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JPH05262763A - 2−〔(1h−ベンズイミダゾール−2−イル)スル フィニルメチル〕−4−置換アミノ−5−ピリミジン カルボン酸誘導体 - Google Patents

2−〔(1h−ベンズイミダゾール−2−イル)スル フィニルメチル〕−4−置換アミノ−5−ピリミジン カルボン酸誘導体

Info

Publication number
JPH05262763A
JPH05262763A JP27730891A JP27730891A JPH05262763A JP H05262763 A JPH05262763 A JP H05262763A JP 27730891 A JP27730891 A JP 27730891A JP 27730891 A JP27730891 A JP 27730891A JP H05262763 A JPH05262763 A JP H05262763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
benzimidazol
sulfinylmethyl
sodium
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27730891A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Shimamura
浩 嶋村
Koji Terajima
幸司 寺島
Akito Kawase
明人 川瀬
Yasuhiro Ishizuka
泰博 石塚
Isami Kimura
伊佐美 木村
Akiyoshi Kamiya
明美 神谷
Mikiko Kataoka
美紀子 片岡
Makoto Sato
佐藤  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MORISHITA ROUSSEL KK
Original Assignee
MORISHITA ROUSSEL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MORISHITA ROUSSEL KK filed Critical MORISHITA ROUSSEL KK
Priority to JP27730891A priority Critical patent/JPH05262763A/ja
Publication of JPH05262763A publication Critical patent/JPH05262763A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化1】 〔式中、R1 はN,N−ジメチルアミノ基、N−エチル
−N−メチルアミノ基又はモルホリノ基を示し、R2 は
低級アルキル基を示す。〕で表される化合物又は薬理学
的に許容されるその塩。 【効果】 この化合物は胃酸分泌抑制作用と消化管粘膜
保護作用を併せ持ち、かつ毒性が低いため抗消化性潰瘍
薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗消化性潰瘍薬として
有用な2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)
スルフィニルメチル〕−4−置換アミノ−5−ピリミジ
ンカルボン酸誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抗消化性潰瘍作用を有し、ベンズイミダ
ゾール環とピリミジン環をメチルスルフィニル基で結合
した化合物としては、特開昭61−85384号公報、
特開昭61−205276号公報、特開平1−1325
81号公報等に記載された化合物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、消化性潰瘍の治
療は、胃酸分泌を強力に抑制するヒスタミンH2 受容体
拮抗剤(例えばシメチジン)が臨床の場に供されて以
来、飛躍的に進歩し、これまで外科的手術が必要とされ
ていた潰瘍でさえ内科的治療法により治癒するまでにな
った。また、最近開発されたH+ /K+ ATPase阻
害剤(例えばオメプラゾール)は、ヒスタミンH2 受容
体拮抗剤が期待通りの効果を示さない難治性潰瘍やゾー
リンガ−エリソン症候群などに対しても奏効し、高い治
癒率を示すことが報告されている。しかしながら、これ
らの薬剤によって一旦治癒した潰瘍が投薬を中止すると
高い頻度で再発することが報告されており、重大な問題
となっている。
【0004】したがって、本発明は、優れた治療効果を
示し、しかも投薬中止による再発の問題を伴わない抗消
化性潰瘍薬を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】ヒスタミンH2 受容体拮
抗剤やH+ /K+ ATPase阻害剤による治療後の再
発は、瘢痕組織の脆弱な繊維化に基づくものと考えられ
ている。このことから、これらの薬剤による治療過程に
おいて、あらゆる刺激から消化管粘膜を保護することが
瘢痕組織のより完全な修復を促し、再発の防止につなが
ると考えられる。事実、ヒスタミンH2 受容体拮抗剤単
独による治療よりも、消化管粘膜防御因子増強剤との併
用療法の方が再発率が低いとの報告が多数見られる。こ
のような観点から、本発明者らは、H+ /K+ ATPa
se阻害作用に基づく強い胃酸分泌抑制作用と消化管粘
膜保護作用を併せ持つ抗消化性潰瘍剤の開発を目指し
た。
【0006】目的化合物の探索研究に当り、本発明者ら
は、胃酸分泌抑制作用と消化管粘膜保護作用を併せ持つ
化合物として、特開昭62−267229号公報に記載
された下記化合物〔A〕に着目した。
【0007】
【化2】
【0008】本発明者らは、この化合物〔A〕の前記両
作用につき詳細に検討し、その胃酸分泌抑制作用はシメ
チジンあるいはオメプラゾールのそれと比較して弱い
が、その消化管粘膜保護作用は極めて強いことを確かめ
た。
【0009】そこで、この消化管粘膜保護作用を弱める
ことなく化合物〔A〕を化学修飾して、胃酸分泌抑制作
用を強化できないかと考えた。しかし、一般に、化合物
の一部を最小限変えただけでも持っていた薬理活性が失
われることは、しばしば経験されることである。したが
って、先ず、化合物〔A〕から容易に誘導できる下記化
合物〔B〕、及び化合物〔A〕の異性体である下記化合
物〔C〕を合成し、それらの消化管粘膜保護作用につい
て調べた。その結果、化合物〔B〕の活性は、元の化合
物〔A〕のそれとほぼ同等であること、化合物〔C〕の
それは弱化していることが判った。
【0010】
【化3】
【0011】このことから、化合物〔A〕の消化管粘膜
保護作用にとって、1,6−ジヒドロ−6−オキソピリ
ミジン環をピリミジン環に変えても影響は小さく、重要
なのはヘテロ環上の2個の窒素原子と各置換基の相対的
位置及びそれらの電子効果であると推定した。
【0012】この推定に基づいて、化合物のデザイン、
合成、薬理試験を重ね、所期の目的を達成する本発明を
完成することができた。すなわち、本発明は、抗消化性
潰瘍薬として極めて有用な下記一般式〔I〕で表される
2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)スルフ
ィニルメチル〕−4−置換アミノ−5−ピリミジンカル
ボン酸誘導体又は薬理学的に許容されるその塩を提供す
るものである。
【0013】
【化4】
【0014】〔式中、R1 はN,N−ジメチルアミノ
基、N−エチル−N−メチルアミノ基又はモルホリノ基
を示し、R2 は低級アルキル基を示す。〕
【0015】上記一般式〔I〕におけるR2 として具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基等を挙げることがで
き、薬理学的に許容されるその塩としては、ナトリウム
塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩を挙げることができ
る。
【0016】本発明化合物〔I〕は種々の方法で製造で
きるが、代表的な方法を挙げれば以下の通りである。す
なわち、次の化5に示すように、化合物〔II〕を常法に
よって酸化することにより本発明化合物〔I〕が得られ
る。
【0017】
【化5】
【0018】〔式中、R1 、R2 は前記と同じであ
る。〕
【0019】この反応に使用できる酸化剤としては、例
えば過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安息香酸、次亜
塩素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム、メタ過ヨウ素
酸ナトリウム等を挙げることができ、その使用量として
は、1〜5等量が好ましい。この反応に用いる溶媒とし
ては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、
メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の有機溶媒やそ
れらの混合溶媒をあげることができる。反応温度は−4
0℃から0℃、反応時間は10分から3時間程度が好ま
しい。
【0020】以上の如くして得られた本発明化合物
〔I〕の薬理学的に許容される塩は、常法に従って容易
に製造できる。
【0021】前記反応において原料として用いた化合物
〔II〕は、以下の方法により製造できる。
【0022】
【化6】
【0023】〔式中、R1 、R2 は前記と同じであ
る。〕
【0024】先ず原料化合物〔III 〕は、ジャーナル
オブ オルガニック ケミストリー(Jornal of Organi
c Chemistry),26巻,412(1961)に記載の方
法に従って得ることができる。
【0025】工程A 化合物〔V〕は、原料化合物〔III 〕と化合物〔IV〕を
塩基の存在下、無溶媒又は溶媒中で反応させることによ
り製造できる。この反応に使用できる塩基としては、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水
素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド等を挙げることができる。そ
の使用割合は、化合物〔III 〕に対して通常1〜4倍モ
ルである。また、溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の有機溶媒、水あるいはこれらの混合溶媒
が好適に使用できる。反応温度は0℃から溶媒の沸点程
度でよく、反応時間は通常2〜24時間である。
【0026】工程B 化合物〔VII 〕は、化合物〔V〕と化合物〔VI〕を前記
と同様に反応させて製造できる。
【0027】工程C 化合物〔VIII〕は、化合物〔VII 〕とオキシ塩化リンを
反応させることにより得ることができる。反応は通常テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、トル
エン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の有
機溶媒中で行い、トリエチルアミン、N−メチルピペリ
ジン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等の有機塩
基を添加してもよい。反応温度は室温から溶媒の沸点程
度がよく、反応時間は通常0.5〜24時間である。
【0028】工程D 化合物〔II〕は、化合物〔VIII〕と式 R1 −H〔式
中、R1 は前記と同じ〕で表されるアミン類を、通常、
溶媒中で反応させることにより製造できる。反応に用い
る溶媒は、反応させるアミン類を過剰に使用し溶媒とす
ることもできが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、トルエン、アセトン、塩化メチレン、
クロロホルム、アセトニトリル、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒あるいは
それらと水との混合溶媒が好ましい。この反応において
生成する塩酸を捕捉するため、トリエチルアミン、ピリ
ジン、1,8−アザビシクロ〔5.6.0〕−7−ウン
デセン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等の塩基を存在させてもよい。反応温度は0℃か
ら室温が好ましく、反応時間は通常10分から3時間の
範囲内である。
【0029】本発明化合物〔I〕及び薬理学的に許容さ
れるその塩は、優れた胃酸分泌抑制作用、消化管粘膜保
護作用、H+ /K+ ATPase阻害作用を示し安全性
も高いことから、人又は動物の消化性潰瘍の治療又は予
防薬として有用である。前記消化性潰瘍には、胃潰瘍、
十二指腸潰瘍、ゾーリンガ−エリソン症候群、吻合部潰
瘍、逆流性食道炎等が含まれる。
【0030】本発明化合物〔I〕又は薬理学的に許容さ
れるその塩を前記の医薬として用いる場合、錠剤、散
剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤等
の形態で経口的又は非経口的に投与することができる。
投与量は患者の病態、年令、体重、投与経路等によって
異なるが、通常、成人1日当たり5〜1500mg、好ま
しくは20〜800┼の範囲内で適宜増減し、1日1回
又は2〜3回に分けて投与できる。
【0031】本発明化合物〔I〕又は薬理学的に許容さ
れるその塩の製剤化に際し、特に困難はなく、公知の方
法に準拠すればよい。すなわち、前記例示のような経口
用固形剤は、必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑
沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を用い、常法に従って製造
できる。賦形剤としては、乳糖、コーンスターチ、白
糖、ブドウ糖、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ソルビ
ット、ノンパレル等が使用できる。結合剤としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセル
ロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラ
ック、ヒドロキシプロピルセルロヒス、ヒドロキシプロ
ピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が使用できる。
崩壊剤としては、澱粉、寒天、ゼラチン、結晶セルロー
ス、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カ
ルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、デ
キストリン等が使用できる。錠剤、顆粒剤等には糖衣、
ゼラチン衣等のコーティングを施してもよい。また、注
射剤も常法に従って蒸留水、pH調整剤、緩衝剤、安定
化剤、可溶化剤等を適宜用いて容易に製造できる。
【0032】
【作用】本発明化合物の本質的な消化管粘膜保護作用を
調べるため、ラットに本発明化合物を非経口的に、すな
わち腹腔内に投与し、エタノールによる急性胃粘膜損傷
に対する抑制効果を測定した。その結果、優れた活性を
示すことが判った。
【0033】因みに、ピリミジン環の4位ないし6位に
ジメチルアミノ基が置換した化合物、すなわち本発明化
合物(実施例1)の異性体である2−〔(1H−ベンズ
イミダゾール−2−イル)スルフィニルメチル〕−6−
ジメチルアミノ−4−ピリミジンカルボン酸エチルエス
テル、前記特開昭61−85384号公報の実施例に記
載された2−〔(4−ジメチルアミノ−5−メチルピリ
ミジン−6−イル)メチルスルフィニル〕−1H−ベン
ズイミダゾール及び前記特開昭61−205276号公
報に開示されている2−〔(4−ジメチルアミノ−2−
ピリミジニル)メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイ
ミダゾールを合成し、本発明化合物と同様にして胃粘膜
保護作用について調べたが、いずれも100mg/╂の投
与量で有意な活性は認められなかった。
【0034】さらに、本発明化合物の胃酸分泌抑制作用
及びH+ /K+ ATPase阻害作用を調べた結果、こ
れらの両作用について強い活性が認められた。
【0035】したがって本発明化合物は、H+ /K+ A
TPase阻害作用に基づく強い胃酸分泌抑制作用と優
れた消化管粘膜保護作用を併せ持つことが明らかとなっ
た。
【0036】次に参考例を記載する。 〔参考例1〕常法により得た2−〔(1H−ベンズイミ
ダゾール−2−イル)チオメチル〕−6−ジメチルアミ
ノ−4−ピリミジンカルボン酸エチルエステル1.97
gを塩化メチレン50mlに溶解し、−20℃にて撹拌
下、m−クロロ過安息香酸1.19gを塩化メチレン2
0mlに溶解した液を1時間で滴下した。引続き1時間撹
拌した後、反応液を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で
洗浄し、さらに水洗した。乾燥後、溶媒を減圧留去し、
残渣を酢酸エチルから再結晶して2−〔(1H−ベンズ
イミダゾール−2−イル)スルフィニルメチル〕−6−
ジメチルアミノ−4−ピリミジンカルボン酸エチルエス
テル1.3g(収率64%)を得た。融点:162〜1
63℃。
【0037】〔参考例2〕特開昭61−85384号公
報に記載された方法に従って得た2−〔(4−ジメチル
アミノ−5−メチルピリミジン−6−イル)メチルチ
オ〕−1H−ベンズイミダゾール7.78gを参考例1
と同様にして酸化し、2−〔(4−ジメチルアミノ−5
−メチルピリミジン−6−イル)メチルスルフィニル〕
−1H−ベンズイミダゾール6.4g(収率78%)を
得た。融点:176〜178℃。
【0038】〔参考例3〕特開昭61−205276号
公報に記載された方法に従って得た2−〔(4−ジメチ
ルアミノ−2−ピリミジニル)メチルチオ〕−1H−ベ
ンズイミダゾール2gを参考例1と同様にして酸化し、
2−〔(4−ジメチルアミノ−2−ピリミジニル)メチ
ルスルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾール1g(収
率48%)を得た。融点:158〜168℃。
【0039】〔参考例4〕クロロアセトアミジン塩酸塩
83gとエトキシメチレンマロン酸ジエチルエステル1
39.2gをエタノール1300mlを1時間で滴下し
た。引続き室温で4時間撹拌した後、濃塩酸70mlを1
0分間で滴下した。次に溶媒を減圧留去し、残渣に水1
000mlを加え、室温で10分間撹拌した。析出した結
晶を濾取し、水洗後、エタノールから再結晶して2−ク
ロロメチル−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−5−ピリ
ミジンカルボン酸エチルエステル104g(収率75
%)を得た。融点:169〜170℃。
【0040】〔参考例5〕エタノール200mlに水酸化
ナトリウムの40%水溶液6.6mlを加え、さらに2−
メルカプトベンズイミダゾール9.83gを加えて溶解
した。この溶液に2−クロロメチル−1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステ
ル11.81gを加えて15時間撹拌した。引続き60
℃で2時間撹拌した後、室温まで冷却し、水200mlを
加えて10分間撹拌した。析出した結晶を濾取し、水洗
後N,N−ジメチルホルムアミドとエタノールの混合液
から再結晶して2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2
−イル)チオメチル〕−1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル16.8g
(収率93%)を得た。融点:205〜206℃。
【0041】〔参考例6〕アセトニトリル200mlに2
−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)チオメチ
ル〕−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−5−ピリミジン
カルボン酸エチルエステル26gを懸濁し、オキシ塩化
リン14.4mlを加えて30分間加熱還流した。次にア
セトニトリルを減圧留去し、残渣に塩化メチレンと氷水
を加え、水酸化ナトリウムの40%水溶液にて中和し
た。有機層を分離し、塩化メチレンを減圧留去し、残渣
をテトラヒドロフランとイソプロピルエーテルの混合液
から再結晶して2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2
−イル)チオメチル〕−4−クロロ−5−ピリミジンカ
ルボン酸エチルエステル24.5g(収率89%)を得
た。融点:133〜135℃。
【0042】〔参考例7〕テトラヒドロフラン30mlに
2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)チオメ
チル〕−4−クロロ−5−ピリミジンカルボン酸エチル
エステル2.48gを溶解し、氷冷撹拌下、ジメチルア
ミンの50%水溶液3mlを加えた。室温で1時間撹拌し
た後、溶媒を減圧留去し、残留物に塩化メチレンと水を
加えて溶解した。有機層を分離し、水洗後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。塩化メチレンを減圧留去後、残渣
を酢酸エチルとジエチルエーテルの混合液から再結晶し
て2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)チオ
メチル〕−4−ジメチルアミノ−5−ピリミジンカルボ
ン酸エチルエステル2.0g(79%)を得た。融点:
128〜130℃。
【0043】〔参考例8〜21〕前記参考例4〜7と同
様にして表1に記載の化合物を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例】
〔実施例1〕塩化メチレン100mlに2−〔(1H−ベ
ンズイミダゾール−2−イル)チオメチル〕−4−ジメ
チルアミノ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル
9.1gを溶解し、−40℃にて撹拌下、80%m−ク
ロロ過安息香酸6.04gを塩化メチレン120mlに溶
解した液を1時間で滴下した。次いでチオ硫酸ナトリウ
ムの5%水溶液20mlと炭酸水素ナトリウムの飽和水溶
液100mlを加えて撹拌した。有機層を分離し、水洗、
乾燥後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルとジエチル
エーテルとの混合液から再結晶して2−〔(1H−ベン
ズイミダゾール−2−イル)スルフィニルメチル〕−4
−ジメチルアミノ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエ
ステル8.3g(収率88%)を得た。
【0046】融点:134〜135℃ IR(nujol 法) νmax cm-1:3160(NH),1720
(C=O) Mass m/z:373(M+ ) NMR(DMSO-d6 )δ:1.29 (3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),
2.85〔6H,s,N(CH3)2〕,4.82 (2H,q,J=7Hz,OCH2CH3),
4.64及び 4.75 (2H,d 及び d,J=13.5Hz,SOCH2), 7.20
〜7.45 (2H,m,benzen-H), 7.50〜7.80 (2H,m,benzen-
H), 8.47 (1H,s,pyrimizine-H), 13.61 (1H,bs,NH). 元素分析(C17H19N5 O3 S) 理論値(%):C,54.68 ; H,5.13 ; N,18.75 実測値(%):C,54.51 ; H,5.22 ; N,19.09
【0047】〔実施例2〜6〕実施例1と同様にして得
られた化合物を一括して表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】〔実施例7〕塩化メチレン30mlに2−
〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)チオメチ
ル〕−4−(N−エチル−N−メチルアミノ)−5−ピ
リミジンカルボン酸エチルエステル4gを溶解し、−3
0℃にて撹拌下、80%m−クロロ過安息香酸2.44
gを塩化メチレン30mlに溶解した液を1時間で滴下し
た。次いでチオ硫酸ナトリウムの5%水溶液10mlと炭
酸水素ナトリウムの飽和水溶液50mlを加えて撹拌し
た。有機層を分離し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣を酢酸エチルとジエチルエーテルの混合液から
再結晶して2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イ
ル)スルフィニルメチル〕−4−(N−エチル−N−メ
チルアミノ)−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステ
ル3.0g(収率72%)を得た。
【0050】融点:116〜118℃ IR(nujol 法) νmax cm-1:1720(C=O) Mass m/z:387(M+ ) NMR(DMSO-d6 )δ:0.99 (3H,t,J=7.1Hz,NCH2CH
3), 1.29 (3H,t,J=7Hz,OCH2CH3), 2.78〔3H,s,NCH3
〕,3.41 (2H,q,J=7.1Hz,NCH2CH3), 4.28 (2H,q,J=7
Hz,OCH2CH3), 4.64及び 4.79 (2H,d 及び d,J=13.6Hz,
SOCH2), 7.25 〜7.30(2H,m,benzen-H), 7.60 〜7.75 (2
H,m,benzen-H), 8.46 (1H,s,pyrimizine-H),13.65 (1H,
bs,NH). 元素分析(C18H21N5 O3 S) 理論値(%):C,55.80 ; H,5.46 ; N,18.08 実測値(%):C,55.76 ; H,5.33 ; N,17.99
【0051】〔実施例8及び9〕実施例7と同様にして
得られた化合物を一括して表3に示した。
【0052】
【表3】
【0053】〔実施例10〕塩化メチレン100mlに2
−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)チオメチ
ル〕−4−モルホリノ−5−ピリミジンカルボン酸エチ
ルエステル9gを溶解し、−20℃にて撹拌下、80%
m−クロロ過安息香酸5.34gを塩化メチレン100
mlに溶解した液を1時間で滴下した。引続き20分間撹
拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液100mlを
加えて撹拌した。次いで有機層を分離し、炭酸水素ナト
リウムの飽和水溶液で洗浄、水洗、乾燥後、溶媒を減圧
留去した。残渣を塩化メチレンと酢酸エチルの混合液か
ら再結晶して2−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−
イル)スルフィニルメチル〕−4−モルホリノ−5−ピ
リミジンカルボン酸エチルエステル7.7g(収率83
%)を得た。
【0054】融点:167〜168℃ IR(nujol 法) νmax cm-1:1715(C=O) Mass m/z:415(M+ ) NMR(DMSO-d6 )δ:1.29 (3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),
3.29 (4H,m,morpholin-H), 3.45 (4H,m,morpholin-H),
4.27 (2H,q,J=7Hz,OCH2CH3), 4.65及び 4.81(2H,d 及
び d,J=13.4Hz,SOCH2), 7.25 〜7.35 (2H,m,benzen-
H), 7.55〜7.65 (2H,m,benzen-H), 8.55 (1H,s,pyrimiz
ine-H), 13.61 (1H,bs,NH). 元素分析(C19H21N5 O4 S) 理論値(%):C,54.93 ; H,5.05 ; N,16.86 実測値(%):C,54.93 ; H,4.91 ; N,16.95
【0055】〔実施例11〜15〕実施例10と同様に
して得られた化合物を一括して表4に示した。
【0056】
【表4】
【0057】〔実施例16〕エタノール15mlに2−
〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)スルフィニ
ルメチル〕−4−ジメチルアミノ−5−ピリミジンカル
ボン酸エチルエステル1.87gを溶解し、1Nの水酸
化ナトリウム水溶液5みりりっとる加え60℃にて1時
間撹拌した。次に反応液を減圧乾固し、乾燥エタノール
を加えて再度減圧乾固した。残渣を乾燥エタノールと乾
燥ジエチルエーテルの混合液から再結晶して2−〔(1
H−ベンズイミダゾール−2−イル)スルフィニルメチ
ル〕−4−ジメチルアミノ−5−ピリミジンカルボン酸
エチルエステルのナトリウム塩1.7g(収率86%)
を得た。
【0058】融点:173〜176℃ IR(nujol 法) νmax cm-1:1720(C=O) Mass m/z:396(M+ +1),418(M+
+Na) NMR(DMF-d7)δ:1.35 (3H,t,J=7Hz,OCH2CH3), 3.
06〔6H,s,N(CH3)2〕,4.35 (2H,q,J=7Hz,OCH2CH3), 4.
49 及び 4.60 (2H,d 及び d,J=13.4Hz,SOCH2), 6.90
〜6.95 (2H,m,benzen-H), 7.50〜7.56 (2H,m,benzen-
H), 8.57 (1H,s,pyrimizine-H). 元素分析(C17H18N5 NaO3 S・1/2 H2 O) 理論値(%):C,50.49 ; H,4.74 ; N,17.32 実測値(%):C,50.53 ; H,4.65 ; N,17.43
【0059】〔実施例17〕実施例16と同様にして2
−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)スルフィ
ニルメチル〕−4−(N−エチル−N−メチルアミノ)
−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステルのナトリウ
ム塩を得た。
【0060】融点:160〜163℃ IR(nujol 法) νmax cm-1:1720(C=O) Mass m/z:410(M+ +1),432(M+
+Na) NMR(DMSO-d6 )δ:1.20 (3H,t,J=7.1Hz,NCH2CH
3), 1.35 (3H,t,J=7Hz,OCH2CH3), 2.92〔3H,s,NCH3
〕,3.72 (2H,q,J=7.1Hz,NCH2CH3), 4.35 (2H,q,J=7
Hz,OCH2CH3), 4.46及び 4.59 (2H,d 及び d,J=13.4Hz,
SOCH2), 6.85 〜6.95(2H,m,benzen-H), 7.45 〜7.55 (2
H,m,benzen-H), 8.55 (1H,s,pyrimizine-H). 元素分析(C18H20N5 NaO3 S・1/2 H2 O) 理論値(%):C,51.67 ; H,5.06 ; N,16.74 実測値(%):C,51.67 ; H,4.98 ; N,16.90
【0061】〔実施例18〕実施例16と同様にして2
−〔(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)スルフィ
ニルメチル〕−4−モルホリノ−5−ピリミジンカルボ
ン酸エチルエステルのナトリウム塩を得た。
【0062】融点:184〜187℃ IR(nujol 法) νmax cm-1:1720(C=O) Mass m/z:438(M+ +1),460(M+
+Na) NMR(DMSO-d6 )δ:1.35 (3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),
3.50〜3.70 (8H,m,morpholin-H), 4.34 (2H,q,J=7Hz,O
CH2CH3), 4.51 及び 4.63 (2H,d 及び d,J=13.2Hz,SO
CH2), 6.80 〜6.90 (2H,m,benzen-H), 7.40〜7.50 (2H,
m,benzen-H),8.64 (1H,s,pyrimizine-H). 元素分析(C19H20N5 NaO4 S・1/2 H2 O) 理論値(%):C,51.11 ; H,4.74 ; N,15.69 実測値(%):C,51.35 ; H,4.64 ; N,15.69
【0063】次に本発明化合物の製剤例を記載する。 〔製剤例1〕実施例1の化合物、乳糖、コーンスター
チ、微結晶セルロース及びヒドロキシプロピルセルロー
スを万能撹拌機(品川工業所製)で混合した後、湿潤液
(30%エタノール)を加えて造粒した。造粒物を乾
燥、篩過(20メッシュ)した後、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びタ
ルクを加えて混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所
製)で1錠当たり200mgの錠剤を得た。 1錠(200mg)中の組成 実施例1の化合物 50mg 乳糖 60mg コーンスターチ 40mg 微結晶セルロース 30mg ヒドロキシプロピルセルロース 8mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 10mg ステアリン酸マグネシウム 1mg タルク 1mg
【0064】〔製剤例2〕流動造粒コーティング装置
(フロイント産業製)中、錠剤45℃、給気温度55℃
の条件下、製剤例1で得た錠剤に下記組成の腸溶性液を
コーティングし、1錠当たり230mgの腸溶性錠剤を製
造した。 腸溶性液の組成 オイドラギットL−30D 69.0mg(固形成
分20.7mg) ポリエチレングリコール6000 6.2mg タルク 2.1mg ツイーン80 1.0mg 水 0.28ml
【0065】〔製剤例3〕下記組成物をよく混合した
後、湿潤液(30%エタノール)を加えて練合し、押出
造粒機(不二パウダル社製、スクリーン径0.9mg)で
造粒し、直ちにマルメライザー(不二パウダル社製)で
整粒した後、乾燥、篩過して12〜42メッシュの柱状
顆粒を製造した。 柱状顆粒200mg中の組成 実施例1の化合物 50mg 乳糖 50mg コーンスターチ 40mg 微結晶セルロース 30mg ヒドロキシプロピルセルロース 10mg カルボキシメチルセルロース 20mg
【0066】〔製剤例4〕製剤例2と同様にして、製剤
例3で得た柱状顆粒剤に下記組成の腸溶性液をコーティ
ングし、腸溶性顆粒剤を得た。この顆粒剤260mgを1
号ゼラチン硬カプセルに充填した。 腸溶性液の組成 オイドラギットL−30D 138.0mg(固形成
分41.4mg) ポリエチレングリコール6000 12.4mg タルク 4.1mg ツイーン80 2.1mg 水 0.28ml 腸溶性顆粒剤260mg中の組成 製剤例3の柱状顆粒剤 200mg 腸溶性皮膜 60mg カプセル製剤の組成 腸溶性柱状顆粒剤 260mg 1号ゼラチン硬カプセル 76mg
【0067】〔製剤例5〕実施例1の化合物、乳糖及び
コーンスターチを混合し散布剤とした。さらに遠心流動
型コーティング造粒装置(フロイント産業製)に前記散
布剤とノンパレルを入れ、ヒドロキシプロピルセルロー
スの4%水溶液を噴霧しながらコーティングし、球形顆
粒を得た。この球形顆粒を乾燥後、篩過して12〜32
メッシュの顆粒剤を得た。 球形顆粒剤190mg中の組成 実施例1の化合物 50mg ノンパレル 100mg 乳糖 20mg コーンスターチ 18mg ヒドロキシプロピルセルロース 2mg
【0068】〔製剤例6〕製剤例2と同様にして、製剤
例5で得た球形顆粒剤に下記組成の腸溶性液をコーティ
ングし、腸溶性の球形顆粒剤を得た。この顆粒剤240
mgを2号ゼラチン硬カプセルに充填した。 腸溶性液の組成 オイドラギットL−30D 104.7mg(固形成
分31.4mg) ポリエチレングリコール6000 5.4mg タルク 11.6mg ツイーン80 1.6mg 水 0.22ml 腸溶性顆粒剤240mg中の組成 製剤例5の球形顆粒剤 190mg 腸溶性皮膜 50mg カプセル製剤の組成 腸溶性球形顆粒剤 240mg 2号ゼラチン硬カプセル 65mg
【0069】〔製剤例7〕実施例1の化合物6gを注射
用蒸留水に分散し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液16
mlを加えて溶解した後、全量が300mlになるように注
射用蒸留水を加え、常法により除菌濾過した。得られた
濾液1mlずつを滅菌した瓶に分注し、凍結乾燥後、密栓
した。以上のようにして実施例1の化合物20mgを含有
する瓶入り凍結乾燥粉末を、投与時に適量の生理食塩水
に溶解し、注射剤として用いる。
【0070】〔製剤例8〕実施例1の化合物を1ml当た
り5mg含有する下記の成分からなる注射剤を常法により
製造した。 実施例1の化合物 50mg 注射用ポリエチレングリコール400 5ml リン酸二水素ナトリウム 20mg 注射用蒸留水を加えて全量10mlとする。
【0071】次に本発明化合物の薬理作用及び急性毒性
に関する試験例を記載する。 〔試験例1〕 エタノールによる急性胃粘膜損傷に対す
る抑制作用 24時間絶食したSD系雄性ラット(7週令、1群5
匹)を用い、カルボキシメチルセルロースナトリウムの
0.5%水溶液に懸濁した被験化合物を腹腔内投与し
た。対照群には、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ムの0.5%水溶液のみを投与した。30分後に体重1
00g当りエタノール0.5mlを経口投与して胃粘膜損
傷を引き起こした。1時間後にラットを放血致死させ、
胃を摘出し1%ホルマリンで固定した。固定後、大弯部
にそって切開し、胃粘膜損傷の長さを実体顕微鏡下で測
定し、1匹当りの総和を潰瘍係数(mm) とした。被験化
合物の胃粘膜損傷抑制率(%)を次式により求め、常法
にしたがってED50値(mg/╂)を算出した。その結果
を表5に示した。 〔1−(被験化合物投与群の潰瘍係数÷対照群の潰瘍係
数)〕×100
【0072】
【表5】
【0073】〔試験例2〕 胃酸分泌抑制作用 24時間絶食したSD系雄性ラット(7週令、1群5
匹)を用い、ジエチルエーテル麻酔下に開腹して幽門部
を結紮し、直ちにカルボキシメチルセルロースナトリウ
ムの0.5%水溶液に懸濁した被験化合物100mg/╂
を十二指腸内に投与した。対照群には、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムの0.5%水溶液のみを投与し
た。次いで開腹部を縫合し、絶食絶水下で4時間放置し
た後、ラットを過量のジエチルエーテルで致死させ、胃
内に貯留した胃液を採取した。胃液量を測定した後、酸
濃度を中和滴定法により測定し、胃酸分泌量を求めた。
次いで被験化合物の胃酸分泌抑制率(%)を次式により
算出し、その結果を表6に示した。 〔1−(被験化合物投与群の胃酸分泌量÷対照群の胃酸
分泌量)〕×100
【0074】
【表6】
【0075】 〔試験例3〕 H+ /K+ −ATPase活性阻害作用 (1)H+ /K+ −ATPaseの調製 イヌの新鮮な胃底腺部よりサッコマニ(Saccoma
ni)らの方法〔Biochem.and Bioph
ys.Acta,464,313(1977)〕の変法
に従い調製した。 (2)H+ /K+ −ATPase活性の測定 ジメチルスルホキサイドに溶解した被験化合物、H+ /
K+ −ATPase、20μg蛋白質/ml、70mM T
ris・HCl(pH8.6)、10mM KCl及び5
mM MgCl2 を37℃で60分間インキュベートし
た。 次にATPでATPase反応を開始し、20分
後に反応を停止させ、放出されたリン酸をフィスケとス
バロウ(Fiske and Sbbarow)の方法
〔J.Biol.Chem.,66,375(192
5)〕に準じて測定した。被験化合物の阻害効果を次式
により求め、常法にしたがって50%阻害濃度(IC5
0)を算出した。その結果を表7に示した。 〔1−(被験化合物投与群の測定値÷対照群の測定
値)〕×100
【0076】
【表7】
【0077】〔試験例4〕 急性毒性試験 体重25〜30gのddY系雄性マウス(1群5匹)及
び体重220〜250gのSD系雄性ラット(1群5
匹)に、カルボキシメチルセルロースの5%水溶液に懸
濁した実施例1、7及び10の化合物、各500mg/╂
をそれぞれ腹腔内投与し、7日間観察した。その結果、
いずれの群についても死亡例は認められなかった。
【0078】
【発明の効果】前記試験例により本発明化合物〔I〕及
び薬理学的に許容されるその塩は、優れた消化管粘膜保
護作用、胃酸分泌抑制作用及びH+ /K+ −ATPas
e活性阻害作用を有し、しかも低毒性であることが明ら
かとなった。したがって本発明によれば、攻撃因子の抑
制作用と防御因子の増強作用を併せ持つ有用性の高い抗
消化性潰瘍薬を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 伊佐美 滋賀県蒲生郡竜王町山面35番334号 (72)発明者 神谷 明美 滋賀県野洲郡野洲町大字大篠原字石塚1823 番1号 (72)発明者 片岡 美紀子 滋賀県草津市馬場町1060番6−403号 (72)発明者 佐藤 誠 滋賀県守山市播磨田町166番40号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 〔式中、R1 はN,N−ジメチルアミノ基、N−エチル
    −N−メチルアミノ基又はモルホリノ基を示し、R2 は
    低級アルキル基を示す。〕で表される2−〔(1H−ベ
    ンズイミダゾール−2−イル)スルフィニルメチル〕−
    4−置換アミノ−5−ピリミジンカルボン酸誘導体又は
    薬理学的に許容されるその塩。
JP27730891A 1991-09-28 1991-09-28 2−〔(1h−ベンズイミダゾール−2−イル)スル フィニルメチル〕−4−置換アミノ−5−ピリミジン カルボン酸誘導体 Pending JPH05262763A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5118962B2 (ja) * 2005-04-28 2013-01-16 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 安定化組成物
US9040564B2 (en) 2005-04-28 2015-05-26 Eisai R&D Management Co., Ltd. Stabilized composition

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