[go: up one dir, main page]

JPH05265497A - 音声符号化方式及び音声復号化方式 - Google Patents

音声符号化方式及び音声復号化方式

Info

Publication number
JPH05265497A
JPH05265497A JP4060198A JP6019892A JPH05265497A JP H05265497 A JPH05265497 A JP H05265497A JP 4060198 A JP4060198 A JP 4060198A JP 6019892 A JP6019892 A JP 6019892A JP H05265497 A JPH05265497 A JP H05265497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
delta
unit
codebook
correlation
tree structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4060198A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ota
恭士 大田
Tomohiko Taniguchi
智彦 谷口
Yoshiaki Tanaka
良紀 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP4060198A priority Critical patent/JPH05265497A/ja
Publication of JPH05265497A publication Critical patent/JPH05265497A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、音声符号化方式及び音声復号化方
式に関し、符号語の分布に偏りが生じないようにして、
量子化精度の向上をはかることを目的とする。 【構成】 デルタ符号帳11と木構造デルタ符号帳検索
部18とをそなえた音声符号化方式または、デルタ符号
帳21と木構造デルタ符号語生成部28とをそなえた音
声復号化方式において、再生デルタ符号語同士の相関値
を計算する相関計算部15,25と、相関計算部15,
25で得られた相関値と所定のしきい値とを比較する判
定部16,26と、判定部16,26での判定結果に基
づき相関値がしきい値よりも大きい場合は再生デルタ符
号語の一方について差分ベクトル変換を施して木構造デ
ルタ符号帳検索部18または木構造デルタ符号語生成部
28へ入力するベクトル変換部17,27とをそなえる
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声符号化方式及び音
声復号化方式に関する。例えば、音声信号の情報圧縮を
行なうための符号化方式として、4〜16kb/sの伝
送速度で符号化を行なうためのAnalysis−by
−Synthesis(合成による分析)型ベクトル量
子化を用いる音声符号化方式が提案されている。かかる
符号化方式を使用したものとしては、CELP符号器が
ある。
【0002】そして、このような方式による音声符号器
は、企業内通信システム・ディジタル移動無線システム
等において、音声品質を保ちつつ情報圧縮を実現するも
のとして、その要望が高まりつつある。
【0003】
【従来の技術】図7は、CELP音声符号器等で用いら
れている合成による分析手法(この手法Analysi
s−by−Synthesisを略してA−b−Sとい
う)によるベクトル量子化について、その一般的な構成
を示したものである。この図7において、71はコード
ベクトルを記憶する符号帳、72はゲイン設定器、73
は線型予測合成フィルタ、74は誤差演算器、75は誤
差電力評価手段であるが、このような構成により、A−
b−Sによるベクトル量子化では通常のベクトル量子化
と異なり符号帳71の各コードベクトルCに線形予測合
成フィルタ73を施した後の再生信号ベクトルACに対
して、入力信号ベクトルXとの間の誤差信号Eの電力を
評価関数(距離尺度)として符号帳71の探索が行なわ
れる。
【0004】従って、最適なコードベクトルおよびゲイ
ンは、以下の(1)式に示す誤差電力|E|2 を最小化
するものとして決定されるが、実際には、以下の
(2),(3)式の相互相関および自己相関をもとに、
(4)式によって、コードベクトルのインデックスC
が、まず決定され、選ばれたコードベクトルに対するゲ
インgが(5)式によって決定される。
【0005】 |E|2 =|X−gAC|2 ・・(1) d|E|2 /dg=0 g=(XT AC)/((AC)T (AC)) |E|2 =|X|2 −(XT AC)2 /((AC)T (AC)) Rxc=XT AC ・・(2) Rcc=(AC)T (AC) ・・(3) C=argmax(Rxc2 /Rcc) ・・(4) g=Rxc/Rcc ・・(5) 図8は、A−b−Sによるベクトル量子化について、そ
の符号帳探索を実現するうえで必要となる演算機能につ
いて示したものである。すなわち、この図8において、
81はN次元でサイズがMの符号帳、82は分析次数が
P の線型予測合成フィルタ(LPC合成フィルタ)、
83は音声入力と線型予測合成フィルタ82の出力の相
互相関を演算する相互相関演算器、84は相互相関演算
器83の出力について自乗演算を施す自乗器、85は線
型予測合成フィルタ82の出力の自己相関を演算する自
己相関演算器、86は自乗器84の出力を自己相関演算
器85の出力で割る割算器、87は割算器85の結果の
最大値についてのアーギュメントを求める演算器であ
る。
【0006】そして、この図8に示すように、符号帳8
1の探索の処理のうちで主なものは、コードベクトルに
対するフィルタ(処理線型予測合成フィルタ82による
処理)、相互相関Rxcの算出(相互相関演算器83に
よる処理)および自己相関Rccの算出(自己相関演算
器85による処理)の3つである。この場合、それぞれ
に要する演算量は、線型予測合成フィルタ82の次数を
P 、ベクトル量子化の次元をND とすると、NP ×N
D ,ND およびND であり、従って、コードベクトル1
本当り符号帳探索に要する演算量は、(NP +2)×N
D となる。また、通常用いられる符号帳81は40次元
・符号帳サイズ1024(ND =40,M=1024)
程度のものであり、線型予測フィルタ82の分析次数が
10次程度であるため、1回の符号帳探索に、(10+
2)×40×1024=480Kの積和算を要すること
になる。
【0007】したがって、このような符号帳探索が音声
符号化のサブフレーム(5ms)毎に行なわれるために
は、96Mopsという膨大な処理能力が必要となり、
現在の最高速のディジタルシグナルプロセッサ(DS
P;許容演算量20〜40Mops)をもってしても、
その実時間実現には数チップを要してしまう。また、こ
のような符号帳をテーブルとして記憶・保持するために
は、従来全てのサンプルの格納が必要であるので、40
×1024=40Kwordものメモリ容量が必要とな
る。
【0008】さらに、A−b−S型ベクトル量子化を用
いた音声符号器の適用領域と考えられる自動車・携帯電
話においては、装置の小型化・低消費電力化が必須の条
件であり、先に述べた膨大な演算量や膨大なメモリ容量
は、いずれも符号器実現上の重大な障害となっている。
そこで、各符号語をデルタベクトルを幹とする木構造的
に配して構成した特殊な構造の符号帳を従来の符号帳の
代わりに用いる木構造デルタ符号帳が提案されている。
その符号帳の原理により、各符号語をこのデルタベクト
ルを幹とする木構造的に配して構成した符号帳の構成図
を示すと、図11のようになる。
【0009】ここで、図9は上記の木構造デルタ符号帳
を使用する音声符号化部のブロック図であり、図10は
上記の木構造デルタ符号帳を使用する音声復号化部のブ
ロック図である。そして、図9に示す音声符号化部は、
デルタ符号帳91,線型予測合成フィルタ92,ピッチ
直交化部93,バッファ94,木構造デルタ符号帳探索
部95,木構造デルタ符号語生成部96をそなえてい
る。
【0010】ここで、デルタ符号帳91は図11に示す
ような木構造を形成すべき複数のデルタ符号語を記憶す
るものであり、線型予測合成フィルタ92はデルタ符号
帳91で得られたデルタ符号語に対し所要の重み付けを
施して再生デルタ符号語を出力するもので、ピッチ直交
化部93は再生デルタ符号語情報とピッチベクトル情報
とを受けて直交成分だけを抽出するもので、バッファ9
4はピッチ直交化部93の出力を一時的に保持しておく
メモリである。
【0011】木構造デルタ符号帳探索部95は、バッフ
ァ94に記憶されている再生デルタ符号語データと入力
音声とに基づき、合成による分析手法(A−b−S)を
用いて、所要のデルタ符号語をデルタ符号帳91から検
索するもので、この木構造デルタ符号帳探索部95で検
索されたデータ(インデックス情報)が量子ベクトル情
報として、音声復号化部(図10参照)へ送られるよう
になっている。
【0012】木構造デルタ符号語生成部96は、木構造
デルタ符号帳探索部95の出力に基づき木構造デルタ符
号語を生成するものであるが、この木構造デルタ符号語
生成部96の出力はピッチベクトルを同定するためのコ
ードブックを検索するピッチ検索部へ入力されるように
なっている。このようにして、再生デルタ符号語データ
と入力音声とに基づき、合成による分析手法(A−b−
S)を用いて、所要のデルタ符号語がデルタ符号帳91
から検索されて、この検索データ(インデックス情報)
が量子ベクトル情報として、図10に示す音声復号化部
へ送られるようになっている。
【0013】また、図10に示す音声復号化部は、デル
タ符号帳101,線型予測合成フィルタ102,ピッチ
直交化部103,バッファ104,木構造デルタ符号語
生成部105をそなえている。ここで、デルタ符号帳1
01も音声符号化部のデルタ符号帳91と同じように図
11に示すような木構造を形成すべき複数のデルタ符号
語を記憶するものであり、線型予測合成フィルタ102
はデルタ符号帳101で得られたデルタ符号語に対し所
要の重み付けを施して再生デルタ符号語を出力するもの
で、ピッチ直交化部103は再生デルタ符号語情報とピ
ッチベクトル情報とを受けて直交成分だけを抽出するも
ので、バッファ104はピッチ直交化部103の出力を
一時的に保持しておくメモリである。すなわち、音声復
号化部においても、音声符号化部におけるデルタ符号
帳,線型予測合成フィルタ,ピッチ直交化部,バッファ
と同じものを装備しているのである。
【0014】また、木構造デルタ符号語生成部105
は、デルタ符号帳101からのデルタ符号語に対し所要
の重み付けを施した再生デルタ符号語と音声符号化部
(図9参照)において符号化された量子ベクトル情報
(インデックス情報)とに基づき、再生音声を復号する
ものである。このようにして、この音声復号化部では、
デルタ符号帳101からのデルタ符号語に対し所要の重
み付けを施した再生デルタ符号語と音声符号化部(図9
参照)において符号化された量子ベクトル情報(インデ
ックス情報)とに基づき、再生音声が復号されるように
なっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものでは、各符号語が、基本コードベクトル
O を基に、それ以前に生成されている符号語に対し各
層に対応するデルタベクトルΔCiを加える(あるいは
差し引く)ことにより生成されていくので、図12,図
13(a)〜(c)に示すように、符号語の分布がどう
してもベクトルC O に対しΔCn の相関が強くなると、
極度の偏りをもつことになり、量子ベクトルの特性上、
このような偏りは量子化効率を低下させ、再生音声品質
に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0016】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、符号語の分布に偏りが生じないようにして、
量子化精度の向上をはかった音声符号化方式及び音声復
号化方式を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理ブロ
ック図で、この図1において、1は音声符号化部、2は
音声復号化部である。そして、音声符号化部1は、デル
タ符号帳11,線型予測合成フィルタ12,相関計算部
15,判定部16,ベクトル変換部17,木構造デルタ
符号帳探索部18をそなえている。
【0018】ここで、デルタ符号帳11は、木構造を形
成すべき複数のデルタ符号語を記憶するものであり、線
型予測合成フィルタ12はデルタ符号帳11で得られた
デルタ符号語に対し所要の重み付けを施して再生デルタ
符号語を出力するもので、木構造デルタ符号帳探索部1
8は、デルタ符号帳11からのデルタ符号語に対し所要
の重み付けを施した再生デルタ符号語と入力音声とに基
づき、合成による分析手法を用いて、所要のデルタ符号
語をデルタ符号帳11から検索するものである。
【0019】また、相関計算部15は、再生デルタ符号
語同士の相関値を計算するものであり、判定部16は、
相関計算部15で得られた相関値と所定のしきい値とを
比較するものであり、ベクトル変換部17は、判定部1
6での判定結果に基づき、相関値がしきい値よりも大き
い場合は、再生デルタ符号語の一方について差分ベクト
ル変換を施して、木構造デルタ符号帳検索部18へ入力
するものである。
【0020】そして、この場合、相関計算部15は、隣
接する再生デルタ符号語同士の相関値だけを計算すべく
構成されている。さらに、音声復号化部2は、デルタ符
号帳21,線型予測合成フィルタ22,相関計算部2
5,判定部26,ベクトル変換部27,木構造デルタ符
号語生成部28をそなえている。
【0021】ここで、デルタ符号帳21は、木構造を形
成すべき複数のデルタ符号語を記憶するものであり、線
型予測合成フィルタ12はデルタ符号帳11で得られた
デルタ符号語に対し所要の重み付けを施して再生デルタ
符号語を出力するもので、木構造デルタ符号語生成部2
8は、デルタ符号帳21からのデルタ符号語に対し所要
の重み付けを施した再生デルタ符号語と音声符号化部1
において符号化された量子ベクトル情報とに基づき、再
生音声を復号するものである。
【0022】また、相関計算部25は、再生デルタ符号
語同士の相関値を計算するものであり、判定部26は、
相関計算部25で得られた相関値と所定のしきい値とを
比較するものであり、ベクトル変換部27は、判定部2
6での判定結果に基づき、相関値がしきい値よりも大き
い場合は、再生デルタ符号語の一方について差分ベクト
ル変換を施して、木構造デルタ符号語生成部28へ入力
するものである。
【0023】そして、この場合、相関計算部25は、隣
接する再生デルタ符号語同士の相関値だけを計算すべく
構成されている。
【0024】
【作用】上述の本発明の音声符号化方式では、木構造デ
ルタ符号帳探索部18で、デルタ符号帳11からのデル
タ符号語に対し所要の重み付けを施した再生デルタ符号
語と入力音声とに基づき、合成による分析手法を用い
て、所要のデルタ符号語をデルタ符号帳11から検索し
て、この検索結果が音声復号化部2へ送られるが、この
とき、相関計算部15では、再生デルタ符号語同士の相
関値を計算し、更に判定部16では、相関計算部15で
得られた相関値と所定のしきい値とを比較し、更にベク
トル変換部17では、判定部16での判定結果に基づ
き、相関値がしきい値よりも大きい場合は、再生デルタ
符号語の一方について差分ベクトル変換を施して、木構
造デルタ符号帳検索部18へ入力する。
【0025】そして、この場合、相関計算部15では、
隣接する再生デルタ符号語同士の相関値だけを計算して
いる。さらに、本発明の音声復号化方式では、木構造デ
ルタ符号語生成部28で、デルタ符号帳21からのデル
タ符号語に対し所要の重み付けを施した再生デルタ符号
語と音声符号化部1において符号化された量子ベクトル
情報とに基づき、再生音声が復号されるが、このとき、
相関計算部25では、再生デルタ符号語同士の相関値を
計算し、更に判定部26では、相関計算部25で得られ
た相関値と所定のしきい値とを比較し、更にベクトル変
換部27では、判定部26での判定結果に基づき、相関
値がしきい値よりも大きい場合は、再生デルタ符号語の
一方について差分ベクトル変換を施して、木構造デルタ
符号語生成部28へ入力する。
【0026】そして、この場合も、相関計算部25で
は、隣接する再生デルタ符号語同士の相関値だけを計算
する。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図2は本発明の一実施例としての音声符号化部を
示すブロック図であるが、この図2に示す音声符号化部
1は、デルタ符号帳11,線型予測合成フィルタ12,
ピッチ直交化部13,バッファ14A,14B,相関計
算部15,判定部16,ベクトル変換部17,木構造デ
ルタ符号帳探索部18,木構造デルタ符号語生成部19
をそなえている。
【0028】ここで、デルタ符号帳11は前述の図11
に示すような木構造を形成すべき複数のデルタ符号語を
記憶するものであり、線型予測合成フィルタ12はデル
タ符号帳11で得られたデルタ符号語に対し所要の重み
付けを施して再生デルタ符号語を出力するもので、ピッ
チ直交化部13は再生デルタ符号語情報とピッチベクト
ル情報とを受けて直交成分だけを抽出するもので、バッ
ファ14Aはピッチ直交化部13の出力を一時的に保持
しておくメモリである。
【0029】木構造デルタ符号帳探索部18は、再生デ
ルタ符号語データと入力音声とに基づき、合成による分
析手法(A−b−S)を用いて、所要のデルタ符号語を
デルタ符号帳11から検索するもので、この木構造デル
タ符号帳探索部18で検索されたデータ(インデックス
情報)が量子ベクトル情報として、音声復号化部(図3
参照)へ送られるようになっている。
【0030】木構造デルタ符号語生成部19は、木構造
デルタ符号帳探索部18の出力に基づき木構造デルタ符
号語を生成するものであるが、この木構造デルタ符号語
生成部19の出力はピッチベクトルを同定するためのコ
ードブックを検索するピッチ検索部へ入力されるように
なっている。以上のデルタ符号帳11,線型予測合成フ
ィルタ12,ピッチ直交化部13,木構造デルタ符号帳
探索部18,木構造デルタ符号語生成部19について
は、従来のものと同じ機能を有するものである。
【0031】ところで、本実施例では、従来例(図9参
照)と比べて、隣合う符号語同士の相関を計算する相関
計算部15,またその相関計算結果を受けてあるしきい
値THRにより動作のON/OFFを制御する判定部1
6,そしてその制御を受けて差分ベクトルに変換するベ
クトル変換部17の3つが付け加えられている。それぞ
れの部分の動作を以下に示す。
【0032】まず、相関計算部15は、線形予測合成フ
ィルタリング、ピッチ直交化変換処理された後の線形予
測合成フィルタリングの結果を格納しているメモリ(バ
ッファ)14Aのトップより2本の符号語を順次引出
し、互いの間の相関値を計算するもので、この場合の相
関計算式は次の通りである。 R(ΔCn ,ΔCn+1 ) =Σ(ΔCn (i) −ΔCn+1 (i) )2 /(ΣΔCn (i)2 ×ΣΔCn+1(i)2 ) ・・・(6) また、判定部16は、相関計算部15での相関値を受け
て、しきい値THRを基に次のような動作制御を行な
う。
【0033】もし、R(ΔCn ,ΔCn+1 )>THRで
あるなら、オン動作を行なう一方、もし、R(ΔCn
ΔCn+1 )≦THRであるなら、オフ動作を行なう。さ
らに、ベクトル変換部17は、判定部16よりの制御情
報を受けて、ベクトルの変換作業を行なう。すなわち、
ベクトル変換部17は、判定部16での判定結果に基づ
き、相関値がしきい値THRよりも大きい場合は、再生
デルタ符号語の一方について差分ベクトル変換を施す。
【0034】例えば、図4(a)に示すようなAΔ
n ,AΔCn+1 について、その相関がしきい値THR
より大きい場合は、図4(b)に示すように、AΔCn
の符号を反転して、−AΔCn とし、AΔCn+1 −AΔ
CをAΔC′n+1 と置くのである。なお、このベクトル
変換部17は、判定部16での判定結果に基づき、相関
値がしきい値THR以下の場合は、再生デルタ符号語に
ついて差分ベクトル変換を施さない。
【0035】また、上記の作業は探索処理ループの外で
適用しているので、演算量の増大は低く抑えられるよう
になっている。さらに、バッファ14Bはベクトル変換
部17の出力を一時的に保持しておくメモリである。こ
のように、本実施例では、相関計算部15,判定部1
6,ベクトル変換部17を設けることにより、符号語の
分布の偏りを補正し、特性を改善することができる。す
なわち、CELP型音声符号器は、前述のように入力音
声との誤差評価は、線形予測合成フィルタを施した後の
再生信号ベクトルACに対して行なっている。今、図5
に示すようにAによるフィルタリング(変換)の結果、
デルタベクトル間に強い相関が生じたとする。このまま
木構造デルタ符号帳の生成則に従って符号語を合成して
いくと、図6(a),(b)に示すように極端に偏りを
持った符号語群が形成されてしまう。そこで、フィルタ
リング(変換)後のデルタ符号語について、この相関を
除去するように補正をかけ、偏りを修正するのである。
【0036】すなわち、木構造デルタ符号帳の各符号語
は、たとえ設計段階で互いの相関を取り除かれていて
も、誤差評価のための線形予測合成フィルタリングによ
り、異なる方向を有するベクトル群に変換される。ま
た、ピッチ直交化手法などの適用により、設計段階の無
相関化のみでは、木構造デルタ符号帳の持つ問題点の解
決には不十分である。
【0037】そこで、線形予測合成フィルタリングやピ
ッチ直交化変換などが施された後のベクトル群に対して
行なう補正処理を考えるのである。また、木構造デルタ
符号帳では、図11に示すように左端より右に各層毎に
デルタ符号語が加えられて構成されていく。そのため、
理想的には、各デルタ符号語のすべての組み合わせにお
いて無相関化が望ましいが、必要な演算量が膨大になり
木構造デルタ符号帳本来の特色が失われてしまう。そこ
で、隣合う符号語同士での処理に限定し、次のデルタ符
号語との相関を計算する。
【0038】そして、その相関値があるしきい値THR
以上の場合、次ベクトルを差分ベクトルに変換するので
ある〔図4(a),(b)参照〕。これにより、簡単に
相関は除去でき、階層の深いデルタ符号語について順次
行なえば符号帳全体の偏りがかなり補正され、量子化精
度の向上が望めるのである。
【0039】図3は本発明の一実施例としての音声復号
化部を示すブロック図で、この図3に示す音声符号化部
2は、デルタ符号帳21,線型予測合成フィルタ22,
ピッチ直交化部23,バッファ24A,24B,相関計
算部25,判定部26,ベクトル変換部27,木構造デ
ルタ符号語生成部28をそなえている。ここで、デルタ
符号帳21も音声符号化部1のデルタ符号帳11と同じ
ように図11に示すような木構造を形成すべき複数のデ
ルタ符号語を記憶するものであり、線型予測合成フィル
タ22はデルタ符号帳21で得られたデルタ符号語に対
し所要の重み付けを施して再生デルタ符号語を出力する
もので、ピッチ直交化部23は再生デルタ符号語情報と
ピッチベクトル情報とを受けて直交成分だけを抽出する
もので、バッファ24Aはピッチ直交化部23の出力を
一時的に保持しておくメモリである。すなわち、音声復
号化部においても、音声符号化部1におけるデルタ符号
帳11,線型予測合成フィルタ12,ピッチ直交化部1
3,バッファ14Aと同じものを装備しているのであ
る。
【0040】また、木構造デルタ符号語生成部28は、
デルタ符号帳21からのデルタ符号語に対し所要の重み
付けを施した再生デルタ符号語と音声符号化部1(図2
参照)において符号化された量子ベクトル情報(インデ
ックス情報)とに基づき、再生音声を復号するものであ
る。以上のデルタ符号帳21,線型予測合成フィルタ2
2,ピッチ直交化部23,木構造デルタ符号語生成部2
8については、従来のものと同じ機能を有するものであ
る。
【0041】ところで、本実施例では、前述の音声符号
化部1と同様に、従来例(図10参照)と比べて、隣合
う符号語同士の相関を計算する相関計算部25,またそ
の相関計算結果を受けてあるしきい値THRにより動作
のON/OFFを制御する判定部26,そしてその制御
を受けて差分ベクトルに変換するベクトル変換部27の
3つが付け加えられている。ここで、それぞれの部分の
動作は、前述の音声符号化ブロック1に設けられいる相
関計算部15,判定部16,ベクトル変換部17と同じ
である。
【0042】すなわち、相関計算部25は、線形予測合
成フィルタリング、ピッチ直交化変換処理された後の線
形予測合成フィルタリングの結果を格納しているメモリ
(バッファ)24Aのトップより2本の符号語を順次引
出し、互いの間の相関値を計算するもので、この場合の
相関計算式は前述の(6)式と同じである。また、判定
部26は、相関計算部25での相関値を受けて、しきい
値THRを基にもし、R(ΔCn ,ΔCn+1 )>THR
であるなら、オン動作を行なう一方、もし、R(Δ
n ,ΔCn+1 )≦THRであるなら、オフ動作を行な
う。
【0043】さらに、ベクトル変換部27は、判定部2
6よりの制御情報を受けて、ベクトルの変換作業を行な
う。すなわち、ベクトル変換部27は、判定部26での
判定結果に基づき、相関値がしきい値THRよりも大き
い場合は、再生デルタ符号語の一方について差分ベクト
ル変換を施すのである。なお、このベクトル変換部27
は、判定部26での判定結果に基づき、相関値がしきい
値THR以下の場合は、再生デルタ符号語について差分
ベクトル変換を施さない。
【0044】また、この場合の作業も生成処理ループの
外で適用しているので、演算量の増大は低く抑えられる
ようになっている。さらに、バッファ24Bはベクトル
変換部27の出力を一時的に保持しておくメモリであ
る。このようにして、本実施例にかかる音声復号化部に
おいても、相関計算部15,判定部16,ベクトル変換
部17を設けることにより、符号語の分布の偏りを補正
し、特性を改善することができるのである。
【0045】上述の構成により、図2に示す音声符号化
部1では、木構造デルタ符号帳探索部18で、デルタ符
号帳11からのデルタ符号語に対し所要の重み付けを施
した再生デルタ符号語と入力音声とに基づき、合成によ
る分析手法を用いて、所要のデルタ符号語をデルタ符号
帳11から検索して、この検索結果が図3に示す音声復
号化部2へ送られるが、このとき、相関計算部15で
は、隣接する再生デルタ符号語同士の相関値を計算し、
更に判定部16では、相関計算部15で得られた相関値
と所定のしきい値THRとを比較し、更にベクトル変換
部17では、判定部16での判定結果に基づき、相関値
がしきい値THRよりも大きい場合は、再生デルタ符号
語の一方について差分ベクトル変換を施して、木構造デ
ルタ符号帳検索部18へ入力する。
【0046】さらに、図3に示す音声復号化部2では、
木構造デルタ符号語生成部28で、デルタ符号帳21か
らのデルタ符号語に対し所要の重み付けを施した再生デ
ルタ符号語と音声符号化部1において符号化された量子
ベクトル情報とに基づき、再生音声が復号されるが、こ
のとき、相関計算部25では、隣接する再生デルタ符号
語同士の相関値を計算し、更に判定部26では、相関計
算部25で得られた相関値と所定のしきい値THRとを
比較し、更にベクトル変換部27では、判定部26での
判定結果に基づき、相関値がしきい値THRよりも大き
い場合は、再生デルタ符号語の一方について差分ベクト
ル変換を施して、木構造デルタ符号語生成部28へ入力
するのである。
【0047】このようにして、本実施例では、音声符号
化部1および音声復号化部2の両方にそれぞれ相関計算
部,判定部,ベクトル変換部を設けているので、付加情
報を符号化部から復号化部に送信することなく、符号語
の分布の偏りを補正して、特性を大幅に改善できるので
ある。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の音声符号
化方式及び音声復号化方式では、相関計算部,判定部,
ベクトル変換部を設けることにより、符号語の分布に偏
りが生じないようにして、量子化精度の向上をはかっ
て、特性を改善できる利点がある。
【0049】また、本発明の音声符号化方式及び音声復
号化方式では、隣合う符号語同士での処理に限定して、
次のデルタ符号語との相関を計算しているので、簡単に
相関は除去でき、階層の深いデルタ符号語について順次
行なえば、符号帳全体の偏りをかなり補正することがで
き、これにより量子化精度の向上を望むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる音声符号化部を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる音声復号化部を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例の作用を説明するベクトル表
現図である。
【図5】互いの相関が強い場合のデルタ符号語のベクト
ル表現図である。
【図6】互いの相関が強い場合のデルタ符号帳のベクト
ル表現図である。
【図7】A−b−S型ベクトル量子化の一般的な構成を
示すブロック図である。
【図8】符号帳探索に要する一般的な演算機能を説明す
るブロック図である。
【図9】従来の音声符号化部を示すブロック図である。
【図10】従来の音声復号化部を示すブロック図であ
る。
【図11】木構造デルタ符号の構成を説明する図であ
る。
【図12】デルタ符号語のベクトル表現図である。
【図13】デルタ符号帳のベクトル表現図である。
【符号の説明】
1 音声符号化部 2 音声復号化部 11 デルタ符号帳 12 線型予測合成フィルタ 13 ピッチ直交化部 14A,14B バッファ 15 相関計算部 16 判定部 17 ベクトル変換部 18 木構造デルタ符号帳探索部 19 木構造デルタ符号語生成部 21 デルタ符号帳 22 線型予測合成フィルタ 23 ピッチ直交化部 24A,24B バッファ 25 相関計算部 26 判定部 27 ベクトル変換部 28 木構造デルタ符号語生成部 71 符号帳 72 ゲイン設定器 73 線型予測合成フィルタ 74 誤差演算器 75 誤差電力評価手段 81 符号帳 82 線型予測合成フィルタ 83 相互相関演算器 84 自乗器 85 自己相関演算器 86 割算器 87 演算器 91 デルタ符号帳 92 線型予測合成フィルタ 93 ピッチ直交化部 94 バッファ 95 木構造デルタ符号帳探索部 96 木構造デルタ符号語生成部 101 デルタ符号帳 102 線型予測合成フィルタ 103 ピッチ直交化部 104 バッファ 105 木構造デルタ符号語生成部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木構造を形成すべき複数のデルタ符号語
    を記憶するデルタ符号帳(11)と、 該デルタ符号帳(11)からのデルタ符号語に対し所要
    の重み付けを施した再生デルタ符号語と入力音声とに基
    づき、合成による分析手法を用いて、所要のデルタ符号
    語を該デルタ符号帳(11)から検索する木構造デルタ
    符号帳検索部(18)とをそなえた音声符号化方式にお
    いて、 該再生デルタ符号語同士の相関値を計算する相関計算部
    (15)と、 該相関計算部(15)で得られた相関値と所定のしきい
    値とを比較する判定部(16)と、 該判定部(16)での判定結果に基づき、該相関値が該
    しきい値よりも大きい場合は、該再生デルタ符号語の一
    方について差分ベクトル変換を施して、該木構造デルタ
    符号帳検索部(18)へ入力するベクトル変換部(1
    7)とが設けられたことを特徴とする、音声符号化方
    式。
  2. 【請求項2】 該相関計算部(15)が、隣接する該再
    生デルタ符号語同士の相関値だけを計算すべく構成され
    たことを特徴とする請求項1記載の音声符号化方式。
  3. 【請求項3】 木構造を形成すべき複数のデルタ符号語
    を記憶するデルタ符号帳(21)と、 該デルタ符号帳(21)からのデルタ符号語に対し所要
    の重み付けを施した再生デルタ符号語と符号化部におい
    て符号化された量子ベクトル情報とに基づき、再生音声
    を復号する木構造デルタ符号語生成部(28)とをそな
    えた音声復号化方式において、 該再生デルタ符号語同士の相関値を計算する相関計算部
    (25)と、 該相関計算部(25)で得られた相関値と所定のしきい
    値とを比較する判定部(26)と、 該判定部(26)での判定結果に基づき、該相関値が該
    しきい値よりも大きい場合は、該再生デルタ符号語の一
    方について差分ベクトル変換を施して、該木構造デルタ
    符号語生成部(28)へ入力するベクトル変換部(2
    7)とが設けられたことを特徴とする、音声復号化方
    式。
  4. 【請求項4】 該相関計算部(25)が、隣接する該再
    生デルタ符号語同士の相関値だけを計算すべく構成され
    たことを特徴とする請求項3記載の音声復号化方式。
JP4060198A 1992-03-17 1992-03-17 音声符号化方式及び音声復号化方式 Withdrawn JPH05265497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4060198A JPH05265497A (ja) 1992-03-17 1992-03-17 音声符号化方式及び音声復号化方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4060198A JPH05265497A (ja) 1992-03-17 1992-03-17 音声符号化方式及び音声復号化方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05265497A true JPH05265497A (ja) 1993-10-15

Family

ID=13135222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4060198A Withdrawn JPH05265497A (ja) 1992-03-17 1992-03-17 音声符号化方式及び音声復号化方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05265497A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3114197B2 (ja) 音声パラメータ符号化方法
RU2005137320A (ru) Способ и устройство для квантования усиления в широкополосном речевом кодировании с переменной битовой скоростью передачи
AU653969B2 (en) A method of, system for, coding analogue signals
JPH0395600A (ja) 音声コーディング装置及び音声エンコーディング方法
JP3143956B2 (ja) 音声パラメータ符号化方式
JPH08263099A (ja) 符号化装置
US7738559B2 (en) Vector decoding method and apparatus and computer program
JP2800618B2 (ja) 音声パラメータ符号化方式
US20050114123A1 (en) Speech processing system and method
US20140278446A1 (en) Device and method for data embedding and device and method for data extraction
CA2060310C (en) Digital speech coder with vector excitation source having improved speech quality
JPH05265497A (ja) 音声符号化方式及び音声復号化方式
CA2054849C (en) Speech parameter encoding method capable of transmitting a spectrum parameter at a reduced number of bits
JP3058640B2 (ja) 符号化方法
JP3209248B2 (ja) 音声の励振信号符号化法
JP3252285B2 (ja) 音声帯域信号符号化方法
JP3194930B2 (ja) 音声符号化装置
JP3071012B2 (ja) 音声伝送方式
JP3089967B2 (ja) 音声符号化装置
JP3471892B2 (ja) ベクトル量子化方法及び装置
US6289307B1 (en) Codebook preliminary selection device and method, and storage medium storing codebook preliminary selection program
KR100322702B1 (ko) 스펙트럼피크패턴을이용한음성신호의양자화및복호화방법
JP2549016B2 (ja) ベクトル量子化法
JP2605679B2 (ja) パタン符号化復号化方式及び装置
JP2633683B2 (ja) ベクトル量子化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990518