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JPH05271471A - セルロースエステルフイルム - Google Patents

セルロースエステルフイルム

Info

Publication number
JPH05271471A
JPH05271471A JP10615592A JP10615592A JPH05271471A JP H05271471 A JPH05271471 A JP H05271471A JP 10615592 A JP10615592 A JP 10615592A JP 10615592 A JP10615592 A JP 10615592A JP H05271471 A JPH05271471 A JP H05271471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
cellulose ester
group
chemical
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10615592A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Nishina
勉 仁科
Masahiko Murayama
雅彦 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP10615592A priority Critical patent/JPH05271471A/ja
Publication of JPH05271471A publication Critical patent/JPH05271471A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】リン酸エステル系可塑剤を含む脂肪酸セルロー
スエステルフイルムであって、さらにグアニジン類を脂
肪酸セルロースエステルに対して0.1乃至3重量%含
む。 【効果】リン酸エステル系可塑剤を原因とするフイルム
の劣化が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、劣化が防止されたセル
ロースエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースエステルは、写真フイルム等
の記録材料の支持体、偏光板保護フイルム、光学フィル
ター、離型フイルム等の様々な用途で利用されている。
古くは、ニトロセルロース(セルロイド)が代表的なセ
ルロースエステルであった。近年では耐燃性が優れてい
る脂肪酸セルロースエステルフイルム、特にセルロース
アセテートフイルムが主に使用されている。
【0003】セルロースエステルは、通常の保管条件で
は極めて安定な物質である。しかし、高温多湿のような
過酷な条件下で保存するとフイルムの物性が著しく低下
することが報告されている。
【0004】脂肪酸セルロースエステルフイルムの劣化
の原因として、フイルムに添加した可塑剤の悪影響が指
摘されている。可塑剤は、強度を改良する目的で、脂肪
酸セルロースエステルフイルムに添加される。代表的な
可塑剤は、リン酸エステル、特にトリフェニルホスフェ
ートである。
【0005】可塑剤を主原因とする脂肪酸セルロースエ
ステルフイルムの劣化を防止する方法が、特開平3−1
99201号公報に開示されている。この方法では、セ
ルロースエステルフイルムに、(A)過酸化物分解剤、
(B)ラジカル連鎖禁止剤または(C)金属不活性剤を
添加する。同公報には、特に(C)の金属不活性剤が有
効であると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の方法
は、いずれも有効であり、脂肪酸セルロースエステルフ
イルムの劣化をかなり防止することができる。しかし、
本発明者の研究によれば、未だその効果は不充分であ
り、過酷な条件下においてフイルムを保存すると劣化が
起きる場合が認められた。
【0007】本発明の目的は、過酷な条件下において保
存しても、ほとんど劣化しない脂肪酸セルロースエステ
ルフイルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン酸エステ
ル系可塑剤を含む脂肪酸セルロースエステルフイルムで
あって、さらにグアニジン類を脂肪酸セルロースエステ
ルに対して0.1乃至3重量%含むフイルムを提供す
る。
【0009】
【発明の効果】本発明者の研究により、グアニジン類を
0.1乃至3重量%、脂肪酸セルロースエステルフイル
ムに添加すると、リン酸エステル系可塑剤を主原因とす
るフイルムの劣化がほぼ完全に防止できることが判明し
た。このため、本発明の脂肪酸セルロースエステルフイ
ルムは、過酷な条件下で保存しても物性がほとんど劣化
しない。よって、本発明のフイルムは、保存性について
の要求が厳しい用途においても問題なく利用することが
できる。
【0010】[発明の詳細な記述]本発明のフイルム
は、リン酸エステル系可塑剤に加えてグアニジン類を含
むことを特徴とする。本明細書において、「グアニジン
類」とは、グアニジンおよびその誘導体を意味する。グ
アニジンの誘導体とは、グアニジンの水素原子(計5
個)のいくつかが脂肪族基、芳香族基または複素環基で
置換された化合物である。グアニジンの誘導体には、2
つの置換基が結合した環状グアニジンも含まれる。好ま
しいグアニジン類は下記式[I]で表される。
【0011】
【化2】 式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ、
水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、アラルキル基または複素環基である。水素
原子、アルキル基およびアリール基が好ましい。各基は
置換基を有してもよい。任意の2つの基は結合して、5
員または6員の含窒素複素環を形成してもよい。
【0012】上記アルキル基の炭素原子数は1乃至20
であることが好ましく、1乃至10であることがさらに
好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。アルキ
ル基は直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。アルキ
ル基の例としては、メチル、i−プロピル、n−ブチ
ル、t−ブチルおよびシクロヘキシルを挙げることがで
きる。
【0013】上記アルケニル基の炭素原子数は2乃至2
0であることが好ましく、2乃至10であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アル
ケニル基は直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。ア
ルケニル基の例としては、ビニルおよびアリルを挙げる
ことができる。
【0014】上記アルキニル基の炭素原子数は2乃至2
0であることが好ましく、2乃至10であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アル
キニル基は直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。ア
ルキニル基の例としては、プロピニルおよびプロパルギ
ルを挙げることができる。
【0015】上記アリール基の炭素原子数は6乃至20
であることが好ましい。アリール基の例としては、フェ
ニルおよびナフチルを挙げることができる。
【0016】上記アラルキル基の炭素原子数は7乃至2
0であることが好ましい。アラルキル基の例としては、
ベンジルを挙げることができる。
【0017】上記複素環基は5員または6員の複素環を
有していることが好ましい。複素環基が有する複素環の
例としては、フラン環、ピロール環およびイミダゾール
環を挙げることができる。
【0018】以下にグアニジン類の具体例を示す。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】以上のグアニジン類は、記録材料の添加剤
あるいは医薬品として公知の化合物であり、容易に合成
することができる。
【0026】グアニジン類は、脂肪酸セルロースエステ
ルに対して0.1乃至3重量%用いる。グアニジン類は
0.2乃至1.0重量%用いることが好ましい。0.1
重量%は、本発明の劣化防止効果を得るために最低限必
要な量である。グアニジン類の添加量が3重量%を越え
ても、劣化防止効果が低下する。また、過剰量を添加す
るとグアニジン類とエステルの相溶性の限度を越え、白
濁、表面へのブリードあるいは着色が起きる。
【0027】本発明のフイルムに用いる脂肪酸セルロー
スエステルは、好ましくは低級脂肪酸(炭素原子数6以
下)とセルロースのエステルである。脂肪酸セルロース
エステルの例としては、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートブチレートおよびセルロースアセテート
プロピオネートを挙げることができる。セルロースアセ
テート(特にセルローストリアセテート)が代表的であ
る。セルロースアセテートのアセチル基は37乃至6
2.5%の範囲であることが好ましい。
【0028】セルロースエステルフイルムの厚さは、1
0μm乃至500μmであることが好ましく、50μm
乃至200μmであることがさらに好ましい。
【0029】次にリン酸エステル系可塑剤について説明
する。代表的なリン酸エステル系可塑剤を下記式[II
a]および[IIb]で示す。
【0030】
【化9】
【0031】式[IIa]および[IIb]において、
21、R22、R23、R24、R25、R26およびR27はそれ
ぞれ、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であ
る。各基は置換基を有してもよい。アルキル基の炭素原
子数は1乃至12であることが好ましい。アルキル基は
直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。アルキル基の
例としては、メチル、エチルブチル、シクロヘキシルお
よびオクチルを挙げることができる。アリール基の例と
してはフェニルを挙げることができる。アラルキル基の
例としては、ベンジルを挙げることができる。上記置換
基の例としては、アルキル基(例、メチル)、アリール
基(例、フェニル)、アルコキシ基(例、メトキシ、ブ
トキシ)およびアリールオキシ基(例、フェノキシ)を
挙げることができる。
【0032】式[IIb]において、R28は、アルキレン
基、アリーレン基、スルホニル基およびそれらの組み合
わせから選ばれる2価の連結基である。mは1以上の整
数であり、1乃至10であることが好ましい。
【0033】以下に、式[IIa]および[IIb]で表さ
れるリン酸エステル系可塑剤の具体例を示す。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】上記式(IIa−1)のトリフェニルホスフ
ェートが特に好ましい。リン酸エステル系可塑剤に加え
て、他の可塑剤を併用してもよい。
【0055】可塑剤の総量は、一般にセルロースエステ
ルに対して5乃至20重量%の範囲である。本発明で
は、リン酸エステル系可塑剤の問題点が解決されるた
め、可塑剤は比較的多量に(セルロールエステルに対し
て10乃至40重量%)用いることができる。
【0056】グアニジン類は、フイルムを製造する際の
溶液製膜工程中に添加することが好ましい。グアニジン
類を溶液製膜工程で添加する方法は、特に新たな設備を
必要としないで本発明のフイルムを製造できる。
【0057】溶液製膜工程では、セルロースエステルを
溶媒に溶解させて得たドープを支持体上に流延してフイ
ルムを製造する。
【0058】ドープの好ましい組成を以下に示す。 (1)セルロースエステルを含む固形分:18〜35重
量% (2)溶媒:65〜82重量%(溶媒の好ましい組成を
以下に示す) (2−1)セルロースエステルの良溶媒(例、メチレン
クロライド):75〜87重量% (2−2)セルロースエステルの貧溶媒:0〜25重量
【0059】ドープ中のセルロースエステルの濃度は、
比較的高めであることが好ましい。セルロースエステル
を含む固形分(乾燥後固体となる成分の和)の濃度は、
20〜35重量%であることが好ましい。その他の固形
分には、グアニジン類、リン酸エステル系可塑剤や必要
により加えられる各種添加剤が含まれる。
【0060】グアニジン化合物はセルロースエステル1
00重量部に対して0.1〜3重量部を配合する。0.
2〜1.0重量部を配合することが好ましい。
【0061】次に製膜工程における条件についてさらに
詳細に説明する。溶媒としては、メチレンクロライド等
のセルロースエステルの良溶媒を用いる。良溶媒に炭素
数1〜4のアルコール類(例、n−ブタノール)やシク
ロヘキサン等のセルロースエステルに対する貧溶媒を加
えて、混合溶媒として使用することが好ましい。2種以
上の良溶媒または貧溶媒を併用してもよい。特に以下に
述べるドープの冷却ゲル化を促進するためには、良溶媒
と貧溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。
【0062】好ましい溶媒組成は、上記のようにメチレ
ンクロライドが75〜87%重量%および貧溶媒が0〜
25重量%である。上記の組成を用いると後述の方法に
よるドープの製造が容易である。また、上記の組成のド
ープは、10℃以下の温度に冷却するとゲル化するた
め、ドープを塗布した支持体からの剥ぎ取りが容易であ
る。ドープのゲル化温度は、セルロースエステルの濃度
および溶媒組成に依存する。ドープは、セルロースエス
テルと溶媒を加圧容器に入れて密閉し、加圧下で加熱し
ながら撹拌することによって調製できる。加熱温度は、
溶媒の常圧における沸点以上で、かつ加圧下で該溶媒が
沸騰しない温度の範囲に設定する。
【0063】セルロースエステル、溶媒、リン酸エステ
ル系可塑剤、グアニジン類、その他の添加剤は、予め粗
混合してから加圧容器に入れてもよい。加圧容器につい
て特に制限はない。加圧容器には、撹拌装置が付属して
いることが好ましい。加圧容器内で圧力を加えながら、
各成分を溶媒中に溶解する。加圧により、常圧における
沸点以上に加熱することができる。また、加圧により沸
騰を抑えて過濃縮状態を生じないようにしてゲル発生を
防止する。一方、加熱により溶解度および溶解速度を上
昇させ、短時間に完全に各成分を溶解することができ
る。
【0064】加圧は、窒素ガスなどの不活性気体を容器
に圧入して行うことができる。また、加熱による溶媒の
蒸気圧の上昇を利用して加圧してもよい。さらに、加圧
容器を密閉後セルロースエステル、溶媒、その他の添加
物の一部または全部を容器に圧入し、これにより容器内
の気相容積を減少させて加圧することもできる。加熱は
外部から行うようにすることが好ましい。加熱手段は、
ジャケットタイプのように、容器に付属していることが
好ましい。また、外部にプレートヒータ等を設け、配管
でつないで循環させることによる加熱も可能である。撹
拌翼は、容器壁の近くに達する程度の長さとすることが
好ましい。撹拌翼の端には、容器壁の液膜を更新するた
めに掻取り翼を設けることが好ましい。加圧容器には、
圧力計や温度計などの計器類を設けてもよい。加圧容器
に前述の原料を入れて、加圧下で加熱する。加熱温度は
溶媒の常圧における沸点以上で、加圧下で溶媒が沸騰し
ない範囲である。この温度は60℃以上が好ましく、特
に80乃至110℃であることがさらに好ましい。圧力
は、こ温度において溶媒が沸騰しないように調整する。
調製したドープは冷却してから加圧容器から取り出す。
あるいは、容器からポンプ等で抜きだし、その後、熱交
換器等を用いて冷却してもよい。
【0065】ドープの流延方式にはバンド流延方式とド
ラム流延方式がある。流延部を冷却する方法(特開昭6
2−37113号公報記載)には、冷媒あるいは冷風に
よる方法およびヒートパイプによる方法がある。冷却温
度は支持体(バンドまたはドラム)の表面温度が10℃
以下、好ましくは5℃以下になるようにする。乾燥風は
使用しなくともよいが、支持体の表面温度を上昇させな
ければ、使用してもよい。流延後、支持体からフイルム
を剥離する。剥離後、フイルムを横方向に一定のテンシ
ョンをかけながら乾燥し、フイルム中に一定量の溶媒が
残存するようにフイルムを製造することが好ましい(特
開昭62−115035号公報記載)。
【0066】以上のように製造した本発明の脂肪族セル
ロースエステルフイルムは、写真フイルム等の記録材料
の支持体、偏光板保護フイルム、光学フィルター、離型
フイルム等の様々な用途において利用することができ
る。
【0067】
【実施例】下記の組成物を調製した。 ──────────────────────────────────── 比較試料 試料1 試料2 試料3 ──────────────────────────────────── セルローストリアセテート 100 100 100 100 トリフェニルホスフェート 16 16 16 16 1,3−ジフェニルグアニジン 0 0.25 0.5 1.0 メチレンクロライド 270 270 270 270 ブタノール 7 7 7 7 メタノール 70 70 70 70 ────────────────────────────────────
【0068】上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下
で、温度を80℃に保ちながら、撹拌して完全に溶解
し、ドープを得た。次に、このドープを濾過し、冷却し
て温度を25℃に保ちながら、回転している直径30c
mのジャケット付ドラム上に流延した。ドラムは、伝熱
性、耐蝕性および平面性を保つ必要から、SB材の上
に、約50μmのNi層を鍍金し、さらに約40μmの
ハードクロム鍍金を2回施した表面を、0.01〜0.
05Sの超鏡面研磨したものを使用した。このときドラ
ムは、ジャケットに冷水を通し、表面温度は0℃となる
ように保持しておいた。流延速度は3m/分に固定し
た。流延位置から流延方向に270度回転した位置で剥
ぎ取り、ロールを介してフイルムを剥離し、3.15m
/分の速度でベースをひきとり、流延方向に5%流延し
た。剥ぎ取ったベースは、両側を固定し、70℃の熱風
によって乾燥して、厚さ140μmおよび80μmのフ
イルムを得た。
【0069】次に劣化防止効果の評価法について説明す
る。厚さ140μmのフイルム2.0gを,15ml容
のガラス容器に入れ、90℃、相対湿度100%条件下
で24時間調湿した。ついで、容器を密封して90℃、
相対湿度100%条件下で120時間湿熱処理を行っ
た。また、感圧接着層を設けた偏光板保護フイルム(厚
さ80m)の場合は、条件を85℃、相対湿度95%5
00時間とした。
【0070】処理後、得られた試料を40℃のメチルア
ルコール浴に30分浸漬した。これを4回繰り返してリ
ンスし、試料に含有されるセルロースアセテート以外の
添加剤成分を除去した。除去後、50℃で15時間真空
乾燥した。ハロゲン化銀写真感光材料の支持体の場合
は、リンス操作の前に乳剤層の脱膜操作を行った。すな
わち、タンパク質分解酵素(ビオプラーゼSP4、ナガ
セ生化学工業(株))の1%水溶液に一晩浸漬し、よく
水洗いして乳剤層を除去した。この後、他の試料と同様
に、リンス操作を行い乾燥した。
【0071】リンスおよび乾燥処理後、得られた試料を
1g/100mlの濃度のトリフルオロ酢酸に溶解して
溶液を得た。溶液は測定前まで5℃で冷蔵保存し、0.
5μm孔径のPTFEフィルター(ミレックスLS、ミ
リポア)で濾過後、溶液の相対粘度を測定した。具体的
には、約10mlの溶液をウベロード粘度計(30℃の
水の流下時間が約30秒のもの)に入れ、流下時間を測
定した。試料溶液について得られた流下時間をトリフル
オロ酢酸溶媒のみについて測定して得られた流下時間で
徐し、溶媒の流下時間に対する溶液の流下時間の比を得
た。これが相対粘度であり、試料の重合度に対応する値
である。
【0072】劣化防止効果の評価は、湿熱処理後の
{(試料の相対粘度)−1}、すなわち比粘度を、湿熱
処理前の{(試料の相対粘度)−1}、すなわち比粘度
で除して得られた、処理前に対する処理後の比粘度の比
を100分率で表わす。これを粘度保持率(%)と定義
し、試料の重合度低下の指標とする。すなわち、粘度保
持率(%)が100に近いほど重合度は湿熱処理によっ
ても低下していないことを示し、劣化防止効果が大きい
ことを表わす。以上の評価法は実際の保存条件により著
しく過酷なものである。これにより実際の保存条件での
劣化防止効果について、短時間で評価することができ
る。また重合度低下の指標は、フイルムの重要な物性
(耐折強度、引裂強度等)の低下の指標にも対応してお
り、粘度保持率(%)が100に近いほどフイルム物性
の低下も生じにくいことを示している。得られた結果を
まとめて第1表に示す。
【0073】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 劣化防止効果の評価結果 フイルム単体の場合 感圧接着層を設けた場合 ───────────────────────────── 試料番号 粘度保持率 着色度1) 脆さ2) ──────────────────────────────────── 試料1 85% 〇 〇 試料2 95% ◎ ◎ 試料3 95% ◎ ◎ 比較試料 32% × △ ──────────────────────────────────── 註:1)×:褐色、〇:薄い褐色、◎:無色 2)△:クラックあり、曲げると割れる 〇:数回曲げると割れる ◎:数回曲げても割れない
【0074】グアニジン類を含まない比較試料は、粘度
保持率が32%と小さく、重合度が湿熱処理前に比較し
て大きく低下している。グアニジン化合物を添加した本
発明の試料1〜3は、粘度保持率が大きく、湿熱処理後
も重合度が低下していないことを示している。また、感
圧接着層を設けた偏光板保護フイルムにおいても顕著な
劣化防止効果が認められる。以上のように、本発明に従
い著しい劣化防止効果を有する脂肪族セルロースエステ
ルフイルムを得ることができた。このフイルムを支持体
として用いて得られたハロゲン化銀写真感光材料は透明
性、着色、写真性いずれも問題がなく、光学フィルター
や離型用フイルムとしての使用にも支障は認められなか
った。すなわち、本発明のフイルムは、これらの用途に
有利に利用でき、なおかつ劣化防止効果が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/76

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸エステル系可塑剤を含む脂肪酸セ
    ルロースエステルフイルムであって、さらにグアニジン
    類を脂肪酸セルロースエステルに対して0.1乃至3重
    量%含むフイルム。
  2. 【請求項2】 上記グアニジン類が下記式[I]で表さ
    れる請求項1記載のフイルム。 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ、
    水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
    アリール基、アラルキル基または複素環基であり、各基
    は置換基を有してもよく、そして任意の2つの基が結合
    して5員または6員の含窒素複素環を形成してもよい。
  3. 【請求項3】 上記脂肪酸セルロースエステルがセルロ
    ースアセテートである請求項1記載のフイルム。
JP10615592A 1992-03-30 1992-03-30 セルロースエステルフイルム Withdrawn JPH05271471A (ja)

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JP10615592A JPH05271471A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 セルロースエステルフイルム

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JP10615592A JPH05271471A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 セルロースエステルフイルム

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ID=14426425

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JP10615592A Withdrawn JPH05271471A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 セルロースエステルフイルム

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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