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JPH05319858A - 0.8μm発光するTmイオンドープしたフッ化物レーザーガラス - Google Patents

0.8μm発光するTmイオンドープしたフッ化物レーザーガラス

Info

Publication number
JPH05319858A
JPH05319858A JP14852392A JP14852392A JPH05319858A JP H05319858 A JPH05319858 A JP H05319858A JP 14852392 A JP14852392 A JP 14852392A JP 14852392 A JP14852392 A JP 14852392A JP H05319858 A JPH05319858 A JP H05319858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
glass
ion
laser
fluoride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14852392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Izumitani
徹郎 泉谷
Gakuroku Suu
学禄 鄒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP14852392A priority Critical patent/JPH05319858A/ja
Publication of JPH05319858A publication Critical patent/JPH05319858A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Tm3+ 34 から 36 への発光の量子効
率を向上させた、優れたTm3+発光特性、長い 34
光寿命、高い輻射遷移確率と小さいフォノンエネルギー
とを有する媒質ガラスを用いた0.8μmのレーザー光
を発生するTmドープレーザーガラス及び0.8μmの
レーザー光発生方法の提供。 【構成】 Tm3+を0.1〜2.0cat%含有するフ
ッ化物レーザーガラス。このレーザーガラスは、Tm以
外の陽イオンとして例えばZr、Hf、Al、Mg、C
a、Sr、Ba等を含みかつ、陰イオンとして少なくと
もフッ素を含有する。このレーザーガラスに波長0.6
8μm及び/又は0.79μmの半導体レーザーを照射
して0.8μmのレーザー光を発生させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Tm3+をドープした
0.8μmの光を発生するフッ化物レーザーガラスに関
する。本発明のレーザーガラスから得られるレーザー光
は短距離通信用の光として通信機器等に利用が期待され
る。
【0002】
【従来の技術】最近、安価な半導体レーザーとシリコン
感知器を利用するために、0.8μm付近の光が短距離
通信用の光として非常に注目されている。現在アップコ
ンバージョンによる0.85μmのEr3+ドープガラス
ファイバレーザーの研究が進んでいる。しかし、アップ
コンバージョンの効率が低く、満足な結果が得られてい
なかった。
【0003】Er3+の0.85μmの発光は、Er3+
411/2を0.98μmの半導体レーザーで励起し、そ
のエネルギーを励起光により上方の 211/2に転送し、
43/2 に緩和させ、 43/2 から 49/2 へ遷移させ
ることによるものである。このエネルギー転送過程は複
雑で効率がとても低いので応用上問題となっている。一
方、0.65μm〜0.69μmと0.78μm〜0.
8μmなどの帯に強い吸収を有するTm3+は0.68μ
m或いは0.79μmの半導体レーザーで励起すると、
そのエネルギーを蛍光寿命の長い 34 にためて同時に
0.8〜0.82μm帯に発光する。その発光機構を図
1に示す。また、Judd−Ofelt理論からの計算
によりTm3+ 34 から 36 への輻射せん移確率も
大きく、そのブランツイング割合も90%以上になるの
で、発光効率の高いレーザー活性化イオンとして期待さ
れている。
【0005】しかし、Tm3+を活性化イオンとして用い
たレーザーガラスはこれまで知られていない。
【0006】そこで、本発明の目的は、Tm3+ 34
36 発光の量子効率を向上させた、優れたTm3+
光特性、長い 34 の蛍光寿命、高い輻射遷移確率と小
さいフォノンエネルギーを有する媒質ガラスを用いた
0.8μmのレーザー光を発生するTmドープレーザー
ガラスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、Tm3+を0.
1〜2.0cat%含有するフッ化物レーザーガラスに
関する。
【0008】本発明者らは、上記特性を有する媒質ガラ
スを探るため、けい酸塩、ゲルマニウム酸塩、フツ燐酸
塩、アルミ酸塩、フッ化物ガラスなど各種ガラスにTm
3+を添加し、波長0.8μmにおける発光強度と蛍光寿
命を測定した。また、各種ガラスに発光強度の最大値を
現するTm3+の添加量を決め、各ガラスの発光の量子効
率を計算した。その結果、フッ化物ガラスを媒質として
用いた本発明を完成した。
【0009】図2に示すようにあらゆるガラスの中でフ
ッ化物ガラスにドープしたTm3+の発光強度が最も強
く、発光の量子効率も最も高い事が分かった。これはフ
ッ化物ガラスのフォノンエネルギーが最も小さいことに
よるものと推察される。次にTm3+添加量の限定理由に
ついて説明する。
【0010】図1に示すように、0.68μの半導体レ
ーザーで励起する場合、励起されている 33 準位とそ
の下の 34 準位とのエネルギー間隔がとても小さいの
でほとんどのエネルギーが 33 から 34 まで緩和さ
れると考えられる。したがって、0.68μの半導体レ
ーザーで励起しても、0.79μの半導体レーザーで励
起しても 34 から 36 への遷移が最も重要である。
Tm3+の添加量が低い場合には、J−O理論での計算に
よると 34 から 36 への輻射遷移確率がほかの遷移
(例えば 34 34 )よりもかなり大きい。それに
対してTm3+量が多いと、 34 から 34 へのエネル
ギー伝達効率が高くなる。そして、Tm3+添加量は、
0.1cat%未満では0.8μmレーザー発光が不十
分で実用的でない。一方、Tm3+の添加量が2.0ca
t%を超えるエネルギーが 34 準位に伝達してしま
い、0.8μmの発光強度は低下する。したがって、T
3+の添加量は0.1〜2.0cat%に限定する。
【0011】また、本発明のレーザーガラスは、具体的
には例えばガラスを構成する陽イオンとして、Zrイオ
ン、Hfイオン、Alイオン、Mgイオン、Caイオ
ン、Srイオン、Baイオン、Tmイオンとを含み、前
記陽イオン中の各イオンの割合がモル%表示で、Zrイ
オンとHfイオンとの合量が1〜25%、Alイオンが
20〜45%、MgイオンとCaイオンとSrイオンと
Baイオンとの合量が20〜70%、Tmイオンが4〜
15%であり、かつガラスを構成する陰イオンとして、
少なくともFイオンを含み、陰イオン中のFイオンの割
合がモル%表示で80〜100%であるフッ化物ガラス
である。
【0012】陽イオンとしては、Zrイオン、Hfイオ
ン、Alイオン、Mgイオン、Caイオン、Sraイオ
ン、Baイオンを用いることができる。これらのうち、
Zrイオン、Hfイオン、Alイオンは、ガラス骨格を
形成する成分であり、これらの量は上記限定内でガラス
の結晶化に対する安定性を高くするので好ましい。ま
た、Mgイオン、Caイオン、Srイオン、Baイオン
は、ガラス修飾成分であり、これらの量は上記限定内
で、ガラスの結晶化に対する安定性を高め、化学的耐久
性を良くするので好ましい。
【0013】さらに、Liイオン、Naイオン、Kイオ
ン、Csイオン等のアルカリ金属イオン、Yイオン、S
cイオン、Gdイオン、Znイオン、Pbイオン、Cd
イオン、Inイオン、Gaイオン等もガラスの結晶化に
対する安定性を高めるのでガラスの陽イオン成分として
用いることができる。アルカリ金属イオンは、その量が
多いとガラスの化学的耐久性を低下させるので20モル
%以下が好ましく、Yイオン、Scイオン、Gdイオ
ン、Znイオン、Pbイオン、Cdイオンは、その量が
多いと逆にガラスの結晶化に対する安定性を劣化させる
ので20モル%以下が好ましく、Scイオン、Inイオ
ン、Gaイオンも同様に、5モル%以下が好ましい。
【0014】次に、陰イオンについて説明する。Fイオ
ンはガラスの基本成分である。さらにFイオンとの置換
で、Clイオン、Brイオン、及びIイオンを含有する
ことができる。その量がClイオンについて20%、B
rイオン及びIイオンについてそれぞれ10%を超える
とガラスが結晶化し易く、化学的耐久性が低下するの
で、Clイオンは0〜20モル%、Brイオンは0〜1
0モル%、Iイオンは0〜10モル%に限定される。そ
してFイオンの量が80%未満では結晶化に対する安定
性の高いガラスが得られ難くなるので、ClイオンとB
rイオンとIイオンとの合量は20モル%以下に限定さ
れる。
【0015】本発明のレーザーガラスは所定の組成にな
るように高純度のフッ化物及び又は塩化物等の原料を混
合調製し、アルゴン雰囲気中で950〜1000℃で熔
融した後に、ガラス熔液を徐冷して得ることができる。
【0016】本発明のレーザーガラスは、波長0.68
μm、0.79μm又はその両方の半導体レーザーを照
射することにより、0.8μmのレーザー光を発生させ
ることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)出発原料としてZrF4 、AlF3 、Hf
4 、MgF2 、CaF2 、SrF2 、BaF2 、YF
3 、NaF、NaCl、TmF3 の高純度フッ化物及び
塩化物を表1の組成となるように秤量混合して、バッチ
を得た。
【0018】次いで、得られたバッチをカーボン製のル
ツボにいれて加熱炉内に配置し、炉内をアルゴンガス雰
囲気として800〜1000℃で1時間、上記バッチを
加熱して熔融させて、ガラス融液を得た。この後、得ら
れたガラス融液をルツボに入れたまま空気中で徐冷して
ガラスをルツボ中で固化させ、徐冷炉中で室温まで冷却
してフッ化物ガラスを得た。
【0019】(比較例1)最終的に得られるガラスを構
成する陽イオン成分及び陰イオン成分が、モル%表示で
表1に示す割合となるようにこれらの原料を秤量混合
し、実施例1と同様にして、各種ガラス(ガリウム酸塩
ガラス、アルミ酸塩ガラス、フッ燐酸塩ガラス、ゲルマ
ニウム酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス)を得た。
【0020】(発光スペクトルの測定)実施例1及び比
較例1で得られた表1に示す各種ガラスを23×12×
3mmに切断して6面研磨した後、これらのガラスを0.
68μmの発振波長を有する半導体レーザーで励起した
ときの発光スペクトルを測定した。
【0021】ケイ酸塩ガラスの発光強度を1としたとき
の相対強度を各ガラスについて求め、その結果を図2に
示す。この結果より、Tmイオンを含有するフッ化物ガ
ラスが最も高い発光強度を有することがわかった。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)最終的に得られるガラスを構
成する陽イオン成分及び陰イオン成分が、モル%表示で
表2に示す割合となるようにこれらの原料を秤量混合
し、実施例1と同様にして、フッ化物ガラスを得た。こ
れらのガラスを実施例1と同様に発光スペクトルを測定
し、1.82μmにおける発光強度、蛍光寿命、量子効
率を求めた。この結果を表2に示す。この結果より、T
mイオン濃度が0.1−2.0cat%の範囲で0.8
μmの発光強度が高められることがわかった。
【0024】
【表2】
【0025】又、本発明のフッ化物レーザーガラス(表
2のNO. 3)及びレーザー結晶であるCr:Tm:YS
GG(Tm:4×1020/cc 、Cr:2.5×1020/c
c )の0.68μmの半導体レーザー励起による発光ス
ペクトルを図3に示す。本発明のフッ化物レーザーガラ
スはレーザー結晶より強い発光強度を有することがわか
る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、安価な半導体レーザー
を励起光源として用いて、蛍光寿命が長く、量子効率が
大きい0.8μmの強い発光強度を有するTm3+ドープ
フッ化物レーザーガラスが得られる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】Tm3+のエネルギー準位図である。
【図2】Tmイオンを含有する各ガラスの発光強度と量
子効率との関係を示す。
【図3】YSGG結晶及びフッ化物ガラスの0.68μ
mの半導体レーザー励起による発光スペクトルを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tm3+を0.1〜2.0cat%含有す
    るフッ化物レーザーガラス。
  2. 【請求項2】 ガラスを構成する陽イオンとして、Zr
    イオン、Hfイオン、Alイオン、Mgイオン、Caイ
    オン、Srイオン、Baイオン、Tmイオンとを含み、
    前記陽イオン中の各イオンの割合がモル%表示で、Zr
    イオンとHfイオンとの合量が1〜25%、Alイオン
    が20〜45%、MgイオンとCaイオンとSraイオ
    ンとBaイオンとの合量が20〜70%、Tmイオンが
    0.1〜2.0%であり、かつガラスを構成する陰イオ
    ンとして少なくともFイオンを含み、陰イオン中のFイ
    オンの割合がモル%表示で80〜100%であることを
    特徴とするフッ化物レーザーガラス。
  3. 【請求項3】 波長0.68μm及び/又は0.79μ
    mの半導体レーザーを請求項1又は2記載のレーザーガ
    ラスに照射して0.8μmのレーザー光を発生させる方
    法。
JP14852392A 1992-05-15 1992-05-15 0.8μm発光するTmイオンドープしたフッ化物レーザーガラス Pending JPH05319858A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015008621A1 (ja) * 2013-07-19 2017-03-02 セントラル硝子株式会社 蛍光体分散ガラス及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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