JPH05273998A - 音声符号化装置 - Google Patents
音声符号化装置Info
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- JPH05273998A JPH05273998A JP4072029A JP7202992A JPH05273998A JP H05273998 A JPH05273998 A JP H05273998A JP 4072029 A JP4072029 A JP 4072029A JP 7202992 A JP7202992 A JP 7202992A JP H05273998 A JPH05273998 A JP H05273998A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は合成音声の向上を図ることができる
音声符号化装置を提供する事を目的とする。 【構成】 合成フィルタに駆動信号を入力して音声合成
を行なう音声符号化装置において、駆動信号として周期
的及び非周期的信号をそれぞれ同一のカットオフ周波数
を持つローパスフィルタ及びハイパスフィルタに通して
加算した信号を用いる。カットオフ周波数の探索は、入
力音声をローパスフィルタに通した時の出力と、入力音
声と同じピッチを持つ周期的信号を同じ特性のフィルタ
に通した時の出力を駆動信号として合成した音声との誤
差を調べることによって行なう。カットオフ周波数の探
索においてカットオフ周波数を高くしていった時に、入
力音声を入力したローパスフィルタの出力の変化分に対
する上記の誤差の変化分の割合が閾値より大きくなれ
ば、その時のカットオフ周波数を上記のローパスフィル
タ及びハイパスフィルタのカットオフ周波数とする。
音声符号化装置を提供する事を目的とする。 【構成】 合成フィルタに駆動信号を入力して音声合成
を行なう音声符号化装置において、駆動信号として周期
的及び非周期的信号をそれぞれ同一のカットオフ周波数
を持つローパスフィルタ及びハイパスフィルタに通して
加算した信号を用いる。カットオフ周波数の探索は、入
力音声をローパスフィルタに通した時の出力と、入力音
声と同じピッチを持つ周期的信号を同じ特性のフィルタ
に通した時の出力を駆動信号として合成した音声との誤
差を調べることによって行なう。カットオフ周波数の探
索においてカットオフ周波数を高くしていった時に、入
力音声を入力したローパスフィルタの出力の変化分に対
する上記の誤差の変化分の割合が閾値より大きくなれ
ば、その時のカットオフ周波数を上記のローパスフィル
タ及びハイパスフィルタのカットオフ周波数とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音声符号化装置に係り、
特に音声信号を8kbps程度以下の低ビットレートで符号
化するのに適した音声符号化装置に関する。
特に音声信号を8kbps程度以下の低ビットレートで符号
化するのに適した音声符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音声を低ビットレートで高能率に符号化
する技術は、自動車電話などの移動体通信や、企業内通
信において、電波の有効利用や通信コスト削減のための
重要な技術である。8kbps以下のビットレートで品質の
優れた音声符号化方式として、CELP(Code Excited
Linear Prediction)方式が知られている。
する技術は、自動車電話などの移動体通信や、企業内通
信において、電波の有効利用や通信コスト削減のための
重要な技術である。8kbps以下のビットレートで品質の
優れた音声符号化方式として、CELP(Code Excited
Linear Prediction)方式が知られている。
【0003】このCELP方式はAT&Tベル研のM.R.
Schroeder 氏とB.S.Atal氏により"Code-Excited Linear
Prediction(CELP):High-Quality Speech at Very Low
BitRates"Proc.ICASSP;1985,PP.937-939 (文献1)で
発表されて以来、高品質の音声が合成できる方式として
注目され、品質の改善や、計算量の削減等、種々の検討
がなされてきた。CELP方式の特徴は、LPC(Linea
r Predictive Coding;線形予測符号化)合成フィルタ
の駆動信号を駆動信号ベクトルとしてコードブックに格
納し、合成音声信号と入力音声信号の誤差を評価しなが
ら、最適な駆動信号ベクトルをコードブックから探索す
る点にある。
Schroeder 氏とB.S.Atal氏により"Code-Excited Linear
Prediction(CELP):High-Quality Speech at Very Low
BitRates"Proc.ICASSP;1985,PP.937-939 (文献1)で
発表されて以来、高品質の音声が合成できる方式として
注目され、品質の改善や、計算量の削減等、種々の検討
がなされてきた。CELP方式の特徴は、LPC(Linea
r Predictive Coding;線形予測符号化)合成フィルタ
の駆動信号を駆動信号ベクトルとしてコードブックに格
納し、合成音声信号と入力音声信号の誤差を評価しなが
ら、最適な駆動信号ベクトルをコードブックから探索す
る点にある。
【0004】図5は、最新のCELP方式による音声符
号化信号のブロック図である。同図において、入力信号
であるサンプリングされた音声信号系列は入力端子60
0からフレーム単位で入力される。フレームはL個の信
号サンプルからなり、サンプリング周波数が8kHz の場
合、一般にL=160が用いられる。図5には示されて
いないが、駆動信号ベクトルの探索に先立ち、入力され
たLサンプルの音声信号系列に対してLPC分析が行わ
れ、LPC予測パラメータ{αi ,i=1,2,…p}
が抽出される。このLPC予測パラメータは、LPC合
成フィルタ630に供給される。なお、pは予測次数で
あり、一般にp=10が用いられる。LPC合成フィル
タ630の伝達関数H(z) は、[数1]で与えられる。
号化信号のブロック図である。同図において、入力信号
であるサンプリングされた音声信号系列は入力端子60
0からフレーム単位で入力される。フレームはL個の信
号サンプルからなり、サンプリング周波数が8kHz の場
合、一般にL=160が用いられる。図5には示されて
いないが、駆動信号ベクトルの探索に先立ち、入力され
たLサンプルの音声信号系列に対してLPC分析が行わ
れ、LPC予測パラメータ{αi ,i=1,2,…p}
が抽出される。このLPC予測パラメータは、LPC合
成フィルタ630に供給される。なお、pは予測次数で
あり、一般にp=10が用いられる。LPC合成フィル
タ630の伝達関数H(z) は、[数1]で与えられる。
【0005】
【数1】
【0006】次に、音声信号を合成しながら最適な駆動
信号ベクトルを探索する方法について説明する。まず、
入力端子600に入力された1フレームの音声信号か
ら、減算器610で前フレームでのLPC合成フィルタ
630の内部状態が現フレームに与える影響が減算され
る。減算器610から得られた信号系列は4個のサブフ
レームに分割され、各サブフレームの目標信号ベクトル
となる。
信号ベクトルを探索する方法について説明する。まず、
入力端子600に入力された1フレームの音声信号か
ら、減算器610で前フレームでのLPC合成フィルタ
630の内部状態が現フレームに与える影響が減算され
る。減算器610から得られた信号系列は4個のサブフ
レームに分割され、各サブフレームの目標信号ベクトル
となる。
【0007】LPC合成フィルタ630の入力信号であ
る駆動信号ベクトルは、適応コードブック640から選
択された駆動信号ベクトルに乗算器650で所定のゲイ
ンを乗算したものと、白色雑音コードブック710から
選択された雑音ベクトルに乗算器720で所定のゲイン
を乗算したものとを加算器660で加算する事で得られ
る。
る駆動信号ベクトルは、適応コードブック640から選
択された駆動信号ベクトルに乗算器650で所定のゲイ
ンを乗算したものと、白色雑音コードブック710から
選択された雑音ベクトルに乗算器720で所定のゲイン
を乗算したものとを加算器660で加算する事で得られ
る。
【0008】ここで、適応コードブック640は文献1
に記載されているピッチ予測分析を閉ループ動作または
合成(Analysis by Synthesis) によって行なうものであ
り、詳細はW.B.Kleijin,D.J.Krasinski ank R.H.Ketchu
m,"Improved Speech Qualityand Efficient Vector Qua
ntization in CELP",Proc.ICASSP,1988,pp.155-158(文
献2)に述べられている。この文献2によると、LPC
合成フィルタ630の駆動信号をピッチ探索範囲a〜b
(a,bは駆動信号のサンプル番号であり、通常a=2
0,b=147)にわたって遅延回路670で1サンプ
ルずつ遅延させることにより、a〜bサンプルのピッチ
周期に対する駆動信号ベクトルを作成し、これがコード
ワードとして適応コードブックに格納される。
に記載されているピッチ予測分析を閉ループ動作または
合成(Analysis by Synthesis) によって行なうものであ
り、詳細はW.B.Kleijin,D.J.Krasinski ank R.H.Ketchu
m,"Improved Speech Qualityand Efficient Vector Qua
ntization in CELP",Proc.ICASSP,1988,pp.155-158(文
献2)に述べられている。この文献2によると、LPC
合成フィルタ630の駆動信号をピッチ探索範囲a〜b
(a,bは駆動信号のサンプル番号であり、通常a=2
0,b=147)にわたって遅延回路670で1サンプ
ルずつ遅延させることにより、a〜bサンプルのピッチ
周期に対する駆動信号ベクトルを作成し、これがコード
ワードとして適応コードブックに格納される。
【0009】最適な駆動信号ベクトルの探索を行う場
合、適応コードブック640から各ピッチ周期に対応す
る駆動信号ベクトルのコードワードが1個ずつ読み出さ
れ、乗算器650で所定のゲインと乗算される。そし
て、LPC合成フィルタ630によりフィルタ演算が行
われ、合成音声信号ベクトルが生成される。生成された
合成音声信号ベクトルは、減算器620で目標信号ベク
トルと減算される。この減算器620の出力は聴感重み
付けフィルタ680を経て誤差計算回路690に入力さ
れ、平均2乗誤差が求められる。平均2乗誤差の情報は
更に最小歪探索回路700に入力され、その最小値が検
出される。
合、適応コードブック640から各ピッチ周期に対応す
る駆動信号ベクトルのコードワードが1個ずつ読み出さ
れ、乗算器650で所定のゲインと乗算される。そし
て、LPC合成フィルタ630によりフィルタ演算が行
われ、合成音声信号ベクトルが生成される。生成された
合成音声信号ベクトルは、減算器620で目標信号ベク
トルと減算される。この減算器620の出力は聴感重み
付けフィルタ680を経て誤差計算回路690に入力さ
れ、平均2乗誤差が求められる。平均2乗誤差の情報は
更に最小歪探索回路700に入力され、その最小値が検
出される。
【0010】以上の過程は、適応コードブック640の
中の全ての駆動信号ベクトルのコードワードについて行
われ、最小歪み探索回路700において平均2乗誤差の
最小値を与えるコードワードの番号が求められる。ま
た、乗算器650で乗じられるゲインも平均2乗誤差が
最小になるように決定される。
中の全ての駆動信号ベクトルのコードワードについて行
われ、最小歪み探索回路700において平均2乗誤差の
最小値を与えるコードワードの番号が求められる。ま
た、乗算器650で乗じられるゲインも平均2乗誤差が
最小になるように決定される。
【0011】次に、同様の方法で最適な白色雑音ベクト
ルの探索が行われる。すなわち、白色雑音コードブック
710から雑音ベクトルのコードワードが1個ずつ読み
出され、乗算器720でのゲインとの乗算、LPC合成
フィルタ630でのフィルタ演算を経て、合成音声信号
ベクトルの生成、目標ベクトルとの平均2乗誤差の計算
が全ての雑音ベクトルについて行われる。そして、平均
2乗誤差の最小値を与える雑音ベクトルの番号及びゲイ
ンがもとめられる。なお、聴感重み付けフィルタ680
は減算器620から出力される誤差信号のスペクトルを
整形して、人間に知覚される歪みを低減するために用い
られる。
ルの探索が行われる。すなわち、白色雑音コードブック
710から雑音ベクトルのコードワードが1個ずつ読み
出され、乗算器720でのゲインとの乗算、LPC合成
フィルタ630でのフィルタ演算を経て、合成音声信号
ベクトルの生成、目標ベクトルとの平均2乗誤差の計算
が全ての雑音ベクトルについて行われる。そして、平均
2乗誤差の最小値を与える雑音ベクトルの番号及びゲイ
ンがもとめられる。なお、聴感重み付けフィルタ680
は減算器620から出力される誤差信号のスペクトルを
整形して、人間に知覚される歪みを低減するために用い
られる。
【0012】この様にCELP方式は、合成音声信号と
入力音声信号との誤差が最小になるような最適の駆動信
号ベクトルを求めているので、8kbps程度のビットレー
トでも高品質の音声を合成することができる。しかし、
8kbps以下のビットレートでは品質の劣化が知覚され、
まだ不充分である。
入力音声信号との誤差が最小になるような最適の駆動信
号ベクトルを求めているので、8kbps程度のビットレー
トでも高品質の音声を合成することができる。しかし、
8kbps以下のビットレートでは品質の劣化が知覚され、
まだ不充分である。
【0013】ところで、2kbps程度以下のビットレート
で音声合成を行う方法としてボコーダがある。ボコーダ
ではピッチパルス列と白色雑音のいずれか一方を、フレ
ーム毎に駆動信号として選択する。ピッチパルス列とは
その音声のピッチ周期でインパルスが立っている周期的
信号系列である。しかし駆動信号の形状が2元的である
ため合成音の品質は一般的に良くない。ボコーダの合成
音の品質を向上させるために、駆動信号をピッチパルス
列と白色雑音の一部を用い、かつ両成分を同一周波数で
重ならないようにして混成する方法がJohn Makhol 氏ら
によって
で音声合成を行う方法としてボコーダがある。ボコーダ
ではピッチパルス列と白色雑音のいずれか一方を、フレ
ーム毎に駆動信号として選択する。ピッチパルス列とは
その音声のピッチ周期でインパルスが立っている周期的
信号系列である。しかし駆動信号の形状が2元的である
ため合成音の品質は一般的に良くない。ボコーダの合成
音の品質を向上させるために、駆動信号をピッチパルス
列と白色雑音の一部を用い、かつ両成分を同一周波数で
重ならないようにして混成する方法がJohn Makhol 氏ら
によって
【0014】"A mixed source model for speech compr
ession and systems," J.acoust.soc.Am.,vol.64,no.6,
pp.157-81,1981(文献3)で、またJohn C.Hardwick 氏
とJaeS.Lim 氏らによって"The application of the IMB
E speech coder to mobil communications," proc.ICAS
SP,pp.249-252,1991 (文献4)で提案されている。こ
こでは周期的信号(ピッチパルス列)及び非周期的信号
(白色雑音)の周波数成分を帯域制限によって同一周波
数上に重畳させないようにしているという特徴がある。
すなわち、文献3ではローパスフィルタに通したピッチ
パルス列とハイパスフィルタを通した白色雑音を加算す
ることによって駆動信号を生成している。文献4では駆
動信号を周波数領域上で複数の周波数に分割し、各々の
帯域の周波数成分にピッチパルス列か白色雑音のいずれ
か一方を用いて生成する。この様にして駆動信号を生成
すると合成音の品質が向上することが文献4で報告され
ている。
ession and systems," J.acoust.soc.Am.,vol.64,no.6,
pp.157-81,1981(文献3)で、またJohn C.Hardwick 氏
とJaeS.Lim 氏らによって"The application of the IMB
E speech coder to mobil communications," proc.ICAS
SP,pp.249-252,1991 (文献4)で提案されている。こ
こでは周期的信号(ピッチパルス列)及び非周期的信号
(白色雑音)の周波数成分を帯域制限によって同一周波
数上に重畳させないようにしているという特徴がある。
すなわち、文献3ではローパスフィルタに通したピッチ
パルス列とハイパスフィルタを通した白色雑音を加算す
ることによって駆動信号を生成している。文献4では駆
動信号を周波数領域上で複数の周波数に分割し、各々の
帯域の周波数成分にピッチパルス列か白色雑音のいずれ
か一方を用いて生成する。この様にして駆動信号を生成
すると合成音の品質が向上することが文献4で報告され
ている。
【0015】CELP方式における駆動信号もピッチパ
ルス列、白色雑音の成分を含んでいるが、同一周波数で
両成分を含むために、一方の成分が他方に対して品質上
の悪影響を与えることがある。例えば周期性を示すよう
な信号を符号化する場合、その周波数及びその高周波の
成分は位相が連続していることが望ましい。しかしCE
LP方式ではそれらの周波数成分から非周期的成分を除
去する事を積極的には行なっていない。したがってこの
場合合成波形の歪みが知覚されやすい。
ルス列、白色雑音の成分を含んでいるが、同一周波数で
両成分を含むために、一方の成分が他方に対して品質上
の悪影響を与えることがある。例えば周期性を示すよう
な信号を符号化する場合、その周波数及びその高周波の
成分は位相が連続していることが望ましい。しかしCE
LP方式ではそれらの周波数成分から非周期的成分を除
去する事を積極的には行なっていない。したがってこの
場合合成波形の歪みが知覚されやすい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来のC
ELP方式の駆動信号では同一周波数で周期的成分及び
非周期的成分が重畳するため、両成分が互いに干渉して
合成品質が劣化するという問題があった。本発明は駆動
信号におけるこのような欠点を除去し、合成音声の品質
の向上を図ることができる音声符号化装置を提供するこ
とを目的とする。
ELP方式の駆動信号では同一周波数で周期的成分及び
非周期的成分が重畳するため、両成分が互いに干渉して
合成品質が劣化するという問題があった。本発明は駆動
信号におけるこのような欠点を除去し、合成音声の品質
の向上を図ることができる音声符号化装置を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、入力音声信号の低域成分を取り出すため
の手段と、入力音声信号の低域成分を参照して周期的成
分の上限周波数を探索する手段と、周期的信号をコード
ワードとして格納したコードブック(周期コードブッ
ク)と、非周期的信号をコードワードとして格納したコ
ードブック(確率コードブック)と、各々のコードブッ
クに格納されている信号から先の探索された周波数を境
界としてそれぞれ低域側及び高城側の成分を取り出す手
段と、各々の成分を加算して駆動信号を生成する手段
と、駆動信号より音声信号を合成する合成フィルタと、
入力音声信号を参照して各コードブックから最適なコー
ドを探索する手段とを具備することを特徴とする。
決するために、入力音声信号の低域成分を取り出すため
の手段と、入力音声信号の低域成分を参照して周期的成
分の上限周波数を探索する手段と、周期的信号をコード
ワードとして格納したコードブック(周期コードブッ
ク)と、非周期的信号をコードワードとして格納したコ
ードブック(確率コードブック)と、各々のコードブッ
クに格納されている信号から先の探索された周波数を境
界としてそれぞれ低域側及び高城側の成分を取り出す手
段と、各々の成分を加算して駆動信号を生成する手段
と、駆動信号より音声信号を合成する合成フィルタと、
入力音声信号を参照して各コードブックから最適なコー
ドを探索する手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明では入力音声信号の低周波成分を調べて
ピッチ周波数の高調波成分のみが存在する上限周波数を
求めることにより、入力音声信号はその上限周波数以下
ではピッチ周波数の高調波成分のみで、それ以上の周波
数では非周期的周波数成分を持つと判断する。従って駆
動信号はその上限周波数以下の成分に周期的信号の相当
する成分を用い、上限周波数以上では非周期的信号の成
分を用いて生成される。このような駆動信号によって音
声合成を行なえば、周期的成分に非周期的成分が載るこ
とによって生じる歪みや、逆に非周期的であるべき部分
の周波数成分に不要な周期的成分が載ることによる品質
劣化を防止することができる。
ピッチ周波数の高調波成分のみが存在する上限周波数を
求めることにより、入力音声信号はその上限周波数以下
ではピッチ周波数の高調波成分のみで、それ以上の周波
数では非周期的周波数成分を持つと判断する。従って駆
動信号はその上限周波数以下の成分に周期的信号の相当
する成分を用い、上限周波数以上では非周期的信号の成
分を用いて生成される。このような駆動信号によって音
声合成を行なえば、周期的成分に非周期的成分が載るこ
とによって生じる歪みや、逆に非周期的であるべき部分
の周波数成分に不要な周期的成分が載ることによる品質
劣化を防止することができる。
【0019】また入力音声信号中にピッチ周波数の高調
波が存在する上限周波数や各コードの探索には入力音声
信号との誤差を計算しながら行なうため、最終的に得ら
れる合成音声信号の誤差を最小限にすることができる。
波が存在する上限周波数や各コードの探索には入力音声
信号との誤差を計算しながら行なうため、最終的に得ら
れる合成音声信号の誤差を最小限にすることができる。
【0020】
【実施例】以下図面を参照しながら本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例に係る音声符号化装置
のブロック図である。
明する。図1は本発明の一実施例に係る音声符号化装置
のブロック図である。
【0021】図1において入力音声信号は入力端子10
0からフレームバッファ101に入力される。フレーム
バッファ101では入力音声信号系列をL個のサンプル
単位で切り出し、1フレームの信号として記憶する。L
は通常160である。フレームバッファ101からの1
フレームの入力音声信号系列はLPC分析回路102及
び重み付けフィルタ104へ供給される。
0からフレームバッファ101に入力される。フレーム
バッファ101では入力音声信号系列をL個のサンプル
単位で切り出し、1フレームの信号として記憶する。L
は通常160である。フレームバッファ101からの1
フレームの入力音声信号系列はLPC分析回路102及
び重み付けフィルタ104へ供給される。
【0022】LPC分析回路102は例えば自己相関法
を用いて入力音声信号に対してLPC(Linear Predict
ion Coding;線形予測符号化)分析を行ない、p個のL
PC予測係数{αi ,i=1,2, …,p}または反射
係数{ki ,i=1,2…p}を抽出する。抽出された
予測係数または反射係数は符号化回路103において所
定のビット数で符号化された後、重み付けフィルタ10
4及び重み付け合成フィルタ105,110,119で
利用される。
を用いて入力音声信号に対してLPC(Linear Predict
ion Coding;線形予測符号化)分析を行ない、p個のL
PC予測係数{αi ,i=1,2, …,p}または反射
係数{ki ,i=1,2…p}を抽出する。抽出された
予測係数または反射係数は符号化回路103において所
定のビット数で符号化された後、重み付けフィルタ10
4及び重み付け合成フィルタ105,110,119で
利用される。
【0023】重み付けフィルタ104は周期コードブッ
ク107及び確率コードブック116から合成フィルタ
の駆動信号を探索する際に、入力音声信号系列に重み付
けを行うものである。重み付け合成フィルタ104の伝
達関数W(z)は[数2]で表される。
ク107及び確率コードブック116から合成フィルタ
の駆動信号を探索する際に、入力音声信号系列に重み付
けを行うものである。重み付け合成フィルタ104の伝
達関数W(z)は[数2]で表される。
【0024】
【数2】 但しγは重み付けの強さを制御するパラメータである。
(0≦γ≦1)
(0≦γ≦1)
【0025】重み付け合成フィルタ105,110,1
19はH(z)なる伝達関数の合成フィルタとW(z)
なる伝達関数の重み付けフィルタを従属接続したフィル
タであり、その伝達関数Hw (z)は[数3]で示され
る。
19はH(z)なる伝達関数の合成フィルタとW(z)
なる伝達関数の重み付けフィルタを従属接続したフィル
タであり、その伝達関数Hw (z)は[数3]で示され
る。
【0026】
【数3】
【0027】本実施例のように重み付けフィルタ104
を用いると、聴感上の符号化歪を低減することが可能と
なる。また、本実施例では重み付けフィルタ104を駆
動信号ベクトルの探索ループの外側に設けた構成になっ
ており、この結果探索に要する計算量が大幅に削減され
る。
を用いると、聴感上の符号化歪を低減することが可能と
なる。また、本実施例では重み付けフィルタ104を駆
動信号ベクトルの探索ループの外側に設けた構成になっ
ており、この結果探索に要する計算量が大幅に削減され
る。
【0028】更に重み付け合成フィルタ110,119
が駆動信号ベクトルの探索に影響を与えないように、初
期メモリを持った重み付け合成フィルタ105が設けら
れている。この重み付け合成フィルタ105は前フレー
ムの最後に重み付け合成フィルタ110,119が保持
していた内部状態を初期値として持つ。
が駆動信号ベクトルの探索に影響を与えないように、初
期メモリを持った重み付け合成フィルタ105が設けら
れている。この重み付け合成フィルタ105は前フレー
ムの最後に重み付け合成フィルタ110,119が保持
していた内部状態を初期値として持つ。
【0029】そして、重み付け合成フィルタ105の零
入力応答ベクトルを作成し、減算器106において重み
付け合成フィルタ104の出力から上記零入力応答ベク
トルを減算する。これより重み付け合成フィルタ11
0,119の初期状態を零とすることができ、前フレー
ムの影響を考慮せずに駆動信号ベクトルの探索を行うこ
とができる。以上の処理は全てフレーム単位で行われ
る。次に、フレームをM個(通常M=4)のサブフレー
ムに分割し、サブフレーム単位で行う駆動信号ベクトル
探索の処理について説明する。駆動信号ベクトルの探索
は周期コードブック107,確率コードブック116の
順に行われる。
入力応答ベクトルを作成し、減算器106において重み
付け合成フィルタ104の出力から上記零入力応答ベク
トルを減算する。これより重み付け合成フィルタ11
0,119の初期状態を零とすることができ、前フレー
ムの影響を考慮せずに駆動信号ベクトルの探索を行うこ
とができる。以上の処理は全てフレーム単位で行われ
る。次に、フレームをM個(通常M=4)のサブフレー
ムに分割し、サブフレーム単位で行う駆動信号ベクトル
探索の処理について説明する。駆動信号ベクトルの探索
は周期コードブック107,確率コードブック116の
順に行われる。
【0030】まず周期コードブック107から駆動信号
ベクトルxj (ベクトルの次元はL/M=K)を順次読
み出し、乗算器108でxj に所定のゲインβを乗じた
後、重み付け合成フィルタ110に供給する。周期コー
ドブックに格納する駆動信号として例えばピッチパルス
列を用いる。重み付け合成フィルタ110ではフィルタ
リング演算を行って合成音声ベクトルを作成する。
ベクトルxj (ベクトルの次元はL/M=K)を順次読
み出し、乗算器108でxj に所定のゲインβを乗じた
後、重み付け合成フィルタ110に供給する。周期コー
ドブックに格納する駆動信号として例えばピッチパルス
列を用いる。重み付け合成フィルタ110ではフィルタ
リング演算を行って合成音声ベクトルを作成する。
【0031】一方、フレームバッファ101から読み出
された入力音声信号は、重み付けフィルタ104によっ
て重みが付けられた後、減算器106で前フレームの影
響が差し引かれる。この減算器106から出力される音
声信号ベクトルyを目標ベクトルとして、減算器111
で重み付け合成フィルタ110からの合成音声ベクトル
との誤差ベクトルej が計算去される。そして、二乗誤
差計算回路112で誤差の二乗和‖ej ‖が計算され、
この‖ej ‖の最小値及び最小値を与えるインデックス
jが最小歪探索回路113で検出される。このインデッ
クスがjが周期コードブック107に与えられる。
された入力音声信号は、重み付けフィルタ104によっ
て重みが付けられた後、減算器106で前フレームの影
響が差し引かれる。この減算器106から出力される音
声信号ベクトルyを目標ベクトルとして、減算器111
で重み付け合成フィルタ110からの合成音声ベクトル
との誤差ベクトルej が計算去される。そして、二乗誤
差計算回路112で誤差の二乗和‖ej ‖が計算され、
この‖ej ‖の最小値及び最小値を与えるインデックス
jが最小歪探索回路113で検出される。このインデッ
クスがjが周期コードブック107に与えられる。
【0032】具体的には、誤差ベクトルは例えば[数
4]で表される。この誤差ベクトル‖ej ‖をβで偏微
分して零と置くことによって、βを最適化した場合の‖
ej ‖の最小値が[数5]で表される。但しβは乗算器
108で与えられるゲインである。
4]で表される。この誤差ベクトル‖ej ‖をβで偏微
分して零と置くことによって、βを最適化した場合の‖
ej ‖の最小値が[数5]で表される。但しβは乗算器
108で与えられるゲインである。
【0033】
【数4】
【0034】
【数5】
【0035】ここで‖x‖は二乗ノルム、(x,y)は
内積をそれぞれ表し、Hは[数6]で与えられる重み付
き合成フィルタ(伝達関数H(z))のインパルス応答
行列である。
内積をそれぞれ表し、Hは[数6]で与えられる重み付
き合成フィルタ(伝達関数H(z))のインパルス応答
行列である。
【0036】
【数6】
【0037】[数6]から明らかなように、周期コード
ブック107からの駆動信号の探索は、全てのコードワ
ードxj に対して[数5]の右辺第2項を計算し、それ
が最大になるインデックスjを検出することによって行
う。この様にして周期コードブック107から最適な駆
動信号ベクトルxopt が探索される。
ブック107からの駆動信号の探索は、全てのコードワ
ードxj に対して[数5]の右辺第2項を計算し、それ
が最大になるインデックスjを検出することによって行
う。この様にして周期コードブック107から最適な駆
動信号ベクトルxopt が探索される。
【0038】次に入力音声信号の周波数成分を調べ、ピ
ッチ周波数とその高調波成分のみが存在する上限の周波
数(f0 )を探索する。f0 の探索は例えばfci=πi
/I(0≦i≦I)という候補に対して行っていく。探
索されたf0 はローパスフィルタ109,114及びハ
イパスフィルタ118,123のカットオフ周波数とす
る。
ッチ周波数とその高調波成分のみが存在する上限の周波
数(f0 )を探索する。f0 の探索は例えばfci=πi
/I(0≦i≦I)という候補に対して行っていく。探
索されたf0 はローパスフィルタ109,114及びハ
イパスフィルタ118,123のカットオフ周波数とす
る。
【0039】まず探索された最適な駆動信号ベクトルx
opt をローパスフィルタ109(カットオフ周波数
fci)に入力し、その出力を重み付け合成フィルタ11
0に供給する。一方減算器106から出力された音声信
号ベクトルをローパスフィルタ109と同一の特性を持
つローパスフィルタ114に入力して低周波成分を取り
出し、減算器111で重み付け合成フィルタ110との
出力の誤差ベクトルeciを計算する。次に二乗誤差演算
回路112で誤差の二乗和‖eci‖とローパスフィルタ
114の出力のパワーPciを計算してそれらを格納する
と共に、既に格納されているカットオフ周波数がfci+1
の時の誤差の二乗和‖eci+1‖及びローパスフィルタ1
14の出力のパワーPci+1との差をそれぞれ計算し、誤
差の減少分をパワーの減少分で規格化した値ri を求め
る。ri は具体的には[数7]で表される。
opt をローパスフィルタ109(カットオフ周波数
fci)に入力し、その出力を重み付け合成フィルタ11
0に供給する。一方減算器106から出力された音声信
号ベクトルをローパスフィルタ109と同一の特性を持
つローパスフィルタ114に入力して低周波成分を取り
出し、減算器111で重み付け合成フィルタ110との
出力の誤差ベクトルeciを計算する。次に二乗誤差演算
回路112で誤差の二乗和‖eci‖とローパスフィルタ
114の出力のパワーPciを計算してそれらを格納する
と共に、既に格納されているカットオフ周波数がfci+1
の時の誤差の二乗和‖eci+1‖及びローパスフィルタ1
14の出力のパワーPci+1との差をそれぞれ計算し、誤
差の減少分をパワーの減少分で規格化した値ri を求め
る。ri は具体的には[数7]で表される。
【0040】
【数7】
【0041】重み付け合成フィルタ110の駆動信号は
元来ピッチパルスであるため、出力信号はピッチ周波数
とその高調波の周波数成分しか持たない。一方ローパス
フィルタ114の出力はf0 以下ではピッチ周波数とそ
の高調波成分のみで、f0 以上では非周期的な周波数成
分を持つ。従ってri が閾値rthより大きければfci>
f0 であり、ri <rthであればfci+1<f0 と判定す
ることができるため、周波数の高い方から探索してr
i+1 >rth,ri <rthが成り立ったときにfci+1をf
0 とすればよい。f0 探索回路115では以上のように
してf0 を探索する。この様にしてf0 が探索されたら
ローパスフィルタ109,114及びハイパスフィルタ
118,123のカットオフ周波数をf0 に固定する。
元来ピッチパルスであるため、出力信号はピッチ周波数
とその高調波の周波数成分しか持たない。一方ローパス
フィルタ114の出力はf0 以下ではピッチ周波数とそ
の高調波成分のみで、f0 以上では非周期的な周波数成
分を持つ。従ってri が閾値rthより大きければfci>
f0 であり、ri <rthであればfci+1<f0 と判定す
ることができるため、周波数の高い方から探索してr
i+1 >rth,ri <rthが成り立ったときにfci+1をf
0 とすればよい。f0 探索回路115では以上のように
してf0 を探索する。この様にしてf0 が探索されたら
ローパスフィルタ109,114及びハイパスフィルタ
118,123のカットオフ周波数をf0 に固定する。
【0042】そしてハイパスフィルタ123からの出力
が確率コードブック116からの非周期的駆動信号ベク
トル探索の目標ベクトルとされる。確率コードブックに
格納する駆動信号ベクトルとしては例えば白色雑音を用
いる。確率コードブック116からの非周期的駆動信号
ベクトル探索も周期コードブック等からの駆動信号ベク
トルの探索と全く同様に行うことができる。この非周期
的駆動信号ベクトル探索で得られたコードベクトルをn
opt とすると、合成フィルタの駆動信号ベクトルxは
が確率コードブック116からの非周期的駆動信号ベク
トル探索の目標ベクトルとされる。確率コードブックに
格納する駆動信号ベクトルとしては例えば白色雑音を用
いる。確率コードブック116からの非周期的駆動信号
ベクトル探索も周期コードブック等からの駆動信号ベク
トルの探索と全く同様に行うことができる。この非周期
的駆動信号ベクトル探索で得られたコードベクトルをn
opt とすると、合成フィルタの駆動信号ベクトルxは
【0043】
【数8】 と表される。但しβ,gはそれぞれ乗算器108.11
7において周期コードブック107から探索された周期
的駆動信号ベクトル及び確率コードブック116から探
索された非周期的駆動信号ベクトルに与えられるゲイン
である。
7において周期コードブック107から探索された周期
的駆動信号ベクトル及び確率コードブック116から探
索された非周期的駆動信号ベクトルに与えられるゲイン
である。
【0044】以上の処理過程で求められた符号化パラメ
ータは、マルチプレクサ127で多重化され、出力端子
128から伝送路へ符号化出力として送出される。すな
わちマルチプレクサ127では、LPC分析回路102
で求められたLPC予測係数の情報を符号化回路103
で符号化したコードと、f0 探索回路115で探索され
た周波数f0 を符号化回路124で符号化したコード
と、最小歪探索回路113及び122で得られた周期コ
ードブック107及び確率コードブック116のインデ
ックスのコードと、乗算器108で乗じられるゲインの
情報をゲイン符号化回路125で符号化したコードが多
重化される。図2は上記実施例の音声符号化装置に対応
した音声複合化装置のブロック図である。
ータは、マルチプレクサ127で多重化され、出力端子
128から伝送路へ符号化出力として送出される。すな
わちマルチプレクサ127では、LPC分析回路102
で求められたLPC予測係数の情報を符号化回路103
で符号化したコードと、f0 探索回路115で探索され
た周波数f0 を符号化回路124で符号化したコード
と、最小歪探索回路113及び122で得られた周期コ
ードブック107及び確率コードブック116のインデ
ックスのコードと、乗算器108で乗じられるゲインの
情報をゲイン符号化回路125で符号化したコードが多
重化される。図2は上記実施例の音声符号化装置に対応
した音声複合化装置のブロック図である。
【0045】図2において、入力された符号化パラメー
タは、まずマルチプレクサ201で個々のパラメータに
分解された後、復号化器202,203,204,20
5でそれぞれ復号化される。そして復号化された周波数
f0 と、周期コードブックのインデックス及びゲイン、
確率コードブックのインデックス及びゲインに基づいて
駆動信号が作成される。この駆動信号が合成フィルタ2
13でフィルタリングされることによって、合成音声信
号が生成される。この合成音声信号はポストフィルタ2
14でスペクトルの整形がなされて聴感的な歪が抑圧さ
れた後、出力端子215より出力される。
タは、まずマルチプレクサ201で個々のパラメータに
分解された後、復号化器202,203,204,20
5でそれぞれ復号化される。そして復号化された周波数
f0 と、周期コードブックのインデックス及びゲイン、
確率コードブックのインデックス及びゲインに基づいて
駆動信号が作成される。この駆動信号が合成フィルタ2
13でフィルタリングされることによって、合成音声信
号が生成される。この合成音声信号はポストフィルタ2
14でスペクトルの整形がなされて聴感的な歪が抑圧さ
れた後、出力端子215より出力される。
【0046】図3に本発明の第二の実施例に係る音声符
号化装置のブロック図を示す。本実施例と先の実施例と
の違いはピッチ周波数とその高調波成分のみが存在する
上限の周波数f0 の求め方にある。
号化装置のブロック図を示す。本実施例と先の実施例と
の違いはピッチ周波数とその高調波成分のみが存在する
上限の周波数f0 の求め方にある。
【0047】先の実施例においては、入力音声信号とパ
ルスコードからの探索によって得られた駆動信号から合
成した音声の低域成分をローパスフィルタで取り出し、
それらの信号の間の誤差とローパスフィルタのカットオ
フ周波数から入力音声信号中の周期的成分と非周期的成
分の境界周波数f0 を求めていた。
ルスコードからの探索によって得られた駆動信号から合
成した音声の低域成分をローパスフィルタで取り出し、
それらの信号の間の誤差とローパスフィルタのカットオ
フ周波数から入力音声信号中の周期的成分と非周期的成
分の境界周波数f0 を求めていた。
【0048】これに対し、本実施例では合成フィルタ1
10の出力信号及び加算器106の出力信号を各々離散
フーリェ変流器130,131によってフーリェ変流
し、境界の周波数f0 の探索を両者の周波数成分の誤差
をもとに行なう。
10の出力信号及び加算器106の出力信号を各々離散
フーリェ変流器130,131によってフーリェ変流
し、境界の周波数f0 の探索を両者の周波数成分の誤差
をもとに行なう。
【0049】周波数成分がピッチ周波数またはその高調
波成分であるか否かを判断するには、フーリェ変流器1
30,131の出力を1個の帯域に分けて帯域毎の両者
の周波数成分の誤差ei 2 (1≦i≦I)を計算し、そ
れをフーリェ変換器の相当する帯域のパワーで規格化し
て得られた値ri が閾値よりも小さければその帯域はピ
ッチ周波数またはその高調波の周波数成分のみからなる
と判定する。これを高い周波数の帯域から行なってい
き、ri+1 >rth,ri <rthが成立した時に帯域iの
例えば中心周波数を周期的成分と非周期的成分の境界f
0 とする。
波成分であるか否かを判断するには、フーリェ変流器1
30,131の出力を1個の帯域に分けて帯域毎の両者
の周波数成分の誤差ei 2 (1≦i≦I)を計算し、そ
れをフーリェ変換器の相当する帯域のパワーで規格化し
て得られた値ri が閾値よりも小さければその帯域はピ
ッチ周波数またはその高調波の周波数成分のみからなる
と判定する。これを高い周波数の帯域から行なってい
き、ri+1 >rth,ri <rthが成立した時に帯域iの
例えば中心周波数を周期的成分と非周期的成分の境界f
0 とする。
【0050】次に帯域毎の周波数成分の誤差ei 2 及び
その帯域のパワーPi によって規格化された値ri の具
体的な計算法について説明する。重み付け合成フィルタ
110の出力信号xk (1≦k<K)をQ点で離散フー
リェ変換した値をXq (0≦q<Q)とする。QはKよ
りも大きく取り、不足分は零を挿入する。同時に減算器
106の出力についても同様にフーリェ変換を行い、フ
ーリェ係数をYq とする。次にこれらの周波数成分を1
個の帯域に分割する。誤差は各々の帯域に含まれる
Xq ,Yq より求める。例えばi番目の帯域における誤
差ei 2 は「数9」で表される。
その帯域のパワーPi によって規格化された値ri の具
体的な計算法について説明する。重み付け合成フィルタ
110の出力信号xk (1≦k<K)をQ点で離散フー
リェ変換した値をXq (0≦q<Q)とする。QはKよ
りも大きく取り、不足分は零を挿入する。同時に減算器
106の出力についても同様にフーリェ変換を行い、フ
ーリェ係数をYq とする。次にこれらの周波数成分を1
個の帯域に分割する。誤差は各々の帯域に含まれる
Xq ,Yq より求める。例えばi番目の帯域における誤
差ei 2 は「数9」で表される。
【0051】
【数9】 これを「数10」に示される帯域のパワーで規格化し、
「数11」に従ってそれをri とする。
「数11」に従ってそれをri とする。
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】 規格化された誤差ri が閾値rthよりも小さければその
帯域はピッチ周波数またはその高調波成分より成ると判
定する。
帯域はピッチ周波数またはその高調波成分より成ると判
定する。
【0054】図4に本発明の第三の実施例に係る音声符
号化装置のブロック図を示す。ここでは入力音声の高域
成分を参照して先に確率コードブック116より非周期
的駆動信号の探索を行なうと共に、高域成分の下限周波
数の探索を行なう。
号化装置のブロック図を示す。ここでは入力音声の高域
成分を参照して先に確率コードブック116より非周期
的駆動信号の探索を行なうと共に、高域成分の下限周波
数の探索を行なう。
【0055】次に入力音声の該下限周波数以下の低域成
分を参照して、周期コードブック107より周期的駆動
信号を探索する。従って図4ではf0 探索回路115が
確率コードブック116側で二乗誤差計算回路121か
らの計算結果を入力する位置にある。
分を参照して、周期コードブック107より周期的駆動
信号を探索する。従って図4ではf0 探索回路115が
確率コードブック116側で二乗誤差計算回路121か
らの計算結果を入力する位置にある。
【0056】尚、上記実施例では周期的駆動信号(非周
期的駆動信号)をローパスフィルタ(ハイパスフィル
タ)を通して後に重み付け合成フィルタにより合成音声
を出力していた。しかしながら周期的駆動信号(非周期
的駆動信号)を合成フィルタを通して合成音声を得た後
にローパスフィルタ(ハイパスフィルタ)を通しても結
果として同じものが得られる。
期的駆動信号)をローパスフィルタ(ハイパスフィル
タ)を通して後に重み付け合成フィルタにより合成音声
を出力していた。しかしながら周期的駆動信号(非周期
的駆動信号)を合成フィルタを通して合成音声を得た後
にローパスフィルタ(ハイパスフィルタ)を通しても結
果として同じものが得られる。
【0057】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれば
駆動信号を周期的周波数成分と非周期的周波数成分が同
一周波数で重畳しないようにして作成するため、符号化
品質を向上させることができる。
駆動信号を周期的周波数成分と非周期的周波数成分が同
一周波数で重畳しないようにして作成するため、符号化
品質を向上させることができる。
【図1】 本発明の一実施例に係る音声符号化装置のブ
ロック図。
ロック図。
【図2】 同実施例に係る音声符号化装置のブロック
図。
図。
【図3】 本発明の第二の実施例に係る音声符号化装置
のブロック図。
のブロック図。
【図4】 本発明の第三の実施例に係る音声符号化装置
のブロック図。
のブロック図。
【図5】 従来の音声符号化装置における駆動信号ベク
トル探索に係る構成を示すブロック図。
トル探索に係る構成を示すブロック図。
100…入力端子 101…フレームバッアァ 102…LPC分析回路 103,124,125,126…符号化回路 104…重み付けフィルタ 105,110,119…重み付け合成フィルタ 107…周期コードブック 109,114…ローパスフィルタ 112,121…二乗誤差計算回路 113,122…最小歪探索回路 115…f0 探索回路 116…確率コードブック 118,123…ハイパスフィルタ 127…マルチプレクサ 128…出力端子
Claims (2)
- 【請求項1】 駆動信号として周期的信号及び非周期的
信号を格納したコードブックと、このコードブックの周
期的信号から低域成分を得る手段と、この低域成分に従
って合成音声を出力する手段と、入力音声に対する前記
低域成分と同一の帯域幅の低域成分を前記合成音声と比
較することにより前記コードブック中の周期的信号及び
低域成分の上限周波数を探索する手段と、前記コードブ
ックの非周期的信号から前記上限周波数以上の高域成分
を得る手段と、この高域成分に従って合成音声を出力す
る手段と、この合成音声と前記入力音声に対する前記高
域成分と同一の帯域幅の高域成分とを比較することによ
り前記コードブック中の非周期的信号を探索する手段と
を備えたことを特徴とする音声符号化装置。 - 【請求項2】 駆動信号として周期的信号及び非周期的
信号を格納したコードブックと、このコードブックの非
周期的信号から高域成分を得る手段と、この高域成分に
従って合成音声を出力する手段と、入力音声に対する前
記高域成分と同一帯域幅の高域成分を前記合成音成と比
較することにより前記コードブック中の非周期的信号及
び高域成分の下限周波数を探索する手段と、前記コード
ブックの周期的信号から前記下限周波数以下の低域成分
を得る手段と、この低域成分に従って合成音声を出力す
る手段と、この合成音声と前記入力音声に対する前記低
域成分と同一の帯域幅の低域成分とを比較することによ
り前記コードブック中の周期的信号を探索する手段とを
備えたことを特徴とする音声符号化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4072029A JPH05273998A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 音声符号化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4072029A JPH05273998A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 音声符号化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05273998A true JPH05273998A (ja) | 1993-10-22 |
Family
ID=13477582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4072029A Pending JPH05273998A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 音声符号化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05273998A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003005342A1 (fr) * | 2001-07-02 | 2003-01-16 | Kabushiki Kaisha Kenwood | Procede et appareil de couplage de signaux |
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