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JPH05239020A - 3−[(r)−1−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル−4−置換−2−アゼチジノンの製造法 - Google Patents

3−[(r)−1−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル−4−置換−2−アゼチジノンの製造法

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Publication number
JPH05239020A
JPH05239020A JP4344959A JP34495992A JPH05239020A JP H05239020 A JPH05239020 A JP H05239020A JP 4344959 A JP4344959 A JP 4344959A JP 34495992 A JP34495992 A JP 34495992A JP H05239020 A JPH05239020 A JP H05239020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
azetidinone
ethyl
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4344959A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiyuki Sendai
道行 千代
Katsunori Nagai
克典 永井
Shigeha Okamoto
成羽 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Publication of JPH05239020A publication Critical patent/JPH05239020A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】カルバペネム系およびペネム系抗菌剤の合成中
間体の製造法の提供。 【構成】3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−
置換−2−アゼチジノンとハロギ酸エステルとを、ピリ
ジンと式 【化1】 [式中、Rは低級アルキル基を、nは1ないし3の整数
を示す。]で表わされる化合物の1または2種以上との
存在下で反応させることを特徴とする3−[(R)−1
−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル]−4−置換
−2−アゼチジノンの製造法。 【効果】目的物を高収率で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルバペネムおよびペネ
ム系抗菌剤の合成中間体として有用な3−[(R)−1
−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル]−4−置換
−2−アゼチジノンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】イミペネムに代表されるように6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペネム化合物
は強い抗菌活性と広い抗菌スペクトルを有し注目を集め
ている。しかし、このヒドロキシル基は合成過程におい
て保護されていることが好ましいが、カルバペネム骨格
が化学的に不安定なため合成過程で用いられる保護基の
種類は限られている。現在、該ヒドロキシル基の好まし
い保護基としてアリルオキシカルボニル基、p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル基等の置換アルコキシカルボ
ニル基がよく用いられている。しかしながら、例えばカ
ルバペネム化合物の中間体(A)の場合、選択的O−ア
リルオキシカルボニル化は成功せずO−アリルオキシカ
ルボニル体とN−アリルオキシカルボニル体の両方が生
成するため、選択的にO−アリルオキシカルボニル体を
得るには1位のNH基を保護する必要があると報告され
ている[ヘテロサイクルズ(Heterocycles)25巻 2
21頁(1987)]。また、化合物(B)をジクロロ
メタン溶媒中、4−ジメチルアミノピリジン存在下でク
ロロギ酸p−ニトロベンジルを用いてO−(p−ニトロ
ベンジル)オキシカルボニル化反応を行なった場合、O
−(p−ニトロベンジル)オキシカルボニル体の収率は
70%以下であり[ブリテイン オブ ザ ケミカル
ソサイアイティ オブ ジャパン(Bulletin of the Ch
emical Society ofJapan)59巻 1363頁(198
6)およびテトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Le
tters)25巻 2793頁(1984)]、満足でき
る結果ではなかった。
【化2】 さらにカルバペネムの合成中間体として重要な化合物
(C)をブリテイン オブ ザ ケミカル ソサイアイ
ティ オブ ジャパン(Bulletin of the Chemical Soc
iety of Japan)59巻 1363頁(1986)に準
じてジクロロメタン溶媒中、4−ジメチルアミノピリジ
ン存在下でクロロギ酸アリルと反応させたところ、目的
のO−アリルオキシカルボニル体(D)は僅かしか生成
せず、N−アリルオキシカルボニル体(E)およびN,
O−ビス(アリルオキシカルボニル)体(F)が主に生
成し、さらにこれら化合物の分離に手間がかかるという
結果が得られた。そこで、簡便でかつ選択的にO−アリ
ルオキシカルボニル体が高収率で得られる方法の開発が
望まれている。
【化3】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、3−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−置換−2−ア
ゼチジノンから、カルバペネムおよびペネム系抗菌剤の
合成中間体として有用なO−置換オキシカルボニル体、
すなわち3−[(R)−1−(置換オキシカルボニルオ
キシ)エチル]−4−置換−2−アゼチジノンを簡便で
かつ選択的に高収率で得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−
置換−2−アゼチジノンの簡便で選択的なO−置換アル
コキシカルボニル化の方法について種々検討した。その
結果、ある種の溶媒中、脱ハロゲン化剤用の塩基として
ピリジンを使用すると選択的にO−置換アルコキシカル
ボニル化が進行することを見いだした。しかし、塩基と
してピリジンだけを使用した場合、置換アルコキシカル
ボニル化剤が分解しやすく、大量の反応剤が必要である
という欠点を有していた。そこで更に鋭意研究を積み重
ねた結果、3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4
−置換−2−アゼチジノンのハロギ酸エステルによるO
−置換オキシカルボニル化反応をピリジンと式
【化4】 [式中、Rは低級アルキル基を、nは1ないし3の整数
を示す。]で表わされる塩基の1または2種以上との存
在下で行なうことにより、予想外にも上記欠点がなく、
選択的に高収率でO−置換オキシカルボニル体が得られ
ることを見出し、これに基づいて本発明を完成した。す
なわち、本発明は (1)3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−置
換−2−アゼチジノンとハロギ酸エステルとを、ピリジ
ンと化合物[I]の1または2種以上との存在下で反応
させる ことを特徴とする、3−[(R)−1−(置換
オキシカルボニルオキシ)エチル]−4−置換−2−ア
ゼチジノンの製造法、(2)有機溶媒を用いることを特
徴とする上記(1)記載の製造法、(3)有機溶媒がエ
ーテル系またはエステル系溶媒である上記(2)記載の
製造法、(4)nが2または3である上記(1)ないし
(3)記載の製造法、(5)Rが2位および6位に置換
している上記(4)記載の製造法、(6)Rがメチル基
である上記(1)ないし(5)記載の製造法、(7)ピ
リジンと2,6−ルチジンの存在下に反応させることを
特徴とする上記(3)記載の製造法、(8)ピリジンと
2,4,6−コリジンの存在下に反応させることを特徴と
する上記(3)記載の製造法に関するものである。
【0005】本発明の3−[(R)−1−(置換オキシ
カルボニルオキシ)エチル]−4−置換−2−アゼチジ
ノン製造方法において用いられる3−[(R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−4−置換−2−アゼチジノンは、4
位に置換基として公知のアシル化剤との反応で何ら影響
を受けない基を有する3−[(R)−1−ヒドロキシエ
チル]−2−アゼチジノンであれば何れのものでもよ
い。例えば、式
【化5】 [式中、R1は置換基を示す。]で表わされる化合物な
どが用いられる。R1で表わされる置換基としては、ア
シル化剤との反応で何ら影響を受けない基が用いられ
る。例えば、後述するハロギ酸エステルとの反応で何ら
影響を受けない基が用いられる。上記アシル化剤との反
応で何ら影響を受けない基としては、例えば、炭素,窒
素,酸素もしくは硫黄を介する基であってもよく、基中
に例えばカルボキシル基,ヒドロキシ基,アミノ基,メ
ルカプト基などのようなアシル化を受け得る基を有して
いる場合、それらの基が保護されていてもよい。さらに
より詳しくは、R1は例えば 置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シクロアルキル基または非芳香族複
素環基、 式、 −OCOR3 [式中、R3は置換基を有していてもよいアルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を示
す]で表わされる基、 式、 −S(O)m−R [式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を、
mは0ないし3の整数を示す]で表わされる基、 式、
【化6】 [式中、R5は置換基を有していてもよいアルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基または複
素環基を、Yは結合手、酸素原子または硫黄原子を、Z
は酸素原子または硫黄原子を示す]で表わされる基など
が用いられる。
【0006】上記「置換基を有していてもよいアルキル
基」の「アルキル基」としては、直鎖状または分枝状の
低級アルキル基が好ましく、なかでもメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−
ブチルなどのC1-6アルキル基が好ましい。上記「置換
基を有していてもよいアルケニル基」の「アルケニル
基」としては、直鎖状または分枝状の低級アルケニル基
が好ましく、なかでもビニル、アリル、イソプロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニルなどのC1-6アルケニ
ル基が好ましい。上記「置換基を有していてもよいアル
キニル基」の「アルキニル基」としては、直鎖状または
分枝状の低級アルキニル基が好ましく、なかでもエチニ
ル、1−プロピニル、2−プロピニルなどのC1-6アル
キニル基が好ましい。上記「置換基を有していてもよい
シクロアルキル基」の「シクロアルキル基」の好適の例
としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどのC3-8
クロアルキル基が用いられる。上記「置換基を有してい
てもよい非芳香族複素環基」の「非芳香族複素環基」と
しては、酸素、硫黄、窒素のヘテロ原子を、1ないし2
個を含む5〜7員環が好ましく、なかでもピラニル、チ
オピラニル、ピペリジル、ジチアニル、オキサチアニ
ル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロジニルなどが好
ましい。上記「置換基を有していてもよいアリール基」
の「アリール基」としては、フェニル、ナフチルなどが
用いられる。上記「置換基を有していてもよい複素環
基」の「複素環基」としては、例えば、酸素、硫黄、窒
素のうち少なくとも1個のヘテロ原子をもつ芳香族複素
環基、または飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基な
ど用いられる。これらの複素環基としては、5ないし1
3員環のものが好ましい。芳香族複素環基としては、例
えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソ
オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾ
リル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テ
トラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、イ
ミダゾピリジル、イミダゾピリダジニルなどが、非芳香
族複素環基としては、ピロリジル、ピペリジル、モルホ
リニル、ピペラジニル、ピラニル、チオピラニル、ジチ
アニル、オキサチアニルなどが用いられる。
【0007】上記のアルキル、アルケニル、アルキニ
ル、シクロアルキル、アリール、非芳香族複素環基、複
素環基が有していてもよい置換基としては、例えば保護
されたアミノ基、モノあるいはジ低級アルキルアミノ基
(例えば、ジメチルアミノなど)、アミジノ基、アシル
基、カルバモイル基、モノあるいはジ低級アルキルカル
バモイル基(例えば、メチルカルバモイルなど)、スル
ファモイル基、モノあるいはジ低級アルキルスルファモ
イル基(例えば、メチルスルファモイルなど)、カルボ
キシル基、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニルなど)、低級アルキルチオカルボニル基
(例えば、メチルチオカルボニルなど)、アリールチオ
カルボニル基(例えば、フェニルチオカルボニルな
ど)、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよい複素
環チオカルボニル基(例えば、ピリジルチオカルボニル
など)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキ
シ,n−クロロポキシなど)、低級アルケニルオキシ基
(例えば、ビニルオキシ、2−プロペニルオキシな
ど)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシなど)、
メルカプト基、低級アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ,エチルチオなど)、アリールチオ基(例えば、フェ
ニルチオなど)、スルホ基、アジド基、カルボキシメチ
ルカルボニル基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、低級アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロ
ピルなど)、低級アルケニル基(例えば、ビニル,2−
プロペニルなど)、低級アルキニル基(例えば、エチニ
ル,プロパギルなど)、C3-8シクロアルキル基(例え
ば、シクロプロピル,シクロブチルなど)、置換基を有
していてもよい複素環基などが用いられる。置換基の数
は1ないし3個である。置換基として用いられるアミノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基は公知の保護基に
よって保護されていてもよい。上記置換基を有していて
もよい複素環基としては、例えば、上記「置換基を有し
ていてもよい複素環基」で述べたものなどが用いられ
る。上記アミノ基,ヒドロキシ基およびカルボキシ基が
有していてもよい保護基としては、置換基を有していて
もよいC1-6アルキル基(例えば、メチル,エチル,プ
ロピルなど)、置換基を有していてもよいフェニル基、
置換基を有していてもよいC7-10アラルキル基(例え
ば、ベンジル基など)、トリチル、シリルなどが用いら
れる。上記C1-6アルキル基、フェニル基、C7-10アラ
ルキル基、トリチル、シリルが有していてもよい置換基
としては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,
ブロモなど)、C1-3アルキル(例えば、メチル,エチ
ル,n−プロピルなど)、C1-6アルキルオキシ(例え
ば、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ な
ど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、ホルミル,
メチルカルボニル,エ チルカルボニルなど)、ニトロ
などが用いられる。置換基の数は1ないし3個程度であ
る。R1で表わされる置換基のより好ましい例は、上記
した,である。なかでも、としては、式 −CH(R6)COOR7 [式中、R6は低級アルキル基を、R7は保護基を示
す。]で表わされる基などが好ましい。
【0008】R6で表わされる低級アルキル基として
は、メチル,エチル,プロピルなどのC1-6アルキルが
用いられ、特にメチルが好ましい。R7で表わされる保
護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1-6
アルキル(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,i
−プロピル,n−ブチル,tert−ブチルなど)、置換基
を有していてもよいC7-10アラルキル(例えば、ベンジ
ルなど)、置換基を有していてもよいフェニル、トリチ
ル、シリル、ヒドリルなどが用いられる。これらのC
1-6アルキル、C7-10アラルキル、フェニルが有してい
てもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フル
オロ,クロロ,ブロモなど)、C1-6アルキルオキシ
(例えば、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ
など),C1-6アルキルカルボニル(例えば、ホルミ
ル,メチルカルボ ニル,エチルカルボニルなど)、ニ
トロなどが用いられる。置換基の数は1ないし3個程度
である。なかでも、上記R7で示されるカルボキシル基
の保護基とし ては、例えばメチル、エチル、メトキシ
メチル、メトキシエトキシメチル、ベンジルオキシメチ
ル、tert−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、
p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、ベンズヒド
リル、トリチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ト
リメチルシリルエチル、アリル、トリメチルシリル、ト
リエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、イソプ
ロピルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル基など
が好ましい。 としては、R2がC1-6アルキルのものが好ましく、特
にメチルがよい。上述した3−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−4−置換−2−アゼチジノンは、それ自体
公知またはそれに準じる方法を用いて製造することがで
きる。例えば、特開平01−254656,テトラヘド
ロン レターズ(Tetrahedron Letters),26,67
3(1985),同,28,507(1987),同,
,6625(1987)などに記載の方法を用いて
製造することができる。
【0009】上述した3−[(R)−1−ヒドロキシエ
チル]−4−置換−2−アゼチジノンを、化合物[I]
の1または2種以上の存在下で、ハロギ酸エステルと反
応させることによって、3−[(R)−1−(置換オキ
シカルボニルオキシ)エチル]−4−置換−2−アゼチ
ジノンを製造することができる。化合物[I]中、Rで
示される低級アルキル基としては、例えばメチル,エチ
ル,プロピルなどのC1-3アルキル基などが用いられる
が、特にメチルが好ましい。nは1ないし3の整数を表
わすが、2または3が好ましい。化合物[I]として
は、例えばルチジン,コリジンなどが好ましい。特にR
が2位および6位に置換しているものが好ましく、とり
わけ2,6−ルチジン,2,4,6−コリジンが好まし
い。すなわち、本反応で用いられる塩基としては、ピリ
ジンと2,6−ルチジン、ピリジンと2,4,6−コリジ
ンの組み合わせが好ましい。化合物[I]は、必要に応
じて異種の化合物[I]を2種以上混合して用いること
ができるが、1種のみで用いるのが好ましい。ピリジン
と化合物[I]との3−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−4−置換−2−アゼチジノン1モルに対する使用
量は、総量で通常1〜1 0モル当量,好ましくは1〜
3モル当量である。例えば、3−[(R)−1−ヒドロ
キシエチル]−4−置換−2−アゼチジノン1モルに対
して、ピリジンと2,6−ルチジンではそれぞれ通常0.
01〜0.8モル当量と1〜10モル当量、好ましくは
0.05〜0.5モル当量と1〜3モル当量を、ピリジン
と2,4,6−コリジンではそれぞれ通常0.01〜0.8
モル当量と1〜10モル当量、好ましくは0.05〜0.
5モル当量と1〜3モル当量を用いる。
【0010】上記ハロギ酸エステルとしては、ギ酸から
誘導される公知の化合物であれば何れのものでも用いる
ことができる。例えば、式
【化7】 [式中、R2は置換基を有していてもよいアルキル基
を、Xはハロゲン原子を示す。]で表わされる化合物な
どが用いられる。R2で表わされる「置換基を有してい
てもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、例え
ばメチル,エチル,n−プロピル,n−ブチルなどのC
1-6アルキルなどが用いられる。特に、メチル、エチル
が好ましい。R2で表わされる「置換基を有していても
よいアルキル基」の「置換基」としては、例えば、C
1−6アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−プロ
ピルなど),C1-6アルケニル基(例えば、ビニル,1
−プロペニル,2−ブテニルなど),C1-6アルキニル
基(例えば、エチニル,1−プロピニル,プロパルギル
など)、置換基を有していてもよいフェニル基,トリチ
ル,シリルなどから選ばれる1ないし3個が用いられ
る。上記フェニル基が有していてもよい置換基として
は、C1-6アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−
プロピルなど)、ハロゲン原子 (例えば、フルオロ,
クロロ,ブロム,ヨードなど)、ニトロ基,シアノ基,
1-6アルキルオキシ(例えば、メトキシ,エトキシプ
ロポキシなど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、
アセチル,エチルカルボニル,プロピルカルボニルな
ど)などから選ばれる1ないし3個が用いられる。R2
の好ましい例として、例えばアリル、p−ニトロベンジ
ル、o−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、ビス
(4−メトキシフェニル)メチル、ジフェニルメチル、
2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエ
チル基などが用いられる。
【0011】Xで表わされるハロゲン原子としては、例
えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードなどが用いら
れ、特にクロロが好ましい。上記ハロギ酸エステルの使
用量は、3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−
置換−2−アゼチジノン1モルに対して通常1〜10モ
ル当量、好ましくは2〜6モル当量である。反応温度
は、3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−置換
−2−アゼチジノン,化合物[I]の種類と量などの諸
条件の違いによって異なるが、通常−20℃から100
℃,好ましくは0から70℃である。反応時間は反応温
度,原料化合物,化合物[I]の種類,量および溶媒等
の諸条件の違いによって異なるが、通常10分から10
0時間、好ましくは30分から24時間である。
【0012】本発明の方法は、適当な反応溶媒中で進行
させることができるが、なかでも有機溶媒を用いること
によって、より高収率でかつ選択的に3−[(R)−1
−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル]−4−置換
−2−アゼチジノンを得ることができる。上記有機溶媒
としては、例えば、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒ
ドロフラン(以下、THFと略す),ジオキサン,1,
2−ジメトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,ジ
エチレングリコールジエチルエーテル,ジエチレングリ
コールジメチルエーテル,ジエチルエーテル,ジイソプ
ロピルエーテルなど)、エステル系溶媒(例えば、酢酸
メチル,酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチルな
ど)、炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエン,キシレ
ンなど)などが用いられる。 なかでも、上記中のエー
テル系またはエステル系溶媒が好ましい。特に、TH
F,ジオキサン,1,2−ジメトキシエタン,酢酸エチ
ルがより好ましい。
【0013】本反応で用いられる溶媒の量は、溶媒およ
び3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−置換−
2−アゼチジノンの種類によって異なるが3−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−4−置換−2−アゼチジノ
ン1gに対して、通常1〜500ml,好ましくは5〜1
00mlである。本反応では、反応過程中において用いる
原料化合物[II]の3位の配位が変化することはない。
すなわち、原料化合物の3位がα位である場合は、生成
物もα位であり、原料化合物の3位がβ位である場合
は、生成物もβ位である。かくして得られる3−
[(R)−1−(置換オキシカルボニルオキシ)エチ
ル]−4−置換−2−アゼチジノンは、例えば式
【化8】 [式中、R1、R2は前記と同意義を有する。]で表わさ
れる化合物であって、それ自体公知またはそれに準じる
方法によって単離することができる。例えば、溶媒抽
出,濃縮,液性変換,転溶,晶出,再結晶,クロマトグ
ラフィーなどによって単離することができる。
【0014】本発明で得られる3−[(R)−1−(置
換オキシカルボニルオキシ)エチル]−4−置換−2−
アゼチジノンは、優れた抗菌作用を有するカルバペネム
系およびペネム系化合物の合成中間体として用いること
ができる。本発明の生成物から、カルバペネム系および
ペネム系化合物を合成する場合、それ自体公知またはそ
れに準じる方法によって製造することができる。例え
ば、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)25巻 221
頁(1987)、ブリテインオブ ザ ケミカル ソサ
イアイティ オブ ジャパン(Bulletin of the Chemic
al Society of Japan)59巻 1363頁(198
6)、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letter
s)25巻 2793頁(1984)、同、26巻 8
9頁(1985)、ケミカル ファーマシュウティカル
ブルテイン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)
37巻 2338頁(1989)、ジャーナル オブ
ザ ケミカル ソサイアティ ケミカル コミュニケー
ション(Journal of the Chemical Society Chemical C
ommunication)908頁(1983)、同、821頁
(1989)、ヘルベチカ キミカ アクタ(Helvetic
a Chimica Acta)69巻 1576頁(1986)、特
開昭62−263183、同57−146777、同6
4−22880、同64−22880、同61−474
89、同63−303981、同63−287779、
同63−188662、同60−104088、同64
−43986、特開平1−197483、同3−167
187、同3−163081、同2−300187、同
2−1490、特願平2−177118などに記載の方
法およびそれに準ずる方法を用いて製造することができ
る。
【0015】以下に実施例および参考例で本発明をさら
に詳しく説明する。しかし、これらは本発明を何ら限定
するものではない。以下の参考例および実施例のNMR
スペクトルは内部標準としてテトラメチルシランを用い
てジェミニ(Gemini)200(200MHz)型スペク
トルメーターで測定し、全δ値をppmで示した。実施例
中の記号は次のような意味を有する。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:クワルテット dd:ダブル ダブレット m:マルチプレッ
ト br:幅広い J:カップリング
定数。
【0016】
【実施例】
参考例1 (3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−アゼチジノン(1.06g)
を乾燥ジクロロメタンに溶かし、氷冷下かき混ぜながら
4−ジメチルアミノピリジン(1.47g)を加え、続
いてクロロギ酸メチル(3.18ml)のジクロロメタン
溶液(10ml)を5時間かけて滴下した。滴下終了後同
温で30分間撹拌した。反応液を希塩酸、食塩水で順次
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒
を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル50g,酢酸エチル−ヘキサン
1:2)で分離精製すると、(3R,4R)−4−アセ
トキシ−3−[(R)−1−(アリルオキシカルボニル
オキシ)エチル]−2−アゼチジノンが0.054g、
(3R,4R)−4−アセトキシ−1−アリルオキシカ
ルボニル−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2
−アゼチジノンが0.332g及び(3R,4R)−4
−アセトキシ−1−アリルオキシカルボニル−3−
[(R)−1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル]−2−アゼチジノンが0.435g得られた。 (3R,4R)−4−アセトキシ−1−アリルオキシカ
ルボニル−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2
−アゼチジノン: IR(Neat):2980, 1830, 1750cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:1.37(3H,d,J=6.2Hz), 2.16(3H,
s), 3.19(1H,dd,J=1.6 &6.2Hz), 4.25(1H,quintet,J=6.
2Hz), 4.7-4.8(2H,m), 5.3-5.5(2H,m), 5.97(1H,ddt,J=
10.2, 17.2 & 5.8Hz), 6.37(1H,d,J=1.6Hz) (3R,4R)−4−アセトキシ−1−アリルオキシカ
ルボニル−3−[(R)−1−(アリルオキシカルボニ
ルオキシ)エチル]−2−アゼチジノン: IR(Neat):3000, 1830, 1750cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:1.46(3H,d,J=6.4Hz), 2.13(3H,
s), 3.34(1H,dd,J=1.8 &6.0Hz), 4.6-4.8(4H,m), 5.18
(1H,dq,J=6.4 & 6.0Hz), 5.3-5.5(4H,m), 5.8-6.1(2H,
m), 6.56(1H,d,J=1.8Hz)
【0017】参考例2 (3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−アゼチジノン(1.04g)
を乾燥THF(30ml)に溶かし、ピリジン(0.97m
l)を加え、ついでクロロギ酸アリル(0.64ml)を加
えて30℃で撹拌した。1時間毎にクロロギ酸アリル
(3.18ml)を3回追加後、30℃で2時 間撹拌し
た。減圧下溶媒留去して得られた残渣に酢酸エチルおよ
び1N HCl を加えて振り混ぜた。有機層を分取し、
飽和硫酸銅水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去して得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル50g,酢酸エチル−ヘキサン 1:2)で精製する
と、(3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−
1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]−2−
アゼチジノンが淡黄色油状物として得られた。
【0018】実施例1 (3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−アゼチジノン(5.19g)
を乾燥THF(120ml)に溶かし、2,6−ルチジン
(6.99ml)およびピリジン(0.48ml)を加え、つ
いでクロロギ酸アリル(3.18ml)を加えて30℃で
撹拌した。1時間毎にクロロギ酸アリル(3.18ml)
を3回追加後、30℃で2時間撹拌した。減圧下溶媒留
去して得られ た残渣に酢酸エチル(200ml)および
1N HCl(50ml)を加えて振り混 ぜた。有機層を
分取し、飽和硫酸銅水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去して得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル140g,酢酸エチル−ヘキサン 1:2)で
精製すると、(3R,4R)−4−アセトキシ−3−
[(R)−1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル]−2−アゼチジノンが淡黄色油状物として6.9 5
g(収率90%)得られた。 IR(Neat):2980, 1790, 1750cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:1.46(3H,d,J=6.2Hz), 2.12(3H,
s), 3.37(1H,dd,J=1.4 &6.8Hz), 4.6-4.7(2H,m), 5.12
(1H,dq,J=6.8 & 6.2Hz), 5.29(1H,dq,J=10.4 & 1.4Hz),
5.36(1H,dq,J=17.4 & 1.4Hz), 5.85(1H,d,J=1.4Hz),
5.94(1H,ddt,J=10.4, 17.4 & 5.8Hz), 6.53(1H,brs)
【0019】実施例2 (3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−アゼチジノン(1.04g)
を乾燥ジオキサン(30ml)に溶かし、2,6−ルチジ
ン(1.4ml)およびピリジン(0.1ml)を加え、つい
でクロロギ酸アリル(0.64ml)を加えて30℃で撹
拌した。1時間毎にクロロギ酸アリル(3.18ml)を
4回追加後、30℃で2時間撹拌した。減圧下溶媒留去
して得られた残渣に酢酸エチルおよび1N HClを加
えて振り混ぜた。有機層を分取し、飽和硫酸銅水溶液、
飽和食塩水で順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下溶媒留去して得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル50g,酢酸エチル
−ヘキサン 1:2)で精製すると、(3R,4R)−
4−アセトキシ−3−[(R)−1−(アリルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル]−2−アゼチジノンが淡黄色
油状物として1.39g(収率90%)得られた。
【0020】実施例3 実施例2に於いてジオキサンの代わりに1,2−ジメト
キシエタン(30ml)を用いて、同様に反応し後処理す
ると(3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−
1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]−2−
アゼチジノンが淡黄色油状物として1.42g(収率9
2%)得られた。
【0021】実施例4 実施例2に於いてジオキサンの代わりに酢酸エチル(3
0ml)を用いて、クロロギ酸アリルを合計2.56mlを
同様に反応し後処理すると(3R,4R)−4−アセト
キシ−3−[(R)−1−(アリルオキシカルボニルオ
キシ)エチル]−2−アゼチジノンが淡黄色油状物とし
て1.31g(収率85%)得られた。
【0022】実施例5 実施例1に於いて2,6−ルチジンの代わりに2,4,6
−コリジンを用いると、(3R,4R)−4−アセトキ
シ−3−[(R)−1−(アリルオキシカルボニルオキ
シ)エチル]−2−アゼチジノン1.25g(収率81
%)得られた。
【0023】実施例6 (3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−2−アゼチジノン(1.73g)
を乾燥THF(40ml)に溶かし、2,6−ルチジン
(2.3ml)およびピリジン(0.08ml)を加え、つい
でクロロギ酸p−ニトロベンジル(2.16g)を加え
て30℃で撹拌した。1時間毎にクロロギ酸p−ニトロ
ベンジル(2.16g)を4回追加後、30℃で2時間
撹拌した。減圧下溶媒留去して得られた残渣に酢酸エチ
ルおよび1N HClを加えて振り混ぜた。有機層を分
取し、飽和硫酸銅水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル80g,酢酸エチル−ヘキサン 1:1)で精製
すると、(3R,4R)−4−アセトキシ−3−
[(R)−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル
オキシ)エチル]−2−アゼチジノンが無色結晶として
3.01g(収率88%)得られた。融点79−80℃ IR(KBr):3280, 1780, 1750, 1740, 1520cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:1.47(3H,d,J=6.4Hz), 2.12(3H,
s), 3.38(1H,dd,J=1.2 &6.4Hz), 5.16(1H,quintet,J=6.
4Hz), 5.25(2H,s), 5.86(1H,d,J=1.2Hz), 6.56(1H,br
s), 7.55(2H,d,J=9Hz), 8.24(2H,d,J=9Hz)
【0024】実施例7 (3S,4S)−4−[(R)−1−(ジフェニルメチ
ルオキシカルボニル)エチル]−3−[(R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−2−アゼチジノン(1.06g)を
乾燥THF(30ml)に溶かし、2,6−ルチジン(0.
7ml)およびピリジン(0.05ml)を加え、ついでク
ロロギ酸アリル(0.32ml)を加えて30℃で撹拌し
た。1時間毎にクロロギ酸アリル(0.32ml)を4回
追加後、30℃で2時間撹拌した。減圧下溶媒留去して
得られた残渣に酢酸エチルおよび1N HClを加えて
振り混ぜた。有機層を分取し、飽和硫酸銅水溶液、飽和
食塩水で順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下溶媒留去して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル50g,酢酸エチル−ヘ
キサン 1:2)で精製すると、(3S,4S)−3−
[(R)−1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル]−4−[(R)−1−(ジフェニルメチルオキシカ
ルボニル)エチル]−2−アゼチジノンが無色油状物と
して1.26g(収率96%)得られた。 IR(KBr):2780, 2950, 1770, 1750, 1730, 1655cm
-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,d,J=7Hz), 1.29(3H,d,
J=7Hz), 2.75-2.90(1H,m), 3.15(1H,dd,J=2 & 8Hz), 3.
89(1H,dd,J=2 & 5.6Hz), 4.55-4.65(2H,m), 4.95(1H,
m), 5.2-5.4(2H,m), 5.8-6.05(2H,m), 6.86(1H,s), 7.2
-7.4(10H,m)
【0025】
【作用】以下に本発明の効果を示すために、(3R,4
R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−ヒドロキシ
エチル]−2−アゼチジノンとクロロギ酸アリルとを、
各種塩基および溶媒存在下で反応させた時の(3R,4
R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−(アリルオ
キシカルボニルオキシ)エチル]−2−アゼチジノン
(G)、(3R,4R)−4−アセトキシ−1−アリル
オキシカルボニル−3−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−2−アゼチジノン(H)および(3R,4R)−
4−アセトキシ−1−アリルオキシカルボニル−3−
[(R)−1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル]−2−アゼチジノン(I)の収率(%)を示す。 [操作法](3R,4R)−4−アセトキシ−3−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−アゼチジノン
(6mmol)を溶媒(20ml)と混合し塩基を加えた後、3
0℃でクロロギ酸アリル(24mmol)を3.5時間かけて
滴下した。30℃で2時間反応後、酢酸エチルで希釈
し、1N HCl、硫酸銅水溶液、水で順次洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残
留物中の化合物(G)、(H)および(I)の含量をH
PLCで測定し各化合物の収率を算出した。結果を〔表
1〕に示す。 HPLCの条件:カラム:Capcell pak C18 検出器:UV(218nm) 流速 :1.0ml/min
【化9】
【0026】
【表1】 ─────────────────────────────────── 収率(%) 実施例 塩基 溶媒 ───────────── No. G H I ─────────────────────────────────── 1 ヒ゜リシ゛ン+2,6-ルチシ゛ン THF 90 0 0 2 〃 ジオキサン 90 0 0 3 〃 1,2-シ゛メトキシエタン 92 0 0 4 〃 酢酸エチル 85 0 0 5 ヒ゜リシ゛ン+2,6-コリシ゛ン THF 81 0 0 ─────────────────────────────────── 参考例2 ピリジン THF 47 0 0 ─────────────────────────────────── 公知方法(1) 4-シ゛メチルアミノヒ゜リシ゛ン CH2Cl2 3.5 21.5 21.3 ─────────────────────────────────── *公知方法(1):ブリテイン オブ ザ ケミカル ソ
サイアイティ(Bulletinof the Chemical Society of J
apan),59,1363(1986) 〔表1〕より、本発明の方法を用いることによって、3
−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−置換−2−
アゼチジノンからカルバペネム系およびペネム系抗菌剤
の合成中間体として有用な3−[(R)−1−(置換オ
キシカルボニルオキシ)エチル]−4−置換−2−アゼ
チジノンを選択的に、かつ高収率で得られることがわか
る。
【発明の効果】カルバペネム系およびペネム系抗菌剤の
合成中間体として有用な3−[(R)−1−(置換オキ
シカルボニルオキシ)エチル]−4−置換−2−アゼチ
ジノンの工業的に有利な製造法を提供できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
    4−置換−2−アゼチジノンとハロギ酸エステルとを、
    ピリジンと式 【化1】 [式中、Rは低級アルキル基を、nは1ないし3の整数
    を示す。]で表わされる化合物の1または2種以上との
    存在下に反応させることを特徴とする、3−[(R)−
    1−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル]−4−置
    換−2−アゼチジノンの製造法。
  2. 【請求項2】有機溶媒を用いることを特徴とする請求項
    1記載の製造法。
  3. 【請求項3】有機溶媒がエーテル系またはエステル系溶
    媒である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】nが2または3である請求項1ないし3記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】Rが2位および6位に置換している請求項
    4記載の製造法。
  6. 【請求項6】Rがメチル基である請求項1ないし5記載
    の製造法。
  7. 【請求項7】ピリジンと2,6−ルチジンの存在下に反
    応させることを特徴とする請求項3記載の製造法。
  8. 【請求項8】ピリジンと2,4,6−コリジンの存在下に
    反応させることを特徴とする請求項3記載の製造法。
JP4344959A 1991-12-27 1992-12-25 3−[(r)−1−(置換オキシカルボニルオキシ)エチル−4−置換−2−アゼチジノンの製造法 Withdrawn JPH05239020A (ja)

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JP3-347194 1991-12-27

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7732413B2 (en) 2003-03-07 2010-06-08 Schering Corporation Substituted azetidinone compounds, processes for preparing the same, formulations and uses thereof
US7741289B2 (en) 2003-03-07 2010-06-22 Schering Corporation Substituted azetidinone compounds, processes for preparing the same, formulations and uses thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7732413B2 (en) 2003-03-07 2010-06-08 Schering Corporation Substituted azetidinone compounds, processes for preparing the same, formulations and uses thereof
US7741289B2 (en) 2003-03-07 2010-06-22 Schering Corporation Substituted azetidinone compounds, processes for preparing the same, formulations and uses thereof

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