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JPH05276988A - 新規抗hiv抗体 - Google Patents

新規抗hiv抗体

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Publication number
JPH05276988A
JPH05276988A JP4154751A JP15475192A JPH05276988A JP H05276988 A JPH05276988 A JP H05276988A JP 4154751 A JP4154751 A JP 4154751A JP 15475192 A JP15475192 A JP 15475192A JP H05276988 A JPH05276988 A JP H05276988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
antibody
cells
monoclonal antibody
mouse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4154751A
Other languages
English (en)
Inventor
Juergen Dr Mestan
メスタン ユルゲン
Janis K Dr Lazdins
ケー. ラズディンス ジャニス
Kathie A Woods-Cook
エー. ウッズ−クック キャシー
Norman Dr Hardman
ハードマン ノーマン
Heinz-Kurt Dr Hochkeppel
ホフケッペル ハインツ−クルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novartis AG
Original Assignee
Ciba Geigy AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ciba Geigy AG filed Critical Ciba Geigy AG
Publication of JPH05276988A publication Critical patent/JPH05276988A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • C07K16/08Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from viruses
    • C07K16/10Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from viruses from RNA viruses
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    • C07K2317/73Inducing cell death, e.g. apoptosis, necrosis or inhibition of cell proliferation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、HIV 感染マクロファージの表面上
に発現されるHIV コアタンパク質p24 を認識しそして/
又はHIV 感染マクロファージを致死せしめるHIVコアタ
ンパク質p24 に対するモノクローナル抗体及びその誘導
体に関する。該抗体はマウス抗体であるか又はヒト定常
領域とマウス可変領域もしくは高可変領域とから成るキ
メラ抗体であることができる。本発明は、前記抗体の製
造方法、それらを分泌するハイブリドーマ又はトランス
フェクトーマ細胞系、上記性質を有するHIV コアタンパ
ク質p24 に対する抗体の可変領域をコードする挿入断片
を含んで成る組換えDNA 、前記組換えDNA の製造方法、
及び前記組換えDNA により形質転換された宿主細胞にも
関する。 【効果】 本発明の抗体は、AIDSの進行の防止及びAIDS
の治療、更にはイムノアッセイにおけるHIV 感染の診断
に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】HIV(ヒト免疫不全ウイルス、リンパ節
疾患ウイルスLAV とも呼ばれる)は、ヒトTリンパ向性
レトロウイルス(HTLV-III)のファミリーの第三の既知
のレトロウイルスであり、後天性免疫不全症候群(AID
S)およびこの病気の発生に先行するAIDS関連症状(ARC)
の原因物質である。人体におけるHIV の主要標的はT
細胞の特定の亜科であるT4リンパ球である。T4リン
パ球の消耗は、二次感染および癌に関係する深刻な免疫
不全を引き起こす。
【0002】HIV の全ゲノムは配列決定されており、様
々な遺伝子の機能が解明されている。主要コアタンパク
質はgag 遺伝子によりコードされる。gag 前駆体タンパ
ク質p55 がpol 遺伝子によりコードされるプロテアーゼ
によってプロセシングされ、主要コアタンパク質p24
(時折p25 とも呼称される)並びにタンパク質p18(p17)
およびp13(p15)が生産される。env 遺伝子はグリコシル
化されたタンパク質gp160 をコードし、gp160 は外部gp
120 と経膜糖タンパク質gp41にプロセシングされる。
【0003】ヒト免疫不全ウイルス(HIV) に感染したヒ
トは、すぐにウイルス抗原gp120, gp160, gp41およびp2
4(p25)に対する高力価の抗体を持つようになる。p24 に
対する血清抗体は感染の初期に現れるが、病気(AIDS)の
無症候型から症候型への移行前の6か月〜1年以内に、
抗p24 抗体の減少がしばしば観察される。この減少は、
免疫系が激しく抑制される病気の末期までの感染の経過
中ずっと維持される抗gp120/160 血漿抗体レベルの有意
な変化と平行していない。
【0004】p24(p25)に対するマウスおよびヒトモノク
ローナル抗体は既知である。米国特許第4 843 011 号
は、HIV 経膜エンベロープ糖タンパク質gp41、主要コア
タンパク質p24 およびp17 タンパク質に対するマウスモ
ノクローナル抗体、並びにHIVの検出用のイムノアッセ
イにおけるそれらの利用を開示している。ヨーロッパ特
許出願第EP-A 0 248 534号は、主要コアタンパク質p24
と反応するマウスモノクローナル抗体を使ったAIDSウイ
ルス感染の検出方法を記載している。その他のマウスモ
ノクローナル抗p24(p25)抗体が、ヨーロッパ特許出願第
EP-A 0 211 022号、同第EP-A 0 290 893号、同第EP-A 0
345 461号、F. di Marzo Veroneseら, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 82, 5199 (1985)等において開示されてい
る。ヒトモノクローナル抗p24(p25)抗体はM.K. Gorny
ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86,1624 (1989)およ
びPCT 出願第WO 90/09805 号において記載されている。
【0005】抗レトロウイルス活性を有する剤の開発と
試験に多大な努力や方策が向けられているにもかかわら
ず、HIV 感染の効果的治療はまだ可能でない。モノクロ
ーナル抗HIV 抗体の利用はAIDSの予防および治療に有用
であると考えられている。しかしながら、既知の抗p24
(p25)抗体の適用は、それらの抗体がHIV 感染細胞によ
るHIV 粒子の生産を防止し且つHIV 感染細胞の選択的破
壊を媒介することができていないため、結局うまくいか
ずに終わっている。
【0006】生体内診断薬および治療薬としてのマウス
モノクローナル抗体の利用における主な制限は、外来タ
ンパク質としてのそれらの免疫原性、循環中のそれらの
多少長い持続性、および損害を与える免疫複合体の形成
である。他方、ヒトモノクローナル抗体での処置も、ヒ
トハイブリドーマ細胞系がめったに入手できず、一般に
不安定であり、そして十分な量で且つ穏当な費用で適切
な特異性のモノクローナル抗体を生産することができな
いため、制限される。有望な別法は、特定の診断および
治療作業に合わせてモノクローナル抗体を作るために免
疫グロブリン遺伝子を変更することである。免疫グロブ
リン分子の可変領域および各々の定常領域ドメインがそ
れら自身のスプライシング部位を有する別々のエクソン
中にコードされているという事実のため、組換え技術を
使って、クローニングされた免疫グロブリン遺伝子の種
々の部分を単離し、そしてそれらを別の免疫グロブリン
分子の部分に連結することができる。再構成された遺伝
子は適当な形質転換連続細胞系により発現される。マウ
ス抗体は、例えば、マウス定常領域エクソンをヒト免疫
グロブリン定常領域エクソンと交換することにより「ヒ
ト化された」抗体に変換することができ、こうしてマウ
ス抗体結合部位とヒト定常領域とを有するキメラ抗体を
作製することができる。ヨーロッパ特許出願0 239 400
に記載された抗体を「ヒト化」する上でのより一層精巧
な技術は、マウス可変領域中の別のかなり保存された領
域、いわゆるフレームワーク領域(FR)をも、ヒト抗体か
らの対応するフレームワーク領域と交換するものであ
る。そのようなヒト化された抗体は、マウス抗体に由来
する部分だけが抗原に対する特定の特異性を限定する高
可変領域、いわゆる相補性決定領域(CDR) であるので、
ヒトにおける免疫原性が一層少ないであろう。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、HIV 感染マクロファー
ジの表面上に発現されるHIV コアタンパク質p24 を認識
し、そして/または特に抗体依存性細胞媒介性細胞障害
作用(ADCC)によりHIV 感染細胞を殺す、HIV コアタン
パク質p24 に対して向けられたモノクローナル抗体およ
び抗体誘導体を提供することである。それらの抗体のう
ちのあるものは、更にHIV 感染細胞から非感染細胞への
広がりを抑制し、そして/またはマクロファージおよび
慢性的に感染したリンパ系細胞により生産される感染性
HIV の量を減少させる。本発明のモノクローナル抗体は
マウス抗体であることができ、またはヒト定常領域とマ
ウス可変もしくは高可変領域とから成るキメラ抗体であ
ることができる。そのような抗体の製造方法、それらを
分泌するハイブリドーマまたはトランスフェクトーマ細
胞系、および該ハイブリドーマまたはトランスフェクト
ーマ細胞系の生産方法も本発明に含まれる。本発明は更
に、上記の性質を有するHIV コアタンパク質p24 に対す
る抗体の可変領域をコードする挿入断片を含んで成る組
換えDNA 、そのような組換えDNA の製造方法、および組
換え抗体の生産に適当であるそのような組換えDNA によ
り形質転換された宿主細胞に関する。
【0008】前記抗体は、AIDSの進行の防止、即ち、無
症候性感染段階から発病への発達の防止、およびAIDSの
治療に特に有用であるだけでなく、更にイムノアッセイ
におけるHIV の診断にも有用である。
【0009】
【具体的記載】本発明は、HIV 感染マクロファージの表
面上に発現されるHIV コアタンパク質p24 を認識するp2
4 に対して向けられたモノクローナル抗体に関する。特
に抗体依存性細胞媒介性細胞障害作用(ADCC)を媒介す
ることによりHIV 感染細胞を殺す上記性質を有する、HI
V コアタンパク質p24 に対して向けられたモノクローナ
ル抗体が好ましい。特に好ましいのは、例えばHIV 感染
細胞によるHIV 粒子の生産を防ぐことによって、HIV 感
染細胞から非感染細胞への広がりを抑制し、そして/ま
たはマクロファージおよび慢性的に感染したリンパ系細
胞により生産される感染性HIV の量を減少させる、モノ
クローナル抗p24 抗体である。特に好ましいのは、別種
のHIV 株、例えばHIV-1 およびHIV-2 並びにその変異体
のp24 を更に認識するモノクローナル抗体である。
【0010】本発明は、誘導体が誘導されるもとの抗体
の特異性を保持している本発明の抗体の誘導体に関す
る。本発明のモノクローナル抗体は、マウス抗体である
ことができ、またはヒト定常領域とマウス可変もしくは
高可変領域とから成るキメラ抗体であることができる。
上記の性質を有するマウスモノクローナル抗体は、例え
ばMAb 25-57-1 およびMAb 26-69-5 である。それらの抗
体およびその誘導体が特に好ましい。
【0011】本発明は特に、上記の性質を有しHIV p24
に対して向けられる抗体のヒト定常領域とマウス可変領
域とから成るキメラモノクローナル抗体に関する。これ
は、本発明のキメラMAb がヒト抗体に由来する定常領域
を有するかまたはそのようなヒトAbの定常領域配列に相
同であるアミノ酸配列を有すること、そして本発明のキ
メラMAb がHIV p24 に対して向けられたマウス抗体に由
来する定常領域を有するかまたはそのようなマウスMAb
の可変領域配列に相同であるアミノ酸配列を有すること
を意味する。
【0012】特に、本発明は、ヒト定常領域と、好まし
いマウスモノクローナル抗体25-57-1 もしくは好ましい
マウスモノクローナル抗体26-69-5 それぞれの可変領域
に由来するかまたは可変領域に相同であるマウス可変領
域とから成るキメラモノクローナル抗体、およびその誘
導体に関する。特に好ましいのは、マウスモノクローナ
ル抗体25-57-1 の可変領域を含むMAbCh25と命名された
キメラモノクローナル抗体、およびその誘導体である。
マウスモノクローナル抗体26-69-5 の可変領域を含むMA
b Ch26と命名されたキメラモノクローナル抗体、および
その誘導体も特に好ましい。抗体の軽鎖の可変領域は、
異なる特異性を有するがかなり保存されているいわゆる
フレームワーク領域(FR)と、特定の特異性に典型的であ
る相補性決定領域(CDR) とも呼ばれる高可変領域とから
成る。
【0013】本発明の好ましいキメラモノクローナル抗
体およびそれらの誘導体は、軽鎖可変領域が式Iのポリ
ペプチド: FR1-CDR1L -FR2-CDR2L-FR3-CDR3L-FR4 (I) (上式中、FR1 は19〜23個の天然アミノ酸を含んで成る
ポリペプチド残基であり、FR2 は13〜17個の天然アミノ
酸を含んで成るポリペプチド残基であり、FR3 は30〜34
個の天然アミノ酸を含んで成るポリペプチド残基であ
り、FR4 は 7〜11個の天然アミノ酸を含んで成るポリペ
プチド残基であり、CDR1L は配列番号1のアミノ酸配列
22〜32のポリペプチド残基であり、CDR2L は配列番号1
のアミノ酸配列48〜54のポリペプチド残基であり、そし
てCDR3L は配列番号1のアミノ酸配列87〜95のポリペプ
チド残基である)を含んで成り、そしてアミノ酸Cys が
S-S 架橋を形成する酸化状態にあることがあるものであ
る。それらの特定の相補性決定領域はArg-Ala-Ser-Glu-
Asn-Ile-Tyr-Ser-Asn-Leu-Ala (CDR1L )、Ala-Ala-Thr-
Asn-Leu-Ala-Asp (CDR2L) およびGln-His-Phe-Trp-Ser-
Thr-Pro-Trp-Thr (CDR3L) である。
【0014】特に好ましいのは、フレームワーク領域 F
R1, FR2, FR3およびFR4 のポリペプチド残基が好ましく
は哺乳動物、特にマウスまたはヒトの抗体中に存在する
ものである式Iの軽鎖可変領域を含んで成るキメラモノ
クローナル抗体およびその誘導体である。
【0015】最も好ましいのは、配列番号1のアミノ酸
配列のポリペプチドを含んで成る軽鎖可変領域を有し、
ここでアミノ酸配列 1〜21(FR1), 33 〜47(FR2), 55 〜
86(FR3) および/または96〜104(FR4)中の1もしくは複
数の、例えば1,2,3もしくは4個の単一アミノ酸が
場合により別のアミノ酸により置き換えられているかま
たは削除されていることがあり、そしてアミノ酸Cys が
S-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、本発明
に係るキメラモノクローナル抗体およびその誘導体、特
に配列番号1のアミノ酸配列 1〜104 のポリペプチドを
含んで成る軽鎖可変領域を有し、ここでアミノ酸Cys が
S-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、キメラ
モノクローナル抗体およびその誘導体である。例えば、
フレームワーク領域内の疎水性アミノ酸が他のアミノ
酸、好ましくは同様に疎水性アミノ酸、例えば同族のア
ミノ酸により置き換えられるか、2つのアミノ酸により
置き換えられるか、または削除されてもよい。同様に、
フレームワーク領域内の親水性アミノ酸が別のアミノ酸
もしくは2つのアミノ酸により置き換えられるかまたは
削除されてもよい。ここで置換するアミノ酸は好ましく
は対応するフレームワーク領域の水素結合を維持するも
のである。
【0016】同様に好ましい本発明のキメラモノクロー
ナル抗体およびそれらの誘導体は、重鎖可変領域が式II
のポリペプチド: FR5-CDR1H -FR6-CDR2H-FR7-CDR3H-FR8 (II) (上式中、FR5 は25〜29個の天然アミノ酸を含んで成る
ポリペプチド残基であり、FR6 は12〜16個の天然アミノ
酸を含んで成るポリペプチド残基であり、FR7 は30〜34
個の天然アミノ酸を含んで成るポリペプチド残基であ
り、FR8 は 6〜10個の天然アミノ酸を含んで成るポリペ
プチド残基であり、CDR1H は配列番号2のアミノ酸配列
28〜32のポリペプチド残基であり、CDR2H は配列番号2
のアミノ酸配列47〜63のポリペプチド残基であり、そし
てCDR3H は配列番号2のアミノ酸配列96〜99のポリペプ
チド残基である)を含んで成り、そしてアミノ酸Cys が
S-S 架橋を形成する酸化状態にあることがあるものであ
る。それらの特定の相補性決定領域はAsp-Tyr-Ala-Met-
His (CDR1H) 、Ile-Ile-Arg-Thr-Tyr-Asn-Gly-Asn-Thr-
Asn-Tyr-Asn-Gln-Lys-Phe-Lys-Gly (CDR2H )およびAsn-
Val-Ala-Tyr (CDR3H )である。
【0017】特に好ましいのは、フレームワーク領域 F
R5, FR6, FR7およびFR8 のポリペプチド残基が好ましく
は哺乳動物、特にマウスまたはヒトの抗体中に存在する
ものである式IIの重鎖可変領域を含んで成るキメラモノ
クローナル抗体およびその誘導体である。
【0018】最も好ましいのは、配列番号2のアミノ酸
配列のポリペプチドを含んで成る重鎖可変領域を有し、
ここでアミノ酸配列 1〜27(FR5), 33 〜46(FR6), 64 〜
95(FR7) および/または 100〜107(FR8)中の1もしくは
複数の、例えば1,2,3もしくは4個の単一アミノ酸
が場合により別のアミノ酸により置き換えられているか
または削除されていることがあり、そしてアミノ酸Cys
がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、本発
明に係るキメラモノクローナル抗体およびその誘導体、
特に配列番号2のアミノ酸配列 1〜107 のポリペプチド
を含んで成る重鎖可変領域を有し、ここでアミノ酸Cys
がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、キメ
ラモノクローナル抗体およびその誘導体である。例え
ば、軽鎖について上記に詳述したのと同様に、フレーム
ワーク領域内のアミノ酸が他のアミノ酸により置き換え
られるかまたは削除されてもよい。
【0019】軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、それ
ぞれ配列番号1および配列番号2のN末端にアシル基、
例えばホルミルまたはアルカノイル、例えばパルミトイ
ル、ミリストイルまたは低級アルカノイル、例えばアセ
チルもしくはプロピオニル基を含んでもよい。
【0020】本発明は、優先的には、好ましい意味を有
する式Iの軽鎖可変領域、例えば配列番号1に与えられ
たアミノ酸配列(該配列中のアミノ酸Cys はS-S 架橋を
形成する酸化状態にあることがある)を有する軽鎖可変
領域、軽鎖ヒト定常領域κまたはλ、特にκ、好ましい
意味を有する式IIの重鎖可変領域、例えば配列番号2に
与えられたアミノ酸配列(該配列中のアミノ酸Cys はS-
S 架橋を形成する酸化状態にあることがある)を有する
重鎖可変領域、および重鎖ヒト定常領域γ1,γ2,γ3 ま
たはγ4 、特にγ1 を有する、キメラモノクローナル抗
体およびその誘導体に関する。
【0021】同様に好ましい本発明のキメラモノクロー
ナル抗体およびそれらの誘導体は、軽鎖可変領域が式II
I のポリペプチド: FR9-CDR4L -FR10-CDR5L -FR11-CDR6L -FR12 (II) (上式中、FR9 は19〜23個の天然アミノ酸を含んで成る
ポリペプチド残基であり、FR10は13〜17個の天然アミノ
酸を含んで成るポリペプチド残基であり、FR11は30〜34
個の天然アミノ酸を含んで成るポリペプチド残基であ
り、FR12は 7〜11個の天然アミノ酸を含んで成るポリペ
プチド残基であり、CDR4L は配列番号3のアミノ酸配列
22〜38のポリペプチド残基であり、CDR5L は配列番号3
のアミノ酸配列54〜60のポリペプチド残基であり、そし
てCDR6L は配列番号3のアミノ酸配列93〜101 のポリペ
プチド残基である)を含んで成り、そしてアミノ酸Cys
がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがあるもので
ある。それらの特定の相補性決定領域はLys-Ser-Ser-Gl
n-Ser-Leu-Leu-Tyr-Ser-Ser-Asn-Gln-Lys-Asn-Tyr-Leu-
Ala (CDR4L) 、Trp-Ala-Ser-Thr-Arg-Glu-Ser (CDR5L )
およびGln-Gln-Tyr-Tyr-Ser-Tyr-Pro-Trp-Thr (CDR6L )
である。
【0022】特に好ましいのは、フレームワーク領域 F
R9, FR10, FR11およびFR12のポリペプチド残基が好まし
くは哺乳動物、特にマウスまたはヒトの抗体中に存在す
るものである式IIの軽鎖可変領域を含んで成るキメラモ
ノクローナル抗体およびその誘導体である。
【0023】最も好ましいのは、配列番号3のアミノ酸
配列のポリペプチドを含んで成る軽鎖可変領域を有し、
ここでアミノ酸配列 1〜21(FR9), 39 〜53(FR10), 61〜
92(FR11)および/または102 〜110(FR12) 中の1もしく
は複数の、例えば1,2,3もしくは4個の単一アミノ
酸が場合により別のアミノ酸により置き換えられている
かまたは削除されていることがあり、そしてアミノ酸Cy
s がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、本
発明に係るキメラモノクローナル抗体およびその誘導
体、特に配列番号3のアミノ酸配列 1〜110 のポリペプ
チドを含んで成る軽鎖可変領域を有し、ここでアミノ酸
Cys がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、
キメラモノクローナル抗体およびその誘導体である。例
えば、フレームワーク領域内の疎水性アミノ酸が他のア
ミノ酸、好ましくは同様に疎水性アミノ酸、例えば同族
のアミノ酸により置き換えられるか、2つのアミノ酸に
より置き換えられるか、または削除されてもよい。同様
に、フレームワーク領域内の親水性アミノ酸が別のアミ
ノ酸もしくは2つのアミノ酸により置き換えられるかま
たは削除されてもよい。ここで置換するアミノ酸は好ま
しくは対応するフレームワーク領域の水素結合構造を維
持するものである。
【0024】同様に好ましい本発明のキメラモノクロー
ナル抗体およびそれらの誘導体は、重鎖可変領域が式IV
のポリペプチド: FR13-CDR4H-FR14-CDR5H -FR15-CDR6H -FR16 (IV) (上式中、FR13は25〜29個の天然アミノ酸を含んで成る
ポリペプチド残基であり、FR14は12〜16個の天然アミノ
酸を含んで成るポリペプチド残基であり、FR15は30〜34
個の天然アミノ酸を含んで成るポリペプチド残基であ
り、FR16は 6〜10個の天然アミノ酸を含んで成るポリペ
プチド残基であり、CDR4H は配列番号4のアミノ酸配列
28〜32のポリペプチド残基であり、CDR5H は配列番号4
のアミノ酸配列47〜63のポリペプチド残基であり、そし
てCDR6H は配列番号4のアミノ酸配列96〜99のポリペプ
チド残基である)を含んで成り、そしてアミノ酸Cys が
S-S 架橋を形成する酸化状態にあることがあるものであ
る。それらの特定の相補性決定領域はMet-Tyr-Trp-Leu-
Glu (CDR4H) 、Glu-Ile-Ser-Pro-Gly-Thr-Phe-Thr-Thr-
Asn-Tyr-Asn-Glu-Lys-Phe-Lys-Ala (CDR5H )およびPhe-
Ser-His-Tyr-Ser-Gly-Asn-Asn-Tyr-Asp-Tyr-Phe-Asp-Ty
r (CDR6H )である。
【0025】特に好ましいのは、フレームワーク領域 F
R13, FR14, FR15 およびFR16のポリペプチド残基が好ま
しくは哺乳動物、特にマウスまたはヒトの抗体中に存在
するものである式IIの重鎖可変領域を含んで成るキメラ
モノクローナル抗体およびその誘導体である。
【0026】最も好ましいのは、配列番号4のアミノ酸
配列のポリペプチドを含んで成る重鎖可変領域を有し、
ここでアミノ酸配列 1〜27(FR13), 33〜46(FR14), 64〜
95(FR15)および/または 100〜117(FR16) 中の1もしく
は複数の、例えば1,2,3もしくは4個の単一アミノ
酸が場合により別のアミノ酸により置き換えられている
かまたは削除されていることがあり、そしてアミノ酸Cy
s がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、本
発明に係るキメラモノクローナル抗体およびその誘導
体、特に配列番号4のアミノ酸配列1〜117 のポリペプ
チドを含んで成る重鎖可変領域を有し、ここでアミノ酸
Cys がS-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある、
キメラモノクローナル抗体およびその誘導体である。例
えば、軽鎖について上記に詳述したのと同様に、フレー
ムワーク領域内のアミノ酸が他のアミノ酸により置き換
えられるかまたは削除されてもよい。
【0027】軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、それ
ぞれ配列番号3および配列番号4のN末端にアシル基、
例えばホルミルまたはアルカノイル、例えばパルミトイ
ル、ミリストイルまたは低級アルカノイル、例えばアセ
チルもしくはプロピオニル基を含んでもよい。
【0028】本発明は、優先的には、好ましい意味を有
する式III の軽鎖可変領域、例えば配列番号3に与えら
れたアミノ酸配列(該配列中のアミノ酸Cys はS-S 架橋
を形成する酸化状態にあることがある)を有する軽鎖可
変領域、軽鎖ヒト定常領域κまたはλ、特にκ、好まし
い意味を有する式IVの重鎖可変領域、例えば配列番号4
に与えられたアミノ酸配列(該配列中のアミノ酸Cys は
S-S 架橋を形成する酸化状態にあることがある)を有す
る重鎖可変領域、および重鎖ヒト定常領域γ1,γ2,γ3
またはγ4 、特にγ1 を有する、キメラモノクローナル
抗体およびその誘導体に関する。
【0029】抗体(免疫グロブリン,Ig)分子のクラス
は重鎖領域により定義される。本発明のキメラモノクロ
ーナル抗体はいずれの免疫グロブリンクラスのものであ
ってもよく、即ちIgA, IgD, IgE, IgGまたはIgM である
ことができる。抗体のイソタイプが異なると異なる免疫
活性調節作用を有し得るので、MAb はそれに応じて選ぶ
ことができる。本発明の好ましいキメラモノクローナル
抗体は、軽鎖ヒト定常領域κまたはλ、特にヒト定常領
域κ、および重鎖ヒト定常領域γ1,γ2,γ3 またはγ4
、特にヒト定常領域γ1 を含んで成るクラスGの免疫
グロブリンである。
【0030】本発明のモノクローナル抗体の誘導体は、
それらが誘導されるもとの抗体の特異性を保持してお
り、即ち、それらは親の抗体の特徴的結合パターンを保
持している。そのような誘導体の例は、キメラモノクロ
ーナル抗体断片、酵素、蛍光マーカー、化学発光マーカ
ー、金属キレート、アビジン、ビオチン等と抗体もしく
は抗体断片との接合体、または放射能標識された抗体も
しくは抗体断片である。本発明の抗体断片は、例えば、
一価の断片Fab もしくはFab'または二価の断片F(ab')2
である。本発明の接合体中の断片はFv断片であってもよ
い。
【0031】本発明の抗体接合体に使用される酵素は、
例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキ
シダーゼ、グルコアミラーゼ、カルボニックアンヒドラ
ーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、リゾチーム、リン
ゴ酸デヒドロゲナーゼまたはグルコース−6−リン酸デ
ヒドロゲナーゼである。本発明の抗体または断片と接合
される蛍光マーカーは、フルオイレセイン、フルオロク
ロム、ローダミン等であることができる。化学発光マー
カーは例えばルミノールのアクリジニウムエステルであ
る。そのような接合体では、キメラ抗体または断片は直
接にまたはスペーサーもしくはリンカー基を介して接合
相手に結合される。
【0032】金属キレートの例はエチレンジアミン四酢
酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DPT
A)、1,4,8,11−テトラアザテトラデカン、1,
4,8,11−テトラアザテトラデカン−1,4,8,11
−テトラ酢酸、1−オキサ−4,7,12,15−テトラア
ザヘプタデカン−4,7,12,15−テトラ酢酸等であ
る。本発明の放射能標識された抗体または断片は、例え
ば、放射性ヨウ素( 123I, 125I, 131I)、トリチ
ウム( 3H)、炭素(14C)、硫黄(35S)、イットリ
ウム(90Y)、テクネチウム( 99mTc)等である。
【0033】本発明のMAb は、 ・例えばイムノアッセイ、例えば免疫染色アッセイまた
は結合酵素イムノアッセイにおいて、T細胞、T細胞
系、単核細胞またはマクロファージ中の細胞関連ウイル
ス抗原もしくは自然抗原HIV p24 に対するそれらの特異
性について; ・HIV 感染標的細胞からの51クロムの放出を測定するア
ッセイにおいて、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞障害
作用)を媒介するそれらの能力について; ・感染細胞による逆転写酵素生産を測定することによ
り、HIV 感染ヒトマクロファージまたはH9細胞に対する
それらの効果について;および/または ・同時培養実験において、感染H9細胞から非感染細胞へ
の感染の広がりを抑制するそれらの能力について試験さ
れる。
【0034】本発明のモノクローナル抗体およびその誘
導体は、そのようなモノクローナル抗体を産生する下記
に定義されるような哺乳動物細胞を試験管内または生体
内で増殖させ、そして必要な時、得られたモノクローナ
ル抗体を単離しそして/またはその誘導体に変換するこ
とを特徴とする、それ自体既知の方法により調製され
る。
【0035】試験管内での増殖は、常用の標準培地であ
る適当な培地、例えばダルベッコ改良イーグル培地(DM
EM)またはRPMI 1640 培地中で行われ、該培地には所望
により哺乳動物血清、例えばウシ胎児血清、または微量
元素および増殖維持補足物、例えば支持細胞、例えば正
常マウス腹腔細胞、脾細胞または骨髄マクロファージ、
2−アミノエタノール、インスリン、トランスフェリ
ン、低密度リポタンパク質、オレイン酸等が補足され
る。試験管内生産は比較的純粋な抗体調製物を提供し、
大量の所望の抗体を得るためにスケールアップすること
ができる。組織培養条件下での哺乳動物細胞の培養技術
は当業界において既知であり、例えばエアーリフト反応
器もしくは連続攪拌反応器中での均一懸濁培養、または
例えば中空繊維中、マイクロカプセル中、アガロースミ
クロビーズ上もしくはセラミックカートリッジ上での固
定化培養もしくは封入培養が挙げられる。
【0036】細胞を生体内で増殖させることにより多量
の所望のモノクローナル抗体を得ることもできる。この
ためには、所望の抗体を生産する連続細胞系の細胞を組
織適合性哺乳動物中に注入して抗体産生腫瘍の成長を引
き起こす。所望により、動物は注入前に炭化水素、特に
鉱油、例えばプリスタン(テトラメチルペンタデカン)
で感作される。1〜3週間後、動物の体液から抗体が単
離される。例えば、所望の抗体を産生するハイブリドー
マ細胞系Sp2/0 由来の細胞を、所望によりプリスタンで
前処理されたBalb/cマウスの腹腔内に注入し、そして1
〜2週間後、その動物から腹水を取り出す。
【0037】細胞培養上清は、好ましくはエンザイムイ
ムノアッセイ、例えばサンドイッチアッセイもしくはド
ットアッセイ、またはラジオイムノアッセイにより、所
望のモノクローナル抗体についてスクリーニングされ
る。例えば、抗原をニトロセルロースディスク上にドッ
トし、そして増殖しているハイブリドーマの培養液と共
に、次いでアルカリホスファターゼ標識抗マウスIgG お
よび基質溶液と共にインキュベートする。所望の抗体の
存在は、着色したドットの生成により指摘される。
【0038】モノクローナル抗体の単離については、ま
ず、例えば硫酸アンモニウム沈澱、PEGのような吸湿
性物質に対する透析、選択膜を通した濾過等により、培
養上清中の免疫グロブリンを濃縮する。必要および/ま
たは所望により、常用のクロマトグラフィー法、例えば
ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、DEAE−セル
ロース上でのクロマトグラフィーまたは(免疫)アフィ
ニティークロマトグラフィーにより抗体を精製する。好
ましくは、例えばプロテインA上でのアフィニティーク
ロマトグラフィーおよび/またはイオン交換クロマトグ
ラフィーにより、モノクローナル抗体を含む細胞上清か
ら該モノクローナル抗体が単離される。モノクローナル
抗体の断片、例えばFab, Fab' またはF(ab')2 断片は、
それ自体既知の方法により、例えばペプシンもしくはパ
パインのような酵素での消化および/または化学的還元
によるジスルフィド結合の開裂により、上述のようにし
て調製された抗体から得ることができる。
【0039】上記酵素と本発明の抗体または抗体断片と
の接合体は、例えば、上述のようにして調製された抗体
または抗体断片を、縮合剤、例えばグルタルアルデヒ
ド、過ヨウ素酸塩、N,N′−o−フェニレンジマレイ
ミド、N−(m−マレイミドベンゾイルオキシ)スクシ
ンイミド、N−〔3−(2′−ピリジルジチオ)プロピ
オンオキシ〕スクシンイミド、N−エチル−N′−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等の存在下
で酵素と反応させることにより調製される。ビオチンと
の接合体は、例えば、抗体または抗体断片をビオチンの
活性エステル、例えばビオチンN−ヒドロキシスクシン
イミドエステルと反応させることにより調製される。蛍
光または発光マーカーとの接合体は、結合剤、例えば上
述したものの存在下で調製されるか、またはイソチオシ
アネート、好ましくはフルオレセインイソチオシアネー
トとの反応により調製される。
【0040】ヨウ素( 123I, 125I, 131I)で放射
能標識されたモノクローナル抗体または抗体断片は、例
えば、それ自体既知のヨウ素化、例えば放射性ヨウ化カ
リウムもしくはナトリウム、および化学的酸化剤、例え
ば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等、または酵素
的酸化剤、例えばラクトペルオキシダーゼ、もしくはグ
ルコースオキシダーゼとクルゴースを用いたヨウ素化に
より、本発明の抗体または断片から得られる。本発明の
抗体または抗体断片は、例えばジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸(DPTA)−キレート化により、イットリウム(
90Y)と結合される。テクネチウム−99m 標識抗体また
は抗体断片は、リガンド交換反応により、例えば過テク
ネチウム酸塩(TcO4 - )を第一スズイオン溶液で還元
し、還元されたテクネチウムをセファデックスカラム上
にキレート化し、そしてこのカラムに抗体または断片を
適用することにより;または直接標識技術により、例え
ば過テクネチウム酸塩、SnCl2 のような還元剤、フタル
酸カリウムナトリウム溶液のような緩衝液、および抗体
もしくは抗体断片をインキュベートすることにより、調
製される。
【0041】本発明は、上述したような抗p24 モノクロ
ーナル抗体の軽鎖マウス可変領域および/または重鎖マ
ウス可変領域をコードする挿入断片を含んで成る組換え
DNAにも関する。定義によれば、そのようなDNAは
一本鎖コードDNA、前記コードDNAとそれの相補的
DNAとから成る二本鎖DNA、またはそれらの相補的
(一本鎖)DNAのみを包含する。
【0042】特に本発明は、ハイブリドーマ細胞系25-5
7-1 のゲノムDNAもしくはmRNAに由来するかまた
は前記細胞系のゲノムDNAと相同でありそしてモノク
ローナル抗体25-57-1 の軽鎖可変領域と相同のアミノ酸
配列をコードする軽鎖マウス可変領域をコードする挿入
断片を含んで成る組換えDNAに関する。ハイブリドー
マ細胞系25-57-1 は、マウスミエローマ細胞と、p25 で
免疫処置されたマウスのBリンパ球との融合により製造
される。細胞系25-57-1 は、マウス抗体MAb 25-57-1 を
産生する。
【0043】好ましいのは、FR1, FR2, FR3, FR4, CDR
1L ,CDR2LおよびCDR3L が上述の通りの意味を有する式
Iのポリペプチドをコードする挿入断片を含んで成り、
所望により更にイントロンを含むことがある組換えDN
Aである。特に好ましいのは、マウスまたはヒトフレー
ムワーク領域FR1, FR2, FR3, FR4をコードする挿入断
片、並びに配列番号1のDNA配列70〜102 (CDR1L) 、
DNA配列148 〜168 (CDR2L) およびDNA配列265 〜
291 (CDR3L) の相補性決定領域をコードする挿入断片を
含んで成る式Iのポリペプチドをコードする組換えDN
Aである。最も好ましいのは、配列番号1のDNA配列
7〜318 の挿入断片を含んで成り、該配列中1または複
数の、例えば 1〜10個のヌクレオチドが場合により別の
ヌクレオチドにより置き換えられていることがあるDN
Aであり、特に配列番号1のDNA配列 7〜318 の挿入
断片を含んで成るDNAである。配列番号1に与えられ
る配列のヌクレオチドが別のヌクレオチドにより置き換
えられているDNAでは、そのような置換はコードされ
る相補性決定領域(CDR) のアミノ酸配列を変えないのが
好ましい。これは、そのようなヌクレオチドの置換がフ
レームワーク領域(FR)をコードする挿入断片中で起こる
かまたはトリプレットコドンの縮重の結果コードされる
アミノ酸を変えないような位置において起こることを意
味する。
【0044】同様に、本発明は、ハイブリドーマ細胞系
25-57-1 のゲノムDNAもしくはmRNAに由来するか
または前記細胞系のゲノムDNAと相同でありそしてモ
ノクローナル抗体25-57-1 の重鎖可変領域と相同のアミ
ノ酸配列をコードする、重鎖マウス可変領域をコードす
る挿入断片を含んで成る組換えDNAに関する。
【0045】好ましいのは、FR5, FR6, FR7, FR8, CDR
1H ,CDR2HおよびCDR3H が上述の通りの意味を有する式I
Iのポリペプチドをコードする挿入断片を含んで成り、
所望により更にイントロンを含むことがある組換えDN
Aである。特に好ましいのは、マウスまたはヒトフレー
ムワーク領域FR5, FR6, FR7 およびFR8 をコードする挿
入断片、並びに配列番号2のDNA配列90〜104 (CD
R1H) 、DNA配列147 〜197 (CDR2H) およびDNA配
列294 〜305 (CDR3H) の相補性決定領域をコードする挿
入断片を含んで成る式IIのポリペプチドをコードする組
換えDNAである。最も好ましいのは、配列番号2のD
NA配列 9〜329 の挿入断片を含んで成り、該配列中1
または複数の、例えば 1〜10個のヌクレオチドが場合に
より別のヌクレオチドにより置き換えられていることが
あるDNAであり、特に配列番号2のDNA配列 9〜32
9 の挿入断片を含んで成るDNAである。配列番号2に
与えられる配列のヌクレオチドが別のヌクレオチドによ
り置き換えられているDNAでは、軽鎖可変領域をコー
ドするDNAについて上述したのと同様に、そのような
置換はコードされる相補性決定領域(CDR) のアミノ酸配
列を変えないのが好ましい。
【0046】特に本発明は、ハイブリドーマ細胞系26-6
9-5 のゲノムDNAに由来するかまたは前記細胞系のゲ
ノムDNAもしくはmRNAと相同でありそしてモノク
ローナル抗体26-69-5 の軽鎖可変領域と相同のアミノ酸
配列をコードする軽鎖マウス可変領域をコードする挿入
断片を含んで成る組換えDNAに関する。ハイブリドー
マ細胞系26-69-5 は、マウスミエローマ細胞と、p25 で
免疫処置されたマウスのBリンパ球との融合により製造
される。細胞系26-69-5 はマウス抗体MAb 26-69-5 を産
生する。
【0047】好ましいのは、FR9, FR10, FR11, FR12, C
DR4L ,CDR5L およびCDR6L が上述の通りの意味を有する
式III のポリペプチドをコードする挿入断片を含んで成
り、所望により更にイントロンを含むことがある組換え
DNAである。特に好ましいのは、マウスまたはヒトフ
レームワーク領域FR9, FR10, FR11 およびFR12をコード
する挿入断片、並びに配列番号3のDNA配列70〜120
(CDR4L) 、DNA配列166 〜186 (CDR5L) およびDNA
配列283 〜309 (CDR6L) の相補性決定領域をコードする
挿入断片を含んで成る式III のポリペプチドをコードす
る組換えDNAである。最も好ましいのは、配列番号3
のDNA配列 7〜336 の挿入断片を含んで成り、該配列
中1または複数の、例えば 1〜10個のヌクレオチドが場
合により別のヌクレオチドにより置き換えられているこ
とがあるDNAであり、特に配列番号3のDNA配列 7
〜318 の挿入断片を含んで成るDNAである。配列番号
3に与えられる配列のヌクレオチドが別のヌクレオチド
により置き換えられているDNAでは、そのような置換
はコードされる相補性決定領域(CDR) のアミノ酸配列を
変えないのが好ましい。これは、そのようなヌクレオチ
ドの置換がフレームワーク領域(FR)をコードする挿入断
片中で起こるかまたはトリプレットコドンの縮重の結果
コードされるアミノ酸を変えないような位置において起
こることを意味する。
【0048】同様に、本発明は、ハイブリドーマ細胞系
26-69-5 のゲノムDNAもしくはmRNAに由来するか
または前記細胞系のゲノムDNAと相同でありそしてモ
ノクローナル抗体26-69-5 の重鎖可変領域と相同のアミ
ノ酸配列をコードする重鎖マウス可変領域をコードする
挿入断片を含んで成る組換えDNAに関する。
【0049】好ましいのは、FR13, FR14, FR15, FR16,
CDR4H ,CDR5HおよびCDR6H が上述の通りの意味を有する
式IVのポリペプチドをコードする挿入断片を含んで成
り、所望により更にイントロンを含むことがある組換え
DNAである。特に好ましいのは、マウスまたはヒトフ
レームワーク領域FR13, FR14, FR15およびFR16をコード
する挿入断片、並びに配列番号4のDNA配列90〜104
(CDR4H) 、DNA配列147 〜197 (CDR5H) およびDNA
配列294 〜335 (CDR6H) の相補性決定領域をコードする
挿入断片を含んで成る式IVのポリペプチドをコードする
組換えDNAである。最も好ましいのは、配列番号4の
DNA配列 9〜359 の挿入断片を含んで成り、該配列中
1または複数の、例えば 1〜10個のヌクレオチドが場合
により別のヌクレオチドにより置き換えられていること
があるDNAであり、特に配列番号4のDNA配列 9〜
359 の挿入断片を含んで成るDNAである。配列番号4
に与えられる配列のヌクレオチドが別のヌクレオチドに
より置き換えられているDNAでは、軽鎖可変領域をコ
ードするDNAについて上述したのと同様に、そのよう
な置換はコードされる相補性決定領域(CDR) のアミノ酸
配列を変えないのが好ましい。
【0050】完全な四量体免疫グロブリン分子の構築お
よび活性な抗体の発現のためには、軽鎖および重鎖可変
領域をコードする組換えDNA挿入断片が、対応する軽
鎖および重鎖定常領域をコードする組換えDNA挿入断
片と融合され、次いで例えばハイブリッドベクター中に
組み込まれた後、適当な宿主細胞中に導入される。
【0051】従って本発明は、ヒト定常領域κまたはλ
に融合された、所望の性質を有する抗p24 抗体の軽鎖マ
ウス可変領域をコードする挿入断片を含んで成る組換え
DNAにも関する。好ましいのは、ヒト定常領域κに融
合された上述のような好ましいマウス可変領域をコード
する組換えDNAである。同様に、本発明は、ヒト定常
領域γ、例えばγ1,γ2,γ3 またはγ4 に融合された、
所望の性質を有する抗p24 抗体の重鎖マウス可変領域を
コードする挿入断片を含んで成る組換えDNAにも関す
る。好ましいのは、ヒト定常領域γ1 に融合された上述
のような好ましいマウス可変領域をコードする組換えD
NAである。
【0052】更に本発明は、上記に定義したようなキメ
ラモノクローナル抗体の断片をコードする組換えDN
A、例えばそのような抗体のFab, Fab' またはFv断片を
コードする組換えDNA、および上記に定義したような
抗体または断片の接合体、例えば上記に定義したような
酵素と融合されたそのような抗体の軽鎖または重鎖を含
んで成る融合タンパク質をコードする組換えDNAに関
する。
【0053】更に本発明は、上述したようなマウス/ヒ
トキメラ軽鎖をコードする挿入断片および/または上述
したようなマウス/ヒトキメラ重鎖をコードする挿入断
片、複製開始点または自己複製配列、1または複数の優
性マーカー配列、並びに所望により、発現調節配列、シ
グナル配列および追加の制限部位を含んで成るハイブリ
ッドベクターである組換えDNAに関する。
【0054】ベクターは、典型的には適合性宿主細胞と
共同して2つの機能を行う。1つの機能は、キメラ免疫
グロブリン鎖をコードする核酸のクローニングを促進す
ること、即ち利用可能な量の核酸を生産することである
(クローニングベクター)。もう1つの機能は、染色体
外要素としての維持または宿主染色体中への組み込みの
いずれかにより、適当な宿主中でのキメラ遺伝子構成物
の複製および発現に備えることである(発現ベクタ
ー)。クローニングベクターは、上述したようなキメラ
遺伝子構成物、複製開始点または自己複製配列、優性マ
ーカー配列、並びに所望により、シグナル配列および追
加の制限部位を含んで成る。発現ベクターは、キメラ遺
伝子の転写および翻訳に必須の発現調節配列を更に含ん
で成る。
【0055】複製開始点または自己複製配列は、外因性
起源、例えばシミアンウイルス40(SV40)もしくは他の
ウイルス起源のものを含むベクターの作製により、また
は宿主細胞の染色体機構により、提供される。
【0056】マーカーは、ベクターを含む宿主細胞の選
択を考慮したものである。選択マーカーとしては、重金
属、例えば銅、または抗生物質、例えばテトラサイクリ
ン、アンピシリン、ゲネチシン(G-418) 、ネオマイシ
ン、カナマイシンもしくはヒグロマイシンに対する耐性
を付与する遺伝子、あるいは宿主細胞の遺伝的障害、例
えばチミジンキナーゼ、ヒポキサンチンホスホリルトラ
ンスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ等の欠損を
補完する遺伝子が挙げられる。シグナル配列は、例え
ば、抗体の分泌を指令するプレ配列または分泌リーダ
ー、スプライシングシグナル等であることができる。
【0057】ベクターDNAは、発現調節配列として、
プロモーター、転写の開始と終結およびmRNAの安定化に
必要な配列、並びに所望により、エンハンサーおよび更
なる調節配列を含む。宿主細胞の性質に応じて、種々様
々なプロモーター配列を使用することができる。哺乳動
物宿主に敵するプロモーターは、ウイルス、例えばシミ
アンウイルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV) 、ア
デノウイルス2、ウシ乳頭腫ウイルス(BPV) 、パポバウ
イルスBK変異体(BKV) 、またはマウスもしくはヒトシト
メガロウイルス(CMV) から得られる。あるいは、該ベク
ターは、哺乳動物の発現産物、例えばアクチン、コラー
ゲン、ミオシン等由来のプロモーター、または通常は免
疫グロブリン遺伝子配列に関連する生来のプロモーター
および調節配列を含んで成ることができる。転写の開始
および終結並びにmRNAの安定化に必要な配列は、普通は
ウイルスや真核生物のcDNAの非コード5′領域およ
び3′領域それぞれから、例えば発現宿主から得られ
る。エンハンサーは、ウイルス起源、例えばシミアンウ
イルス、ポリオーマウイルス、ウシ乳頭腫ウイルスもし
くはモロニー肉腫ウイルス由来、またはゲノム起源、特
にマウス起源の転写促進DNA配列である。
【0058】ベクターDNAの種々のDNAセグメント
は作用可能に連結される。即ち、それらは連続しており
そして互いと機能的関係に置かれる。好ましいベクター
は哺乳動物宿主に適し、ウイルス複製系に基づくもので
ある。特に好ましいのは、シミアンウイルスプロモータ
ー、例えばpSVgptまたはpSVneoを含んで成り、エンハン
サー、例えば通常免疫グロブリン遺伝子配列に関連する
エンハンサー、特にマウスIgのH鎖またはL鎖エンハン
サーを更に含んで成るベクターである。軽鎖キメラ遺伝
子構成物と重鎖キメラ遺伝子構成物は2つのベクターの
助けをかりて、連続的にまたは同時に宿主細胞に移され
る。あるいは、重鎖と軽鎖の両方を同一のハイブリッド
ベクター中にクローニングし、そして単一構成物として
一段階法で宿主細胞中に組み込まれる。第三の別法は、
未結合のDNA断片の同時トランスフェクションを利用
する。
【0059】所望のキメラモノクローナル抗体をコード
する組換えDNAは、例えば、形質転換された宿主細胞
を培養することにより、調製することができる。
【0060】特に、そのようなDNAは、 a)適当なハイブリドーマ細胞系からマウスDNAを単
離し、そしてDNAプローブを使って所望の特異性を有
する抗体の可変領域をコードする所望のDNAを選択
し、 b)ゲノムライブラリーからヒトDNAを単離し、そし
てDNAプローブを使って抗体の定常領域をコードする
所望のDNAを選択し、 c)段階a)およびb)のDNAを適当なハイブリッド
ベクター中に組み込むことによりマウス/ヒトキメラ遺
伝子を作製し、 d)得られたハイブリッドベクターを受容体宿主細胞中
に導入し、またはマウス/ヒトキメラ遺伝子をコードす
るDNAを回収しそして未結合のDNAを受容体宿主細
胞中に導入し、 e)形質転換された宿主細胞を選択しそして培養し、そ
して f)所望により所望のDNAを単離する、ことにより調
製することができる。
【0061】上述の方法の段階a)に記載のDNAは、
ゲノムDNAの単離によりまたは単離されたmRNAか
らのcDNAの調製により得ることができる。ハイブリ
ドーマ細胞からのゲノムDNAを当業界において既知の
方法により単離する。該方法は、例えばTritonTMのよう
な洗剤の存在下での溶解により細胞を破壊し、例えばフ
ェノールおよびCHCl3 /イソアミルアルコールでの処理
によりDNAを抽出し、そしてDNAを沈澱させる段階
を含んで成る。便利には1または複数の制限エンドヌク
レアーゼ、例えばXbaI, BglII, EcoRI, HindIII, BamHI
により該DNAを断片化し、生じた断片を適当な担体、
例えばニトロセルロース膜上で複製し、そして下記に詳
細に記載されるようにしてDNAプローブを使って着目
のポリペプチド配列をコードするDNA配列の存在につ
いて、特に再配列されたH鎖およびL鎖Ig遺伝子座の
存在について、スクリーニングする。この操作により、
DNA断片が、もしあればリーダー配列およびイントロ
ンと一緒に、重鎖V,DおよびJ領域並びに軽鎖Vおよ
びJ領域をそれぞれ有する挿入断片を含むことがわか
る。ハイブリドーマ細胞からのcDNAも同様にして、
当業界で既知の方法により、例えば、全細胞性DNAを
抽出し、適当なクロマトグラフィー法、例えばオリゴ
(dT)−セルロース上でのクロマトグラフィーによりm
RNAを単離し、マウス免疫グロブリン重鎖および軽鎖
定常遺伝子中の適当な領域に相補的なオリゴヌクレオチ
ドプライマーの存在下で、デオキシヌクレオチド三リン
酸の混合物と逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、そ
して該cDNAを単離することにより調製される。DN
Aの単離を単純にする手段として、ポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)技術を使って所望のゲノムDNAまたはc
DNAを増幅することができる。PCRは、DNA領域
に特異的な2つのプライマーからの該遺伝子の各末端に
おける伸長の繰り返しを含む。好ましくは、適当なハイ
ブリドーマ細胞系からの全mRNAのcDNA転写物
を、加熱/冷却サイクルにおいて、IgのH鎖およびL
鎖可変領域のそれぞれにハイブリダイズするように作製
されたプライマーの存在下でTaq DNA ポリメラーゼで処
理する。
【0062】上述の方法の段階b)に記載のゲノムヒト
DNAは、適当なヒト組織、好ましくはヒト胎盤または
ヒト胎児肝細胞から、当業界で既知の方法に従って単離
される。確立された手順に従って、適当な制限エンドヌ
クレアーゼ、例えばHaeIIIおよびAluIでの限定消化並び
にλ Charon ファージ、例えばλ Charon 4aへの組み込
みにより、該ゲノムDNAからゲノムDNAライブラリ
ーを作製する。そのゲノムDNAライブラリーを、下記
に記載されるようなDNAプローブを使って着目のDN
A配列についてスクリーニングする。PCR法を使って
所望のDNAを増幅することができる。
【0063】マウス可変領域またはヒト定常領域用のD
NAプローブは、合成DNA、所望の免疫グロブリンを
コードするmRNAから誘導されたcDNA、または既
知のヌクレオチド配列のゲノムDNAもしくはDNA断
片であることができる。L鎖/H鎖の可変領域の再配列
されたIg遺伝子座の検出および/または増幅のための
プローブとして、隣接保存された可変または定常領域の
既知ヌクレオチド配列のDNA断片が選択され、これは
該DNAが誘導される哺乳動物、例えばBalb/cマウスに
おけるL鎖/H鎖のIg遺伝子座を構成する。ヒトDN
A配列の検出へのマウスDNAプローブの可能な利用
は、マウスDNAとヒトDNAとの間の配列相同性に基
づいている。DNAプローブは、合成されるかまたは適
当な哺乳類の適切な組織、例えばBalb/cマウス肝臓から
単離され、そして標準法により精製される。所望であれ
ば、該プローブDNAを標識し、例えば周知のニックト
ランスレーション技術により放射能標識し、次いで選択
的ハイブリダイゼーションに好ましい温度において、添
加剤、例えばカルシウムキレート剤、粘度調節化合物、
タンパク質、非特異的DNA等を含有する緩衝剤および
塩溶液中でヒトDNAライブラリーとハイブリダイズせ
しめる。
【0064】一断片が所望のDNA配列を含むことが同
定されれば、この断片を更に操作して不要なDNAを除
去し、一端または両端を修飾し、そして処理して介在配
列の全部または一部などを除去することができる。キメ
ラ遺伝子を作製するための種々のDNA断片の連結は、
常用技術にしたがって、例えば平滑または粘着末端連
結、適当な粘着末端を用意するための制限酵素消化、適
当な場合には粘着末端のフィルイン、望ましくない連結
を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、および適
当なリガーゼを用いた連結により行われる。組換えDN
Aの導入、例えばハイブリッドベクターの導入、および
形質転換細胞の選択は後述される。
【0065】本発明は更に連続細胞系に関する。本発明
の一態様では、そのような細胞は所望の特異性を有する
本発明の抗p24 モノクローナル抗体を分泌するハイブリ
ドーマ細胞系である。特に、本発明は、ミエローマ細胞
と、場合によりアジュバントと混合されることがあるHI
V p25 で免疫処置された哺乳動物のBリンパ球とのハイ
ブリッドであるハイブリドーマ細胞系に関する。特に好
ましいのは、それぞれ称号25-57-1 および26-69-5 を有
するハイブリドーマ細胞系である。これらの細胞系は、
1991年4月 3日にそれぞれ受託番号ECACC 91040320およ
びECACC 91040321のもとにECACC (European Collection
of Animal Cell Cultures; PHLS Centre for AppliedM
icrobiology & Research, Porton Down, Salisbury, Wi
lts. SP4 OJG, U.K.)に寄託された。
【0066】本発明は、本発明に係るマウス可変領域と
ヒト定常領域とから成るキメラモノクローナル抗体を分
泌するトランスフェクトーマ細胞系である連続細胞系に
も関する。定義によれば、トランスフェクトーマ細胞系
は、形質転換された宿主細胞、例えば上述のような組換
えDNAにより、即ち所望のキメラモノクローナル抗体
の軽鎖をコードするDNAおよび/または重鎖をコード
するDNAにより形質転換された、不死化哺乳動物細胞
系、例えばリンパ腫、ミエローマ、ハイブリドーマ、ト
リオーマまたはクアドローマ細胞系である。本発明の宿
主細胞は試験管内で培養することができなければなら
ず、且つ活性な抗体の産生に適する環境を提供するため
に高等真核生物起源のものでなければならない。という
のは、機能的な四量体抗体分子の生合成は新生ポリペプ
チド鎖の正確な折り畳み、グリコシル化および会合を必
要とするからである。
【0067】本発明に係る適当な宿主細胞の例は、哺乳
動物細胞、例えばCOS-7 細胞、Bowes 黒色腫細胞、チャ
イニーズハムスター卵巣(CHO) 細胞、胚肺細胞L-132 、
および特にリンパ系起源の哺乳動物細胞、例えばリンパ
腫、ミエローマ、ハイブリドーマ、トリオーマまたはク
アドローマ細胞、例えばPAI, Sp2/0またはX63-Ag8.653
細胞である。好ましいのは細胞系Sp2/0 であり、これは
マウス脾細胞とミエローマX63-Ag8 との融合から得られ
る、よく特徴付けられたIg非分泌性マウス細胞系であ
る。
【0068】それらの宿主細胞は、キメラL鎖遺伝子構
成物のみで、キメラH鎖遺伝子構成物のみでトランスフ
ェクトされるか、あるいは2つの別個のベクターの助け
をかりて連続的にもしくは同時にまたは上述の二重構成
物(L鎖/H鎖)ベクターを使って一段階法において導
入される両遺伝子構成物でトランスフェクトされる。別
法として、未結合のキメラ遺伝子構成物を用いて同時に
または連続的に宿主細胞をトランスフェクトすることも
できる。
【0069】好ましいのは、上述のようなキメラモノク
ローナル抗p24 抗体を分泌する両遺伝子構成物でトラン
スフェクトされた宿主細胞、例えば、それぞれ称号Ch25
およびCh26を有する細胞系であり、この2つの細胞系
は、それぞれ受託番号ECACC 91052905およびECACC 9105
2906のもとに1991年 5月29日にイギリス国サリスバリ
ー、ポートンダウンのECACC (European Collection of
Animal Cell Cultures) に寄託された。本発明の宿主細
胞の更なる例は、いずれかの配向性のH鎖およびL鎖遺
伝子構成物を含み、キメラモノクローナル抗体の高レベ
ル発現を促進するための追加のDNA要素を含有する同
様な組換えプラスミドによりトランスフェクトされた細
胞である。
【0070】本発明の宿主細胞は遺伝的に安定であり、
一定の特異性の本発明のモノクローナル抗体を分泌し、
そして深層凍結培養物から解凍および再クローニングに
より活性化することができる。
【0071】本発明は、本発明のモノクローナル抗体を
分泌するハイブリドーマ細胞系の調製方法にも関し、該
方法は、所望によりアジュバントと混合されることがあ
るp25 により哺乳動物を免疫処置し、この哺乳動物の抗
体産生細胞を連続細胞系の細胞と融合せしめ、融合にお
いて得られたハイブリッド細胞をクローニングし、そし
て所望の抗体を分泌する細胞クローンを選択することを
含んで成る。該抗原を使って、それを外来分子と認識す
る適当な宿主細胞、例えばマウス、ラット、ウサギ、ロ
バ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタまたはチンパンジー、特
にマウスまたはラット、好ましくはラットを免疫処置す
る。Balb/cマウスが特に好ましい。
【0072】免疫原は、免疫処置操作においてアジュバ
ント、即ち免疫応答を更に増強するであろう剤と混合す
ることができる。可能なアジュバントは、完全フロイン
トアジュバント(鉱油、水およびミコバクテリアエキス
の乳濁液)、不完全フロイントアジュバント(水および
油のみの乳濁液)、鉱物ゲル、例えば水酸化アルミニウ
ムゲル、界面活性物質、例えばリゾレシチン、BCG
(カルメット−ゲラン杆菌)、ポリアニオン、ペプチ
ド、例えばN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−
イソグルタミン、IL-2またはラットIFN γ等である。
【0073】免疫処置の経路としては、特に、皮内、皮
下、筋肉内、腹腔内、静脈内および頭蓋内注射が挙げら
れる。高い抗体価が所望されるので、通常は一連の注射
が与えられる。免疫処置は、例えば、所望により完全ま
たは不完全フロイントアジュバントと混合された抗原
を、3〜8回非経口的に、例えば腹腔内および/または
皮下的に、約10〜150 μg の量において、RA 25 ラッ
ト、Balb/cマウスまたはBiozziマウスに1〜3週間おき
に注射し、次いで動物を犠牲にする1〜5日前に約5〜
50μg のブースター注射を行うことにより行われる。
【0074】最後のブースター注射後例えば1〜5日目
に取った免疫処置動物の抗体産生細胞、好ましくはリン
パ系細胞、例えば脾臓リンパ球を、連続細胞系の細胞、
即ち融合から生ずるハイブリッド細胞にこの複製能力を
付与する連続的に複製する細胞クローン、と融合する。
そのような連続細胞系の細胞の例は、それ自体は免疫グ
ロブリンまたはその断片を産生しないが大量の抗体を産
生および分泌する潜在能力を有し、そしてハイブリッド
細胞を未融合の親細胞に対して選別できるように遺伝標
識形質を担持している、腫瘍細胞系(ミエローマ)であ
る。好ましいのは、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホ
リボシルトランスフェラーゼ(HGPRT) 酵素またはチミジ
ンキナーゼ(TK)酵素を欠き、従ってヒポキサンチン、ア
ミノプテリンおよびチミジンを含有する選択培地(HAT
培地)中で生存できないミエローマ細胞系である。特に
好ましいのは、HAT 培地中で生存できず、免疫グロブリ
ンまたはその断片を分泌しないミエローマ細胞系および
誘導細胞系、例えばPAI, X63-Ag8.653またはSp2/0-Ag14
である。
【0075】融合は、融合促進物質、例えば、所望によ
り紫外線(UV)で不活性化された形であるセンダイウイル
スもしくは他のパラミクソウイルス、または化学融合
剤、例えばカルシウムイオン、界面活性脂質、例えばリ
ゾレシチンもしくはポリエチレングリコール(PEG) の存
在下で、または電気的融合により行われる。好ましく
は、ミエローマ細胞は、1000〜4000の分子量のポリエチ
レングリコールを約30%〜約60%含有する溶液中で、等
量の免疫処置哺乳動物からの脾細胞と融合される。
【0076】融合後、細胞は遺伝的選択マーカーに依存
して選ばれた選択培地、例えばHAT培地中に再懸濁され
そして培養される。この培地中では、ハイブリドーマ細
胞のみが生き残るだろう。というのは、それらは親のミ
エローマ細胞から受け継いだ試験管内で増殖および複製
する能力と、免疫処置動物の抗体産生脾細胞から受け継
いだHAT 培地中での生存に不可欠な失っているHGPRT ま
たはTK遺伝子とを合わせ持つからである。
【0077】ハイブリドーマ細胞の増殖のための適当な
培地は、標準培地、例えばダルベッコ改良イーグル培地
(DMEM)、最少必須培地、RPMI 1640 培地等であり、これ
らには所望により哺乳類の血清、例えば10〜15%ウシ胎
児血清が補足される。好ましくは、支持細胞、例えば正
常マウス腹腔細胞、脾細胞、骨髄マクロファージ等が、
融合段階の直後の細胞増殖開始時に添加され、特に細胞
密度が低い場合には、増殖因子等を与えることによりハ
イブリドーマに栄養を与え、それらの増殖を維持する。
マクロファージや単核細胞のような食細胞を使用するな
らば、アミノプテリン処理後に常に見られる死んだミエ
ローマ細胞の破片を掃去するのに役立つことができる。
ハイブリドーマが過剰増殖しないようにミエローマ細胞
を保護するために、培地には選択培地が補足される。
【0078】ハイブリドーマ細胞培養上清は、イムノア
ッセイ、好ましくはエンザイムイミノアッセイまたはラ
ジオイムノアッセイ、例えばドットアッセイにより、所
望のモノクローナル抗体についてスクリーニングされ
る。例えば、抗原をニトロセルロースディスク上に点在
させ、増殖しているハイブリドーマの培養液、アルカリ
ホスファターゼ標識抗マウスIgG 抗体および基質溶液と
共にインキュベートする。所望の抗体の存在は、着色し
たドットの発生により指摘される。
【0079】陽性のハイブリドーマ細胞は、例えば限界
希釈によりまたは軟寒天中で、好ましくは2回以上クロ
ーニングされる。所望により、ハイブリドーマ細胞は腹
腔内注射および腹水の回収によって動物例えばマウスで
継代される。これはハイブリドーマを安定化し、増殖特
性を向上させる。クローニングされた細胞系は常法によ
り凍結することができる。
【0080】本発明は、キメラ抗p24 モノクローナル抗
体を分泌するトランスフェクトーマ細胞系の調製方法で
あって、上述したような1つもしくは2つのベクターま
たは未結合のDNAを用いて適当な宿主細胞を形質転換
せしめ、得られた形質転換細胞をクローニングし、そし
て所望のキメラモノクローナル抗体を分泌する細胞クロ
ーンを選択することを特徴とする方法にも関する。ベク
ターまたは未結合DNAは、常用技術、例えばリン酸カ
ルシウム沈澱、細胞核中へのマイクロインジェクショ
ン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、即
ち一時的に細胞膜の透過性を増加させる短い電気パルス
によるDNAの導入、等により行われる。トランスフェ
クションは、ヘルパー化合物、例えばジエチルアミノエ
チルデキストラン、ジメチルスルホキシド、グリセロー
ル、ポリエチレングリコール等の存在下で、またはベク
ターDNAとリン酸カルシウムとの共沈物として、行う
ことができる。
【0081】トランスフェクション操作後、トランスフ
ェクトされた細胞は、トランスフェクションに使用した
DNAの選択マーカーに見合った選択方法を用いて同定
および選択される。選択マーカーとしては、重金属、例
えば銅、または抗生物質、例えばG-418 (ゲネチシン;
ネオマイシン誘導体)もしくはヒグロマイシンに対する
耐性を付与する遺伝子、あるいは宿主細胞の遺伝的欠
陥、例えばチミジンキナーゼ、ヒポキサンチンホスホリ
ボシルトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ
等の欠損を補完する遺伝子が挙げられる。例えば、トラ
ンスフェクションに使用したDNAがゲネチシン耐性マ
ーカーを含む場合、形質転換細胞は抗生物質ゲネチシン
の存在下での培養により非形質転換細胞から同定および
分離される。培養、選択およびクローニングは、ハイブ
リドーマについて上述したのと同様に行われる。
【0082】本発明のモノクローナル抗体およびそれら
の誘導体は、多数の療法および診断目的に有用である。
特に、該モノクローナル抗体およびそれらの誘導体はAI
DSの進行の防止に利用することができる。よって、該疾
患の無症候段階から症候段階への移行の6か月〜1年前
にしばしば観察される抗p24 抗体の減少が中和される。
抗p24 抗体の保護効果は感染細胞の表面上のp24 の発現
と関係しており、細胞媒介性免疫細胞障害作用への標的
を提供する。また、本発明のモノクローナル抗体および
その誘導体は、それらが例えばADCCによってHIV 感染細
胞を選択的に致死せしめ、HIV 感染細胞から非感染細胞
への感染の広がりを抑制し、そして/またはマクロファ
ージおよび慢性的に感染したリンパ系細胞によって生産
される感染性HIV の量を減少させるため、HIV 感染の治
療に有用である。それらの免疫原性の減少の結果、本発
明のキメラモノクローナル抗体およびその誘導体は治療
適用および予防に特に有用である。
【0083】本発明はまた、受動または能動免疫用の医
薬組成物、即ちAIDSの進行の防止または治療用の医薬組
成物であって、療法的有効量の本発明のモノクローナル
抗体および/またはその誘導体並びに医薬上許容される
担体を含んで成る医薬組成物にも関する。好ましいのは
非経口投与および吸入用、例えば経鼻投与用の医薬組成
物である。筋内、皮下もしくは静内投与用または吸入用
の組成物は、例えば、所望により凍結乾燥製剤または濃
縮製剤から使用直前に調製された、等張の水性溶液また
は懸濁液である。油中懸濁液は、注射用に常用される植
物油、合成油または半合成油を油成分として含有する。
該医薬組成物は滅菌されてもよく、そして例えば成分を
保存、安定化、湿潤化、乳化もしくは可溶化するための
添加剤、浸透圧の調節のための塩類、緩衝剤および/ま
たは粘度を調節する化合物、例えばカルボキシセルロー
スナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、デキストラン、ポリビ
ニルピロリドンまたはゼラチンを含有することができ
る。
【0084】本発明の医薬組成物は約0.01%〜約50%の
活性成分を含む。それらは投薬単位形、例えばすぐに使
用できるアンプルもしくはバイアル、または凍結乾燥さ
れた固体形であってもよい。一般に、ヒトについての療
法的有効量は、患者の状態および適用形式に依存して体
重1kgあたり約100 〜500 μg の本発明のモノクローナ
ル抗体および/またはその誘導体である。特定の投与形
式および適当な用量は、患者の詳細、病気の状態、治療
される自己免疫疾患または免疫的障害のタイプ等を考慮
して付添いの医師により選択されるだろう。
【0085】本発明の医薬組成物は、当業界において既
知の方法により、例えば常用の混合、溶解、圧縮または
凍結乾燥法により調製される。注射用医薬組成物は、当
業界で既知の方法に従って処理され、アンプルまたはバ
イアル中に充填され、そして無菌条件下で封入される。
医薬組成物は、腸内、例えば直腸または経口用であって
もよい。経口投与用医薬組成物は、活性成分を固体担体
と混合し、生じた混合物を所望により顆粒化し、そして
所望または必要であれば適当な添加剤を添加した後、混
合物または顆粒を錠剤または糖剤コアに加工することに
より得ることができる。それらは、活性成分を放出する
プラスチック担体中に組み込まれてもよく、またはそれ
らを徐放形式において拡散するようにしてもよい。
【0086】加えて、本発明のモノクローナル抗体また
はその誘導体は、イムノアッセイにおけるHIV p24 の定
性および定量によるHIV 感染の診断に用いることができ
る。一般に、本発明のモノクローナル抗体またはその誘
導体は、p24 に対して向けられた抗体のイデイオタイプ
決定基とp24 のエピトープとの間の結合反応に基づく任
意の既知のイムノアッセイにおいて利用することができ
る。そのようなアッセイの例は、ラジオイムノアッセ
イ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、
化学発光イムノアッセイ、免疫沈澱イムノアッセイ、ラ
テックス凝集イムノアッセイ、および血球凝集イムノア
ッセイである。
【0087】本発明のモノクローナル抗体は、そのまま
でまたは放射能標識された誘導体の形でラジオイムノア
ッセイ(RIA)において使用することができる。RI
Aの既知の変形、例えばHIV p24 の直接または間接(競
合)測定を伴う、可溶相(均一)RIA、固相(不均
一)RIA、単一RIAまたは二重(サンドイッチ)R
IAのいずれも利用することができる。そのようなラジ
オイムノアッセイの例はサンドイッチRIAであり、こ
の場合適当な担体、例えばミクロタイタープレートまた
は試験管のプラスチック表面、例えばポリスチレン、ポ
リプロピレンもしくはポリ塩化ビニルの表面、ガラスも
しくはプラスチックビーズ、濾紙、デキストラン等、セ
ルロースアセテートもしくはニトロセルロース紙、また
は常磁性粒子等が、単純吸着によりまたは所望により該
担体を例えばグルタルアルデヒドもしくは臭化シアンで
活性化した後に、本発明のモノクローナル抗体でコーテ
ィングされる。次いでp24 を含む試験溶液が添加され、
そして最後に、p24 の異なるエピトープと反応しそして
例えば 125Iで放射能標識されているポリクローナル抗
体が添加される。試験溶液中のp24 に対して向けられた
抗体の量は結合したポリクローナル抗体の量に正比例
し、従って固相の放射能を測定することにより決定され
る。
【0088】本発明のモノクローナル抗体は、そのまま
でまたは酵素と接合された誘導体の形でエンザイムイム
ノアッセイにおいて使用することができる。ラジオイム
ノアッセイについて上述したように、エンザイムイムノ
アッセイの既知の変形のいずれも利用することができ
る。該試験は、放射能標識の代わりに酵素標識を使って
上記のラジオイムノアッセイと同様にして行われる。試
験溶液中に存在するp24 の量に相当する形成された免疫
複合体の量は、酵素基質溶液を添加することによって決
定される。酵素基質反応は、例えば、肉眼によりまたは
光学測定装置を使って観察され得る色の変化をもたら
す。
【0089】本発明のモノクローナル抗体は、そのまま
でまたは化学発光マーカーと接合された誘導体の形で化
学発光イムノアッセイにおいて使用することができる。
ラジオイムノアッセイについて上述したように、化学発
光イムノアッセイの既知の変形のいずれも利用すること
ができる。該試験は、放射能標識の代わりに化学発光標
識を使って上記のラジオイムノアッセイと同様にして行
われる。試験溶液中に存在するp24 の量に相当する形成
された免疫複合体の量は、発光を開始させる化合物、例
えばH2O2とNaOHを添加しそして光学測定装置を使って発
光を測定することにより決定される。
【0090】p24 の測定について上述したようなモノク
ローナル抗体およびその誘導体の本発明に係る用途とし
ては、それ自体既知の他のイムノアッセイ、例えば免疫
蛍光法、ラテックス凝集、血球凝集、抗イディオタイプ
MAb がコーティングされた光ファイバーを使った消光ア
ッセイ、および結合反応を電気または光シグナルに変換
する他の直接作用イムノセンサーが挙げられる。
【0091】本発明はまた、本発明のモノクローナル抗
体および/またはその誘導体、並びに所望により他のポ
リクローナルもしくはモノクローナル抗体および/また
は添加剤を含んで成る、HIV p24 の定性および定量用テ
ストキットにも関する。
【0092】本発明に係るラジオイムノアッセイ用テス
トキットは、例えば、適当な担体、場合により凍結乾燥
されていることがある1もしくは複数のポリクローナル
および/またはモノクローナル抗体の溶液、放射能標識
抗体の溶液、p24 の標準液、緩衝液、並びに所望によ
り、非特異的吸着および凝集物形成を防ぐためのポリペ
プチドまたは洗剤、ピペット、反応容器、検量線、取扱
説明書等を含む。該テストキットの抗体のうちの1つが
本発明のモノクローナル抗体である。
【0093】本発明に係るエンザイムイムノアッセイ用
テストキットは、例えは、適当な担体、場合により凍結
乾燥されていることがある1もしくは複数のポリクロー
ナルおよび/またはモノクローナル抗体の溶液、場合に
より凍結乾燥または濃縮されていることがある酵素もし
くはビオチン接合抗体の溶液、ビオチン標識抗体が使用
される場合には酵素−アビジン接合体の溶液、固体また
は溶解された形の酵素基質、HIV p24 の標準液、緩衝
液、並びに所望により、非特異的吸着および凝集物形成
を防ぐためのポリペプチドまたは洗剤、ピペット、反応
容器、検量線、取扱説明書等を含む。該テストキットの
抗体のうちの1つが本発明のモノクローナル抗体であ
る。次の実施例は本発明を説明するものであり限定する
ものではない。
【0094】略語 BSA ウシ血清アルブミン DAPI 4′,6′−ジアミノ−2−フェニルインドール DMEM ダルベッコ改良イーグル培地 DTT ジチオトレイトール EBSS イーグル緩衝化塩類溶液 FCS ウシ胎児血清 HAT ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン HEPES N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタ ンスルホン酸 HT ヒポキサンチンおよびチミジン IFN インターフェロン IL インターロイキン MAb モノクローナル抗体 NC ニトロセルロース PEG ポリエチレングリコール PBS リン酸塩緩衝化塩溶液 TBST 10mM Tris/HCl, pH 8.0, 150mM NaCl, 0.05% TweenTM20 U 単位
【0095】
【実施例】
実施例1:ハイブリドーマ細胞系の調製 1.1 免疫処置用抗原の調製 抗原混合物I は、合計容量 400μl において20μg の組
換えHIV コア抗原p25(ロット番号69CO2J, Chiron)、1
0μg のアジュバントペプチド(N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミン, Sigma )、5000
Uの組換えIL-2(協和醗酵)、1000 Uの組換えラット I
FNγ(H. Schellekens, Primate CenterTNO, Rijswijk,
Netherlands )および 200μl の完全フロイントアジ
ュバント(CalBiochem)から成る。抗原混合物IIは、合
計容量 300μl において10μg のHIV 抗原p25 、10μg
のアジュバントペプチド、5000 Uの組換えIL-2、1000 U
のラット IFNγおよび 150μl の不完全フロイントアジ
ュバント(CalBiochem)から成る。抗原混合物III は、
合計容量 150μl において50μg のHIV 抗原p25 、10μ
g のアジュバントペプチド、5000 Uの組換えIL-2および
1000 Uのラット IFNγから成る(フロイントアジュバン
トなし)。
【0096】1.2 免疫処置スケジュール 4週齢のBalb/cマウスに、抗原混合物Iを頸部への皮下
(s.c.)注射により、次いで第7, 14, 21 および28日目に
抗原混合物IIを使って異なる後脚領域への4回のブース
ターs.c.注射により免疫処置する。融合3日前の第43日
目に抗原混合物III の最終注射を静脈内に与える。
【0097】1.3 細胞融合 第46日に犠牲にした免疫処置マウスの脾臓をイーグル緩
衝化塩類溶液(EBSS,Ca2+とMg2+不含有, GIBCO )中で
ホモジナイズし、該懸濁液を15分間静置しておき組織破
片を除去する。上清中の細胞を遠心(300 ×g, 10 分
間)によりペレット化し、EBSSで1回洗浄する。108
の脾細胞を108 個のSp2/0-Ag14マウスミエローマ細胞と
混合し、遠心(300 ×g, 10 分間)によりペレット化す
る。Sp2/0-Ag14 (ATCC CRL 1581)は充分に特徴付けられ
たリンパ腫起源のマウス細胞系である。それはマウス脾
細胞とミエローマMOPC-21 の亜系であるミエローマX63-
Ag8との融合から得られた細胞系のIg非分泌性変異体で
ある (KohlerおよびMilstein, Eur. J. Immunol. 6, 51
1, 1976 ; Schulmanら、Nature 276, 270, 1978)。新た
に解凍し予熱(37℃)されたポリエチレングリコール溶
液 (PEG 1450, Kodak,PBS中50% w/v) 1 ml を、37℃で
穏やかに振盪させながら細胞ペレットにゆっくり添加す
る。次いで振盪せずに37℃で90秒間インキュベートした
後、1 mlのEBSSを添加し、混合物を室温で3分間インキ
ュベートする。更に10 ml のEBSSを添加し、室温で5分
間インキュベートした後、遠心(300 ×g, 10 分間)
し、そしてHB 101 (AMS Biotechnology)中の0.1mM ヒポ
キサンチン、0.4 μM アミノプテリンおよび16μM チミ
ジン(HAT, Boehringer Mannheim)、5% CLEX TM (Dextra
n Products Ltd., Canada)、4mM グルタミン(Seromed)
、100U/ml のペニシリンおよび100 μg/mlのストレプ
トマイシン(Seromed) 、1mM ピルビン酸ナトリウム(Ser
omed) 並びに10mM HEPES (Seromed)から成る選択培地 1
00 ml 中に細胞ペレットを再懸濁する。この細胞懸濁液
を、100 μl/ウエルのマウス(Balb/c)腹腔常在細胞の支
持層(ウエルあたり4000個の細胞)がプレコーティング
されている10枚の96ウエルプレートに100 μl/ウエルに
播き、37℃, 8% CO2において12〜20日間インキュベート
する。播種一週間後、新鮮なHAT 選択培地50μl を添加
する。第12日目に開始し、増殖しているコロニーの検出
のためプレートを顕微鏡検査する。増殖しているコロニ
ー(ハイブリドーマ)の上清を実施例1.5 に記載のよう
にして抗p25 抗体の存在について試験する。
【0098】1.4 陽性ハイブリドーマの後処理およびサ
ブクローニング方法 陽性ハイブリドーマが選択されたら、細胞を24ウエルプ
レート中のHT培地(アミノプテリンを含まない以外は選
択培地と同じ組成である)に移す。一週間後、生き残っ
たものをハイブリドーマ培地(HAT を含まず5% CLEX TM
の代わりに2% CLEX TMを含む以外は選択培地と同じ組成
である)に移し、更に抗体産生のために培養する。陽性
ハイブリドーマを抗p25 抗体の連続産生のため培養を維
持し調節する。増殖後、細胞のアリコートを−80℃にて
95% FCS (Seromed) 、5%ジメチルスルホキシド-d6 (DMS
O, Dr. Glaser AG, Basel)中で凍結させ、液体窒素中に
保存する。陽性ハイブリドーマのサブクローニングは、
細胞懸濁液を3細胞/mlに希釈し、次いで10枚のミクロ
タイタープレート上に支持細胞(マウス腹腔細胞)の存
在下で100 μl/ウエルに分配することにより行う。増殖
しているクローンの上清を、実施例1.5 に記載のように
抗体産生について再スクリーニングする。陽性クローン
を維持し、増殖させ、そして実施例1.6 に記載のように
して培養液中の抗体のサブタイプを特徴づける。
【0099】1.5 抗体検出アッセイ 上清を「ドット−ELISA 」において試験することによ
り、増殖しているハイブリドーマにより生産される特異
的マウス抗体が発見される。p25 抗原 50 ngを含むPBS
0.5 μl を、自動ディスペンサー(Microlab MTM,Hamil
ton)を使って、ミクロタイタープレートのウエル中に
固定した小さいニトロセルロースディスク(0.5 cmの直
径を有するNCディスク、NC HA 型0.45μm, MilliporeTM
のシートから調製)上にドットする。抗原含有ディスク
をPBS 中0.25%グルタルアルデヒドにより固定し、PBS
で3回洗浄し、ミクロタイタープレートに分配し、風乾
する。乾燥したディスクは使用前に4℃で数週間保存す
ることができる。予め10mM Tris-HCl, pH 8.0, 150mM N
aCl, 0.05% TweenTM 20 (TBST)中の3% BSA (Sigma)と10
% ウマ血清(Seromed) を使ってブロックされているNCデ
ィスクに上清 100μl を添加することにより、増殖して
いるハイブリドーマの培養液中に抗p25 抗体が検出され
る。NCディスクをハイブリドーマ上清と共にインキュベ
ーション(37℃で2時間、または4℃で一晩)した後、
NCディスクをTBSTで洗浄し、次いでTBST中に1:7000希釈
されたアルカリホスファターゼ標識抗マウスIgG (Prome
ga, Lot B 207A) と共に37℃で2時間インキュベートす
る。TBSTで5回洗浄した後、 100μl の基質溶液を添加
する。基質溶液は、10 ml の基質緩衝液(100mM Tris/H
Cl, pH 9.6, 150mM NaCl, 5mM MgCl2 )を66μl のNBT
溶液〔70%N,N−ジメチルホルムアミド(Fluka) 中60
mMニトロテトラゾリウムブルークロリド(Fluka) 〕およ
び33μl のBCIP溶液〔N,N−ジメチルホルムアミド中
135mM 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフ
ェートp−トルイジン塩(Fluka) 〕と混合することによ
り、新たに調製する。抗p25 抗体の存在は、NCディスク
上の濃青紫色ドットの発生により指摘される。
【0100】1.6 抗p25 抗体のサブタイプ決定 抗p25 モノクローナル抗体のサブクラスは次のようにし
て決定される。まず、MAb 含有細胞培養上清 800μl
を、p25 がドットされTBST中3% BSA, 10% ウマ血清でブ
ロックされたNCディスクを含むミクロタイタープレート
の8ウエルに分配する。37℃で2時間または4℃で一晩
インキュベーション後、NCディスクをTBSTで5回洗浄
し、次いで50μl/ディスクのサブタイプ特異的ウサギ抗
マウスIg抗体(BIO-RAD マウスモノクローナル抗体サブ
タイプ決定キット)と共に37℃で2時間インキュベート
し、そしてTBSTで5回洗浄する。 100μl/ウエルのアル
カリホスファターゼ標識ヤギ抗ウサギIgG (H+L ; BIO-R
AD No. 172-1016, TBST 中 1:2000 )を添加し、そして
混合物を37℃で2時間インキュベートし、次いでTBSTで
5回洗浄する。 100μl/ウエルの基質溶液(NBT/BCIP;
実施例1.5 参照)の存在下で室温にて発色が起こる。
【0101】1.7 抗p25 MAb の選択 実施例1.4 の方法に従って、異なるサブタイプ(IgM, I
gA, IgG1, IgG2a, IgG2b, IgG3、いずれもκ軽鎖を含
む)の142 個の抗p25 MAb 産生サブクローンのパネルを
得る。p25 をgp41(Chiron)により置き換えた実施例1.5
のドット−ELISAにおいて試験した時、それらの抗体の
いずれにもHIV env タンパク質gp41との交差反応性は認
められない。異なる抗体の力価を限界希釈滴定によって
評価し、p25 ドットの検出に必要な最少濃度を算出す
る。25-57-1 および26-69-5 と命名されたモノクローナ
ル抗体(共にIgG1, κ軽鎖)は、強い結合抗体であるこ
とがわかった。それらは0.1 〜1 ng/ml まで希釈するこ
とができる(8つの異なる実験において測定)が、他の
大部分の抗p25 抗体では5 〜15 ng/mlの範囲である。従
って、MAb 25-57-1 およびMAb 26-69-1 を更なる特徴づ
けおよび大規模生産のために選択する。
【0102】1.8 MAb の大規模生産 ハイブリドーマ細胞によるモノクローナル抗体の生産用
の膜灌流システムであるDynacellTM培養システム(Milli
pore) を使って、モノクローナル抗体を大量生産する。
3 〜5 ×107 個のハイブリドーマ細胞をセルモジュール
(多孔質膜の選別層を含むチャンバー)中におく。隣接
した膜の間に細胞をトラップさせ、そしてぜん動性ポン
プによって貯槽(1 L) からモジュールを経て循環してい
るハイブリドーマ培地(HB101 ; AMS Biotechnology) 、
4 mMグルタミン(Seromed) 、100U/mlペニシリンおよび
100μg/mlストレプトマイシン(Seromed) 、1 mMピルビ
ン酸ナトリウム(Seromed) 、および所望により5% CLEX
TM (Dextran Products Ltd., Canada)が補足されている
10 mM HEPES (Seromed) により栄養を与える。細胞によ
り分泌されるMAb はこの貯槽に蓄積される。4〜7日毎
にMAb 含有培地を収得し、新鮮培地を添加する。このシ
ステムでは細胞は6か月までの間MAb を生産し続けるこ
とができる。実施例1.10に記載のようにして上清中の抗
体濃度を決定する。83日間で、合計280 mgの量のMAb 26
-69-5 を生産することができる。数日毎に回収した上清
中のIgG 濃度は、0.7 〜52μg/mlの範囲である。第6〜
31日および第54〜63日の低生産性(<4μg/ml)期間の
後に、5 〜50μg/ml IgGのMAb 濃度を有する高生産性期
間がある。
【0103】1.9 DynacellTM培養システム上清中のMAb
の富化 ハイブリドーマ上清中のモノクローナル抗体を、Minita
n TM Acrilic System(Millipore) を使った接線流限外
濾過により濃縮する。IgG 画分を貯留するために、100
キロダルトンの分子量排除限界を有するポリスルホン膜
(RTHK Minitan TM プレート、Millipore )の積み重ね
を通して上清を濾過する。濾液を捨て、貯留物は濃縮抗
体試料を含む。8 〜10個のDynacellTM培養システム上清
をプールし(8〜10 L) 、200 〜250 ml残留物に濃縮す
る。実施例1.10に記載の限界希釈ドットELISA によりIg
G の富化(100〜400 μg/ml) を測定する。
【0104】1.10 MAb 濃度の評価のための限界希釈ド
ットELISA ハイブリドーマ上清中(またはMinitan TM Acrilic Sys
tem での濃縮後の貯留物中)のモノクローナル抗体の濃
度は、次のようにして評価される。試料と既知のマウス
IgG 濃度(10 μg/ml) の標準液をPBS 中での2倍または
3倍逐次希釈(2-1〜2-12 および3-1〜3-12 )にお
いて希釈する。この逐次希釈試料を1μl のドットとし
てNCシートに移し、風乾する。ブロック用緩衝液(TBST
中3% BSA, 10% ウシ血清)と共に室温で1時間インキュ
ベートした後、アルカリホスファターゼ標識抗マウスIg
抗体(Promega ;ブロック用緩衝液中に1:7000希釈した
もの)を該NCシートと共に室温で1時間インキュベート
し、次いでTBSTで5回洗浄する。NBST/BCIP 基質溶液
(実施例1.5 )を使って10〜15分間ドットの染色を行っ
た後、水で2回洗浄する。試料中のIgG 濃度は、着色ド
ットとしてまだ検出可能である試料の最高希釈度を標準
液のものと比較することにより評価される。2倍および
3倍逐次希釈からの平均値として試料のIgG 濃度を計算
する。
【0105】実施例2:生物活性についてのアッセイ 2.1 細胞抗体結合アッセイ 標的としてHIV 感染ヒトマクローファージを使って、モ
ノクローナル抗体を自然抗原p24 への結合について試験
する。マクロファージはJ.K. Lazdinsら、AIDSResearch
and Human Retroviruses 6, 1203 (1990) に記載され
た通りに、リンパ球泳動法および向流傾瀉法の組合せを
使って調製し、95%の純粋な単核細胞を得、これらを細
菌学用ペトリ皿中で高グルコース(4.5 g/l) DMEM (Gibc
o)、10%ヒトAB型非熱不活性化血清(Sigma) 、50 U/ml
のペニシリンおよび50μg/mlのストレプトマイシン(Ami
med, Basel, Switzerland)、2mM L−グルタミン、およ
び1mM ピルビン酸ナトリウム(Gibco) から成る完全マク
ロファージ培地中で10〜15日間培養することにより分化
させる。マクロファージを脱離させ、6 ×104 細胞/ウ
エルにおいて96ウエルプレートに置く。単層を単球向性
HIV-1ADA (ADIS Research and Reference Reagent Pr
ogram, Division of AIDS, NIAID, NIH を通してH. Gen
delman博士から;J.K. Lazdinsら、前掲、に記載したよ
うにして試験管内分化させた血液単核細胞中で該ウイル
スを継代させる)で感染せしめ、そして巨細胞の形成が
目に見えるようになるまで37℃, 5% CO2において培養す
る。
【0106】上清を除去した後、細胞をPBS 中の2%グ
ルタルアルデヒドで室温にて30分間固定し、PBS で1回
洗浄する。透過性を上げるため、細胞をNonidet TM P-4
0 (Sigma, PBS中0.5 %)と共に5分間インキュベート
し、次いで10mMグリシンを含むPBS で2回洗浄する。表
面染色には、透過性の向上は不要である。ブロック用緩
衝液(10%ヒト血清、0.2 %ゼラチン、0.05% TweenTM
20 、1% BSA)を室温にて30分間添加し、非特異的結
合部位を飽和させる。ブロック用緩衝液を除去した後、
細胞をハイブリドーマ上清(抗p25 )または適当な対照
抗体と共に37℃で1時間インキュベートし、次いでNKH
(15mM NaCl, 3mM KCl, 2mM HEPES, pH 7.3) で3回洗浄
する。ブロック用緩衝液中に1:300 希釈されたアルカリ
ホスファターゼ標識抗マウスIgG 抗体〔F(ab)2ヤギ抗マ
ウスIgG 、Jackson Immunoresearch Lab. 〕を添加し、
混合物を37℃で30分間インキュベートする。NKH での3
回の洗浄および基質緩衝液(0.1M Tris/HCl, 5mM MgC
l2, 100mM NaCl, pH 8.8)での1回の洗浄後、基質〔1
mg/ml のファーストレッド(BIO-RAD) 、0.4 mg/ml のナ
フトールホスフェート(BIO-RAD) および1mM のレバミソ
ール(Sigma) 〕を添加し、そして15〜20分間遮光下で発
色させる。PBS での洗浄により反応を停止させ、着色試
料を光学顕微鏡で観察し、または必要であれば、0.1% N
aN3 を含むPBS中で4℃にて数日間保存する。
【0107】2.2 細胞アッセイ ウエルあたり5 ×104 個のヒトマクロファージを96ウエ
ルプレートに播き、HIV-1 ADA (J.K. Lazdins ら、前
掲) で感染せしめ、37℃, 5% CO2においてインキュベー
トする。マクロファージ培地(実施例2.1 参照)を3日
毎に交換する。巨細胞の形成により見られるように感染
が充分に確立されたら、上清を除去し、新鮮な培地(対
照)または試験しようとする抗p25 MAb を含む培地のい
ずれかにより置き換える。37℃, 5% CO2における更なる
インキュベーション中に、上清の試料(10 μl)を逆転写
酵素生産の測定用に三重反復において取り、実施例2.3
の逆転写酵素アッセイを行うまで−20℃で凍結させてお
く。アッセイ間の変動を減少させるために1実験の試料
は全て同時に試験する。
【0108】HIV-1 III-B (H9/HTLV-IIIB NIH 1983 ; A
DIS Research and Reference Reagent Program, NIH, R
obert Gallo 博士から入手) により持続的に感染させた
H9細胞を、RPMI 1640 (Seromed) 、10% FCS (Seromed)
、100 U/mlのペニシリンおよび 100μg/mlのストレプ
トマイシン(Seromed) 、2mM L−グルタミン(Seromed)
並びに10mM HEPES(Seromed) から成るH9培地中で増殖さ
せ、そして3〜4日毎に1 ×105 細胞/mlに継代させ
る。実験のために、細胞を洗浄し、新鮮培地中に再懸濁
し、そして1.5 ×104 〜5 ×104 細胞/ウエルにおいて
U型底96ウエルプレートに分配する。試験しようとする
抗p25 MAb または対照のマウスIgG (Cappell) を三重反
復物において該細胞と混合し、次いで37℃, 5% CO2にお
いてインキュベートする。各々翌日に10μl の試料を逆
転写酵素アッセイ用に取り、逆転写酵素アッセイを行う
まで−20℃にて凍結させる。
【0109】HTLV-Iにより形質転換されそしてLAV-I で
の細胞変性効果についてクローニングされたHTLV-Iの連
続生産者であるMT-2細胞系(ADIS Research and Refere
nceReagent Program, NIH, Doulkas Richman 博士から
入手) をH9培地中で増殖させ、3〜4日毎に継代させ
る。同時培養実験のために、H9細胞を培地で洗浄し、そ
して新鮮培地または試験しようとするp25 MAb を含む培
地中に再懸濁する。37℃, 5% CO2において4 〜18時間イ
ンキュベートした後、該細胞を再度洗浄し、前処理され
たH9細胞 300個を、三重反復試験においてミクロタイタ
ープレート中で、試験しようとする抗p25 MAb の非存在
下または存在下で3 ×104 個の新鮮なMT-2細胞と混合
し、次いで37℃, 5% CO2においてインキュベートする。
逆転写酵素アッセイ用の試料を各日に取り、逆転写酵素
アッセイを行うまで−20℃にて凍結させておく。
【0110】2.3 逆転写酵素アッセイ HIV 逆転写酵素活性は、F. Di Marzo Veroneseら、Scie
nce 231, 1289 (1986)により記載されたようにして評価
する。逆転写酵素反応混合物は、50mM Tris(高純度, BR
L), pH 7.8, 75mM KCl(Baker), 2mM DTT(クリーランド
試薬, CalBiochem), 5mM MgCl2(Mallinckrodt), 50μg/
ml Pol(A) (ポリアデニル酸, Pharmacia), 1.6 μg/ml
のpd(T)12-18 (オリゴデオキシチミジル酸, Pharmacia)
および0.05% NP-40 を含み、これを新たに調製し、0.45
ミクロンのAcrodiscTMフィルター(Gelman Sciences) を
通して濾過し、そして5 mlアリコートにおいて−20℃に
て保存する。逆転写酵素をアッセイするためには、該混
合物を解凍し、10 mCi/mlの32P-TTP (チミジン5′−
〔α−32P〕三リン酸トリエチルアンモニウム塩、Amer
sham)と1000:1の比で混合し、10μCi/ml の最終活性を
与える。培養上清から三重反復において10μl 試料を取
り、U字型底96ウエルプレートに移す。試料は即座に使
用することもできまたは−20℃で保存することもでき
る。逆転写酵素生産の速度論を研究する時、試料を収得
後即座に凍結させ、そしてアッセイ間の変動を避けるた
め実験の終わりに同時にアッセイする。50μl/ウエルの
完全逆転写酵素混合物を該試料に添加し、混合し、37℃
で1.5 〜3 時間インキュベートする。この反応混合物 5
μl をDEAE紙(DE81, Whatman) 上にドットし、風乾す
る。2 ×SSC (300mM NaCl, 25mM クエン酸ナトリウム)
での4回の洗浄(各回5分間)の後、95%エタノールで
1回洗浄し(1分間)、そして風乾する。ドットスポッ
トをオートラジオグラフィーにより視覚化しそして/ま
たはシンチレーションカウンター(Beckman, LS 1801)中
でカウントする。
【0111】2.4 DAPIによるマクロファージの核染色 平底96ウエルプレート中の感染または未感染マクロファ
ージの単層を2%ホルムアルデヒド−PBS で室温にて30
分間固定する。McIlvaines緩衝液 pH 4.5 (53mM クエン
酸、94mM Na2HPO4、10mM MgSO4) 中の0.5 μg/mlのDAPI
(4′,6′−ジアミノ−2−フェニルインドール、Se
rva Fein Biochemica, Heidelberg)を該細胞に添加し、
この混合物を遮光下で2時間(室温)インキュベートす
る。核中のDNAの高A−T領域に結合した色素の蛍光
を、蛍光計(Titertek FluoroskanTM II)中で335 nmの励
起および460 nmの発光において測定する。その結果をウ
エルあたりの任意蛍光単位として表す。
【0112】2.5 マクロファージ中の細胞関連ウイルス
抗原の測定のためのELISA 感染マクロファージ中の細胞関連ウイルス抗原の定量的
評価の方法は、2点を除いては実施例2.1 に記載のもの
(自然抗原への結合)と本質的に同じである。第一はア
ルカリホスファターゼ接合第二抗体を1:2500の希釈度で
使用すること、そして第二は基質としてジエタノールア
ミン緩衝液(10% ジエタノールアミン、0.5% MgCl2、0.
02% NaN3、pH 9.6)中のp−ニトロフェニルホスフェー
ト(Sigma, 5 ml あたり基質錠剤1錠)を使用すること
である。ELISA リーダー(Tecan,EIA-オートリーダーKUC
O-21 TM) を使って405 nmにおいて発色を測定する。
【0113】MAb 26-69-5 で前処理されているマクロフ
ァージについては(表1に示された実験を参照のこ
と)、アッセイを変更しなければならない。細胞関連p2
4 の検出にはHIV-1 p24 Core Profil ELISA キット(DuP
ont)の試薬を使用する。細胞とビオチニル化ポリクロー
ナル抗p24 抗体とのインキュベーション後、ストレプト
アビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ接合体を使って
結合を探査する。基質としてo−フェニレンジアミン−
HCl を使って複合体を検出する。試薬の濃度およびイン
キュベーション時間はDuPontキットの製造業者により推
奨される通りである。EIA-オートリーダーKUCO-21 TM
(Tecan)を使って490 nmにおいて発色を測定する。
【0114】2.6 ADCCアッセイ 次のようにしてヒト血液からエフェクター細胞(ヒト末
梢血リンパ球, PBL )を単離する。10mlのヘパリン処理
した血液を10mlのPBS(Ca++, Mg++不含有) と混合し、50
ml の遠心管中の15 ml のLympoprep TM (Nycomed)の下
に置く。遠心後(400 ×g, 30 分間)、中間相バンドを
形成している末梢血リンパ球を収得し、PBS で2回洗浄
し、そして10% FCS を含むRPMI培地中に再懸濁する。生
存細胞をカウントし、2 ×107 細胞/ml に濃度調整す
る。持続感染させたH9細胞 1×106個を200 μCi (1 mCi
/ml 200μl)の51クロム(Na2CrO4, Amersham) と共に37
℃にて45分間インキュベートすることにより標的細胞を
調製する。培地で3回洗浄した後、細胞を37℃にて15分
間インキュベートし、非特異的クロム放出を減らすため
に追加の洗浄段階を行う。生存可能な標識細胞をカウン
トし、5 ×104 細胞/ml に濃度調整する。U型底の96ウ
エルプレートに50μl の標的細胞(ウエルあたり細胞25
00個)を分配した後、細胞を三重反復試験において12,
25または50μl/mlの最終濃度で50μg/ウエルの抗p25 MA
b 26-69-5 でまたは対照としてマウスIgG (50 μg/ml)
または培地で40℃にて15分間処理する。100 μl のエフ
ェクター細胞懸濁液(エフェクター対標的比 30:1, 60:
1 または100:1 )を200 μl の最終容量に添加し、37℃
で5時間インキュベートした後、プレートを200 ×g で
5分間遠心する。ガンマカウンター(Compugamma TM 12
82, LKB )中で100 μl の無細胞上清をカウントするこ
とにより、51クロムの放出を測定する。
【0115】標識標的細胞からのクロムの漏出による
然放出は、抗体およびエフェクター細胞の非存在下にお
ける培地とのインキュベーション後に評価される。エフ
ェクター細胞による標的細胞の非特異的致死による非特
異的放出は、抗体の非存在下でのエフェクター細胞との
インキュベーション後に評価され、次式のようにして算
出される。
【0116】
【数1】
【0117】全放出(100 %)は、標識標的細胞を200
μl の最終容量において1% TritonTM X-100(Fluka) で
溶解させ、そして細胞溶解物100 μl をカウントするこ
とにより測定される。エフェクター細胞による標的細胞
の抗体媒介性致死(ADCC)による特異的放出は次式のよう
にして算出される。
【0118】
【数2】
【0119】実施例3:MAb 25-57-1 およびMAb 26-69-
5 の生物活性 3.1 自然抗原への結合 実施例2.1 の方法に従って、ヒトマクロファージを HIV
-1 ADAにより感染せしめ、MAb 25-57-1 およびMAb 26-6
9-5 での免疫染色用の標的として使用する。固定されNP
-40 TMにより透過性が高められた細胞は両MAb で強く染
色され、感染マクロファージ中に多量の細胞質性p24 が
存在することを示す。また、固定された非透過性細胞も
MAb 25-57-1 およびMAb 26-69-5 により染色され、p24
がそれらの細胞の表面上に存在することを示す。
【0120】3.2 ヒトマクロファージのHIV 感染に対す
るMAb 26-69-5 の効果 感染後21日目に使った多大に感染させたヒトマクロファ
ージによる逆転写酵素生産(実施例2.2 および2.3 )に
対するMAb 26-69-5 の効果は非常に明晰である。該MAb
処理の開始後第1日および第2日目に感染マクロファー
ジの上清において逆転写酵素活性を測定する。第1日目
には、未処理細胞と比べた時、処理細胞の上清では逆転
写酵素活性の95%減少が観察される(7125 cpmに対して
361 )。第2日目にも同じ程度の減少(96.7%)が観察
される(20444 cpm に対して674)。逆転写酵素生産の
減少は、おそらくマクロファージに対する該抗体の毒性
効果によるものではないだろう。何故なら、ウエルあた
りの核の数(実施例2.4 )は未処理細胞のものと同じま
まであるからである。死細胞は迅速に崩壊するだろうと
予想される。核の量により標準化すると逆転写酵素生産
は第1日目は94.5%そして第2日目は96.4%である。細
胞関連ウイルス抗原(CAVA, 実施例2.5 )として測定さ
れる細胞内ウイルスは、MAb 26-69-5 での処理後に弱く
減少するだけである(2.202 任意蛍光単位に対して1.80
4 )。
【0121】第二の実験において、 HIV-1ADA による感
染後14日目にマクロファージを抗p25 MAb 26-69-5 また
は対照マウスIgG に暴露する。 IFNα (Roferon, Hoffm
ann-La Roche AG)を逆転写酵素生産の阻害の正の対照と
して使用する。未処理のまたはマウスIgG で処理された
マクロファージに比べて、MAb 26-69-5 で処理された細
胞では逆転写酵素の生産が大きく減少する。1日目およ
び第2日目には、観察された減少は、マクロファージに
よるHIV 生産の既知の阻害剤である IFNαについて認め
られるものに匹敵する。3日目からはMAb 26-69-5 処理
細胞において逆転写酵素の生産が再び上昇し始め、そし
てこの増加は対照における逆転写酵素の増加と平行であ
る(表1)。
【0122】
【表1】
【0123】3.3 持続感染H9細胞における逆転写酵素生
産に対するMAb 26-69-5 の影響 持続感染させたH9細胞(実施例2.2 )をMAb 26-69-5 ま
たは対照マウスIgG で5時間処理し、洗浄し、そして前
処理に使用したものと同じ濃度のMAb の非存在下または
存在下で5日間インキュベートする。5日目に、上清中
の逆転写酵素活性を測定する(実施例2.3 )。前処理と
緊縮培地中でのインキュベーションのみでは、未処理の
細胞と比べた時に逆転写酵素生産に全く効果がない。5
日間のインキュベーション期間中ずっと抗体26-69-5 が
存在すると、培地対照またはマウスIgG 処理対照に比べ
て上清中の逆転写酵素の収量が50〜70%減少する。逆転
写酵素活性は、培地:170 cpm ; マウスIgG : 151 cpm
; 50μg/mlのMAb 26-69-5: 45 cpm ; 25 μg/mlのMAb
26-69-5 : 78 cpm ; 12.5 μg/mlのMAb 26-69-5 :50 cp
m(三重反復試験における平均)である。
【0124】3.4 未感染MT-2細胞への持続感染H9細胞の
同時培養感染力に対するMAb 26-69-5の影響 MT-2細胞を感染させる持続感染H9細胞の能力に対するMA
b 26-69-5 の効果を、それらの両細胞を該抗体の存在下
で同時培養することにより(実施例2.2 )調べる。該MA
b の活性を最適化するため、H9細胞を特定濃度のこのMA
b で18時間前処理する。第3日目の同時培養物の上清に
おいて測定された逆転写酵素活性は次のとおりである。
50μg/mlのMAb 26-69-5 : 40 cpm ; 25 μg/mlのMAb 26
-69-5 :61 cpm ; 10 μg/mlのMAb 26-69-5 : 168 cpm ;
5 μg/mlのMAb 26-69-5 : 206cpm ; 培地のみ(対
照):214 cpm 。同時培養中ずっと25μg/ml以上の濃度
で存在するMAb 26-69-5 は、上清中の逆転写酵素活性を
未処理の培養物において認められるものの25%に減ら
す。
【0125】この効果の特異性を決定づけるため、MAb
25-57-1 およびMAb 26-69-5 の活性を上記と同様な同時
培養実験において無関係のマウスIgG と比較する。同時
培養物の上清中の逆転写酵素活性を3日目および4日目
にアッセイする(表2)。MAb 26-69-5 の存在のみが逆
転写酵素生産に有意に影響を与え、対照のIgG は無効果
である。マウスIgG または培地で処理された培養物につ
いては上清中の逆転写酵素活性が3日目から4日目に8
〜10倍増加する。他方、MAb 26-69-5 処理された細胞は
3日目から4日目に2倍増加を示す(表2)。
【0126】
【表2】
【0127】3.5 ADCCアッセイ MAb 25-57-1 およびMAb 26-69-5 は表面p24 抗原を認識
し、そしてヒトエフェクター細胞によるADCCを媒介する
ことが知られているサブタイプ(それぞれIgG2b および
IgG1)の抗体である。抗体の不在下でのエフェクター細
胞による標的細胞の致死による非特異的放出は、30%
(エフェクター対標的比 100:1)、23%(60:1)および
17%(30:1)と算出される。エフェクター細胞による標
的細胞の抗体媒介性致死による特異的放出は、抗p25 MA
b 25-57-1 およびMAb 26-69-5 の存在下では全てのエフ
ェクター対標的比に関して観察されるが、対照のマウス
IgGの存在下では観察されない(表3)。抗p25 MAb のA
DCC媒介活性は、調べた最低濃度(12 μg/ml) まで下降
する用量依存形式において全抗体濃度において観察され
る。
【0128】
【表3】
【0129】実施例4:Sp2/0 ミエローマ細胞中での発
現のためのマウスハイブリドーマ25-57-1 および26-29-
5 の機能的IgH鎖およびL鎖V領域エクソンのクロー
ニングおよび適合 使用する一般法はSambrookら (Molecular Cloning: A L
aboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Pres
s, 1989) において詳細に記載されている。
【0130】4.1 マウスハイブリドーマ25-57-1 および
26-29-5 の起源並びにRNAの調製 マウスハイブリドーマ25-57-1 および26-29-5 の製造お
よび性質は、実施例1および3に記載されている。Le M
eur らにより記載された手順(Cell 23, 561-571, 1981)
を使って、約0.5 〜1 ×108 細胞から全RNAを単離す
る。
【0131】4.2 機能的H鎖およびL鎖Ig cDNA 配列
の試験管内増幅 ハイブリドーマ25-57-1 および26-29-5 中で発現される
Ig遺伝子のコード領域に相当するヌクレオチド配列
は、全ハイブリドーマRNAの逆転写、およびTaq DNA
ポリメラーゼを使ったIg cDNA 転写産物の試験管内増幅
により得られる。下記のオリゴヌクレオチドプライマー
を使用する(括弧内の文字はその位置での縮重ヌクレオ
チドを表す):
【0132】
【化1】
【0133】M/CκはマウスIgのL鎖 Cκ定常領域エ
クソンの逆アンチセンス鎖に相当する(Hieterら,Cell
22, 197-201, 1980 )。VH1FOR, VH1BACK, VK1FOR およ
びVK1BACK は、Orlando ら(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 86, 3833-3837, 1989)により記載されたIgH鎖およ
びL鎖V領域プライマーに相当し、ただしここで使用す
るVK1FORは2つの縮重塩基置換(上記の下線箇所)を含
む。最後の3つのプライマーは、増幅されたV領域のそ
の後のクローニングを容易にするDNA制限部位を含む
(実施例4.3 参照)。それらは次のものである:VH1FOR
: BstEII (GGTGACC) ; VH1BACK : PstI (CTGCAG) ; VK
1FOR : BglII (AGATCT) ; VK1BACK : PvuII (CAGCTG)。
【0134】IgH鎖 mRNA の逆転写および増幅のため
に、ハイブリドーマ25-57-1 および26-29-5 からの全RN
A (10 μg)を、10μl のRT緩衝液、14μl のH2O 、2.5
μl のスペルミジン(10mM)、0.5 μl のBSA(10mg/ml)、
10μl の混合dNTP(各2mM ; N=A,T,G およびC )、10μ
l のTriton X-100TM (10%, v/v) 、1.5 μl のRNアーゼ
BlockTM (Stratagene) および 1μl のVH1FORプライマ
ー(50 ピコモル) を含む溶液中で、37℃にて90分間 200
単位のMMLV逆転写酵素(1μl ; Gibco-BRL)で処理する。
【0135】Ig cDNA を含むこの溶液の一部(5μl)を、
62.5μl のH2O 、10μl のPCR 緩衝液、10μl のdNTP混
合物(各2mM ; N=A,T,G およびC )、10mlのジメチルス
ルホキシド(Merck) および 2μl のプライマーVH1FORお
よびVH1BACK (H2O中50ピコモル) を含む 100μl の溶液
中での試験管内増幅にかける。溶液を混合し、93℃で3
分間加熱し、次いで37℃に冷却し、 0.4μl のAmpliTaq
TM DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus)を添加し、そ
して該溶液を1 mlの EppendorfTM試験管中の 100μl の
パラフィン油の上に重層する。次いで下記のように温度
サイクラー(Intelligent Heating Block, Hybaid) 中で
溶液をインキュベートし:71℃で0.2 分、次いで93℃で
0.01分、次いで37℃で0.2 分(4サイクル);71℃で0.
2 分、次いで93℃で0.01分、次いで62℃で0.2 分(30サ
イクル);71℃で3分、次いで62℃で0.2 分、次いで71
℃で3分、DNA 鎖の最終合成を完了させる。該溶液の1/
10容量を、増幅されたDNA 生成物を視覚化するために臭
化エチジウム含有1%アガロースゲル上での電気泳動に
より分析する。好結果のIgH鎖配列の選択的増幅は、
紫外線照射下で見える約350 bpのDNAバンドを生じ
る。時折、増幅反応の他の無関係の副生成物が異なるサ
イズのDNAバンドとして観察される。
【0136】IgL鎖 mRNA の逆転写および試験管内増
幅はH鎖 mRNA について上述したのと同様に行われる
が、ただし逆転写段階においてVH1FORプライマーが M/C
κオリゴヌクレオチドプライマーにより置き換えられ、
そして試験管内増幅段階においてVH1FORおよびVH1BACK
プライマーがVK1FORおよびVK1BACK オリゴヌクレオチド
プライマーにより置き換えられる。H鎖配列について上
述したようにアガロースゲル電気泳動を使って好結果の
増幅が観察され、これは紫外線照射下での約320bp DNA
バンドの存在により指摘される。
【0137】どちらの場合でも、増幅された材料をまず
フェノール/CHCl3 で次いでCHCl3で抽出することによ
り精製する。最後に該材料を0.3M NaOAc, pH 7.0の存在
下で−20℃にて2容のエタノールで沈澱させ、同温度に
て70%エタノールで洗浄し、そしてDNA ペレットを風乾
する。
【0138】4.3 増幅されたIgH鎖およびL鎖cDNA配
列のクローニング 増幅されたH鎖およびL鎖cDNA(実施例4.2 参照)を、
クレノウDNAポリメラーゼとポリヌクレオチドキナー
ゼでの処理によりDNA断片の末端を調製した後、平滑
末端クローニングする。
【0139】実施例4.2 に従って調製したDNA断片を
TE緩衝液(20 μl ) 中に溶解し、17μl のH2O 、5μl
の混合dNTP(各1mM ; N=A,T,G およびC )および 5μl
のNT緩衝液を別々に添加し、そして15単位(3μl ) のク
レノウ断片DNAポリメラーゼI(Boehringer)で室温に
て30分間処理する。該溶液を65℃で10分間加熱すること
により前記酵素を不活性化し、そして処理したDNA試
料を、臭化エチジウムを含む1%アガロースゲル上でTA
E 緩衝液を使って電気泳動する。紫外線照射下で見える
増幅されたH鎖DNAについては約350 bp、増幅された
L鎖DNAについては約320 bpのDNAバンドをゲルか
らハサミで切り取り、製造業者の教示に従って別々の G
ENECLEANTMカラム(BIO 101 Inc.)上で精製する。製造業
者の溶出緩衝液30μl 中に各DNAを溶出させ、これに
7.5μl のH2O を添加する。
【0140】精製したH鎖およびL鎖cDNA断片(37.5 μ
l)を別々に、3μl のPNK 緩衝液、0.5μl の0.1Mジチ
オトレイトール、1μl のスペルミジン(50mM)および3
μlのATP(10mM) の添加により30μl にし、そして各々
を1μl のT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10単位;Phar
macia )で37℃にて30分間処理する。5μl の0.5mMEDT
A二ナトリウム, pH 7.5の添加により反応を停止させ、
次いで35μl のTE緩衝液および10μl の3M酢酸ナトリウ
ム,pH 7.0 を添加し、その後、該DNA溶液をフェノー
ル/CHCl3 で抽出し、そして2.5 容(v/v) の95%エタノ
ールで沈澱させる。遠心後、上清を除去し、DNAペレ
ットを乾燥し、そして 5μl のTE緩衝液に溶かす。
【0141】DNA断片をSmaIで消化され脱リン酸され
たBLUESCRIPTTM KS+ベクター(Stratagene)中でクローニ
ングする。ポリヌクレオチドキナーゼ処理したH鎖また
はL鎖cDNA断片の一部(1μl)(1 ng)を別々に、1μl の
DNAリガーゼ緩衝液、1μl の10×ジチオトレイトー
ル(0.1M)、 0.5μl の20×ATP(10mM) 、 5.5μl のH2O
および0.5 μl (400単位) のT4 DNAリガーゼ(New Engla
nd Biolabs.)の存在下で、調製された9 ng (1μl)のBL
UESCRIPTTMベクターに15℃にて一晩連結せしめる。
【0142】DNA 連結生成物を用いて、標準手順を使っ
て調製した大腸菌(E.coli)K12/BZ234 のコンピテント
細胞を形質転換せしめる。アンピシリン耐性クローンを
選択し、プラスミドDNAを調製する。適当なサイズの
DNA挿入断片を有するクローンは、プラスミドDNA
をEcoRI +XbaIで同時消化(これはSmaIクローニング部
位の反対側でベクターポリリンカー配列を切断する)
し、そして臭化エチジウムを含む1%アガロースゲル上
での電気泳動によってDNA断片を分析することにより
同定することができる。
【0143】4.4 ハイブリドーマ25-57-1 の機能的Ig
H鎖およびL鎖遺伝子再配列の同定 正しいサイズのDNA挿入断片を有するクローニングさ
れたプラスミドのヌクレオチド配列を、T3およびT7オリ
ゴヌクレオチドプライマーを使って SEQUENASETM系およ
び製造業者のプロトコール(United States Biochemica
l) を用いて、二本鎖DNA鋳型上で決定する。同じ配
列を有する幾つかのプラスミドクローンが得られる。典
型的なクローン(25-LPCR1および25-HPCR1)の配列をそ
れぞれL鎖およびH鎖について配列番号1および配列番
号2として配列表に記載する。示した配列は、Ig関連
配列の選択的試験管内増幅において使用したオリゴヌク
レオチドプライマー、該プライマー中に存在するDNA
制限部位の位置、およびマウスIgのV領域配列のデー
タベース (Kabat ら、"Sequences of proteins of immu
nological interest" 第4版、U.S.Dept. Health & Hum
an Services, 1987)との比較により推定されるIgH鎖
およびL鎖V領域の相補性決定領域(CDR) の存在位置を
含む。
【0144】25-LPCR1のV領域再配列はJ1L鎖Jミニ遺
伝子連結エクソン(配列番号1;ヌクレオチド286 位に
おいて始まる)を使用し、そして機能的IgL鎖遺伝子
再配列に特有なV−Jエクソン融合により形成されるポ
リペプチド配列をコードする連続転写解読枠を含む。25
-HPCR1のV領域再配列は JH 3 H鎖Jミニ遺伝子連結エ
クソン(配列番号2;ヌクレオチド299 位において始ま
る)を使用し、そして機能的IgH鎖遺伝子再配列に特
有なV−D−Jエクソン融合により形成されるポリペプ
チド配列をコードする連続転写解読枠を含む。25-57-1
細胞mRNAを使って他のDNAクローンが時折得られる
が、このいずれもIgH鎖またはL鎖V領域配列に似て
いない。試験管内増幅から生じる配列がV領域配列中に
点変異を含む可能性を減らすために、H鎖およびL鎖配
列を含むクローニングされた少なくとも3つの独立した
プラスミドの配列を比較しそして同一であることを示
す。
【0145】4.5 ハイブリドーマ26-29-5 の機能的Ig
H鎖およびL鎖遺伝子再配列の同定 正しいサイズのDNA挿入断片を有するクローニングさ
れたプラスミドのヌクレオチド配列を、T3およびT7オリ
ゴヌクレオチドプライマーを使って SEQUENASETM系およ
び製造業者のプロトコール(United States Biochemica
l) を用いて、二本鎖DNA鋳型上で決定する。同じ配
列を有する幾つかのプラスミドクローンが得られる。典
型的なクローン(26-LPCR1 ; 26-HPCR1 および26-HPCR
2)の配列をL鎖について配列番号3そしてH鎖につい
て配列番号4および配列番号5としてそれぞれ配列表に
記載する。示した配列は、Ig関連配列の選択的試験管
内増幅において使用したオリゴヌクレオチドプライマ
ー、該プライマー中に存在するDNA制限部位の位置、
およびマウスIgのV領域配列のデータベース (Kabat
ら、"Sequences of proteins of immunological intere
st" 第4版、U.S.Dept. Health & Human Services, 198
7)との比較により推定されるIgH鎖およびL鎖V領域
の相補性決定領域(CDR) の存在位置を含む。
【0146】26-LPCR1のV領域再配列はJ1L鎖Jミニ遺
伝子連結エクソン(配列番号3;ヌクレオチド304 位に
おいて始まる)を使用し、そして機能的IgL鎖遺伝子
再配列に特有なV−Jエクソン融合により形成されるポ
リペプチド配列をコードする連続転写解読枠を含む。26
-HPCR1のV領域再配列は JH 2 H鎖Jミニ遺伝子連結エ
クソン(配列番号4;ヌクレオチド324 位において始ま
る)を使用し、そして機能的IgH鎖遺伝子再配列に特
有なV−D−Jエクソン融合により形成されるポリペプ
チド配列をコードする連続転写解読枠を含む。26-HPCR2
のV領域再配列は JH 4 H鎖Jミニ遺伝子連結エクソン
(配列番号5;ヌクレオチド328 位において始まる)を
使用し、そして機能的IgH鎖遺伝子再配列に特有なV
−D−Jエクソン融合により形成されるポリペプチド配
列をコードする連続転写解読枠を含む。
【0147】26-HPCR1および26-HPCR1再配列が同じハイ
ブリドーマ細胞中に含まれるかどうかは正確にはわから
ない。しかしながら、所望の特異性を有するH鎖再配列
は機能試験によりスクリーニングされる(実施例1.5 参
照)。26-69-5 細胞mRNAを使って他のDNAクローンが
時折得られるが、このいずれもIgH鎖またはL鎖V領
域配列に似ていない。試験管内増幅から生じる配列がV
領域配列中に点変異を含む可能性を減らすために、H鎖
およびL鎖配列を含むクローニングされた少なくとも3
つの独立したプラスミドの配列を比較しそして同一であ
ることを示す。
【0148】実施例5:DNA操作のためのクローニン
グベクターの作製 5.1 ベクターKS+exPvuII BLUESCRIPTTM KS+プラスミドベクター(Stratagene)中で
の発現に向けて25-LPCR1および26-LPCR1配列のクローニ
ングを促進するために、(2つの)重要でないPvuII 制
限部位を削除する。BLUESCRIPTTM KS+プラスミドDNA
(10μg)をPvuII で完全消化し、約2300bpと360bp の二
本の直鎖状DNA断片を生ぜしめる。これらのDNA断
片を臭化エチジウム含有1%アガロースゲル上での電気
泳動により分離し、 GENECLEANTM (BIO 101 Inc.) を使
って精製する。これは約150 ngの精製360 bp断片と約60
0 ngの2300 bp 断片を与える。大きい方の(2300 bp) 断
片を20単位の子ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIAP ;
Boehringer) で処理する。次いでCIAP処理断片をフェノ
ール/CHCl3 で、次にCHCl3 で抽出し、0.3M NaOAc, pH
7.0の存在下で0.54容のイソプロパノールで沈澱せし
め、そしてDNAペレットを−20℃の70%(v/v) エタノ
ールで洗浄する。ペレットを風乾し、6 μl のTE緩衝液
に溶解する。
【0149】NcoI DNA制限部位を含むオリゴヌクレオチ
ドリンカー(pCCCATGGG ; New England Biolabs.)(1μ
l のH2O 中10 ng )を、36.5μl のH2O 、5 μl の10×
PNK緩衝液、0.5 μl の0.1Mジチオトレイトール、1μl
の50mMスペルミジンおよび5 μl の10mM ATPを含む溶
液中で1μl のT4ポリヌクレオチドキナーゼ(PL Bioche
micals) で37℃にて30分間処理する。リン酸化されたリ
ンカーを1μl (150 ng)の360bp PvuII 消化 KS+プラス
ミドDNA断片および5μl のCIAP処理2300bp断片(200
ng) に添加する。断片混合物をフェノール/CHCl3 で、
次にCHCl3 で抽出し、0.3M NaOAc, pH 7.0の存在下で−
20℃にてエタノール沈澱せしめ、70%(v/v) エタノール
で洗浄し、風乾し、そして0.5 mlのH2O に溶解する。こ
のプラスミドDNA/リンカー混合物を、 100μl のD
NAリガーゼ緩衝液、 100μl の0.1Mジチオトレイトー
ル、50μl の20mM ATPおよび 245μl のH2O を含む全量
1mlの溶液中で10,000単位/5μl のT4 DNAリガーゼ(New
England Biolabs.)を使って4 ℃にて一晩連結せしめ
る。標準手順(Sambrookら、前掲、1.82-84 章および1.
25-28 章)を使って、連結生成物を用いて大腸菌(E.co
li)K12/BZ234 を形質転換せしめ、アンピシリン耐性コ
ロニーを選択し、そしてプラスミドDNA調製物を得
る。360 bpと2300 bp DNA断片との接合点の両方に連
結された必要なNcoIリンカーを有するプラスミドを、Nc
oIを使った制限分析により検出する。
【0150】上記および実施例4.3 に記載された標準手
順を使って、そのような1つのプラスミドをNcoIで完全
消化し、消化された該DNAの試料をクレノウDNAポ
リメラーゼで処理して平滑末端を作製しNcoI「粘着」末
端を削除し、そしてT4 DNAリガーゼを使って断片を再連
結せしめることにより、NcoI制限部位を除去する。
【0151】最終のKS+exPvuIIと称するプラスミドは、
KS+ベクター中の元の位置のPvuII制限部位のところにN
coIリンカーを含有し、NcoI制限部位はクレノウDNA
ポリメラーゼを使って削除されている。360 bpおよび23
00 bp KS+ DNA断片並びにポリリンカーDNAクロー
ニング部位の相対的方向はBLUESCRIPTTM KS+ベクターと
同じままである。
【0152】5.2 ベクターKS+VHX-VecおよびKS+VKX-Vec ベクターM13-VHPCR1およびM13-VKPCR1(Orlandi ら、Pr
oc. Natl. Acad. Sci.USA 86, 3833-3837, 1989 ; The
Medical Research Council, 20 Park Crescent, London
W1N 4ALにより入手可能)はそれぞれ817 bpおよび648
bpのBamHI/HindIII 制限断片を含み、実施例4.2 および
4.3 に記載したようにオリゴヌクレオチドを使ってF5-4
44細胞RNAから増幅されたIgH鎖およびL鎖V領域
DNA配列を受け入れることができる。それらのBamHI/
HindIII ベクターDNA断片はマウスIgプロモータ
ー、リーダーペプチドエクソン並びに機能的再配列V−
D−JおよびV−J−V領域エクソンを含む。
【0153】このDNAを用いて大腸菌K21/TG1 を形質
転換せしめ、標準法を使ってプラスミドDNAを調製す
る。各バクテリオファージDNA調製物を別個にBamHI
+HindIII で完全消化し、小さい方のBamHI/HindIII 断
片(M13-VHPCR1については817 bp、M13-VKPCR1について
は648 bp)を臭化エチジウム含有1%アガロースゲル上
での電気泳動により単離する。紫外線照射下で見える適
切な大きさのDNAバンドをゲルから切り取り、電気溶
出によりアガロースからDNAを回収し、次いでフェノ
ール/CHCl3 で抽出し、そしてイソプロパノールで沈澱
せしめる。DNAペレットを風乾し、10μl のTE緩衝液
にそれぞれ溶解する。
【0154】5.2.1 ベクターKS+VHX-Vec M13-VHPCR1中のBamHI/HindIII セグメントはPstIおよび
BstEII酵素のユニーク内部DNA制限部位を有し、これ
は「無関係の」IgH鎖V領域の除去そして25-HPCR1,
26-HPCR1および26-HPCR2のPstIとBstEII制限部位との間
に置かれているようなV領域配列による置換を可能にす
る。DNA増幅プライマーVH1FORおよびVH1BACK 中のPs
tIおよびBstEII部位の正確な配置は、H鎖ポリペプチド
コード配列が周囲のDNA配列との適切な翻訳枠に維持
されるのを保証し、V領域タンパク質の発現を促進す
る。
【0155】817 bp M13-VHPCR1 DNA断片をBLUESCRI
PTTM KS+ベクターへの連結後にクローニングする。該ベ
クターを制限酵素BamHI +HindIII での消化、次いでフ
ェノール/CHCl3 およびCHCl3 での抽出、エタノール沈
澱、遠心、70%エタノールでの洗浄、DNAペレットの
乾燥およびTE緩衝液中への溶解により準備する。連結は
2μl のBamHI +HindIII 処理ベクターDNA(40 μ
g)、2.5 μl のM13-VHPCR1DNA断片、1.5 μl の10mM
ATP、1.5 μl の0.1Mジチオトレイトール、1.5μl の
DNAリガーゼ緩衝液、4.5 μl のTE緩衝液および1.5
μl (600単位) のT4 DNAリガーゼ(New England Biolab
s.)を含む15μl の溶液中で14℃にて6時間行う。標準
手順を使って(Sambrook ら、前掲、1.82-84 章および1.
25-28 章)、連結生成物を用いて大腸菌K21/TG1 を形質
転換せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択し、そし
てプラスミドDNAを調製する。817 bpのBamHI/HindII
I 挿入DNA断片を有する組換えプラスミドを含むクロ
ーンを選択し、製造業者(United States Biochemical)
により与えられた条件を使って、T3/T7 オリゴヌクレオ
チドプライマーとSEQUENASE TM系を使って、その配列が
M13-VHPCR1に由来する所望の断片に相当することを確か
める。このプラスミドをKS+VH-Vec と命名する。
【0156】元来BLUESCRIPTTM KS+ポリリンカーに由来
するものに加えて第二のXbaIDNA制限部位の導入によ
りKS+VH-Vec を更に変更する。KS+VH-Vec DNAを制限
エンドヌクレアーゼHindIIで完全消化し、得られた断片
を、標準手順を使って子ウシ腸アルカリホスファターゼ
により脱リン酸する(実施例2.1 参照)。処理後該DN
Aを120 ng/ml の濃度においてTE緩衝液に溶解する。溶
解後、DNA断片(0.5μl)を1μl のXbaIオリゴヌクレ
オチドリンカー(pCTCTAGAG , 500 ng/μl ; New Englan
d Biolabs.) 、1.5 μl の10mM ATP、1.5 μl の0.1Mジ
チオトレイトール、1.5 μl のDNAリガーゼ緩衝液お
よび7.5 μl のTE緩衝液に添加し、そして1.5 μl(600
単位) のT4 DNAリガーゼ (New England Biolabs.) を使
って14℃にて一晩連結せしめる。連結後、上述したよう
な標準手順を使って(Sambrook ら、前掲、1.82-84 章お
よび1.25-28 章)、連結混合物を用いて大腸菌K21/TG1
を形質転換せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択
し、プラスミドDNAを調製する。制限エンドヌクレア
ーゼXbaIを使った消化により必要なXbaIリンカー配列を
有するプラスミドを検出する。1つのプラスミドを選択
し、そのヌクレオチド配列がBLUESCRIPTTM KS+配列中の
元のHindII制限部位に組み込まれた追加のXbaIリンカー
配列を有することを確かめる。このプラスミドをKS+VHX
-Vecと命名する。
【0157】5.2.2 ベクターKS+VKX-Vec M13-VKPCR1中のBamHI/HindIII セグメントはPvuII およ
びBclI酵素のユニーク内部DNA制限部位を有し、これ
は「無関係の」IgL鎖V領域の除去そして25-LPCR1ま
たは26-LPCR1のPvuII とBglII 制限部位との間に置かれ
ているようなV領域配列による置換を可能にする。DN
A増幅プライマーVK1FORおよびVK1BACK中のPvuII およ
びBglII 部位の正確な設置は、L鎖ポリペプチドコード
配列が周囲のDNA配列との適切な翻訳枠に維持される
のを保証し、V領域タンパク質の発現を促進する。DN
A制限酵素BclIは Dam+ メチル化に感受性であるので、
ここでクローニング目的でBclI制限部位を使用するつも
りであるファージおよびプラスミドの増殖には適当な D
am- 宿主株、例えば大腸菌K12/BZ103, K12/E3225または
K12/R832を使用しなければならない。
【0158】M13-VKPCR1の648bp BamHI/HindIII DNA
断片をM13-VHPCR1のそれと同様にして(実施例5.2.1 参
照)BamHI/HindIII 消化KS+exPvuIIベクター(実施例5.
1 に記載)への連結によりクローニングする。形質転換
後コロニーを選択し、そして648 bpのBamHI/HindIII 挿
入断片を有する組換えプラスミドを含むクローンを分析
し、上述したようにしてT3/T7 オリゴヌクレオチドプラ
イマーと SEQUENASETM系を使って、その配列がM13-VKPC
R1に由来する所望の断片に相当することを確かめる。こ
のプラスミドをKS+VK-Vec と命名する。
【0159】BLUESCRIPTTM KS+ポリリンカー配列中のHi
ndII制限部位のところへのXbaIリンカーの導入によりKS
+VK-Vec ベクターを更に変更し、そしてKS+VHX-Vecにつ
いて上述したのと同様にして(実施例5.2.1 )その配列
を確認する。クローニング目的でBclI制限部位を非メチ
ル化状態に維持するためにプラスミドDNAを用いて大
腸菌K12/R832(Dam- ) を形質転換せしめる。最終プラス
ミドベクターをKS+VKX-Vecと命名する。
【0160】実施例6:ミエローマ細胞中でのIgH鎖
遺伝子発現のためのベクターの作製 3.1 ヒトγ1 H鎖をコードするDNA断片の単離 発表された方法(Lawnら、 Cell 15, 1157, 1978)を使
ってヒト胎児肝臓DNAを制限エンドヌクレアーゼHaeI
IIおよびAluIで限定消化することによりバクテリオファ
ージλベクターCharon 4a 中においてヒトDNAライブ
ラリーを作製する。約1×106 の独立した組換えファー
ジを大腸菌K12/803 上に塗布し、そして相同のマウスI
gH鎖DNAプローブを使ってIgH鎖DNA配列の存
在についてスクリーニングする。
【0161】以前に記載されたように(Takahashi ら、
Cell 29, 671-679, 1982 )、マウスIgγ2b遺伝子座の
XbaI/HhaI 断片に相当するニックトランスレーションさ
れた 32P標識マウスIgG H鎖DNAプローブを用いて組
換えファージをスクリーニングする。分析した1つのD
NAクローン (#95/4)は、制限マッピングおよびヌクレ
オチド配列分析により決定すると、ヒトIgG1定常領域エ
クソンCH1 、ヒンジ領域、CH2 およびCH3 を包含する7
kbのHindIII DNAセグメントを含む。配列決定された
クローン#95/4 の部分は、7 kb HindIIIセグメントの末
端(HindIII) 制限部位の一方から始まる公表されたヒト
IgG1遺伝子配列(EMBL データベース配列HUMIGCC4)と一
致する(Ellison ら、Nucleic Acids Res. 10, 4071-4
079, 1982)。
【0162】ヒトIgG1定常領域エクソンを含むクローン
#95/4 からの 7 kb HindIII DNAセグメントを、脱リ
ン酸されたBLUESCRIPTTM KS+ベクターのHindIII 部位中
にサブクローニングし、そして大腸菌K12/TG1 中に形質
転換せしめる。標準手順(Sambrookら、前掲、1.82-84
章および1.25-28 章)を使って、アンピシリン耐性コロ
ニーを取り、プラスミドDNAを調製し、サブクローニ
ングされた 7 kb DNA断片を含むものを単離する。ヒ
トIgG1 CH1エクソンがBLUESCRIPTTM KS+のポリリンカー
のXbaI DNA制限部位の隣に配置されている1つのクロー
ンからのプラスミドDNAを同定する。このプラスミド
をγ1-KS+ と命名する。
【0163】ヒトDNA挿入断片の両側においてKS+ ポ
リリンカーを切断するEcoRI/XbaIを使って(この酵素は
両方ともγ1-KS+ の 7 kb HindIII DNA挿入断片を切
断しない)γ1-KS+ を消化した後、ヒトIgG1コード配列
を含むγ1-KS+ の全7 kbDNA挿入断片を臭化エチジウ
ム含有1%アガロースゲル上での電気泳動により回収す
る。標準法を使って該DNA断片を電気溶出せしめ、フ
ェノール/CHCl3 で、次いでCHCl3 で抽出し、そしてエ
タノール沈澱/遠心により回収する。このDNAを断片
と命名する。該DNAをTE緩衝液に溶解し、−20℃に
おいて保存する。
【0164】6.2 マウスIgH鎖転写エンハンサーを含
むDNA断片のクローニング マウスIgH鎖転写エンハンサーを含有するマウスIg
H鎖遺伝子座のヌクレオチド2877-3563 (GENEBANK デー
タベース登録MUSSIGCD07) に相当する686 bp XbaI/EcoR
I DNA断片を、EcoRI/XbaIで消化されたBLUESCRIPTTM
KS+ベクター中でクローニングし、そしてT3およびT7オ
リゴヌクレオチドプライマーとSEQUENASE TM系を使って
その配列を確認する。このプラスミドをpDA24/3 と命名
する。pDA24/3 の挿入DNA断片をEcoRI/XbaIでの消化
により単離し、断片1に使用したのと同じ方法を使って
臭化エチジウム含有1%アガロースゲル上での電気泳動
により回収する。該DNAをTE緩衝液に溶解し、−20℃
において保存する。このDNAを断片2と命名する。
【0165】6.3 プラスミドベクターHuγ1-EH-gptの構
DNA断片1および断片2(実施例6.1 および6.2 )
を、EcoRI 消化により線状化されたベクターpSV2gpt (S
outhern & Berg, J. Mol. App. Genet. 1, 327,1982)
中への同時連結によりクローニングする。DNA連結混
合物は、消化されたpSV2gpt ベクターDNA (1μl の
TE緩衝液中50 ng)、断片1(1.3 μl のTE緩衝液中70 n
g )、断片2(1.0 μl のTE緩衝液中7 ng)、1.5 μl
の10mM ATP、1.5 μl の0.1Mジチオトレイトール、1.5
μl のDNAリガーゼ緩衝液、5.7μl のTE緩衝液およ
び1.5 μl のT4 DNAリガーゼ(600単位 ; New England B
iolabs.)を含む。連結は14℃にて一晩行う。大腸菌K12/
TG1 中への形質転換後、標準手順(Sambrookら、前掲、
1.82-84 章および1.25-28 章)を使ってアンピシリン耐
性形質転換体を同定し、プラスミドDNAを調製する。
酵素EcoRI, BamHI, HindIII, PvuIIおよびXbaIを使った
制限分析の結果に基づいてDNAクローンを選択する。
適当なDNA制限性質を有するプラスミドを選択し、Hu
γ1-EH-gptと命名する。このプラウミドはpSV2gpt 配
列、並びにユニークXbaI開裂部位により隔てられたマウ
スIgH鎖エンハンサーおよびヒトIgG1定常領域エクソン
を含む。
【0166】実施例7:ミエローマ細胞中でのIgL鎖遺
伝子発現のためのベクターの作製 7.1 ヒト CκL鎖定常領域エクソンをコードするDNA
断片の単離 Balb/cマウス肝臓DNAの約2240 bp HindIII/XbaIセグ
メント(発表された生殖細胞型IgL鎖遺伝子座のヌクレ
オチド659-2900位 ; Maxら、Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 76, 3450-3454, 1979 ; EMBLデータベース配列登録
MUSIGKJC2 )に相当する、ニックトランスレーションさ
れた32P標識マウスIg生殖細胞型L鎖J領域ゲノムD
NAプローブを調製する。該プローブを用いて、IgH
鎖配列について記載したのと同様な方法を使って(実施
例6.1 )、相同のヒト CκL鎖DNA配列を含むセグメ
ントについてヒト組換えλファージDNAライブラリー
をスクリーニングする。陽性のハイブリダイズする組換
えファージを選択し、標準手順を使ってDNAを調製す
る。
【0167】交差ハイブリダイズ組換えファージからヒ
トIg Cκ定常領域エクソン(Hieterら、 Cell 22, 197-
207, 1980 )を含む約2.5kb BalI/EcoRI断片に相当する
DNA断片をサブクローニングする。BalI DNA制限部位
および Cκコード領域がEMBLデータベース配列登録HUMI
GKC3において指摘される;BalI DNA制限部位=ヌクレオ
チド位置31; Cκコード領域=ヌクレオチド位置334-65
6 。使用するクローニングベクターはSmaI/EcoRIで消化
されたBLUESCRIPTTM KS+であり、そして使用する方法は
標準的クローニング法である(Sambrookら、前掲、1.63
-70 章)。所望のDNA制限特性を有する組換えプラス
ミドを選択し、製造業者のプロトコールに従ってT3およ
びT7オリゴヌクレオチドプライマーとSEQUENAZE TM系を
使った部分的配列決定によりその構造を確認する。この
プラスミドをpDA27 と命名する。
【0168】pDA27 はXbaI酵素のための2つのDNA制
限部位を含む。1つはKS+ ポリリンカーに由来するもの
であり、2つ目はEcoRI 部位から約1 kbに位置するpDA2
7 のヒト CκDNA挿入断片中の部位である。発現ベク
ターの作製におけるその後の利用を容易にするために、
次のようにして後者のDNA制限部位を削除する:pDA2
7 DNA (30 μg)を4 μl のXbaI(1単位/μl ; Boehri
nger)で37℃にて45分間部分消化する。次いでDNAを
フェノール/CHCl3 、CHCl3 で抽出し、エタノール沈澱
せしめ、82μl の蒸留水に溶解し、これに10μl のTN緩
衝液、dNTP混合物(各 2mM ; N=A, T, G およびC )4
μl を添加する。クレノウ断片DNAポリメラーゼ(4μ
l ; 4.9 単位/μl ; Boehringer) を添加し、混合物を
室温で30分間インキュベートし、その後65℃で5分間加
熱することにより該酵素を不活性化する。部分消化は、
臭化エチジウム含有0.8 %アガロースゲル上での電気泳
動により末端消化生成物から分離される約5.5 kbのDN
A断片を与える。電気泳動後この5.5 kbのDNAバンド
をアガロースゲルから電気溶出せしめ、上記と同様なフ
ェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈澱によ
り回収する。DNAペレットを20μl のTE緩衝液に溶解
する(収量約40ng)。該材料の1/2 を再連結し、大腸菌
K12/BZ234 中に形質転換せしめ、そしてアンピシリン耐
性コロニーを選択する。適当なクローンからプラスミド
DNAを調製し、EcoRI +XbaIの組合せにより消化す
る。正しい削除されたXbaI部位を有するプラスミドは2
つのEcoRI/XbaIDNA制限断片、即ち約3 kb( KS+ベク
ター配列を含む)のものと2.5 kb(ヒト Cκ含有断片)
のものを生成する。1つのそのようなプラスミドを選択
し、pDA28 と命名する。
【0169】ヒト Cκコード領域の 5′に置かれたXbaI
DNA制限部位(KS+ ポリリンカー由来)を含むpDA28 の
2.5 kbヒトDNA断片を、EcoRI/XbaI消化によりプラス
ミドから回収し、そして0.8 %アガロースゲル上での電
気泳動、フェノール/CHCl3で、次にCHCl3 での抽出、
エタノール沈澱、乾燥およびTE緩衝液への溶解により精
製する。このDNAを断片3と命名する。
【0170】7.2 プラスミドベクター HuCκ-EH-neo の
構築 DNA断片2(マウスIgH鎖転写エンハンサーを含む約
700 bpのEcoRI/XbaIDNA断片、実施例6.2 )および
片3(ヒト Cκコード領域を含む約2.5 kbのEcoRI/XbaI
DNA断片、実施例7.1 )をpSV2neo (Southern & Ber
g, J. Mol. App.Genet. 1, 327, 1982) 中への同時連結
によりクローニングし、EcoRI を使った消化により直鎖
状にする。20 ng のEcoRI 消化されたpSV2neo DNA (1μ
l)、15 ng のDNA断片2(1μl)、25 ng のDNA断片
(0.5μl)、2 μl のDNAリガーゼ緩衝液、2 μl の
10mM ATP、2 μl の0.1Mジチオトレイトールおよび 10
μl のH2O を含む混合物中で、1 μl のT4 DNAリガーゼ
(400単位/μl ; New England Biolabs.) を使って14℃
において一晩DNAを連結せしめる。この連結混合物を
用いて大腸菌K12/803 を形質転換せしめ、アンピシリン
耐性コロニーを選択し、そして標準手順(Sambrookら、
前掲、1.82-84 & 1.25-28 章)を使ってプラスミドDN
Aを調製する。プラスミドをEcoRI/XbaIおよびPstIでの
消化により分析し、所望の方向のDNA断片を有するも
のを選択し、 HuCκ-EH-neo と命名する。
【0171】実施例8:ミエローマ細胞におけるマウス
/ヒトキメラモノクローナル抗体の発現のためのベクタ
8.1 キメラIgH鎖発現ベクター 25-Huγ1H1 の作製 ベクターKS+VHX-Vec (7.5 μg ; 実施例5.2.1)を制限エ
ンドヌクレアーゼBstEII/XbaI を使って完全消化し、そ
してDNA断片を臭化エチジウム含有0.8 %アガロース
ゲル上で分画する。この消化は「無関係の」V領域遺伝
子セグメント(約330 bp)および約3.3 kb BstEII/XbaI
ベクターDNA断片を遊離させ、これをゲルから切り出
し、電気溶出により回収し、フェノール/CHCl3 で、次
にCHCl3で抽出し、エタノール沈澱せしめる。遠心後に
得られたDNAペレットを−20℃の70%エタノールで洗
浄し、蒸留水に溶解する。
【0172】プラスミド25-HPCR1(約30μg ; 実施例1.
4 )を制限エンドヌクレアーゼBstEII/PstI で完全消化
し、クローン化25-57-1 IgH鎖V領域(配列番号2)を
含む約330 bpのDNA断片を遊離させる。この断片を1
%アガロースゲル上での電気泳動によりベクター配列か
ら分離し、そして製造業者により与えられた手順を使っ
てGENECLEAN TM (BIO 101 Inc.) を用いた分別により回
収する。0.3 M NaOAc,pH 7.0 の存在下で2.5 容量の95
%エタノールを用いて−20℃にてDNAを沈澱せしめ、
同温度で70%エタノールを使って洗浄し、そしてTE緩衝
液に溶解する。収量は約400 ngのDNAである。
【0173】上記のようにしてKS+VHX-Vecベクターから
単離された約3.3 kbのベクターDNA断片(2μl のH2O
中100 ng) を、1 μl のDNAリガーゼ緩衝液、1 μl
の0.1Mジチオトレイトール、0.5 μl の20mM ATP、3.5
μl のH2O および1 μl のT4DNAリガーゼ(400単位/μl
; New England Biolabs.) の存在下で、単離された約3
30 bpの25-57-1 IgH鎖V領域DNA断片(1μl のTE緩
衝液中 20 ng) と4℃において一晩連結せしめる。連結
生成物を用いて大腸菌K12/TG1 を形質転換せしめ、アン
ピシリン耐性コロニーを選択し、そしてプラスミドDN
Aクローンを同定する。所望のDNA制限特性を有する
幾つかのクローンが同定され、25-57-1IgH鎖V領域を
含む1つのクローンを、製造業者のプロトコールに従っ
てT3/T7オリゴヌクレオチドプライマーとSEQUENAZE TM
系を使って配列決定する。そのDNAクローンをクロー
ン25-M13VHPCR1と命名する。
【0174】クローン25-M13VHPCR1は、M13-VHPCR1カセ
ット(実施例5.2 に記載)中への組み込みによる発現の
ために適合された25-57-1 IgH鎖V領域を含む。この適
合されたH鎖V領域エクソンと、M13-VHPCR1カセット由
来のH鎖リーダーペプチドエクソンおよびプロモーター
要素を、XbaIでの部分消化により約830 bpのDNA断片
においてクローン25-M13VHPCR1から一緒に遊離させる
(H鎖V領域はコード配列中に内部XbaI DNA制限部位を
含むため)。この部分XbaI DNA断片を0.8 %アガロース
ゲル上での電気泳動により大きいベクター含有DNA 断片
および小さい末端XbaI DNA断片と分離し、標準手順を使
ったフェノール/CHCl3 抽出とエタノール沈澱により精
製し、そしてTE緩衝液に溶解する。該DNA断片を次の
ようにしてプラスミドベクターHuγ1-EH-gpt(実施例6.
3 )と連結せしめる:200 ngのXbaI消化され脱リン酸さ
れたHuγ1-EH-gpt (TE緩衝液2 μl 中) および10 ng の
単離されたDNA断片 (TE緩衝液0.5 μl 中) を、2 μ
l のDNAリガーゼ緩衝液、2 μl の0.1Mジチオトレイ
トール、1 μl の20mM ATPおよび10.5μl のH2O に添加
する。2 μl のT4 DNAリガーゼ(800単位 ; New England
Biolabs.)を使って4℃にて一晩DNA連結を行う。標
準手順に従って(Sambrookら、前掲、1.82-84& 1.25-28
章)、DNA連結混合物を用いて大腸菌K12/BZ234 を
形質転換せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択し、
そしてプラスミドDNAを調製する。発現に要求される
方向において挿入された約830 bp XbaI DNA断片を含
むプラスミドをBstEIIを使って検出する。 25-Huγ1H1
と命名された1つのDNAクローンからプラスミドDN
Aを調製する。
【0175】8.2 キメラIgL鎖発現ベクター25-HuCκL1
の作製 ベクターKS+VKX-Vec (60μg ; 実施例5.2.2)を制限エン
ドヌクレアーゼBclI/PvuIIを使って完全消化し、標準手
順を使って(実施例5.1 参照)子ウシ腸アルカリホスフ
ァターゼでの処理により脱リン酸し、そして臭化エチジ
ウム含有0.8 %アガロースゲル上でTBE 緩衝液を使って
DNA断片を分画する。この消化は「無関係の」V領域
遺伝子セグメント(約300 bp)および約3.3 kb BclI/Pv
uII ベクターDNA断片を遊離させ、これをゲルから切
り出し、フェノール/CHCl3 で、次にCHCl3 で抽出し、
イソプロパノールで沈澱せしめる。遠心により得られた
DNAペレットを−20℃の70%エタノールで洗浄し、10
0 μl のTE緩衝液に溶解する。
【0176】プラスミド25-LPCR1(実施例4.4 )を制限
エンドヌクレアーゼBglII/PvuII で完全消化し、クロー
ン化25-57-1 IgL鎖V領域(配列番号1)を含む約320
bpのDNA断片を遊離させる。この断片を0.8 %アガロ
ースゲル上での電気泳動によりベクター配列から分離
し、フェノール/CHCl3 で、次にCHCl3 で抽出し、そし
て0.3 M NaOAc, pH 7.0 の存在下で2.5 容量の95%エタ
ノールを用いて−20℃にてDNAを沈澱せしめ、同温度
で70%エタノールを使って洗浄し、そしてTE緩衝液に溶
解する。
【0177】上記のようにしてKS+VKX-Vecから単離され
た約3.3 kbの脱リン酸されたベクターDNA断片(2μl
のTE緩衝液中 75 ng) を、2 μl の0.1Mジチオトレイト
ール、1 μl の20mM ATP、10μl のH2O 、2 μl のDN
Aリガーゼ緩衝液および2 μl のT4 DNAリガーゼ (800
単位 ; New England Biolabs.)の存在下で、単離された
約320 bpの25-LPCR1 Ig L鎖V領域DNA断片(1μl の
TE緩衝液中 30 ng) と一緒に4℃において一晩連結せし
める。連結生成物を用いて大腸菌K12/BZ234 を形質転換
せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択し、XbaIを使
った制限分析によりクローンを同定し、そして製造業者
のプロトコールに従ってT3およびT7オリゴヌクレオチド
プライマーとSEQUENAZE TM系を使って配列分析を行う。
1つのクローンを選択する。このDNAクローンをクロ
ーン25-M13VLPCR1と命名する。
【0178】クローン25-M13VLPCR1は、M13-VKPCR1カセ
ット(実施例5.2 に記載)中への組み込みによる発現の
ために適合された25-LPCR1 Ig L鎖V領域を含む。この
適合されたL鎖V領域エクソンと、M13-VKPCR1カセット
由来のL鎖リーダーペプチドエクソンおよびプロモータ
ー要素を、XbaIでの消化により約630 bpのDNA断片に
おいてクローン25-M13VLPCR1から一緒に遊離させる。こ
の小さい方のXbaIDNA断片を0.8 %アガロースゲル上
での電気泳動により大きい方のベクター含有DNA断片
と分離し、標準手順を使ったフェノール/CHCl3 抽出と
エタノール沈澱により精製し、そしてTE緩衝液に溶解す
る。該DNA断片を次のようにしてプラスミドベクター
HuCκ-EH-neo (実施例7.2 )と連結せしめる: 50 ng
のXbaI消化され脱リン酸された HuCκ-EH-neo(TE緩衝液
10μl 中) および20 ng の単離されたDNA断片 (TE緩
衝液2 μl 中) を、 2μl のDNAリガーゼ緩衝液、 2
μl の0.1Mジチオトレイトール、 2μl の10mM ATP、
1.5μl のH2O および 2μlのT4 DNAリガーゼ(400単位;
New England Biolabs.) に添加する。14℃にて一晩連結
を行う。標準手順に従って(Sambrookら、前掲、1.82-8
4 & 1.25-28 章)、DNA連結生成物を用いて大腸菌K1
2/803 を形質転換せしめ、アンピシリン耐性コロニーを
選択し、そしてプラスミドDNAを調製する。発現に要
求される方向において挿入された約630 bp XbaI DNA
断片を含むプラスミドを制限エンドヌクレアーゼPstIで
の消化により検出する。1つのそのようなプラスミドか
らDNAを調製し、25-HuCκL1と命名する。
【0179】8.3 キメラIgH鎖発現ベクター 26-Huγ1
H1および 26-Huγ1H2 の作製 ベクターKS+VHX-Vec (7.5 μg ; 実施例5.2.1)を制限エ
ンドヌクレアーゼBstEII/XbaI を使って完全消化し、臭
化エチジウム含有0.8 %アガロースゲル上でDNA断片
を分画する。この消化は「無関係の」V領域遺伝子セグ
メント(約330bp)および約3.3 kb BstEII/XbaIベクタ
ーDNA断片を遊離させ、これをゲルから切り出し、フ
ェノール/CHCl3 で、次にCHCl3 で抽出し、エタノール
沈澱せしめる。遠心後に得られたDNAペレットを−20
℃の70%エタノールで洗浄し、蒸留水に溶解する。
【0180】プラスミド26-HPCR1(実施例4.5 )を制限
エンドヌクレアーゼBstEII/PstI で完全消化し、クロー
ン化26-HPCR1 Ig H鎖V領域(配列番号4)を含む約33
0 bpのDNA断片を遊離させる。この断片を1%アガロ
ースゲル上での電気泳動によりベクター配列から分離
し、そして製造業者により与えられた手順を使ってGENE
CLEAN TM (BIO 101 Inc.) を用いた分別により回収す
る。0.3 M NaOAc, pH 7.0の存在下で2.5 容量の95%エ
タノールを用いて−20℃にてDNAを沈澱せしめ、同温
度で70%エタノールを使って洗浄し、そしてTE緩衝液に
溶解する。
【0181】上記のようにしてKS+VHX-Vecベクターから
単離された約3.3 kbのベクターDNA断片(2μl のH2O
中18 ng)を、 2μl のDNAリガーゼ緩衝液、 2μl の
0.1Mジチオトレイトール、1.0 μl の20mM ATP、9.5 μ
l のH2O および0.5 μl のT4DNAリガーゼ(400単位/μl
; New England Biolabs.) の存在下で、単離された約3
30 bpの26-HPCR1 Ig H鎖V領域DNA断片(3μl のTE
緩衝液中 2 ng)と4℃において一晩連結せしめる。連結
生成物を用いて大腸菌K12/803 を形質転換せしめ、アン
ピシリン耐性コロニーを選択し、そしてプラスミドDN
Aクローンを同定する。所望のDNA制限特性を有する
幾つかのクローンが同定され、26-HPCR1Ig H鎖V領域
を含む1つのクローンを、製造業者のプロトコールに従
ってT3/T7 オリゴヌクレオチドプライマーとSEQUENAZE
TM系を使って配列決定する。そのDNAクローンをクロ
ーン26-M13VHPCR1と命名する。
【0182】クローン26-M13VHPCR1は、M13-VHPCR1カセ
ット(実施例5.2 に記載)中への組み込みによる発現の
ために適合された26-HPCR1 Ig H鎖V領域を含む。この
適合されたH鎖V領域エクソンと、M13-VHPCR1カセット
由来のH鎖リーダーペプチドエクソンおよびプロモータ
ー要素を、XbaIでの消化により約830 bpのDNA断片に
おいてクローン26-M13VHPCR1から一緒に遊離させる。こ
のXbaI断片を0.8 %アガロースゲル上での電気泳動によ
り大きいベクター含有DNA断片と分離し、標準手順を
使ったフェノール/CHCl3 抽出とエタノール沈澱により
精製し、そしてTE緩衝液に溶解する。該DNA断片を次
のようにしてプラスミドベクターHuγ1-EH-gpt(実施例
6.3)と連結せしめる:200 ngのXbaI消化され脱リン酸
されたHuγ1-EH-gpt (TE緩衝液 2μl 中) および10 ng
の単離されたDNA断片 (TE緩衝液 0.5μl 中) を、2
μl のDNAリガーゼ緩衝液、2 μl の0.1Mジチオトレ
イトール、1 μl の20mM ATPおよび10.5μl のH2O に添
加する。2 μl のT4 DNAリガーゼ(800単位 ; New Engla
nd Biolabs.)を使って4℃にて一晩DNA連結を行う。
標準手順に従って(Sambrookら、前掲、1.82-84 & 1.25
-28 章)、DNA連結混合物を用いて大腸菌K12/803 を
形質転換せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択し、
そしてプラスミドDNAを調製する。発現に要求される
方向において挿入された約830 bp XbaI DNA断片を含
むプラスミドを、BstEIIを使って検出する。 26-Huγ1H
1 と命名された1つのDNAクローンからプラスミドD
NAを調製する。
【0183】同様な手順を使って26-HPCR2H鎖のための
発現ベクターを作製する。プラスミド26-HPCR2(実施例
4.5 )を制限エンドヌクレアーゼBstEIIで完全消化しそ
してPstIで部分消化し(26-HPCR2V領域は2つの内部Ps
tI制限部位を含むため)、完全な26-HPCR2 Ig H鎖V領
域(配列番号5)を含む約330 bpのDNA断片を遊離さ
せる。この断片を1%アガロースゲル上での電気泳動に
よりベクター配列から分離し、そして製造業者により与
えられた手順を使ってGENECLEAN TM (BIO 101Inc.) を
用いた分別により回収する。0.3 M NaOAc, pH 7.0 の存
在下で2.5 容量の95%エタノールを用いて−20℃にてD
NAを沈澱せしめ、同温度で70%エタノールを使って洗
浄し、そしてTE緩衝液に溶解する。
【0184】上記のようにしてKS+VHX-Vecベクターから
単離された約3.3 kbのベクターDNA断片(2μl のH2O
中100 ng) を、1μl のDNAリガーゼ緩衝液、1μl
の0.1Mジチオトレイトール、0.5 μl の20mM ATP、3.5
μl のH2O および1μl のT4DNAリガーゼ(400単位/μl
; New England Biolabs.) の存在下で、単離された約3
30 bpの26-HPCR2 Ig H鎖V領域DNA断片(1μl のTE
緩衝液中 2 ng)と4℃において一晩連結せしめる。連結
生成物を用いて大腸菌K12/803 を形質転換せしめ、アン
ピシリン耐性コロニーを選択し、そしてプラスミドDN
Aクローンを同定する。所望のDNA制限特性を有する
幾つかのクローンが同定され、26-HPCR2Ig H鎖V領域
を含む1つのクローンを、製造業者のプロトコールに従
ってT3/T7 オリゴヌクレオチドプライマーとSEQUENAZE
TM系を使って配列決定する。そのDNAクローンをクロ
ーン26-M13VHPCR2と命名する。
【0185】クローン26-M13VHPCR2は、M13-VHPCR1カセ
ット(実施例5.2 に記載)中への組み込みによる発現の
ために適合された26-HPCR2 Ig H鎖V領域を含む。この
適合されたH鎖V領域エクソンと、M13-VHPCR1カセット
由来のH鎖リーダーペプチドエクソンおよびプロモータ
ー要素を、XbaIでの消化により約830 bpのDNA断片に
おいてクローン26-M13VHPCR2から一緒に遊離させる。こ
のXbaI断片を0.8 %アガロースゲル上での電気泳動によ
り大きいベクター含有DNA断片と分離し、標準手順を
使ったフェノール/CHCl3 抽出とエタノール沈澱により
精製し、そしてTE緩衝液に溶解する。該DNA断片を次
のようにしてプラスミドベクターHuγ1-EH-gpt(実施例
6.3)と連結せしめる:200 ngのXbaI消化され脱リン酸
されたHuγ1-EH-gpt (TE緩衝液 2μl 中) および10 ng
の単離されたDNA断片 (TE緩衝液 0.5μl 中) を、2
μl のDNAリガーゼ緩衝液、2 μl の0.1Mジチオトレ
イトール、1 μl の20mM ATPおよび10.5μl のH2O に添
加する。2 μl のT4 DNAリガーゼ(800単位 ; New Engla
nd Biolabs.)を使って4℃にて一晩DNA連結を行う。
標準手順に従って(Sambrookら、前掲、1.82-84 & 1.25
-28 章)、DNA連結混合物を用いて大腸菌K12/803 を
形質転換せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択し、
そしてプラスミドDNAを調製する。発現に要求される
方向において挿入された約830 bp XbaI DNA断片を含
むプラスミドを、BstEIIを使って検出する。 26-Huγ1H
2 と命名された1つのDNAクローンからプラスミドD
NAを調製する。
【0186】8.4 キメラIgL鎖発現ベクター26-HuCκL1
の作製 ベクターKS+VKX-Vec (60μg ; 実施例5.2.2)を制限エン
ドヌクレアーゼBclI/PvuIIを使って完全消化し、標準手
順を使って(実施例5.1 参照)子ウシ腸アルカリホスフ
ァターゼでの処理により脱リン酸し、そして臭化エチジ
ウム含有0.8 %アガロースゲル上でTBE 緩衝液を使って
DNA断片を分画する。この消化は「無関係の」V領域
遺伝子セグメント(約300 bp)および約3.3 kb BclI/Pv
uII ベクターDNA断片を遊離させ、これをゲルから切
り出し、電気溶出により回収し、フェノール/CHCl
3 で、次にCHCl3 で抽出し、イソプロパノールで沈澱せ
しめる。遠心により得られたDNAペレットを−20℃の
70%エタノールで洗浄し、100μl のTE緩衝液に溶解す
る。
【0187】プラスミド26-LPCR1(実施例 4.5)を制限
エンドヌクレアーゼBglII/PvuII で完全消化し、クロー
ン化26-LPCR1 Ig L鎖V領域(配列番号3)を含む約32
0 bpのDNA断片を遊離させる。この断片を0.8 %アガ
ロースゲル上での電気泳動によりベクター配列から分離
し、電気溶出により回収し、フェノール/CHCl3 で、次
にCHCl3 で抽出し、そして0.3 M NaOAc, pH 7.0 の存在
下で2.5 容量の95%エタノールを用いて−20℃にてDN
Aを沈澱せしめ、同温度で70%エタノールを使って洗浄
し、そしてTE緩衝液に溶解する。
【0188】上記のようにしてKS+VKX-Vecから単離され
た約3.3 kbの脱リン酸されたベクターDNA断片(1μl
のTE緩衝液中 9ng) を、1μl の0.1Mジチオトレイトー
ル、1μl の0.5mM ATP 、5μl のH2O 、1μl のDN
Aリガーゼ緩衝液および0.5μl のT4 DNAリガーゼ (800
単位 ; New England Biolabs.)の存在下で、単離され
た約320 bpの26-LPCR1 Ig L鎖V領域DNA断片(1μl
のTE緩衝液中1ng) と一緒に4℃において一晩連結せし
める。連結生成物を用いて大腸菌K12/BZ234 を形質転換
せしめ、アンピシリン耐性コロニーを選択し、XbaIを使
った制限分析によりクローンを同定し、そして製造業者
のプロトコールに従ってT3およびT7オリゴヌクレオチド
プライマーとSEQUENAZE TM系を使って配列分析を行う。
1つのクローンを選択する。このDNAクローンをクロ
ーン26-M13VLPCR1と命名する。
【0189】クローン26-M13VLPCR1は、M13-VKPCR1カセ
ット(実施例5.2 に記載)中への組み込みによる発現の
ために適合された26-LPCR1 Ig L鎖V領域を含む。この
適合されたL鎖V領域エクソンと、M13-VKPCR1カセット
由来のL鎖リーダーペプチドエクソンおよびプロモータ
ー要素を、XbaIでの消化により約630 bpのDNA断片に
おいてクローン26-M13VLPCR1から一緒に遊離させる。こ
の小さい方のXbaIDNA断片を0.8 %アガロースゲル上
での電気泳動により大きい方のベクター含有DNA断片
と分離し、標準手順を使ったフェノール/CHCl3 抽出と
エタノール沈澱により精製し、そしてTE緩衝液に溶解す
る。該DNA断片を次のようにしてプラスミドベクター
HuCκ-EH-neo (実施例7.2 )と連結せしめる:100 ng
のXbaI消化され脱リン酸された HuCκ-EH-neo(TE緩衝液
1μl 中) および20 ng の単離されたDNA断片 (TE緩
衝液 4μl 中) を、1μl のDNAリガーゼ緩衝液、1
μl の0.1Mジチオトレイトール、0.5 μl の20mM ATP、
1.5μl のH2O および1μl のT4 DNAリガーゼ(400単
位;New England Biolabs.) に添加する。15℃にて2時
間連結を行う。標準手順に従って(Sambrookら、前掲、
1.82-84 & 1.25-28 章)、DNA連結生成物を用いて大
腸菌K12/803 を形質転換せしめ、アンピシリン耐性コロ
ニーを選択し、そしてプラスミドDNAを調製する。発
現に要求される方向において挿入された約630 bp XbaI
DNA断片を含むプラスミドを制限エンドヌクレアーゼ
PstIでの消化により検出する。1つのそのようなプラス
ミドからDNAを調製し、26-HuCκL1と命名する。
【0190】実施例9: 25-Huγ1H1 +25-HuCκL1およ
び 25-Huγ1H1/ 26-Huγ1H2 +26-HuCκL1を使ったSp2/
0 ミエローマ細胞のトランスフェクション 9.1 細胞の増殖および調製 Sp2/0 細胞をハイブリドーマ培地(実施例1.4 )中で37
℃にて増殖させる。トランスフェクションの24時間前
に、Sp2/0 細胞を 1×105 細胞/ml の濃度で新鮮な増殖
培地に継代する。トランスフェクションの直前に上述の
ようにして細胞を収得し、細胞ペレット(細胞総数約 9
×107 )を 4℃においてダルベッコのPBS(Ca++, Mg++
不含有 ; Seromed)で2回洗浄し、同緩衝液中に約 1×
108 細胞/ml の濃度で再懸濁させる。
【0191】9.2 DNA断片の調製およびトランスフェ
クション トランスフェクションのために、プラスミドDNA 25-
Huγ1H1 (実施例 8.1)、25-HuCκL1(実施例 8.2)、
26-Huγ1H1 および 26-Huγ1H2 (実施例 831)、並び
に26-HuCκL1(実施例 8.4)を制限エンドヌクレアーゼ
EcoRI で完全消化し、マウス:ヒトキメラIgH鎖および
L鎖挿入DNA断片を遊離せしめる。消化したDNAを
フェノール/CHCl3 で、次にCHCl3 で抽出し、そして0.
3 M NaOAc, pH 7.0 の存在下でエタノールを用いて−20
℃にてDNAを沈澱せしめ、同温度で70%エタノールを
使って洗浄し、そしてTE緩衝液に再懸濁する。あるい
は、完全なプラスミドDNAを使うことができる。
【0192】完全な 25-Huγ1H1 および25-HuCκL1プラ
スミドDNA、またはEcoRI 消化されたプラスミドDN
Aの試料 (5 μg)を一緒にし(TE緩衝液中全容量15μl
)、予め増殖させた 2×107 (200μl)のSp2/0 細胞に0
℃で添加し、上記と同様にして(実施例 9.1)PBS-CM
中で洗浄しそして再懸濁させる。氷冷無菌PBS-CMを使っ
て 0℃に予備冷却されたTA750 エレクトロトランスフェ
クション装置(Kruess GmbH) のバレル中に細胞とDNA
を引き入れる。製造業者により提供された円筒形のエレ
クトロポレーション室を使って、細胞に30秒間隔の2回
の電気パルス(3500 V/cm, 10 μ秒)をかける。細胞を
穏やかに清潔な無菌のクリオチューブ(Nunc)中に放出さ
せ、氷上で10分間維持し、その後15%(v/v) FCS (Amime
d) を含む補足 HB101TM増殖培地(前記実施例6を参
照)中に希釈し(1:3, v/v)、室温で20分間インキュベー
トする。次いで更に同増殖培地中に100 mlに更に希釈
し、1 ml試料を24ウエルの NunclonTM組織培養クラスタ
ー(Delta) のウエルに分配する。上記と同様に37℃で24
時間インキュベーション後、各ウエル中の増殖培地0.5
mlを除去し、補足 HB101TM (Hana Biologics) +HT (Si
gma, 50 ×HT培地補足物) の1:45希釈液、0.5 μg/mlの
ミコフェノール酸(Gibco) および1 mg/ml のゲンタマイ
シン(Gibco) が補足された15%(v/v) FCS (Amimed)を含
む予め温められた選択培地0.5 mlで置換する。該培地の
1/2 (0.5ml) を48時間毎に更に上記の選択培地で置換
し、選択を少なくとも14日間続ける。ハイブリドーマ26
-69-5 由来のキメラ遺伝子構成物の場合には、上述の通
りに、L鎖構成物26-HuCκL1をH鎖構成物26-Huγ1H1
および 26-Huγ1H2 の各々とそれぞれ混合する。
【0193】25-Huγ1H1 と25-HuCκL1とを含むキメラ
モノクローナル抗体MAb Ch25、および 26-Huγ1H1 と26
-HuCκL1とを含むキメラモノクローナル抗体MAb Ch26を
更なる特徴づけのために選択する。それらは、それらが
誘導される親の抗体と同じ結合パターンを示す。
【0194】実施例10:非経口適用用の医薬製剤 10 mg のキメラモノクローナル抗体Ch26を50 ml のPBS
に溶かす。この溶液を細菌フィルターを通して濾過し、
濾液を10等分し、無菌条件下でアンプルに充填する。該
アンプルは、好ましくは例えば4℃において冷蔵保存さ
れる。この医薬製剤は注射に適する。
【0195】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:322 塩基対 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic DNA 起源:マウス 直接の起源 ハイブリドーマ細胞系25-57-1 クローン名:25-LPCR1 配列の特徴 特徴:CDR1L 存在位置:70..102 bp 特徴:CDR2L 存在位置:148..168 bp 特徴:CDR3L 存在位置:265..291 bp 他の情報:抗p24 抗体の軽鎖可変領域 配列: GACATT CAG CTG ACC CAG TCT CCA GCC TCC CTA TCT GTA TCT GTG 45 Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ser Leu Ser Val Ser Val 5 10 GGA GAA ACT GTC ACC ATC ACA TGT CGT GCA AGT GAG AAT ATT TAC 90 Gly Glu Thr Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Glu Asn Ile Tyr 15 20 25 AGT AAT TTA GCA TGG TAT CAG CAG AAA CAG GGA AAA TCT CCT CAG 135 Ser Asn Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Gln Gly Lys Ser Pro Gln 30 35 40 CTC CTG GTC TAT GCT GCA ACA AAC TTA GCA GAT GGT GTG CCA TCA 180 Leu Leu Val Tyr Ala Ala Thr Asn Leu Ala Asp Gly Val Pro Ser 45 50 55 AGG TTC AGT GGC AGT GGA TCA GGC ACA CAG TAT TCC CTC AAG ATC 225 Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Gln Tyr Ser Leu Lys Ile 60 65 70 AAC AGC CTG CAG TCT GAA GAT TTT GGG AGT TAT TAC TGT CAA CAT 270 Asn Ser Leu Gln Ser Glu Asp Phe Gly Ser Tyr Tyr Cys Gln His 75 80 85 TTT TGG AGT ACT CCG TGG ACG TTC GGT GGA GGC ACC AAG CTG GAG 315 Phe Trp Ser Thr Pro Trp Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu 90 95 100 ATC TAAC 322 Ile
【0196】配列番号:2 配列の長さ:338 塩基対 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic DNA 起源:マウス 直接の起源 ハイブリドーマ細胞系25-57-1 クローン名:25-HPCR1 配列の特徴 特徴:CDR1H 存在位置:90..104 bp 特徴:CDR2H 存在位置:147..197 bp 特徴:CDR3H 存在位置:294..305 bp 他の情報:抗p24 抗体の重鎖可変領域 配列: AGGTCAAG CTG CAG CAG TCA GGG CCT GAG GTG GTG AGG CCT GGG GTC 47 Leu Gln Gln Ser Gly Pro Glu Val Val Arg Pro Gly Val 5 10 TCA GTG AAG ATT TCC TGC AAG GGT TCC GGC TAC ACA TTC ACT GAT 92 Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Gly Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asp 15 20 25 TAT GCT ATG CAC TGG GTG AAA CAG AGT CAT ACA AAG AGT CTA GAG 137 Tyr Ala Met His Trp Val Lys Gln Ser His Thr Lys Ser Leu Glu 30 35 40 TGG ATT GGA ATT ATT AGG ACT TAC AAT GGT AAT ACA AAC TAC AAC 182 Trp Ile Gly Ile Ile Arg Thr Tyr Asn Gly Asn Thr Asn Tyr Asn 45 50 55 CAG AAG TTT AAG GGC AAG GCC ACA ATG ACT GTA GAC AAA TCC TCC 227 Gln Lys Phe Lys Gly Lys Ala Thr Met Thr Val Asp Lys Ser Ser 60 65 70 AGC ACA GCC TAT ATG GAA CTT GCC AGA TTG ACA TCT GAG GAT TCT 272 Ser Thr Ala Tyr Met Glu Leu Ala Arg Leu Thr Ser Glu Asp Ser 75 80 85 GCC ATC TAT TAC TGT GCA AGC AAC GTT GCT TAC TGG GGC CAA GGG 317 Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala Ser Asn Val Ala Tyr Trp Gly Gln Gly 90 95 100 ACC ACG GTC ACC GTCTCCTCA 338 Thr Thr Val Thr 105
【0197】配列番号:3 配列の長さ:340 塩基対 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic DNA 起源:マウス 直接の起源 ハイブリドーマ細胞系26-69-5 クローン名:26-LPCR1 配列の特徴 特徴:CDR4L 存在位置:70..120 bp 特徴:CDR5L 存在位置:166..186 bp 特徴:CDR6L 存在位置:283..309 bp 他の情報:抗p24 抗体の軽鎖可変領域 配列: GACATT CAG CTG ACC CAG TCT CCA TCC TCC CTA GCT GTG TCA GTT 45 Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ala Val Ser Val 5 10 GGA GAG AAG GTT ACT ATG AGC TGC AAG TCC AGT CAG AGC CTT TTA 90 Gly Glu Lys Val Thr Met Ser Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu 15 20 25 TAT AGT AGC AAT CAA AAG AAC TAC TTG GCC TGG TAC CAG CAG AAA 135 Tyr Ser Ser Asn Gln Lys Asn Tyr Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys 30 35 40 CCA GGG CAG TCT CCT AAA CTG CTG ATT TAC TGG GCA TCC ACT AGG 180 Pro Gly Gln Ser Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg 45 50 55 GAA TCT GGG GTC CCT GAT CGC TTC ACA GGC AGT GGA TCT GGG ACA 225 Glu Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr 60 65 70 GAT TTC ACT CTC ACC ATC AGC AGT GTG AAG GCT GAA GAC CTG GCA 270 Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Val Lys Ala Glu Asp Leu Ala 75 80 85 GTT TAT TAC TGT CAG CAA TAT TAT AGC TAT CCG TGG ACG TTC GGT 315 Val Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Tyr Ser Tyr Pro Trp Thr Phe Gly 90 95 100 GGA GGC ACC AAG CTG GAG ATC TAAC 340 Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile 105 110
【0198】配列番号:4 配列の長さ:368 塩基対 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic DNA 起源:マウス 直接の起源 ハイブリドーマ細胞系26-69-5 クローン名:26-HPCR1 配列の特徴 特徴:CDR4H 存在位置:90..104 bp 特徴:CDR5H 存在位置:147..197 bp 特徴:CDR6H 存在位置:294..335 bp 他の情報:抗p24 抗体の重鎖可変領域 配列: AGGTCAAG CTG CAG CAG TCT GGA GCG GAC GTG ATG AAG CCT GGG GCC 47 Leu Gln Gln Ser Gly Ala Asp Val Met Lys Pro Gly Ala 5 10 TCA GTG AAG ATC TCC TGC AAG ACT ACT GGC TAC ACA TTC AGT ATG 92 Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Thr Thr Gly Tyr Thr Phe Ser Met 15 20 25 TAC TGG TTA GAG TGG GTA AAG CAG AGG CCT GGA CAT GGC CTT GAG 137 Tyr Trp Leu Glu Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly His Gly Leu Glu 30 35 40 TGG ATT GGA GAG ATT TCA CCT GGA ACT TTT ACT ACT AAC TAC AAT 182 Trp Ile Gly Glu Ile Ser Pro Gly Thr Phe Thr Thr Asn Tyr Asn 45 50 55 GAG AAA TTC AAG GCC AAG GCC ACA TTC ACT GCG GAT ACA TCC TCC 227 Glu Lys Phe Lys Ala Lys Ala Thr Phe Thr Ala Asp Thr Ser Ser 60 65 70 AAC ACA GCC TAC CTG CAA CTC AGC GGC CTG ACA TCT GAG GAC TCT 272 Asn Thr Ala Tyr Leu Gln Leu Ser Gly Leu Thr Ser Glu Asp Ser 75 80 85 GCC GTC TAC TTC TGT GCA AGA TTC TCC CAT TAT TCC GGT AAT AAC 317 Ala Val Tyr Phe Cys Ala Arg Phe Ser His Tyr Ser Gly Asn Asn 90 95 100 TAC GAC TAC TTT GAC TAC TGG GGC CAA GGG ACC ACG GTC ACC 359 Tyr Asp Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr 105 110 115 GTCTCCTCA 368
【0199】配列番号:5 配列の長さ:368 塩基対 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic DNA 起源:マウス 直接の起源 ハイブリドーマ細胞系26-69-5 クローン名:26-HPCR2 配列の特徴 特徴:CDR7H 存在位置:90..104 bp 特徴:CDR8H 存在位置:147..197 bp 特徴:CDR9H 存在位置:294..335 bp 他の情報:抗p24 抗体の重鎖可変領域 配列: AGGTGCAG CTG CAG CAG TCT GGG GCT GAA CTG GCA AAA CCT GGG GCC 47 Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Ala Lys Pro Gly Ala 5 10 TCA GTG AAA ATG TCC TGC AAG GCT TCT GGC TAC ACC TTT ACT TCC 92 Ser Val Lys Met Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser 15 20 25 TAC TGG ATG CAC TGG GTA AAA CAG AGG CCT GGA CAG GGT CTG GAA 137 Tyr Trp Met His Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu 30 35 40 TGG ATT GGA TAC ATT AAT CCT AGC ACT GGT TAT ACT GAG TAC AAT 182 Trp Ile Gly Tyr Ile Asn Pro Ser Thr Gly Tyr Thr Glu Tyr Asn 45 50 55 CAG AAG TTC AAG GAC AAG GCC ACA TTG ACT GCA GAC AAA TCC TCC 227 Gln Lys Phe Lys Asp Lys Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser 60 65 70 AGC ACA GCC TAC ATG CAA CTG AGC AGC CTG ACA TCT GAG GAC TCT 272 Ser Thr Ala Tyr Met Gln Leu Ser Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser 75 80 85 GCA GTC TAT TAC TGT GCA AGA TGG GGA TAT TCC ACT CAC TGG GAC 317 Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Trp Gly Tyr Ser Thr His Trp Asp 90 95 100 CCT TAT ACT TTG GAC TAC TGG GGC CAA GGG ACC ACG GTC ACC 359 Pro Tyr Thr Leu Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr 105 110 115 GTCTCCTCA 368
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/06 8619−4H 15/28 7731−4H C12N 5/20 15/06 15/13 15/62 G01N 33/569 H 9015−2J 33/577 B 9015−2J //(C12P 21/08 C12R 1:91) (C12N 5/20 C12R 1:91) 8931−4B C12N 15/00 A (72)発明者 ジャニス ケー. ラズディンス スイス国,4051 バーゼル,マルティンス ガッセ 13 (72)発明者 キャシー エー. ウッズ−クック スイス国,4058 バーゼル,マウルビール シュトラーセ 65 (72)発明者 ノーマン ハードマン スイス国,4125 リーエン,グシュタルテ ンラインベク 67/3 (72)発明者 ハインツ−クルト ホフケッペル スイス国,4147 アーシュ,トラウゴット マイヤー−シュトラーセ 1

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HIV 感染マクロファージの表面上に発現
    されるHIV コアタンパク質p24 を認識するHIV コアタン
    パク質p24 に対して向けられたモノクローナル抗体、お
    よびもとの抗体の特異性を保持しているその誘導体。
  2. 【請求項2】 HIV 感染細胞を殺す請求項1に記載のモ
    ノクローナル抗体、およびその誘導体。
  3. 【請求項3】 HIV 感染細胞から非感染細胞への広がり
    を防止する請求項1または2に記載のモノクローナル抗
    体、およびその誘導体。
  4. 【請求項4】 マクロファージおよび慢性的に感染した
    リンパ系細胞により生産される感染性HIV の量を減少さ
    せる請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノクローナ
    ル抗体、およびその誘導体。
  5. 【請求項5】 マウス抗体である請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載のモノクローナル抗体、およびその誘導
    体。
  6. 【請求項6】 称号MAb 25-57-1 を有する請求項5に記
    載のモノクローナル抗体、およびその誘導体。
  7. 【請求項7】 称号MAb 26-69-5 を有する請求項5に記
    載のモノクローナル抗体、およびその誘導体。
  8. 【請求項8】 ヒト定常領域と請求項5に記載の抗体の
    マウス可変領域とから成るキメラモノクローナル抗体、
    およびその誘導体。
  9. 【請求項9】 マウスモノクローナル抗体 25-57-1の可
    変領域を含むCh25と称する請求項8に記載のキメラモノ
    クローナル抗体、およびその誘導体。
  10. 【請求項10】 マウスモノクローナル抗体 26-69-5の
    可変領域を含むCh26と称する請求項8に記載のキメラモ
    ノクローナル抗体、およびその誘導体。
  11. 【請求項11】 抗体断片であるか、酵素、蛍光マーカ
    ー、化学発光マーカー、金属キレート、アビジンもしく
    はビオチン等と抗体もしくは抗体断片との接合体である
    か、または放射能標識された抗体もしくは抗体断片であ
    る、請求項1〜10のいずれか一項に記載のモノクローナ
    ル抗体の誘導体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載の
    モノクローナル抗体またはその誘導体の調製方法であっ
    て、そのような抗体を生産する哺乳動物細胞を試験管内
    または生体内で増殖させ、そして必要な時、得られたモ
    ノクローナル抗体を単離しそして/またはその誘導体に
    変換することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載のキメラ抗体の軽鎖マ
    ウス可変領域および/または重鎖マウス可変領域をコー
    ドする挿入断片を含んで成る組換えDNA。
  14. 【請求項14】 ヒト定常領域κもしくはλと融合され
    た、キメラ抗体の軽鎖マウス可変領域をコードする挿入
    断片、および/またはヒト定常領域γと融合された、キ
    メラ抗体の重鎖マウス可変領域をコードする挿入断片を
    含んで成る、請求項13に記載の組換えDNA。
  15. 【請求項15】 ヒト定常領域κもしくはλと融合され
    た、キメラ抗体の軽鎖マウス可変領域をコードする挿入
    断片、および/またはヒト定常領域γと融合された、キ
    メラ抗体の重鎖マウス可変領域をコードする挿入断片、
    複製開始点または自己複製配列、1または複数の優性マ
    ーカー配列、並びに所望により発現調節配列、シグナル
    配列および追加の制限部位を含んで成るハイブリッドベ
    クターである、請求項13に記載の組換えDNA。
  16. 【請求項16】 次の段階: a)適当なハイブリドーマ細胞系からマウスDNAを単
    離し、そしてDNAプローブを使って所望の特異性を有
    するモノクローナル抗体の可変領域をコードする所望の
    DNAを選択し、 b)ゲノムライブラリーからヒトDNAを単離し、そし
    てDNAプローブを使ってモノクローナル抗体の定常領
    域をコードする所望のDNAを選択し、 c)段階a)およびb)のDNAを適当なハイブリッド
    ベクター中に組み込むことによりマウス/ヒトキメラ遺
    伝子を作製し、 d)得られたハイブリッドベクターを受容体宿主細胞中
    に導入し、またはマウス/ヒトキメラ遺伝子をコードす
    るDNAを回収しそして未結合のDNAを受容体宿主細
    胞中に導入し、 e)形質転換された宿主細胞を選択しそして培養し、そ
    して f)所望により所望のDNAを単離するを含んで成る、
    請求項13〜15のいずれか一項に記載の組換えDNAの調
    製方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜10のいずれか一項に記載の
    モノクローナル抗体を分泌する連続細胞系。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の連続細胞系の調製方
    法であって、 a)所望によりアジュバントと混合されたHIV コアタン
    パク質p24 を用いて哺乳動物を免疫処置し、この哺乳動
    物の抗体産生細胞を連続細胞系の細胞と融合し、該融合
    において得られたハイブリッド細胞をクローニングし、
    そして所望のモノクローナル抗体を分泌する細胞クロー
    ンを選択し、または b)組換えDNAを用いて適当な細胞を形質転換せし
    め、形質転換細胞をクローニングし、そして所望のキメ
    ラモノクローナル抗体を分泌する細胞クローンを選択す
    る、ことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 療法的有効量の請求項1〜11のいずれ
    か一項に記載のモノクローナル抗体および/またはその
    誘導体並びに医薬上許容される担体を含んで成る、AIDS
    の進行の抑制またはHIV 感染の処置のための医薬組成
    物。
  20. 【請求項20】 HIV コアタンパク質p24 の定性および
    /または定量用のテストキットであって、請求項1〜11
    のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体および/ま
    たはその誘導体、並びに所望により他のポリクローナル
    もしくはモノクローナル抗体および/または添加剤を含
    んで成るテストキット。
JP4154751A 1991-06-18 1992-06-15 新規抗hiv抗体 Pending JPH05276988A (ja)

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