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JPH05310571A - 非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の抗ガン性医薬組成物 - Google Patents

非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の抗ガン性医薬組成物

Info

Publication number
JPH05310571A
JPH05310571A JP6276292A JP6276292A JPH05310571A JP H05310571 A JPH05310571 A JP H05310571A JP 6276292 A JP6276292 A JP 6276292A JP 6276292 A JP6276292 A JP 6276292A JP H05310571 A JPH05310571 A JP H05310571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
benzoylurea
water
composition
halogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6276292A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Ogawa
康夫 小川
Mikio Miyaji
三喜雄 宮治
Nobuo Kondo
伸夫 近藤
Toru Iwao
徹 巌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishihara Sangyo Kaisha Ltd filed Critical Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Publication of JPH05310571A publication Critical patent/JPH05310571A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水に対する溶解性が大幅に向上し、消化管か
らの吸収性が大幅に改善できる非晶質性ベンゾイルウレ
ア系化合物の抗ガン性医薬組成物を提供する。 【構成】 一般式(化1): 【化1】 (式中、Xはハロゲン又はニトロ基を、Yは水素、ハロ
ゲン、ニトロ基、メチル基、エチル基又はトリフルオロ
メチル基を、Zはハロゲン又はトリフルオロメチル基
を、Zは水素又はハロゲンを、AはCH又は窒素を示
す)で表されるベンゾイルウレア系化合物と水溶性高分
子化合物とからなる非晶質性ベンゾイルウレア系化合物
の抗ガン性医薬組成物。両成分を溶媒に溶解した溶液か
ら溶媒を除去することによるその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗ガン活性を有する特定
のベンゾイルウレア系化合物と水溶性高分子化合物とか
らなる、消化管からの吸収性の高められた非晶質性ベン
ゾイルウレア系化合物の抗ガン性医薬組成物及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下記一般式(化2):
【化2】 (式中、Xはハロゲン又はニトロ基を、Yは水素、ハロ
ゲン、ニトロ基、メチル基、エチル基又はトリフルオロ
メチル基を、Zはハロゲン又はトリフルオロメチル基
を、Zは水素又はハロゲンを、AはCH又は窒素を示
す)で表されるベンゾイルウレア系化合物は、実質的に
公知の化合物であり、優れた抗ガン活性を有することが
知られている(特開昭57−109721号、同61−
1670号、同61−93163号及び同63−990
56号の各公報)。
【0003】前記ベンゾイルウレア系化合物は、水に対
して難溶性であるところから、例えば消化管などからの
吸収性が悪い。したがって十分なる抗ガン活性を発揮さ
せるためには、その投与量を多くする必要があるが、大
量投与による有害反応、障害が危惧されている。
【0004】そこで、前記ベンゾイルウレア系化合物の
消化管からの吸収性に優れた医薬組成物が種々提案され
ている(特開昭61−27965号、同61−1916
23号、同62−185013号、同64−79154
号、特開平1−93527号、同2−79699号、同
2−196719号の各公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記医
薬組成物によっても、ベンゾイルウレア系化合物の消化
管からの吸収性はいまだ充分とはいえず、この吸収性を
高めうる新規医薬組成物の出現が望まれている。本発明
の目的は、水に対する溶解性が大幅に向上し、消化管か
らの吸収性が大幅に改善できる非晶質性ベンゾイルウレ
ア系化合物の抗ガン性医薬組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は抗ガン性医薬組成物に関する発明で
あって、下記一般式(化3):
【化3】 (式中、Xはハロゲン又はニトロ基を、Yは水素、ハロ
ゲン、ニトロ基、メチル基、エチル基又はトリフルオロ
メチル基を、Zはハロゲン又はトリフルオロメチル基
を、Zは水素又はハロゲンを、AはCH又は窒素を示
す)で表されるベンゾイルウレア系化合物と水溶性高分
子化合物とからなる非晶質性ベンゾイルウレア系化合物
の抗ガン性医薬組成物であることを特徴とする。また、
本発明の第2の発明は、上記第1の発明の抗ガン性医薬
組成物の製造方法に関する発明であって、上記一般式
(化3)で表されるベンゾイルウレア系化合物と水溶性
高分子化合物とを溶媒に溶解した溶液から溶媒を除去
し、該ベンゾイルウレア系化合物と水溶性高分子化合物
とからなる非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の抗ガン
性医薬組成物を形成させることを特徴とする。
【0007】本発明者等は、前記ベンゾイルウレア系化
合物の消化管からの吸収性を高めることを目的として種
々の検討をした結果、前記ベンゾイルウレア系化合物と
水溶性高分子化合物とからなる非晶質性ベンゾイルウレ
ア系化合物の医薬組成物が前記ベンゾイルウレア系化合
物の消化管からの吸収性を高めうることを見出し、本発
明を完成した。
【0008】前記一般式(化3)において、ハロゲンと
は塩素、臭素、ヨウ素などが例示される。
【0009】前記ベンゾイルウレア系化合物としては、
例えば次式で示される化合物が例示される。
【0010】
【化4】
【0011】しかしながら抗ガン作用を有するベンゾイ
ルウレア系化合物であれば上記一般式(化3)で表され
るベンゾイルウレア系化合物に特に限定されることなく
使用することができ、その場合、所期の効果を期待する
ことができる。前記ベンゾイルウレア系化合物は一般に
公知化合物であり、例えば特開昭57−109721号
公報に記載の方法又はこれに準ずる方法によって製造さ
れる。
【0012】前記したように、本発明の非晶質性ベンゾ
イルウレア系化合物の抗ガン性医薬組成物は、前記ベン
ゾイルウレア系化合物と水溶性高分子化合物とを溶媒に
溶解した溶液から溶媒を除去することにより製造でき
る。
【0013】本発明に用いられる水溶性高分子化合物と
しては、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シメチルエチルセルロース、固体ポリエチレングリコー
ル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースのアセテートサク
シネート、メタクリル酸アクリル酸エチル共重合体、メ
タクリル酸メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸エ
チル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチ
ルアンモニウムエチル共重合体などが挙げられ、これら
の群から選ばれた1種又は2種以上の成分を用いること
ができる。この中でも、カルボキシメチルエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのアセテート
サクシネート、メタクリル酸アクリル酸エチル共重合
体、メタクリル酸メタクリル酸メチル共重合体などが腸
溶性を有しているため好ましく、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレートが更に望ましい。この水溶性
高分子化合物の前記ベンゾイルウレア系化合物に対する
配合割合は、使用する成分により異なり一概にはいえな
いが、前記ベンゾイルウレア系化合物1重量部に対し、
通常0.5〜15重量部、望ましくは1〜5重量部であ
る。
【0014】また溶媒としては、前記ベンゾイルウレア
系化合物及び/又は前記水溶性高分子化合物を溶解する
ものであればいずれのものでもよいが、前記ベンゾイル
ウレア系化合物及び水溶性高分子化合物を共に溶解する
ものが望ましい。ここでいう溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンな
どのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、
塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素
類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられ、中で
もエタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、塩化メ
チレンなどが好ましい。この溶媒の使用量は、前記ベン
ゾイルウレア系化合物1重量部に対し500重量部以
下、好ましくは30〜200重量部であり、また前記水
溶性高分子化合物1重量部に対し、100重量部以下、
好ましくは3〜10重量部である。
【0015】次に各成分の配合順序としては、まず前記
ベンゾイルウレア系化合物を溶媒に溶解し、次いで前記
水溶性高分子化合物をその中へ溶解するのが好ましい
が、各成分をそれぞれの溶媒に溶解した各溶液を同時に
混合することもできる。これらの各成分の溶解時に溶解
速度が遅い場合は溶媒を沸点以下の温度に加温して予め
溶解させてもよい。
【0016】更に、前記ベンゾイルウレア系化合物及び
前記水溶性高分子化合物を溶解している溶液から溶媒を
除去する方法としては、工業的に通常実施されている方
法、例えば常圧又は減圧下で加熱する方法、薄膜乾燥
法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法などが挙げられる。
【0017】医薬品製剤中の残留溶媒を除去する方法と
しては、通常の方法により溶媒を除去して得られた前記
組成物に対して次のような後処理を施す方法、例えば、
前記組成物を必要によりハンマーミル、ピンミルなどで
粉砕し、更に、ジェットマイザーなどで微粉砕した後、
常圧又は減圧下で乾燥して残留溶媒を除去する方法があ
る。
【0018】このような方法で得られた組成物又は残留
溶媒の除去された組成物を用いて、通常の方法により錠
剤、カプセル剤、腸溶剤、顆粒剤、粉末剤、細粒剤など
に製剤することができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明をより詳しく説明するため実施
例を記載するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
【0020】実施例1 ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)15gにア
セトン1.5リットルを加え、約50℃に加温して溶解
する。一方、ポリビニルピロリドンK−30〔ナカライ
テスク(株)製造〕30gにエタノール200mlを加
え溶解する。これらの2つの溶液を混合した後、約80
℃の水浴上でエバポレータを用いて減圧下でこれらの溶
媒を留去して、組成物A45gを得た。
【0021】ここで得られた組成物A40gを、遠心粉
砕機〔(株)日本精機製作所製造、0.12m/mスク
リーン使用〕を用い20,000rpmで粉砕し、更に
TJ60型カウンタージェットミル〔ターボ工業(株)
製造〕で粉砕した後、減圧(0.35mmHg)下80
℃で4日間乾燥して、残留溶媒を除去した組成物B37
g(このときの残留溶媒10ppm以下)を得た。
【0022】次に上記の組成物Bについて、粉末X線回
折により、そのベンゾイルウレア系化合物(前記化合物
3)と前記化合物3及びポリビニルピロリドンK−30
の物理的混合物(以下比較品と略す)との比較を行っ
た。その結果、上記の組成物Bの粉末X線回折パターン
はハローパターンを示し、比較品と異なるパターンであ
ることから、上記の組成物Bの化合物3は非晶質性のも
のであることがわかった。
【0023】実施例2 前記実施例1においてアセトン1.5リットルを用いた
約50℃での溶解をテトラヒドロフラン600mlを用
いた常温での溶解に代える以外は前記実施例1の場合と
同様にして、残留溶媒を除去した組成物C37g(この
ときの残留溶媒80ppm)を得た。
【0024】この組成物Cの化合物3について、前記実
施例1の場合と同様にして結晶性を調べたところ、非晶
質性のものであることがわかった。
【0025】実施例3 ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)15g及び
ポリビニルピロリドンK−30の30gに塩化メチレン
3リットルを加え、約35℃に加温し溶解して溶液を得
た。この溶液について、約80℃の水浴上でエバポレー
タを用いて減圧下でこれらの溶媒を留去して組成物Dを
得、このものを前記実施例1の場合と同様にして粉砕し
た後、減圧(0.35mmHg)下80℃で1日間乾燥
して、残留溶媒を除去した組成物E37g(このときの
残留溶媒10ppm以下)を得た。
【0026】この組成物Eの化合物3について、前記実
施例1の場合と同様にして結晶性を調べたところ、非晶
質性のものであることがわかった。
【0027】実施例4 ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)7.5gに
アセトン750mlを加え、約50℃に加温して溶解す
る。一方、ポリビニルピロリドンVA−64(商標名;
KollidonVA−64、ビ・エー・エス・エフ社
製)37.5gにエタノール250mlを加え、溶解す
る。これらの二つの溶液を混合した後、約80℃の水浴
上でエバポレーターを用いて減圧下でこれらの溶媒を留
去して、組成物F14.0gを得た。ここで得られた組
成物を遠心粉砕機〔(株)日本精機製作所製造、0.1
m/mスクリーン使用〕を用い、10,000rpmで
粉砕し、(250μm〜74μm)のふるいによって整
粒した後、減圧下(0.9mmHg以下)、80℃で8
日間、乾燥して、残留溶媒を除去した組成物G3.9g
(この時の残留溶媒100ppm以下)を得た。
【0028】この組成物Gの化合物3について、前記実
施例1の場合と同様にして結晶性を調べたところ、非晶
質性のものであることがわかった。
【0029】実施例5 ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)7.5gと
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート〔商標
名;HP−55、信越化学(株)製〕37.5gにアセ
トン700mlを加え、約50℃に加温して溶解した
後、約80℃の水浴上でエバポレーターを用いて減圧下
でこれらの溶媒を留去して、組成物H44.2gを得
た。ここで得られた組成物H44.2gを遠心粉砕機
〔(株)日本精機製作所製造、0.1m/mスクリーン
使用〕を用い、10,000rpmで粉砕し、(250
μm〜74μm)のふるいによって整粒した後、減圧下
(0.9mmHg以下)、80℃で20日間、乾燥し
て、残留溶媒を除去した組成物I 15.56g(この
時の残留溶媒100ppm以下)を得た。
【0030】この組成物Iの化合物3について、前記実
施例1の場合と同様にして結晶性を調べたところ、非晶
質性のものであることがわかった。
【0031】実施例6 ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)14.3g
とヒドロキシメチルセルロースフタレート(HP−5
5)、71.4gにアセトン1リットルを加え、約50
℃に加温して溶解した後、自然ろ過により不溶解物を除
き、ロータリーチューブポンプを用いてクローズドシス
テムスプレードライヤCL−8型〔大川原化工機(株)
製〕に供給し、処理量1.7kg/hr、スプレードラ
イヤーディスクノズル回転数20,000rpm、入口
温度100℃において18分間運転し、組成物J 85
gを得た。これを3日間、乾燥して残留溶媒を除き、組
成物K72g(この時の残留溶媒100ppm以下)を
得た。
【0032】この組成物Kの化合物3について、前記実
施例1の場合と同様にして結晶性を調べたところ、非晶
質性のものであることがわかった。
【0033】比較例1 デカグリセリンモノラウレート〔商品名:デカグリン1
−L、日光ケミカルズ(株)製造〕3.90gに水5
0.74gを加えて溶解し、そこへベンゾイルウレア系
化合物(前記化合物3)23.42gを加えて懸濁さ
せ、このものを0.16リットル容器に入れ、そこへガ
ラスビーズ(0.25〜0.5mmφ)を容器一杯まで
充てんし、ダイノミル(商品名:KDL型、ウイリー・
エー・バーコーフェン社製造)による湿式粉砕(3,0
00rpm×45分間)を行った。粉砕終了後、ふるい
にてガラスビーズを除去し、懸濁剤67gを得た。
【0034】上記の懸濁剤50gにショ糖モノパルミチ
ン酸エステル〔商品名:P1670、三菱化成食品
(株)製造〕29.1gを加え、ドライアイス・メタノ
ールで凍結後、24時間真空乾燥し、水を除去し組成物
Lを得た。組成物Lの粉末X線回折パターンにより化合
物3は結晶性のものであることがわかった。更に組成物
Lに軽質無水ケイ酸3.9gを添加、混和して比較散剤
M50.5gを得た(この比較散剤は特開平2−196
719号公報に記載されている)。
【0035】試験例1(溶出性試験) 日本薬局方11「溶出試験法」のパドル法により試験を
行った。まず、容器に水500mlを入れ、そこへ更に
実施例1の組成物B又は比較例1の比較散剤Mのそれぞ
れをベンゾイルウレア系化合物(化合物3)に換算して
4mgに相当する量を入れ、50rpmでかくはんし
た。溶出量の測定は、経時的に容器内の水10mlを採
取し、この採取水を10分間遠心分離機(50,000
rpm)にかけ、上澄液を検出波長254nmでHPL
Cを用いて行った。その結果(水に対する化合物3の溶
出量)を下記表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】以上の結果から明らかなように、本発明の
非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の医薬組成物が従来
の散剤よりも溶出性が良好であることがわかる。
【0038】試験例2(ベンゾイルウレア系化合物の吸
収部位の確認試験) 以下の試験条件によりラットの消化管ループからの薬剤
吸収試験を行った。 動物:ラットSD系SPF(雄、体重250〜300
g)、n=2 投与量:組成物Gをベンゾイルウレア系化合物(化合物
3)に換算して75mg/Kg投与 投与部位: 胃 ;胃幽門部から噴門部まで 小腸上部;胃噴門部出口から小腸側10cmまで 小腸下部;胃噴門部下、小腸側10cmのところから盲
腸入口まで 大腸 ;盲腸入口から肛門まで 投与方法:ラットをネンブタール注射液にて麻酔後、開
腹し、各投与部位の出入口を縫合糸で結紮し、注射針に
て薬剤を投与した。薬剤は精製水にて懸濁液とし、懸濁
後1時間以内に投与した。 摂餌条件:投与前20時間絶食、自由摂水 採血時期:投与後1、2、3、4各時間 血漿中濃度の測定:採血した血漿を前処理後、HPLC
(C18系逆相カラム、移動相:アセトニトリルー水
1:1の混液、検出:UV265nm)にかけて測定し
た。その結果を図1に示す。
【0039】以上の結果から明らかなように、非晶質性
ベンゾイルウレア系化合物は腸管から吸収されているこ
とがわかる。
【0040】試験例3(腸溶性の確認試験) 日本薬局方11「溶出試験」のパドル法により異なった
pH(1.2又は6.5)での溶出特性試験を行った。
試験開始後、経時的に試験液を採取し、採取毎に補充液
を採取量と同量補充し、溶出濃度はその量で補正した。
以下に試験条件を示す。 試験法:日本薬局方11パドル法 試験液:日本薬局方11「崩壊試験」の第一液(pH
1.2)で1時間試験後、補充液の代わりにpH変換用
補液10mlを加えて試験液のpHを6.5とし、連続
して試験を行った。 (pH変換用補液) リン酸二水素カリウム 170.1g 水酸化ナトリウム 83.6g ─────────────────────── 精製水 500ml 回転数:50rpm 試験液の温度:87℃ 採取量:5ml 補充液量:5ml 薬剤添加量:組成物Iをベンゾイルウレア系化合物(化
合物3)に換算して4mg相当量 採取時間:試験開始後15、30、45、60、75、
90、105、120、180、240分溶出濃度の測
定:採取液を10分間遠心分離(5000rpm)にか
け、上清を検出波長254nmでHPLCを用いて行っ
た。その結果を図2に示す。
【0041】以上の結果から明らかなように、本発明の
組成物IはpH1.2(胃内部の酸性度)では溶解せ
ず、pH6.5(腸内部の酸性度)で溶解することがわ
かる。
【0042】試験例4(吸収性試験I) 前記実施例1の組成物B又は比較例1の比較散剤Mを用
いて、下記の条件でイヌにおける吸収性試験(血漿中に
おける化合物3の濃度)を行った。 動物:ビーグル犬(雄、体重約10kg)各群5頭。 投与量:ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)と
して25mg/kg体重。 投与方法:上記組成物B又は比較散剤Mのそれぞれをゼ
ラチンカプセル000号に充てんし、経口投与した。 摂餌条件:自由摂食、自由摂水 採血時間:投与前、投与後1、2、4、8、12、2
4、48、72、144、240各時間
【0043】血漿中における化合物3の濃度は、採取し
た血漿を前処理後にHPLC(C18系逆相カラム、移
動相:アセトニトリル−水1:1の混合液、検出:UV
265nm)にかけて測定した。この結果を表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】以上の結果から明らかなように、本発明の
非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の医薬組成物が従来
の散剤よりも吸収性が良好であることがわかる。
【0046】試験例5(吸収性試験II) ビーグル犬による薬剤吸収性試験を下記の試験条件によ
り行った。 動物:ビーグル犬(雄、体重約10kg)各群3頭。 投与量:ベンゾイルウレア系化合物(前記化合物3)と
して9.5mg/kg 投与方法:各組成物G又はIのそれぞれをゼラチンカプ
セル4号に充てんし、経口投与した。 摂餌条件:食後投与(固形飼料約300g)、自由摂水 採血時間:投与前、投与後1、2、4、8、12、2
4、48、72、144各時間 血漿中濃度の測定:採血した血漿を前処理後、HPLC
(C18系逆相カラム、移動相:アセトニトリルー水
1:1の混液、検出:UV265nm)にかけて測定し
た。その結果を下記表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】以上の結果から明らかなように、HP−5
5を用いた組成物IがポリビニルピロリドンVA−64
を用いた組成物Gより吸収性が優れていることがわか
る。
【0049】試験例6(吸収性試験III) ラットによる薬剤吸収性試験を下記の試験条件により行
った。 動物:ラットSD系SPF(雄、体重240〜270
g)、n=5 投与量:各組成物I及びKをベンゾイルウレア系化合物
(化合物3)に換算して5mg/Kg投与 投与方法;各組成物I又はKのそれぞれを0.5%CM
C−Na水溶液(pH4.0)で懸濁液とし、懸濁後直
ちに経口投与した。 摂餌条件;自由摂食、自由摂水 採血時間;投与後1、2、4、8、12、24、48、
72 各時間 血漿中濃度の測定:採血した血漿を前処理後、HPLC
(C18系逆相カラム、移動相:アセトニトリルー水
1:1の混液、検出:UV265nm)にかけて測定し
た。その結果を下記表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】以上の結果から明らかなように、HP−5
5を用いた組成物において製法(エバポレータ法及びス
プレードライ法)が異なってもほぼ同様の結果となるこ
とがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明の医薬組成物によればベンゾイル
ウレア系化合物は、水に対する溶解性が大幅に向上し、
また動物実験において経口投与により消化管からの吸収
性を大幅に改善できるので、大量投与による有害反応、
障害を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ラットの消化管ループからの化合物3
の吸収を示した図である。
【図2】図2は、組成物Iを一定のpHの試験液に施用
したときの化合物3の溶出特性を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 巌 徹 大阪府枚方市招提大谷二丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1): 【化1】 (式中、Xはハロゲン又はニトロ基を、Yは水素、ハロ
    ゲン、ニトロ基、メチル基、エチル基又はトリフルオロ
    メチル基を、Zはハロゲン又はトリフルオロメチル基
    を、Zは水素又はハロゲンを、AはCH又は窒素を示
    す)で表されるベンゾイルウレア系化合物と水溶性高分
    子化合物とからなる非晶質性ベンゾイルウレア系化合物
    の抗ガン性医薬組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抗ガン性医薬組成物を
    製造する方法において、一般式(化1)で表されるベン
    ゾイルウレア系化合物と水溶性高分子化合物とを溶媒に
    溶解した溶液から溶媒を除去し、該ベンゾイルウレア系
    化合物と水溶性高分子化合物とからなる非晶質性ベンゾ
    イルウレア系化合物の抗ガン性医薬組成物を形成させる
    ことを特徴とする非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の
    抗ガン性医薬組成物の製造方法。
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