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JPH05226047A - コンデンサ内蔵整流子及びその製造方法 - Google Patents

コンデンサ内蔵整流子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05226047A
JPH05226047A JP3052143A JP5214391A JPH05226047A JP H05226047 A JPH05226047 A JP H05226047A JP 3052143 A JP3052143 A JP 3052143A JP 5214391 A JP5214391 A JP 5214391A JP H05226047 A JPH05226047 A JP H05226047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
commutator
capacitor
insulating
conductive
ceramics
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3052143A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Chiba
秋雄 千葉
Masahisa Sofue
昌久 祖父江
Kazuo Tawara
和雄 田原
Nobuyuki Yamashita
信行 山下
Takashi Suzuki
俊 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP3052143A priority Critical patent/JPH05226047A/ja
Priority to EP92301638A priority patent/EP0505046B1/en
Priority to DE69211734T priority patent/DE69211734T2/de
Priority to KR1019920004259A priority patent/KR0128378B1/ko
Priority to CN92101782A priority patent/CN1030123C/zh
Priority to US07/852,579 priority patent/US5266860A/en
Publication of JPH05226047A publication Critical patent/JPH05226047A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K13/00Structural associations of current collectors with motors or generators, e.g. brush mounting plates or connections to windings; Disposition of current collectors in motors or generators; Arrangements for improving commutation
    • H02K13/10Arrangements of brushes or commutators specially adapted for improving commutation
    • H02K13/105Spark suppressors associated with the commutator
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R43/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining, or repairing of line connectors or current collectors or for joining electric conductors
    • H01R43/06Manufacture of commutators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R39/00Rotary current collectors, distributors or interrupters
    • H01R39/02Details for dynamo electric machines
    • H01R39/04Commutators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R39/00Rotary current collectors, distributors or interrupters
    • H01R39/02Details for dynamo electric machines
    • H01R39/46Auxiliary means for improving current transfer, or for reducing or preventing sparking or arcing

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
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  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】回転機等に用いる整流子において、整流周期中
に発生する火花を低減するため、コンデンサを内蔵した
整流子を提供することである。 【構成】整流子の導電セグメントに金属あるいはセラミ
ックスを用い、絶縁セグメントにコンデンサを形成し、
導電セグメントとコンデンサを有する絶縁セグメントと
を備えた整流子。 【効果】本発明によれば、導電セグメント間に絶縁性を
兼ね備えたコンデンサを一体化させることができるの
で、コンデンサを設置するスペースやコンデンサを接続
する配線作業が不要となり、従来の整流子形状でも使用
可能である。また、整流子を構成する材料全てにセラミ
ックスを用いることもでき、耐熱性,耐摩耗性の向上並
びに軽量化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機などに用いられ
る整流子に係り、特に整流終了時に発生する誘起電圧を
低減することのできる整流子に関する。
【0002】すなわち、整流子が整流周期中に発生する
火花を極力抑えるために、導電性セグメント間にコンデ
ンサを設け、整流終了時の整流片とブラシとの間に発生
する誘起電圧をコンデンサで吸収して電圧をなだらかに
遮断し、電気的ノイズを少なくすると共に整流子の表面
荒れ,加熱等を少なくしたコンデンサを直接接合した整
流子に関する。
【0003】
【従来の技術】整流子は回転機に用いられる最も重要な
個所で、電機子巻線の各コイルはブラシで短絡され、そ
の都度巻線内の電流は、一方のブラシで正から負へ、他
方のブラシで負から正へと方向を逆転する。その時間は
コイルがブラシで短絡された瞬間から始まり、短絡が解
除された時に終わるもので極めて短時間に完了し、これ
が連続して整流が行われる。この整流周期中における短
絡コイルの電流は、整流の開始及び整流終了時において
電流変化が大きくなり、整流子とブラシとから火花が出
やすく、整流火花はブラシ接触電圧降下がある電圧以上
になった場合に発生する。整流火花は整流終了時のブラ
シ接触電圧降下が低いと小さく、大きいと火花はアーク
放電となる。このアーク放電が発生するとブラシに高温
スポットが生じブラシの異常摩耗が起こり、整流子は部
分的に軟化を起こす。これによる多量のカーボン粉、空
気のイオン化がフラッシュオーバーの危険性を誘発する
ことが問題となる。また、整流時に発生する火花は、火
花の大小に関係無く電気的ノイズ発生源となる。このノ
イズは電波障害となり、各家庭のテレビジョンやラジオ
の雑音(テレビジョンではゴーストライン及び音声不
良)やコンピュータのエラー等になり苦情の原因とな
る。その他、整流子は外周面とブラシとの間に機械的か
つ電気的な接触状態を得て整流作用を行うものである。
従って、常にブラシが安定して摺動接触するように整流
子表面は、凹凸が無く平滑であることが要求される。し
かし、整流子は整流動作中に生じるブラシとの摺動摩
耗、整流に伴う火花の発生等により温度が上昇し、熱的
に変形したり、高速回転に伴う遠心力によって変形した
りする。特にモールド整流子においては、各々の整流子
片を樹脂部材で固定するため、樹脂充填の不均一、強度
補強材の不均一充填等があり、上述の問題が生じやすく
各整流子の変位は一様でなくなる。また、隣接する整流
子セグメント間に段差が生じやすく整流子表面は平滑さ
を失う。このような傾向は回転速度が増大すると顕著に
なり、ブラシの確実な摺動接触を妨げ、整流特性の悪化
を招くため、ブラシと整流子との間の整流火花を加速的
に増大せしめ、整流子あるいはブラシ表面の荒損,摩耗
の増加により、機器の寿命を著しく低下し、時には整流
子の破損をもたらす等の問題となる。
【0004】この問題に対する一つの対策として、導電
部に導電性セラミックス、絶縁部に絶縁性セラミックス
を用いて一体焼結したセラミックスが考えられる。
【0005】セラミック整流子は導電性セラミックス及
び絶縁セラミックスを反応焼結法で作製することが出来
る。この方法で作製すれば、セラミックスの電気抵抗が
可変で、焼結時の寸法変化が小さい等の特徴を有するセ
ラミック整流子が得られる。また、添加する原料の配合
量を調整することで、導電性セラミックスと絶縁性セラ
ミックスの両者の熱膨張係数を一致させることができ、
導電材と絶縁材との一体焼結が可能である(特開昭63−
252973号)。しかし、これらは整流周期中に発生する火
花に対するノイズの考慮がなされていない。
【0006】ノイズ発生の対策としては、セグメント間
に抵抗,バリスタ,コンデンサ等を接続したり挿入した
りする整流子が考えられる。しかし、抵抗,バリスタ,
コンデンサ等を設置するスペースの確保や接合するため
の配線作業の困難,接合時間の増加等の他、高速回転時
に配線が切断するという問題がある。一方、抵抗体、絶
縁基板及び誘電基板にプリント、印刷またはスッパタ等
で導電体あるいは絶縁体を形成し、アークの発生を抑制
した整流子として以下の公報が知られている。 特公昭55−15945 号 直流モータの整流子 特公昭58−55630 号 整流子の製造方法 特公昭59−34056 号 整流装置 特公昭59−34057 号 平板型整流装置 特開昭60−32548 号 モータの整流子 実公昭55−9197号 小形モータ整流機構 実公昭55−9198号 整流子 実公昭55−9199号 整流子 実公昭56−3905号 整流子 上記公報に記載された技術では、従来の整流子と構成が
異なり、回転時のバランス,取付けスペース等の問題の
ほか、プリントや印刷を用いて導電及び絶縁セグメント
を形成するため、モータの出力が大きくとれず、整流時
間を長くするために、従来の整流子の形状に比べてセグ
メント数が少なく発熱しやすい構造であるので実際的で
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】整流時に発生する火花
は、電気的ノイズの発生,整流子表面の荒損による整流
不良やブラシの異常摩耗等の原因となる。本願発明の目
的は、整流時に火花が発生することを極力抑えることの
できる整流子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するに
は、導電セグメント間にコンデンサを設ける構造とすれ
ばよい。その際、コンデンサを導電セグメントと一体構
造にすることにより、コンデンサを取り付けるスペース
や配線を従来形状と同じにすることができ、その一例と
して、導電性セラミックスと絶縁セラミックス(コンデ
ンサ)の一体焼結及び一体化した整流子が挙げられる。
【0009】導電性セラミックスには、金属Si(シリ
コン)粉と導電性セラミック粒子とを用い、絶縁セラミ
ックスには、金属Si粉と絶縁性セラミック粒子、ある
いは誘電率の大きいセラミック粒子とを用い、N2(窒
素)中で加熱するとSiがN2と反応しSi34(窒化
珪素)が生成され、Si34結合導電性及び絶縁性セラ
ミック焼結体を形成できる。
【0010】導電性セラミックス及び絶縁性セラミック
スの電気抵抗は、10-5Ωmから1012Ωm迄変化させ
ることができ、整流子材料としては十分に使用可能であ
る。また、導電性、絶縁性セラミックスの焼結時の寸法
変化率は金属SiをN2 中で加熱することで、SiがN
2 と反応してSi34が生成され、成形体の空隙をSi
34で埋めるように焼結体を形成するため0.3% 以下
と小さく、Si34結合導電性セラミックス及び絶縁性
セラミックスの熱膨張係数は、Si34の熱膨張係数か
ら添加元素の熱膨張係数まで任意に変化させることがで
き、導電材と絶縁材との一体焼結に不可欠な条件を充た
すことができる。つまり、導電材と絶縁材とを一体化し
ても熱膨張係数を合わせることで、焼結時にクラックや
割れの発生がない焼結体が得られる。
【0011】更には、稼働中に整流子が加熱されても、
導電体と絶縁体の熱膨張係数が一致しているため、整流
子表面に凹凸が無く、摺動接触する整流子の表面は平滑
性で良好な整流作用が得られる。
【0012】Si34材料は誘電性を有し、さらに添加
物として誘電率の大きいセラミック粒子を添加すること
により、容量の大きいコンデンサが得られ、整流周期中
に発生する火花を抑制することができる。
【0013】一方、導電体と絶縁体とを一体化する方法
として、まず導電体と絶縁体とを接合する方法がある。
導電体及び絶縁体がセラミックスの場合、セラミック系
の接合剤を用いセラミック整流子を作製する。セラミッ
ク接合剤は、導電体と絶縁体との熱膨張係数にマッチン
グしたセラミックスを主成分としたものを用い接合す
る。接合剤に用いるバインダは300℃〜500℃で除
去され、その時主成分のセラミックスが硬化され、その
耐熱温度は1000℃以上である。また、接着剤とセラ
ミックスの熱膨張係数は、接着剤の主成分であるセラミ
ックスの成分を選ぶことで一致させることできる。
【0014】以上のように導電セグメントに導電性セラ
ミックス、絶縁セグメントに絶縁性を兼ね備えたセラミ
ックコンデンサを用いて作製した整流子、あるいは、セ
ラミック接着剤を用いて作製した整流子は、運転時に加
熱されても、使用されている材料の熱膨張係数が一致し
ているため割れやクラックの発生が無く良好な整流子で
あり、電機的ノイズ発生源となる火花を極力押さえ、整
流子の表面荒れが無く、メンテナンスフリーでしかも信
頼性が高く、長寿命のセラミック整流子となる。
【0015】
【作用】導電性セグメントと絶縁性セグメントとで構成
される整流子において、導電性セグメント間に絶縁性を
かね備えたコンデンサを一体化させる構造にすることに
よって、コンデンサを設置するスペースやコンデンサを
接続する配線作業を無くすことができ、従来の整流子形
状を変えること無く使用可能である。また、絶縁性セグ
メントに絶縁性を兼ね備えたコンデンサを設けるため、
整流終了時にブラシと整流子片間に発生する誘起電圧を
抑えることができ、電気的ノイズが無く、運転時間経過
と共に起こる整流子表面荒損,整流不良やブラシの異常
摩耗が少なく、メンテナンスフリーでしかも信頼性が高
く長寿命な整流子が得られる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)導電材料作製には、平均粒径1μmの金属
Si粒子と導電性セラミックス粒子(窒化物、炭化物
等)とを混合し、その混合粉に成形用バインダとして、
ポリエチレン系ワックス、ステアリン酸などの有機バイ
ンダを9重量部添加し、混練機で150℃、3時間混練
したものを使用した。混練物は、破砕後成形原料粉とし
た。一方、絶縁部のセラミックスには、平均粒径1μm
の金属Si粒子と絶縁セラミックス粒子(酸化物,誘電
体など)の混合粉に上記成形バインダを用い混練破砕後
成形した原料粉を使用した。これらの原料粉を成形金型
を用い、成形圧力100MPa、成形温度160℃の条
件でプレスして測定試料を作製した。成形バインダを含
む混合粉は、加熱することで軟化し粉末の充填率が大き
くなり、成形体粒子体積充填率は65vol%以上とな
った。
【0017】成形体をアルゴン雰囲気中3℃/hの昇温
速度で500℃まで加熱して成形バインダを除去した
後、窒素ガス雰囲気中1100℃〜1300℃まで段階
的に加熱して金属Siを窒化させ、Si34で結合した
導電体及び絶縁性セラミックス焼結体を得た。上記した
添加元素の代表例として、導電体セラミックス粒子にT
iN、ZrN、絶縁体セラミックス粒子にAl23を用
いた焼結体の特性例を以下のようにまとめる。
【0018】図1に焼結時の寸法変化率を示す。導電体
及び絶縁性セラミックス粒子を添加した焼結時の寸法変
化率は0.3% 以下で、従来の常圧焼結法に比べ非常に
小さい。これはSiをN2 中で加熱すると気相反応して
Si34が生成され、脱脂体の空隙を埋める(SiがS
34に変化すると約23%の体積膨張があり脱脂体の
空隙や穴を埋める)と共に、添加した導電体あるいは絶
縁性セラミックス粒子表面と反応しながら焼結体を形成
するため、寸法変化が小さく高密度で、高強度のセラミ
ックスが得られる。
【0019】図2に焼結体の電気抵抗率を示す。導電性
セラミックス粒子を添加した導電性セラミックスは、添
加量が多くなるほど電気抵抗率が低くなり、70vol
%TiNあるいはZrNを添加した焼結体の電気抵抗率
は、10-5Ωmオーダーが得られ、整流子用導電性セグ
メントとしては使用可能である。
【0020】絶縁性セラミックス粒子を添加した焼結体
の電気抵抗率は、約1012Ωmオーダーで、絶縁抵抗と
しては大きな値であり、整流子の絶縁セグメント材とし
て問題はない。
【0021】図3に焼結体の熱膨張係数を示す。焼結体
の熱膨張係数は、マトリックスであるSi34と添加元
素とのそれぞれの熱膨張係数を結んだほぼ直線上にあっ
て、添加量を最適にすることで、導電体と絶縁体との熱
膨張係数を合わせることができる。また、導電性セラミ
ックスと絶縁性セラミックスとのマトリックスは、Si
34であり、焼結することにより導電部と絶縁部とのS
34が結合して導電材料と絶縁材料とが一体焼結さ
れ、両者の熱膨張係数が一致していることから、焼結時
の割れやクラック発生の心配がない。従って、焼結した
整流子は運転中に加熱されても絶縁セグメントと導電セ
グメントの熱膨張係数が一致しているため、整流子表面
に凹凸が無く整流作用が良好となる。
【0022】セラミックス絶縁材料の殆どが誘電特性を
持つが、高誘電材料としては、チタン系,ニオブ系,タ
ンタル系がある。しかしこれらを直接整流子の絶縁セグ
メント材料として用いることができない。これらの作製
方法及び焼結方法が異なるため、導電性セグメントと一
体焼結した場合、焼結時の収縮,導電体との接合等に問
題が生じるからである。そこで、強誘電体材料を粉末に
して、Si粒子との混合粉として上記の方法で焼結し
た。この焼結体マトリックスはSi34で、熱膨張係数
は誘電体の添加量で調整ができ、導電体の一体焼結は可
能である。誘電材を添加した材料は、誘電体単体に比べ
誘電率も小さくなるが他の絶縁材料に比べ高誘電材料と
なる。
【0023】コンデンサは、2つの導電板で誘電体を挾
んで向き合わせた構造を基本とするが、整流子の構造
は、導電体で絶縁体を挾んだ構造であり、絶縁体にSi
34と誘電体との混合セラミックスを用いることで、コ
ンデンサを装備した整流子となる。一方、コンデンサの
容量は回転機の仕様で異なるため、数値を限定すること
が出来ないが、整流時に発生する誘起電圧を吸収できる
容量(誘電率,寸法,形状など)を仕様にあわせ決定す
る必要がある。
【0024】以上のことから、上述した材料及び作製方
法を用いることでコンデンサを装備したセラミックス整
流子の作製が可能となる。
【0025】(実施例2)整流子形状は、外周部に導電
体(Cu材)と絶縁体(マイカ、樹脂)が交互に配置さ
れ、その中心部には絶縁リングが配置される構成とな
る。すなわち、整流子は導電体と絶縁体との組合わせか
らなる。このような構成をセラミックスで作製するに
は、上述したように焼結時の寸法変化率が小さく、導電
材と絶縁材との熱膨張係数を合わせることでセラミック
ス整流子の作製ができる。
【0026】導電体と絶縁体とを一体焼結するには、ま
ず、整流子の各部分を成形し、更に各部品を金型を用い
て中心部の絶縁リングにSiとAl23の混合粉末成形
体、その外周に導電体(Siと窒化物あるいは炭化物と
の混合粉)と絶縁体(Siと酸化物あるいは誘電体との
混合粉等)の混合粉末成形体を交互に配置し、成形圧力
100MPa、成形温度160℃の条件でプレスして整
流子形状に成形する。成形体を上述した測定試料作製方
法と同じ方法で、脱脂及び焼結して整流子を作製した。
得られた焼結体は、焼結時の寸法変化は殆ど無く、導電
体と絶縁体との間に割れやクラックの無い良好な整流子
であった。得られた整流子形状は以下のとおりである。
【0027】(実施例3)図4に示す整流子は現行整流
子の形状とほぼ同じで、整流子全体をセラミックスで作
製したものである。その構成は中心部に絶縁リング(S
34とAl23の混合セラミックス)を設け、その外
周に導電体(Si34と導電性窒化物あるいは導電性炭
化物との混合セラミックス)と絶縁体(Si34と誘電
体との混合セラミックス)を交互に配置した構造であ
る。
【0028】セラミックス整流子の構成を上記のように
することで、Si34と誘電体との混合体セラミックス
は導電体で挾まれた形となり、その部分がコンデンサと
なるため、従来の整流子形状を変えることなくコンデン
サを内蔵した整流子形状となる。
【0029】(実施例4)コンデンサの容量は回転機の
仕様により異なる。また、整流子のセグメント形状は整
流子直径方向に導電体と絶縁体とを交互に配置して用い
るため、整流子の径や導電体の電気抵抗率で整流子形状
が決定され、コンデンサ容量を絶縁セグメント形状で決
定するのが困難になる。つまり、コンデンサ容量を絶縁
セグメント形状で決定すると導電セグメントの体積が小
さくなったりして、図2に示したような導電材の電気抵
抗率では、必要とされる電流を流すことができず、機能
低下となる。そこで、整流子の機能にあわせてコンデン
サの容量を調整するため、整流子のセグメントの長さを
考慮したり、整流子を上下あるいは一方向又は中心部に
設置することで、整流子の仕様に合わせた設計ができ
る。コンデンサ容量を調整可能にする整流子形状を以下
に示す。
【0030】図5の整流子は、中心部に絶縁リング(S
34とAl23の混合セラミックス)を設け、その外
周に導電体(Si34と導電性窒化物あるいは導電性炭
化物との混合セラミックス)を配置し、導電体と導電体
との間にSi34と誘電体との混合セラミックスを導電
体より短く配置し、その残部に絶縁セラミックス(Si
34とAl23との混合セラミックス)を交互に配置し
構成した整流子形状を示す。
【0031】コンデンサ容量はSi34と誘電体との混
合セラミックスセグメントの長さを調整することで、使
用する回転機の仕様に合わせた整流子形状となる。
【0032】図6は、中心部に絶縁リング(Si34
Al23の混合セラミックス)を設け、その外周に導電
体(Si34と導電性窒化物あるいは導電性炭化物との
混合セラミックス)を配置し、導電体と導電体との間に
絶縁セラミックス(Si34とAl23の混合セラミッ
クス)を導電体より短く配置し、その残部にSi34
誘電体との混合体セラミックスを配置した整流子形状を
示す。
【0033】コンデンサ容量は整流子外周部に設置した
Si34と誘電体との混合セラミックスセグメントの長
さを調整することで、使用する回転機の仕様に合わせた
整流子形状となる。
【0034】図7の整流子は、図5と図6とを組み合わ
せた形状で、Si34と誘電体との混合セラミックスを
中心絶縁リングの外周と整流子外周に設置した整流子形
状を示す。
【0035】コンデンサ容量は整流子中心付近と外周部
に設置したSi34と誘電体との混合セラミックスセグ
メントの長さを調整することで、使用する回転機の仕様
に合わせた整流子形状となる。
【0036】図8の整流子は、中心部に絶縁リング(S
34とAl23の混合セラミックス)を設け、その外
周に導電体(Si34と導電性窒化物あるいは導電性炭
化物との混合体セラミックス)を配置し、導電体と導電
体との間に絶縁セラミックス(Si34とAl23Si
34とAl23との混合セラミックス)を導電体より短
く配置し、その残部にSi34と誘電体との混合体セラ
ミックスを外周部の上下部分のみに配置した整流子形状
を示す。
【0037】コンデンサ容量はSi34と誘電体との混
合セラミックスセグメントの長さの調整あるいは一方向
に設置しすることで、使用する回転機の仕様に合わせた
整流子形状となる。
【0038】(実施例5)図9の整流子は絶縁中心リン
グ(Si34とAl23との混合セラミックス)の外周
部にSi34と誘電体との混合セラミックスをリング配
置し、さらに、その外周に導電体(Si34と導電性窒
化物あるいは導電性炭化物との混合セラミックス)と絶
縁体(Si34とAl23との混合セラミックス)とを
交互に配置した整流子形状を示す。
【0039】コンデンサ容量はSi34と誘電体との混
合セラミックスリングの直径で調整することができ、使
用する回転機の仕様に合わせた整流子形状となる。
【0040】図10の整流子は絶縁中心リング(Si3
4とAl23の混合セラミックス)の外周部にSi3
4と誘電体との混合セラミックスリングを配置し、その
外周に導電体(Si34と導電性窒化物、あるいは導電
性炭化物との混合体セラミックス)と絶縁体(Si34
と誘電体との混合セラミックス)とを交互に配置した整
流子形状を示す。
【0041】コンデンサ容量はSi34と誘電体との混
合セラミックスリングの直径並びに絶縁セグメントで調
整することができ、使用する回転機の仕様に合わせた整
流子形状となる。
【0042】(実施例6)図11の整流子は、絶縁中心
リング(Si34とAl23との混合体セラミックス)
の外周部に導電体(Si34と導電性窒化物あるいは導
電性炭化物との混合体セラミックス)と絶縁体(Si3
4とAl23混合セラミックス)とを交互に配置した
整流子形状の外周部にSi34と誘電体との混合体セラ
ミックスのリング形状を設けた整流子形状を示す。
【0043】これらの設置位置はカーボンブラシが摺動
できれば問題が無く、設置数としては使用する回転機の
仕様に合わせ数個設けても問題ない。また、絶縁セグメ
ントにSi34と誘電体との混合セラミックス用いても
良い。
【0044】コンデンサ容量は外周部に設けたSi34
と誘電体との混合体セラミックスリング形状及び設置
数、絶縁セグメントにSi34と誘電体との混合セラミ
ックスを用いるか否かで調整することができ、使用する
回転機の仕様に合わせた整流子形状となる。
【0045】図12の整流子は、絶縁中心リング(Si
34とAl23との混合セラミックス)の外周部に導電
体(Si34と導電性窒化物あるいは導電性炭化物との
混合セラミックス)と絶縁体(Si34とAl23との
混合セラミックス)とを交互に配置した整流子の外周部
にSi34と誘電体との混合体セラミックスを用いたリ
ングを設けた整流子形状を示す。設置位置はカーボンブ
ラシが摺動できれば問題が無く、設置数としては、使用
する回転機の仕様に合わせ数個設けても問題ない。ま
た、絶縁セグメントにSi34と誘電体との混合体セラ
ミックスを用いても良い。
【0046】コンデンサ容量は外周部に設けたSi34
と導電性窒化物あるいは導電性炭化物との混合セラミッ
クスリングの厚みあるいは設置数、絶縁セグメントにS
34と誘電体との混合セラミックスを用いるか否かで
調整することがで、使用する回転機の仕様に合わせた整
流子形状となる。
【0047】(実施例7)図13の整流子は、絶縁中心
リング(Si34とAl23との混合体セラミックス)
の外周部に導電体(Si34と導電性窒化物あるいは導
電性炭化物との混合セラミックス)と絶縁体(Si34
とAl23の混合セラミックス)とを交互に配置した整
流子の一方または両方面にSi34と誘電体との混合体
セラミックス板を設けた整流子形状を示す。また、絶縁
セグメントにSi34と誘電体との混合体セラミックス
を用いても良い。
【0048】コンデンサ容量は整流子の上下に設けたS
34と誘電体との混合体セラミックスの設置数あるい
は厚み、あるいは絶縁セグメントにSi34と誘電体と
の混合セラミックスを用いるか否かで調整することが
で、使用する回転機の仕様に合わせた整流子形状とな
る。
【0049】図14の整流子は図13の整流子の一方ま
たは両方面にSi34と誘電体との混合体セラミックス
を設けた他に、更にその上に、絶縁性を増すためとSi
34と誘電体との混合体セラミックスを補強を目的に絶
縁性セラミックス(Si34とAl23との混合セラミ
ックス)を設けた整流子形状を示す。また、絶縁セグメ
ントにSi34とAl23との混合セラミックスを用い
ても良い。
【0050】コンデンサ容量は整流子の上下に設けたS
34と誘電体との混合体セラミックスの厚み、あるい
は絶縁セグメントにSi34と誘電体との混合セラミッ
クスを用いるか否かで調整することができ、使用する回
転機の仕様に合わせた整流子形状となる。
【0051】(実施例8)図15に整流子の導電部と導
電部との間に設置した絶縁部分に溝を設けた整流子形状
を示す。
【0052】整流子は回転時にカーボンブラシのカーボ
ンが絶縁セグメントに付着した場合、カーボン粉により
電気的に短絡される。それを防ぐため導電部間の絶縁部
(Si34と誘電体との混合体セラミックスも含む)に
溝を設けた場合、導電部の形状は溝と接する導電部の端
面が鋭角となりカーボンブラシを接触させると、カーボ
ンブラシは切削され摩耗が激しくなるため、導電部の端
面に面取りあるいは丸みを付けた形状となっている。
【0053】整流子の導電部と導電部との間に設置した
絶縁部分に溝を設ける方法は図4〜15に適用しても問
題がない。
【0054】整流子の作製方法は上述したプレス成形作
製方法の他、スリップキャステング法,ラバープレス
法,CIP法,HIP法,押出し成形法などでも可能で
ある。 (実施例9)上記した一体焼結整流子の絶縁性セグメン
トには誘電体粒子を添加した絶縁体を用い作製したが、
誘電体単体の誘電率に比べ低くなる。そこで、誘電率の
大きいセグメントを用いた整流子を作製した。まず、あ
らかじめ焼結して作製した誘電率の大きいセグメント
と、導電部には実施例2の方法で成形体を作製して、絶
縁体の焼結体と成形した導電体を金型にセットして実施
例2の方法で成形した。誘電率の大きいセグメントは焼
結されているため加圧しても変形されず、導電体を誘電
率の大きいセグメントより長く成形しておき、加圧した
ときに導電部のみ変形するようにした。導電体は加熱さ
れることで軟化され、成形時に一体化されているが、焼
結しても絶縁体と接合されにくく整流子を高速回転した
場合に危険である。そこで、誘電率の大きいセグメント
は頭16のa〜dに示すように、凹凸を付け導電体と結
合しやすくした。つまり、導電体が加熱され軟化した状
態で加圧すると、誘電率の大きいセグメントの凹凸部に
導電体が挿入され導電体との結合(嵌合)が行われるた
め一体化された整流子が得られる。これを脱脂や焼結し
ても導電体と絶縁体の熱膨張係数が一致しているため、
加熱しても接合部に割れやクラックの発生が無く、絶縁
部に挿入された導電体で押える形となり接合強度が弱く
ても、高速回転しても破損する心配がない。また、誘電
率の大きいセグメントと導電体との熱膨張差が心配され
るが、一例であるが絶縁体にBa0・Ti02を用いた
場合、その熱膨張係数は約6×10-6/℃であり、図1
で説明したように導電材の熱膨張係数で合わせることが
でき問題はない。
【0055】(実施例10)整流子の作製方法として、
上述ように一体成形、焼結した整流子の他、導電体とコ
ンデンサとを組合せて、接着剤を用い一体化したセラミ
ックス整流子を作製した。この方法の特徴は絶縁材にコ
ンデンサを用いても加熱することがないためコンデンサ
の特性を劣化させることなく、導電体とコンデンサとの
一体化した整流子の作製が可能である。
【0056】セラミックス同士の接合にはセラミックス
系(例えば、アルミナ系、ジルコニア系,サーメット
系,シリカ系、あるいはこれらの混合物等)接着剤を用
い接合するが、この接着剤のバインダはリン酸塩系で、
300℃〜500℃で加熱することで有機物は除去され
硬化する。接合後の耐熱温度は1000℃以上で整流子
としての耐熱温度以上で、接着剤の主成分はセラミック
スであることから耐摩耗性にも問題が無い。一方、セラ
ミックス接着剤の熱膨張係数は、主成分がセラミックス
のため本実験で用いたセラミックス材料との熱膨張と合
わせることができ、導電体と絶縁体とを接合しても熱膨
張差が無く割れやクラックの発生がない。これらの作製
方法としては、各導電セグメントとコンデンサセグメン
トとを所定の形状にし、各セグメントに接着剤を塗布
後、ケース内にセットして加圧しながら加熱し接合し
た。得られた整流子の絶縁材であるコンデンサの特性
は、加熱温度が低いため、一体化する前と変わらず目的
とするコンデンサ容量の整流子を得た。
【0057】実施例10で示したように、接合して作製
される整流子の導電部にはセラミックスを用いたが、接
合温度が低いことから導電部に金属あるいは金属を混合
したセラミックスを用いても可能である。このとき金属
あるいは金属を混合したセラミックスとコンデンサとの
熱膨張係数を合わせる必要があり、金属あるいは金属を
混合したセラミックスは電気抵抗が小さく、熱膨張係数
が小さく出来る金属あるいは合金、金属を混合したセラ
ミックスを選ぶ必要がある。
【0058】さらにはペーパー,有機フィルム,セラミ
ックス等の種々のコンデンサを用いることができる。
【0059】接合して得られた整流子のコンデンサ容量
は図4〜15の整流子形状の方法によって調整すること
で、使用する回転機の仕様に合わせた整流子形状とな
る。
【0060】(実施例11)コンデンサは2つの導電板
で誘電体を挾んで向き合わせた構造を基本とする。整流
子の構造は導電体で絶縁体を挾んだ構造であり、絶縁体
にSi34と誘電体との混合セラミックスを用いること
でコンデンサとなるが、図17のように誘電性を兼ね備
えた絶縁セグメントと導電セグメントとの間に電極とし
て導電体を設けて構成しても良い。
【0061】(実施例12)図4〜15の整流子は、円
筒状で外周よりブラシを押し当てて整流する整流子とし
て検討してきたが、これらの整流子の使用方法としはブ
ラシを整流子の平面に押し当てて用いても良い。図4〜
15の整流子の中で頭4〜8、12はそのままの形状で
使用可能で、図9〜10は中心付近に設けたSi34
誘電体との混合セラミックスリングを避けてブラシを接
触して使用する必要がある。図11の整流子は整流子外
周部のSi34と誘電体との混合セラミックスリングを
避けてブラシを接触して使用する必要がある。図13〜
14の整流子は整流子の片方のみにSi34と誘電体と
の混合セラミックスを接合して用いる必要がある。
【0062】(実施例13)導電セグメントの間に3n
Fのコンデンサを内蔵して作製した整流子と、従来の整
流子とに生じるノイズを比較した。その結果、従来の整
流子は30MHz近辺のノイズが時間経過と共に大きく
なり、20dBも急上昇した。試験した整流子の表面を
観察すると、火花が発生した部分は荒損しており、整流
子の表面荒れの凹凸がノイズ発生の原因となっている。
これに対して、コンデンサを内蔵した整流子のノイズは
少なく、時間経過による変化もなく、安定した状態であ
った。また、コンデンサを内蔵した整流子を起動しても
テレビジョンやラジオにノイズが入らないことが確認で
きた。コンデンサを内蔵した整流子の試験後、従来の整
流子と同様にしてその表面を観察したが、整流子の表面
荒れはなく、火花の発生が少ないことがわかった。
【0063】(実施例14)コンデンサを内蔵した整流
子にインダクタンスを挿入して、回転数3000rp
m、ブラシ電流密度20A/cm2 の条件で人為的に火花
を発生させ、従来の整流子と比較した。その結果、従来
の整流子の火花は7〜8号であるのに対し、コンデンサ
を内蔵した整流子の火花は約半分以下で、コンデンサに
よる効果が大きいことがわかった。また、図18に示す
ような方法で電圧波形を観察すると、図19に示すよう
にコンデンサを用いない整流子の波形は、シャープに立
上り火花の発生が大きいが、コンデンサを内蔵した整流
子は、電圧がコンデンサに吸収され電圧が緩やかに変化
していることがわかる。
【0064】人為的に火花を発生させたセラミックス整
流子の表面を観察すると、導電材と絶縁材とに凹凸は無
く、整流作用を劣化させないことと整流子表面の摩耗が
殆どないこととがわかった。火花が発生した導電性セラ
ミックス端部は黒く変化していたが、試験前後のセラミ
ックス整流子表面荒さを測定しても大差なく、損傷も無
く、黒く変化した部分を詳細に観察するとブラシのカー
ボンが付着していることがわかった。この付着したカー
ボンが、ブラシとの摺動性を増すと共に、カーボンブラ
シの摩耗を押さえ、懸念された硬質セラミックスとカー
ボンとの組合わせによるカーボンブラシの摩耗を防いで
いることがわかった。これらの試験は過酷な条件であ
り、一般的に使用される電圧,電流での整流ではより良
好な結果が得られる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、整流子の絶縁セグメン
トにコンデンサを用いることで火花の発生を抑制し、電
波障害となる電気的ノイズ発生を少なくし、更に火花の
発生が抑制されるため、整流子表面荒れが無くなり高寿
命となる。
【0066】整流子を構成する材料全てにセラミックス
を用いることで耐熱性,耐摩耗性,軽量化が図られる。
つまり、セラミックスは不燃性(高融点)材料で、従来
の導電セグメント(Cu材)に比べてアークが発生して
も溶けにくく、整流子表面の荒れが少ない。更に、セラ
ミックスと黒鉛ブラシとを摺動した場合、セラミックス
は硬質で摩耗しにくいことは当然であるが、黒鉛ブラシ
の摩耗が懸念されたが整流子表面に黒鉛が付着し、摺動
性が良好になりブラシの摩耗も少ない。更に、セラミッ
クス自体の密度は、従来材であるCuに比べ約1/3と
小さい。従って、回転機として高速回転した後、回転を
停止すると、Cuであれば整流子自体が重いために慣性
が働き、回転子と接続する配線にねじれが生じて断線や
整流子固定部のずれの発生する恐れがあったが、本願発
明にあるとおりセラミックスで作製した整流子は軽量で
ありこのような心配がない。一方、セラミックス導電体
とセラミックスコンデンサを一体化することで、コンデ
ンサの設置場所や接合工程の増加がなく、装置形状をコ
ンパクトでしかも安価に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電体及び絶縁体の焼結時の寸法変化率を示し
た図である。
【図2】導電体及び絶縁体の焼結体の電気抵抗率を示し
た図である。
【図3】導電体及び絶縁体の焼結体の熱膨張率を示した
図である。
【図4】コンデンサを内臓した整流子を示した図であ
る。
【図5】コンデンサの容量を調整可能にした整流子を示
した図である。
【図6】コンデンサの容量を調整可能にした整流子を示
した図である。
【図7】コンデンサの容量を調整可能にした整流子を示
した図である。
【図8】コンデンサの容量を調整可能にした整流子を示
した図である。
【図9】整流子の中心部にコンデンサを設けた整流子を
示した図である。
【図10】整流子の中心部にコンデンサを設けた整流子
を示した図である。
【図11】整流子の外周部にコンデンサを設けた整流子
を示した図である。
【図12】整流子の外周部にコンデンサの容量を調整し
たリングを設けた整流子を示した図である。
【図13】整流子の一方向あるいは両方向にコンデンサ
を設けた整流子を示した図である。
【図14】整流子の一方向あるいは両方向にコンデンサ
を設け、更に絶縁材を具備した整流子を示した図であ
る。
【図15】カーボン粉による電気的短絡を防止した溝付
き整流子を示した図である。
【図16】接続に適した整流子片を示した図である。
【図17】導電体と絶縁体との間に低抵抗の導電体を設
けた整流子を示した図である。
【図18】電圧測定例を示した図である。
【図19】コンデンサの有無による電圧波形の違いを示
した図である。
【符号の説明】
1…TiN/Si34セラミックス、2…ZrN/Si
34セラミックス、3…Al23/Si34セラミック
ス、4…誘電性を兼ね備えた絶縁セグメント、5…導電
性セグメント、6…中心絶縁リング、7…絶縁性セグメ
ント、8…誘電性を兼ね備えた絶縁内周リング、9…誘
電性を兼ね備えた絶縁外周リング、10…誘電性を兼ね
備えた絶縁板、11…絶縁板、12…凹凸付きセグメン
ト、13…低抵抗体、14…カーボンブラシ、15…リ
ード線、16…電圧計、17…整流子、18…コンデン
サを用いないときの電圧波形、19…コンデンサを用い
たときの電圧波形。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田原 和雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 山下 信行 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 鈴木 俊 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立工機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電セグメントと絶縁セグメントとを交互
    に備えた整流子であって、前記導電セグメント間に、誘
    電率が10以上であるコンデンサを有することを特徴と
    する整流子。
  2. 【請求項2】導電セグメントと絶縁セグメントとを交互
    に備えた整流子であって、前記絶縁セグメントの少なく
    とも一部を、誘電率が10以上であるコンデンサとした
    ことを特徴とする整流子。
  3. 【請求項3】前記導電セグメント及び前記絶縁セグメン
    トのうち、少なくとも一方をセラミックスで構成するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の整流子。
  4. 【請求項4】導電性セラミックセグメントと絶縁性セラ
    ミックセグメントとを交互に備えた整流子であって、前
    記導電性セラミックセグメント間に、誘電率が10以上
    であるセラミックコンデンサを有することを特徴とする
    整流子。
  5. 【請求項5】導電性セラミックセグメントと絶縁性セラ
    ミックセグメントとを交互に備えた整流子であって、前
    記絶縁性セラミックセグメントの少なくとも一部を、誘
    電率が10以上であるセラミックコンデンサとしたこと
    を特徴とする整流子。
  6. 【請求項6】前記導電性セラミックセグメント及び前記
    絶縁性セラミックセグメントを一体焼結したことを特徴
    とする請求項4または5記載の整流子。
  7. 【請求項7】前記導電セグメントまたは前記導電性セラ
    ミックセグメント間を接着剤で接合固定したことを特徴
    とする請求項1乃至6記載の整流子。
  8. 【請求項8】前記導電セグメントまたは前記導電性セラ
    ミックセグメントの電気抵抗率が、3×10-4Ωm以下
    であることを特徴とする請求項1乃至6記載の整流子。
  9. 【請求項9】前記絶縁セグメントまたは前記絶縁性セラ
    ミックセグメントの電気抵抗率が、3×105Ωm以上
    であることを特徴とする請求項1乃至6記載の整流子。
  10. 【請求項10】前記整流子を構成する各部材の電気抵抗
    率が、導電セグメントまたは導電性セラミックセグメン
    ト、コンデンサまたはセラミックコンデンサ、絶縁セグ
    メントまたは絶縁性セラミックコンデンサの順に高くな
    ることを特徴とする請求項1乃至9記載の整流子。
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