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JPH05271730A - 熱応力緩和型傾斜機能材料を備えたステーブクーラ - Google Patents

熱応力緩和型傾斜機能材料を備えたステーブクーラ

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Publication number
JPH05271730A
JPH05271730A JP7126692A JP7126692A JPH05271730A JP H05271730 A JPH05271730 A JP H05271730A JP 7126692 A JP7126692 A JP 7126692A JP 7126692 A JP7126692 A JP 7126692A JP H05271730 A JPH05271730 A JP H05271730A
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JP
Japan
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furnace
stave cooler
stave
ceramic material
thermal stress
Prior art date
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Application number
JP7126692A
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English (en)
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JP2778339B2 (ja
Inventor
Yoshihisa Nakamura
義久 中村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP4071266A priority Critical patent/JP2778339B2/ja
Publication of JPH05271730A publication Critical patent/JPH05271730A/ja
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Publication of JP2778339B2 publication Critical patent/JP2778339B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 遮熱特性と熱応力緩和機能とを有し、炉体の
熱負荷抑制が可能な高炉等の冶金炉用ステーブクーラを
提供する。 【構成】 炉内側面がセラミック材料9からなり且つ鉄
皮側面が鋳鉄等の金属材料10からなり、炉壁の厚さ方
向で、セラミック材料と金属材料とが連続的に遷移する
組成を有するマクロ不均質な傾斜機能材料から構成され
たステーブクーラ本体を備え、該本体内の鉄皮側に冷媒
通路を形成する冷却パイプ5を一体的に配設してなるス
テープクーラ8。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セラミック材料と金
属材料とからなる傾斜機能材料から構成されたステーブ
クーラ本体を備え、クラックの発生、過冷却等を有効に
防止しうる高炉等の冶金炉用ステーブクーラに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に炉壁は、反応炉の内部現象に対し
て物流および熱流の境界条件を与えるものである。しか
しながら、高炉等の冶金炉における炉壁条件は、初期の
構造および稼働後の内面プロフイルの損耗などによって
変化していく。このような内面プロフィルの異常な損耗
は、装入物の充填状態を乱し、ガス流を不安定にすると
ともに、炉壁を通しての熱流出を増加させる。特にステ
ーブ高炉でステーブ前面炉壁煉瓦が脱落すると、ステー
ブが炉内に露出し、炉内を過度に冷却するようになる。
これらの現象は安定操業の阻害因子となり、炉命中期
(4〜6年)での煉瓦脱落により炉況が乱される事例
は、これに該当するものと考えられている。
【0003】ところで、炉壁における熱流の境界条件
は、稼働後の内面プロフィル変化以前は炉体の冷却構造
に依存する。近年、炉体プロフィルの維持、高炉の長寿
命化、改修コストの低減の観点から、炉体の保護・耐久
性の向上をねらって、炉壁冷却の強化が図られている。
高炉操業の基本は、炉体への熱負荷を極力抑制しなが
ら、通気・熱交換・還元の各機能を最大限に生かすこと
にあるが、炉壁冷却の強化により炉体からの熱損失が増
加すると、炉内温度、特に炉壁近傍での温度低下を招く
ことから、いわゆる不活性化が進行して、炉況不調に陥
るおそれがある。
【0004】また近年の高炉の大型化に伴い、炉内の熱
容量が飛躍的に増大して、冷却盤による冷却では対応し
きれなくなっており、最近では、殆どの高炉においてス
テーブクーラが採用されている。このステーブクーラに
要求される機能は、言うまでもなく、耐熱性・耐摩耗性
に富み、長期にわたって炉壁を強固に維持することにあ
るが、また一方では、このステーブクーラの炉内側受熱
面での効率的な熱交換、ステーブ内側における冷却水管
路とステーブ母材との伝熱効率、さらには、ステーブ前
面炉壁煉瓦が脱落してステーブの鋳込み煉瓦も脱落する
と、炉からの熱負荷によるステーブ母材の熱応力の増大
に伴って発生したクラックが冷却管部に波及し、全体的
破損が伝播するおそれがあるが、このような全体的破損
を防止できるといった条件も具備していなければならな
い。
【0005】従来の高炉の炉壁は、図1および図2
(a)、(b)に示すように、冷却パイプ5を鋳包んだ
鋳造物であるステーブ2を炉体鉄皮1の内側に配設固定
し、該ステーブ2の炉内側に内張り耐火物(耐火煉瓦)
7を築造して構成されている。このような炉壁構造で
は、内張り耐火物7の寿命が1〜2年と短く、炉体鉄皮
1の耐用年数は6〜7年程度であった。したがって、高
炉の長寿命化を図るためには、内張り耐火物の寿命を伸
ばすことが必要であると考えられている。そのため従来
は、炉内が高温(シャフト中部から朝顔部で約1000
〜1500°C)であり、高炉用内張り耐火物の損傷原
因が原料による摩耗、炉内生成物との化学反応、特に高
温状態でのアルカリ侵食による損傷が主なものであると
の観点から、アルカリ反応を生じ難くする方策や、耐ア
ルカリ性に優れたカーボン系、SiC系等の耐火物を採
用することが行なわれている。
【0006】しかしながら、ステーブ冷却方式が基本的
にもつ内張り耐火物7の支持力の不安定性により、稼働
後の炉壁損傷過程でプロフィルの急激な変化や円周方向
のアンバランスを招き、炉壁近傍での装入物の安定降下
が乱され、操業制御性が悪化する現象が避けられなかっ
た。
【0007】つぎに、従来の炉壁要部断面を図3(a)
に、また内張り耐火物7が損耗・脱落して、図2に示す
鋳込み煉瓦4を備えたステーブ2が炉内に露出して、炉
内温度が1200°C程度になった場合についてのステ
ーブ2における温度分布を図3(b)に示す。図3
(b)において、縦軸は温度、横軸は左から右へ炉内側
面からの距離を示し、t0 は炉内加熱面x0 における鋳
込み煉瓦4の表面温度、t1 は鋳込み煉瓦4の底部x1
における鋳鉄3の温度、t2 は鋳込みパイプ5表面での
温度を示している。図3(b)から明らかなように、鋳
込み煉瓦4にはt0−t1 の温度差が生じ、鋳鉄3には
1 −t2 の温度差が生じる。物体内に温度差が生じる
と内部に熱応力が作用することは、一般によく知られて
おり、その温度差と熱応力との関係を表す式として、下
式がよく知られている。
【0008】
【数1】
【0009】σ:発生熱応力、E:ヤング率、α:線膨
張係数、μ:ポアソン比、ΔT:温度差。
【0010】さて、耐火物および鋳鉄にこのような熱応
力が作用すると、それに起因するクラックが発生する可
能性がある。さらに、高炉炉内では、原料の降下、移
動、高温ガスの変動による急激な温度変化等が起こりや
すい。このため、耐火物内や鋳鉄内の温度分布も変化し
て、変動熱応力が作用する。これを図3(a)で説明す
ると、まず鋳込み煉瓦4が損耗してクラックが入り、脱
落していく。つぎに鋳込み煉瓦4底部のコーナー部にク
ラックcが入り、ステーブ2の端部(コーナー部)が脱
落して行き、鋳鉄3に碁盤目のように縦・横にクラック
が入って小ブロック化して順次脱落し、鋳込まれた冷却
パイプ5が露出する過程をたどる。このように鋳込み煉
瓦4が脱落した以降は、前述したように、鋳鉄が炉内に
露出して、炉内を過度に冷却するようになり、炉壁ステ
ーブ近傍での温度低下を招いて、焼結鉱の還元粉化現象
を誘発し、炉壁部の通気性を阻害する、いわゆる不活性
化の進行による炉況不調に陥るおそれがある。
【0011】また近年、図2に示す従来方式のステーブ
クーラ2の信頼性向上を図るべく改善された高炉炉壁保
護壁が提案されている(特開昭61−37904号)。
その例を図4に示すが、この保護壁は、ステーブ本体
2′の炉内側面にある炉壁煉瓦を、ステーブ本体の一部
で構成した複数のテーパ状煉瓦支持金物(リブ)12で
挟み込んで一体的に支持したものであり、その具体例と
して、炉内側の内張り煉瓦積みを行なわないでプロフィ
ルの安定化と建設工事の簡素化・低廉化を意図して薄壁
化した事例が示されている。本事例は、従来方式のステ
ーブクーラ2の炉内側に築造される内張り耐火物7が2
〜3年で損耗して消失してしまうのに対して、さらに2
〜3年は鋳込み煉瓦13の寿命延長を期待したものであ
る。しかしながら、この保護壁も、テーパ状煉瓦支持金
物(リブ12)の先端が炉内高温(600〜1200°
C)ガスによって先行消失し、鋳込み煉瓦13の保持力
がなくなって脱落し、期待どおりの成果を挙げていない
のが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
高炉等の冶金炉用ステーブクーラにおける従来の欠点を
解決することを目的とし、高温下での耐久性、冷却伝熱
性、機械的強度等を併せもつセラミック材料と鋳鉄に代
表される金属材料とからなる複合構造体からなり、遮熱
特性と熱応力緩和機能とを有し、炉体の熱負荷抑制が可
能なステーブクーラを炉壁構造体として用いることによ
り、高耐久性、高寿命の炉壁を形成することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、スペースシ
ャトルや次世代の極超音速機等の航空・宇宙分野などに
おける超高温環境下での遮熱パネルとして注目されてい
る、熱応力緩和機能と高度の力学的特性とを併せもつ遮
熱型傾斜機能材料を、冶金炉用ステーブクーラ本体材料
として使用するところに、着想の斬新性を有するもので
ある。
【0014】即ちこの発明は、炉体鉄皮を炉内熱負荷か
ら保護するステーブクーラにおいて、炉内側面がセラミ
ック材料からなり且つ鉄皮側面が鋳鉄等の金属材料から
なるとともに、炉壁の厚さ方向で、前記セラミック材料
と前記金属材料とが界面を実質的に形成しないように連
続的に遷移する組成を有するマクロ不均質な傾斜機能材
料から構成されたステーブクーラ本体を備え、さらに該
ステーブクーラ本体内の鉄皮側に冷媒通路を形成する鋼
管を一体的に配設してなることを特徴とする高炉等の冶
金炉用ステーブクーラ、並びに前記ステーブクーラにお
いて、前記ステーブクーラ本体の中間層が、前記セラミ
ック材料と前記金属材料とからなり、炉内熱負荷による
温度変動に対して熱応力緩和機能を有する複合相を形成
していることを特徴とするステーブクーラからなる。
【0015】以下図面を参照して、この発明の具体例お
よびその作用効果について説明する。
【0016】まず、この発明の熱応力緩和機能を有する
傾斜機能型ステーブクーラ本体について説明すると、図
5は、この発明のステーブクーラ本体の要部断面を模式
的に示している。
【0017】この発明のステーブクーラ本体は、加熱側
Aでの遮熱特性と冷却側Bでの構造体としての力学的特
性という異なる特性を機能分担させた熱応力緩和機能を
有するマクロ不均質構造体である。しかもこの構造体
は、それぞれの機能を担う異種材料からなる組織が、実
質的に界面を形成することがないように、加熱側Aから
冷却側Bへと連続的に遷移する傾斜機能型のものであ
る。このようなステーブクーラ本体を製造するために
は、(1)遮熱特性と力学的特性との最適化および
(2)熱応力緩和機能の最適化の両面を同時に達成する
ことが必要であり、ここに、この発明のパネル7を創製
する際の困難性がある。前記ステーブクーラ本体が設置
される部位は、高炉等の操業中、約600〜1200°
Cの高温でしかも温度変動の激しい環境下に置かれるた
め、多大な熱応力が発生する。したがって、従来の耐火
物やステーブクーラーでは、対応しきれなかったのであ
る。
【0018】図5を参照すると、ステーブクーラ本体の
加熱側Aにはセラミック材料9が配され、冷却側Bには
金属材料10が配されるとともに、加熱側Aから冷却側
Bにかけてセラミック材料の密度を徐々に低くし、逆に
金属材料の密度を徐々に高くして、中間部Cはセラミッ
ク材料と金属材料との複合相をなす傾斜機能型構造を有
するものである。これにより、加熱側Aが遮熱特性に優
れ、炉体の加熱、冷却の温度勾配下でステーブクーラ本
体内部に発生する局部熱応力を適切に分散させる熱応力
緩和機能を果たすとともに、ステーブクーラ本体が取付
けられる冷却側が高強度の金属材料となっているため必
要な力学的特性をもつことができることとなる。
【0019】前記セラミック材料は、高温ガス流にさら
される場合には、遮熱特性、低熱伝導性、耐熱性、非酸
化特性および装入物降下に対応すべき耐摩耗特性を有す
ることが必要であり、また繰返し加熱を受ける場合に
は、非弾性歪による熱疲労破壊に耐えられなければなら
ない。したがって、加熱側Aに配するセラミック材料と
しては、その特性あるいは機能の面からは、熱応力破壊
の起点となる加熱側セラミック材料表面の温度が弾塑性
遷移温度以下になるよう、遮熱特性と熱応力緩和機能と
をバランスさせる必要がある。一方材料面からは、弾塑
性遷移温度ができるだけ高い材料および適切な熱膨張係
数をもつ材料を適用することが必要である。 以上の観
点から、加熱側Aの最表面層には、アルミナAl2 3
系セラミックを配するのが好ましい。このアルミナAl
2 3 には、その力学的特性を向上させるために、炭化
珪素Sic系セラミックを強化材として添加することが
好ましい。
【0020】つぎに、中間部Cには、ある期間(3〜4
年程度)稼働後加熱側A最表面層が損耗した場合、非酸
化特性が重要となるので、耐酸化性に優れたシリコン系
非酸化物セラミック、炭化珪素Sic、窒化珪素Si3
4 、珪酸モリブデンMoSi4 等のセラミック材料を
配することが好ましい。この中間部Cを構成するセラミ
ックには、加熱側Aほどアルミナ系セラミックの含有率
を高くして、両種のセラミックを併用することもでき
る。
【0021】一方、冷却側Bに配される金属材料として
は、高炉のステーブクーラ等の母材として豊富な使用実
績のあるねずみ鋳鉄FC150(JIS−G550
1)、球状黒鉛鋳鉄FCD440(JISーG550
2):等が好適である。
【0022】この発明の傾斜機能型ステーブクーラにつ
いて、厚さT′(加熱側Aから冷却パイプ5の加熱側表
面B′までの距離)方向でのステーブクーラ本体の断面
マクロ組成を模式的に図6(b)に、それに対応するス
テーブクーラ本体内での炉内温度が1200°C程度と
なった場合の温度分布を図6(c)に示している。な
お、図6(a)は、図6(b)および(c)に対応する
ステーブクーラ8の断面拡大図である。
【0023】図6(b)において、横軸A−B′はステ
ーブクーラの厚さT′方向を示し、縦軸はセラミック材
料(破線)および金属材料(実線)の相対成分量を示し
ている。このように、この発明のステーブクーラ本体の
組成は、加熱側Aから冷却側Bに向かって、セラミック
材料の含有率を徐々に低くし、逆に金属材料の含有率を
徐々に高くして、マクロ組織を人工的に連続遷移させて
いる。
【0024】また図6(c)において、横軸A−B′は
ステーブクーラの厚さT′方向を示し、縦軸は温度を示
す。実線はこの発明の熱応力緩和型傾斜機能を有するス
テーブクーラ本体を用いた場合の温度分布であり、破線
はステーブクーラ本体を全て鋳鉄から形成した場合の温
度分布である。図6(c)から明らかなように、ステー
ブクーラ本体を全て鋳鉄から形成した場合は、温度分布
がほぼ直線となるのに対して、この発明のステーブクー
ラ本体では、中間部Cがセラミック材料9と金属材料1
0との複合相をなしているため温度勾配(落差)が緩和
される。このように、温度勾配(落差)が緩和される
と、加熱・冷却の変動下でも、前述した関係式からも明
らかなように、発生熱応力が大幅に軽減されて熱応力緩
和機能が達成される結果、ステーブクーラ8のクラック
発生が著しく抑制され、またステーブクーラ8が炉内内
側から徐々に損耗して厚さT′が薄くなっても、なお厚
さ方向に連続遷移した傾斜機能材料構造が確保されてい
るので、前記熱応力緩和機能が存続することになるので
ある。
【0025】以上、この発明のステーブクーラ本体につ
いて説明したが、そのセラミック材料9の形状、径、配
置状態等は、高炉の操業条件によるステーブクーラに必
要な熱応力緩和特性、冷却側の力学的特性等を総合勘案
して適宜選定することができる。したがって、図5には
断面円形のセラミック材料を示しているが、これに限定
されるものではなく、その断面は三角、四角、五角、六
角等の多角形、楕円等の長円形など製造上容易に得られ
る形状もしくは、炉内内側から徐々に損耗した場合に脱
落しにくい形状から選定することができ、また溶融金属
との接着性を考慮して異形でもよく、さらには図5のA
−B断面に直角方向あるいは斜め方向に、連続でも不連
続でも配置することができる。
【0026】また、セラミック材料9の配置としては、
図5に示す千鳥状配置のほか、図5のA方向(またはB
方向)からみて格子状の配置、あるいは単なる積層配置
等をとることができ、さらに幾つかのセラミック材料9
を格子状等に事前に組み合わせたのち配置することもで
きる。
【0027】なお、ステーブクーラ本体内のセラミック
材料9の径は、前記形状、配置状態等に応じて、前記熱
的および力学的な所要特性を勘案して選定される。
【0028】つぎに、この発明のステーブクーラの製造
方法について説明する。
【0029】図7に典型的な製造例を示す。ここで
(a)図はセラミック材料9の横方向からみた断面図で
あり、(b)図は(a)図のI−I断面を示す。
【0030】図7に示すように、適当な形状および大き
さの砂型11の内部に径の異なる棒状セラミック材料9
を、砂型11の内側下面を加熱側表面Aに見立てて、ス
テーブクーラの厚さT方向に加熱側から順次径が小さく
なるように(イ→ロ→ハ→ニ→ホ→ヘの順に)、セラミ
ック材料9の密度が適切となる隙間を確保して配設す
る。ここで、砂型11内に溶融金属10を注入する際
に、その注入圧力等により、セラミック材料9が移動、
浮上したりしないように、図7(a)に示すように、砂
型11の内側側面に棒状セラミック材料9の両端を埋設
するのが好ましい。
【0031】その埋設寸法Lは、セラミック材料9が十
分固定できる限り任意に設定することができる。この
際、前記セラミック材料9両端部の埋設と組み合わせ
て、その幅寸法Wの中央部付近をケレン棒(針金)(図
示せず)で各セラミック材料9を連結固定してもよい。
【0032】ついで、セラミック材料9を砂型11の凹
部に配設したのち、該セラミック材料9の上面適所の砂
型11凹部内にに、ステーブクーラ8内に配設される所
要数の冷却パイプを配置する。その冷却パイプの本数
は、一般に4〜6本である。また冷却パイプの材質とし
ては、熱伝導性、耐熱性、機械的強度等の面から、鋼管
が好ましい。
【0033】その後、鋳鉄等の金属材料を溶融して砂型
11の凹部に鋳込んで固化させることにより、この発明
のステーブクーラ8を製造する。
【0034】この場合、溶融金属材料は、例えば125
0〜1280°C程度の高温であるため、その鋳込み時
に砂型ないし冷却パイプ等の鋳込み材料が急激に加熱さ
れ、各々に温度差が生じ、クラック発生の起因となる熱
応力が発生する。さらに溶融金属材料は、冷却凝固する
際に、一般に収縮することがよく知られており、この収
縮力が鋳込み材料に損傷を与える原因となりうる。しか
しながら、この発明のステーブクーラにおいては、砂型
11の下面側から、低熱伝導性、耐熱性のセラミック材
料9が順次配設密度が傾斜されているので、溶融金属材
料を鋳込む際における各材料の残留応力緩和効果が達成
され、前記したようなクラック発生のおそれがないた
め、高い信頼性を有し所期の作用効果を常に達成するこ
とができるステーブクーラを製造が可能である点も、大
きな特徴である。
【0035】この発明のステーブクーラのサイズは、砂
型11凹部の幅寸法W、厚さ寸法Tおよび任意長さで設
定することができる。その具体的数値は、製造上の制
約、製造後の運搬や取込み、炉内面への配設バランス等
を勘案して選択されるが、典型的には、例えば400〜
600mm厚×1,000mm幅×2,000mm長程
度が適当である。
【0036】つぎに、この発明のステーブクーラを炉内
面に配設する方法について説明する。
【0037】図8は、ステーブクーラ8を高炉等の炉壁
に配置した状態を示しており、ステーブクーラ本体の要
部拡大図をXに示す。また、ステーブクーラ本体の要部
拡大図は図6(a)にも示されている。ステーブクーラ
8には、一般に4〜6本の冷却パイプ5が鋳包んであ
り、通常4本のステーブ取付けボルト6′によって、炉
体鉄皮1に固定設置される。
【0038】図8の炉壁構造は、ステーブクーラ8の炉
内側に内張り耐火物(煉瓦)7を築造して炉体プロフィ
ルを形成したものである。このような炉壁構造は、内張
り耐火物7が損傷・脱落しても、この発明のステーブク
ーラ8が傾斜機能材料構造を有するため、従来の図2、
図4に示す如き炉壁構造の場合のように、鋳込み煉瓦4
が亀裂・剥離・脱落し、やがて鋳鉄リブ3−1の底部に
クラックが入り、剥離・脱落して、鋳鉄3本体まで損傷
していく過程をたどることがないものである。
【0039】さらに、この発明においては、従来の炉内
側での鋳込み煉瓦保持力の不足の欠点を解決する方法と
しての薄壁化思想に基づき、炉内側の内張り耐火物(煉
瓦)の築造を止めてステーブクーラ8自体の厚さを増加
させて、加熱側内面とほぼ冷却側内面との間を、熱応力
緩和型傾斜機能材料のみで構成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の熱応力
緩和型傾斜機能材料から構成されたステーブクーラ本体
を備えたステーブクーラによると、 (1)加熱側での遮熱特性と冷却側での機械的特性とを
併せもつ構造であるため、炉内での温度変動に対して、
熱応力緩和機能を遺憾なく発揮して、クラック発生を著
しく抑制することができるとともに、炉壁の損耗防止が
可能であり、長期にわたって安定した炉壁プロフィルを
維持することができる。
【0041】(2)たとえ炉内側面が損耗しても、厚さ
方向の傾斜機能特性は変化せず、炉体鉄皮内面が露出す
るおそれがなく、炉内を過度に冷却することがないた
め、炉壁近傍の温度低下を来すことがなく、炉内の不活
性化を防止することが可能であるとともに、炉体熱損失
を顕著に抑制することができる。
【0042】(3)したがって、この発明のステーブク
ーラを配設した高炉等の冶金炉は、装入物の荷下がり変
調やガス流の乱れもなく、長期に安定した操業が可能で
あり、生産性向上、燃料比削減等の操業性を著しく向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来方式の高炉の炉壁断面を示す概略図であ
る。
【図2】従来方式の高炉のステーブクーラの炉内側平面
図(a)と断面図(b)であるる。
【図3】従来方式の高炉のステーブクーラの要部断面
(a)とステーブクーラの温度分布(b)を示す図であ
る。
【図4】従来方式の薄壁化ステーブクーラの要部断面図
である。
【図5】この発明のステーブクーラ本体の要部断面図で
ある。
【図6】この発明のステーブクーラの要部断面図
(a)、その相対成分量を示す図(b)およびその温度
分布を示す図(c)である。
【図7】この発明のステーブクーラの製造例を示す図で
ある。
【図8】この発明のステーブクーラの設置状態を示す要
部断面図である。
【符号の説明】
1 炉体鉄皮 2 ステーブ 2′ ステーブ 3 鋳鉄部分 3−1 鋳鉄リブ 4 鋳込み煉瓦 4′ 鋳込み煉瓦 5 冷却パイプ 5′ 冷却パイプ 6 ステーブ取付け孔 6′ ステーブ取付けボルト 7 内張り耐火物 8 ステーブクーラ 9 セラミック材料 10 金属材料 11 砂型 12 煉瓦支持リブ 13 鋳込み煉瓦 14 キャスタブル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護するステ
    ーブクーラにおいて、炉内側面がセラミック材料からな
    り且つ鉄皮側面が鋳鉄等の金属材料からなるとともに、
    炉壁の厚さ方向で、前記セラミック材料と前記金属材料
    とが界面を実質的に形成しないように連続的に遷移する
    組成を有するマクロ不均質な傾斜機能材料から構成され
    たステーブクーラ本体を備え、さらに該ステーブクーラ
    本体内の鉄皮側に冷媒通路を形成する冷却パイプを一体
    的に配設してなることを特徴とする高炉等の冶金炉用ス
    テーブクーラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステーブクーラにおい
    て、前記ステーブクーラ本体の中間層が、前記セラミッ
    ク材料と前記金属材料とからなり、炉内熱負荷による温
    度変動に対して熱応力緩和機能を有する複合相を形成し
    ていることを特徴とするステーブクーラ。
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