JPH05295038A - 低温成形用フッ素樹脂 - Google Patents
低温成形用フッ素樹脂Info
- Publication number
- JPH05295038A JPH05295038A JP4101112A JP10111292A JPH05295038A JP H05295038 A JPH05295038 A JP H05295038A JP 4101112 A JP4101112 A JP 4101112A JP 10111292 A JP10111292 A JP 10111292A JP H05295038 A JPH05295038 A JP H05295038A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluororesin
- low
- mol
- formula
- molding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】一般の成形機による200℃以下での成形が可
能であって、且つ低融点の汎用樹脂との共押し出し成形
が可能である新規なフッ素樹脂を提供することを主な目
的とする。 【構成】 (a)式 −CH2 −CF2 − で示される構造単位55〜90モル% (b)式 −CF2 −CF2 − で示される構造単位5〜35モル%および (c)式 は炭素数1〜6のパーフルオロアルキルを示す)で示さ
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からなる
フッ素樹脂であって、 (d)分子量が重量平均分子量として15万以上且つ数
平均分子量として6万以上であり、 (e)180℃における溶融粘度が、剪断速度1×10
3 /秒において、1×103 〜1×106 ポイズの範囲
内にあり、 (f)融点が70〜150℃の範囲内にあることを特徴
とする低温成形用フッ素樹脂。
能であって、且つ低融点の汎用樹脂との共押し出し成形
が可能である新規なフッ素樹脂を提供することを主な目
的とする。 【構成】 (a)式 −CH2 −CF2 − で示される構造単位55〜90モル% (b)式 −CF2 −CF2 − で示される構造単位5〜35モル%および (c)式 は炭素数1〜6のパーフルオロアルキルを示す)で示さ
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からなる
フッ素樹脂であって、 (d)分子量が重量平均分子量として15万以上且つ数
平均分子量として6万以上であり、 (e)180℃における溶融粘度が、剪断速度1×10
3 /秒において、1×103 〜1×106 ポイズの範囲
内にあり、 (f)融点が70〜150℃の範囲内にあることを特徴
とする低温成形用フッ素樹脂。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温成形用フッ素樹脂
に関する。
に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来一般的に使用されている
成形用フッ素樹脂には、FEP(テトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体)、PFA
(テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテ
ルとの共重合体)、ETFT(テトラフルオロエチレン
とエチレンとの共重合体)などがある。しかしながら、
これら樹脂の融点は250℃以上であるため、成形を3
00℃以上の温度で行なう必要があり、一般汎用樹脂
(例えば、塩化ビニル、ポリプロピレンなど)用の成形
機を使用することはできず、特殊なライニングを施した
成形機を使用しなければならない。また、フッ素樹脂中
では比較的低融点(173〜175℃程度)であるフッ
化ビニリデン単独重合体も、200℃以下で成形するこ
とは困難である。従って、一般の成形機による成形が可
能であって、且つ前記の汎用樹脂(例えば、塩化ビニル
の場合、その分解防止のために、成形温度は通常180
℃以下である)との共押し出し成形が可能である新規な
フッ素樹脂の出現が望まれている。
成形用フッ素樹脂には、FEP(テトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体)、PFA
(テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテ
ルとの共重合体)、ETFT(テトラフルオロエチレン
とエチレンとの共重合体)などがある。しかしながら、
これら樹脂の融点は250℃以上であるため、成形を3
00℃以上の温度で行なう必要があり、一般汎用樹脂
(例えば、塩化ビニル、ポリプロピレンなど)用の成形
機を使用することはできず、特殊なライニングを施した
成形機を使用しなければならない。また、フッ素樹脂中
では比較的低融点(173〜175℃程度)であるフッ
化ビニリデン単独重合体も、200℃以下で成形するこ
とは困難である。従って、一般の成形機による成形が可
能であって、且つ前記の汎用樹脂(例えば、塩化ビニル
の場合、その分解防止のために、成形温度は通常180
℃以下である)との共押し出し成形が可能である新規な
フッ素樹脂の出現が望まれている。
【0003】さらに、フッ素樹脂は、他の観点からも、
性質の改善が求められている。例えば、従来のフッ素樹
脂は、結晶性の高い高分子であり、溶融成形時に比較的
大きな球晶を生成しやすい。この球晶のサイズは、成形
時の冷却過程の冷却速度により異なるが、数μmから数
百μmの範囲にあり、経時的にストレスクラックの発生
原因となる。
性質の改善が求められている。例えば、従来のフッ素樹
脂は、結晶性の高い高分子であり、溶融成形時に比較的
大きな球晶を生成しやすい。この球晶のサイズは、成形
時の冷却過程の冷却速度により異なるが、数μmから数
百μmの範囲にあり、経時的にストレスクラックの発生
原因となる。
【0004】また、従来のフッ素樹脂は、殆どの有機溶
媒に不溶であるため、溶剤回収が困難であり、リサイク
ルが難しい。
媒に不溶であるため、溶剤回収が困難であり、リサイク
ルが難しい。
【0005】特開平2−123152号公報は、フッ化
ビニリデン、テトラフルオロエチレン−クロロトリフル
オロエチレン共重合体およびアクリルレジンをブレンド
したコーティング組成物を提案している。しかしなが
ら、このコーティングに適した組成物は、構成成分であ
るフルオロターポリマーの分子量が低いため、機械的強
度が低く、成形用樹脂としては、満足すべきものではな
い。また、有機溶剤溶解型の塗料用樹脂として、フッ化
ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(例えば、商標名“カイナーAD
S”としてペンウォルト社から市販されている)も、知
られている。しかしながら、この樹脂も、低分子量であ
るため、成型用樹脂としての性能は、満足すべきもので
はない。
ビニリデン、テトラフルオロエチレン−クロロトリフル
オロエチレン共重合体およびアクリルレジンをブレンド
したコーティング組成物を提案している。しかしなが
ら、このコーティングに適した組成物は、構成成分であ
るフルオロターポリマーの分子量が低いため、機械的強
度が低く、成形用樹脂としては、満足すべきものではな
い。また、有機溶剤溶解型の塗料用樹脂として、フッ化
ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(例えば、商標名“カイナーAD
S”としてペンウォルト社から市販されている)も、知
られている。しかしながら、この樹脂も、低分子量であ
るため、成型用樹脂としての性能は、満足すべきもので
はない。
【0006】またさらに、上記とは異なるフッ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(例えば、商標名“オスタフロン”として
ヘキスト社からから市販されている)も、知られてい
る。しかしながら、この樹脂は、テトラフルオロエチレ
ンの共重合割合が多いので、融点が160〜185℃と
高く、200℃以下で押し出しを行なうと、あらゆる剪
断速度域でメルトフラクチャーを起こすという問題点が
ある。また、この樹脂は、溶剤溶解性が低く、溶剤回収
が困難である。
デン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(例えば、商標名“オスタフロン”として
ヘキスト社からから市販されている)も、知られてい
る。しかしながら、この樹脂は、テトラフルオロエチレ
ンの共重合割合が多いので、融点が160〜185℃と
高く、200℃以下で押し出しを行なうと、あらゆる剪
断速度域でメルトフラクチャーを起こすという問題点が
ある。また、この樹脂は、溶剤溶解性が低く、溶剤回収
が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、一
般の成形機による200℃以下での成形が可能であっ
て、且つ低融点の汎用樹脂との共押し出し成形が可能で
ある新規なフッ素樹脂を提供することを主な目的とす
る。
般の成形機による200℃以下での成形が可能であっ
て、且つ低融点の汎用樹脂との共押し出し成形が可能で
ある新規なフッ素樹脂を提供することを主な目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、特定の構造単
位の組合わせからなり、分子量を特定値以上とした共重
合フッ素樹脂が、上記の目的に合致することを見出し
た。
な技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、特定の構造単
位の組合わせからなり、分子量を特定値以上とした共重
合フッ素樹脂が、上記の目的に合致することを見出し
た。
【0009】すなわち、本発明は、下記の低温成形用フ
ッ素樹脂を提供するものである: (a)式 −CH2 −CF2 − で示される構造単位55〜90モル% (b)式 −CF2 −CF2 − で示される構造単位5〜35モル%および (c)式 は炭素数1〜6のパーフルオロアルキルを示す)で示さ
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からなる
フッ素樹脂であって、 (d)分子量が重量平均分子量として15万以上且つ数
平均分子量として6万以上であり、 (e)180℃における溶融粘度が、剪断速度1×10
3 /秒において、1×103 〜1×106 ポイズの範囲
内にあり、 (f)融点が70〜150℃の範囲内にあることを特徴
とする低温成形用フッ素樹脂。
ッ素樹脂を提供するものである: (a)式 −CH2 −CF2 − で示される構造単位55〜90モル% (b)式 −CF2 −CF2 − で示される構造単位5〜35モル%および (c)式 は炭素数1〜6のパーフルオロアルキルを示す)で示さ
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からなる
フッ素樹脂であって、 (d)分子量が重量平均分子量として15万以上且つ数
平均分子量として6万以上であり、 (e)180℃における溶融粘度が、剪断速度1×10
3 /秒において、1×103 〜1×106 ポイズの範囲
内にあり、 (f)融点が70〜150℃の範囲内にあることを特徴
とする低温成形用フッ素樹脂。
【0010】本発明によるフッ素樹脂共重合体は、
(a)式
−CH2 −CF2 −
で示される構造単位55〜90モル%
(b)式
−CF2 −CF2 −
で示される構造単位5〜35モル%および
(c)式
は炭素数1〜6のパーフルオロアルキルを示す)で示さ
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からな
り、その融点が70〜150℃の範囲内にある。特に、
構造単位(a):(b):(c)=60〜90モル%:
10〜30モル%:2〜10モル%の割合とする場合に
は、融点が80℃以上で且つ結晶性が低く、ガソリン
(石油系)、メタノールには不溶であるが、その他の種
々の有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)に
対する溶解性に優れた共重合体が得られるので、より好
ましい。
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からな
り、その融点が70〜150℃の範囲内にある。特に、
構造単位(a):(b):(c)=60〜90モル%:
10〜30モル%:2〜10モル%の割合とする場合に
は、融点が80℃以上で且つ結晶性が低く、ガソリン
(石油系)、メタノールには不溶であるが、その他の種
々の有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)に
対する溶解性に優れた共重合体が得られるので、より好
ましい。
【0011】さらに、本発明によるフッ素樹脂の分子量
に関しては、ゲルパーメーションクロマトグラフィーで
テトラヒドロフランを溶媒としてポロスチレン換算で測
定した重量平均分子量(Mw)で15万以上、数平均分
子量(Mn)で6万以上であること、および180℃に
おける溶融粘度が、剪断速度1×103 /秒において、
1×103 〜1×106 ポイズの範囲内にあることを必
須とする。これらの要件を具備する本発明によるフッ素
樹脂は、成形材料としての十分な機械的強度を具備して
いる。なお、本発明によるフッ素樹脂は、ジメチルホル
ムアミド中35℃における極限粘度[η]が、0.9以
上である。
に関しては、ゲルパーメーションクロマトグラフィーで
テトラヒドロフランを溶媒としてポロスチレン換算で測
定した重量平均分子量(Mw)で15万以上、数平均分
子量(Mn)で6万以上であること、および180℃に
おける溶融粘度が、剪断速度1×103 /秒において、
1×103 〜1×106 ポイズの範囲内にあることを必
須とする。これらの要件を具備する本発明によるフッ素
樹脂は、成形材料としての十分な機械的強度を具備して
いる。なお、本発明によるフッ素樹脂は、ジメチルホル
ムアミド中35℃における極限粘度[η]が、0.9以
上である。
【0012】また、本発明によるフッ素樹脂は、耐酸
性、耐アルカリ性、耐候性、耐汚性などにも優れてい
る。
性、耐アルカリ性、耐候性、耐汚性などにも優れてい
る。
【0013】本発明のフッ素樹脂は、乳化重合法、懸濁
重合法、溶液重合法などの通常のラジカル重合法によ
り、製造することができる。特に、本発明が目的とする
高分子量体の製造には、乳化重合法および懸濁重合法が
好適である。
重合法、溶液重合法などの通常のラジカル重合法によ
り、製造することができる。特に、本発明が目的とする
高分子量体の製造には、乳化重合法および懸濁重合法が
好適である。
【0014】本発明のフッ素樹脂を製造するに際して使
用する重合開始剤としては、乳化重合法では、水溶性の
開始剤が一般に用いられ、例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウムおよびこれらの酸化剤と還元剤(例
えば、亜硫酸ナトリウムなど)および遷移金属塩(例え
ば硫酸鉄など)からなるレドックス開始剤、過酸化水
素、水溶性アゾ化合物などが好適であり、懸濁重合法お
よび溶液重合法では、アゾ系化合物(例えば、アゾビス
イソブチロニトリルなど)、有機過酸化物(例えば、イ
ソブチリルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなど)などが
好適である。
用する重合開始剤としては、乳化重合法では、水溶性の
開始剤が一般に用いられ、例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウムおよびこれらの酸化剤と還元剤(例
えば、亜硫酸ナトリウムなど)および遷移金属塩(例え
ば硫酸鉄など)からなるレドックス開始剤、過酸化水
素、水溶性アゾ化合物などが好適であり、懸濁重合法お
よび溶液重合法では、アゾ系化合物(例えば、アゾビス
イソブチロニトリルなど)、有機過酸化物(例えば、イ
ソブチリルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなど)などが
好適である。
【0015】重合温度および圧力は、いずれの重合方法
においても、通常0〜150℃程度および1〜50kg
/cm2 ・G程度である。
においても、通常0〜150℃程度および1〜50kg
/cm2 ・G程度である。
【0016】重合媒体は、乳化重合法では、水を使用す
る。また、懸濁重合法では、例えば、水、1,1,2−
トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2
−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンな
どのクロロフルオロ炭化水素類、或いはこれらの混合物
を使用する。
る。また、懸濁重合法では、例えば、水、1,1,2−
トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2
−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンな
どのクロロフルオロ炭化水素類、或いはこれらの混合物
を使用する。
【0017】乳化重合法においてしようする乳化剤とし
ては、C7 F15COONH4 、H(CF2 )8 COON
H4 、H(CF2 )6 COONH4 、C7 F15COON
aなどが挙げられる。
ては、C7 F15COONH4 、H(CF2 )8 COON
H4 、H(CF2 )6 COONH4 、C7 F15COON
aなどが挙げられる。
【0018】
【発明の効果】本発明による低温成形用フッ素樹脂は、
結晶性が低く、有機溶媒に対する溶解性に優れ、成形材
料としての十分な機械的強度を具備し、耐酸性、耐アル
カリ性、耐候性、耐汚性などにも優れている。
結晶性が低く、有機溶媒に対する溶解性に優れ、成形材
料としての十分な機械的強度を具備し、耐酸性、耐アル
カリ性、耐候性、耐汚性などにも優れている。
【0019】この様な特性を有する本発明による低温成
形用フッ素樹脂は、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂な
どとの共押し出し成形による表面改質を行なったフィル
ム、テント材、一般的な押出成形材などとして有用であ
る。また、耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性を必要
とする容器、ライニング材;半導体分野での超純水配
管、ウェハーキャリアー;自動車のガソリン(石油系)
タンク、ガソリン(石油系)ホースなどの材料として極
めて有用である。
形用フッ素樹脂は、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂な
どとの共押し出し成形による表面改質を行なったフィル
ム、テント材、一般的な押出成形材などとして有用であ
る。また、耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性を必要
とする容器、ライニング材;半導体分野での超純水配
管、ウェハーキャリアー;自動車のガソリン(石油系)
タンク、ガソリン(石油系)ホースなどの材料として極
めて有用である。
【0020】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
特徴とするところをより一層明確にする。
【0021】実施例1
容量3.6リットルのオートクレーブに水700gおよ
び1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロ
エタン1180gを仕込み、オートクレーブの空間を窒
素で置換した後、さらにフッ化ビニリデン(VdF)7
5.2g、4フッ化エチレン(TFE)10.6gおよ
びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)1.5gを
仕込んだ。オートクレーブを40℃に加熱し、十分攪拌
した後、ジイソプロピルパーオキシジカーボネネート
2.5gを添加し、重合を開始した。重合圧力が8.0
kg/cm2 に維持されるように、VdF/TFE/C
TFE=80/15/5(モル比)の混合物を供給しつ
つ、12時間重合を行なった後、生成した共重合体を分
取し、80℃で減圧乾燥して、共重合体200gを得
た。
び1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロ
エタン1180gを仕込み、オートクレーブの空間を窒
素で置換した後、さらにフッ化ビニリデン(VdF)7
5.2g、4フッ化エチレン(TFE)10.6gおよ
びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)1.5gを
仕込んだ。オートクレーブを40℃に加熱し、十分攪拌
した後、ジイソプロピルパーオキシジカーボネネート
2.5gを添加し、重合を開始した。重合圧力が8.0
kg/cm2 に維持されるように、VdF/TFE/C
TFE=80/15/5(モル比)の混合物を供給しつ
つ、12時間重合を行なった後、生成した共重合体を分
取し、80℃で減圧乾燥して、共重合体200gを得
た。
【0022】得られた共重合体をNMRにより分析した
結果、共重合物は、VdF/TFE/CTFE=82/
14/4(モル比)の割合で構成されていることが確認
された。
結果、共重合物は、VdF/TFE/CTFE=82/
14/4(モル比)の割合で構成されていることが確認
された。
【0023】得られた共重合体の物性を表1および表2
に示す。なお、表1および表2には、以下の実施例およ
び比較例で得られた共重合体の物性をも併せて示す。
に示す。なお、表1および表2には、以下の実施例およ
び比較例で得られた共重合体の物性をも併せて示す。
【0024】また、これらの各物性は、以下の様にして
測定した。
測定した。
【0025】(1)分子量MwおよびMn(ゲルパーメ
ーションクロマトグラフィ) テトラヒドロフランを溶媒とし、スチレン−ビニルベン
ゼン共重合体カラムで示差屈折計を検出器として検出し
た。
ーションクロマトグラフィ) テトラヒドロフランを溶媒とし、スチレン−ビニルベン
ゼン共重合体カラムで示差屈折計を検出器として検出し
た。
【0026】(2)極限粘度[η]
ジメチルホルムアミドを溶媒とし、ウベローデ型粘度計
を使用して35℃で測定した。
を使用して35℃で測定した。
【0027】(3)溶融粘度(ポイズ)
東洋精機(株)製のキャピログラフを使用し、キャピラ
リー(ダイ長さ20mm、ダイ穴直径1mm)を用いて18
0℃で測定した。
リー(ダイ長さ20mm、ダイ穴直径1mm)を用いて18
0℃で測定した。
【0028】但し、比較例2および3の結果は、200
℃での値であり、比較例4の結果は、230〜270℃
での値である。
℃での値であり、比較例4の結果は、230〜270℃
での値である。
【0029】(4)成形性
A…180℃で押出し容易
B…180℃ではメルトフラクチャー
C…180℃では押出せない
(5)融点
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計を使用し、20
℃/分の昇温速度で測定した。
℃/分の昇温速度で測定した。
【0030】(6)溶剤溶解性
アセトンに対する溶解性を25℃で測定した。
【0031】◎…10%以上可溶
○…5〜10%可溶
×…膨潤ないし不溶
(7)MIT
ASTM D2176−69に準拠した測定法により、
90mm×12.7mm×220μmの試験片を使用して、
荷重1.25kgfで測定した時の破断までの回数を調
べた。
90mm×12.7mm×220μmの試験片を使用して、
荷重1.25kgfで測定した時の破断までの回数を調
べた。
【0032】(8)引張強度
ASTM D638に準拠して、オリエンテック社製テ
ンシロン測定機(UCT−500)により測定した。
ンシロン測定機(UCT−500)により測定した。
【0033】実施例2〜3
実施例1と同様の手法により、表1に示す組成の共重合
フッ素樹脂を得た。
フッ素樹脂を得た。
【0034】比較例1〜2
分子量調整剤として酢酸エチルを使用し、実施例1と同
様の手法により、表1に示す組成の共重合フッ素樹脂を
得た。
様の手法により、表1に示す組成の共重合フッ素樹脂を
得た。
【0035】比較例3
市販のVdF/TFE/HFP共重合体(商標“ホスタ
フロンTFB”、ヘキスト社製)について各物性を試験
した。
フロンTFB”、ヘキスト社製)について各物性を試験
した。
【0036】比較例4
市販のVdFホモポリマー(商標“ネフロンVP−85
0”、ダイキン工業(株)製)について各物性を試験し
た。
0”、ダイキン工業(株)製)について各物性を試験し
た。
【0037】
表 1
組成 Mw Mn [η] 溶融粘度
(×10 3 ) (×10 3 ) (poise )
実施例
1 VdF/TFE/CTFE=82/14/4 372 127 1.302 6.2 ×103
2 VdF/TFE/HFP=82/14/4 479 144 1.582 5.5 ×103
3 VdF/TFE/CTFE=62/28/10 430 135 1.380 7.4 ×103
比較例
1 VdF/TFE/CTFE=82/14/4 65 32 0.350 2.1 ×102
2 VdF/TFE/CTFE=50/40/10 − − − 3.7 ×103
3 VdF/TFE/HFP 市販品 − − − 3.5 ×103
4 VdFホモポリマー − − 0.930 103
〜105 表 2 成形性 融点 溶剤溶解性 MIT 引張強度 (℃) (kgf/ cm 2 ) 実施例 1 A 112 ◎ 20×104 以上 360 2 A 103 ◎ 20×104 以上 290 3 A 130 ◎ 20×104 以上 240 比較例 1 − 112 ◎ 850 110 2 B 161 × 20×104 以上 265 3 B 160-185 × 20×104 以上 240 4 C 173-175 × 20×104 以上 400-600 表1および表2に示す結果から、本発明による低温成形
用共重合フッ素樹脂は、200℃以下において成形用塩
化ビニル樹脂と同程度の溶融粘度を有しおり、且つ機械
的強度にも優れていることが明らかである。
〜105 表 2 成形性 融点 溶剤溶解性 MIT 引張強度 (℃) (kgf/ cm 2 ) 実施例 1 A 112 ◎ 20×104 以上 360 2 A 103 ◎ 20×104 以上 290 3 A 130 ◎ 20×104 以上 240 比較例 1 − 112 ◎ 850 110 2 B 161 × 20×104 以上 265 3 B 160-185 × 20×104 以上 240 4 C 173-175 × 20×104 以上 400-600 表1および表2に示す結果から、本発明による低温成形
用共重合フッ素樹脂は、200℃以下において成形用塩
化ビニル樹脂と同程度の溶融粘度を有しおり、且つ機械
的強度にも優れていることが明らかである。
Claims (1)
- 【請求項1】(a)式 −CH2 −CF2 − で示される構造単位55〜90モル% (b)式 −CF2 −CF2 − で示される構造単位5〜35モル%および (c)式 は炭素数1〜6のパーフルオロアルキルを示す)で示さ
れる構造単位の少なくとも1種2〜30モル%からなる
フッ素樹脂であって、 (d)分子量が重量平均分子量として15万以上且つ数
平均分子量として6万以上であり、 (e)180℃における溶融粘度が、剪断速度1×10
3 /秒において、1×103 〜1×106 ポイズの範囲
内にあり、 (f)融点が70〜150℃の範囲内にあることを特徴
とする低温成形用フッ素樹脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4101112A JPH05295038A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 低温成形用フッ素樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4101112A JPH05295038A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 低温成形用フッ素樹脂 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295038A true JPH05295038A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14291996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4101112A Pending JPH05295038A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 低温成形用フッ素樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295038A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5696216A (en) * | 1995-11-15 | 1997-12-09 | Bayer Aktiengesellschaft | Peroxide crosslinkable fluororubbers, a process for the production thereof and use thereof |
JP2002114824A (ja) * | 2000-10-04 | 2002-04-16 | Daikin Ind Ltd | 含フッ素エラストマー |
JP2009037171A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Ricoh Co Ltd | 像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ |
WO2010110129A1 (ja) | 2009-03-23 | 2010-09-30 | ダイキン工業株式会社 | フッ素樹脂及びライザー管 |
WO2017201135A1 (en) * | 2016-05-17 | 2017-11-23 | 3M Innovative Properties Company | Compositions including copolymers of vinylidene fluoride and tetrafluoroethylene and methods of using the same |
CN111484639A (zh) * | 2020-05-20 | 2020-08-04 | 四川大学 | 一种耐碱pvdf材料的改性方法 |
-
1992
- 1992-04-21 JP JP4101112A patent/JPH05295038A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5696216A (en) * | 1995-11-15 | 1997-12-09 | Bayer Aktiengesellschaft | Peroxide crosslinkable fluororubbers, a process for the production thereof and use thereof |
JP2002114824A (ja) * | 2000-10-04 | 2002-04-16 | Daikin Ind Ltd | 含フッ素エラストマー |
JP2009037171A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Ricoh Co Ltd | 像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ |
WO2010110129A1 (ja) | 2009-03-23 | 2010-09-30 | ダイキン工業株式会社 | フッ素樹脂及びライザー管 |
US8997797B2 (en) | 2009-03-23 | 2015-04-07 | Daikin Industries, Ltd. | Fluororesin and riser pipe |
US9725534B2 (en) | 2009-03-23 | 2017-08-08 | Daikin Industries, Ltd. | Fluororesin and riser pipe |
WO2017201135A1 (en) * | 2016-05-17 | 2017-11-23 | 3M Innovative Properties Company | Compositions including copolymers of vinylidene fluoride and tetrafluoroethylene and methods of using the same |
CN109195768A (zh) * | 2016-05-17 | 2019-01-11 | 3M创新有限公司 | 包含1,1-二氟乙烯和四氟乙烯的共聚物的组合物及其使用方法 |
JP2019522692A (ja) * | 2016-05-17 | 2019-08-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとのコポリマーを含む組成物及び同組成物の使用方法 |
RU2716790C1 (ru) * | 2016-05-17 | 2020-03-16 | 3М Инновейтив Пропертиз Компани | Композиции, содержащие сополимеры винилиденфторида и тетрафторэтилена, и способы их применения |
US11312802B2 (en) | 2016-05-17 | 2022-04-26 | 3M Innovative Properties Company | Compositions including copolymers of vinylidene fluoride and tetrafluoroethylene and methods of using the same |
CN111484639A (zh) * | 2020-05-20 | 2020-08-04 | 四川大学 | 一种耐碱pvdf材料的改性方法 |
CN111484639B (zh) * | 2020-05-20 | 2021-08-17 | 四川大学 | 一种耐碱pvdf材料的改性方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6107393A (en) | Thermoprocessable fluorinated polymers | |
US6927265B2 (en) | Melt-processible thermoplastic fluoropolymers having improved processing characteristics and method of producing same | |
KR101068175B1 (ko) | 장쇄 분지를 갖는 플루오로중합체를 포함하는 용융 가공성중합체 조성물 | |
US9029477B2 (en) | Compositions comprising melt-processable thermoplastic fluoropolymers and methods of making the same | |
US6696526B1 (en) | Mixtures of thermoplastic fluoropolymers | |
EP3609935B1 (en) | Melt-processible fluoropolymer | |
EP3256528B1 (en) | Heterogeneous, co-continuous copolymers of vinylidene fluoride | |
JPH07304832A (ja) | 新規な熱加工性テトラフルオロエチレンの共重合体類 | |
CN101287766A (zh) | 聚四氟乙烯水性乳化液、由其制得的聚四氟乙烯细粉和多孔体 | |
JP4719975B2 (ja) | 結晶性含フッ素樹脂の球晶微小化剤、該微小化剤を含んでなる結晶性含フッ素樹脂組成物 | |
US20110040021A1 (en) | Methods for melt-processing thermoplastic fluoropolymers | |
EP1125982B1 (en) | Thermoplastic fluorinated polymers | |
KR100406925B1 (ko) | 고온에서개선된기계적성질을가지는테트라플로로에틸렌및/또는클로로트리플로로에틸렌과의에틸렌공중합체들 | |
US6645590B1 (en) | Articles of functional fluoropolymer | |
JP2009516018A (ja) | 分岐フルオロポリマー | |
US20240141155A1 (en) | Production method of fluoropolymer composition and fluoropolymer composition | |
EP1130056A2 (en) | Thermoplastic fluoropolymers | |
US6329481B1 (en) | Ethylene fluoro-containing copolymers | |
JPH05295038A (ja) | 低温成形用フッ素樹脂 | |
JP2001151971A (ja) | 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品 | |
JP2001096596A (ja) | フッ素樹脂の成形方法 |