよいことに思いつき、且つ素材の上記特
性変化を受像機の使用過程において常時作用する熱量を
利用すればよいことを着想し、本発明を完成させたもの
である。
【0007】かかる課題を解決した本発明は、成形後の
常温における初期特性が湾曲可能な可塑性を有し且つ1
00℃以上の高温状態下で所定の累積時間経過させたと
きに可塑性を失う材料をバインダーとして用いてなり、
常温初期特性である柔軟性を利用して偏向ヨークの湾曲
面に沿って磁界補正用シートを貼着するとともに、装着
後は受像機の購入者が受像機を稼働させる過程で磁界補
正用シートに加えられる熱量により磁界補正用シートを
硬化させることで偏向ヨークの湾曲面に沿った形状を維
持させてなることを特徴としている。例えば、バインダ
ーとしては、120℃の温度環境下で300時間以上累
積加熱されたときに可塑性を失う合成樹脂を用いること
が考慮され、具体的には、ポリメチルペンテン100重
量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー70〜1
00重量部に設定したもの等が利用可能である。
常温における初期特性が湾曲可能な可塑性を有し且つ1
00℃以上の高温状態下で所定の累積時間経過させたと
きに可塑性を失う材料をバインダーとして用いてなり、
常温初期特性である柔軟性を利用して偏向ヨークの湾曲
面に沿って磁界補正用シートを貼着するとともに、装着
後は受像機の購入者が受像機を稼働させる過程で磁界補
正用シートに加えられる熱量により磁界補正用シートを
硬化させることで偏向ヨークの湾曲面に沿った形状を維
持させてなることを特徴としている。例えば、バインダ
ーとしては、120℃の温度環境下で300時間以上累
積加熱されたときに可塑性を失う合成樹脂を用いること
が考慮され、具体的には、ポリメチルペンテン100重
量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー70〜1
00重量部に設定したもの等が利用可能である。
【0008】
【作用】このような磁界補正用シートは、従来の磁界補
正用シートと同様、偏向ヨークの湾曲面に沿わせて貼り
付けて磁界補正をした後、アセテートテープを重ね貼り
して脱落を防止する。磁界補正用シートは常温における
初期特性が充分な可塑性を有するバインダーを用いてい
ることから、湾曲面への貼着は容易である。このように
して偏向ヨークの磁界補正を行った受像機は工場から出
荷されて消費者の手に渡り使用される。使用状態にある
受像機の偏向ヨークは100℃以上の高温となり、磁界
補正用シートはこのような高温状態に長時間連続的にあ
るいは断続的に晒されることによってバインダーの特性
が変質して硬化し、磁界補正用シートは湾曲形状を維持
したまま固定化する。このようにして湾曲形状が固定化
した磁界補正用シートは巻線表面に確実に保持され続け
ることが可能で、アセテートテープの粘着剤が劣化した
場合でも脱落することはなく、また巻線表面との密着状
態を維持できるので磁界補正効果が狂うこともなく、長
年にわたって磁界調整効果を発揮し続けることができ
る。
正用シートと同様、偏向ヨークの湾曲面に沿わせて貼り
付けて磁界補正をした後、アセテートテープを重ね貼り
して脱落を防止する。磁界補正用シートは常温における
初期特性が充分な可塑性を有するバインダーを用いてい
ることから、湾曲面への貼着は容易である。このように
して偏向ヨークの磁界補正を行った受像機は工場から出
荷されて消費者の手に渡り使用される。使用状態にある
受像機の偏向ヨークは100℃以上の高温となり、磁界
補正用シートはこのような高温状態に長時間連続的にあ
るいは断続的に晒されることによってバインダーの特性
が変質して硬化し、磁界補正用シートは湾曲形状を維持
したまま固定化する。このようにして湾曲形状が固定化
した磁界補正用シートは巻線表面に確実に保持され続け
ることが可能で、アセテートテープの粘着剤が劣化した
場合でも脱落することはなく、また巻線表面との密着状
態を維持できるので磁界補正効果が狂うこともなく、長
年にわたって磁界調整効果を発揮し続けることができ
る。
【0009】
【実施例】次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき
説明する。図1は本発明の磁界補正用シートの1実施例
を示している。磁界補正用シートは磁性材含有樹脂製の
シート体1の背面に粘着剤層1a及び離型紙1bを積層
した構成である。図例のものは単体のシート体を示して
いるが、通常は大判の離型紙上に多数のシート体1が破
断用溝部を介して縦横に配設された状態で供給される。
説明する。図1は本発明の磁界補正用シートの1実施例
を示している。磁界補正用シートは磁性材含有樹脂製の
シート体1の背面に粘着剤層1a及び離型紙1bを積層
した構成である。図例のものは単体のシート体を示して
いるが、通常は大判の離型紙上に多数のシート体1が破
断用溝部を介して縦横に配設された状態で供給される。
【0010】シート体1は、マンガンジンクフェライ
ト、ニッケルジンクフェライト又はマグネシウムフェラ
イト等のソフトフェライト粉を合成樹脂バインダーに分
散配合した素材によって成形されたもので、本発明はこ
のようなシート体1において合成樹脂バインダーとして
特定の性質を有するものを選択し、且つその熱的性質を
利用したことに特徴がある。
ト、ニッケルジンクフェライト又はマグネシウムフェラ
イト等のソフトフェライト粉を合成樹脂バインダーに分
散配合した素材によって成形されたもので、本発明はこ
のようなシート体1において合成樹脂バインダーとして
特定の性質を有するものを選択し、且つその熱的性質を
利用したことに特徴がある。
【0011】本発明において選択される合成樹脂バイン
ダーは、成形後の常温における初期特性が湾曲可能な可
塑性を有し且つ100℃以上の高温状態下で所定の累積
時間経過させたときに可塑性を失うものであればよい。
このような条件に適合する合成樹脂バインダーとして
は、例えばポリメチルペンテンにスチレン系熱可塑性エ
ラストマーを混合したもの等があり、スチレン系熱可塑
性エラストマーとしては、例えばクレイトンG(シェル
ジャパン株式会社製)の製品名で流通しているもの等が
採用できる。
ダーは、成形後の常温における初期特性が湾曲可能な可
塑性を有し且つ100℃以上の高温状態下で所定の累積
時間経過させたときに可塑性を失うものであればよい。
このような条件に適合する合成樹脂バインダーとして
は、例えばポリメチルペンテンにスチレン系熱可塑性エ
ラストマーを混合したもの等があり、スチレン系熱可塑
性エラストマーとしては、例えばクレイトンG(シェル
ジャパン株式会社製)の製品名で流通しているもの等が
採用できる。
【0012】スチレン系熱可塑性エラストマーは軟化剤
の役目を果たし、装着時に必要となる常温初期特性とし
てのフレキシビリティーを発揮させるためのものである
が、このスチレン系熱可塑性エラストマーのポリメチル
ペンテンに対する配合比率は、ポリメチルペンテン10
0重量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー70
〜100重量部に設定することが好ましい。スチレン系
熱可塑性エラストマーの配合比率が70重量部未満であ
ると、引張破断伸びが充分でなく、他方、100重量部
を越えると射出成形に適さなくなる。しかしながら、射
出成形以外の成形手段、例えば押出し成形やロール成形
を採用する場合であれば、スチレン系熱可塑性エラスト
マーの配合比率の上限は特に限定する必要はなく、ポリ
メチルペンテンを用いることなくバインダーの全てをス
チレン系熱可塑性エラストマーで構成することもでき
る。スチレン系熱可塑性エラストマーはポリメチルペン
テンに匹敵する耐熱性を有することから、バインダーの
全量をスチレン系熱可塑性エラストマーとした場合でも
優れた耐熱寿命を有し且つ装着時の常温初期特性がより
柔軟な磁界補正用シートを得ることができる。尚、バイ
ンダーには従来公知の安定剤等の添加剤を適量配合しう
ることはいうまでもない。
の役目を果たし、装着時に必要となる常温初期特性とし
てのフレキシビリティーを発揮させるためのものである
が、このスチレン系熱可塑性エラストマーのポリメチル
ペンテンに対する配合比率は、ポリメチルペンテン10
0重量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー70
〜100重量部に設定することが好ましい。スチレン系
熱可塑性エラストマーの配合比率が70重量部未満であ
ると、引張破断伸びが充分でなく、他方、100重量部
を越えると射出成形に適さなくなる。しかしながら、射
出成形以外の成形手段、例えば押出し成形やロール成形
を採用する場合であれば、スチレン系熱可塑性エラスト
マーの配合比率の上限は特に限定する必要はなく、ポリ
メチルペンテンを用いることなくバインダーの全てをス
チレン系熱可塑性エラストマーで構成することもでき
る。スチレン系熱可塑性エラストマーはポリメチルペン
テンに匹敵する耐熱性を有することから、バインダーの
全量をスチレン系熱可塑性エラストマーとした場合でも
優れた耐熱寿命を有し且つ装着時の常温初期特性がより
柔軟な磁界補正用シートを得ることができる。尚、バイ
ンダーには従来公知の安定剤等の添加剤を適量配合しう
ることはいうまでもない。
【0013】合成樹脂バインダーとしては上記以外にシ
リコンエチレンプロピレンにスチレン系熱可塑性エラス
トマーを混合したものを用いることもできる。またポリ
塩化ビニルに可塑剤を添加したものも、常温初期特性が
軟らかく、所定の累積時間以上高温状態に晒されたとき
には硬くなるという本発明が期待する合成樹脂の特性を
保有するものの、ポリ塩化ビニルに可塑剤を添加したも
のは高温環境下では著しく絶縁性が低下するためあまり
適さない。
リコンエチレンプロピレンにスチレン系熱可塑性エラス
トマーを混合したものを用いることもできる。またポリ
塩化ビニルに可塑剤を添加したものも、常温初期特性が
軟らかく、所定の累積時間以上高温状態に晒されたとき
には硬くなるという本発明が期待する合成樹脂の特性を
保有するものの、ポリ塩化ビニルに可塑剤を添加したも
のは高温環境下では著しく絶縁性が低下するためあまり
適さない。
【0014】熱可塑性樹脂であるこれら合成樹脂が連続
的あるいは断続的に所定時間以上の累積時間経過する
間、偏向ヨークの巻線の発熱に起因する高温条件下に晒
されたときに硬くなって湾曲形状が固定化するメカニズ
ムは、次の理由によると推察される。即ち、偏向ヨーク
の発熱温度は通常、120℃〜180℃程度の範囲にあ
り、これは上記各合成樹脂の融点より低く、本来ならば
この範囲内であれば加熱されたときには可塑性を発揮す
る筈であるが、この状態が長時間持続したり、あるいは
断続的に繰り返されて高温に晒されている累計時間が所
定時間を越えると樹脂の熱分解作用に伴って架橋反応が
進行し、樹脂が変質する結果、不可逆的な硬化現象が生
じるものであると推察される。
的あるいは断続的に所定時間以上の累積時間経過する
間、偏向ヨークの巻線の発熱に起因する高温条件下に晒
されたときに硬くなって湾曲形状が固定化するメカニズ
ムは、次の理由によると推察される。即ち、偏向ヨーク
の発熱温度は通常、120℃〜180℃程度の範囲にあ
り、これは上記各合成樹脂の融点より低く、本来ならば
この範囲内であれば加熱されたときには可塑性を発揮す
る筈であるが、この状態が長時間持続したり、あるいは
断続的に繰り返されて高温に晒されている累計時間が所
定時間を越えると樹脂の熱分解作用に伴って架橋反応が
進行し、樹脂が変質する結果、不可逆的な硬化現象が生
じるものであると推察される。
【0015】ポリメチルペンテンにスチレン系熱可塑性
エラストマーを添加したバインダーを用いて実際に硬化
現象が発現する時間を測定したところ、120℃の温度
で約300時間連続加熱した段階で上記硬化現象が発現
することが確認された。この300時間という時間は通
常の家庭内における受像機の使用実態に対応させれば、
2か月〜半年程度の期間で達成される時間であり、通常
の受像機の使用状態では、上記期間を経過した後は磁界
補正用シートは湾曲形状を維持したまま硬化することが
わかる。
エラストマーを添加したバインダーを用いて実際に硬化
現象が発現する時間を測定したところ、120℃の温度
で約300時間連続加熱した段階で上記硬化現象が発現
することが確認された。この300時間という時間は通
常の家庭内における受像機の使用実態に対応させれば、
2か月〜半年程度の期間で達成される時間であり、通常
の受像機の使用状態では、上記期間を経過した後は磁界
補正用シートは湾曲形状を維持したまま硬化することが
わかる。
【0016】図2及び図3は磁界補正用シートを偏向ヨ
ークAの湾曲面に取付ける様子を示し、従来手法と同
様、巻線表面の湾曲形状に沿わせてシート体1を貼り付
けたうえ、アセテートテープ2を重ね貼りしている様子
を示している。図4は装着直後の状態を示し、シート体
背面の粘着剤1aとアセテートテープ背面の粘着剤2a
によってシート体1が巻線表面に取付けられた様子を示
している。図5は受像機の長年の使用過程でアセテート
テープ2が浮き上がった状態を示している。本発明によ
ればアセテートテープ2が浮き上がっても、シート体1
自体が湾曲形状を維持したまま硬化しているから、シー
ト体1が巻線表面から脱落したりすることはなく、また
シート体1と巻線表面間に間隙が発生して磁界補正効果
が狂ったりすることもない。
ークAの湾曲面に取付ける様子を示し、従来手法と同
様、巻線表面の湾曲形状に沿わせてシート体1を貼り付
けたうえ、アセテートテープ2を重ね貼りしている様子
を示している。図4は装着直後の状態を示し、シート体
背面の粘着剤1aとアセテートテープ背面の粘着剤2a
によってシート体1が巻線表面に取付けられた様子を示
している。図5は受像機の長年の使用過程でアセテート
テープ2が浮き上がった状態を示している。本発明によ
ればアセテートテープ2が浮き上がっても、シート体1
自体が湾曲形状を維持したまま硬化しているから、シー
ト体1が巻線表面から脱落したりすることはなく、また
シート体1と巻線表面間に間隙が発生して磁界補正効果
が狂ったりすることもない。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、偏向ヨークの湾曲形状
に沿わせて容易に装着できるとともに、装着後は受像機
の使用過程における偏向ヨークの発熱によって湾曲形状
を維持したまま磁界補正用シートを硬化させることがで
きるので、巻線表面への固定状態を確実に維持すること
ができる。したがって、長年の使用においても磁界補正
用シートが脱落したり磁界補正効果に狂いが生じたりす
ることがない。また本発明は、使用過程における偏向ヨ
ークの発熱を利用して合成樹脂バインダーの特性を変化
させるものであるから、磁界補正用シートの偏向ヨーク
への取付け作業自体に何らの変更も必要とせず、従来の
工程をそのまま踏襲することができる。
に沿わせて容易に装着できるとともに、装着後は受像機
の使用過程における偏向ヨークの発熱によって湾曲形状
を維持したまま磁界補正用シートを硬化させることがで
きるので、巻線表面への固定状態を確実に維持すること
ができる。したがって、長年の使用においても磁界補正
用シートが脱落したり磁界補正効果に狂いが生じたりす
ることがない。また本発明は、使用過程における偏向ヨ
ークの発熱を利用して合成樹脂バインダーの特性を変化
させるものであるから、磁界補正用シートの偏向ヨーク
への取付け作業自体に何らの変更も必要とせず、従来の
工程をそのまま踏襲することができる。
【図1】磁界補正用シートを示す斜視図
【図2】磁界補正用シートを巻線表面に取付ける様子を
示す説明図
示す説明図
【図3】巻線表面に取付けた磁界補正用シートの上に、
アセテートテープを重ね貼りする様子を示す説明図
アセテートテープを重ね貼りする様子を示す説明図
【図4】巻線表面に磁界補正用シート及びアセテートテ
ープを貼着した状態を示す説明図
ープを貼着した状態を示す説明図
【図5】経年変化によりアセテートテープが浮き上がっ
た様子を示す説明図
た様子を示す説明図
【図6】偏向ヨーク内面に磁界補正用シート及びアセテ
ートテープを貼着する様子を示す説明用斜視図
ートテープを貼着する様子を示す説明用斜視図
【図7】巻線表面に貼り付けた磁界補正用シートの上に
アセテートテープを重ね貼りする様子を示す説明図
アセテートテープを重ね貼りする様子を示す説明図
【図8】巻線表面に磁界補正用シート及びアセテートテ
ープを貼着した状態を示す説明図
ープを貼着した状態を示す説明図
【図9】巻線表面に取付けた磁界補正用シートが弾性復
原力により浮き上がった状態を示す説明図
原力により浮き上がった状態を示す説明図
A 偏向ヨーク a 巻線 1 シート体 1a 粘着剤 1b 離型紙 2 アセテートテープ 2a 粘着剤
Claims (3)
- 【請求項1】 ソフトフェライト粉を合成樹脂バインダ
ーに分散配合して成形した磁界補正用シートを偏向ヨー
クの巻線表面に貼着して偏向ヨークの磁界補正を行う技
術において、 成形後の常温における初期特性が湾曲可能な可塑性を有
し且つ100℃以上の高温状態下で所定の累積時間経過
させたときに可塑性を失う材料をバインダーとして用い
てなり、常温初期特性である柔軟性を利用して偏向ヨー
クの湾曲面に沿って磁界補正用シートを貼着するととも
に、装着後は受像機の購入者が受像機を稼働させる過程
で磁界補正用シートに加えられる熱量により磁界補正用
シートを硬化させることで偏向ヨークの湾曲面に沿った
形状を維持させてなる偏向ヨークの磁界補正用シートの
装着方法。 - 【請求項2】 120℃の温度環境下で300時間以上
累積加熱されたときに可塑性を失うバインダーを用いて
なる請求項1記載の偏向ヨークの磁界補正用シートの装
着方法。 - 【請求項3】 バインダーとして、ポリメチルペンテン
100重量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー
70〜100重量部混合したものを用いてなる請求項1
記載の偏向ヨークの磁界補正用シートの装着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14859892A JPH05325789A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 偏向ヨークの磁界補正用シートの装着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14859892A JPH05325789A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 偏向ヨークの磁界補正用シートの装着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05325789A true JPH05325789A (ja) | 1993-12-10 |
Family
ID=15456345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14859892A Pending JPH05325789A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 偏向ヨークの磁界補正用シートの装着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05325789A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100486182B1 (ko) * | 1996-08-30 | 2005-06-16 | 엔이씨 도낀 가부시끼가이샤 | 복합자성체테이프 |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP14859892A patent/JPH05325789A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100486182B1 (ko) * | 1996-08-30 | 2005-06-16 | 엔이씨 도낀 가부시끼가이샤 | 복합자성체테이프 |
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