JPH05287555A - 塗装性にすぐれる表面処理鋼板及びその製造方法 - Google Patents
塗装性にすぐれる表面処理鋼板及びその製造方法Info
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- JPH05287555A JPH05287555A JP9522392A JP9522392A JPH05287555A JP H05287555 A JPH05287555 A JP H05287555A JP 9522392 A JP9522392 A JP 9522392A JP 9522392 A JP9522392 A JP 9522392A JP H05287555 A JPH05287555 A JP H05287555A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】厳しい加工を受けても、また、種々多様な条件
下において長期間にわたつて保管された後であつても、
塗装性が劣化しない電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼
板を提供するにある。 【構成】亜鉛系めつき層の上に金属クロム層を有し、そ
の上にCr3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物と水
和酸化物からなる層を有し、更にその上にシリカ層を有
する。
下において長期間にわたつて保管された後であつても、
塗装性が劣化しない電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼
板を提供するにある。 【構成】亜鉛系めつき層の上に金属クロム層を有し、そ
の上にCr3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物と水
和酸化物からなる層を有し、更にその上にシリカ層を有
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装性にすぐれる表面
処理鋼板及びその製造方法に関し、詳しくは、厳しい加
工を受けても、また、種々多様な条件下において長期間
にわたつて保管された後であつても、塗装性が劣化しな
い電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板及びその製造方
法に関する。
処理鋼板及びその製造方法に関し、詳しくは、厳しい加
工を受けても、また、種々多様な条件下において長期間
にわたつて保管された後であつても、塗装性が劣化しな
い電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の防錆を目的として、鋼板に亜鉛め
つきや亜鉛系合金めつきを施した後に、更に、その表面
にクロメート処理を施すことは、従来、広く行なわれて
おり、そのようなクロメート処理亜鉛系めつき鋼板は、
家庭電気製品、自動車、建材等の幅広い分野で多量に用
いられている。
つきや亜鉛系合金めつきを施した後に、更に、その表面
にクロメート処理を施すことは、従来、広く行なわれて
おり、そのようなクロメート処理亜鉛系めつき鋼板は、
家庭電気製品、自動車、建材等の幅広い分野で多量に用
いられている。
【0003】しかしながら、近年、このようなクロメー
ト処理亜鉛系めつき鋼板に対する要求はますますその厳
しさを増しつつあり、単なる一次防錆技術としてのみで
なく、塗装なしでも、長期の使用に耐え得る高耐食性
や、リン酸塩処理等の塗装前処理なしでも、良好な塗膜
密着性を有する塗装性、更には、これら二つの性能を併
せ有することが要求されている。
ト処理亜鉛系めつき鋼板に対する要求はますますその厳
しさを増しつつあり、単なる一次防錆技術としてのみで
なく、塗装なしでも、長期の使用に耐え得る高耐食性
や、リン酸塩処理等の塗装前処理なしでも、良好な塗膜
密着性を有する塗装性、更には、これら二つの性能を併
せ有することが要求されている。
【0004】従来、一般に行なわれているクロメート処
理は、塗布型、反応型及び電解型の3種類に分類され、
これらのなかで、下地の鋼板の反応性の相違にそれほど
影響されないこと、ラインの高速化に対応して、短時間
で処理が可能であること、更に、被膜量の制御が容易で
あり、均一処理が可能であること等から、従来、電解ク
ロメート処理が広く採用されている。しかし、この電解
クロメート処理によつて得られる被膜は、Cr3+が主体で
あつて、Cr6+が少ないために、塗布型及び反応型クロメ
ート処理によつて得られる被膜に比べて、塗装性はすぐ
れるものの、耐食性に劣るといわれている。
理は、塗布型、反応型及び電解型の3種類に分類され、
これらのなかで、下地の鋼板の反応性の相違にそれほど
影響されないこと、ラインの高速化に対応して、短時間
で処理が可能であること、更に、被膜量の制御が容易で
あり、均一処理が可能であること等から、従来、電解ク
ロメート処理が広く採用されている。しかし、この電解
クロメート処理によつて得られる被膜は、Cr3+が主体で
あつて、Cr6+が少ないために、塗布型及び反応型クロメ
ート処理によつて得られる被膜に比べて、塗装性はすぐ
れるものの、耐食性に劣るといわれている。
【0005】そこで、耐食性と塗装性とを兼ね備えたク
ロメート処理亜鉛系めつき鋼板を製造するために、従
来、例えば、カチオン型コロイダルシリカを含有する浴
で亜鉛系めつき鋼板を陰極電解処理する方法(特公昭6
1−54800号公報)や、コロイダルシリカ、アルミ
ナゾル及びフツ化物を含む浴で亜鉛系めつき鋼板を陰極
電解処理する方法(特開昭62−278298号公報)
等が提案されている。
ロメート処理亜鉛系めつき鋼板を製造するために、従
来、例えば、カチオン型コロイダルシリカを含有する浴
で亜鉛系めつき鋼板を陰極電解処理する方法(特公昭6
1−54800号公報)や、コロイダルシリカ、アルミ
ナゾル及びフツ化物を含む浴で亜鉛系めつき鋼板を陰極
電解処理する方法(特開昭62−278298号公報)
等が提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法によつて得ら
れる表面処理鋼板も、厳しい加工を行なつたときに、塗
膜が剥離したり、或いは保管条件によつては、長期間に
わたつて保管された後に塗装性が劣化する等、本来、す
ぐれているとされている塗装性にも未だ問題が残つてい
る。更に、電解浴中にシリカを配合した場合に、浴のpH
によつては、粒子が凝集する等、浴の管理が困難になる
という製造上の問題も残つている。
れる表面処理鋼板も、厳しい加工を行なつたときに、塗
膜が剥離したり、或いは保管条件によつては、長期間に
わたつて保管された後に塗装性が劣化する等、本来、す
ぐれているとされている塗装性にも未だ問題が残つてい
る。更に、電解浴中にシリカを配合した場合に、浴のpH
によつては、粒子が凝集する等、浴の管理が困難になる
という製造上の問題も残つている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のクロ
メート処理亜鉛系めつき鋼板及びその製造における上記
した問題を解決するためになされたものであつて、厳し
い加工を受けても、また、種々多様な保管条件下に長期
間にわたつて保管された後であつても、塗装性が劣化し
ないクロメート処理亜鉛系めつき鋼板及びそのような表
面処理鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
メート処理亜鉛系めつき鋼板及びその製造における上記
した問題を解決するためになされたものであつて、厳し
い加工を受けても、また、種々多様な保管条件下に長期
間にわたつて保管された後であつても、塗装性が劣化し
ないクロメート処理亜鉛系めつき鋼板及びそのような表
面処理鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による塗装性にす
ぐれる表面処理鋼板は、亜鉛系めつき層の上に金属クロ
ム層を有し、その上にCr3+主体であつて、Cr6+を含むク
ロム酸化物と水和酸化物からなる層を有し、更にその上
にシリカ層を有することを特徴とする。本発明による塗
装性にすぐれる表面処理鋼板は、図1に示すように、原
板である亜鉛系めつき鋼板1の上に金属クロム層2を有
し、その上にCr3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化
物と水和酸化物からなる層3を有し、更にその上にシリ
カ層4を有する。
ぐれる表面処理鋼板は、亜鉛系めつき層の上に金属クロ
ム層を有し、その上にCr3+主体であつて、Cr6+を含むク
ロム酸化物と水和酸化物からなる層を有し、更にその上
にシリカ層を有することを特徴とする。本発明による塗
装性にすぐれる表面処理鋼板は、図1に示すように、原
板である亜鉛系めつき鋼板1の上に金属クロム層2を有
し、その上にCr3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化
物と水和酸化物からなる層3を有し、更にその上にシリ
カ層4を有する。
【0009】亜鉛系めつき鋼板1は、素地の鋼板に対し
て、犠牲防食能を有する亜鉛めつきを施して、鋼板の耐
食性を向上させる目的のために、従来より広く用いられ
るものであつて、特に限定されるものではない。従つ
て、本発明において、亜鉛系めつき鋼板は、特に限定さ
れるものではなく、純亜鉛めつきのほかに、亜鉛−ニッ
ケル、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム等の各種の亜鉛合
金めつき鋼板を含む。また、これら亜鉛系めつき鋼板を
製造する手法としては、電気めつき法、溶融めつき法、
蒸着めつき法等を挙げることができるが、特に、これら
に限定されるものではない。
て、犠牲防食能を有する亜鉛めつきを施して、鋼板の耐
食性を向上させる目的のために、従来より広く用いられ
るものであつて、特に限定されるものではない。従つ
て、本発明において、亜鉛系めつき鋼板は、特に限定さ
れるものではなく、純亜鉛めつきのほかに、亜鉛−ニッ
ケル、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム等の各種の亜鉛合
金めつき鋼板を含む。また、これら亜鉛系めつき鋼板を
製造する手法としては、電気めつき法、溶融めつき法、
蒸着めつき法等を挙げることができるが、特に、これら
に限定されるものではない。
【0010】金属クロム層2は、下地の亜鉛系めつき層
及び上層のCr3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物
及び水和酸化物層と密着することによつて、下地の亜鉛
めつき層とクロメート被膜との密着性を維持するために
重要である。その付着量は、特に限定されるものではな
いが、多すぎるときは、上層のクロム酸化物と水和酸化
物層が薄くなつて、好ましくないので、全Cr付着量の2
/5以下とすることが望ましい。
及び上層のCr3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物
及び水和酸化物層と密着することによつて、下地の亜鉛
めつき層とクロメート被膜との密着性を維持するために
重要である。その付着量は、特に限定されるものではな
いが、多すぎるときは、上層のクロム酸化物と水和酸化
物層が薄くなつて、好ましくないので、全Cr付着量の2
/5以下とすることが望ましい。
【0011】クロム酸化物及び水和酸化物層3は、上層
に対してすぐれた密着性を有すると同時に、Cr6+による
被膜の自己修復作用によつて耐食性を向上させる。Cr付
着量は、特に限定されるものではないが、耐食性及び塗
装性の改善効果を有効に発揮させるためには、少なくと
も5mg/m2必要であり、好ましくは10mg/m2以上であ
る。Cr付着量の上限量も何ら限定されるものではない
が、製造費用の問題もあり、更には、Cr付着量を多くし
すぎても、それに見合つて、耐食性が改善されるもので
もなく、また、クロメート被膜自体の凝集破壊によつ
て、塗装性が劣化することもあるので、通常は、200
mg/m2以下がよい。
に対してすぐれた密着性を有すると同時に、Cr6+による
被膜の自己修復作用によつて耐食性を向上させる。Cr付
着量は、特に限定されるものではないが、耐食性及び塗
装性の改善効果を有効に発揮させるためには、少なくと
も5mg/m2必要であり、好ましくは10mg/m2以上であ
る。Cr付着量の上限量も何ら限定されるものではない
が、製造費用の問題もあり、更には、Cr付着量を多くし
すぎても、それに見合つて、耐食性が改善されるもので
もなく、また、クロメート被膜自体の凝集破壊によつ
て、塗装性が劣化することもあるので、通常は、200
mg/m2以下がよい。
【0012】また、クロム酸化物及び水和酸化物被膜中
のCr6+量も特に限定されるものではないが、通常、全Cr
量に対して、0.002〜0.2の範囲であることが好まし
い。クロム酸化物及び水和酸化物被膜中のCr6+量の下限
量が全Cr量に対して0.002よりも少ないときは、自己
修復作用が弱く、耐食性の向上が望めず、他方、0.2を
越えるときは、被膜の着色が著しいうえに、塗膜密着性
を損なうおそれもあるからである。
のCr6+量も特に限定されるものではないが、通常、全Cr
量に対して、0.002〜0.2の範囲であることが好まし
い。クロム酸化物及び水和酸化物被膜中のCr6+量の下限
量が全Cr量に対して0.002よりも少ないときは、自己
修復作用が弱く、耐食性の向上が望めず、他方、0.2を
越えるときは、被膜の着色が著しいうえに、塗膜密着性
を損なうおそれもあるからである。
【0013】本発明による表面処理鋼板においては、ク
ロメート被膜の表面上にシリカ層4を有することが一つ
の重要な特徴をなす。シリカを被膜中に共析させたクロ
メート処理亜鉛系めつき鋼板は、シリカを含有しないク
ロメート処理亜鉛系めつき鋼板に比べて、塗装性及び耐
食性にすぐれていることが、従来より知られている。し
かしながら、本発明者らは、シリカを被膜中に共析させ
たクロメート処理亜鉛系めつき鋼板であつても、厳しい
加工を受けた場合や、種々の環境下で長期間にわたつて
保管された場合には、塗装性が著しく劣化することがあ
ることを見出した。
ロメート被膜の表面上にシリカ層4を有することが一つ
の重要な特徴をなす。シリカを被膜中に共析させたクロ
メート処理亜鉛系めつき鋼板は、シリカを含有しないク
ロメート処理亜鉛系めつき鋼板に比べて、塗装性及び耐
食性にすぐれていることが、従来より知られている。し
かしながら、本発明者らは、シリカを被膜中に共析させ
たクロメート処理亜鉛系めつき鋼板であつても、厳しい
加工を受けた場合や、種々の環境下で長期間にわたつて
保管された場合には、塗装性が著しく劣化することがあ
ることを見出した。
【0014】そこで、本発明者らは、かかる問題を解決
するために鋭意研究した結果、被膜の表面にシリカ層を
有するクロメート処理亜鉛系めつき鋼板は、被膜中にシ
リカを共析させたクロメート処理亜鉛系めつき鋼板と同
等の耐食性を有すると共に、厳しい加工を受けた場合
や、種々の環境下で長期間にわたつて保管された場合に
おいても、すぐれた塗装性を維持し得ることを見出し
た。
するために鋭意研究した結果、被膜の表面にシリカ層を
有するクロメート処理亜鉛系めつき鋼板は、被膜中にシ
リカを共析させたクロメート処理亜鉛系めつき鋼板と同
等の耐食性を有すると共に、厳しい加工を受けた場合
や、種々の環境下で長期間にわたつて保管された場合に
おいても、すぐれた塗装性を維持し得ることを見出し
た。
【0015】被膜の表面にシリカ層を有するクロメート
処理亜鉛系めつき鋼板が、厳しい加工を受けた場合や、
種々の環境下で長期間にわたつて保管された場合におい
ても、すぐれた塗装性を維持する理由は、未だ必ずしも
明らかてはないが、以下のように考えられる。即ち、図
2に模式的に示すように、電解クロメート被膜中にシリ
カを共析させたクロメート処理亜鉛系めつき鋼板におい
ては、被膜中に多くのシリカが取り込まれるために、被
膜の最表面でのシリカの分散状態が必ずしも均一ではな
く、被膜表面のシリカの有する極性基と塗膜の接触率が
低くなる。このような被膜の状態でも、未加工或いは保
管なしに使用する場合は、被膜と塗膜との密着性は維持
されるが、加工を行なつた場合や、種々の条件下で長期
間にわたつて保管した場合には、被膜の変形や変性によ
つて、クロメート被膜の表面のシリカの有する極性基密
度が良好な塗膜密着性を維持するのに不十分となる。
処理亜鉛系めつき鋼板が、厳しい加工を受けた場合や、
種々の環境下で長期間にわたつて保管された場合におい
ても、すぐれた塗装性を維持する理由は、未だ必ずしも
明らかてはないが、以下のように考えられる。即ち、図
2に模式的に示すように、電解クロメート被膜中にシリ
カを共析させたクロメート処理亜鉛系めつき鋼板におい
ては、被膜中に多くのシリカが取り込まれるために、被
膜の最表面でのシリカの分散状態が必ずしも均一ではな
く、被膜表面のシリカの有する極性基と塗膜の接触率が
低くなる。このような被膜の状態でも、未加工或いは保
管なしに使用する場合は、被膜と塗膜との密着性は維持
されるが、加工を行なつた場合や、種々の条件下で長期
間にわたつて保管した場合には、被膜の変形や変性によ
つて、クロメート被膜の表面のシリカの有する極性基密
度が良好な塗膜密着性を維持するのに不十分となる。
【0016】これに対して、被膜の表面にシリカ層を有
するクロメート処理亜鉛系めつき鋼板は、図3に示すよ
うに、クロメート被膜の表面に均一なシリカ層を有して
いるために、表面における極性基密度が極めて高く、加
工を行なつたり、種々の条件下で長期間にわたつて保管
して、クロメート被膜の変形や変性が起こつたりした場
合においても、被膜表面のシリカ層は均一であり、その
極性基密度が良好な塗膜密着性を維持するのに十分とな
る。
するクロメート処理亜鉛系めつき鋼板は、図3に示すよ
うに、クロメート被膜の表面に均一なシリカ層を有して
いるために、表面における極性基密度が極めて高く、加
工を行なつたり、種々の条件下で長期間にわたつて保管
して、クロメート被膜の変形や変性が起こつたりした場
合においても、被膜表面のシリカ層は均一であり、その
極性基密度が良好な塗膜密着性を維持するのに十分とな
る。
【0017】本発明において、シリカの付着量は、特に
限定されるものではないが、クロメート被膜上に均一に
付着させ、塗装性の改善効果を有効に発揮させるために
は、少なくとも5mg/m2以上であることが好ましい。他
方、その上限量は、特に限定されるものではないが、し
かし、余りに多くしても、それに見合う効果を得ること
ができるものでもなく、また、製造費用や製造の安定性
を考慮して、通常、100mg/m2以下であることが望ま
しい。
限定されるものではないが、クロメート被膜上に均一に
付着させ、塗装性の改善効果を有効に発揮させるために
は、少なくとも5mg/m2以上であることが好ましい。他
方、その上限量は、特に限定されるものではないが、し
かし、余りに多くしても、それに見合う効果を得ること
ができるものでもなく、また、製造費用や製造の安定性
を考慮して、通常、100mg/m2以下であることが望ま
しい。
【0018】本発明によるかかる表面処理鋼板は、無水
クロム酸及び重クロム酸から選ばれる少なくとも1種
と、硫酸イオン、塩素イオン、硝酸イオン及びフッ素イ
オンから選ばれる少なくとも1種のアニオンとを含む溶
液中で亜鉛系めつき鋼板を陰極として電解処理を行な
い、その後、乾燥することなく、電解クロメート処理亜
鉛系めつき鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液にて
処理することによつて得ることができる。
クロム酸及び重クロム酸から選ばれる少なくとも1種
と、硫酸イオン、塩素イオン、硝酸イオン及びフッ素イ
オンから選ばれる少なくとも1種のアニオンとを含む溶
液中で亜鉛系めつき鋼板を陰極として電解処理を行な
い、その後、乾燥することなく、電解クロメート処理亜
鉛系めつき鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液にて
処理することによつて得ることができる。
【0019】即ち、本発明によれば、先ず、無水クロム
酸及び重クロム酸から選ばれる少なくとも1種と、硫酸
イオン、塩素イオン、硝酸イオン及びフッ素イオンから
選ばれる少なくとも1種のアニオンとを含む溶液を電解
浴とし、この浴中にて亜鉛系めつき鋼板を陰極として電
解処理を行なつて、亜鉛めつき層の上に金属クロム層を
形成させ、その上にCr3+が主体であつて、Cr6+を含むク
ロム酸化物及び水和酸化物層を有するクロメート被膜を
形成させる。
酸及び重クロム酸から選ばれる少なくとも1種と、硫酸
イオン、塩素イオン、硝酸イオン及びフッ素イオンから
選ばれる少なくとも1種のアニオンとを含む溶液を電解
浴とし、この浴中にて亜鉛系めつき鋼板を陰極として電
解処理を行なつて、亜鉛めつき層の上に金属クロム層を
形成させ、その上にCr3+が主体であつて、Cr6+を含むク
ロム酸化物及び水和酸化物層を有するクロメート被膜を
形成させる。
【0020】本発明において、電解クロメート処理温度
は、特に、限定されるものではないが、浴温の管理の容
易さや経済性を考慮すれば、実用的には、通常、常温か
ら70℃の範囲が好適である。電流密度も、何ら制限さ
れるものではないが、20A/dm2を越えるときは、電
流効率が低下し、経済上、不利であるので、通常、20
A/dm2以下であることが好ましい。電解時間もまた、
何ら制約を受けるものではないが、通常、10秒以下の
範囲が工業上、好適である。
は、特に、限定されるものではないが、浴温の管理の容
易さや経済性を考慮すれば、実用的には、通常、常温か
ら70℃の範囲が好適である。電流密度も、何ら制限さ
れるものではないが、20A/dm2を越えるときは、電
流効率が低下し、経済上、不利であるので、通常、20
A/dm2以下であることが好ましい。電解時間もまた、
何ら制約を受けるものではないが、通常、10秒以下の
範囲が工業上、好適である。
【0021】次に、本発明によれば、上記した電解処理
を行なつた後、乾燥することなく、電解クロメート処理
亜鉛系めつき鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液に
て処理することによつて、塗装性にすぐれる表面処理鋼
板を得ることができる。電解クロメート処理亜鉛系めつ
き鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液にて処理する
には、例えば、電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板を
コロイダルシリカを含有する溶液に浸漬するか、又は電
解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板にコロイダルシリカ
を含有する溶液を噴霧する等すればよい。
を行なつた後、乾燥することなく、電解クロメート処理
亜鉛系めつき鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液に
て処理することによつて、塗装性にすぐれる表面処理鋼
板を得ることができる。電解クロメート処理亜鉛系めつ
き鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液にて処理する
には、例えば、電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板を
コロイダルシリカを含有する溶液に浸漬するか、又は電
解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板にコロイダルシリカ
を含有する溶液を噴霧する等すればよい。
【0022】この方法によれば、電解クロメート処理亜
鉛系めつき鋼板の表面の活性なクロメート層と液中のコ
ロイダルシリカとの反応によつて、被膜の表面に均一な
シリカ層を有する電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板
を製造することができ、コロイダルシリカを含む電解浴
中で亜鉛系めつき鋼板を陰極電解する方法によつては得
ることができなかつた、被膜表面に均一なシリカ層を有
する電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板を得ることが
できる。
鉛系めつき鋼板の表面の活性なクロメート層と液中のコ
ロイダルシリカとの反応によつて、被膜の表面に均一な
シリカ層を有する電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板
を製造することができ、コロイダルシリカを含む電解浴
中で亜鉛系めつき鋼板を陰極電解する方法によつては得
ることができなかつた、被膜表面に均一なシリカ層を有
する電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板を得ることが
できる。
【0023】本発明において、コロイダルシリカ溶液の
濃度は、特に限定されるものではないが、通常、1〜3
00g/lの範囲である。濃度が1g/lよりも小さい
ときは、得られるシリカ層が不均一となり、塗装性の改
善効果に乏しく、他方、300g/lを越えるとき、浴
中のシリカがゲル化しやすく、溶液の管理が困難となつ
て、経済的に不利となる。
濃度は、特に限定されるものではないが、通常、1〜3
00g/lの範囲である。濃度が1g/lよりも小さい
ときは、得られるシリカ層が不均一となり、塗装性の改
善効果に乏しく、他方、300g/lを越えるとき、浴
中のシリカがゲル化しやすく、溶液の管理が困難となつ
て、経済的に不利となる。
【0024】前記コロイダルシリカの溶液は、鋼板に接
触させることによつて、クロメート被膜を造膜する作用
を有する溶液でなければ、特に制約を受けるものではな
く、液のpHも特に限定されず、液中のコロイダルシリカ
が最も安定して存在するpHで用いることができる。ま
た、コロイダルシリカの溶液の温度も、何ら限定される
ものではないが、通常、実用的には、常温から70℃の
範囲がよい。更に、本発明において、電解クロメート処
理亜鉛系めつき鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液
にて処理する時間は、工業上は、通常、10秒以下が好
適である。
触させることによつて、クロメート被膜を造膜する作用
を有する溶液でなければ、特に制約を受けるものではな
く、液のpHも特に限定されず、液中のコロイダルシリカ
が最も安定して存在するpHで用いることができる。ま
た、コロイダルシリカの溶液の温度も、何ら限定される
ものではないが、通常、実用的には、常温から70℃の
範囲がよい。更に、本発明において、電解クロメート処
理亜鉛系めつき鋼板をコロイダルシリカを含有する溶液
にて処理する時間は、工業上は、通常、10秒以下が好
適である。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下の実施例及び比較例においては、亜鉛系め
つき鋼板を処理した後、温度60℃で10分間乾燥し
て、後述する塗装性試験及び耐食性試験に供した。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下の実施例及び比較例においては、亜鉛系め
つき鋼板を処理した後、温度60℃で10分間乾燥し
て、後述する塗装性試験及び耐食性試験に供した。
【0026】実施例1 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0027】実施例2 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度100g
/l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度100g
/l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0028】実施例3 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度200g
/l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度200g
/l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0029】実施例4 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :30g/l SO4 2-/CrO3:0.006 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :30g/l SO4 2-/CrO3:0.006 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0030】実施例5 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:90g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:6秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:90g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:6秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0031】実施例6 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:10A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:10A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0032】実施例7 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0033】実施例8 公知の方法で清浄にした溶融亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:90g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
量:90g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0034】実施例9 公知の方法で清浄にした亜鉛−ニッケルめつき鋼板(亜
鉛付着量:20g/m2、ニッケル付着量:2.2g/m2)
を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
鉛付着量:20g/m2、ニッケル付着量:2.2g/m2)
を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒 この後、このように処理した鋼板をシリカ濃度30g/
l、温度45℃の液に2秒間浸漬した。
【0035】比較例1 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
【0036】比較例2 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
【0037】比較例3 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :100g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電気浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :100g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
【0038】比較例4 公知の方法で清浄にした溶融亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:90g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
量:90g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
【0039】比較例5 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :30g/l SO4 2-/CrO3:0.006 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :30g/l SO4 2-/CrO3:0.006 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:2秒
【0040】比較例6 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:6秒
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:5A/dm2 電解時間:6秒
【0041】比較例7 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:10A/dm2 電解時間:2秒
量:20g/m2)を以下の条件で陰極電解処理した。 電解浴組成 CrO3 :50g/l SO4 2-/CrO3:0.004 SiO2ゾル :30g/l 浴温度 45℃ 電解条件 電流密度:10A/dm2 電解時間:2秒
【0042】比較例8 公知の方法で清浄にした電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量:20g/m2)を市販のリン酸塩溶液で処理した。
量:20g/m2)を市販のリン酸塩溶液で処理した。
【0043】以上のようにして得られたそれぞれの電解
クロメート処理亜鉛系めつき鋼板について、以下の方法
によつて耐食性及び塗装性試験を行なつた。塗装性試験 試料作製の直後と、温度60℃、相対湿度30%の雰囲
気下で80日間保管した後とに、それぞれアミノアルキ
ド系塗料をバーコーターにて塗布し、焼付けて、厚さ2
0μmの塗膜を形成し、塗膜の密着性試験を行なつた。
塗膜の密着性は、塗膜の表面に1mm×1mmの碁盤目をカ
ツターナイフにて罫書きし、エリクセン試験機で6mm押
出した後、粘着テープを貼着し、次いで、そのテープを
剥離して、その際の塗膜の残存率にて評価した。○は塗
膜剥離なし、△は塗膜が一部剥離した、×は塗膜の大部
分が剥離した、を示す。耐食性試験 JIS Z−2371に規定されている方法に準じて、
塩水噴霧試験を行なつて、白錆発生面積率が1%になる
までの時間を測定し、この時間によつて評価した。即
ち、1%白錆発生時間が○は120時間以上、△は70
〜120時間、×は70時間以下を示す。
クロメート処理亜鉛系めつき鋼板について、以下の方法
によつて耐食性及び塗装性試験を行なつた。塗装性試験 試料作製の直後と、温度60℃、相対湿度30%の雰囲
気下で80日間保管した後とに、それぞれアミノアルキ
ド系塗料をバーコーターにて塗布し、焼付けて、厚さ2
0μmの塗膜を形成し、塗膜の密着性試験を行なつた。
塗膜の密着性は、塗膜の表面に1mm×1mmの碁盤目をカ
ツターナイフにて罫書きし、エリクセン試験機で6mm押
出した後、粘着テープを貼着し、次いで、そのテープを
剥離して、その際の塗膜の残存率にて評価した。○は塗
膜剥離なし、△は塗膜が一部剥離した、×は塗膜の大部
分が剥離した、を示す。耐食性試験 JIS Z−2371に規定されている方法に準じて、
塩水噴霧試験を行なつて、白錆発生面積率が1%になる
までの時間を測定し、この時間によつて評価した。即
ち、1%白錆発生時間が○は120時間以上、△は70
〜120時間、×は70時間以下を示す。
【0044】前記実施例及び比較例について、上記の塗
装性試験及び耐食性試験の結果を表1に示す。本発明の
実施例によれば、いずれも、耐食性、試料作成直後及び
保管後の塗装性のすべてにすぐれている。一方、被膜に
シリカを含まない比較例1、シリカを被膜中に共析させ
た比較例2〜7及びリン酸塩処理を行なつた比較例8
は、いずれも、耐食性、試料作成直後及び保管後の塗装
性のうちの少なくとも一つ、特に、保管後野塗装性に劣
つている。
装性試験及び耐食性試験の結果を表1に示す。本発明の
実施例によれば、いずれも、耐食性、試料作成直後及び
保管後の塗装性のすべてにすぐれている。一方、被膜に
シリカを含まない比較例1、シリカを被膜中に共析させ
た比較例2〜7及びリン酸塩処理を行なつた比較例8
は、いずれも、耐食性、試料作成直後及び保管後の塗装
性のうちの少なくとも一つ、特に、保管後野塗装性に劣
つている。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
亜鉛系めつき層の上に金属クロム層を有し、その上にCr
3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物と水和酸化物
からなる層を有し、更にその上にシリカ層を有するの
で、厳しい加工を受けても、また、種々多様な条件下に
おいて長期間にわたつて保管された後であつても、安定
して、すぐれた塗装性を有する。
亜鉛系めつき層の上に金属クロム層を有し、その上にCr
3+主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物と水和酸化物
からなる層を有し、更にその上にシリカ層を有するの
で、厳しい加工を受けても、また、種々多様な条件下に
おいて長期間にわたつて保管された後であつても、安定
して、すぐれた塗装性を有する。
【図1】は、本発明による表面処理鋼板の深さ方向の組
成変化をESCAによつて分析した図である。
成変化をESCAによつて分析した図である。
【図2】は、被膜中にシリカを共析させたクロメート処
理亜鉛系めつき鋼板を示す模式図である。
理亜鉛系めつき鋼板を示す模式図である。
【図3】は、本発明に従つて、クロメート被膜上に均一
なシリカ層を有するクロメート処理亜鉛系めつき鋼板を
示す模式図である。
なシリカ層を有するクロメート処理亜鉛系めつき鋼板を
示す模式図である。
【符号の説明】 1…塗膜、2…シリカの有する極性基(水酸基)、3…
コロイダルシリカ、4…Cr3+を主体とし、Cr6+を含むク
ロム酸化物及び水和酸化物からなる層、5…金属クロム
層、6…亜鉛系めつき層。
コロイダルシリカ、4…Cr3+を主体とし、Cr6+を含むク
ロム酸化物及び水和酸化物からなる層、5…金属クロム
層、6…亜鉛系めつき層。
フロントページの続き (72)発明者 梶田 富男 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内
Claims (3)
- 【請求項1】亜鉛系めつき層上に金属クロム層を有し、
その上にCr3+が主体であつて、Cr6+を含むクロム酸化物
と水和酸化物からなる層を有し、更にその上にシリカ層
を有することを特徴とする塗装性にすぐれる表面処理鋼
板。 - 【請求項2】無水クロム酸及び重クロム酸から選ばれる
少なくとも1種とアニオンとを含む溶液中で亜鉛系めつ
き鋼板を陰極として電解処理を行ない、その後、乾燥す
ることなく、電解クロメート処理亜鉛系めつき鋼板をコ
ロイダルシリカを含有する溶液にて処理することを特徴
とする塗装性にすぐれる表面処理鋼板の製造方法。 - 【請求項3】アニオンが硫酸イオン、塩素イオン、硝酸
イオン又はフツ素イオンであることを特徴とする請求項
2記載の塗装性にすぐれる表面処理鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9522392A JPH05287555A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 塗装性にすぐれる表面処理鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9522392A JPH05287555A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 塗装性にすぐれる表面処理鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287555A true JPH05287555A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14131753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9522392A Pending JPH05287555A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 塗装性にすぐれる表面処理鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287555A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990038332A (ko) * | 1997-11-04 | 1999-06-05 | 이구택 | 내식성 및 수지밀착성이 우수한 크로메이트 처리방법 |
US6858321B2 (en) * | 2002-04-05 | 2005-02-22 | Yuken Industry Co., Ltd. | Corrosion resistant member |
-
1992
- 1992-04-15 JP JP9522392A patent/JPH05287555A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990038332A (ko) * | 1997-11-04 | 1999-06-05 | 이구택 | 내식성 및 수지밀착성이 우수한 크로메이트 처리방법 |
US6858321B2 (en) * | 2002-04-05 | 2005-02-22 | Yuken Industry Co., Ltd. | Corrosion resistant member |
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