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JPH05240156A - 往復動型ピストンポンプ - Google Patents

往復動型ピストンポンプ

Info

Publication number
JPH05240156A
JPH05240156A JP4222835A JP22283592A JPH05240156A JP H05240156 A JPH05240156 A JP H05240156A JP 4222835 A JP4222835 A JP 4222835A JP 22283592 A JP22283592 A JP 22283592A JP H05240156 A JPH05240156 A JP H05240156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston rod
cylinder pipe
reciprocating
pump
piston pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4222835A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ishii
喬 石井
Akihiko Kashiwazaki
昭彦 柏崎
Hirosuke Kawaguchi
宏祐 川口
Hitoo Adachi
仁夫 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Maruyama Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Maruyama Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Maruyama Manufacturing Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4222835A priority Critical patent/JPH05240156A/ja
Publication of JPH05240156A publication Critical patent/JPH05240156A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ピストンポンプの摺動部を構成する部品の耐摩
耗強度を大幅に向上させてポンプの寿命を大幅に延伸す
るとともに、ポンプの保守管理を極めて簡素化し得る往
復動型ピストンポンプを提供することにある。 【構成】吸込口1および吐出口2に接続したシリンダパ
イプ3と、シリンダパイプ3内を往復動するピストンロ
ッド4とを備え、ピストンロッド4の先端部に往復動自
在に嵌挿されたピストン5をピストンロッド4とともに
往復動させて加圧流体の送出を行なう往復動型ピストン
ポンプにおいて、シリンダパイプ3の内表面およびピス
トンロッド4の外表面の少なくとも一方の表面に耐摩耗
層11a,11b,11cをそれぞれ形成し、この耐摩
耗層11a,11b,11cは、母材表面に形成した硬
質クロムめっき層12a,12b,12cと、この硬質
クロムめっき層12a,12b,12cに被着形成した
酸化クロムコーティング層13,13a,13b,13
cとから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は往復動型ピストンポンプ
に係り、特に摺動部の耐摩耗強度を向上させてポンプの
寿命を大幅に延伸するとともに、ポンプの保守管理を極
めて容易にすることができる往復動型ピストンポンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】液状農薬を散布し害虫を防除する防除機
や車輌等に高圧水を噴射する洗浄機および被加工物表面
に塗料を噴霧する塗装機等には、往復動型ピストンポン
プが装備されている。
【0003】例えば防除機に使用されている往復動型ピ
ストンポンプは、一般に図2に示すように構成されてい
る。すなわち吸込口1および吐出口2に接続したシリン
ダパイプ3と、上記シリンダパイプ3内を往復動するピ
ストンロッド4とを備えて構成され、上記ピストンロッ
ド4の先端部に往復動自在に嵌挿されたピストン5をピ
ストンロッド4とともに往復動させることにより、農薬
溶液を加圧して噴射ノズル方向に送出するものである。
【0004】また往復動型ピストンポンプの他の形式と
して、図3に示すように吸込口1および吐出口2を有す
るシリンダパイプ3内を往復動するピストンロッド4
と、このピストンロッド4の先端に設けた弁体6と、こ
の弁体6より間隔をおいてピストンロッド4に配設さ
れ、通孔7を有する止体8と、上記弁体6と止体8との
距離より小なる長さを有し、上記弁体6と止体8との間
のピストンロッド4に遊嵌されたスリーブ9と、上記シ
リンダパイプ3内壁に固定され、上記スリーブ9を気水
密にかつ摺動自在に保持するパッキン10とを備えて構
成されるものもある。
【0005】この場合、ピストンロッド4の復動時(図
3における右方向への移動時)にピストンロッド4の移
動と共にスリーブ9が移動して液体の吸込を行なうと同
時に吐出口2より吐出を行ない、またピストンロッド4
の往動時においてもピストンロッド4が図面において左
方へ移動した時には、ピストンロッド4およびスリーブ
9の移動量に相当する液体が吐出口2より吐出される。
よってピストンロッド4の往動時と復動時とで共に常時
吐出行程を行なうことができるようにしたものである。
【0006】このような往復動型ピストンポンプにおい
ては、シリンダパイプ3、ピストンロッド4およびスリ
ーブ9などの摺動部を構成する部品が多いため、経時的
に部品が摩耗によって損傷する。そのため定期的に部品
交換が必要となり、ポンプの保守管理が煩雑であり、ポ
ンプ自体の寿命が短いという欠点があった。
【0007】そのため上記部品の摺動部に電解法等によ
って硬質クロムめっき層を形成して表面処理を施工し、
耐摩耗性を向上させる工夫もなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電解法による硬質クロムめっき表面処理においては電解
温度や電流密度等の調整管理が煩雑であり、良質な硬質
クロムめっき層が得られにくい一方、電解時に生じる水
素や析出層に発生する内部応力や、後工程における加熱
処理等によって硬質クロムめっき層表面に多数の針孔や
亀裂が生じるため、部品の母材表面が硬質クロムめっき
層によって完全に被覆し得ず、またその密着強度が低い
ためポンプ稼動時の振動や摩擦力によって頻繁に剥離し
て耐摩耗性を悪化させる問題点があった。
【0009】特に針孔や亀裂は、その切欠効果によって
割れを進展せしめ、部品母材の疲労強度などの機械的性
質を低下させ易く、ピストンポンプの寿命を短くする問
題点があった。
【0010】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、ピストンポンプの摺動部を構成する
部品の耐摩耗強度を大幅に向上させてポンプの寿命を大
幅に延伸するとともに、ポンプの保守管理を極めて簡素
化し得る往復動型ピストンポンプを提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る往復動型ピストンポンプは、吸込口および
吐出口に接続したシリンダパイプと、上記シリンダパイ
プ内を往復動するピストンロッドとを備え、上記ピスト
ンロッドの先端部に往復動自在に嵌挿されたピストンを
ピストンロッドとともに往復動させて加圧流体の送出を
行なう往復動型ピストンポンプにおいて、上記シリンダ
パイプ内表面およびピストンロッド外表面の少なくとも
一方の表面に耐摩耗層を形成し、この耐摩耗層は、母材
表面に形成した硬質クロムめっき層と、この硬質クロム
めっき層に被着形成した酸化クロムコーティング層とか
ら構成したことを特徴とする。
【0012】また他のポンプ形式として吸込口および吐
出口を有するシリンダパイプ内を往復動するピストンロ
ッドと、このピストンロッドの先端に設けた弁体と、こ
の弁体より間隔をおいてピストンロッドに配設され、通
孔を有する止体と、上記弁体と止体との距離より小なる
長さを有し、上記弁体と止体との間のピストンロッドに
遊嵌されたスリーブと、上記シリンダパイプ内壁に固定
され、上記スリーブを気水密にかつ摺動自在に保持する
パッキンとを備えた往復動型ピストンポンプにおいて、
上記スリーブ外表面に耐摩耗層を形成し、この耐摩耗層
は、スリーブ母材表面に形成した硬質クロムめっき層
と、この硬質クロムめっき層に被着形成した酸化クロム
コーティング層とから構成してもよい。
【0013】
【作用】上記構成に係る往復動型ピストンポンプによれ
ば、摺動部を構成するシリンダパイプの内表面、ピスト
ンロッドの外表面またはスリーブの外表面に耐摩耗層が
形成され、この耐摩耗層は各母材表面に形成した硬質ク
ロムめっき層と、この硬質クロムめっき層に被着形成し
た酸化クロムコーティング層とから構成されており、硬
質クロムめっき層に生成した針孔や亀裂に酸化クロムが
充填されるため、針孔や亀裂などの切欠部に応力が作用
しても割れを生じるおそれが少ない。
【0014】また酸化クロム同士が強固に結合した酸化
クロムコーティング層は堅く緻密な組織を有し、優れた
耐摩耗特性を発揮する。特にコーティング層を構成する
酸化クロムのうち硬質クロムめっき層の針孔や亀裂内に
充填された酸化クロムは鉄系の母材との境界部において
反応し、FeO・Cr2 3 などのスピネルタイプの晶
石化合物を形成するため、母材と硬質クロムめっき層と
の接合強度が大きくなり剥離の心配が少なくなる。
【0015】また酸化クロムコーティング層は粒径が1
μm以下の微小なセラミックス粒子であるため気孔がほ
とんどなく高硬度を有し、しかも緻密で平滑な表面層が
得られる。したがって部品相互の摩擦係数が低下して摺
動特性が良好になり、かつ耐摩耗特性が大幅に向上する
ため、ピストンポンプの寿命を大幅に延伸することが可
能となるとともに使用する機器の保守管理も極めて容易
になる。
【0016】
【実施例】以下本発明の一実施例について添付図面を参
照して説明する。本発明の往復動型ピストンポンプは、
摺動部を構成するシリンダパイプ、ピストンロッドまた
はスリーブに表面処理を施して図1に示すような耐摩耗
層を形成したところに特徴を有しており、ピストンポン
プ自体の基本的構造については図2および図3に示した
ものと同一である。
【0017】したがってピストンポンプ自体の構成要素
については図2および図3に示すものと同一符号を用
い、図示は省略する。
【0018】すなわち本実施例に係る往復動型ピストン
ポンプは、図1および図2に示すように、吸込口1およ
び吐出口2に接続したシリンダパイプ3と、上記シリン
ダパイプ3内を往復動するピストンロッド4とを備え、
上記ピストンロッド4の先端部に往復動自在に嵌挿され
たピストン5をピストンロッド4とともに往復動させて
加圧流体の送出を行なう往復動型ピストンポンプにおい
て、上記シリンダパイプ3の内表面およびピストンロッ
ド4の外表面の双方の表面にそれぞれ耐摩耗層11a,
11bを形成し、この耐摩耗層11a,11bは、シリ
ンダパイプ3、ピストンロッド4の母材表面にそれぞれ
形成した硬質クロムめっき層12a,12bと、この硬
質クロムめっき層12a,12bにそれぞれ被着形成し
た酸化クロムコーティング層13a,13bとから構成
される。
【0019】また他の形式を有する往復動型ピストンポ
ンプの実施例として図1および図3に示すように、吸込
口1および吐出口2を有するシリンダパイプ3内を往復
動するピストンロッド4と、このピストンロッド4の先
端に設けた弁体6と、この弁体6より間隔をおいてピス
トンロッド4に配設され、通孔7を有する止体8と、上
記弁体6と止体8との距離Lより小なる長さlを有し、
上記弁体6と止体8との間のピストンロッド4に遊嵌さ
れたスリーブ9と、上記シリンダパイプ3内壁に固定さ
れ、上記スリーブ9を気水密にかつ摺動自在に保持する
パッキン10とを備えた往復動型ピストンポンプにおい
て、上記スリーブ9の外表面に耐摩耗層11cを形成
し、この耐摩耗層11cは、スリーブ9の母材表面に形
成した硬質クロムめっき層12cと、この硬質クロムめ
っき層12cに被着形成した酸化クロムコーティング層
13cとから構成してもよい。
【0020】このような耐摩耗層11a,11b,11
cは次に述べるような製造方法によって製造される。ま
ず硬質クロムめっき層12a,12b,12cは、電解
めっき法、PVD(物理蒸着)法、溶射法、またはCV
D(化学蒸着)法等の汎用の表面処理方法によって形成
する。例えば電解めっき法による場合においては、シリ
ンダパイプ3、ピストンロッド4またはスリーブ9など
の母材金属を陰電極に接続する一方、イオン化傾向の大
きい金属棒で陽電極を形成した後に、クロム酸化合物溶
液を電解液として電極間に所定電圧を印加し、その電解
作用によって母材金属表面にクロム金属を析出密着させ
て硬質クロムめっき層12a,12b,12cを形成す
る。めっき層12a,12b,12cの厚さは印加電圧
や通電時間によって容易に制御可能であり、通常30〜
70μm程度に設定される。
【0021】次に酸化クロムコーティング層13a,1
3b,13cを形成する工程は、まずCrO3 などのク
ロム化合物を含有する溶液を、母材表面に塗布や浸漬な
どの手段により付着させ、しかる後に溶液を付着した母
材を温度500〜600℃(好ましくは550℃近傍)
で焼成して酸化処理を施し、硬質クロムめっき層12
a,12b,12c表面部に酸化クロム(Cr2 3
を主成分とするコーティング層を形成する。
【0022】ここで焼成温度を500〜600℃の範囲
としたのは、CrO3 をCr2 3に変化させるためで
ある。この温度範囲においては母材金属を劣化させるお
それがない。また使用するクロム化合物としては、上記
の無水クロム酸(CrO3 )の他に、水と化合したクロ
ム酸(H2 CrO4 )、塩化クロム(CrCl3 ・nH
2 O)、硝酸クロム[Cr(NO3 3 ・6H2 O]、
酢酸クロム[Cr(OAC)3 ・4H2 O]、硫酸クロ
ム[Cr2 (SO4 3 ・15H2 O]や亜鉛またはマ
グネシウムと化合した可溶性錯体クロム化合物を使用す
る。
【0023】そして前記のようにクロム化合物溶液の付
着工程と焼成工程とを組み合せて1サイクルとして、こ
の操作を複数サイクルに亘って繰り返すことにより、硬
質クロムめっき層12a,12b,12cの表面に酸化
クロム(Cr2 3 )を主成分とする緻密で強固なコー
ティング層13a,13b,13cを形成する。この酸
化クロムコーティング層13a,13b,13cの厚さ
は、前記操作サイクルを繰り返す回数により制御される
が、通常は1〜10μmに設定される。
【0024】このようにしてピストンポンプの摺動部を
構成するシリンダパイプ3、ピストンロッド4、スリー
ブ9の母材表面に耐摩耗層11a,11b,11cが形
成され、その硬質クロムめっき層12a,12b,12
cに生成した針孔や亀裂14に酸化クロムが充填される
ため、針孔や亀裂14などの切欠部に応力が作用しても
割れを生じるおそれが少ない。
【0025】また酸化クロム同士が強固に結合した酸化
クロムコーティング層13a,13b,13cは堅く緻
密な組織を有し、優れた耐摩耗特性を発揮する。特にコ
ーティング層を構成する酸化クロムのうち硬質クロムめ
っき層の針孔や亀裂14内に充填された酸化クロムは鉄
系の母材との境界部において反応し、FeO・Cr2
3 などのスピネルタイプの晶石化合物を形成するため、
母材と硬質クロムめっき層13a,13b,13cとの
接合強度が大きくなり剥離の心配が少なくなる。
【0026】また酸化クロムコーティング層13a,1
3b,13cは粒径が1μm以下の微小なセラミックス
粒子であるため気孔がほとんどなく高硬度を有し、しか
も緻密で平滑な表面層が得られる。したがって部品相互
の摩擦係数が低下して摺動特性が良好になりかつ耐摩耗
特性が大幅に向上するため、ピストンポンプの寿命を大
幅に延伸することが可能となるとともに使用する機器の
保守管理も極めて容易になる。
【0027】次に本実施例に係る往復動型ピストンポン
プの効果についてより具体的に説明する。
【0028】図2に示すような接続口径3/4Bの往復
動型ピストンポンプ(吐出圧力50kg/cm2 、吐出量3
0l/min)を6台用意し、実施例1としてシリンダパイ
プ内面に厚さ30μmの硬質クロムめっき層を電解法に
よって形成した後に、さらに厚さ5μmの酸化クロムコ
ーティング層を被着形成した耐摩耗層を有する往復動型
ピストンポンプを調製した。
【0029】ここで酸化クロムコーティング層は、硬質
クロムめっき層を形成した素地金属を、CrO3 を20
重量%含有する水溶液に浸漬して、CrO3 を素地金属
表面に付着せしめ、その後に温度約550℃で焼成を行
なう工程を15サイクル繰り返して形成した。
【0030】また実施例2として、実施例1と同一仕様
の耐摩耗層をピストンロッドの外表面に形成した往復動
型ピストンポンプを用意した。
【0031】さらに実施例3として、実施例1の仕様と
同一の耐摩耗層を、シリンダパイプ内面およびピストン
ロッドの外表面の双方に形成したピストンポンプを用意
した。
【0032】また比較例1〜3として、実施例1〜3に
おいて形成した耐摩耗層の代りに厚さ30μmの硬質ク
ロムめっき層のみを形成したピストンポンプを用意し
た。
【0033】このようにして用意した実施例1〜3およ
び比較例1〜3の往復動型ピストンポンプを農薬散布用
の防除機に実装し、延べ300時間運転した後における
各部品の摩耗量を測定し下記の表1に示す結果を得た。
【0034】
【表1】 表1の結果から明らかなように酸化クロムコーティング
層を形成した本実施例1〜3の往復動型ピストンポンプ
においては比較例1〜3と比較して摩耗量が極めて低く
なることが実証され、往復動型ピストンポンプの寿命を
大幅に延伸できることがわかる。
【0035】次に図3に示すような接続口径1/2Bの
往復動型ピストンポンプ(吐出圧力50kg/cm2 、吐出
量2.3l/min)を2台用意し、実施例4として実施例
1の仕様と同一の耐摩耗層をスリーブ外周面に形成した
ピストンポンプを用意する一方、比較例4として、厚さ
30μmの酸化クロムめっき層のみを形成したピストン
ポンプを用意し、実施例1〜3と同一条件で運転を行な
い、スリーブの摩耗量を測定し下記表2に示す結果を得
た。
【0036】
【表2】 表2の結果から明らかな通り、実施例4についても硬質
クロムめっき層の剥離等が観察されずピストンポンプの
寿命を長期化できることがわかる。一方、比較例4にお
いては、硬質クロムめっき層の剥離およびスリーブの摩
耗が顕著であり、早期に交換を要することが判明した。
【0037】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る往復動型ピ
ストンポンプによれば、摺動部を構成するシリンダパイ
プの内表面、ピストンロッドの外表面またはスリーブの
外表面に耐摩耗層が形成され、この耐摩耗層は各母材表
面に形成した硬質クロムめっき層と、この硬質クロムめ
っき層に被着形成した酸化クロムコーティング層とから
構成されており、硬質クロムめっき層に生成した針孔や
亀裂に酸化クロムが充填されるため、針孔や亀裂などの
切欠部に応力が作用しても割れを生じるおそれが少な
い。
【0038】また酸化クロム同士が強固に結合した酸化
クロムコーティング層は堅く緻密な組織を有し、優れた
耐摩耗特性を発揮する。特にコーティング層を構成する
酸化クロムのうち硬質クロムめっき層の針孔や亀裂内に
充填された酸化クロムは鉄系の母材との境界部において
反応し、FeO ・Cr2 3 などのスピネルタイプの晶石
化合物を形成するため、母材と硬質クロムめっき層との
接合強度が大きくなり剥離の心配が少なくなる。
【0039】また酸化クロムコーティング層は粒径が1
μm以下の微小なセラミックス粒子であるため気孔がほ
とんどなく高硬度を有し、しかも緻密で平滑な表面層が
得られる。したがって部品相互の摩擦係数が低下して摺
動特性が良好になり、かつ耐摩耗特性が大幅に向上する
ため、ピストンポンプの寿命を大幅に延伸することが可
能となるとともに使用する機器の保守管理も極めて容易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る往復動型ピストンポンプの一実施
例の要部である耐摩耗層を拡大して示す断面図。
【図2】往復動型ピストンポンプの構造例を示す断面
図。
【図3】他の往復動型ピストンポンプの構造例を示す断
面図。
【符号の説明】
1 吸込口 2 吐出口 3 シリンダパイプ 4 ピストンロッド 5 ピストン 6 弁体 7 通孔 8 止体 9 スリーブ 10 パッキン 11a,11b,11c 耐摩耗層 12a,12b,12c 硬質クロムめっき層 13,13a,13b,13c 酸化クロムコーティン
グ層 14 針孔や亀裂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 宏祐 千葉県東金市小沼田字戌開1554−3 株式 会社丸山製作所東金工場内 (72)発明者 足立 仁夫 千葉県東金市小沼田字戌開1554−3 株式 会社丸山製作所東金工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込口および吐出口に接続したシリンダ
    パイプと、上記シリンダパイプ内を往復動するピストン
    ロッドとを備え、上記ピストンロッドの先端部に往復動
    自在に嵌挿されたピストンをピストンロッドとともに往
    復動させて加圧流体の送出を行なう往復動型ピストンポ
    ンプにおいて、上記シリンダパイプ内表面およびピスト
    ンロッド外表面の少なくとも一方の表面に耐摩耗層を形
    成し、この耐摩耗層は、母材表面に形成した硬質クロム
    めっき層と、この硬質クロムめっき層に被着形成した酸
    化クロムコーティング層とから構成したことを特徴とす
    る往復動型ピストンポンプ。
  2. 【請求項2】 吸込口および吐出口を有するシリンダパ
    イプ内を往復動するピストンロッドと、このピストンロ
    ッドの先端に設けた弁体と、この弁体より間隔をおいて
    ピストンロッドに配設され、通孔を有する止体と、上記
    弁体と止体との距離より小なる長さを有し、上記弁体と
    止体との間のピストンロッドに遊嵌されたスリーブと、
    上記シリンダパイプ内壁に固定され、上記スリーブを気
    水密にかつ摺動自在に保持するパッキンとを備えた往復
    動型ピストンポンプにおいて、上記スリーブ外表面に耐
    摩耗層を形成し、この耐摩耗層は、スリーブ母材表面に
    形成した硬質クロムめっき層と、この硬質クロムめっき
    層に被着形成した酸化クロムコーティング層とから構成
    したことを特徴とする往復動型ピストンポンプ。
JP4222835A 1992-08-21 1992-08-21 往復動型ピストンポンプ Pending JPH05240156A (ja)

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