JPH05288706A - 金属部材の欠陥監視システム - Google Patents
金属部材の欠陥監視システムInfo
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- JPH05288706A JPH05288706A JP8411992A JP8411992A JPH05288706A JP H05288706 A JPH05288706 A JP H05288706A JP 8411992 A JP8411992 A JP 8411992A JP 8411992 A JP8411992 A JP 8411992A JP H05288706 A JPH05288706 A JP H05288706A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属部材の亀裂発生及び温度上昇を共に高精
度で検出できる欠陥監視システムを提供する。 【構成】 金属部材1の点P0に高周波電源2から周波
数を少なくとも2通りに替えて電圧を供給し、位相差測
定器33において複数の測定点Pi(i=1、2、…)
における電圧と電流の位相差を測定し、振幅比測定器3
4において点Piにおける電圧振幅と電流振幅との振幅
比を測定する。位相差測定器33からの位相差に基づ
き、亀裂判定器35において点P0、Pi間の亀裂の有無
及びその大きさを判定する。温度判定器36において
は、位相差測定器からの周波数毎の位相差に基づき、点
P0、Pi間の亀裂によるR成分を決定し、振幅比測定器
からの振幅比に基づき、点P0、Pi間の実測R成分と亀
裂依存R成分との差を求めて温度依存R成分を決定し、
それに基づいて点P0、Pi間の温度を判定する。
度で検出できる欠陥監視システムを提供する。 【構成】 金属部材1の点P0に高周波電源2から周波
数を少なくとも2通りに替えて電圧を供給し、位相差測
定器33において複数の測定点Pi(i=1、2、…)
における電圧と電流の位相差を測定し、振幅比測定器3
4において点Piにおける電圧振幅と電流振幅との振幅
比を測定する。位相差測定器33からの位相差に基づ
き、亀裂判定器35において点P0、Pi間の亀裂の有無
及びその大きさを判定する。温度判定器36において
は、位相差測定器からの周波数毎の位相差に基づき、点
P0、Pi間の亀裂によるR成分を決定し、振幅比測定器
からの振幅比に基づき、点P0、Pi間の実測R成分と亀
裂依存R成分との差を求めて温度依存R成分を決定し、
それに基づいて点P0、Pi間の温度を判定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属部材の異常を監視
する非破壊欠陥検出システムに関し、特に、転炉等の炉
体における金属部材の疲労による亀裂発生及び温度上昇
の異常を監視するための欠陥検出システムに関する。
する非破壊欠陥検出システムに関し、特に、転炉等の炉
体における金属部材の疲労による亀裂発生及び温度上昇
の異常を監視するための欠陥検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】亀裂を非破壊で検出する装置として、被
験体(金属部材、又は非導電性被膜をコーティングした
金属部材)に電流を供給し、それによって生じる電位差
を検出する事によって亀裂を検出する、いわゆる4端子
法が提案されている(特開平2ー293657号公報、
同2ー212753号公報参照)。この方法において
は、亀裂の発生により被験体の電気抵抗が変化する事に
基づいて、亀裂検出を行うよう構成されている。
験体(金属部材、又は非導電性被膜をコーティングした
金属部材)に電流を供給し、それによって生じる電位差
を検出する事によって亀裂を検出する、いわゆる4端子
法が提案されている(特開平2ー293657号公報、
同2ー212753号公報参照)。この方法において
は、亀裂の発生により被験体の電気抵抗が変化する事に
基づいて、亀裂検出を行うよう構成されている。
【0003】また、金属部材の温度を検出装置として
は、金属部材に電流を供給して電位差を検出する4端子
法により温度を検出するもの(特開昭56ー12542
号公報参照)、金属部材に巻回されたコイルのインピー
ダンス変化を測定して温度を検出するもの(特開昭51
ー78377号公報、同54ー88293号参照)が提
案されている。
は、金属部材に電流を供給して電位差を検出する4端子
法により温度を検出するもの(特開昭56ー12542
号公報参照)、金属部材に巻回されたコイルのインピー
ダンス変化を測定して温度を検出するもの(特開昭51
ー78377号公報、同54ー88293号参照)が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術はいず
れも、亀裂検出又は温度検出のいずれか一方のみが検出
できるものであって、これら双方が検出できるものでは
ない。また、亀裂検出においては、検出時の温度が大き
な誤差要因となって亀裂の定量化を阻害する要因となっ
ており、他方、温度検出においては、金属部材に亀裂等
が存在するとそれによってもインピーダンス成分が変化
してしまうため、亀裂等の表面状態によって検出温度に
誤差が生じてしまうという問題点があった。
れも、亀裂検出又は温度検出のいずれか一方のみが検出
できるものであって、これら双方が検出できるものでは
ない。また、亀裂検出においては、検出時の温度が大き
な誤差要因となって亀裂の定量化を阻害する要因となっ
ており、他方、温度検出においては、金属部材に亀裂等
が存在するとそれによってもインピーダンス成分が変化
してしまうため、亀裂等の表面状態によって検出温度に
誤差が生じてしまうという問題点があった。
【0005】したがって、金属部材の亀裂検出及び温度
検出の両方が同一のシステムで可能であり、しかも、そ
れぞれの検出誤差を排除して高精度の検出結果を得る事
ができるシステムの出現が待たれていた。
検出の両方が同一のシステムで可能であり、しかも、そ
れぞれの検出誤差を排除して高精度の検出結果を得る事
ができるシステムの出現が待たれていた。
【0006】よって本発明の目的は、金属部材の亀裂発
生及び温度上昇が共に高精度で検出可能な欠陥検出シス
テムを提供する事である。
生及び温度上昇が共に高精度で検出可能な欠陥検出シス
テムを提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の欠陥監視システムにおいては、(a)金
属部材に周波数を複数通りに切り替えて電圧を供給する
高周波電源と、(b)電源の周波数を複数通りに切り替
えた場合のそれぞれにおいて、金属部材の複数の測定点
における電圧位相と電流の位相とを比較してその位相差
を測定する位相差測定手段と、(c)金属部材の複数の
測定点における電圧振幅と電流の振幅とを比較して、そ
れらの比の値である振幅比を測定する振幅比測定手段
と、(d)位相差測定手段で得られた位相差に基づき、
電源供給点とそれぞれの測定点との間の亀裂の有無及び
その大きさを判定する亀裂判定手段と、(e)位相差測
定手段で得られた位相差に基づき、電源供給点と各測定
点との間のL及びC成分を決定すると共に、振幅比測定
手段で得られた振幅比に基づき、上記間の総合R成分を
決定し、更に、あらかじめ記憶された亀裂パターンテー
ブルを参照して、得られたL及びC成分に基づいて亀裂
依存R成分を判定し、総合R成分と亀裂依存R成分との
差を演算して温度依存R成分を判定し、それに基づいて
電源供給点とそれぞれの測定点との間の温度を判定する
温度判定手段とから構成され、金属部材の亀裂及びその
大きさ、並びに温度がそれぞれ高精度で検出できるよう
にした事を特徴としている。
ため、本発明の欠陥監視システムにおいては、(a)金
属部材に周波数を複数通りに切り替えて電圧を供給する
高周波電源と、(b)電源の周波数を複数通りに切り替
えた場合のそれぞれにおいて、金属部材の複数の測定点
における電圧位相と電流の位相とを比較してその位相差
を測定する位相差測定手段と、(c)金属部材の複数の
測定点における電圧振幅と電流の振幅とを比較して、そ
れらの比の値である振幅比を測定する振幅比測定手段
と、(d)位相差測定手段で得られた位相差に基づき、
電源供給点とそれぞれの測定点との間の亀裂の有無及び
その大きさを判定する亀裂判定手段と、(e)位相差測
定手段で得られた位相差に基づき、電源供給点と各測定
点との間のL及びC成分を決定すると共に、振幅比測定
手段で得られた振幅比に基づき、上記間の総合R成分を
決定し、更に、あらかじめ記憶された亀裂パターンテー
ブルを参照して、得られたL及びC成分に基づいて亀裂
依存R成分を判定し、総合R成分と亀裂依存R成分との
差を演算して温度依存R成分を判定し、それに基づいて
電源供給点とそれぞれの測定点との間の温度を判定する
温度判定手段とから構成され、金属部材の亀裂及びその
大きさ、並びに温度がそれぞれ高精度で検出できるよう
にした事を特徴としている。
【0008】
【実施例】図1は、本発明を転炉の欠陥監視に適用した
場合の一実施例のブロック図であり、図において、1は
転炉の鉄皮である被験体、2は信号発信側であり、被験
体1の点P0に電源の一端を供給する可変高周波電源、
3は信号受信側であり、被験体1の測定点Pi(i=
1、2、 …、n)を順次切り換えて電源の他端を接続
し、その際の信号に基づいて、亀裂検出及び温度検出を
実行する亀裂/温度検出部、4は転炉の寿命を推定する
転炉寿命推定部、5は警報発生部である。
場合の一実施例のブロック図であり、図において、1は
転炉の鉄皮である被験体、2は信号発信側であり、被験
体1の点P0に電源の一端を供給する可変高周波電源、
3は信号受信側であり、被験体1の測定点Pi(i=
1、2、 …、n)を順次切り換えて電源の他端を接続
し、その際の信号に基づいて、亀裂検出及び温度検出を
実行する亀裂/温度検出部、4は転炉の寿命を推定する
転炉寿命推定部、5は警報発生部である。
【0009】亀裂/温度検出部3は、被験体1の各測定
点にPiに接続されたケーブルの間のインピーダンスマ
ッチングを行うためのケーブル補償器31、ノイズ除去
用の波形整形器32、供給電源の電圧と電流との位相差
を測定する位相差測定器33、供給電源の電圧振幅比を
測定する振幅比測定器34、測定器33からの情報に基
づいて亀裂の有無及び大きさ(長さ、幅、深さ)を判定
する亀裂判定器35、測定器33及び34からの情報に
基づいて温度を判定する温度判定器36で構成されてい
る。
点にPiに接続されたケーブルの間のインピーダンスマ
ッチングを行うためのケーブル補償器31、ノイズ除去
用の波形整形器32、供給電源の電圧と電流との位相差
を測定する位相差測定器33、供給電源の電圧振幅比を
測定する振幅比測定器34、測定器33からの情報に基
づいて亀裂の有無及び大きさ(長さ、幅、深さ)を判定
する亀裂判定器35、測定器33及び34からの情報に
基づいて温度を判定する温度判定器36で構成されてい
る。
【0010】上記実施例の動作を詳細に説明する前に、
図2及び図3に基づいて本発明の原理を説明する。
図2及び図3に基づいて本発明の原理を説明する。
【0011】金属部材である被験体1が健常時(例え
ば、新規時)に、図2(a)に示すように被験体表面の
点P0に高周波電源供給共通点を(周波数f0、電圧
V0、位相ψ0)を接続し各測定点P1〜P4に他端を順次
切り換えて電流を流し、測定点P1〜P4でそれぞれ検出
された健常時の電圧、位相を、(V1、ψ1)〜(V4、
ψ4)とする。
ば、新規時)に、図2(a)に示すように被験体表面の
点P0に高周波電源供給共通点を(周波数f0、電圧
V0、位相ψ0)を接続し各測定点P1〜P4に他端を順次
切り換えて電流を流し、測定点P1〜P4でそれぞれ検出
された健常時の電圧、位相を、(V1、ψ1)〜(V4、
ψ4)とする。
【0012】被験体1の使用期間が長くなってくると、
局部的に高温が発生したり亀裂が生じてしまう場合があ
るが、例えば、図2(b)に示されるような位置に亀裂
Q及び高温部Hが生じたものとする。このような状態
で、点P0に上記と同様に高周波電源(f0、V0、ψ0)
を供給して、各測定点P1〜P4における電圧、位相を検
出する。検出結果をそれぞれ、健常時のものに( ’)
を付けて表すものとする。
局部的に高温が発生したり亀裂が生じてしまう場合があ
るが、例えば、図2(b)に示されるような位置に亀裂
Q及び高温部Hが生じたものとする。このような状態
で、点P0に上記と同様に高周波電源(f0、V0、ψ0)
を供給して、各測定点P1〜P4における電圧、位相を検
出する。検出結果をそれぞれ、健常時のものに( ’)
を付けて表すものとする。
【0013】被験体1が高温になった場合は、電気伝導
率σが小さくなる[特に、所定温度以上では σ∝1/
T4 (Tは温度)の関係がある]ので電気抵抗が小さ
くなる。図2(b)の場合は、高温部Hは電源供給点P
0と測定点P2との間に挟まれているので、測定点P2に
おける電圧V2’が健常時の電圧V2よりも小さくなり、
電圧振幅比V2’/V2は温度の関数と見なす事ができ
る。
率σが小さくなる[特に、所定温度以上では σ∝1/
T4 (Tは温度)の関係がある]ので電気抵抗が小さ
くなる。図2(b)の場合は、高温部Hは電源供給点P
0と測定点P2との間に挟まれているので、測定点P2に
おける電圧V2’が健常時の電圧V2よりも小さくなり、
電圧振幅比V2’/V2は温度の関数と見なす事ができ
る。
【0014】一方、材料が高温になったとしても、リア
クタンス成分であるL成分及びC成分には殆ど影響がな
く、位相ψは殆ど変化しない。したがって測定点P2の
信号においては、ψ2=ψ2’となる。
クタンス成分であるL成分及びC成分には殆ど影響がな
く、位相ψは殆ど変化しない。したがって測定点P2の
信号においては、ψ2=ψ2’となる。
【0015】以上から明らかなように、各測定点におけ
る電圧振幅Vを監視すれば、発信側すなわち高周波電源
供給点と受信側すなわちそれぞれの測定点との間の温度
を知る事ができる。
る電圧振幅Vを監視すれば、発信側すなわち高周波電源
供給点と受信側すなわちそれぞれの測定点との間の温度
を知る事ができる。
【0016】亀裂が入った場合は、一般的にはインピー
ダンス成分のR、L、C成分が共に大きく変化するが、
中でもC成分が特に大きく変化するので、位相ψの変化
が大きくなる。図2(b)の場合は、亀裂Qは電源供給
点P0と測定点P1との間に挟まれているので、測定点P
1における信号の位相ψ1’が、健常時の位相ψ1から大
きく変化する。
ダンス成分のR、L、C成分が共に大きく変化するが、
中でもC成分が特に大きく変化するので、位相ψの変化
が大きくなる。図2(b)の場合は、亀裂Qは電源供給
点P0と測定点P1との間に挟まれているので、測定点P
1における信号の位相ψ1’が、健常時の位相ψ1から大
きく変化する。
【0017】したがって、各測定点における位相の変化
を監視すれば、亀裂が発生したか否かを知る事ができ
る。
を監視すれば、亀裂が発生したか否かを知る事ができ
る。
【0018】ところで亀裂が発生した場合、上記したよ
うにその部分の抵抗成分も大きく変化してしまうので、
測定点での検出電圧も変化してしまう。すなわち、測定
点での電圧変化は、温度に依存するものと亀裂発生に依
存するものとの和であり、したがって、単に電圧を監視
するだけでは温度判定に誤差が生じてしまう。
うにその部分の抵抗成分も大きく変化してしまうので、
測定点での検出電圧も変化してしまう。すなわち、測定
点での電圧変化は、温度に依存するものと亀裂発生に依
存するものとの和であり、したがって、単に電圧を監視
するだけでは温度判定に誤差が生じてしまう。
【0019】そこで本発明においては、温度検出に関し
て供給電源の周波数f0を変え、それぞれの周波数に関
して測定点で得られた情報から実測R、L、C成分を決
定し、得られたL及びC成分から、亀裂パターンテーブ
ルを参照して、亀裂のみに依存する亀裂依存R成分を検
出し、該亀裂依存R成分と実測R成分とに基づいて温度
を検出するようにしている。
て供給電源の周波数f0を変え、それぞれの周波数に関
して測定点で得られた情報から実測R、L、C成分を決
定し、得られたL及びC成分から、亀裂パターンテーブ
ルを参照して、亀裂のみに依存する亀裂依存R成分を検
出し、該亀裂依存R成分と実測R成分とに基づいて温度
を検出するようにしている。
【0020】すなわち、L成分及びC成分が得られる
と、種種の亀裂パターン(亀裂の種類、深さ、長さ、
幅)に基づいてあらかじめ設定記憶された亀裂パターン
テーブル(図3参照)により、亀裂依存R成分が決定さ
れ、このR成分と測定点での測定結果から得られた実測
R成分との差を演算する事により、亀裂に無関係で温度
にのみ依存する温度依存R成分が得られる事になる。こ
の温度依存R成分に基づいて、温度を判定するものであ
る。
と、種種の亀裂パターン(亀裂の種類、深さ、長さ、
幅)に基づいてあらかじめ設定記憶された亀裂パターン
テーブル(図3参照)により、亀裂依存R成分が決定さ
れ、このR成分と測定点での測定結果から得られた実測
R成分との差を演算する事により、亀裂に無関係で温度
にのみ依存する温度依存R成分が得られる事になる。こ
の温度依存R成分に基づいて、温度を判定するものであ
る。
【0021】これにより、亀裂発生と温度上昇とが同時
に誤差なく検出できる。
に誤差なく検出できる。
【0022】図1に戻って、本発明の実施例の動作を説
明する。
明する。
【0023】高周波電源2から所定の周波数f0、電圧
V0、位相ψ0が被験体1の点P0に対して供給され、該
点P0から各測定点Pi(i=1、2、…、n)に対して
電流が流れる。各測定点からの信号は、ケーブル補償器
31、波形整形器32を介して位相差測定器33及び振
幅比測定器34に供給される。
V0、位相ψ0が被験体1の点P0に対して供給され、該
点P0から各測定点Pi(i=1、2、…、n)に対して
電流が流れる。各測定点からの信号は、ケーブル補償器
31、波形整形器32を介して位相差測定器33及び振
幅比測定器34に供給される。
【0024】高周波電源2はまた、測定器33、34に
も接続されており、複数通りに電源周波数を変えた場合
のそれぞれにおいて、位相差測定器33により各測定点
毎の信号の位相ψi’が検出され、その結果が亀裂判定
器35及び温度判定器36に供給される。また、振幅比
測定器34においても、各周波数毎の検出電圧Vi’と
検出電流Ai’が測定され、その結果が温度判定器36
に入力される。
も接続されており、複数通りに電源周波数を変えた場合
のそれぞれにおいて、位相差測定器33により各測定点
毎の信号の位相ψi’が検出され、その結果が亀裂判定
器35及び温度判定器36に供給される。また、振幅比
測定器34においても、各周波数毎の検出電圧Vi’と
検出電流Ai’が測定され、その結果が温度判定器36
に入力される。
【0025】亀裂判定器35においては、入力された位
相差(ψi−ψ0)に基づき、電源供給点P0とそれぞれ
測定点Piとの間に亀裂が生じたか否かが検出され、更
には、生じた亀裂の大きさ(長さ、幅、深さ)の推定が
行われる。この場合、健常時の位相を考慮して推定が実
行される。この判定器35からの亀裂情報は、炉寿命推
定器4に供給される。
相差(ψi−ψ0)に基づき、電源供給点P0とそれぞれ
測定点Piとの間に亀裂が生じたか否かが検出され、更
には、生じた亀裂の大きさ(長さ、幅、深さ)の推定が
行われる。この場合、健常時の位相を考慮して推定が実
行される。この判定器35からの亀裂情報は、炉寿命推
定器4に供給される。
【0026】温度判定器36においては、位相差測定器
33から入力された位相差(複数の電源周波数毎の)に
基づいて、電源供給点P0と各測定点Piとの間のリアク
タンス成分、すなわちL及びC成分を決定すると共に、
振幅比測定器34からの振幅比(Vi’/V0)に基づい
て抵抗成分、すなわち実測R成分を決定する。そして、
亀裂パターンテーブルを参照して、得られたL及びC成
分から亀裂依存R成分を決定する。その後判定器36
は、実測R成分から亀裂依存R成分を差し引いて温度依
存R成分を決定し、それに基づき、電源供給点P0と各
測定点Piとの間の温度推定を実行する。この温度情報
は、炉寿命推定器4に供給される。
33から入力された位相差(複数の電源周波数毎の)に
基づいて、電源供給点P0と各測定点Piとの間のリアク
タンス成分、すなわちL及びC成分を決定すると共に、
振幅比測定器34からの振幅比(Vi’/V0)に基づい
て抵抗成分、すなわち実測R成分を決定する。そして、
亀裂パターンテーブルを参照して、得られたL及びC成
分から亀裂依存R成分を決定する。その後判定器36
は、実測R成分から亀裂依存R成分を差し引いて温度依
存R成分を決定し、それに基づき、電源供給点P0と各
測定点Piとの間の温度推定を実行する。この温度情報
は、炉寿命推定器4に供給される。
【0027】炉寿命推定器4では、判定器35及び36
からの亀裂情報及び温度情報を基に、転炉の寿命を推定
し、許容できないレベルの亀裂又は温度上昇があると判
断した場合は、警報器5により警報を発生する。
からの亀裂情報及び温度情報を基に、転炉の寿命を推定
し、許容できないレベルの亀裂又は温度上昇があると判
断した場合は、警報器5により警報を発生する。
【0028】このように構成された別の実施例を用いて
実験した結果について説明する。
実験した結果について説明する。
【0029】図4に示すように、鋼板である被験体1
に、4種類の亀裂K1〜K4を放電加工により人工的に形
成し、被験体表面の点P1〜P5に、電流源構成の高周波
電源21〜24を接続すると共に検出部31〜34を接続し
た。なお、各点間の距離は、100mmであり、その中
間に亀裂を形成した。実験に用いた亀裂の長さl、幅
w、深さdは、以下の通りである(l×w×dで表し、
単位は各々mm):ケース1 (長さのみを変更) K1; 5 × 0.1 × 0.5 K2; 10 × 0.1 × 0.5 K3; 50 × 0.1 × 0.5 K4;100 × 0.1 × 0.5ケース2 (幅のみを変更) K1; 50 × 0.1 × 0.5 K2; 50 × 0.2 × 0.5 K3; 50 × 1.0 × 0.5 K4; 50 × 2.0 × 0.5ケース3 (深さのみを変更) K1; 50 × 0.1 × 0.5 K2; 50 × 0.1 × 1.0 K3; 50 × 0.1 × 2.0 K4; 50 × 0.1 × 5.0 また、このような鋼板を下面からバーナで加熱し、温度
が目標値に達してから10分間保持して各種の測定を行
った。
に、4種類の亀裂K1〜K4を放電加工により人工的に形
成し、被験体表面の点P1〜P5に、電流源構成の高周波
電源21〜24を接続すると共に検出部31〜34を接続し
た。なお、各点間の距離は、100mmであり、その中
間に亀裂を形成した。実験に用いた亀裂の長さl、幅
w、深さdは、以下の通りである(l×w×dで表し、
単位は各々mm):ケース1 (長さのみを変更) K1; 5 × 0.1 × 0.5 K2; 10 × 0.1 × 0.5 K3; 50 × 0.1 × 0.5 K4;100 × 0.1 × 0.5ケース2 (幅のみを変更) K1; 50 × 0.1 × 0.5 K2; 50 × 0.2 × 0.5 K3; 50 × 1.0 × 0.5 K4; 50 × 2.0 × 0.5ケース3 (深さのみを変更) K1; 50 × 0.1 × 0.5 K2; 50 × 0.1 × 1.0 K3; 50 × 0.1 × 2.0 K4; 50 × 0.1 × 5.0 また、このような鋼板を下面からバーナで加熱し、温度
が目標値に達してから10分間保持して各種の測定を行
った。
【0030】これらの測定結果が図5、図6に示されて
いる。
いる。
【0031】図5は、上記したケース1のK2の亀裂に
対して、電源周波数を変更しかつ温度目標値を25℃、
100℃、300℃として、電圧振幅比を測定した結果
を表している。なお、周波数50KHz、温度25℃に
おけるk/減衰比を「1」とした。
対して、電源周波数を変更しかつ温度目標値を25℃、
100℃、300℃として、電圧振幅比を測定した結果
を表している。なお、周波数50KHz、温度25℃に
おけるk/減衰比を「1」とした。
【0032】図6は、50KHzの電流源を用いかつ温
度一定の状態で、上記したケース1〜3のそれぞれにつ
いて、位相差を測定した結果である。
度一定の状態で、上記したケース1〜3のそれぞれにつ
いて、位相差を測定した結果である。
【0033】図5から、電流源の周波数が50〜70K
Hzの範囲において、温度に依存して振幅比が大きく変
化する事が解る。基本的には、亀裂測定に対しては周波
数が高いほうが高精度となり、温度測定に対しては周波
数が低いほうが高精度となるが、両者ともに高精度とす
るためには上記範囲の電源周波数を用いる事が適当であ
る。ただし、位相差の検出は微妙なため、可能な限り高
い周波数を用いるほうがよいと考えられる。
Hzの範囲において、温度に依存して振幅比が大きく変
化する事が解る。基本的には、亀裂測定に対しては周波
数が高いほうが高精度となり、温度測定に対しては周波
数が低いほうが高精度となるが、両者ともに高精度とす
るためには上記範囲の電源周波数を用いる事が適当であ
る。ただし、位相差の検出は微妙なため、可能な限り高
い周波数を用いるほうがよいと考えられる。
【0034】上記したような配置、すなわち電源供給線
と測定線とを別々として同一の端子対にすれば、図1に
示した実施例におけるケーブル補償器31は不必要とな
る。
と測定線とを別々として同一の端子対にすれば、図1に
示した実施例におけるケーブル補償器31は不必要とな
る。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、転炉の鉄皮に限らず、種種の金属体部材における亀
裂発生及びその大きさ、並びに温度検出が、同一のシス
テムで可能であり、しかもそれぞれの相互干渉を排除し
て誤差の少ない検出結果を得ることができる。したがっ
て、熱負荷を受ける金属部材の亀裂発生及び温度上昇に
よる欠陥を高精度で監視する事ができ、異常診断に使用
できるものである。
で、転炉の鉄皮に限らず、種種の金属体部材における亀
裂発生及びその大きさ、並びに温度検出が、同一のシス
テムで可能であり、しかもそれぞれの相互干渉を排除し
て誤差の少ない検出結果を得ることができる。したがっ
て、熱負荷を受ける金属部材の亀裂発生及び温度上昇に
よる欠陥を高精度で監視する事ができ、異常診断に使用
できるものである。
【図1】本発明の一実施例を説明するためのブロック図
である。
である。
【図2】本発明の原理を説明するための模式図である。
【図3】本発明に用いられる亀裂パターンテーブルを示
す説明図である。
す説明図である。
【図4】本発明の別の実施例、及び該実施例を用いた実
験を説明するための説明図である。
験を説明するための説明図である。
【図5】図3の実施例を用いて実験した結果得られた、
温度及び電源周波数に関連する振幅比を示すグラであ
る。
温度及び電源周波数に関連する振幅比を示すグラであ
る。
【図6】図3の実施例を用いて実験した結果得られた、
亀裂の大きさに関連する位相差を示すグラフである。
亀裂の大きさに関連する位相差を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属部材の異常を検出する欠陥検出シス
テムにおいて、 金属部材に周波数を複数通りに切り換えて電流を供給す
る高周波電源と、 該供給電源の電圧と電流との位相を測定する位相差測定
手段と、 該供給電源の電流と電圧との振幅の大きさを測定する振
幅測定手段と、 前記位相差測定手段で得られた位相差よりL成分とC成
分とを求め、該L成分とC成分とより電源供給点間の前
記金属部材の亀裂の有無を判定し、周波数毎の前記L成
分とC成分との変化量より亀裂の大きさを求める亀裂判
定手段と、 前記振幅測定手段で得られた電流値と電圧値とよりR成
分を求め、先に求めた亀裂の大きさより前記R成分を補
正し、前記金属部材の温度を求める温度判定手段と、か
ら構成されることを特徴とする金属部材の欠陥検出監視
システム。 - 【請求項2】 金属部材の異常を検出する欠陥検出シス
テムにおいて、 金属部材表面に複数本の測定端を間隔を置いて接続し、
該測定端の組み合わせ対を切り替えるスイッチを介し
て、請求項1記載の測定システムを接続したことを特徴
とする金属部材の欠陥検出監視システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8411992A JPH05288706A (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 金属部材の欠陥監視システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8411992A JPH05288706A (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 金属部材の欠陥監視システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05288706A true JPH05288706A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=13821635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8411992A Pending JPH05288706A (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 金属部材の欠陥監視システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05288706A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0707208A1 (fr) * | 1994-10-12 | 1996-04-17 | Societe Nationale D'etude Et De Construction De Moteurs D'aviation "Snecma" | Dispositif et procédé de mesure simultanée de l'étendue et de la température d'une fissure à la surface d'un corps solide électriquement conducteur |
JP2008527347A (ja) * | 2005-01-07 | 2008-07-24 | ローズマウント インコーポレイテッド | ダイヤフラムの破断又は薄化を検出するための診断システム |
WO2018093889A1 (en) * | 2016-11-16 | 2018-05-24 | 3M Innovative Properties Company | Temperature-independent verifying of structural integrity of materials using electrical properties |
WO2019038733A1 (en) * | 2017-08-25 | 2019-02-28 | 3M Innovative Properties Company | TEMPERATURE-CORRECTED CONTROL DATA TO CHECK THE STRUCTURAL INTEGRITY OF MATERIALS |
US10816495B2 (en) | 2016-12-16 | 2020-10-27 | 3M Innovative Properties Company | Verifying structural integrity of materials |
US10983081B2 (en) | 2016-11-16 | 2021-04-20 | 3M Innovative Properties Company | Electrode placement for verifying structural integrity of materials |
US11060993B2 (en) | 2016-11-16 | 2021-07-13 | 3M Innovative Properties Company | Suppressing thermally induced voltages for verifying structural integrity of materials |
US11105762B2 (en) | 2016-12-16 | 2021-08-31 | 3M Innovative Properties Company | Verifying structural integrity of materials using reference impedance |
US11112374B2 (en) | 2016-12-16 | 2021-09-07 | 3M Innovative Properties Company | Verifying structural integrity of materials |
US11255807B2 (en) | 2016-11-16 | 2022-02-22 | 3M Innovative Properties Company | Verifying structural integrity of materials |
-
1992
- 1992-04-06 JP JP8411992A patent/JPH05288706A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0707208A1 (fr) * | 1994-10-12 | 1996-04-17 | Societe Nationale D'etude Et De Construction De Moteurs D'aviation "Snecma" | Dispositif et procédé de mesure simultanée de l'étendue et de la température d'une fissure à la surface d'un corps solide électriquement conducteur |
FR2725789A1 (fr) * | 1994-10-12 | 1996-04-19 | Snecma | Dispositif et procede de mesure simultanee de l'etendue et de la temperature d'une fissure a la surface d'un corps solide electriquement conducteur |
WO2004074826A1 (fr) * | 1994-10-12 | 2004-09-02 | Jean-Pierre Aubert | Dispositif et procede de mesure simultanee de l’etendue et de la temperature d’une fissure a la surface d’un corps solide electriquement conducteur |
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US11181498B2 (en) | 2016-11-16 | 2021-11-23 | 3M Innovative Propperties Company | Temperature-independent verifying of structural integrity of materials using electrical properties |
WO2018093889A1 (en) * | 2016-11-16 | 2018-05-24 | 3M Innovative Properties Company | Temperature-independent verifying of structural integrity of materials using electrical properties |
US11609203B2 (en) | 2016-11-16 | 2023-03-21 | 3M Innovative Properties Company | Suppressing thermally induced voltages for verifying structural integrity of materials |
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