JPH05301240A - 繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法Info
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- JPH05301240A JPH05301240A JP4109780A JP10978092A JPH05301240A JP H05301240 A JPH05301240 A JP H05301240A JP 4109780 A JP4109780 A JP 4109780A JP 10978092 A JP10978092 A JP 10978092A JP H05301240 A JPH05301240 A JP H05301240A
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- H05K1/032—Organic insulating material consisting of one material
- H05K1/0333—Organic insulating material consisting of one material containing S
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- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/02—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
- H05K3/022—Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 厚みが薄く均一でかつ脆性に優れた、繊維織
物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供す
る。 【構成】 第一の結晶性熱可塑性樹脂フィルム11aの
上に、繊維織物12を載置し、さらにその上に第二の結
晶性熱可塑性樹脂フィルム11bを載置し、オートクレ
ーブ(雰囲気プレス機)中にて熱プレスする。熱プレス
後の冷却工程を毎秒10℃以上で急冷するか、一度完成
した複合フィルムを再度樹脂のガラス転移点以上でかつ
融点以下の温度に昇温し、その後毎秒10℃以上で急冷
する 【効果】 真空中で雰囲気プレスするので、熱成型の難
しい結晶性熱可塑性樹脂複合材フィルムの製造が可能に
なる。また冷却速度を急冷とすることにより、脆性の少
ない繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムが製造で
きる。
物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供す
る。 【構成】 第一の結晶性熱可塑性樹脂フィルム11aの
上に、繊維織物12を載置し、さらにその上に第二の結
晶性熱可塑性樹脂フィルム11bを載置し、オートクレ
ーブ(雰囲気プレス機)中にて熱プレスする。熱プレス
後の冷却工程を毎秒10℃以上で急冷するか、一度完成
した複合フィルムを再度樹脂のガラス転移点以上でかつ
融点以下の温度に昇温し、その後毎秒10℃以上で急冷
する 【効果】 真空中で雰囲気プレスするので、熱成型の難
しい結晶性熱可塑性樹脂複合材フィルムの製造が可能に
なる。また冷却速度を急冷とすることにより、脆性の少
ない繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムが製造で
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は結晶性熱可塑性樹脂を
用いた複合樹脂フィルムに関し、特に繊維織物を複合し
た結晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関する。
用いた複合樹脂フィルムに関し、特に繊維織物を複合し
た結晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性熱可塑性樹脂は、一般的に非結晶
性熱可塑性樹脂に比較して耐熱性が高く、はんだ付け等
を伴う電子回路基板等に有望な樹脂材である。特にフィ
ルム状のものは、回路配線を施した上でフィルムを積層
すれば多層基板が容易に実現できる。しかしながら、結
晶性熱可塑性樹脂フィルムは加熱による収縮が大きく、
溶融時の樹脂粘度も低いため、熱プレスなどの熱加工で
は精度の良い成型加工をすることは困難であった。また
熱収縮や溶融時の樹脂流動を少なくする目的で、ガラス
クロス等の繊維織物を結晶性熱可塑性樹脂以外の樹脂フ
ィルム中に混在させる方法は一般的に行われている。し
かしながら結晶性熱可塑性樹脂の場合は、繊維織物の中
に樹脂を薄く均一に分散させる方法がなく、ガラスクロ
ス等の繊維織物を入れた結晶性熱可塑性樹脂のフィルム
はこれまで作られていなかった。さらに結晶性熱可塑性
樹脂は一度熱による成型加工をすると、脆くなってしま
うという欠点があった。
性熱可塑性樹脂に比較して耐熱性が高く、はんだ付け等
を伴う電子回路基板等に有望な樹脂材である。特にフィ
ルム状のものは、回路配線を施した上でフィルムを積層
すれば多層基板が容易に実現できる。しかしながら、結
晶性熱可塑性樹脂フィルムは加熱による収縮が大きく、
溶融時の樹脂粘度も低いため、熱プレスなどの熱加工で
は精度の良い成型加工をすることは困難であった。また
熱収縮や溶融時の樹脂流動を少なくする目的で、ガラス
クロス等の繊維織物を結晶性熱可塑性樹脂以外の樹脂フ
ィルム中に混在させる方法は一般的に行われている。し
かしながら結晶性熱可塑性樹脂の場合は、繊維織物の中
に樹脂を薄く均一に分散させる方法がなく、ガラスクロ
ス等の繊維織物を入れた結晶性熱可塑性樹脂のフィルム
はこれまで作られていなかった。さらに結晶性熱可塑性
樹脂は一度熱による成型加工をすると、脆くなってしま
うという欠点があった。
【0003】このため結晶性熱可塑性樹脂の加工のほと
んどは射出成型で行われている。射出成型では樹脂単体
のものは少なく、ガラス等のフィラーが入ったものが多
い。射出成型でフィルム状のものを製作することは可能
であるが、フィラーを入れたものは繊維織物を入れたも
のに比べ、熱加工における寸法安定性が悪く強度的にも
劣るという欠点があった。そこで最近ではガラス繊維等
の繊維織物と結晶性熱可塑性樹脂の繊維を混ぜて織った
織物を成型するという方法も行われている。しかしこの
方法では、薄いフィルム状のものは製作できなかった。
んどは射出成型で行われている。射出成型では樹脂単体
のものは少なく、ガラス等のフィラーが入ったものが多
い。射出成型でフィルム状のものを製作することは可能
であるが、フィラーを入れたものは繊維織物を入れたも
のに比べ、熱加工における寸法安定性が悪く強度的にも
劣るという欠点があった。そこで最近ではガラス繊維等
の繊維織物と結晶性熱可塑性樹脂の繊維を混ぜて織った
織物を成型するという方法も行われている。しかしこの
方法では、薄いフィルム状のものは製作できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】結晶性熱可塑性樹脂を
用いて繊維織物複合フィルムを製作するには、上記のよ
うな問題があった。そこで本発明は、厚みが薄く均一で
かつ脆性に優れた、繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造方法を提供しようとするものである。
用いて繊維織物複合フィルムを製作するには、上記のよ
うな問題があった。そこで本発明は、厚みが薄く均一で
かつ脆性に優れた、繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、結晶性熱可塑性樹脂材並びに繊維織物を
積層させた被加工物を、前記結晶性熱可塑性樹脂材の融
点以上の温度で加熱加圧する加熱加圧工程と、この加熱
加圧工程終了後前記被加工物を毎秒10℃以上の速度で
冷却する冷却工程とを備えた製造工程を提供する。
に本発明では、結晶性熱可塑性樹脂材並びに繊維織物を
積層させた被加工物を、前記結晶性熱可塑性樹脂材の融
点以上の温度で加熱加圧する加熱加圧工程と、この加熱
加圧工程終了後前記被加工物を毎秒10℃以上の速度で
冷却する冷却工程とを備えた製造工程を提供する。
【0006】さらに本発明では、前記冷却工程終了後、
再度前記結晶性熱可塑性樹脂材のガラス転移点以上でか
つ融点以下の温度に、前記被加工物を昇温保持する再加
熱工程と、その後毎秒10℃以上の速度で前記被加工物
を再冷却する工程とを備えた製造工程を提供する。
再度前記結晶性熱可塑性樹脂材のガラス転移点以上でか
つ融点以下の温度に、前記被加工物を昇温保持する再加
熱工程と、その後毎秒10℃以上の速度で前記被加工物
を再冷却する工程とを備えた製造工程を提供する。
【0007】
【作用】結晶性熱可塑性樹脂の結晶成長度は、ガラス転
移点以上でかつ融点以下での保持温度、時間、その後の
冷却速度で決定される。希望する結晶成長度が得られる
温度、時間に保持後、急冷すると、結晶はほぼ急冷直前
の状態にとどまって固化する。この性質を利用して所望
の特性を持った繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィル
ムを製造することができるようになった。
移点以上でかつ融点以下での保持温度、時間、その後の
冷却速度で決定される。希望する結晶成長度が得られる
温度、時間に保持後、急冷すると、結晶はほぼ急冷直前
の状態にとどまって固化する。この性質を利用して所望
の特性を持った繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィル
ムを製造することができるようになった。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1を参照して説明
する。
する。
【0009】図1(a)は積層の構成を示した断面図
で、厚さ25μm、融点281℃のポリフェニレンスル
フィド樹脂からなる第1の樹脂フィルム11aの上に、
厚さ50μmのガラスクロス12を載置し、さらにその
上に厚さ25μmのポリフェニレンスルフィド樹脂から
なる第2の樹脂フィルム11bを載置している。前記ガ
ラスクロス12は、ガラス繊維からなる縦糸12aと横
糸12bを織って形成されている。これをオートクレー
ブ(雰囲気プレス機)にいれ、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂の融点以上である300℃で1時間、圧力5kg
/cm2 の条件で加熱加圧する。この結果、図1(b)
のように一体化した厚さ75μmの繊維織物複合ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂フィルム13を製造することが
できる。ここでオートクレーブを使用するのは、温度、
圧力を被加工物に均一にかけることができ、特に被加工
物を後述するように真空中に置くので、被加工物中の気
泡の残留を少なくすることができるからである。
で、厚さ25μm、融点281℃のポリフェニレンスル
フィド樹脂からなる第1の樹脂フィルム11aの上に、
厚さ50μmのガラスクロス12を載置し、さらにその
上に厚さ25μmのポリフェニレンスルフィド樹脂から
なる第2の樹脂フィルム11bを載置している。前記ガ
ラスクロス12は、ガラス繊維からなる縦糸12aと横
糸12bを織って形成されている。これをオートクレー
ブ(雰囲気プレス機)にいれ、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂の融点以上である300℃で1時間、圧力5kg
/cm2 の条件で加熱加圧する。この結果、図1(b)
のように一体化した厚さ75μmの繊維織物複合ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂フィルム13を製造することが
できる。ここでオートクレーブを使用するのは、温度、
圧力を被加工物に均一にかけることができ、特に被加工
物を後述するように真空中に置くので、被加工物中の気
泡の残留を少なくすることができるからである。
【0010】加熱加圧が行われる前の図1(a)の状態
では、第1樹脂フィルム11a,第2樹脂フィルム11
bは結晶構造を保持した状態であるが、加熱加圧が進行
するに従って結晶性が解除され溶融状態となる。この結
果溶融状態となった第1、第2樹脂フィルム11a,1
1bは、ガラスクロス12の繊維内に図1(b)に示す
ごとくに浸透する。その後、後に詳述する冷却を経て、
第1、第2樹脂フィルム11a,11bは、ガラスクロ
ス内に再結晶され繊維織物複合ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂フィルム13が形成される。
では、第1樹脂フィルム11a,第2樹脂フィルム11
bは結晶構造を保持した状態であるが、加熱加圧が進行
するに従って結晶性が解除され溶融状態となる。この結
果溶融状態となった第1、第2樹脂フィルム11a,1
1bは、ガラスクロス12の繊維内に図1(b)に示す
ごとくに浸透する。その後、後に詳述する冷却を経て、
第1、第2樹脂フィルム11a,11bは、ガラスクロ
ス内に再結晶され繊維織物複合ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂フィルム13が形成される。
【0011】ここで図2および図3を用いて、オートク
レーブの構成を説明する。図2はオートクレーブの全体
構成図である。図示していないが外部の高圧供給部より
高圧雰囲気が送り込まれる加圧室21の中には、断熱材
で囲われた熱プレス部25があり、この中に設けられた
ヒータ22と送風機23により加熱雰囲気が作られる。
また加工部24は、ヒ−タ22の下方に配置されるが、
ヒ−タ22と加工部24の間には熱遮蔽板26が設けら
れている。ヒ−タ22の熱は送風機23により矢印27
のように、熱遮蔽板26の側方から加工部24へ伝達さ
れる。熱遮蔽板26を設けたことにより、加工部24へ
の熱が均一に印加される。
レーブの構成を説明する。図2はオートクレーブの全体
構成図である。図示していないが外部の高圧供給部より
高圧雰囲気が送り込まれる加圧室21の中には、断熱材
で囲われた熱プレス部25があり、この中に設けられた
ヒータ22と送風機23により加熱雰囲気が作られる。
また加工部24は、ヒ−タ22の下方に配置されるが、
ヒ−タ22と加工部24の間には熱遮蔽板26が設けら
れている。ヒ−タ22の熱は送風機23により矢印27
のように、熱遮蔽板26の側方から加工部24へ伝達さ
れる。熱遮蔽板26を設けたことにより、加工部24へ
の熱が均一に印加される。
【0012】図3は加工部24を拡大して示したもので
あり、金属製プレート28の上に載置された被加工物2
9は、カバーシート27で覆われ、カバーシート27と
金属製プレート28の間にはパッキン30が設けられて
いる。また金属製プレート28の一端には、真空吸引口
31が設けられている。このような構成のオ−トクレ−
ブを用いて加熱加圧する工程を次に説明する。
あり、金属製プレート28の上に載置された被加工物2
9は、カバーシート27で覆われ、カバーシート27と
金属製プレート28の間にはパッキン30が設けられて
いる。また金属製プレート28の一端には、真空吸引口
31が設けられている。このような構成のオ−トクレ−
ブを用いて加熱加圧する工程を次に説明する。
【0013】被加工物29は、真空吸引によりカバーシ
ート27を介して加熱加圧される。被加工物29は、真
空状態で均一に加熱加圧されるので、樹脂が織物の中に
充分に浸透し、その後の冷却を経て均質な積層フィルム
を得ることができる。
ート27を介して加熱加圧される。被加工物29は、真
空状態で均一に加熱加圧されるので、樹脂が織物の中に
充分に浸透し、その後の冷却を経て均質な積層フィルム
を得ることができる。
【0014】加熱加圧直後300℃のポリフェニレンス
ルフィド樹脂は、結晶成長がほとんど進行していない状
態にあるが、これを毎秒10℃以上の降温速度で急激に
降温してゆくと、ポリフェニレンスルフィド樹脂の結晶
成長が抑さえられ、前記複合材樹脂フィルムを徐冷した
ものに比べ脆くないものを得ることができる。次に降温
速度と脆性の関係について、図4を用いて説明する。
ルフィド樹脂は、結晶成長がほとんど進行していない状
態にあるが、これを毎秒10℃以上の降温速度で急激に
降温してゆくと、ポリフェニレンスルフィド樹脂の結晶
成長が抑さえられ、前記複合材樹脂フィルムを徐冷した
ものに比べ脆くないものを得ることができる。次に降温
速度と脆性の関係について、図4を用いて説明する。
【0015】図4は、脆性をポリフェニレンスルフィド
樹脂の引張強度に置換え、加熱後の降温速度との関係を
実験的に求めて図示したものである。すなわちポリフェ
ニレンスルフィド樹脂フィルム表面に熱可塑性導電性樹
脂ペーストを2mm角に印刷する。これを300℃で熱
板プレスし、その後の降温速度を変化させた。この後無
電解銅メッキを行い、印刷されたパターン上のみに選択
的に銅を析出させた。このパターン上に錫メッキ軟銅線
を垂直にはんだ付けし、垂直方向に引張った時の破断強
度を測定した。破断は軟銅線やはんだ付け部で生ずるこ
ともあるが、ポリフェニレンスルフィド樹脂が破壊され
た時のデータのみを選択し、図示したものが図4であ
る。この方法での引張強度は、実用的見地から0.7k
g/mm2 以上必要であり、これを達成するには降温速
度を毎秒10℃以上にすればよいことがわかる。
樹脂の引張強度に置換え、加熱後の降温速度との関係を
実験的に求めて図示したものである。すなわちポリフェ
ニレンスルフィド樹脂フィルム表面に熱可塑性導電性樹
脂ペーストを2mm角に印刷する。これを300℃で熱
板プレスし、その後の降温速度を変化させた。この後無
電解銅メッキを行い、印刷されたパターン上のみに選択
的に銅を析出させた。このパターン上に錫メッキ軟銅線
を垂直にはんだ付けし、垂直方向に引張った時の破断強
度を測定した。破断は軟銅線やはんだ付け部で生ずるこ
ともあるが、ポリフェニレンスルフィド樹脂が破壊され
た時のデータのみを選択し、図示したものが図4であ
る。この方法での引張強度は、実用的見地から0.7k
g/mm2 以上必要であり、これを達成するには降温速
度を毎秒10℃以上にすればよいことがわかる。
【0016】ただし加熱加圧(熱プレス)直後の急冷
が、前記図2、図3で示したオートクレーブのように、
装置の構造上難しい場合がある。すなわちオートクレー
ブの場合には、熱プレス直後に冷却を目的として被加工
物を取出すことが、常圧戻し等の手順が必要であって困
難を伴う。その場合には、冷却が終わり熱プレス機より
取出した被加工物を、オーブン等に入れ再度樹脂のガラ
ス転移点以上でかつ融点以下の温度に昇温し、その後急
冷することにより所望の特性を得ることができる。ここ
でガラス転移点以上でかつ融点以下の温度としたのは、
成型品の形状が変わらず、かつ結晶の変化が顕著な領域
に保持するためである。この再加熱、急冷が有効である
理由を、次に事例を用いて説明する。
が、前記図2、図3で示したオートクレーブのように、
装置の構造上難しい場合がある。すなわちオートクレー
ブの場合には、熱プレス直後に冷却を目的として被加工
物を取出すことが、常圧戻し等の手順が必要であって困
難を伴う。その場合には、冷却が終わり熱プレス機より
取出した被加工物を、オーブン等に入れ再度樹脂のガラ
ス転移点以上でかつ融点以下の温度に昇温し、その後急
冷することにより所望の特性を得ることができる。ここ
でガラス転移点以上でかつ融点以下の温度としたのは、
成型品の形状が変わらず、かつ結晶の変化が顕著な領域
に保持するためである。この再加熱、急冷が有効である
理由を、次に事例を用いて説明する。
【0017】前記図1、図2、図3により説明した実施
例と同じ構成で熱プレスし、徐冷した繊維織物複合ポリ
フェニレンスルフィド樹脂フィルムを、270℃で5分
間保持し、その後の降温速度を変化させて降温速度毎の
試料を作成した。夫々の試料に対し、処理前後の寸法変
化率と、処理後の引張り強度(前記引張り強度の条件に
同じ)を測定し、その相関関係を図5に示した。270
℃への昇温で結晶成長度が低下するが、その後急冷する
と結晶成長度が低い状態で固化し、引張り強度は高くな
る。しかし結晶成長度が処理前に比べ低下したので、寸
法変化率は大きくなる。徐冷の場合は結晶成長度が高く
なるので脆くなるが、寸法変化率は小さくなる。すなわ
ち再加熱後の降温速度を制御することにより、引張り強
度と寸法変化率のバランスをとりつつ、所望の特性に合
った繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製作す
ることもできる。
例と同じ構成で熱プレスし、徐冷した繊維織物複合ポリ
フェニレンスルフィド樹脂フィルムを、270℃で5分
間保持し、その後の降温速度を変化させて降温速度毎の
試料を作成した。夫々の試料に対し、処理前後の寸法変
化率と、処理後の引張り強度(前記引張り強度の条件に
同じ)を測定し、その相関関係を図5に示した。270
℃への昇温で結晶成長度が低下するが、その後急冷する
と結晶成長度が低い状態で固化し、引張り強度は高くな
る。しかし結晶成長度が処理前に比べ低下したので、寸
法変化率は大きくなる。徐冷の場合は結晶成長度が高く
なるので脆くなるが、寸法変化率は小さくなる。すなわ
ち再加熱後の降温速度を制御することにより、引張り強
度と寸法変化率のバランスをとりつつ、所望の特性に合
った繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製作す
ることもできる。
【0018】上記実施例では、オ−トクレ−ブを使用す
る方法を説明したが、本発明はこれのみに限定されるも
のではなく、精度の良い熱板プレス機、ラミネータを使
用してもよいことはいうまでもない。
る方法を説明したが、本発明はこれのみに限定されるも
のではなく、精度の良い熱板プレス機、ラミネータを使
用してもよいことはいうまでもない。
【0019】また上記実施例では、繊維織物を第1樹脂
フィルムと第2樹脂フィルムで挟む構成をとっている
が、フィルム表面の平滑度、そりがさほど要求されない
場合には、いずれか一つの樹脂フィルムを省略してもよ
い。このような場合には、樹脂フィルムに代えて粉状あ
るいは粒状の結晶性熱可塑性樹脂を使用することもでき
る。
フィルムと第2樹脂フィルムで挟む構成をとっている
が、フィルム表面の平滑度、そりがさほど要求されない
場合には、いずれか一つの樹脂フィルムを省略してもよ
い。このような場合には、樹脂フィルムに代えて粉状あ
るいは粒状の結晶性熱可塑性樹脂を使用することもでき
る。
【0020】また繊維織物としては、ガラスクロスの代
わりに炭素繊維織物、ポリアミド樹脂織物、アルミナ繊
維織物等が使用可能である。繊維織物の代わりに紙の様
に繊維方向が一定していないものも使用できるが、寸法
安定性はそれほど高くない。樹脂はポリフェニレンスル
フィドの代わりにポリエーテルエーテルケトン、液晶ポ
リマー等が使用できる。
わりに炭素繊維織物、ポリアミド樹脂織物、アルミナ繊
維織物等が使用可能である。繊維織物の代わりに紙の様
に繊維方向が一定していないものも使用できるが、寸法
安定性はそれほど高くない。樹脂はポリフェニレンスル
フィドの代わりにポリエーテルエーテルケトン、液晶ポ
リマー等が使用できる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繊維織物を複合した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを成型
することができると共に、熱可塑性樹脂の融点以上の温
度から急冷するか、一度完成した繊維織物複合結晶性熱
可塑性樹脂フィルムを、再度樹脂のガラス転移点以上で
かつ融点以下の温度に昇温し、その後急冷することによ
り、脆性に優れた繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィ
ルムを作ることが可能になる。また降温速度を制御する
ことにより、引張り強度と寸法変化率のバランスのとれ
た繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製作する
こともできる。
繊維織物を複合した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを成型
することができると共に、熱可塑性樹脂の融点以上の温
度から急冷するか、一度完成した繊維織物複合結晶性熱
可塑性樹脂フィルムを、再度樹脂のガラス転移点以上で
かつ融点以下の温度に昇温し、その後急冷することによ
り、脆性に優れた繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィ
ルムを作ることが可能になる。また降温速度を制御する
ことにより、引張り強度と寸法変化率のバランスのとれ
た繊維織物複合結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製作する
こともできる。
【図1】本発明の実施例における繊維織物複合結晶性熱
可塑性樹脂フィルムの構成を示す断面図である。
可塑性樹脂フィルムの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例におけるオートクレーブの構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】本発明の実施例における降温速度と引張り強度
の関連図である。
の関連図である。
【図5】本発明の実施例における寸法変化率と引張り強
度の関連図である。
度の関連図である。
11a,11b…第1、第2樹脂フィルム 12 …ガラスクロス 12a,12b…縦糸、横糸 13 …複合樹脂フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08
Claims (10)
- 【請求項1】 結晶性熱可塑性樹脂材並びに繊維織物を
積層させた被加工物を、前記結晶性熱可塑性樹脂材の融
点以上の温度で加熱加圧する加熱加圧工程と、この加熱
加圧工程終了後前記被加工物を毎秒10℃以上の速度で
冷却する冷却工程とを具備することを特徴とする繊維織
物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項2】 前記被加工物は、第1の結晶性熱可塑性
樹脂材と第2の結晶性熱可塑性樹脂材と間に、繊維織物
を介在させて形成することを特徴とする請求項1記載の
繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 前記第1並びに第2の結晶性熱可塑性樹
脂材は、いずれもフィルム状部材であることを特徴とす
る請求項2記載の繊維織物複合樹脂フィルムの製造方
法。 - 【請求項4】 前記第1の結晶性熱可塑性樹脂材がフィ
ルム状部材であり、前記第2の結晶性熱可塑性樹脂材が
粉状部材または粒状部材であることを特徴とする請求項
2記載の繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項5】 前記冷却工程終了後、再度前記結晶性熱
可塑性樹脂材のガラス転移点以上でかつ融点以下の温度
に、前記被加工物を昇温保持する再加熱工程と、その後
毎秒10℃以上の速度で前記被加工物を再冷却する工程
とを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4記
載の繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項6】 前記結晶性熱可塑性樹脂材はポリフェニ
レンスルフィド樹脂であり、前記繊維織物はガラスクロ
スであることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の
繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項7】 第1並びに第2の結晶性熱可塑性樹脂フ
ィルムの間に、繊維織物が挿入された被加工物を支持台
上に載置する工程と、前記被加工物を耐熱シートで気密
に覆う工程と、前記耐熱シート内を真空吸引する工程
と、前記耐熱シートを介して前記被加工物を加熱加圧す
る工程と、前記加熱加圧工程終了後前記被加工物を冷却
する工程とを具備することを特徴とする繊維織物複合樹
脂フィルムの製造方法。 - 【請求項8】 前記冷却工程は、毎秒10℃以上の速度
で前記被加工物を降温する工程であることを特徴とする
請求項7記載の繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項9】 前記冷却工程終了後、再度前記第1並び
に第2の結晶性熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点以
上でかつ融点以下の温度に、前記被加工物を昇温保持す
る再加熱工程と、その後毎秒10℃以上の速度で前記被
加工物を再冷却する工程とを具備することを特徴とする
請求項7記載の繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項10】 前記第1並びに第2の結晶性熱可塑性
樹脂フィルムはポリフェニレンスルフィド樹脂であり、
前記繊維織物はガラスクロスであることを特徴とする請
求項7乃至請求項9記載の繊維織物複合樹脂フィルムの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4109780A JPH05301240A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4109780A JPH05301240A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05301240A true JPH05301240A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=14519041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4109780A Pending JPH05301240A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 繊維織物複合樹脂フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05301240A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11315470A (ja) * | 1998-01-08 | 1999-11-16 | Ten Cate Advanced Composites Bv | 炭素繊維織物の製造法 |
JP2012111101A (ja) * | 2010-11-24 | 2012-06-14 | Sanko Gosei Ltd | 賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品 |
JP2013046977A (ja) * | 2011-08-29 | 2013-03-07 | Sanko Gosei Ltd | 賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品 |
JP2014513639A (ja) * | 2011-04-01 | 2014-06-05 | ロックツール | 連続繊維、特に天然由来の繊維によって強化された熱可塑性基質を有する複合材料の部品を圧縮一体化するための装置および方法 |
JP2021014558A (ja) * | 2019-07-16 | 2021-02-12 | 旭化成株式会社 | 連続繊維強化樹脂複合材料及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP4109780A patent/JPH05301240A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11315470A (ja) * | 1998-01-08 | 1999-11-16 | Ten Cate Advanced Composites Bv | 炭素繊維織物の製造法 |
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JP2014513639A (ja) * | 2011-04-01 | 2014-06-05 | ロックツール | 連続繊維、特に天然由来の繊維によって強化された熱可塑性基質を有する複合材料の部品を圧縮一体化するための装置および方法 |
JP2013046977A (ja) * | 2011-08-29 | 2013-03-07 | Sanko Gosei Ltd | 賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品 |
JP2021014558A (ja) * | 2019-07-16 | 2021-02-12 | 旭化成株式会社 | 連続繊維強化樹脂複合材料及びその製造方法 |
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