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JPH05310589A - 穀類からの活性酸素消去剤 - Google Patents

穀類からの活性酸素消去剤

Info

Publication number
JPH05310589A
JPH05310589A JP4147905A JP14790592A JPH05310589A JP H05310589 A JPH05310589 A JP H05310589A JP 4147905 A JP4147905 A JP 4147905A JP 14790592 A JP14790592 A JP 14790592A JP H05310589 A JPH05310589 A JP H05310589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product
present
water
active oxygen
effect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4147905A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Tokuyama
孝 徳山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Co Ltd
Original Assignee
Soken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Soken Co Ltd filed Critical Soken Co Ltd
Priority to JP4147905A priority Critical patent/JPH05310589A/ja
Publication of JPH05310589A publication Critical patent/JPH05310589A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で医薬、食品、化粧品など幅広い分野で
使用可能な活性酸素消去剤を提供する。 【構成】 米を除く穀物からの搾汁液あるいは米を除く
穀物からの水抽出物または有機溶媒抽出物をそのまま、
あるいはこれを含有してなることを特徴とする活性酸素
消去剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米を除く穀物からの搾
汁液あるいは米を除く穀物からの水抽出物または有機溶
媒抽出物をそのまま、あるいはこれを含有してなること
により、安全で医薬、食品、化粧品等幅広い分野で使用
可能な活性酸素消去剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間が健康体を保っている場合、生体内
の活性酸素と生体内での活性酸素消去酵素であるSOD
(スーパーオキサイドジスムターゼ)は、常にバランス
がとれており、活性酸素の濃度は、ほぼ一定に保たれて
いる。しかし、現在では、食生活のアンバランス、過度
のストレスおよび高齢化などにより、SODの生成が減
少し、また、一方では、喫煙、大気汚染などにより、活
性酸素が増加している。
【0003】その結果、生体内に活性酸素が過剰に存在
し、様々な組織障害をもたらしている。特に高齢者の場
合、SOD活性が低下し、活性酸素濃度が高くなること
により、関節リウマチやペーチェット病などの障害を起
こしている。また、活性酸素により生成する過酸化脂質
は、心筋梗塞、脳卒中、白内障、シミ、ソバカス、皺、
糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性などの近代病の主原
因となっている。
【0004】また、高齢者でなくても、皮膚のように紫
外線などのような環境因子の刺激を直接受ける部位で
は、活性酸素が特に生成しやすいため、活性酸素濃度の
上昇にともない、メラニン色素の生成、シミ、小皺等の
障害を起こしやすくなっている。
【0005】そこで、上述のような各種障害のもととな
る過剰な活性酸素を消去するSODが注目をあび、これ
らの障害を予防または治療するために、SODを医薬品
としたり、化粧品や食品に添加したりして利用する試み
は行われてきた。
【0006】しかし、SODは熱に不安定であり、しか
も、経口投与により失活してしまうため、また、著しく
高価であるため、SODによる活性酸素の消去は成功し
ていない。
【0007】上記実情から、活性酸素消去剤(SOD酵
素と同じような働きをする抗酸化物質を含むもの)の研
究が行われ、生薬抽出エキス等による活性酸素消去剤も
開発されているが、特殊な原料によるものであり、高価
であるばかりでなく、なかなか安定したものを供給する
ことができないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように活性酸素
による各種の障害が認められて以来、生体内の活性酸素
を消去するためのさまざまな研究が盛んに行われてい
る。また、現在では、高齢化社会を迎えて、より健康で
老後をすごすということが望まれている。一方、美容の
面からも、活性酸素消去剤が注目をあびている。そこ
で、人体にとって安全で安価で、各種障害を起こす活性
酸素の消去効果に優れ、しかも、簡単に製造でき、安定
して供給できる活性酸素消去剤の開発が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、米の総合
利用研究を行ってきた過程で、米の抽出物を用いる活性
酸素消去剤(特願平3−324029号)を開発した。
しかし、米を原料として使用すると、どうしても原価的
に高くなってしまう。そこで、米より安価に得られ、世
界各地で主食として用いられ安全性も高いことが実証さ
れている大麦、小麦、とうもろこしで代表される穀類を
取り上げ、穀類の総合利用研究を行ってきた。
【0010】その内の1つのテーマとして穀類からの活
性酸素消去剤について鋭意研究を行い、穀物から搾汁あ
るいは抽出物をそのまま、あるいはこれを含有するもの
の活性酸素消去効果を測定したところ、非常に顕著な活
性酸素消去効果があることが判明し、本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち、本発明は、米を除く穀物からの
搾汁液あるいは穀物からの水抽出物または有機溶媒抽出
物をそのまま、あるいはこれを含有してなることを特徴
とする活性酸素消去剤であって、穀類の搾汁あるいは穀
類の水抽出(酸、アルカリ抽出も含む)またはアルコー
ルなどの有機溶媒抽出により、簡単、安価に、しかも全
く安全に上記の効果を顕す非常に優れた活性酸素消去剤
が得られるのである。ここでいう穀類とは、米を除く小
麦、大麦、とうもろこし、ひえ、あわ、そば、ライ麦等
をさす。
【0012】穀物を水抽出または有機溶媒抽出する場
合、まず、穀物を粉砕または粉体化すると表面積が大き
くなるため、極めて抽出効率が良好になる。この方法
は、粉砕機または精米機等を用い、一般的な方法によれ
ばよい。粉砕しなくてもよいが、この場合には、穀物組
織の分解および抽出に長時間を要する。
【0013】水抽出に当たっては、穀物をそのまま、好
ましくは粉砕または粉体化したものに加水する。穀物は
玄穀でも精白穀でもよい。加水量については、穀物に対
して2〜5倍量で効率よく抽出されるが、収率、作業
性、最終使用目的等に応じて適宜選定すればよい。この
後加温してゆき、沸騰状態になった時点で抽出を完了す
る。抽出を完了した後、使用目的により圧搾、濾過を行
えば、清澄な抽出エキスが得られる。なお、最初から熱
水を加えて抽出を行ってもよい。
【0014】抽出液中の有効成分は解明されていない
が、この未知の有効成分が熱に安定であることは確認で
きたので、水抽出の際の抽出温度は、高温が効率的であ
る。低温でも長時間置けば、充分に抽出を行うことがで
きる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性
あるいはアルカリ性にするか、防腐剤を加えることが必
要である。抽出時間は、沸騰抽出の場合には数分でよい
が、それ以下の中温の場合には、数時間から一昼夜が必
要である。低温の場合は、穀物の粉砕状態にもよるが、
数日〜1ケ月必要である。ただし、この場合にも、なる
べく最後には加熱するのがより効果的である。
【0015】水抽出の場合に最も問題になるのは、糊化
現象である。糊状になれば抽出効率が悪くなるのみでな
く、実作業においては困難を極める。これを防ぐために
は、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性
にして澱粉を分解すればよく、この方法を用いることに
より、充分に解決でき、実用上も全く問題がない。
【0016】抽出液中の有効成分は、酸、アルカリに安
定であるためか、酸抽出あるいはアルカリ抽出物を行う
のも有効である。また、水抽出の場合、穀物の組織に働
く酵素(例えば、セルラーゼ)を反応させて前処理を行
い、抽出する方法が効率的である。これは、前処理によ
り、有効成分がより抽出されやすくなるためであると思
われる。
【0017】さらに、有機溶媒抽出でも、本効果をもっ
たエキスが抽出されることが判明した。このことは、有
効成分の解明を進める上で、また、有効成分を濃厚に抽
出したり、水に溶けないものとの配合という利用用途の
上で極めて有効である。この場合、なるべく微粉砕また
は粉体化することが好ましい。また、ここで用いる有機
溶媒はアルコールのような人体に投与しても安全なもの
を使用することが望ましい。
【0018】また、とうもろこしのような生鮮穀類(加
熱滅菌したものを含む)の場合、試料を布か圧搾機で搾
った搾汁にも、本効果をもったエキスが得られることが
判明した。しかし、この搾汁液よりも、水抽出または有
機溶媒抽出する方がより有効的であった。また、圧搾を
した後の残渣を水抽出または有機溶媒抽出することによ
り、効果としては弱いが活性酸素消去作用があることも
判明した。
【0019】さらに、アルコール発酵、乳酸発酵等の発
酵を組み合わせても同等の効果であった。なお、本発明
品の穀物からの抽出には、以上のように有機溶媒抽出ま
たは水抽出し、その抽出物中の有効成分をさらに溶媒抽
出すると、より有効である。しかし、これは、濃縮状態
が得られるためと思われ、濃縮することにより同等の効
果が得られる。
【0020】また、用途によっては搾汁や水抽出物に糖
やデキストリンが含まれてベタつくとか、その効果にお
いて邪魔になる場合がある。その場合には、デキストリ
ンはアミラーゼで糖化した後、糖を酵母に食べさせると
か、有効成分を吸着剤で分画するとか、有機溶媒で抽出
することにより糖を除いてやればよい。いずれにして
も、抽出さえ行えば効果が出てくるわけで、用途によっ
ては不要の成分は種々の方法により取り除けばよい。
【0021】穀類は主食として毎日食べており、あまり
にも身近すぎて、このように活性酸素消去剤として使用
する概念すらなく、思いもよらないことであった。ま
た、主食以外には、ビール、焼酎、菓子などに用いられ
てきたが、穀物からの抽出という考え方も方法も取られ
ていない。これは、加熱抽出しようとすると穀物の特性
として糊状になり、従来の考え方では非常に困難であっ
たことにもよるものと思われる。そのため、本発明にお
いては、有機溶媒抽出、酸、アルカリ抽出を用い、ま
た、水抽出の場合、アミラーゼなどを作用させ、抽出を
容易にすることにより、目的を達成することができるよ
うにしたのである。このようにして充分抽出操作を行っ
て初めて、非常に優れた活性酸素消去剤としての有効成
分を抽出することができるのである。
【0022】本発明品の活性酸素消去効果について、以
下に記載する。まず、本発明品のスーパーオキサイド消
去剤としての効果を調べた。試験方法はNBT法により
行った。
【0023】試薬の調整 0.05M Na2 CO3 緩衝液(pH10.2) 3mMキサンチン溶液;キサンチン45.64mgを
の緩衝液に溶解して100mlとする。 3mM EDTA溶液;EDTA・2Na 11
1.7mgを蒸留水で溶解して100mlとする。 BSA溶液;Bovine Serum Albumin(Sigma 製)1
5mgを蒸留水に溶解して10mlとする。 0.75mM NBT溶液;NBT(ニトロブルー
テトラゾリウム)61.32mgを蒸留水に溶解して10
0mlとする。 キサンチンオキシダーゼ溶液;キサンチンオキシダ
ーゼを蒸留水で希釈し、後記の操作法(分析法)の空試
験における吸光度が0.2〜0.23の範囲になるよう
に調整する。 6mM CuCl2 溶液;CuCl2 ・2H2
102.29mgを蒸留水に溶解して100mlとする。
【0024】操作法 試験管にNa2 CO3 緩衝液2.4mlをとり、これ
にキサンチン溶液、EDTA溶液、BSA溶液、NBT
溶液を各0.1ml加える。 次いで、試料溶液0.1mlを加え、25℃で10分
間放置後、キサンチンオキシダーゼ溶液0.1mlを加
え、手早く攪拌し、25℃でインキュベートする。 20分後にCuCl2 溶液0.1mlを加えて反応を
停止させ、560nmで吸光度を測定する。 比較のため、サンプルの代わりにスーパーオキサイ
ドジスムターゼ(Cu、Zn型SOD、活性3000〜
4000 unit /mg 和光純薬)水溶液0.1mlについ
ても同様に行い、この値をスーパーオキサイド消去率1
00とする。 また、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行
いブランクとする。測定結果を表1に示した。
【0025】
【表1】 注1 水抽出物は実施例1に準じて行ったもの 注2 有機溶媒抽出物は実施例2に準じて行ったもの 注3 搾汁液は実施例3に準じて行ったもの
【0026】以上のように、水抽出物においても、有機
溶媒抽出物においても、スーパーオキサイド消去効果が
あることが分かった。さらに、その効果は、アルコール
発酵してもほとんど同様の効果であることが分かった。
また、とうもろこしの場合、ただ単に搾汁したものに対
しても、スーパーオキサイド消去効果があることが分か
った。
【0027】次に、本発明品の熱安定性について調べ
た。まず、実施例1により得られた本発明品およびSO
Dを90℃10分間加熱処理し、そのスーパーオキサイ
ド消去能を調べた。スーパーオキサイド消去率の測定
は、前記方法により行った。その結果を表2に示した。
【0028】
【表2】 注 表1と同様、各抽出物は各実施例により得られた
ものを使用した。
【0029】以上のように、SODは熱に対して不安定
なのに対して、本発明品は全て熱安定性に優れているこ
とが分かった。このことより、本発明品の活性酸素を消
去する有効成分は、熱に対しても安定性に優れていると
いえる。本発明品は、非常に顕著な活性酸素消去効果を
示し、しかも、安全なものであるから、医薬、化粧品、
食品などに利用できるものである。次に、これらの用途
について説明する。
【0030】医薬品としては、抗潰瘍剤として利用でき
る。本発明品の抗潰瘍作用について調べた試験方法とそ
の結果について示すと、次のとおりである。まず、拘束
水浸ストレス潰瘍に対する本発明品の経口投与において
の作用を調べた。その方法は、渡辺らの方法に準じて行
った。すなわち、8週齢のddY系雄性マウスを24時
間絶食後、実施例1により得た本発明品を0.3ml/マ
ウス経口投与し、30分後にストレスゲージに入れ、1
5℃の水中に剣状突起まで浸し、拘束水浸ストレスを負
荷した。5時間後に頸椎脱臼して屠殺し、胃を摘出し
た。その後、1%ホルマリン溶液1.5mlを胃内に注入
し、さらに、同液中に浸すことにより胃組織を軽く固定
し、24時間そのまま放置した。その後、大弯に添って
切開し、腺胃部に発生した損傷の長さ(mm)を測定し、
一匹当りのその総和を潰瘍係数として表した。また、コ
ントロールとしては、ストレスゲージに入れる30分前
に同量の生理食塩水を経口投与したものを用いた。マウ
スは各々15匹ずつで行った。その結果を示すと表3の
とおりである。
【0031】
【表3】
【0032】表3のように、コントロールとして生理食
塩水を投与したマウスにおける潰瘍係数の平均が65.
8であるのに対して、本発明品を投与したマウスにおけ
る潰瘍係数の平均は33.0となり、明らかに本発明品
は、経口投与することにより拘束水浸ストレス潰瘍に対
する抗潰瘍剤として有効であることが判明した。この結
果、本発明品は、胃腸粘膜から直接に作用して抗潰瘍剤
として有効な作用を示すことが判明した。
【0033】また、本発明品は、皮膚治療剤として利用
できる。各種皮膚疾患のパネラーに、本発明品を毎日、
朝、晩2回患部に塗布させ、これを1ケ月間継続して行
い診断した結果を表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】上記の表4に示すように、本製品にはさま
ざまな皮膚治療剤としての効果があることから、繊維芽
細胞賦活作用、さらには抗菌作用があることが分かる。
また、乾皮症、にきび等にも有用なことから、保湿作
用、脂皮の増大を適度に抑制する作用もあることが分か
るが、実際にこの保湿作用および脂皮の増大を適度に抑
制する作用について調べた試験方法とその結果を示す
と、次のとおりである。
【0036】まず、本発明品の保湿作用の強さを例証す
るために、水分計(SKICON200)を用いて1回
塗布試験を行った。測定条件として室温20℃、相対湿
度65%の環境を設定し、パネラーは測定の約10分前
から、前記の環境下で安静にさせておいた。被験部位は
(両側)前腕屈側で皮疹の認められていない部位を選ん
だ。パネラーは乾皮症で悩んでいる5名で行った。水分
計から読み取った本試験(実施例1により得られた本発
明品を用いた)と対照試験(水使用)との角層水分含有
量の変化の平均値を図1に示した。1回塗布試験の測定
方法は下記のとおりである。
【0037】測定方法 1)パネラーの前腕屈側に5×5cmの被験部位と対照部
位を設定する。 2)それぞれの部位の角層水分含有量を測定する。 3)試料塗布直後、30,60,90,120分後の角
層水分含有量を測定する。
【0038】図1から、本発明品は、塗布直後、角層水
分含有量において、対照の約10倍ほどの増加が認めら
れた。また、塗布後30分から120分までについてみ
ると、本発明品塗布部位では、120分まで対照の2〜
3倍の水分を維持していることが分かる。
【0039】次に、本発明品の乾皮症の治療効果を数値
的に実証するために、水分計(SKICON200)を
用いて本発明品使用前と2週間使用後の水負荷試験を行
った。パネラーは図1で使用した5名を用いて行い、測
定条件も1回塗布試験と同一条件下で行った。なお、効
果判定に季節的な生体角層の水分含量の変化が影響しな
いように必ず対照(本発明品無塗布部位での測定)をお
くようにした。角層水分含有量はパネラー5名の平均値
で示した。この結果を図2に示した。本発明品は、実施
例1により得られたものを用いた。また、水負荷試験の
測定方法は下記のとおりである。
【0040】測定方法 1)被験部位の角層水分量を測定する。 2)蒸留水を1滴被験部位にのせ、10秒後に乾いたガ
ーゼで水滴を完全に拭きとる。 3)拭きとった直後、30,60,90,120秒後の
角層水分含有量を測定する。
【0041】図2のグラフが示すように、本発明品塗布
により、皮膚の水分吸水能(水負荷後0秒の角層水分含
有量から負荷前の角層水分含有量の値を引いたもの)、
水分保持能(水負荷後0秒から120秒までの角層水分
含有量の描く曲線)の双方を同時に改善させていること
が分かる。
【0042】すなわち、本発明品使用前の皮膚は、水負
荷前の角層水分含有量が非常に低く(平均4.7)、吸
水能(平均44.8)もかなり低下している。また、水
分保持能も正常人の皮膚の角層は、吸水した水分を徐々
に放出していくのに比べ、水負荷30秒後には、水負荷
前の値に戻ってしまっている。これらの結果は、測定し
た病的角層においては、吸水能、水分保持能、バリア機
能すべてが低下していることを物語っている。これに対
し、本発明品使用後の皮膚は、水負荷前の角層水分含有
量も吸水能も2〜3倍に増え、水分保持能も正常人と変
わらないほどにかなり改善されていることが分かった。
【0043】このことから、本発明品は、病的角層の水
分含有状態やバリア機能改善について優れた作用がある
といえる。また、1回塗布試験より得た保湿作用と合わ
せて本発明品を評価すると、本発明品は、角層の吸水
能、水分保持能を増大し、水分を外界から多く吸収し、
さらに、一度吸収した水分を放さないようにする性質を
角層に与えるという保湿作用があるといえる。
【0044】さらに、本発明品の皮脂量の分泌抑制効果
を実験的に例証するために、洗顔後の皮脂量の変化を測
定した。パネラーは表4で使用した中から無作為に選ん
だ5名を用い、本試験(洗顔後、本発明品を塗布)と対
照試験(洗顔のみ)との皮脂量の変化の平均値を図3に
示した。なお、本発明品は、実施例1により得られたも
のを用いた。
【0045】図3のグラフに示すように、本発明品を塗
布すると皮脂量の増大がかなり抑制されることが判明し
た。この本発明品の皮脂量分泌抑制効果からも、ニキビ
の予防治療効果が裏付けられた。本発明品を化粧品とし
て肌に塗布すると、肌がつるつるする、きめが細かくな
るという効果があることが、次の試験から明らかになっ
た。
【0046】本発明品をパネラーの右腕部位に1日2回
1ケ月間塗布させ、本発明品塗布部位を動摩擦計で測定
した。対照は左腕の同部位を用いた。パネラーは6名で
行った。測定条件は下記のとおりである。 温 度 25℃ 湿 度 60% 使用センサー KES−SE摩擦感テスターSE−2タ
イプ(0.5mmピアノワイヤー使用) 摩擦静荷重 50gf 測定速度 1mm/sec 測定距離 30mm(積分有効範囲20mm)
【0047】本発明品を塗布していない左腕の部位で
は、MMD(変動係数)0.0178であったのが、本
発明品を1ケ月間塗布した右腕の部位では、、MMD
(変動係数)0.0072に下がった。6名の平均値も
ほぼ同様であった。これは、表面の凹凸による変動が小
さくなったためと考えられ、このことから、肌のきめが
細かくなったこと、さらにしわがのび肌が若がえること
が判明した。なお、同時にMIU(摩擦係数)も調べた
ところ、塗布前は0.129であったのが、1ケ月塗布
後の肌は0.085に下がり、肌をつるつるさせる効果
をも合わせ持ち、肌が若い人みたいになめらかになる老
化防止効果をももつことが判明した。
【0048】さらに、本発明の美白作用を例証するため
に、チロシナーゼ活性阻害作用の試験を行った。操作方
法としては、基質液(0.04%チロシン溶液)、緩衝
液(McllvaineBuffer pH6.8)各1mlを吸光セル
に正確に取り、水および実施例1で得られた本発明品
を、それぞれ1mlづつ正確に入れ、攪拌混和して35℃
に保ち、5分後、吸光度目盛を波長475nmに合わせ
てゼロ補正を行い、次いで、チロシナーゼ溶液(チロシ
ナーゼ5.3mgを0.9%NaCl溶液に溶かしたも
の)0.02mlを正確に加え、直ちに攪拌してインキュ
ベートした。この時の吸光度を経時間(3分置き)に測
定し、表5に示した。
【0049】
【表5】
【0050】表5に示す測定結果から、本発明品は、チ
ロシナーゼ活性阻害作用を有することが分かる。このこ
とから、本発明品には美白作用があるといえる。
【0051】さらに、前記に述べたように、本発明品
は、医薬品として使用できるほどの保湿作用も持ってい
る。したがって、化粧品の基本となる作用を全て満足し
ていることになり、クリーム、乳液、化粧水、クレンジ
ング、パック、石けん等、幅広い利用用途がある。ま
た、本発明品を飲用することによっても、上記と同様の
効果が得られる。
【0052】本発明品は、食品の保存剤、抗酸化剤、鮮
度保持剤としても利用できる。グラム陽性菌の代表とし
て、米飯やパンなどの腐敗を起こす Bacillus subtili
s、Bacillus cereus 、およびグラム陰性菌の代表とし
て、一般的な汚染の指標とされている大腸菌 Escherich
ia coli に対する本発明品の抗菌力試験とその結果を示
すと、次のとおりである。
【0053】培地は、普通寒天培地10mlに本発明品
(実施例5で得られたもの)1ml添加したものを用い
た。コントロールとして、本発明品の代わりに水1mlを
添加したものを用いた。培養は35℃で行ない、10,
24,48,72時間経過時の各菌の発育状態を観察
し、表6〜8に示した。
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】 注1 評価は −:発育せず +:少し発育あり ++:発育あり +++ :発育大
【0057】表6〜8から分かるように、コントロール
として水を添加した培地においては、10時間培養した
時点ですでにどの菌の場合も発育が大となっているのに
対して、本発明品を添加した培地では、 Bacillus subt
ilis、Bacillus cereus に対しては72時間培養した時
点においても、完全に発育が阻害されていた。また、Es
cherichia coli に対しては48時間以上培養すること
により、発育が認められたが、この場合も、コントロー
ルと比べると大きな抗菌効果が認められた。
【0058】次に、本発明品による酸化物の生成抑制効
果をロダン鉄法により調べた。すなわち、本発明品によ
るきわめて酸化されやすいリノール酸の酸化抑制効果を
調べた。測定方法は以下に示すとおりである。
【0059】試薬の調製 0.2M リン酸緩衝液(pH7.0) 2.6% リノール酸エタノール溶液 75% エタノール溶液 30% アンモニウムチオシアネート 0.02M 塩化第二鉄の35%塩酸溶液
【0060】操作方法 試料溶液0.2ml、0.2Mリン酸緩衝液0.1m
l、水0.5ml、2.6%リノール酸エタノール溶液
0.2mlを加えてよく混合し、37℃で5日間放置す
る。 の酸化処理液50μl、75%エタノール溶液
4.85ml、30%アンモニウムチオシアネート50μ
l、0.02M塩化第二鉄の35%塩酸溶液50μlを
混合し、5分後に500nmの吸光度を測定する。 また、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行
い、ブランクとする。 結果は表9に示した。
【0061】
【表9】
【0062】表9から明らかなように、本発明品は、き
わめて酸化されやすいリノール酸に対して、優れた酸化
防止効果を持つことが判明した。
【0063】さらに、本発明品は、野菜、魚類等の鮮度
保持剤として有効であるが、本発明品をレタスに噴霧し
て試験を行った結果を示すと、次のとおりである。レタ
スに水を噴霧して常温で放置しておくと、12時間後に
はしなってきて、2日目には傷口が褐変した。ところ
が、本発明品を50倍に希釈して噴霧したレタスにおい
ては、16時間後までみずみずしく、また、3日目まで
変色しなかった。
【0064】このように、本発明品は、人体に対して安
全でさまざまな菌に対する抗菌効果、褐変防止効果、さ
らには抗酸化効果を有することから、保存料さらには抗
酸化鮮度保持剤として、広く食品に用いることができる
ものである。
【0065】
【発明の効果】前記のデーターからも明らかなように、
穀類を水抽出あるいは有機溶媒抽出あるいは搾汁液を得
ることにより、簡単に、しかも、全く安全で活性酸素消
去効果に優れ、熱に対しても安定なしかも、さまざまな
用途で効果を有する活性酸素消去剤が得られることが判
明した。
【0066】穀類は今まで主食であったため、食以外の
新規な分野での製法、利用用途はほとんど開発されてい
なかった。さらに、穀類は主食とされてきたことによ
り、安全性も実証されているものである。したがって、
本発明は、医薬品、化粧品、食品と幅広い分野で利用可
能な活性酸素の消去剤を、安全性が実証されている身近
な穀類から簡単に得られることを見出したものであり、
極めて有意義なことである。
【0067】
【実施例】
実施例1 大麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30リッ
トルと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、
徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30
℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、本発明品
25リットルと残査13kgを得た。
【0068】実施例2 小麦5kgをよく粉砕し、60%アルコール15リットル
を添加し、よく攪拌して放置した。24時間後、しぼり
機でしぼり、圧搾液12リットルと残査7kgを得た。
【0069】実施例3 とうもろこし5kgをジューサーでしぼり、搾汁液1.2
リットルと残渣3.7kgを得た。この搾汁液をゼライト
濾過して、本発明品1.1リットルを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品と水の保湿効果について、水分計(S
KICON200)を用い1回塗布試験を行った結果を
示すグラフである。
【図2】本発明品使用前と2週間使用後の水負荷試験を
行った結果を示すグラフである。
【図3】洗顔後に本発明品を塗布した場合と洗顔のみの
場合の皮脂量の変化について試験した結果を示すグラフ
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米を除く穀物からの搾汁液あるいは米を
    除く穀物からの水抽出物または有機溶媒抽出物をそのま
    ま、あるいはこれを含有してなることを特徴とする活性
    酸素消去剤。
JP4147905A 1992-05-15 1992-05-15 穀類からの活性酸素消去剤 Pending JPH05310589A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0873370A (ja) * 1994-08-31 1996-03-19 L'oreal Sa カプセル入りの植物抽出物を含有する化粧用もしくは皮膚科用組成物
JPH1081615A (ja) * 1996-08-16 1998-03-31 Kao Corp 毛髪及び頭皮処理用組成物
JP2004075562A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Yamakawa Boeki Kk 皮膚外用剤
JP2005517660A (ja) * 2001-12-21 2005-06-16 ヴォレザン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 治療用および手入れ用剤ならびにその調製方法
JP2007008908A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Takahito Tokuyama 米を除く穀類又は豆類を原料とする、細胞増殖促進剤及び細胞修復剤
JP2007015941A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Takahito Tokuyama 米を除く穀類及び豆類を原料とする寿命延長剤

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