[go: up one dir, main page]

JPH05233782A - 画像照合方法及び画像照合装置 - Google Patents

画像照合方法及び画像照合装置

Info

Publication number
JPH05233782A
JPH05233782A JP3171298A JP17129891A JPH05233782A JP H05233782 A JPH05233782 A JP H05233782A JP 3171298 A JP3171298 A JP 3171298A JP 17129891 A JP17129891 A JP 17129891A JP H05233782 A JPH05233782 A JP H05233782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
fingerprint
line
pixels
line width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3171298A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Kobayashi
哲二 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP3171298A priority Critical patent/JPH05233782A/ja
Priority to DE69232183T priority patent/DE69232183T2/de
Priority to EP92400638A priority patent/EP0508845B1/en
Publication of JPH05233782A publication Critical patent/JPH05233782A/ja
Priority to US08/425,772 priority patent/US5537484A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Collating Specific Patterns (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の識別のために、2つの二値画像の照合
を高速に行い、かつ登録情報のメモリ量を小さくする。 【構成】 二値画像である第1画像と第2画像の照合を
行う画像照合装置1において、1つ以上の黒画素の集合
を線として扱い、第1画像の線幅を、元の線幅未満の線
幅指定値の細め処理手段で処理して得られる第1変換画
像の個々の黒画素アドレスを登録情報としてメモリ6に
格納し、第2画像を画像メモリ4に格納し、第1画像と
第2画像の照合では、第1画像の登録情報と、第2画像
の線幅を元のままとする場合も含めて線幅指定値の細め
処理手段で処理して得られる第2変更画像の個々の黒画
素アドレスとの照合処理手段により、第1画像と第2画
像の一致性を処理装置5で判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル化された画
像(指紋,印影,図形,文字など)のパターン認識を画像
照合装置(電子計算機,電子交換機,通信制御装置,I
Cカード,画像処理装置,又は認識装置などにおけるハ
ードウェア及び/又はソフトウェア)により行う場合、
2つの画像の照合によって、それらの画像の一致性(一
致の度合い)により、一致又は不一致を判定するための
画像照合方法及び画像照合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パターン認識の対象とする画像の例とし
て、画像が指紋の場合を説明する。指紋は、指の隆線の
紋様である。なお、谷線(隆線と隆線の間)は隆線で定ま
るので隆線の代わりに谷線の描く紋様を指紋として用い
てもよい。指紋として扱う線を指紋線を呼ぶ。
【0003】本人確認のための指紋の入力装置は、撮像
装置(例えば、CCD(電荷結合素子)カメラ)から入力す
る方式として、プリズム方式(例えば、清水ほか著「プ
リズムを用いた指紋情報検出方法−全反射法と光路分離
法の比較−」、電子通信学会論文誌,Vol.J68-D,No.
3,pp.414-415(1985年))、及びホログラム方式(例え
ば、井垣ほか著「ホログラフィック指紋センサを用いた
個人照合装置」、電子情報通信学会技術研究報告,PRU8
7-31,pp.27-33(1987年))などがある。
【0004】撮像装置から入力されたアナログ情報の指
紋画像は、A/D(アナログ/ディジタル)変換器によ
り、ディジタル化された指紋の濃淡画像に変換される。
この指紋の濃淡画像は、画像メモリの画素アドレスであ
る座標(X,Y)と、画像メモリの各画素アドレス構成要
素である画素の輝度により表示される。なお、指紋の凹
凸を直接に二値画像に変換して、指紋画像としてもよ
い。
【0005】指紋の濃淡画像は、平滑化、隆線の方向な
どにより補正を行える。指紋の特徴を表す特徴点として
は、端点、分岐点、交差点がある。ディジタル化された
指紋の濃淡画像の特徴点は、指紋画像を二値化し、更に
細線化して、特徴点を表す画素の範囲(例えば、特徴点
を中心とする3×3個の画素集合)のパターンと同じパ
ターンが細線化画像に存在することにより検出できる
(例えば、笹川ほか著「低品質画像への対応能力を高め
た個人確認用指紋照合装置」、電子情報通信学会論文
誌,Vol.J72-D-II,No.5,pp.707-714(1990年))。
【0006】指紋の照合において、あらかじめ照合のた
めの情報をメモリに登録しておく指紋を登録指紋、登録
指紋との一致性を照合する指紋を検査指紋と呼ぶ。登録
指紋と検査指紋の照合方式として、特徴点を用いる方
式、隆線の方向を用いる方式、及び登録指紋と検査指紋
の原画像同士のパターンマッチングによる方式などが知
られている。細線化画像同士のパターンマッチングによ
る方式として、特願昭63−132386号は、登録指紋の細線
化画像と検査指紋の細線化画像の重ね合わせによる照合
方式を記述している。
【0007】平滑化は、指紋画像の雑音の影響を減らす
ための処理であり、例えば、任意の画素の近傍画素の値
を用いる局所加重平均フィルタがあり、高木・下田(監
修)「画像解析ハンドブック」,pp.538-548,東大出版
会(1991年)、などに述べられている。
【0008】二値画像の細線化は、線の対象とする種類
の画素について、大部分(大部分とは、半分以上から全
部までの意味とし、理想的には全部)の線幅を1画素と
することであり、対象とする種類の画素は、黒画素又は
白画素のいずれか一方であるが、黒画素として以後記述
する。
【0009】濃淡画像を二値化して、二値画像の線細化
を行う方式として、黒画素の集合内で、外側にある黒画
素を、黒画素の連結性(4連結又は8連結)を保持して順
次に削除して行くヒルディッチ(Hilditch)の細線化方
式などがある(例えば、田村(監修)「コンピュータ画
像処理入門」,総研出版,pp.80-83(1985年)、田村著
「多面的画像処理とそのソフトウェア・システムに関す
る研究」,電子技術総合研究所研究報告,pp.25-64,83
5号(1984年2月)、及び森ほか著「画像認識の基礎
[I]」,pp.65-71,オーム社(1986年))。特願平2−24
2473号(濃淡画像の二値化及び細線化方式)、特願平3−
45136号(画像の細線化方式)においても濃淡画像又は二
値画像の細線化方式が述べられている。
【0010】指紋の入力では、検査指紋と登録指紋で、
位置ずれ(回転及び/又は平行移動)が生じるので、検
査指紋と登録指紋の照合では、両指紋についての位置合
わせが必要となる。位置合わせ方式(回転と平行移動)と
しては、隆線方向を用いる方式、代表特徴点と周辺特徴
点による方式、平行移動のみを可能な範囲について試行
錯誤し、最も一致数の多い場合を最終設定位置とする方
式などが知られている。位置合わせのときに必要な座標
変換や幾何学的変換の公式は、例えば、プラストックほ
か著、郡山訳「コンピュータグラフィックス」,pp.84-
88,マグロウヒルブック(1987年)、に述べられている。
【0011】照合のときの位置合わせにおいて、指紋画
像の近似的中心点を求めることが有用である。特公昭58
−55548号「図形中心位置決定方法」では、隆線の勾配
が急な方向を逐次に探索して中心点を求める方法が述べ
られている。伊藤ほか著「中心点に着目した指紋画像の
一分類法」,信学技報,PRU89-79,pp.15-22(1989年)に
おいては、長方形の各辺の平行線との交点数を用いて、
逐次に中心位置に接近する方法が述べられている。「指
紋照合における基準点抽出に関する一検討」、昭和62年
電子情報通信学会情報・システム部門全国大会、No.12
5、においては、走査線ごとに通過する隆線数を計数し
た情報から、近似的中心点を求めている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】画像の特徴点(端点、
分岐点、交差点)による照合方式では、特徴点が不明確
な場合や特徴点数が少ない場合の照合が困難である。隆
線方向による照合方式では、入力された指紋の傾きが大
きい場合や隆線方向の変動が大きい指紋の照合が困難で
ある。
【0013】また、特徴点や隆線方向による方式では、
画像の線の切れや癒着を修正する処理時間が大きい。原
画像同士のパターンマッチングによる照合方式では、押
捺時の指紋の隆線の幅には、指の圧力や乾燥状態により
変動があるために、誤識別が発生しやすく、しかも、登
録情報の格納のための記憶量が大きくなる。
【0014】また、細線化画像同士のパターンマッチン
グによる照合方式では、一方の指紋が低品質であった
り、入力に回転移動があったりする場合には、細線化画
像が変形するため、照合が困難である。
【0015】本発明は、上述したような問題を解決し、
画像識別のために、2つの二値画像の照合を高速に行
い、かつ、登録情報の記憶量も小さくすることを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒画素と白画
素を画像の画素の構成要素とする二値画像の2つの画像
を第1画像と第2画像とし、1つ以上の黒画素の集合を
線として扱うこととし、第1画像の大部分の線幅を元の
線幅未満の線幅に細める処理を行って得られる第1変更
画像の個々の黒画素と、第2画像の線幅を元のままとす
る場合を含めて大部分の線幅を指定の値以下に細める処
理を行って得られる第2変更画像の個々の黒画素につい
て、少なくとも一方の前記の変更画像の個々の黒画素に
おける画素アドレスを零回以上に変換する位置合わせ後
に一致性を調べる照合処理により、第1画像と第2画像
の一致性を判定することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明によれば、第1画像(例えば、登録画像
の二値画像)に適用する細め処理手段の線幅指定値は、
第2画像(例えば、検査画像の二値画像)に適用する細め
処理手段の線幅指定値よりも小さくできるので、登録画
像と検査画像の元の物体が同一である場合には、各対応
場所において、第1変更画像の線幅を、第2変更画像の
線幅よりも小さくすることができる。
【0018】したがって、第1画像の登録情報である第
1変更画像の個々の黒画素を、第2画像に細め処理(元
のままの画像とする場合も含む)を行った情報である第
2変更画像の個々の黒画素と照合すると、次の効果があ
る。
【0019】 特徴点を抽出するための複雑な画像補
正処理(例えば、線の方向を利用した補正等)が不要であ
る。
【0020】 第1画像の線幅は第2画像の線幅より
も小さく設定できるので、第1画像と第2画像が同じ物
体から取得された画像である場合、両画像の位置ずれの
影響が少ない。
【0021】 細め処理を行った画像の黒画素数は、
元の画像の総黒画素数よりも少ないので、元の画像をそ
のまま登録情報とする場合よりも、登録情報のために必
要なメモリ量が少ない。
【0022】
【実施例】実施例として、画像が指紋(指紋画像と呼ぶ
ことがある)である場合を述べる。図1は、本発明の一
実施例に係る指紋の識別システムの一構成例である。画
像入力装置2から入力された指紋は、画像照合装置1に
おいて処理される。画像照合装置1は、ディジタル化さ
れた指紋の濃淡画像、二値画像、及び各種の処理(細め
処理など)を行った画像を必要時に格納するための画像
メモリ4、処理プロセッサ(1つ以上のCPU)である処
理装置5、及びプログラム、データ、ファイル(データ
の集合)などの情報の記憶のためのメモリ6を備えてい
る。メモリ6に特性の異なる記憶装置(例えば、半導体
メモリと磁気ディスク)が混在する場合には、それらの
相互間における情報の移動は、必要に応じてハードウェ
アやソフトウェアで行うものとする。ここで、画像メモ
リ4とメモリ6は、格納情報による区分であり、同じ記
憶装置で実現することもできる。
【0023】画像入力装置2は、撮像装置7を備え、A
/D変換器3は、撮像装置7からのアナログ情報をディ
ジタル情報に変換する。ここで、直接にディジタル画像
が得られる種類の画像入力装置を用いる場合は、A/D
変換器は不要である。
【0024】また、ディジタル化された指紋の濃淡画像
である指紋画像を格納する画像メモリ4における画素ア
ドレスは、X座標とY座標により(X,Y)と表す。画素
アドレス(X,Y)を、画素(X,Y)、もしくは、単に
(X,Y)と表すことがある。1つの画像を格納する画像
メモリ4の部分を画面と呼ぶ、画像メモリ4は、1つ以
上の画面を持つことができる。
【0025】画像メモリ4の各画面は、画素で構成さ
れ、その全部の画素アドレスの範囲を0≦X≦Xh、0
≦Y≦Yhとすると、この画素アドレスの範囲内で更に
指定された処理範囲が処理の対象となる。画素アドレス
や画素数を含む計算により、画素アドレスや画素数に小
数点以下の数が発生する場合には、小数点以下を切り捨
て、四捨五入、又は切り上げのいずれかにより処理す
る。画素の値は輝度で表わされる。輝度のどの部分が隆
線となるかは、画像入力装置2の処理方式と画像処理装
置1における画像の処理とに依存し、いずれの場合でも
隆線に対応する輝度の特性を画像照合装置1に事前に設
定しておくことにより処理が可能である。
【0026】次に、指紋の識別において、画像照合装置
1のメモリ6に登録するために画像入力装置2から入力
される指紋を登録指紋、検査のために画像入力装置2か
ら入力される指紋を検査指紋と呼ぶ。黒画素と白画素に
二値化された画像において、指紋線としては、黒画素と
白画素のいずれか一方を選定できる(それらの内のいず
れかが隆線と谷線にそれぞれ対応していればよい)。
【0027】本実施例では、黒画素を指紋線として扱
う。細線化は、大部分の線幅が1画素となるようにする
処理のことであるが、本実施例では、元の二値画像の黒
画素による画像に含まれるように黒画素集合の線幅を部
分的又は全体的に細めることを細め処理と呼び、細め処
理の結果得られる画像を細め画像と呼ぶ。したがって、
細線化は、本実施例における細め処理の1つの形態であ
る。なお、線幅は、任意の線の縁の点を定めたときに、
その線内を通って他の縁に達する最小距離(画素数)と定
義する(線の縁の位置ごとに定まる)。
【0028】図2(a)は、画像メモリ4に格納される画
像データの状況を示している。画像10の画面には、画像
入力装置2から入力された画像から得られてディジタル
化された画像(二値画像又は濃淡画像)を格納する。画像
11の画面には、例えば、過去の画像を格納しておき、画
像10の処理に利用できる。処理手段の選定により、画像
11が不要な場合もあり、その場合には、画像メモリ4
は、画像10だけでよい。
【0029】図2(b)は、メモリ6に格納されたデータ
等の状況を示しており、プログラム及びデータ12には、
本実施例を実現するためのプログラム及びデータを格納
し、登録情報13には、登録指紋画像の登録情報をファイ
ルに格納して保存する。
【0030】画像が濃淡画像の場合は、輝度に対応した
符号値を定めておく。二値画像は、画像入力方式に依存
して、画像メモリ4に設定された濃淡画像を二値化して
得られる場合と、画像メモリ4に直接に二値画像が設定
される場合とがある。
【0031】二値画像は、黒画素と白画素のみで表わさ
れるが、黒画素と白画素のそれぞれの輝度の値に対応し
た符号値(例えば、黒画素が1、白画素が0)を定めてお
くものとする。黒画素が輝度の高い部分であるか低い部
分であるかは、対象とする画像とその入力方法などによ
り定まるものであり、いずれの場合に対応させてもよ
い。二値画像は濃淡画像よりも小さいメモリ量で画像メ
モリに格納してもよい。
【0032】画像メモリ4に格納する画像の論理的な原
点及び座標軸は、物理的な画像メモリ4の画素の位置と
独立に定めることができる。X軸とY軸の設定は自由で
あるが、説明の便宜上、X方向は左から右(すなわち、
Xの増加方向)に水平方向、Y方向は上から下(すなわ
ち、Yの増加方向)に垂直方向とする。
【0033】次に記法と定義を説明するが、これらの記
法の一部は、以下の説明中に現れない場合もある。
【0034】[m]: 任意の数mの小数点以下切り捨
てを表す。 f(X,Y): 画素のアドレス(X,Y)における輝度で
ある。 FA: 指紋領域である。この指紋領域は、指紋境界の
みで表現できるので、指紋境界情報としてメモリ6に記
憶する。また指紋境界は、指紋領域内として扱う。 (XC,YC): 指紋の近似的中心点のアドレスである。 (XRC,YRC): 登録指紋の近似的中心点のアドレスで
ある。 (XTC,YTC): 検査指紋の近似的中心点のアドレスで
ある。 Rth: 登録指紋画像(濃淡画像又は二値画像)から得ら
れる登録指紋二値画像(第1画像)に、少なくとも細め処
理を行うことにより得られた、登録指紋変更画像(すな
わち、第1変更画像)である。 Tth: 検査指紋画像(濃淡画像又は二値画像)から得ら
れる登録指紋二値画像に、少なくとも細め処理(元のま
まとする場合も含む)を行うことにより得られた、検査
指紋変更画像(すなわち、第2変更画像)である。 RA: 登録指紋変更画像Rthにおける指紋領域内にあ
る全部の黒画素のアドレス(X,Y)の集合である。RA
をテンプレートと呼ぶ。 RT(0): RAの中心部小領域であるXRC−a≦X≦
RC+a,かつ、YRC−b≦Y≦YRC+bにある黒画素
のアドレス(X,Y)の集合である。つまり、RT(0)
は、RAの部分集合であり、このRT(0)を、サブテン
プレートと呼ぶ。 RB(0): RAからRT(0)を除いた部分の黒画素の
アドレスの集合である。RB(0)は、RAの部分集合で
ある。RB(0)を、非サブテンプレートと呼ぶ。 RT(S): 登録指紋変更画像の座標軸を、任意に定め
た点を中心にS度回転させたときのサブテンプレートR
T(0)の黒画素のアドレス(X,Y)の集合である。 RT(S,H,V): 登録指紋変更画像の座標軸を、任
意の点(例えば、登録指紋の近似的中心点)を中心にS度
回転後、水平移動H、垂直移動Vを行った後の座標軸に
おけるサブテンプレートRT(0)のアドレスの集合であ
る。RT(0,0,0)=RT(0)、RT(S,0,0)=
RT(S)である。 RB(S,H,V): 登録指紋変更画像の座標軸を、任
意の点(例えば、登録指紋の近似的中心点)を中心にS度
回転後、水平移動H、垂直移動Vを行った後の座標軸に
おける非サブテンプレートRB(0)のアドレスの集合で
ある。RB(0,0,0)=RB(0)、RB(S,0,0)
=RB(S)である。 N1m : サブテンプレート一致黒画素数であり、登録
指紋のサブテンプレートの黒画素と検査指紋の黒画素と
の一致黒画素数を表す。 N1c : サブテンプレート総黒画素数であり、登録指
紋のサブテンプレートの総黒画素数を表す。 N2m : 非サブテンプレート一致黒画素数であり、登
録指紋の非サブテンプレートの黒画素と検査指紋の黒画
素との一致黒画素数を表す。 N2c : 非サブテンプレート総黒画素数であり、登録
指紋の非サブテンプレートの総黒画素数を表す。
【0035】図3は、画像メモリ4における画像10にお
いて、指紋境界14により定まる指紋領域と、サブテンプ
レートRT(0)を抽出する部分及び非サブテンプレート
RB(0)を抽出する部分の関係の例を表している。
【0036】指紋画像の処理を行うための手段を以下に
述べる。なお、各手段の手順におけるステップで、次の
処理の記述がない場合は、直後のステップに進むものと
する。各手段で用いる定数は、画像照合装置1及び画像
入力装置2における種々の条件を考慮して、静的または
動的に適切な値を設定することとする。各ステップの実
現は、処理の内容が同じであれば、変形可能である。
【0037】(1)平滑化の処理手段 平滑化は、指紋画像の雑音の影響を減らすための処理で
ある。平滑化の処理は、公知の方法を用いることができ
る。例えば、任意の画素の近傍画素の値を用いる局所加
重平均フィルタなどを用いることができる。
【0038】画像メモリ4に直接に二値画像を入力でき
る場合には、平滑化は省略する。
【0039】(2)二値化と背景分離の処理手段 二値化は、濃淡画像を二値画像に変換する処理である。
背景分離は、画像メモリ4における画像10の指紋画像の
有効な範囲を明確化する処理である。二値化と背景分離
を行う手順の例を以下の手順Bに述べる。手順Bの入力
情報は、入力画像情報である。手順Bの出力情報は、出
力画像の二値画像、及び指紋境界情報である。画像メモ
リ4に直接に二値画像を入力できる種類の画像入力装置
を用いる場合には、二値化(ステップB2)は省略して、
背景分離だけを実行する。
【0040】(手順B)Kを部分領域のX方向の長さ
(=部分領域のY方向の長さ)を表す定数とする。
【0041】
【数1】L=(Xh+1)/K とする。ここでは、Lが整数となるようにKを選択する
(一般的には、部分領域の長さを、部分領域ごとに可変
することが可能)。
【0042】
【数2】Kmax=((Xh+1)/K)−1 とする。画像10について、部分領域を一意に識別するた
めの部分領域アドレスを各部分領域の先頭の画素アドレ
スとする。任意の画素アドレス(X,Y)は、部分領域ア
ドレスJ(M,N)では、M=[X/Y]、かつ、N=
[Y/K]である。したがって、部分領域アドレスJ
(M,N)に対応する画素アドレス(X,Y)は、
【0043】
【数3】 X=K・M,(M=0,1,2,・・・,Kmax) Y=K・N,(N=0,1,2,・・・,Kmax) により求まる。
【0044】ステップB1(有効部分領域の判定): M=0,1,2,・・・,Kmax N=0,1,2,・・・,Kmax について、以下の処理を行う。各部分領域アドレスJ
(M,N)ごとに、各部分領域内のすべての画素の輝度平
均値Bav(M,N)を、 Bav(M,N)=(部分領域内の画素の輝度の和)/(部分
領域内の画素数) により求める。BL及びBHを、有効部分領域と無効部分
領域を区分するための定数とする。各部分領域ごとに、 BL≦Bav(M,N)≦BH であるときに、その部分領域が有効部分領域であると判
定し、有効部分領域テーブルG(その要素は、G(M,
N))に有効表示(表示値は1とする)を設定し、 Bav(M,N)<BL 又は、Bav(M,N)>BH のときは、G(M,N)に無効表示(表示値は0とする)を
設定する。図4は、指紋の部分領域の有効部分領域テー
ブルGの一例を示し、K=16の場合である。
【0045】無効部分領域の画素(X,Y)は、便宜上、
すべて白画素の符号値に設定する。
【0046】なお、部分領域の輝度の平均値だけでな
く、輝度の分布状況(分散値など)も用いて、有効部分領
域と無効部分領域の区分を行ってもよい。
【0047】ステップB2(二値化): M=0,1,2,・・・,Kmax N=0,1,2,・・・,Kmax について、以下の処理を行う。有効部分領域について、
av(M,N)を求めた部分領域の画素(X,Y)の輝度f
(X,Y)について、二値化のしきい値TBを、
【0048】
【数4】TB=Bav(M,N)+DB とし(DBは、二値化のしきい値を調整するための整数
(正,負,又は零)の定数)、このときの部分領域アドレ
スJ(M,N)における画素(X,Y)について、輝度の低
い方を黒画素とする場合は、 K・M≦X≦K・(M+1)−1 K・N≦Y≦K・(N+1)−1 の範囲の(X,Y)について、 f(X,Y)≧TBのとき、画素(X,Y)の輝度に白画素
の符号値を設定し、 f(X,Y)<TBのとき、画素(X,Y)の輝度に黒画素
の符号値を設定する なお、輝度の高い方を黒画素とする場合は、本ステップ
で、白画素と黒画素を上述の逆に設定する。
【0049】ステップB3(有効部分領域の数の検
査):有効部分領域テーブルGにより、有効部分領域の
数GEを計数し、 GE≧GC であればステップB4に行き(GCは、有効部分領域が十
分存在することを判定するための定数)、 GE<GC であれば、有効部分領域数不足により、本手順を異常終
了する。
【0050】ステップB4(部分領域単位の指紋境界の
左端):部分領域指紋境界情報を{(NT,ML,MR),
T=0〜Kmax}で表し、各N=NTの値について、ML
≦M≦MRが部分領域単位の指紋領域である。
【0051】ここでは、部分領域単位に、指紋境界の左
端MLを求める。N=0から開始して、N=NT,(NT
0〜Kmax)について、次の処理を行う。左端(M=0)か
らMの増加方向について、順次に有効部分領域テーブル
Gの要素G(M,N)の1(有効部分領域表示)を探索し、
1がKC個以上(KCは、部分領域の指紋境界14を判定す
るための、1以上の定数)連続する部分の最初のMの値
LをそのときのNについての指紋領域の左端とする。
M=0〜Kmaxで1(有効領域表示)が連続してKC個以上
発見できないときは、そのNの値は、すべてのMについ
て非指紋領域であり、非指紋領域のNTでは、 ML=MR=−1 とする。
【0052】ステップB5(部分領域ごとの指紋境界の
右端):ここでは、部分領域単位に、指紋境界の右端M
Rを求める。N=0から開始して、N=NT,(NT=0〜
max)について、ステップB4で左端が設定されていな
いN(すなわち、ML=−1のときのN)は飛ばして、右
端(M=Kmax)からMの減少方向について、順次に有効
部分領域テーブルGの要素G(M,N)の1(有効部分領
域表示)を探索し、1がKC個以上(KCは定数)連続する
部分の最初のMの値MRをそのときのNについての指紋
指域の右端とする。以上により、部分領域指紋境界情報
{(NT,ML,MR),NT=0〜Kmax}が求まる。
【0053】ステップB6(各画素ごとの指紋境界情
報):部分領域指紋境界情報{(NT,ML,MR),NT
0〜Kmax}から、画素ごとの指紋境界情報を求める。
画素ごとの指紋境界情報を{(YT,XL,XR),YT=0
〜Yh−1)}で表し、これは、各YTの値について、XL
≦X≦XRが指紋領域の意味である。
【0054】部分領域指紋境界情報により、N=0〜K
maxにおいて、K・N≦Y≦K・N+KmaxのY=YT
ついて、
【0055】
【数5】XL=K・MLR=K・MR+Kmax として、各画素ごとの指紋境界情報{(YT,XL
R),YT=0〜Yh−1)}を求める。
(手順B終り)。
【0056】なお、以後、単に指紋境界情報というとき
には、各画素ごとの指紋境界情報{(YT,XL,XR),
T=0〜Yh−1)}を意味する。
【0057】(3)画像補正の処理手段 画像補正をどの程度行うかは、画像の品質に依存して定
める必要があるものであり、必要に応じて、省略又は増
強を行う。本実施例における画像補正の目的は、細め処
理が十分に実行できるようにするためのものである。こ
こでは、画像10に対して、二値画像の指紋領域内の各画
素の周辺の画素パターンにより、孤立黒画素集合の除去
(白画素に変更)、孤立白画素集合の穴埋め(黒画素に変
更)などの簡易な画像補正を行う手順の例を、以下の手
順Tに示す。
【0058】この手順Tは、5×5個の画素集合に個々
の処理を適用する場合を示しており、一般に、n×n個
(n=2k+1,k=1,2,・・・)の画素集合につい
て、同様な処理が可能である。画像補正を行う画素集合
の大きさは、画像メモリ4の画素数、画像の品質などに
応じて適当に定める必要がある。任意の画素P0を中心
とする5×5個の画素集合の個々の名称P0〜P24の位
置と手順Tを適用した場合の黒画素と白画素の変化の例
を、図5(a)と図5(b)に示す。手順Tの入力情報は、入
力画素情報、及び指紋境界情報である。また、出力情報
は、出力画像情報である。
【0059】(手順T)画像10にある指紋領域内(境界を
含む)の注目画素をP0=(X,Y)とし、
【0060】
【数6】X=2,3,・・・,Xh−2 Y=2,3,・・・,Yh−2 について、ステップT1〜ステップT4の処理を反復す
る。なお、指紋領域外は、二値化で白画素に設定されて
いるため、5×5個の画素集合の画素は、すべて白画素
か黒画素であり、P0を指紋領域内で選択後の5×5個
の画素集合の処理時点では、指紋領域を意識する必要は
ない。
【0061】ステップT1(P0の選定):画素P0
(X0,Y0)が指紋境界内であるかどうかを、指紋境界情
報(YT,XL,XR)により調べる。すなわち、Y0=YT
となるYTのXLとXRについて、XL≦X0≦XRであれば
0は指紋境界内であり、そうでなければ指紋境界外で
ある。次に、 P0が指紋境界内のとき、ステップT2へ行く。
【0062】 P0が指紋境界外のとき、次のP0へ行
き、ステップT1から処理を行う。
【0063】ステップT2(孤立した黒画素集合の除
去):ここでは、孤立した黒画素集合の除去を行う。
【0064】 P9〜P24がすべて白画素であるとき
に、P0〜P8の画素をすべて白画素とし、ステップT3
へ行く。そうでないときは、へ行く。
【0065】 P1〜P8がすべて白画素のときに、P
0を白画素にし、ステップT3へ行く。そうでないとき
は、何もせずにステップT3へ行く。
【0066】ステップT3(孤立した白画素集合の除
去):ここでは、孤立した白画素集合(いわゆる穴)に対
する穴埋めの処理を行う。
【0067】 P9〜P24がすべて黒画素であるとき
に、P0〜P8の画素をすべて黒画素とし、ステップT4
へ行く。そうでないときは、へ行く。
【0068】 P1〜P8がすべて黒画素のときに、P
0を黒画素にし、ステップT4へ行く。そうでないとき
は、何もせずにステップT4へ行く。
【0069】ステップT4:本手順を終了する。
(手順T終り)。
【0070】手順Tにおける、ステップT2及びステッ
プT3では、更新の対象とする画素が、すでに更新しよ
うとする値のときは、更新する必要はないが、値の確認
の処理を避けるために、更新してもよい。
【0071】(4)近似的中心点を求める処理手段 画像10にある指紋の二値画像から、指紋領域の近似的中
心点(XC,YC)を求めるための手順を以下の手順Qに示
す。手順Qの入力情報は、入力画像情報、及び指紋境界
情報である。手順Qの出力情報は、近似的中心点(XC
C)である。図6に、各定数と指紋領域及び近似的中心
点の関係の例を示す。
【0072】(手順Q)ステップQ1 (YCを求めるための処理):VL≦X≦V
Rの範囲について、水平線Y=KAi,(i=1,2,・・・,n;
D≦Y≦HU)と、指紋線である黒画素線との交線数K
i,(i=1,2,・・・,n)を求める。ここで、個々の交わった
部分の黒画素の部分幅は一定値(例えば1画素)以上とす
る。HD,HU,VL,VRは、VL≦X≦VR、かつHD
Y≦HUの区間が、指紋領域内であり、かつ、近似的中
心点の設定可能な範囲となるように選択した定数であ
る。KAi,(i=1,2,・・・,n)は、走査位置を定める定数で
ある。
【0073】次に、水平線Y=KAiに対する交線数K
i,(i=1,2,・・・,n)について、KHi,(i=1,2,・・・,n)が
最大となるi=imを求める。一般にはimは、1つ以上
ある(Ty個とする)。近似的中心点のY座標であるY
cを、
【0074】
【数7】
【0075】
【外1】
【0076】ステップQ2(XCを求めるための処
理):HD≦Y≦HUの範囲について、垂直線X=K
i,(i=1,2,・・・,n; VL≦X≦VR)と、指紋線である
黒画素線との交線数KVi,(i=1,2,・・・,n)を求める。こ
こで、交わった部分の黒画素の線分幅は、一定値(例え
ば1画素)以上とする。KBi,(i=1,2,・・・,n)は定数で
ある。
【0077】次に、垂直線X=KBiに対する交線数K
i,(i=1,2,・・・,n)について、KVi,(i=1,2,・・・,n)が
最大となるi=isを求める。一般にはisは、1つ以上
ある(Tx個とする)。近似的中心点のX座標であるX
cを、
【0078】
【数8】
【0079】
【外2】
【0080】ステップQ3:(XC,YC)を指紋領域の
近似的中心点とする。 (手順Q終り)。
【0081】なお、手順Qの1つの代替として、画像10
の中心(〔Xh/2〕,〔Yh/2〕)を近似的中心点
(XC,YC)とみなす手段がある。
【0082】(5)細め処理手段 1画素以上の黒画素の集合を画像の線として扱う。線幅
指定値の保持方法は任意であり、細め処理手段の入力情
報とすることも、細め処理手段の中で保持することも可
能である。線幅指定値は、1つの細め処理の中で1つ以
上保持してもよい。本実施例では、細め処理手段を、線
幅指定値に応じて、使い分けることができる。ただし、
画像照合装置1は、第1画像に適用する線幅指定値の細
め処理手段と第2画像に適用する細め処理手段だけを、
備えればよい。線幅指定値に依存した細め処理手段の例
を以下に示す。
【0083】 大部分の線幅を1画素とするための細
め処理(線幅指定値が1画素)二値画像の線幅を細める手
段(又は濃淡画像を二値化しかつ線幅を細める手段)であ
り、公知の方法(例えば、大部分の線幅を1画素とする
ことのできる細線化方法)を用いることができる。ま
た、濃淡画像を直接に二値化及び細線化する方法もあ
る。
【0084】 線幅は変更しない細め処理(線幅指定
値で、無変更指定の表示を指定)元の二値画像に処理を
行わない(元のまま)とする場合であることは、自明であ
る。
【0085】 大部分の線について線幅指定値以下に
細めるための細め処理(線幅指定値が任意の数値)公知の
方法を基にして実現できる。例えば、次のごとき手段で
ある。
【0086】(a)画像を構成する線(本実施例では指紋
線である黒画素に相当)の外側から線の要素を1画素ず
つ消除する1画面分の処理を、大部分の線幅が1画素に
なるまで反復する細線化方法の場合、細線化の処理で
は、
【0087】
【数9】
【0088】となるように反復回数を定めておけばよ
い。
【0089】(b)画像を構成する線の要素の中心から黒
画素を残す細線化方法の場合 任意の直線を画像の線が交わる部分の線分上の黒画素に
ついて、該線分の中心を含む線幅指定値以下の画素を残
す(線分幅が線幅指定値以上の場合は線分の中点を中心
として線幅指定値分の黒画素を残し、線分幅が線幅指定
値未満の線分上の黒画素はすべて残す)ことにより実現
できる。具体的な手順の例を次の手順Fに示す。
【0090】1つの直線Lx及びその並行線として、X
軸及びその並行線を用い、直線Lxを零度以上の一定角
度だけ回転した直線Ly及びLyの並行線として、Y軸及
びその並行線を用いる場合(すなわち、回転角度が90度)
の実施例をのべる。なお、ここで、並行線は、各座標上
を通るもののみとする。以下の手順Fの入力情報は、入
力画像情報である。出力情報は、出力画像である。
【0091】(手順F)ステップF1 (X方向の細め処理):ここでは、X軸及
びその並行線上の黒画素を、黒画素と白画素に区分し直
す。画像10について、Y=Y0,(Y0=0,1,2,・・・,Yh)
とし、そのときの黒画素の連続範囲を、XLi≦X≦
Hi,(i=1,2,・・・)とする。次に、すべてのX方向に対
して、線幅指定値wx以上の黒画素連続部分(すなわち、
Hi−XLi+1≧wxを満たすiについての座標(X,Y
0)である、XLi≦X≦XHi、の線分の区間)について、
線分の長さ(画素数)がwx以上の場合は線分の中点を中
心としてwx個の黒画素を残し、線分の長さがwx未満の
線分上の黒画素はすべて残す。
【0092】以上の結果を画像10に設定する。本ステッ
プの処理を、Y0を1ずつ増加して、すべてのY0につい
て、実施する。
【0093】ステップF2(Y方向の細め処理):ここ
では、Y軸及びその並行線上の黒画素を、黒画素と白画
素に区分し直す。画像10について、X=X0,(X0=0,
1,2,・・・,Xh)とし、そのときの黒画素の連続範囲を、Y
Li≦Y≦YHi,(i=1,2,・・・)とする。次に、すべてのY
方向に対して、線幅指定値wy個以上の黒画素連続部分
(すなわち、YHi−YLi+1≧wyを満たすiについての
座標(X0,Y)である、YLi≦Y≦YHi、の線分の区間)
について、線分の長さがwy以上の場合は線分の中点を
中心としてwy個の黒画素を残し、線分の長さがwy未満
の線分上の黒画素はすべて残す。
【0094】以上の結果を画像10に設定する。本ステッ
プの処理を、X0を1ずつ増加して、すべてのX0につい
て、実施する。 (手順F終
り)。
【0095】本実施例では、登録指紋画像と検査指紋画
像について、細め処理を行う場合の線幅指定値は任意に
指定できるが、入力される画像の線の品質や特性、細め
処理の線幅指定値に対する性能、画像照合装置1に要求
される性能などから定める必要がある。
【0096】登録指紋画像と検査指紋画像のそれぞれの
細め処理における線幅指定値の差を大きくすれば、両画
像の位置ずれには強くなるが、差を大きくしすぎると、
照合精度の低下をが生じることがある。登録指紋変更画
像の線幅は小さい方が、黒画素数が少なくなるため、登
録情報に必要なメモリ量を小さくできる。これらのこと
を勘案すると、例えば、次のいずれかの指定が有効な場
合がある。
【0097】 登録指紋画像の細め処理では線幅指定
値を1画素とし、検査指紋画像の細め処理では線幅指定
値を無変更とする。
【0098】 登録指紋画像の細め処理では線幅指定
値を1画素とし、検査指紋画像の細め処理では線幅指定
値を2画素以上の適当な値とする。
【0099】 登録指紋画像の細め処理の線幅指定値
を、検査指紋画像の細め処理の線幅指定値よりも小さい
値とする条件で、適当に選択する。
【0100】手順Fは、線幅指定値が小さいと、黒画素
の連結性が保たれにくくなるので、線幅指定値を比較的
大きくとれる場合に有効である。また、手順Fを濃淡画
像に適用する拡張は、容易に実現できる。すなわち、各
画素の輝度に、黒画素と見なす輝度と、白画素と見なす
輝度の範囲を、動的又は静的に設定して、手順Fと同様
な処理を行う。
【0101】(6)登録画像の登録情報の登録処理手段 指紋情報の登録処理は、登録指紋として画像メモリ4の
画像10に入力されて、細め処理までの処理がされた結果
である画像10にある登録指紋変更画像Rthからサブテン
プレートRT(0)を作成して、サブテンプレートRT
(0)のファイルに格納する処理である。指紋情報の登録
処理を行う手順を、以下の手順Rに示す。手順Rの入力
情報は、登録指紋のファイル名、登録指紋変更画像
th、登録指紋の指紋境界情報、及び登録指紋の近似的
中心点(XRC,YRC)である。手順Rの出力情報は、サブ
テンプレートRT(0)のファイル、及び非サブテンプレ
ートRB(0)のファイルである。
【0102】(手順R)ステップR1 (サブテンプレートRT(0)の作成):登
録指紋変更画像Rthから、指紋領域FA内にあり、かつ
登録指紋変更画像Rthの中心部小領域(XRC−a≦X≦
RC+a,かつYRC−b≦Y≦YRC+bの範囲。a,b
は定数。)にある黒画素アドレスを抽出して、サブテン
プレートRT(0)を作成し、このRT(0)のファイルを
作成する。また、このRT(0)の格納ファイルには、登
録指紋近似的中心点(XRC,YRC)も格納する。
【0103】ステップR2(非サブテンプレートRB
(0)の作成):登録指紋変更画像Rthから、サブテレプ
レートRT(0)外、かつ指紋領域FA内にある黒画素ア
ドレスを抽出して、非サブテンプレートRB(0)を作成
し、このRB(0)のファイルを作成する。
(手順R終り)。
【0104】なお、サブテンプレート及び非サブテンプ
レートの各ファイルのデータの格納形式は任意である。
例えば、データ圧縮して格納し、利用時にデータ伸長を
行ってもよい。
【0105】(7)登録画像と検査画像の照合処理手段 照合処理は、検査指紋として画像メモリ4の画像10に入
力されて、細め処理(無変更の場合も含む)までの処理が
なされた結果である検査指紋変更画像の黒画素集合のお
のおのの黒画素と、登録指紋に関する登録情報としてメ
モリ6に格納されている黒画素集合のおのおのの黒画素
との一致性を調べる処理である。
【0106】登録指紋と検査指紋の位置合わせのための
座標軸の回転及び平行移動による座標変換は、いずれか
一方の画像について行えばよいが、本実施例では、指紋
領域内について、登録指紋の方が、細め処理の線幅指定
値が小さいために、黒画素数が少なくなることを想定し
て、登録指紋を移動して検査指紋に合わせる。
【0107】照合処理の概要を次に述べる。
【0108】 サブテンプレートの照合(一次照合) サブテンプレートの照合は、登録指紋のサブテンプレー
トRT(0)について、登録指紋変更画像の黒画素と検査
指紋変更画像の黒画素とが最も良く一致する位置を求め
る処理である。すなわち、まず、登録指紋変更画像Rth
のサブテンプレートRT(0)について、登録指紋の近似
的中心を検査指紋の近似的中心と一致させたときのサブ
テンプレートRT(0,H,V)を、登録指紋の座標軸の
平行移動により求める。
【0109】次に、中心近傍で、サブテンプレートRT
(0,H,V)の座標軸を、回転、及び上下左右に平行移
動したときに、検査指紋変更画像と、黒画素が最も多く
一致するときの登録指紋のサブテンプレートRT(S,
H,V)の変換角度Sと平行移動量(水平移動量H,垂直
移動量V)を求める(S,H,Vは整数)。
【0110】 非サブテンプレートの照合(二次照合) 非サブテンプレートの照合は、サブテンプレートの照合
で得られた登録指紋のRT(S,H,V)のS,H,Vに
より、登録指紋の非サブテンプレートRB(0)の黒画
素アドレスの座標変換を行って、黒画素アドレスを求
め、検査指紋変更画像の黒画素アドレスとの一致性を調
べ、登録指紋と検査指紋の一致性に関する情報を出力す
る処理である。
【0111】すなわち、まず、サブテンプレート照合に
より得られた登録指紋のサブテンプレートの座標軸の角
度回転量S,水平移動量H,及び垂直移動量Vを用い
て、登録指紋の非サブテンプレートRB(0)の黒画素の
座標変換を行ってRB(S,H,V)を得る。次に、登録
指紋変更画像のRB(S,H,V)の黒画素と、検査指紋
変更画像の黒画素の一致性を調べる。
【0112】以上の照合処理の概要に基づき、照合処理
を行う手順を以下の手順Cに示す。この手順Cの入力情
報は、登録指紋のファイル名、検査指紋変更画像、及び
検査指紋の近似的中心点(XTC,YTC)である。手順Cの
出力情報は、照合情報である。
【0113】(手順C)ステップC1 (サブテンプレートの照合):メモリ6に
格納されているサブテンプレートRT(0),S=Smin
〜Smax,(Sの増加刻み幅Ks)、H=Hmin〜Hmax
(Hの増加刻み幅Kh)、及びV=Vmin〜Vmax,(Vの増
加刻み幅Kv)、を用いて、後述の画像一致性チェック補
助手順(手順W)を実行する。この結果、サブサンプレー
ト一致率T1が最大となる最適なS,H,及びVの各値
と、このときのT1として、
【0114】
【数10】
【0115】を得る(N1m,N1cの計算法は、手順T
を参照)。次に、定数TK1について、 T1≧TK1 であれば、登録指紋と検査指紋は一致と判定し、ステッ
プC2に行き、 T1<TK1 であれば、登録指紋と検査指紋は不一致と判定し、手順
Cを終了する。
【0116】ステップC2(非サブテンプレートの照
合):メモリ6の非サブテンプレートRB(0)、及びス
テップC1により得られた最適なS,H,Vを入力情報
として、画像一致性チェック補助手順(手順W)を実行す
る。この結果、非サブテンプレート一致率T2として、
【0117】
【数11】
【0118】を得る(N2m,N2cの計算法は、後述の
手順Wを参照)。次に、定数TK2について、 T2≧TK2 であれば、登録指紋と検査指紋は一致と判定し、ステッ
プC3に行き、 T2<TK2 であれば、登録指紋と検査指紋は不一致と判定し、手順
Cを終了する。(手順C終り)。
【0119】手順Cの出力情報である照合情報(途中経
過及び結果)の項目例を次に示す。
【0120】 サブテンプレートの照合(一次照合) 登録指紋の座標軸最適回転角度S、登録指紋の座標軸最
適水平移動量H、登録指紋の座標軸最適垂直移動量V、
サブテンプレート一致黒画素数N1、サブテンプレー
トの総黒画素数N1c、サブテンプレート一致率T1=
N1m/N1c、及び一次照合結果(一致又は不一致)。
【0121】 非サブテンプレートの照合(二次照合) 非サブテンプレート一致黒画素数N2m、非サブテンプ
レート総黒画素数N2c、非サブテンプレート一致率T
2=N2m/N2c、及び二次照合結果(一致又は不一
致)。
【0122】(8)画像一致性チェック補助手順 画像一致性チェック補助手順(手順W)の処理概要は、次
のとおりである。登録指紋についてのサブテンプレート
RT(0)又は非サブテンプレートRB(0)の各画素アド
レス(XR,YR)について、登録指紋(XR,YR)の近似的
中心点(XRC,YRC)を、検査指紋(XT,YT)の近似的中
心点(XTC,YTC)と一致させるように平行移動し、更に
登録指紋の座標軸を回転し変換後の黒画素アドレス(XR
@,YR@)が、検査指紋変更画像の指紋領域内で黒画素
かどうかを調べ、RT(S,H,V)の場合は、S,H,
Vの各値における一致率T1=N1m/N1cが最大とな
るときのS,H,V、及びT1,N1m,N1cを求め
る。ここでN1mはサブテンプレートの一致黒画素数で
あり、N1cはサブテンプレートの総黒画素数である。
【0123】RB(S,H,V)については、S,H,V
がそれぞれただ1つの場合であり、そのときの値が最大
のT2を与える(N2mは非サブテンプレートの一致黒画
素数であり、N2cは非サブテンプレートの総黒画素数
である)。なお、T1,T2,N1m,N2m,N1c,N
cは、本手順では、一致照合と二次照合で共通なた
め、T,Nm,Ncと呼ぶ。
【0124】手順Wの入力情報は、登録指紋変更画像の
指定部分(RT(0)又はRB(0)のいずれか一方)の黒画
素アドレス集合、座標軸の角度変換量S(格納形式:最
小値Smin,最大値Smax,増加刻み幅Ks)、登録指紋の
座標軸の水平移動量H(格納形式:最小値Hmin,最大値
max,増加刻み幅Kh)、登録指紋の座標軸の垂直移動
量V(格納形式:最小値Vmin,最大値Vmax,増加刻み
幅Kv)、及び検査指紋変更画像である。手順Wの出力情
報は、登録指紋の最適座標軸回転角度S、登録指紋の最
適座標軸水平移動量H、登録指紋の最適座標軸垂直移動
量V、指定領域(RT(0)又はPB(0)のいずれか一方)
の登録指紋変更画像と検査指紋変更画像の一致黒画素数
m、指定領域の登録指紋変更画像の総黒画素数Nc、及
び一致率Tである。手順Wの処理手順を次に示す。図7
に手順Wの概略の流れ図を示す。
【0125】(手順W)ステップW1 (角度Sの選択):角度Sを格納域に設定
されている順に、S=Smin〜Smaxまで、増加刻み幅K
s(すなわち、S=Smin,Smin+Ks,Smin+2Ks
・・・,により最大Smaxまで変化させる)で、順次に選択
し、S=0を選択したとき、ステップW4へ行き、S≠
0を選択したとき、ステップW2へ行く。
【0126】ステップW2(角度Sによる座標変換):
入力された登録指紋変更画像の黒画素集合(RT(0)又
はRB(0)のいずれか一方)についてのすべての黒画素
アドレス(XR,YR)に対して、登録指紋の近似的中心点
(XRC,YRC)を検査指紋の近似的中心点(XTC,YTC)に
合わせる平行移動の後に、(XTC,YTC)を中心とする角
度Sの座標軸回転を行う。このことは、
【0127】
【数12】 XR@=(XR−XRC)・cos(S)+(YR−YRC)・sin(S)+XTCR@=−(XR−XRC)・sin(S)+(YR−YRC)・con(S)+YTC により行える(手順Wを参照)。これにより、 H=V=0 のときの新登録指紋のすべての黒画素アドレス(XR@,
R@)の集合を求める。
【0128】ステップW3(一致率Tの計算):ステップW3a :一致黒画素数Nm及び総黒画素数N
cを、それぞれ0に初期設定する。
【0129】ステップW3b:(XR@,YR@)の集合の
各黒画素アドレスについて、検査指紋変更画像を調べ、
検査指紋領域内の黒画素であれば、一致黒画素数
mに1を加算し、かつ総黒画素数Ncにも1を加算す
る。
【0130】 以外のとき(すなわち、検査指紋領
域内の白画素又は指紋領域外(黒画素でも白画素でもな
い扱い))であれば、総黒画素数Ncに1を加算する。
【0131】ステップW3c:(XR@,YR@)の集合の
すべてのアドレスについて、ステップW3bを終了した
場合は、 T=Nm/Nc を計算する。そして、このときの(S,H,V)につい
て、Nm,Nc,Tを照合作業域に出力する。
【0132】ステップW4(HとVによる平行移動):
H=V=0のときの新登録指紋黒画素アドレス集合(X
@,Y@)について、H,V格納域に設定されている
H,Vを順に選択し(ここで、H=V=0のときは、す
でにステップW3で計算ずみのため、計算不要であ
る)。
【0133】H=Hmin〜Hmax,V=Vmin〜Vmax と順次に各増加刻み幅(Hの増加刻み幅がKh,Vの増加
刻み幅がKv)で変化させたとき(すなわち、Hは、H=
min,Hmin+Kh,Hmin+2Kh,・・・,により最大H
maxまで変化させる。Vは、V=Vmin,Vmin+Kv,V
min+2Kv,・・・,により最大Vmaxまで変化させ
る。)、個々の(S,H,V)について、(X@−H,Y@
−V)が平行移動後の新登録指紋黒画素アドレス集合と
なるので、個々の(S,H,V)の組み合わせについて、
ステップW3と同じ処理を行って、一致率を照合作業域
に出力する。
【0134】ステップW5(未処理のSのチェック):
未処理のSの値があるとき、ステップW1に行く。未処
理のSの値がないとき、ステップW6に行く。
【0135】ステップW6(最大の一致率の判定):S
の各値と、H=Hmin〜Hmax,V=Vmin〜Vmaxの変化
による各(S,H,V)について、 T=Nm/Nc が最大となるときのS,H,V,及びT,Nm,Ncを求
め、出力情報とする。S,H,Vがそれぞれ1つだけ入
力されている場合には、そのときの一致率が出力情報と
なる。
(手順W終り)。
【0136】手順Wで照合作業域に格納する情報は、
(S,H,V)ごとに、各値を設定し、その項目は、登録
指紋の座標軸回転角度S,登録指紋の座標軸水平移動量
H,登録指紋の座標軸垂直移動量V,サブテンプレート
(又は非サブテンプレート)一致黒画素数Nm,サブテン
プレート(又は非サブテンプレート)総黒画素数Nc,及
び一致率T=Nm/Ncである。
【0137】ここで手順W:ステップW2の式は次の意
味である。ステップW2において、アドレス(XR,YR)
のすべてについて、登録指紋の近似的中心点(XRC,Y
RC)を検査指紋の近似的中心点(XTC,YTC)に一致させ
る平行移動後の新アドレスは、
【0138】
【数13】XR#=XR−(XRC−XTC) YR#=YR−(YRC−YTC) であり、(XR#,YR#)が新アドレスとなる。次に、
(XTC,YTC)を中心とする角度Sの座標軸回転を行う。
このことは、
【0139】
【数14】 XR@=(XR#−XTC)・cos(S)+(YR#−YTC)・sin(S)+XTC =(XR−XRC)・cos(S)+(YR−YRC)・sin(S)+XTCR@=−(XR#−XTC)・sin(S)+(YR#−YTC)・con(S)+YTC =−(XR−XRC)・sin(S)+(YR−YRC)・con(S)+YTC により求めることができる。ここで、三角関数 sin
(・),cos(・)の値は、あらかじめ角度Sの変動の範囲の
値を保持しておいてよい。
【0140】(9)登録処理と照合処理の流れ 指紋の登録処理と照合処理の概略の流れを図8に示す。
登録処理は、指紋の登録情報を画像照合装置1のメモリ
6に登録する処理である。照合処理は検査指紋と登録指
紋の一致性を判定する処理である。指紋の入力から、登
録又は照合までの流れの概要を以下の手順Zに示す。
【0141】(手順Z)ステップZA1〜ステップZA
5は、登録処理と照合処理に共通な処理である。ステップZA1 :指紋を画像入力装置2から、画像メモ
リ4に入力する。ステップZA2 :画像メモリ4の画像10にある指紋の濃
淡画像の平滑化を行う。ステップZA3 :画像10を手順Bにより二値化と背景分
離を行う。ステップZA4 :画像10の補正を手順Tにより行う。ステップZA5 :画像10にある指紋画像の近似的中心点
を手順Qにより求める。(ステップZA1〜ステップZ
A5終り)。
【0142】以後の処理は、登録処理と照合処理で分か
れる。ステップZR1,ステップZR2は、登録処理の
場合であり、登録指紋の登録情報をメモリ6に登録す
る。
【0143】ステップZR1:画像10にある登録指紋二
値画像(第1画像)に指紋領域内で細め処理を行い、登録
指紋変更画像(第1変更画像)を得る。ステップZR2 :登録指紋の登録情報の処理(手順R)を
行う。(ステップZR1〜ステップZR2終り)。
【0144】ステップZC1,ステップZC2は、照合
処理の場合であり、登録指紋の検査指紋の照合を行う。ステップZC1 :画像10にある検査指紋二値画像(第2
画像)の指紋領域内での細め処理(無変換の場合もある)
を行い、検査指紋変更画像(第2変更画像)を得る。ステップZC2 :照合処理(手順C,手順W)により、登
録指紋と検査指紋の一致性を判定する。(ステップZC
1〜ステップZC2終り)。
【0145】本発明は、以上に述べた実施例に限定され
るものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲にお
いて、例えば、次のような拡張又は変形に対しても適用
が可能である。画像の入力方法、平滑化の処理、二値化
の処理、背景分離の処理、補正処理、近似的中心点を求
める処理、細め処理、及び照合処理における一致率の計
算式などについては、他の方法(例えば、公知の方法)を
用いる変形,拡張又は部分的省略が可能である。
【0146】また、位置合わせは、回転のずれが無視で
きるほど小さいときは、可能性のある平行移動だけの位
置ずれで調べて、最も一致率がよいときの一致率により
判定してもよい。手順WのステップW2において、XR
@とYR@を求める式は、回転と平行移動を行える変換
であれば使用可能であり、本実施例に限定されるもので
はない。例えば、
【0147】
【数15】XR@=XR・cos(S)+YR・sin(S) YR@=−XR・sin(S)+YR・con(S) を用いることもできる。
【0148】また、座標変換又は幾何学的変換の使い方
は自由である。サブテンプレートの回転や平行移動を行
った値を登録情報として追加することにより、照合のた
めの処理量を削減できる(この場合、メモリ量は増加す
る)。
【0149】本実施例では、画像が指紋の場合を述べた
が、指紋以外の画像についても画像が線により構成され
ていると見なせる場合には、本発明を適用できる。実施
例では、1つの検査指紋と1つの登録指紋の照合を述べ
たが、1つの検査指紋について、2つ以上の登録指紋の
中から最も良く一致する登録指紋を探索する場合にも、
本実施例の照合を繰り返すことにより適用できる。サブ
テンプレートと非サブテンプレートの区分は、自由であ
り、両者を区分しないこと、又はより多くの区分を設け
ることなどの拡張がある。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像照合
方法及びその装置は、第1画像に適用する細め処理手段
の線幅指定値は、第2画像に適用する細め処理手段の線
幅指定値よりも小さくできるので、登録画像と検査画像
の元の物体が同一である場合には、各対応場所におい
て、第1変更画像の線幅を、第2変更画像の線幅よりも
小さくすることができる。
【0151】したがって、第1画像の登録情報である第
1の変更画像の個々の黒画素を、第2画像に基づく情報
である第2変更画像の個々の黒画素と照合すると、次の
効果がある。
【0152】 特徴点を抽出するための複雑な画像補
正の処理(例えば、線の方向を利用した補正等)が不要で
ある。
【0153】 第1画像の線幅は第2画像の線幅より
も小さく設定できるので、第1画像と第2画像が同じ対
象物から取得された画像である場合、両画像の位置ずれ
の影響が少ない。
【0154】 細め処理を行った画像の黒画素数は、
元の画像の総黒画素数よりも少ないので、元の画像をそ
のまま登録情報とする場合よりも、登録情報のために必
要なメモリ量が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る指紋の識別システムの
一構成例の図である。
【図2】図1の画像メモリ及びメモリの使用の説明図で
ある。
【図3】指紋領域の説明図である。
【図4】指紋の有効部分領域テーブルの一例である。
【図5】簡易な画像補正の例を示す図である。
【図6】指紋画像の近似的中心点を求める手段の例の説
明図である。
【図7】画像一致性チェック補助手順(手順W)の概略の
流れ図である。
【図8】指紋の登録処理と照合処理の概略の流れ図の例
である。
【符号の説明】
1…画像照合装置、 2…画像入力装置、 3…A/D
変換器、 4…画像メモリ、 5…処理装置、 6…メ
モリ、 7…撮像装置、 10,11…画像、 12…プログ
ラム及びデータ、 13…指紋の登録情報、 14…指紋境
界。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒画素と白画素を画像の画素の構成要素
    とする二値画像の2つの画像を第1画像と第2画像と
    し、1つ以上の黒画素の集合を線として扱うこととし、 第1画像の大部分の線幅を元の線幅未満の線幅に細める
    処理を行って得られる第1変更画像の個々の黒画素と、
    第2画像の線幅を元のままとする場合を含めて大部分の
    線幅を指定の値以下に細める処理を行って得られる第2
    変更画像の個々の黒画素について、少なくとも一方の前
    記の変更画像の個々の黒画素における画素アドレスを零
    回以上に変換する位置合わせ後に一致性を調べる照合処
    理により、 第1画像と第2画像の一致性を判定することを特徴とす
    る画像照合方法。
  2. 【請求項2】 第1画像の大部分の線幅を1画素に細め
    て第1変更画像を作成し、第2画像の大部分の線幅を元
    のままとする場合も含めて指定の線幅以下に細めること
    により第2変更画像を作成することを特徴とする請求項
    1記載の画像照合方法。
  3. 【請求項3】 黒画素と白画素を画像の画素の構成要素
    とする二値画像の2つの画像を第1画像と第2画像と
    し、1つ以上の黒画素の集合を線として扱うこととし、 二値画像の線幅を指定により元のままとする場合を含め
    て大部分の線について線幅指定値以下に線幅を細めるた
    めの1つ以上の細め処理手段を備え、かつ、 第1画像の線幅を前記の細め処理手段により元の線幅未
    満の線幅指定値を定めて処理して得られる第1変更画像
    の個々の黒画素と、第2画像の線幅を前記の細め処理手
    段により元のままとする場合を含めて線幅指定値を定め
    て処理して得られる第2変更画像の個々の黒画素につい
    て、少なくとも一方の前記の変更画像の個々の黒画素に
    おける画素アドレスを零回以上に変換する位置合わせ後
    に一致性を調べる照合処理手段を備え、該照合処理手段
    により、 第1画像と第2画像の一致性を判定することを特徴とす
    る画像照合装置。
  4. 【請求項4】 第1画像に適用する細め処理手段の線幅
    指定値の線幅は1画素であり、第2画像に適用する細め
    処理手段の線幅指定値は第2画像の線幅を元のままとす
    る場合を含めて任意の線幅の内の1つの値であることを
    特徴とする請求項3記載の画像照合装置。
  5. 【請求項5】 二値以上の輝度を有する画像に対して、 細め処理手段の線幅指定値をwxとし、1つの直線Lx
    及びその並行線と、画像の線が交わる部分のおのおのの
    線分上の黒画素集合において、該線分の画素数がwx
    以上の場合は該線分のwx個の黒画素を残して他の黒画
    素を白画素とし、該線分の画素数がwx個未満の黒画素
    連続部分のすべての画素は、そのまま黒画素として残す
    第1の過程と、 細め処理手段の線幅指定値をwyとし、直線Lxを零度以
    上の一定の角度回転した直線Ly及び直線Lyの並行線と
    画像の線が交わる部分のおのおのの線分上の黒画素集合
    において、該線分の画素数がwy個以上の場合は該線分
    のwy個の黒画素を残して他の黒画素を白画素とし、該
    線分の画素数がwy個未満の黒画素連続部分のすべての
    画素はそのまま黒画素として残す第2の過程とにより、 画像の細め処理を行う手段を細め処理手段の内の1つと
    して備えることを特徴とする請求項3記載の画像照合装
    置。
JP3171298A 1991-03-11 1991-07-11 画像照合方法及び画像照合装置 Pending JPH05233782A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3171298A JPH05233782A (ja) 1991-07-11 1991-07-11 画像照合方法及び画像照合装置
DE69232183T DE69232183T2 (de) 1991-03-11 1992-03-11 Verfahren und Gerät zur Bildverarbeitung
EP92400638A EP0508845B1 (en) 1991-03-11 1992-03-11 Method and apparatus for image processing
US08/425,772 US5537484A (en) 1991-03-11 1995-04-20 Method and apparatus for image processing

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3171298A JPH05233782A (ja) 1991-07-11 1991-07-11 画像照合方法及び画像照合装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05233782A true JPH05233782A (ja) 1993-09-10

Family

ID=15920701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3171298A Pending JPH05233782A (ja) 1991-03-11 1991-07-11 画像照合方法及び画像照合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05233782A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002074367A (ja) * 2000-08-30 2002-03-15 Fujitsu Ltd 印鑑照合表示装置及び方法及び記録媒体
JP2005316683A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Casio Comput Co Ltd 画像照合装置、および画像照合処理プログラム、画像照合方法
JP2007174038A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラム
US7697733B2 (en) 2005-09-28 2010-04-13 Sharp Kabushiki Kaisha Image collating apparatus, image collating method, image collating program product, and computer readable recording medium recording image collating program product
JP2015225388A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 国立大学法人 鹿児島大学 認証処理装置及び認証処理方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002074367A (ja) * 2000-08-30 2002-03-15 Fujitsu Ltd 印鑑照合表示装置及び方法及び記録媒体
JP4588852B2 (ja) * 2000-08-30 2010-12-01 富士通株式会社 印鑑照合表示装置及び方法及び記録媒体
JP2005316683A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Casio Comput Co Ltd 画像照合装置、および画像照合処理プログラム、画像照合方法
JP4561169B2 (ja) * 2004-04-28 2010-10-13 カシオ計算機株式会社 画像照合装置、および画像照合処理プログラム、画像照合方法
US7697733B2 (en) 2005-09-28 2010-04-13 Sharp Kabushiki Kaisha Image collating apparatus, image collating method, image collating program product, and computer readable recording medium recording image collating program product
JP2007174038A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP2015225388A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 国立大学法人 鹿児島大学 認証処理装置及び認証処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030169910A1 (en) Fingerprint matching using ridge feature maps
JPH06319025A (ja) 画像処理装置
JPH09508739A (ja) 指紋一致装置
CN107958443A (zh) 一种基于脊线特征和tps形变模型的指纹图像拼接方法
CN107392847B (zh) 一种基于细节点和距离图像的指纹图像拼接方法
KR100299858B1 (ko) 지문 매칭 방법
CN111460435A (zh) 一种用户注册方法、验证方法和注册装置
JPH05233782A (ja) 画像照合方法及び画像照合装置
JP2865528B2 (ja) 指紋照合装置
CN110659536B (zh) 指纹识别设备分辨率的测试方法及装置、系统及存储介质
US20030053666A1 (en) Method and apparatus for providing a binary fingerprint image
Perez-Hernandez et al. Simplified stroke-based approach for off-line signature recognition
JPH0573686A (ja) 画像検査装置
JP2926069B2 (ja) 指紋照合方法
EP4481699A1 (en) Computer-implemented method for obtaining a combined image
JP2865529B2 (ja) 指紋照合装置
JP4479350B2 (ja) 指紋照合装置およびその相対位置検出装置
JP2006330872A (ja) 指紋照合装置、方法およびプログラム
JPH0465776A (ja) 画像の比較方法
JP4648084B2 (ja) 記号認識方法及び装置
JP2008502955A (ja) コントロールポイントの移動を含む指紋認証方法
JP2833314B2 (ja) 指紋照合装置
JPH05242224A (ja) 指紋照合装置
JP3987558B2 (ja) 画像処理装置
JP4188344B2 (ja) 指紋照合装置、方法およびプログラム