[go: up one dir, main page]

JPH05302613A - フアスナ - Google Patents

フアスナ

Info

Publication number
JPH05302613A
JPH05302613A JP4129405A JP12940592A JPH05302613A JP H05302613 A JPH05302613 A JP H05302613A JP 4129405 A JP4129405 A JP 4129405A JP 12940592 A JP12940592 A JP 12940592A JP H05302613 A JPH05302613 A JP H05302613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
meth
acrylate
polymer
screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4129405A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Isobe
安司 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP4129405A priority Critical patent/JPH05302613A/ja
Publication of JPH05302613A publication Critical patent/JPH05302613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、2−スルホエチル(メタ)アクリ
レートを主成分とする重合体で、ねじ部の少なくとも一
部を被覆したフアスナであって、当該被覆されたねじ部
に、2成分の接触により硬化反応を起こす接着剤の少な
くとも片方の成分がマイクロカプセルに内包されている
接着剤を塗布してなるフアスナ。 【効果】 本発明のフアスナを用いると、固着力が強く
て且つ該力のばらつきの小さな締結部分を形成すること
ができ、フアスナの締結作業の簡便性及び確実性を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種部品間の組立等に用
い、締結時に係合面間に瞬間的密封係合を与える接着剤
をねじ部にプレコートした固着用フアスナ、即ちボル
ト、ナット及び小ねじ等に関するものである。該フアス
ナを使用することにより、簡便で強固な締結部分が形成
され、締め付け作業の信頼性が上がり、また安定な組立
作業を行うことができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、2成分が接触することによ
り、硬化反応を起こす接着剤の、1成分をマイクロカプ
セルに内包させ、他成分はそのままの状態で、両者を混
合してなる接着剤、或いは該接着剤にフィルム形成性物
質を添加した接着剤(以下「マイクロカプセル状接着
剤」と称する。)をねじ部にプレコートした締め付け用
ボルト又はナットは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のねじ部
にプレコートされたマイクロカプセル状接着剤、特にア
クリル系単量体を含むマイクロカプセル状接着剤は、締
結時にネジの表面より剥離し易く、この為、係合面間に
接着剤が充分に満たされることがなく、密封係合が不完
全になり易く、従って上記のプレコートした締め付け用
ボルト又はナットは締結強度が低く且つばらつきが大き
くなる等の欠陥を有し、安定した品質の製品としてユー
ザーに供給することが難しいものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、2−スルホエ
チルアクリレート又は2−スルホエチルメタクリレート
を主成分とする重合体(以下「スルホエチル(メタ)ア
クリレート重合体」と称する。)で、ねじ部の少なくと
も一部を被覆したフアスナであって、当該被覆されたね
じ部に、2成分の接触により硬化反応を起こす接着剤の
少なくとも片方の成分がマイクロカプセルに内包されて
いる接着剤を塗布してなるフアスナに関するものであ
る。以下、マイクロカプセルに内包される成分を「A
剤」、他の成分を「B剤」と称する。
【0005】スルホエチル(メタ)アクリレート重合体
としては、2−スルホエチルアクリレート又は2−スル
ホエチルメタクリレート単量体の単独重合体、或いはこ
れら単量体を主成分とするランダム共重合体、ブロック
共重合体又はグラフト共重合体が挙げられる。これらの
内、重合度が100〜1000の2−スルホエチルメタ
クリレート単量体の単独重合体、或いは構成成分の50
重量%以上が2−スルホエチルメタクリレート単量体か
らなるランダム共重合体は、重合時の安定性が良いので
好ましく、触媒、分散剤又は安定剤等の重合助剤を使用
せずに塊状重合法で得られたものが更に好ましい。
【0006】スルホエチル(メタ)アクリレート重合体
は、極性の大きな有機溶剤に溶解し、ねじ部に塗布し、
その後溶剤を蒸発させることにより、ねじ部に被覆させ
ることができる。該有機溶剤としては、ジメチルスルホ
キシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド又
はアセトニトリル等が挙げられる。該重合体の溶液の好
ましい濃度は0.2〜10重量%である。0.2重量%
未満では十分な効果を得るためには該溶液を多量に使用
しなければならないため乾燥時間が長くなる。一方10
重量%を超えると、粘度の上昇により塗工が困難となり
各々好ましくない。
【0007】該溶液のねじ部への好ましい塗布量は、例
えば10mm径のボルトでは0.001〜0.05g(固
形分換算)である。0.001g未満ではスルホエチル
(メタ)アクリレート重合体の十分な効果が得られ難
く、0.05gを超える場合はフアスナ締結時の抵抗ト
ルクが大きくなり過ぎるため各々好ましくない。塗工方
法は通常のディッピング法やロール式コータ法等が使用
でき、次いでファスナを80℃前後の熱風等で乾燥させ
ると、タックのない被膜が容易に形成される。該被膜
は、次の過程で塗布するマイクロカプセル状接着剤と強
固に結びつき、ボルト、ナット締結時に該接着剤の剥離
を防止する効果を有する。
【0008】本発明で用いる接着剤は、2成分の接触に
より硬化反応を起こすものである。このような接着剤は
種々のものがあるが、2−スルホエチルアクリレート又
は2−スルホエチルメタクリレート以外のアクリル系単
量体及び/又はメタクリル系単量体(以下「(メタ)ア
クリレート単量体」と称する。)を一方の成分とし、過
酸化物等の重合開始剤を他の成分とし、更に必要に応じ
て重合促進剤等を添加してなる接着剤(以下「(メタ)
アクリレート系接着剤」と称する。)が、接着剤の硬化
速度が大きく好ましく用いられる。
【0009】この接着剤の一方の成分である(メタ)ア
クリレート単量体としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレー
ト、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリロイルホスファイト、アセトキ
シエチル(メタ)アクリレート及びメチルカルビトール
(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、多塩基酸とポリオ
ール及び(メタ)アクリル酸を脱水縮合しポリエステル
化反応により得られるポリエステルジ(メタ)アクリレ
ート、エポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコール、ジエチレングリコール又は
トリエチレングリコール並びにエポキシ化ビスフェノー
ルAからなる縮合体と(メタ)アクリル酸より得られる
ジ(メタ)アクリレート、ジイソシアネート、グリコー
ル及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートより得
られるポリウレタンジ(メタ)アクリレート等のジ(メ
タ)アクリレート;更にグリセリン、トリメチロールプ
ロパン又はペンタエリスリトール等と(メタ)アクリル
酸から得られる(メタ)アクリレート構造を2個以上含
む化合物等が挙げられる。
【0010】これらの(メタ)アクリレート単量体の
内、エチレングリコール、トリエチレングリコール又は
テトラエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエ
チレングリコール並びにエポキシ化ビスフェノールAか
らなる縮合体と(メタ)アクリル酸より得られるジ(メ
タ)アクリレートが接着剤とした場合の接着力が大きく
好ましい。
【0011】もう一方の成分である、前記(メタ)アク
リレート単量体に対する重合開始剤としては、ベンゾイ
ルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド及びメチルエチルケトンパ
ーオキサイド等が挙げられる。
【0012】また必要に応じて該接着剤に配合される重
合開始剤としては、エチレンチオ尿素、2−メルカプト
ベンズイミダゾール、ベンゾイルヒドラジン、L−アス
コルビン酸、ジメチルアニリン、ジメチル−p−トルイ
ジン、o−スルホ安息香酸イミド又はチオグリコール酸
等が挙げられる。
【0013】2成分反応型の(メタ)アクリレート系接
着剤では、一般に重合開始剤をA剤としてカプセルに内
包させ、(メタ)アクリレート単量体及び重合開始剤は
そのままの状態でB剤として混合使用する。しかし、接
着剤に特に安定性を持たせるために、(メタ)アクリレ
ート単量体をA剤としてカプセル化することも可能であ
る。
【0014】本発明における(メタ)アクリレート単量
体は、カプセルに内包しない場合には、そのまま(メ
タ)アクリレート系接着剤を構成する他の成分と物理的
に均一な混合を行えば使用可能であるが、下述の方法で
水中で乳化させると薬傷の危険性を減らすことができ、
かつ塗工性を大幅に改良させることができ好ましい。具
体的には、界面活性剤もしくは界面活性を有し数平均分
子量が3000〜100000程度の重合体の水溶液中
に高攪拌下で、(メタ)アクリレート単量体を徐々に添
加すれば、該単量体を容易に乳化することができる。
【0015】この際、皮膜形成能を持つ水溶性重合体及
び/又は水分散性重合体を、(メタ)アクリレート単量
体の乳化時に同時に添加するか、或いは乳化させた後に
添加すると、得られた接着剤は、塗工後の表面に樹脂皮
膜を形成し、所謂ドライタッチな塗工面になり、取り扱
い易くかつ安全になる。また後述のような皮膜形成能を
持ち、かつ(メタ)アクリレート単量体を乳化し得る、
水溶性又は水分散性重合体を用いた場合には、一段の方
法で目的物を得ることができるので更に好ましい。
【0016】(メタ)アクリレート単量体を乳化できる
界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン
アルキルアミン等が挙げられる。また皮膜形成能は有す
るが界面活性作用の弱い重合体としては、ウレタン樹
脂、クロロプレン重合体、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の疎水性
の大きい乳化重合体が挙げられる。
【0017】次に、皮膜形成能を持ち、(メタ)アクリ
レート単量体を水中に乳化し得る重合体は、水溶液状態
又は水分散状態で、界面活性があり且つ数平均分子量が
3000〜100000程度の重合体であり、例えば
(メタ)アクリル酸単位20〜50重量%を共重合体の
構成単位とするアクリル酸エステル系樹脂、酢酸ビニル
樹脂或いはメチルビニルエーテル共重合体、ポリビニル
ピロリドン、ケン化度が30〜99モル%のポリビニル
アルコール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、メトキシヒドロキシプロピルセルロース、エ
チレン−マレイン酸無水物共重合体、水溶性又は水とア
ルコールとの混合溶媒に可溶なナイロン重合体、アクリ
ル酸エステル樹脂エマルジョン等の水分散性重合体が挙
げられる。
【0018】これらの重合体の内、ケン化度が30〜9
9モル%のポリビニルアルコール、水溶性又は水とアル
コールとの混合溶媒に可溶なナイロン重合体、若しくは
これらの混合物が、本発明における接着剤において好適
な条件を与えるので好ましい。
【0019】(メタ)アクリレート単量体の乳化におい
て、皮膜形成能を持つ水溶性又は水分散性重合体の配合
量は(メタ)アクリレート単量体100重量部に対して
0.5〜30重量部とすると、得られる接着剤の接着能
が大きくなり好ましい。より好ましくは2〜20重量部
である。
【0020】また(メタ)アクリレート単量体100重
量部に対して、ベースとなる水は50〜250重量部の
割合で用いることが好ましく、得られたエマルジョン
は、B型粘度計により20rpmで3000〜8000
0cpsの粘度を示し、かつ乳化された(メタ)アクリ
レート単量体の油滴の径が1〜200μmであると、塗
工機による塗工性がよく好ましい。
【0021】上記の(メタ)アクリレート系接着剤の他
に、本発明にはエポキシ樹脂及びその硬化剤、更に必要
に応じて硬化促進剤を添加してなる2成分混合型エポキ
シ系接着剤も使用可能である。エポキシ樹脂としては、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型
フェノール樹脂とエピクロルヒドリンを縮合して得られ
るノボラックエポキシ樹脂、無水フタル酸又はヘキサヒ
ドロ無水フタル酸等のジカルボン酸無水物より得られる
グリシジルエステル等があり、硬化剤としては、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、キシリレンジアミン、4,4'−ジ
アミノジフェニルメタン、2−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、三フッ化ホウ素、三塩化アル
ミニウム、或いはN,N'−ジメチルピペラジン等が挙げら
れ、上記の一方の成分をA剤としてカプセル化する。
【0022】またこの接着剤には、重合促進剤として、
2,2'−ビスメルカプトエチルエーテルの部分エポキシ付
加物等を添加することができる。更に前記エポキシ樹脂
は、そのままの状態でB剤とする場合には、(メタ)ア
クリレート系接着剤の場合と同様に乳化して使用するこ
とができる。
【0023】A剤となる成分をカプセル化する方法に
は、コアセルベーション法、液中乾燥法及び界面重合法
等があるが、(メタ)アクリレート単量体、エポキシ樹
脂、芳香族アミン及び芳香族過酸化物等の親油性物質の
場合は、尿素樹脂によるイン・シチ重合法が簡便であ
り、生成したカプセル体の耐水性及び耐油性が優れてい
て好ましい。具体的には、液状又は微粉末状の親油性物
質をpH7.5〜9のメチロール化反応で得た尿素−ホ
ルマリンのプレポリマー中に分散させてから、pHを2
〜3に下げ且つ反応温度を40〜50℃に維持して、メ
チレン化反応により上記物質の油滴又は微粉末の表面に
生成ポリマーを沈積させながらカプセル化する。
【0024】一方、脂肪族アミン等の親水性物質の場合
は、疎水性溶媒中でコアセルベーションを行う方法が好
ましい。一例を挙げると、シクロヘキサンにエチルセル
ロースを溶解した加温溶液に芯物質を分散させてから冷
却し、エチルセルロースを芯材の周囲に析出させて得る
方法がある。
【0025】B剤との混合時の安定性及び接着作業時の
カプセル体の破壊の必要性から、カプセルの粒径は10
〜100μmが好ましく、更にカプセル中におけるA剤
の含有量は10〜60重量%が好ましい。
【0026】また更に接着剤の改質を目的として、ボル
ト、ナット締結時の脱出トルクを適度に低減させる為
に、種々の(メタ)アクリレート単量体を1〜30μm
径の球状カプセル体に内包させてなる粉末を該接着剤中
に混入させることができる。
【0027】マイクロカプセル状接着剤は、油性の場合
はそのまま、水性状の場合は充分な撹拌を行って均一な
懸濁状態を与えると、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト重合体を被覆させたねじ部、特にねじの谷部に均一に
塗布することができる。塗布方法としては、ロール塗工
法、ディッピング方法が挙げられる。
【0028】好ましい塗布量は例えば10mm径のボルト
の場合、0.1〜0.5g(固形分換算)である。0.
1g未満では締結時の固着力が十分でなく、一方0.5
gを超えても締結力はそれ程上昇せず、逆に締結時に余
分な接着剤が剥離する傾向があり、いずれも好ましくな
い。
【0029】接着剤におけるA剤とB剤の配合割合は、
常用の2成分混合型接着剤の分野で採用されている条件
に従えばよい。
【0030】また接着剤の性質の改良を目的として、例
えばプレコート層の表面を保護するフィルム形成性の重
合体として、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビ
ニルアルコール、水溶性ナイロン、ポリビニルブチラー
ル又は塩ビ−酢ビ共重合体等;チクソトロピック性を付
与する為に、タルク、シリカ、アルミナ又は炭酸カルシ
ウム等の無定形の微粒子;並びにプレコート層のポット
ライフ性を保つ為に、クロロフィル化合物、銅フタロシ
アニン化合物、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、2,4−ジニトロアニソール或いは2,
6−ジターシャリーブチルp−クレゾール等を該接着剤
に添加することができる。
【0031】
【作用】本発明のフアスナは、締結時にマイクロカプセ
ル状接着剤が、ねじから剥離せず、ボルト、ナット係合
面間に反応性接着剤が満たされており、従って硬化反応
が効率よく惹起するため、これによりばらつきのない強
固な締結を形成するものである。これは、スルホエチル
(メタ)アクリレート重合体のスルホン基はフアスナの
金属面との密着性が良く、エチル(メタ)アクリレート
重合体部分は接着剤と均一に密着すること、並びに該重
合体自身の強度が高く、衝撃によっても崩壊、破壊等を
起こさないためと考えられる。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に詳しく説明する。なお、マイクロカプセル状接着剤
が塗工されたボルトの接着性能は、次の試験方法によっ
て行われた。
【0033】(接着剤のボルトへの塗工)10mm径、長
さ40mmの黄色クロメート及びステンレス(SUS30
4)からなるボルトのねじ部に、巾15mmにわたって接
着剤0.2g(固形分換算)を均一に塗布した。水性状
接着剤の場合は、80℃で20分間乾燥を行って、表面
にタックのない樹脂皮膜を形成し、油性の場合はそのま
まで、接着剤が塗工された接着締め付け型のボルトを得
た。
【0034】(接着性試験)上記の塗工されたボルトに
300kg重・cmのトルクにてナットを締め付け、23℃
で24時間放置後の起動戻しトルクを測定し、10個の
測定値の平均値と標準偏差を算出した。
【0035】実施例1 (スルホエチル(メタ)アクリレート重合体の被膜の形
成)無触媒塊状重合で得られた2−スルホエチルメタク
リレート単独重合体(数平均重合度400)をジメチル
スルホキシドに溶解し、該重合体の5重量%溶液を得
た。該溶液をボルトのねじ部に0.1g塗布し、80℃
で20分間乾燥した。
【0036】(A剤のカプセル化)次の方法により、ベ
ンゾイルパーオキサイドを芯材とし、尿素樹脂を壁膜と
するカプセル体を作製した。1リットルフラスコに、3
7重量%濃度のホルマリン水溶液350g、尿素131
g及びトリエタノールアミン1.7gを仕込み、70℃
にてプロペラ型撹拌装置を用いて300rpmで2時間
撹拌、反応させて尿素樹脂のプレポリマーを得た。
【0037】次いで、室温下で2リットルビーカーに前
記のプレポリマー水溶液609gと純水609gを仕込
み、1N硫酸水溶液の添加によりpHを2.6に調製
後、ベンゾイルパーオキサイドの微粉末(平均粒径20
μm)12.8gを投入し、40℃に昇温し、ホモジナ
イザーで4000rpmの撹拌下で6時間反応させた
後、プロペラ型撹拌機を用い、撹拌数を300rpmに
低下させて、14時間反応を続けた。
【0038】得られたスラリーを1Nの苛性ソーダ水溶
液で中和し、純水及びメタノールで洗浄して、40℃に
て棚段乾燥を行った結果、ベンゾイルパーオキサイドを
25重量%含み、尿素樹脂を壁膜とする粒径20〜50
μmのカプセル体51gを得た。
【0039】(B剤の調製)2リットルビーカーに純水
860g、ゴーセノールGM−14(ケン化度86モル
%、平均重合度1400の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール、日本合成化学工業(株)製)100gを仕込み水
溶液にした。その後、プロペラ型撹拌装置による650
rpmの撹拌下にて、NK BPE−200 {2,2
−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、新中村化学工業(株)製}1000gを
分液ロートで10分間かけて添加し、更にジメチル−p
−トルイジン10gを添加して、1時間撹拌を続けて水
性状乳化液を得た。この乳化液は、粒径2〜6μmの乳
化粒子を有し、B型粘度計において6rpmで8000
cpsの粘度であった。
【0040】(接着剤の調製)前記で得られたカプセル
化されたA剤50g及びB剤800g(固形分450
g)を1リットルビーカーに投入して、ホモジナイザー
で2000rpmにて5分間撹拌を行い水性状接着剤を
得た。
【0041】(接着性試験)上記の調製された接着剤液
を、前記の方法に従って、スルホエチル(メタ)アクリ
レート重合体の被膜を形成させたボルトに塗布した場合
の起動戻しトルクを、前記の評価方法に従って測定した
ところ、黄色クロメートボルトでは平均値460kg重・
cm、標準偏差値は5kg重・cmであって、締結時の接着剤
の剥離は全くなかった。またステンレスボルトでは、平
均値420kg重・cm、標準偏差値は7kg重・cmであっ
て、締結時の接着剤の剥離は全くなかった。
【0042】比較例1 実施例1において、スルホエチル(メタ)アクリレート
重合体の被膜を形成させず、接着剤をボルトに直接塗布
した以外は、実施例1と同じ条件で接着性試験を行った
ところ、黄色クロメートボルトでは、平均値350kg重
・cm、標準偏差値は65kg重・cmであって、締結時の接
着剤の剥離は、ボルト10本中6本にあった。またステ
ンレスボルトでは、平均値320kg重・cm、標準偏差値
は60kg重・cmであって、締結時の接着剤の剥離は、ボ
ルト10本中7本にあった。
【0043】実施例2 (スルホエチル(メタ)アクリレート重合体の被膜の形
成)実施例1と全く同様に行い、該重合体の被膜を有す
るボルトを得た。
【0044】(A剤のカプセル化)次の方法により、エ
ポキシ樹脂エピコート828(シェル化学(株)製)を
芯材とし、尿素樹脂を壁膜とするカプセル体を作製し
た。2リットルビーカーに実施例1で合成したプレポリ
マー水溶液609g、純水609g及びエピコート82
8 128gを仕込み、ホモジナイザーで5000rp
mの撹拌下、1N硫酸でpHを2.6に調製後、40℃
に昇温して撹拌を続けて10時間反応を行った。この結
果、粒径が10〜30μmで、エポキシ樹脂含有量50
重量%のカプセル体256gを得た。
【0045】(B剤)トリエチレンテトラミンを用い
た。
【0046】(接着剤の調製)前記で得られたカプセル
化されたA剤200g、B剤15g、ブチラール樹脂B
M−S(積水化学工業(株)製)12g、トルエン21
5g及びエタノール215gを1リットルビーカーに投
入して、ホモジナイザーで2000rpmにて5分間撹
拌を行い、ラッカー状接着剤を得た。
【0047】(接着性試験)上記の調製された接着剤液
を、前記の方法に従って、スルホエチル(メタ)アクリ
レート重合体の被膜を形成させたボルトに塗布した場合
の起動戻しトルクを、前記の評価方法に従って測定した
ところ、黄色クロメートボルトでは平均値440kg重・
cm、標準偏差値は5kg重・cmであって、締結時の接着剤
の剥離は全くなかった。またステンレスボルトでは、平
均値420kg重・cm、標準偏差値は7kg重・cmであっ
て、締結時の接着剤の剥離は全くなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明のフアスナは、マイクロカプセル
状接着剤が堅固にフアスナのねじ部に付着しており、こ
の為、締結時に該接着剤が剥離することなく、ボルト・
ナット係合面間に反応性接着剤が満たされ、硬化反応が
効率よく行われる。本発明のフアスナを用いると、固着
力が強くて且つ該力のばらつきの小さな締結部分を形成
することができ、フアスナの締結作業の簡便性及び確実
性を向上させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−スルホエチルアクリレート又は2−
    スルホエチルメタクリレートを主成分とする重合体で、
    ねじ部の少なくとも一部を被覆したフアスナであって、
    当該被覆されたねじ部に、2成分の接触により硬化反応
    を起こす接着剤の少なくとも片方の成分がマイクロカプ
    セルに内包されている接着剤を塗布してなるフアスナ。
JP4129405A 1992-04-23 1992-04-23 フアスナ Pending JPH05302613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4129405A JPH05302613A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 フアスナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4129405A JPH05302613A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 フアスナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05302613A true JPH05302613A (ja) 1993-11-16

Family

ID=15008742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4129405A Pending JPH05302613A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 フアスナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05302613A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083344A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Kansai Paint Co Ltd 水性被覆組成物
JP2010050461A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Robert Bosch Gmbh 機械的なコンタクトを備えた構成部分及び該構成部分を製造するための方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01108284A (ja) * 1987-10-21 1989-04-25 Three Bond Co Ltd 重合性封着組成物
JPH02173410A (ja) * 1988-12-23 1990-07-04 Toagosei Chem Ind Co Ltd フアスナ
JPH03199706A (ja) * 1989-12-27 1991-08-30 Toagosei Chem Ind Co Ltd フアスナ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01108284A (ja) * 1987-10-21 1989-04-25 Three Bond Co Ltd 重合性封着組成物
JPH02173410A (ja) * 1988-12-23 1990-07-04 Toagosei Chem Ind Co Ltd フアスナ
JPH03199706A (ja) * 1989-12-27 1991-08-30 Toagosei Chem Ind Co Ltd フアスナ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083344A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Kansai Paint Co Ltd 水性被覆組成物
JP2010050461A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Robert Bosch Gmbh 機械的なコンタクトを備えた構成部分及び該構成部分を製造するための方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4417028A (en) Preapplied plastic film adhesive composition
JP6146571B2 (ja) マイクロカプセル型硬化性樹脂組成物
WO1996018701A1 (en) Removable pressure sensitive adhesive and article
EP0952198B1 (en) Precoating type adhesive composition
JP2697140B2 (ja) 接着剤組成物
JPH05302613A (ja) フアスナ
JP2003194032A (ja) 水性分散液型の緩み止め剤組成物
JP2629391B2 (ja) フアスナ
JP3052735B2 (ja) ねじ部材の緩み止め用接着剤組成物
JPH08143822A (ja) 水分散型接着剤組成物
JPH0742719A (ja) フアスナ
JP2595684B2 (ja) 接着剤組成物
JPH05194913A (ja) 接着剤組成物
JPH02173410A (ja) フアスナ
JP2674233B2 (ja) 接着剤組成物
JP2570400B2 (ja) 接着剤組成物
JPH05321920A (ja) セルフロッキング部材およびその製造方法
JPH08232940A (ja) 水分散型接着剤組成物および該水分散型接着剤組成物を使用したボルトまたはナット
JP2666520B2 (ja) ファスナ
JP4715517B2 (ja) マイクロカプセル型接着剤組成物
JPH08302288A (ja) 重合性組成物
JPH10220451A (ja) 接着剤付きファスナーの製造方法
JPH03152168A (ja) 水性樹脂分散液
JPH07233811A (ja) 接着性皮膜付きボルトまたはナットの製造方法
JPH0784576B2 (ja) 接着剤組成物