JPH05210088A - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents
液晶表示装置の駆動方法Info
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- JPH05210088A JPH05210088A JP3071453A JP7145391A JPH05210088A JP H05210088 A JPH05210088 A JP H05210088A JP 3071453 A JP3071453 A JP 3071453A JP 7145391 A JP7145391 A JP 7145391A JP H05210088 A JPH05210088 A JP H05210088A
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Landscapes
- Shift Register Type Memory (AREA)
- Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は薄膜トランジスタ駆動方式液晶表示装
置の駆動方法に関し、特に映像信号線ドライバの駆動電
圧を低減し、かつ、高精細、大型又は多色液晶表示装置
に適用可能とする方法を提供することにある。 【構成】付加容量方式の画素において、走査信号線には
書き込みパルスと、これと同一パルス幅,パルス間隔、
これより低電圧振幅で常時加わる交流電圧パルスが印加
されており、これらの書き込みパルスと交流電圧パルス
は立上り、立ち下がりタイミングをずらした。また、対
向電極にも同様の交流電圧パルスを印加した。 【効果】走査信号線および対向電極に交流電圧パルスが
印加されているため書き込み時の映像信号線の電圧振幅
を低減しコストを低減できる。また、高精細,大型ある
いは多色TFTLCDにおいても表示性能を劣化させることが
ない。
置の駆動方法に関し、特に映像信号線ドライバの駆動電
圧を低減し、かつ、高精細、大型又は多色液晶表示装置
に適用可能とする方法を提供することにある。 【構成】付加容量方式の画素において、走査信号線には
書き込みパルスと、これと同一パルス幅,パルス間隔、
これより低電圧振幅で常時加わる交流電圧パルスが印加
されており、これらの書き込みパルスと交流電圧パルス
は立上り、立ち下がりタイミングをずらした。また、対
向電極にも同様の交流電圧パルスを印加した。 【効果】走査信号線および対向電極に交流電圧パルスが
印加されているため書き込み時の映像信号線の電圧振幅
を低減しコストを低減できる。また、高精細,大型ある
いは多色TFTLCDにおいても表示性能を劣化させることが
ない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置に関し、特
に薄膜トランジスタ駆動方式液晶表示装置の駆動方法に
関する。
に薄膜トランジスタ駆動方式液晶表示装置の駆動方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置(Liquid Crystal D
isplay、以下LCDと略記)の一つとして非晶質Si半
導体薄膜、あるいは、多結晶Si半導体薄膜からなる薄
膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと
略記)を用いた薄膜トランジスタ駆動方式液晶表示装置
(TFTLCD)が公知である。この表示装置はガラスなどの
透明基板上に設けられたTFTを用いて1画素(表示の
一単位)の液晶に加わる電圧を制御する方式のため、画
質が鮮明であるという特徴を有しており、OA機器用の
端末やTVなどに広く用いられつつある。
isplay、以下LCDと略記)の一つとして非晶質Si半
導体薄膜、あるいは、多結晶Si半導体薄膜からなる薄
膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと
略記)を用いた薄膜トランジスタ駆動方式液晶表示装置
(TFTLCD)が公知である。この表示装置はガラスなどの
透明基板上に設けられたTFTを用いて1画素(表示の
一単位)の液晶に加わる電圧を制御する方式のため、画
質が鮮明であるという特徴を有しており、OA機器用の
端末やTVなどに広く用いられつつある。
【0003】図5は1画素の等価回路を示したものであ
る。走査信号線311と映像信号線312の交差部に薄
膜トランジスタTFT310が配置され、液晶容量313と保
持容量314が接続されている。走査信号線311の信
号によって薄膜トランジスタTFT310がON状態となる
と、映像信号線312の電位が画素電極315に書き込
まれ、液晶容量313と保持容量314に電荷が蓄積さ
れる。薄膜トランジスタTFT310がOFF状態となると液
晶容量313と保持容量314に蓄積された電荷は保持
される。液晶は直流電圧が印加されると劣化するため、
上記の書き込み及び保持は対向電極316の電位に対し
正及び負の極性に交互に行われる。このようにして画素
電極315に書き込まれ、保持された電位と対向電極3
16の電位との電位差を時間平均することによって液晶
容量313に実効的に加わる電圧Vrmsが決まる。この実
効電圧Vrmsによって液晶の配向状態が決まり、液晶の光
透過率が制御されることとなる。
る。走査信号線311と映像信号線312の交差部に薄
膜トランジスタTFT310が配置され、液晶容量313と保
持容量314が接続されている。走査信号線311の信
号によって薄膜トランジスタTFT310がON状態となる
と、映像信号線312の電位が画素電極315に書き込
まれ、液晶容量313と保持容量314に電荷が蓄積さ
れる。薄膜トランジスタTFT310がOFF状態となると液
晶容量313と保持容量314に蓄積された電荷は保持
される。液晶は直流電圧が印加されると劣化するため、
上記の書き込み及び保持は対向電極316の電位に対し
正及び負の極性に交互に行われる。このようにして画素
電極315に書き込まれ、保持された電位と対向電極3
16の電位との電位差を時間平均することによって液晶
容量313に実効的に加わる電圧Vrmsが決まる。この実
効電圧Vrmsによって液晶の配向状態が決まり、液晶の光
透過率が制御されることとなる。
【0004】走査信号線及び映像信号線を駆動するため
には通常シリコンチップに形成されたドライバICが用
いられる。薄膜トランジスタTFTは電流駆動能力が小
さいためドライバICは高電圧で駆動され、例えば、走
査信号線側のドライバICは通常25V程度、映像信号
線側のドライバICは通常16V程度の高電圧が必要と
なる。このように高電圧のためドライバICの耐圧も高
くする必要があり、このためチップサイズが大きくなり
コストが高くなる。また、ドライバICを製造するため
に通常のシリコンIC製造プロセスと異なった高耐圧プ
ロセスを用いる必要があるためさらに製造コストが高く
なる。特に、映像信号線側のドライバICは使用個数が
多いため影響が大きく、駆動電圧の低減が望まれてい
た。
には通常シリコンチップに形成されたドライバICが用
いられる。薄膜トランジスタTFTは電流駆動能力が小
さいためドライバICは高電圧で駆動され、例えば、走
査信号線側のドライバICは通常25V程度、映像信号
線側のドライバICは通常16V程度の高電圧が必要と
なる。このように高電圧のためドライバICの耐圧も高
くする必要があり、このためチップサイズが大きくなり
コストが高くなる。また、ドライバICを製造するため
に通常のシリコンIC製造プロセスと異なった高耐圧プ
ロセスを用いる必要があるためさらに製造コストが高く
なる。特に、映像信号線側のドライバICは使用個数が
多いため影響が大きく、駆動電圧の低減が望まれてい
た。
【0005】そこで、特公平2−10955号などに記載のよ
うに、保持容量314の保持容量電極317を他の配線
とは独立の配線とする完全保持容量方式が知られてい
る。この方式によると、完全保持容量314及び液晶容
量313に対向する電極である対向電極316および保
持容量電極317を、映像信号線312の信号と同期し
て交流的に駆動し、書き込み時に映像信号線312の信
号電位と対向電極316の交流電位を重ね合わせて液晶
に加わる電位とすることにより、映像信号線312の信号
電位振幅を小さくし、ドライバICの駆動電圧を低減す
ることができる。この交流駆動のパルス幅(1周期の1
/2)は通常1走査信号線の選択時間と同一に設定さ
れ、いわゆるライン反転駆動法が取られる。しかしなが
ら、この方式ではTFT基板上に完全保持容量の電極配
線を各画素ごとに新たに形成する必要があるため配線数
が増え、断線、ショートの確率が増加し、歩留まりが低
下するという問題があった。
うに、保持容量314の保持容量電極317を他の配線
とは独立の配線とする完全保持容量方式が知られてい
る。この方式によると、完全保持容量314及び液晶容
量313に対向する電極である対向電極316および保
持容量電極317を、映像信号線312の信号と同期し
て交流的に駆動し、書き込み時に映像信号線312の信
号電位と対向電極316の交流電位を重ね合わせて液晶
に加わる電位とすることにより、映像信号線312の信号
電位振幅を小さくし、ドライバICの駆動電圧を低減す
ることができる。この交流駆動のパルス幅(1周期の1
/2)は通常1走査信号線の選択時間と同一に設定さ
れ、いわゆるライン反転駆動法が取られる。しかしなが
ら、この方式ではTFT基板上に完全保持容量の電極配
線を各画素ごとに新たに形成する必要があるため配線数
が増え、断線、ショートの確率が増加し、歩留まりが低
下するという問題があった。
【0006】そこで、特開平2−913号に記載のように保
持容量の対向電極317を前段の走査信号線とする付加
容量方式とし、走査信号線に走査信号に加えて前述の対
向電極316の信号と同様の交流信号を印加することに
より、映像信号線312の信号電位振幅を小さくし、ド
ライバICの駆動電圧を低減する付加容量方式ライン反
転駆動法が提示されている。中でも、特開平2−913号の
第10図の構成及び第11図の駆動方法は液晶容量31
3の対向電極316をパネル全面について共通化した構
成におけるものであり、TFTLCDを低コスト,高歩留まり
で形成できる。この駆動法では書き込み時に書き込まれ
た液晶印加電位がほぼそのまま保持されるため液晶印加
電位の制御性に優れており、したがって階調制御性に優
れている。また、交流駆動のパルス幅は1走査信号線の
選択時間と同一でライン反転駆動であるため面フリッカ
が避けられる。
持容量の対向電極317を前段の走査信号線とする付加
容量方式とし、走査信号線に走査信号に加えて前述の対
向電極316の信号と同様の交流信号を印加することに
より、映像信号線312の信号電位振幅を小さくし、ド
ライバICの駆動電圧を低減する付加容量方式ライン反
転駆動法が提示されている。中でも、特開平2−913号の
第10図の構成及び第11図の駆動方法は液晶容量31
3の対向電極316をパネル全面について共通化した構
成におけるものであり、TFTLCDを低コスト,高歩留まり
で形成できる。この駆動法では書き込み時に書き込まれ
た液晶印加電位がほぼそのまま保持されるため液晶印加
電位の制御性に優れており、したがって階調制御性に優
れている。また、交流駆動のパルス幅は1走査信号線の
選択時間と同一でライン反転駆動であるため面フリッカ
が避けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
公知の付加容量方式ライン反転駆動法においてはTFTLCD
パネルの高精細化,大型化及び多色化に伴う問題点、す
なわち、走査信号印加時間(書き込み時間)の低減とい
う問題に対応できなかった。すなわち、TFTLCDを高精細
化すると1走査信号線当たりの選択時間が短くなり書き
込みマージンが縮小するため、書き込み時間を更に短縮
すると輝度変化やフリッカの発生など様々の表示不良が
発生することになる。しかし、公知の付加容量方式ライ
ン反転駆動法においては変調信号を正常に印加するため
に書き込み時間は1走査信号線当たりの選択時間よりさ
らに走査信号線遅延時間相当分短い。すなわち、公知の
駆動法を適用すると書き込み時間がさらに低減するた
め、書き込み率の低下を増長し、前述のような不良を引
き起こすことになる。また、TFTLCDを大型化すると走査
信号線の遅延時間が大きくなるが、公知の方法では書き
込み時間は遅延時間相当分短いため前述の書き込み率低
下はさらに問題となる。さらに、TFTLCDの多色化を行う
ためにフレーム率制御法(Frame Rate Control,以下F
RCと略記する)を採用する際、画面の部分的なちらつ
きを低減するためフレーム周波数を高くし、1走査信号
線当たりの選択時間を短くすることが必要になってくる
が、この場合前述の書き込み率低下はさらに深刻にな
る。
公知の付加容量方式ライン反転駆動法においてはTFTLCD
パネルの高精細化,大型化及び多色化に伴う問題点、す
なわち、走査信号印加時間(書き込み時間)の低減とい
う問題に対応できなかった。すなわち、TFTLCDを高精細
化すると1走査信号線当たりの選択時間が短くなり書き
込みマージンが縮小するため、書き込み時間を更に短縮
すると輝度変化やフリッカの発生など様々の表示不良が
発生することになる。しかし、公知の付加容量方式ライ
ン反転駆動法においては変調信号を正常に印加するため
に書き込み時間は1走査信号線当たりの選択時間よりさ
らに走査信号線遅延時間相当分短い。すなわち、公知の
駆動法を適用すると書き込み時間がさらに低減するた
め、書き込み率の低下を増長し、前述のような不良を引
き起こすことになる。また、TFTLCDを大型化すると走査
信号線の遅延時間が大きくなるが、公知の方法では書き
込み時間は遅延時間相当分短いため前述の書き込み率低
下はさらに問題となる。さらに、TFTLCDの多色化を行う
ためにフレーム率制御法(Frame Rate Control,以下F
RCと略記する)を採用する際、画面の部分的なちらつ
きを低減するためフレーム周波数を高くし、1走査信号
線当たりの選択時間を短くすることが必要になってくる
が、この場合前述の書き込み率低下はさらに深刻にな
る。
【0008】また、公知の付加容量方式ライン反転駆動
法の本来の目的の一つであったドライバICの駆動電圧
の低減、および、階調制御性についても公知の方法は不
十分であった。すなわち、公知の方法では書き込み終了
後に最初の変調電圧が加わる際、画素電極315に付加
容量Cadd314により接続された前段の走査信号線
317、および、液晶容量Clc313により接続され
た対向電極316の電位が変化するが、TFTのソース
ーゲート間容量Cgs318により接続された自段の走
査信号線311は電位変化しないため、これらの容量比
に対応して画素電極315の電位変化量は減少する。つ
まり、変調電圧印加後、次の書き込みまでの画素電極3
15と対向電極316間の電位(液晶印加電圧)は、書
き込み直後の液晶印加電圧より小さい。換言すれば、所
望の液晶印加電圧を得るためには、映像信号線312の
信号電位と対向電極316の交流電位を重ね合わせた電
位は、本来必要な電位より大きくする必要があるという
問題がある。また、前述のように書き込み終了後に液晶
印加電圧の変化があり、これは各容量の比率に依存する
ため、製造バラツキなどの影響を受けやすく階調制御が
困難であった。
法の本来の目的の一つであったドライバICの駆動電圧
の低減、および、階調制御性についても公知の方法は不
十分であった。すなわち、公知の方法では書き込み終了
後に最初の変調電圧が加わる際、画素電極315に付加
容量Cadd314により接続された前段の走査信号線
317、および、液晶容量Clc313により接続され
た対向電極316の電位が変化するが、TFTのソース
ーゲート間容量Cgs318により接続された自段の走
査信号線311は電位変化しないため、これらの容量比
に対応して画素電極315の電位変化量は減少する。つ
まり、変調電圧印加後、次の書き込みまでの画素電極3
15と対向電極316間の電位(液晶印加電圧)は、書
き込み直後の液晶印加電圧より小さい。換言すれば、所
望の液晶印加電圧を得るためには、映像信号線312の
信号電位と対向電極316の交流電位を重ね合わせた電
位は、本来必要な電位より大きくする必要があるという
問題がある。また、前述のように書き込み終了後に液晶
印加電圧の変化があり、これは各容量の比率に依存する
ため、製造バラツキなどの影響を受けやすく階調制御が
困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの問題点に対処す
るため、本発明においては、走査信号線と、前記走査信
号線にゲート電極が接続された薄膜トランジスタと、前
記薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された映像信
号線と、前記薄膜トランジスタのソース電極に接続され
た画素電極と、前記画素電極と前記走査信号線の前段の
走査信号線との間に形成された付加容量素子と、前記ソ
ース電極と対向電極との間に形成された液晶容量素子と
からなる画素において、走査信号線には書き込みパルス
とこれと同一のパルス幅の交流電圧パルスが印加され、
書き込みパルスの立上り及び立下がりタイミングを交流
電圧パルスの立上り及び立下がりタイミングからずらし
た。また、対向電極にも交流電圧パルスを印加した。
るため、本発明においては、走査信号線と、前記走査信
号線にゲート電極が接続された薄膜トランジスタと、前
記薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された映像信
号線と、前記薄膜トランジスタのソース電極に接続され
た画素電極と、前記画素電極と前記走査信号線の前段の
走査信号線との間に形成された付加容量素子と、前記ソ
ース電極と対向電極との間に形成された液晶容量素子と
からなる画素において、走査信号線には書き込みパルス
とこれと同一のパルス幅の交流電圧パルスが印加され、
書き込みパルスの立上り及び立下がりタイミングを交流
電圧パルスの立上り及び立下がりタイミングからずらし
た。また、対向電極にも交流電圧パルスを印加した。
【0010】
【作用】走査信号線の書き込みパルスと交流電圧パルス
は立上り及び立下がりタイミングがずれているため、書
き込みパルス幅を縮小しなくとも変調電圧が印加でき
る。このため、書き込みパルス幅は1走査信号線当たり
の選択時間と同一とすることができ、これによって、高
精細化,大型化及び多色化により1走査信号線当たりの
選択時間が減少し書き込みマージンが縮小した場合で
も、書き込み率の低下が避けられ、同時にドライバIC
の駆動電圧の低減が可能となる。また、画素電極に容量
結合された自段及び前段の走査信号線および対向電極に
は常に同一電圧の交流電圧パルスが印加されるため保持
状態での液晶印加電圧の変化がなく、このため駆動電圧
の低減が可能となり、また、階調制御性も良好となる。
は立上り及び立下がりタイミングがずれているため、書
き込みパルス幅を縮小しなくとも変調電圧が印加でき
る。このため、書き込みパルス幅は1走査信号線当たり
の選択時間と同一とすることができ、これによって、高
精細化,大型化及び多色化により1走査信号線当たりの
選択時間が減少し書き込みマージンが縮小した場合で
も、書き込み率の低下が避けられ、同時にドライバIC
の駆動電圧の低減が可能となる。また、画素電極に容量
結合された自段及び前段の走査信号線および対向電極に
は常に同一電圧の交流電圧パルスが印加されるため保持
状態での液晶印加電圧の変化がなく、このため駆動電圧
の低減が可能となり、また、階調制御性も良好となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
る。
【0012】図5は本発明の駆動方法が適用されるTFTL
CDの一画素の等価回路を示したものである。TFT310のゲ
ート電極319は走査信号線311に接続され、ドレイ
ン電極320は映像信号線312に接続され、ソース電
極は画素電極315となっている。ここで、ソースおよ
びドレインは動作中にその役割を変えるためここでは映
像信号線に接続された電極をドレイン電極、画素電極側
をソース電極と便宜上呼ぶ。画素電極315には前段の
走査信号線317との間に付加容量Cadd314 が形成さ
れ、対向電極316との間に液晶容量Clc313が形
成されている。この他に、意図的に形成されたものでは
ないが、ゲート電極319と画素電極315との間にゲー
トソース間寄生容量Cgs318,ドレイン電極320
と画素電極315との間にソースドレイン間寄生容量C
sd321が形成される。このうち、ソースドレイン間
寄生容量Csd321は通常の画素設計では非常に小さ
いため無視でき、画素電極に接続された容量としては付
加容量Cadd314,液晶容量Clc313及びゲー
トソース間寄生容量Cgs318のみ考慮すればよい。
付加容量Cadd,液晶容量Clc,ゲートソース間寄
生容量Cgsの値は例えばCadd=0.75pF ,C
lc=0.20pF ,Cgs=0.07pF などといっ
た値に設定される。
CDの一画素の等価回路を示したものである。TFT310のゲ
ート電極319は走査信号線311に接続され、ドレイ
ン電極320は映像信号線312に接続され、ソース電
極は画素電極315となっている。ここで、ソースおよ
びドレインは動作中にその役割を変えるためここでは映
像信号線に接続された電極をドレイン電極、画素電極側
をソース電極と便宜上呼ぶ。画素電極315には前段の
走査信号線317との間に付加容量Cadd314 が形成さ
れ、対向電極316との間に液晶容量Clc313が形
成されている。この他に、意図的に形成されたものでは
ないが、ゲート電極319と画素電極315との間にゲー
トソース間寄生容量Cgs318,ドレイン電極320
と画素電極315との間にソースドレイン間寄生容量C
sd321が形成される。このうち、ソースドレイン間
寄生容量Csd321は通常の画素設計では非常に小さ
いため無視でき、画素電極に接続された容量としては付
加容量Cadd314,液晶容量Clc313及びゲー
トソース間寄生容量Cgs318のみ考慮すればよい。
付加容量Cadd,液晶容量Clc,ゲートソース間寄
生容量Cgsの値は例えばCadd=0.75pF ,C
lc=0.20pF ,Cgs=0.07pF などといっ
た値に設定される。
【0013】図6は画素を複数個配置した様子を示した
図である。各々の画素の付加容量Caddはそれぞれ前
段の走査信号線に接続され、全ての走査信号線は周辺の
走査側ドライバ401によって駆動される。なお、第一
ライン目の画素には前段の画素が存在しないため、これ
を補償する走査信号線402(以下第0ラインと呼ぶ)
が設けられる。また、映像信号線は図6の上及び下に引
き出され、周辺の映像側ドライバ403,404によっ
て駆動される。対向電極は通常液晶を挟んでTFT基板
に対向するカラーフィルタ側の電極であり、これは全て
の画素について共通の電極406となり、駆動回路40
5によって駆動される。
図である。各々の画素の付加容量Caddはそれぞれ前
段の走査信号線に接続され、全ての走査信号線は周辺の
走査側ドライバ401によって駆動される。なお、第一
ライン目の画素には前段の画素が存在しないため、これ
を補償する走査信号線402(以下第0ラインと呼ぶ)
が設けられる。また、映像信号線は図6の上及び下に引
き出され、周辺の映像側ドライバ403,404によっ
て駆動される。対向電極は通常液晶を挟んでTFT基板
に対向するカラーフィルタ側の電極であり、これは全て
の画素について共通の電極406となり、駆動回路40
5によって駆動される。
【0014】図1,図2及び図3,図4は本発明の駆動
波形を示したものである。図1,図2は奇フレームすな
わち正極性書き込みの波形であり、図3,図4は偶フレ
ームすなわち負極性書き込みの波形を示している。図
1,図3(a)は今注目している画素の前段の走査信号
線の波形、図1,図3(b)は今注目している画素の走
査信号線の波形、図1,図3(c)は対向電極の波形、
図1,図3(d)は映像信号線の波形、図2,図4
(e)は画素電極の波形を示している。走査信号線の波
形は3個の電圧レベルからなり、最も高い電圧Vghが
印加されているときTFTはONとなり書き込みが行わ
れる。書き込みパルス幅Tgは一走査信号線当たりの選
択時間に等しく、例えば、走査信号線数が480本、フ
レーム周波数60Hzの場合約35μsである。書き込
みパルスは各走査信号線に順次印加される。そのほかの
電圧印加時は保持状態であり、従来の交流電圧パルスを
印加しない場合は最も低い電圧Vglに固定されていた
のに対し、本発明では最も低い電圧Vglと中間の電圧
Vgmに交互に変動する交流電圧となる。交流電圧パル
ス幅およびパルス間隔は書き込みパルス幅Tgと同一で
あり、全ての走査信号線について同期して印加されてい
る。本発明で重要な点は書き込みパルスと交流電圧パル
スがTgより短い時間Tsだけずれているところにあ
る。図1(b)に示したように、正極性書き込みの時は
書き込みパルスの立上りタイミングは中間電圧パルスの
立上りタイミングよりTs遅れているため、書き込みパ
ルス立上り時は走査信号線の電圧はVgmからVgh
へ、書き込みパルス立下がり時は走査信号線の電圧はV
ghからVglへ変化する。また、図3(b)に示した
ように、負極性書き込みの時は書き込みパルスの立上り
タイミングは中間電圧パルスの立下りタイミングよりT
s遅れているため、書き込みパルス立上り時は走査信号
線の電圧はVglからVghへ、書き込みパルス立下り
時の走査信号線の電圧はVghからVgmへ変化する。
図1,図2,図3,図4ではずれ時間TsはTgの約1
/2程度の場合を示しており、例えば前出の例ではTs
=17μsといった値に設定されている。図1,図3
(a)に示したように前段の走査信号線は反対の極性の
書き込みが行われる。すなわち、ライン毎反転となって
いる。対向電極は走査信号線の交流電圧パルスと同じ電
圧振幅、パルス幅およびパルス間隔でこれと同期した交
流電圧パルスが加えられている。映像信号線の映像信号
パルスは書き込みパルスとほぼ同期しているが、通常通
り走査信号線の遅延時間τgdだけ書き込みパルスから
遅れている。
波形を示したものである。図1,図2は奇フレームすな
わち正極性書き込みの波形であり、図3,図4は偶フレ
ームすなわち負極性書き込みの波形を示している。図
1,図3(a)は今注目している画素の前段の走査信号
線の波形、図1,図3(b)は今注目している画素の走
査信号線の波形、図1,図3(c)は対向電極の波形、
図1,図3(d)は映像信号線の波形、図2,図4
(e)は画素電極の波形を示している。走査信号線の波
形は3個の電圧レベルからなり、最も高い電圧Vghが
印加されているときTFTはONとなり書き込みが行わ
れる。書き込みパルス幅Tgは一走査信号線当たりの選
択時間に等しく、例えば、走査信号線数が480本、フ
レーム周波数60Hzの場合約35μsである。書き込
みパルスは各走査信号線に順次印加される。そのほかの
電圧印加時は保持状態であり、従来の交流電圧パルスを
印加しない場合は最も低い電圧Vglに固定されていた
のに対し、本発明では最も低い電圧Vglと中間の電圧
Vgmに交互に変動する交流電圧となる。交流電圧パル
ス幅およびパルス間隔は書き込みパルス幅Tgと同一で
あり、全ての走査信号線について同期して印加されてい
る。本発明で重要な点は書き込みパルスと交流電圧パル
スがTgより短い時間Tsだけずれているところにあ
る。図1(b)に示したように、正極性書き込みの時は
書き込みパルスの立上りタイミングは中間電圧パルスの
立上りタイミングよりTs遅れているため、書き込みパ
ルス立上り時は走査信号線の電圧はVgmからVgh
へ、書き込みパルス立下がり時は走査信号線の電圧はV
ghからVglへ変化する。また、図3(b)に示した
ように、負極性書き込みの時は書き込みパルスの立上り
タイミングは中間電圧パルスの立下りタイミングよりT
s遅れているため、書き込みパルス立上り時は走査信号
線の電圧はVglからVghへ、書き込みパルス立下り
時の走査信号線の電圧はVghからVgmへ変化する。
図1,図2,図3,図4ではずれ時間TsはTgの約1
/2程度の場合を示しており、例えば前出の例ではTs
=17μsといった値に設定されている。図1,図3
(a)に示したように前段の走査信号線は反対の極性の
書き込みが行われる。すなわち、ライン毎反転となって
いる。対向電極は走査信号線の交流電圧パルスと同じ電
圧振幅、パルス幅およびパルス間隔でこれと同期した交
流電圧パルスが加えられている。映像信号線の映像信号
パルスは書き込みパルスとほぼ同期しているが、通常通
り走査信号線の遅延時間τgdだけ書き込みパルスから
遅れている。
【0015】このような駆動による画素電極の電位変化
は以下のようになる。
は以下のようになる。
【0016】図2(e)には正極性書き込み時の画素電
極の電位変化が実線で、走査信号線,対向電極及び映像
信号線の電圧波形が点線で示されている。まず、時刻t
1に前段の走査信号線に書き込みパルスが加わると付加
容量Caddによる容量結合により画素電極の電位はV
1からV2に増加する。次に、時刻t2に対向電極の電
位がVcomlからVcomhに変化し、自段の走査信
号線がVglからVgmに変化するため、液晶容量Cl
cおよびゲートソース間寄生容量Cgsによる容量結合
により画素電極の電位はV3まで増加する。次に、時刻
t3に前段の走査信号線の書き込みが終わり、Vghか
らVgmへ電位が変化すると画素電極の電位はV4まで
低下する。このとき、前段の走査信号線がVghから中
間電位Vgmに変化するため、従来の駆動法でVghか
ら最も低い電圧Vglに変化する場合に比べて画素電極
の電位V4は高い。従って、引き続いて行われる正極性
の書き込みが容易となり、書き込み率の増加が図れる。
時刻t3に前段の走査信号線の電位がOFF状態となる
のと同時に自段の走査信号線はVgmからVghに変化
し、ON状態となる。これによって正極性の書き込みが
始まり、画素電極の電位はV4から映像信号線の信号電
圧Vsighに近づき、書き込み時間Tg後の時刻t5
にはほぼV5=Vsighとなる。すなわち、ここでは
通常の設計通り書き込み時間Tg中に、例えば95%以
上の十分な書き込みが行われるものとしている。対向電
極の交流電圧パルスは走査信号線の交流電圧パルスと同
期しており、書き込みパルスとずれているために書き込
み中の時刻t4に対向電極の電位はVcomhからVc
omlに変化する。時刻t5には液晶に印加されている
電圧はVsighとVcomlの電位差となる。この時
液晶印加電圧は対向電極の交流電圧による液晶印加電圧
分Vc(=(Vcomh−Vcoml)/2)と映像信号線
の信号電圧による液晶印加電圧分Vs(=(Vsigh
−Vsigl)/2)の両者に分担されているため、映
像信号線のドライバICの駆動電圧は対向電極の交流電
圧による液晶印加電圧Vc×2相当が低減される。ま
た、書き込み時間Tgは一走査信号線当たりの選択時間
と同一で、これより減少することはないため、本発明の
駆動方法を適用しても書き込み率が低下することはな
い。時刻t5に書き込みが終了し走査信号線の電位はV
ghからVglに変化する。この時、画素電極の電位は
ゲートソース間容量Cgsによる容量結合によってV5
からV6に変化する。これはいわゆる飛込み電圧と呼ば
れ、液晶印加電圧は減少するが、後述するように負極性
側も同様の変化があるため、対向電極の電位全体をV5
からV6への変化相当分低電圧方向にシフトすることに
よって補償できる。次に、時刻t6に前段及び自段の走
査信号線はVglからVgmに変化し、対向電極はVc
omlからVcomhに変化する。これらの電位変化量
は等しく、画素電極に実質的に容量結合された電極のす
べてが同一量電位変化するため、画素電極も同一量電位
変化し、V7の電位になる。ここで、書き込みパルスと
交流電圧パルスはTsだけずれており、その値は例えば
書き込み時間Tgの半分と大きいため、それぞれの電極
の波形変化時間が重なることはなく、走査信号線の電位
変化と画素の電位変化は正確に一致する。以下、正極性
の保持状態中は走査信号線及び対向電極の交流的電圧変
化に応じて画素電極の電位はV6とV7の間を変位す
る。この間、画素電極と対向電極の間の電圧、すなわ
ち、液晶印加電圧は飛込みによる電圧変化後の値から変
化しない。したがって、製造バラツキなどによる液晶印
加電圧の変化がなく、階調制御性に優れている。また、
画素電極と自段の走査信号線との間の電圧は保持状態中
変化しないため、TFTのソースゲート間電圧は従来の
交流電圧を加えない場合と同様であり、このため、TF
TのVthシフト量は従来と同様である。正極性の書き込
み時のゲート電圧は書き込み時間内に十分な書き込み率
が得られる必要がある。例えば、ゲート電圧Vgh−Vsigh
は4v程度に設定すれば、通常のアモルファスシリコン
TFTおよび画素パラメータで十分な書き込み率が得ら
れる。
極の電位変化が実線で、走査信号線,対向電極及び映像
信号線の電圧波形が点線で示されている。まず、時刻t
1に前段の走査信号線に書き込みパルスが加わると付加
容量Caddによる容量結合により画素電極の電位はV
1からV2に増加する。次に、時刻t2に対向電極の電
位がVcomlからVcomhに変化し、自段の走査信
号線がVglからVgmに変化するため、液晶容量Cl
cおよびゲートソース間寄生容量Cgsによる容量結合
により画素電極の電位はV3まで増加する。次に、時刻
t3に前段の走査信号線の書き込みが終わり、Vghか
らVgmへ電位が変化すると画素電極の電位はV4まで
低下する。このとき、前段の走査信号線がVghから中
間電位Vgmに変化するため、従来の駆動法でVghか
ら最も低い電圧Vglに変化する場合に比べて画素電極
の電位V4は高い。従って、引き続いて行われる正極性
の書き込みが容易となり、書き込み率の増加が図れる。
時刻t3に前段の走査信号線の電位がOFF状態となる
のと同時に自段の走査信号線はVgmからVghに変化
し、ON状態となる。これによって正極性の書き込みが
始まり、画素電極の電位はV4から映像信号線の信号電
圧Vsighに近づき、書き込み時間Tg後の時刻t5
にはほぼV5=Vsighとなる。すなわち、ここでは
通常の設計通り書き込み時間Tg中に、例えば95%以
上の十分な書き込みが行われるものとしている。対向電
極の交流電圧パルスは走査信号線の交流電圧パルスと同
期しており、書き込みパルスとずれているために書き込
み中の時刻t4に対向電極の電位はVcomhからVc
omlに変化する。時刻t5には液晶に印加されている
電圧はVsighとVcomlの電位差となる。この時
液晶印加電圧は対向電極の交流電圧による液晶印加電圧
分Vc(=(Vcomh−Vcoml)/2)と映像信号線
の信号電圧による液晶印加電圧分Vs(=(Vsigh
−Vsigl)/2)の両者に分担されているため、映
像信号線のドライバICの駆動電圧は対向電極の交流電
圧による液晶印加電圧Vc×2相当が低減される。ま
た、書き込み時間Tgは一走査信号線当たりの選択時間
と同一で、これより減少することはないため、本発明の
駆動方法を適用しても書き込み率が低下することはな
い。時刻t5に書き込みが終了し走査信号線の電位はV
ghからVglに変化する。この時、画素電極の電位は
ゲートソース間容量Cgsによる容量結合によってV5
からV6に変化する。これはいわゆる飛込み電圧と呼ば
れ、液晶印加電圧は減少するが、後述するように負極性
側も同様の変化があるため、対向電極の電位全体をV5
からV6への変化相当分低電圧方向にシフトすることに
よって補償できる。次に、時刻t6に前段及び自段の走
査信号線はVglからVgmに変化し、対向電極はVc
omlからVcomhに変化する。これらの電位変化量
は等しく、画素電極に実質的に容量結合された電極のす
べてが同一量電位変化するため、画素電極も同一量電位
変化し、V7の電位になる。ここで、書き込みパルスと
交流電圧パルスはTsだけずれており、その値は例えば
書き込み時間Tgの半分と大きいため、それぞれの電極
の波形変化時間が重なることはなく、走査信号線の電位
変化と画素の電位変化は正確に一致する。以下、正極性
の保持状態中は走査信号線及び対向電極の交流的電圧変
化に応じて画素電極の電位はV6とV7の間を変位す
る。この間、画素電極と対向電極の間の電圧、すなわ
ち、液晶印加電圧は飛込みによる電圧変化後の値から変
化しない。したがって、製造バラツキなどによる液晶印
加電圧の変化がなく、階調制御性に優れている。また、
画素電極と自段の走査信号線との間の電圧は保持状態中
変化しないため、TFTのソースゲート間電圧は従来の
交流電圧を加えない場合と同様であり、このため、TF
TのVthシフト量は従来と同様である。正極性の書き込
み時のゲート電圧は書き込み時間内に十分な書き込み率
が得られる必要がある。例えば、ゲート電圧Vgh−Vsigh
は4v程度に設定すれば、通常のアモルファスシリコン
TFTおよび画素パラメータで十分な書き込み率が得ら
れる。
【0017】図3,図4の負極性書き込みについても同
様な変化となる。すなわち、図4(e)に示されている
ように、まず、時刻t1′に前出の正極性の保持状態に
あり、電位V7であった画素電極の電位は、前段の走査
信号線に書き込みパルスが加わると付加容量Caddに
よる容量結合により画素電極の電位はV7からV8に増
加する。次に、時刻t2′に対向電極の電位がVcom
hからVcomlに変化し、自段の走査信号線がVgm
からVglに変化するため、液晶容量Clcおよびゲー
トソース間寄生容量Cgsによる容量結合により画素電
極の電位はV9に変化する。次に、時刻t3′に前段の
走査信号線の書き込みが終わり、VghからVglへ電
位が変化すると画素電極の電位はV10まで低下する。
時刻t3′に前段の走査信号線の電位がOFF状態とな
るのと同時に自段の走査信号線はVglからVghに変
化し、ON状態となる。これによって負極性の書き込み
が始まり、画素電極の電位はV10から映像信号線の信
号電圧Vsiglに近づき、書き込み時間Tg後の時刻
t5′にはほぼV11=Vsiglとなる。対向電極の
交流電圧パルスは走査信号線の交流電圧パルスと同期し
ており、書き込みパルスとずれているために書き込み中
の時刻t4′に対向電極の電位はVcomlからVco
mhに変化する。時刻t5′には液晶に印加されている
電圧はVsiglとVcomhの電位差となる。この
時、前述の正極性と同様に、液晶印加電圧は対向電極の
交流電圧による液晶印加電圧分Vc(=(Vcomh−
Vcoml)/2)と映像信号線の信号電圧による液晶
印加電圧分Vs(=(Vsigh−Vsigl)/2)
の両者に分担されているため、映像信号線のドライバI
Cの駆動電圧が低減される。また、書き込み時間Tgは
一走査信号線当たりの選択時間と同一とでき、これより
減少することはないため、本発明の駆動方法を適用して
も書き込み率が大幅に低下することはない。時刻t5′
に書き込みが終了し走査信号線の電位はVghからVg
lに変化する。この時、画素電極の電位はゲートソース
間容量Cgsによる容量結合によってV11からV12
に変化する。この飛込み電圧は前述の正極性側とほぼ同
様の値のため、対向電極の電位をV2からV3への変化
相当分低電圧方向にシフトすることによって補償されて
いる。次に、時刻t6′に前段及び自段の走査信号線は
VgmからVglに変化し、対向電極はVcomhから
Vcomlに変化する。これらの電位変化量は等しく、
画素電極に実質的に容量結合された電極のすべてが同一
量電位変化するため、画素電極も同一量電位変化し、V
13(=V1)の電位になる。ここで、書き込みパルス
と交流電圧パルスはTsだけずれており、その値は例え
ば書き込み時間Tgの半分と大きいため、それぞれの電
極の波形変化時間が重なることはなく、走査信号線の電
位変化と画素の電位変化は正確に一致する。以下、負極
性の保持状態中は正極性の場合と同様走査信号線及び対
向電極の交流的電圧変化に応じて画素電極の電位はV1
2とV13の間を変位する。この間、画素電極と対向電
極の間の電圧、すなわち、液晶印加電圧は飛込みによる
電圧変化後の値から変化しない。したがって、製造バラ
ツキなどによる液晶印加電圧の変化がなく、階調制御性
に優れている。負極性の保持状態での画素電極の電位は
液晶印加電圧が最大の時でもTFTがOFF状態を維持
するように設定される。例えば、通常の設計による画素
では飛込み電圧は2v程度以下と考えてよいから、V1
1−Vgm(=Vsigl−Vgm)は5v程度に設定
すればTFTはOFF状態を維持する。
様な変化となる。すなわち、図4(e)に示されている
ように、まず、時刻t1′に前出の正極性の保持状態に
あり、電位V7であった画素電極の電位は、前段の走査
信号線に書き込みパルスが加わると付加容量Caddに
よる容量結合により画素電極の電位はV7からV8に増
加する。次に、時刻t2′に対向電極の電位がVcom
hからVcomlに変化し、自段の走査信号線がVgm
からVglに変化するため、液晶容量Clcおよびゲー
トソース間寄生容量Cgsによる容量結合により画素電
極の電位はV9に変化する。次に、時刻t3′に前段の
走査信号線の書き込みが終わり、VghからVglへ電
位が変化すると画素電極の電位はV10まで低下する。
時刻t3′に前段の走査信号線の電位がOFF状態とな
るのと同時に自段の走査信号線はVglからVghに変
化し、ON状態となる。これによって負極性の書き込み
が始まり、画素電極の電位はV10から映像信号線の信
号電圧Vsiglに近づき、書き込み時間Tg後の時刻
t5′にはほぼV11=Vsiglとなる。対向電極の
交流電圧パルスは走査信号線の交流電圧パルスと同期し
ており、書き込みパルスとずれているために書き込み中
の時刻t4′に対向電極の電位はVcomlからVco
mhに変化する。時刻t5′には液晶に印加されている
電圧はVsiglとVcomhの電位差となる。この
時、前述の正極性と同様に、液晶印加電圧は対向電極の
交流電圧による液晶印加電圧分Vc(=(Vcomh−
Vcoml)/2)と映像信号線の信号電圧による液晶
印加電圧分Vs(=(Vsigh−Vsigl)/2)
の両者に分担されているため、映像信号線のドライバI
Cの駆動電圧が低減される。また、書き込み時間Tgは
一走査信号線当たりの選択時間と同一とでき、これより
減少することはないため、本発明の駆動方法を適用して
も書き込み率が大幅に低下することはない。時刻t5′
に書き込みが終了し走査信号線の電位はVghからVg
lに変化する。この時、画素電極の電位はゲートソース
間容量Cgsによる容量結合によってV11からV12
に変化する。この飛込み電圧は前述の正極性側とほぼ同
様の値のため、対向電極の電位をV2からV3への変化
相当分低電圧方向にシフトすることによって補償されて
いる。次に、時刻t6′に前段及び自段の走査信号線は
VgmからVglに変化し、対向電極はVcomhから
Vcomlに変化する。これらの電位変化量は等しく、
画素電極に実質的に容量結合された電極のすべてが同一
量電位変化するため、画素電極も同一量電位変化し、V
13(=V1)の電位になる。ここで、書き込みパルス
と交流電圧パルスはTsだけずれており、その値は例え
ば書き込み時間Tgの半分と大きいため、それぞれの電
極の波形変化時間が重なることはなく、走査信号線の電
位変化と画素の電位変化は正確に一致する。以下、負極
性の保持状態中は正極性の場合と同様走査信号線及び対
向電極の交流的電圧変化に応じて画素電極の電位はV1
2とV13の間を変位する。この間、画素電極と対向電
極の間の電圧、すなわち、液晶印加電圧は飛込みによる
電圧変化後の値から変化しない。したがって、製造バラ
ツキなどによる液晶印加電圧の変化がなく、階調制御性
に優れている。負極性の保持状態での画素電極の電位は
液晶印加電圧が最大の時でもTFTがOFF状態を維持
するように設定される。例えば、通常の設計による画素
では飛込み電圧は2v程度以下と考えてよいから、V1
1−Vgm(=Vsigl−Vgm)は5v程度に設定
すればTFTはOFF状態を維持する。
【0018】以上の実施例ではずれ時間TsはTgのほ
ぼ1/2としているが、正確に1/2である場合は、書
き込みパルスと交流電圧パルスの立上り及び立ち下がり
は従来の半分のTg/2のパルス幅を有するクロック信
号で与えることができるため、従来よりクロック信号数
を増やすことなしに駆動回路を形成できる。なお、回路
構成については後述する。
ぼ1/2としているが、正確に1/2である場合は、書
き込みパルスと交流電圧パルスの立上り及び立ち下がり
は従来の半分のTg/2のパルス幅を有するクロック信
号で与えることができるため、従来よりクロック信号数
を増やすことなしに駆動回路を形成できる。なお、回路
構成については後述する。
【0019】図7はずれ時間TsがTgより十分小さい
場合の実施例の駆動波形である。図7(a)は正極性書
き込み時の走査信号線の駆動波形、図7(b)は負極性
書き込み時の走査信号線の駆動波形、図7(c)は対向
電極の駆動波形である。この場合の画素電極の電位変化
は図1,図2,図3,図4と同様である。但し、本実施
例では、書き込みパルスが立ち下がった後で走査信号線
及び対向電極の電位が変化するまでの時間(t4からt
5、あるいは、t6からt7)が長い。このため、走査
信号線の遅延時間τgd、τgd′が長いパネルの場合
に好適である。但し、対向電極の電位が変化してから書
き込みが終了するまでの時間(t3からt4、あるい
は、t5からt6)が短いため、対向電極の電位の遅延
が短い方が好ましい。
場合の実施例の駆動波形である。図7(a)は正極性書
き込み時の走査信号線の駆動波形、図7(b)は負極性
書き込み時の走査信号線の駆動波形、図7(c)は対向
電極の駆動波形である。この場合の画素電極の電位変化
は図1,図2,図3,図4と同様である。但し、本実施
例では、書き込みパルスが立ち下がった後で走査信号線
及び対向電極の電位が変化するまでの時間(t4からt
5、あるいは、t6からt7)が長い。このため、走査
信号線の遅延時間τgd、τgd′が長いパネルの場合
に好適である。但し、対向電極の電位が変化してから書
き込みが終了するまでの時間(t3からt4、あるい
は、t5からt6)が短いため、対向電極の電位の遅延
が短い方が好ましい。
【0020】図8はずれ時間TsがTgよりやや小さい
場合の実施例の駆動波形である。図8(a)は正極性書
き込み時の走査信号線の駆動波形、図8(b)は負極性
書き込み時の走査信号線の駆動波形、図8(c)は対向
電極の駆動波形である。この場合の画素電極の電位変化
は図1,図2,図3,図4と同様である。但し、本実施
例では、対向電極の電位が変化してから書き込みが終了
するまでの時間(t3からt4、あるいは、t5からt
6)が長いため、対向電極の電位の遅延時間τcdが長
い場合に好適である。但し、書き込みパルスが立ち下が
った後で走査信号線及び対向電極の電位が変化するまで
の時間(t4からt5、あるいは、t6からt7)が短
いため、走査信号線の遅延時間が短いパネルの方が好ま
しい。
場合の実施例の駆動波形である。図8(a)は正極性書
き込み時の走査信号線の駆動波形、図8(b)は負極性
書き込み時の走査信号線の駆動波形、図8(c)は対向
電極の駆動波形である。この場合の画素電極の電位変化
は図1,図2,図3,図4と同様である。但し、本実施
例では、対向電極の電位が変化してから書き込みが終了
するまでの時間(t3からt4、あるいは、t5からt
6)が長いため、対向電極の電位の遅延時間τcdが長
い場合に好適である。但し、書き込みパルスが立ち下が
った後で走査信号線及び対向電極の電位が変化するまで
の時間(t4からt5、あるいは、t6からt7)が短
いため、走査信号線の遅延時間が短いパネルの方が好ま
しい。
【0021】図9は走査信号線の中間電位パルス幅及び
対向電極の高電位パルス幅Tgmと、走査信号線の中間
電位パルス間隔及び対向電極の高電位パルス間隔Tgl
が異なる場合の実施例を示している。図9(a)は正極
性書き込み時の走査信号線の駆動波形、図9(b)は負
極性書き込み時の走査信号線の駆動波形、図9(c)は
対向電極の駆動波形である。この場合の画素電極の電位
変化は図1,図2,図3,図4と同様である。Tgm、
TglはいずれもTgと異なるがこれらの和は2Tgと
なっている。正極性書き込み時の中間電位パルス立上り
と書き込みパルス立上りのずれ時間をTsとすると、T
gmはTsより大きく、Ts+Tgより小さくなるよう
に設定される。このように、本実施例ではパルス波形の
設定自由度が高い。TgmがTgより大きい場合は、走
査信号線の遅延時間が特に問題となる負極性側で走査信
号線と対向電極が電位変化するまでの時間が長いため、
走査信号線の遅延時間が長い場合に好適である。
対向電極の高電位パルス幅Tgmと、走査信号線の中間
電位パルス間隔及び対向電極の高電位パルス間隔Tgl
が異なる場合の実施例を示している。図9(a)は正極
性書き込み時の走査信号線の駆動波形、図9(b)は負
極性書き込み時の走査信号線の駆動波形、図9(c)は
対向電極の駆動波形である。この場合の画素電極の電位
変化は図1,図2,図3,図4と同様である。Tgm、
TglはいずれもTgと異なるがこれらの和は2Tgと
なっている。正極性書き込み時の中間電位パルス立上り
と書き込みパルス立上りのずれ時間をTsとすると、T
gmはTsより大きく、Ts+Tgより小さくなるよう
に設定される。このように、本実施例ではパルス波形の
設定自由度が高い。TgmがTgより大きい場合は、走
査信号線の遅延時間が特に問題となる負極性側で走査信
号線と対向電極が電位変化するまでの時間が長いため、
走査信号線の遅延時間が長い場合に好適である。
【0022】以上の実施例では対向電極は走査信号線の
交流電圧パルスと同期するため、これらは同一の信号源
で駆動できる。
交流電圧パルスと同期するため、これらは同一の信号源
で駆動できる。
【0023】図10,図11は対向電極は走査信号線の
交流電圧パルスと同期しない場合の実施例を示してい
る。ここでは正極性書き込みの波形のみを図1,図2と
同様に示している。すなわち、図10(a)は今注目し
ている画素の前段の走査信号線の波形、図10(b)は
今注目している画素の走査信号線の波形、図10(c)
は対向電極の波形、図10(d)は映像信号線の波形、
図11(e)は画素電極の波形を示している。前述の実
施例と異なる点は、対向電極の電圧変化が走査信号線交
流電圧パルスの電圧変化よりTg−Ts以下の時間Tf
だけ進んで開始されることにある。この場合の画素電極
の電位変化を図1,図2と同様に図11(e)に示す。
まず、時刻t1に前段の走査信号線に書き込みパルスが
加わると付加容量Caddによる容量結合により画素電
極の電位はV1からV2に増加する。次に、時刻t2に
対向電極の電位がVcomlからVcomhに変化する
ため、液晶容量Clcによる容量結合により画素電極の
電位はV3まで増加する。次に、時刻3に自段の走査信
号線がVglからVgmに変化するため、ゲートソース
間寄生容量Cgsによる容量結合により画素電極の電位
はV4まで増加する。次に、時刻t4に前段の走査信号
線の書き込みが終わり、VghからVgmへ電位が変化
すると画素電極の電位はV5まで低下する。これと同時
に自段の走査信号線はVgmからVghに変化し、ON
状態となる。これによって正極性の書き込みが始まり、
画素電極の電位はV5から映像信号線の信号電圧Vsi
ghに近づき、書き込み時間Tg後の時刻t7にはほぼ
V6=Vsighとなる。対向電極の交流電圧パルスは
書き込み中の時刻t5にはVcomhからVcomlに
変化する。時刻t7には液晶に印加されている電圧はV
sighとVcomlの電位差となる。時刻t7に書き
込みが終了し走査信号線の電位はVghからVglに変化
する。この時、画素電極の電位はゲートソース間容量C
gsによる容量結合によってV6からV7に変化する。
次に、時刻t8に対向電極はVcomlからVcomh
に変化する。この時、画素電極の電位は液晶容量Clc
による容量結合によりV8まで増加する。次に、時刻t
9に前段及び自段の走査信号線はVglからVgmに変
化するため、付加容量Caddおよびゲートソース間寄
生容量Cgsによる容量結合により画素電極の電位はV
9まで増加する。次に、時刻t10に対向電極はVco
mhからVcomlに変化するため、液晶容量Clcによ
る容量結合によりV10まで減少する。次に、時刻t1
1に前段及び自段の走査信号線はVgmからVglに変
化するため、付加容量Caddおよびゲートソース間寄
生容量Cgsによる容量結合により画素電極の電位はV
11(=V7)まで減少する。以下、正極性の保持状態中
は走査信号線及び対向電極の交流的電圧変化に応じて画
素電極の電位はV7,V8,V9,V10の間を変位す
る。ここで、前述までの実施例と大きく異なる点は、液
晶印加電圧は書き込み直後の値から変化することにあ
る。すなわち、時刻t7からt8の間で書き込みパルス
遅延時間後の期間は前述までの実施例と同様に液晶印加
電圧は書き込み直後の値から変化しないが、時刻t8か
らt9の間は対向電極のみ変化しているため液晶印加電
圧は書き込み直後の値からVa減少する。時刻t9から
t10の間は走査信号線も変化しているため液晶印加電
圧は書き込み直後の値と同一になる。時刻t10からt
11の間は対向電極のみ変化しているため液晶印加電圧
は書き込み直後の値からVa増加する。以下、同様の変
化を繰り返す。従って、保持状態中を平均化すると液晶
印加電圧は書き込み直後の値と同一になる。このため、
前述までの実施例と同様の効果がある。負極性について
も以上と同様な変化となる。また、本実施例の駆動法で
はずれ時間Tsを小さく設定することにより走査信号線
の遅延及び対向電極の遅延があっても安定な電位変化が
得られる。また、対向電極を映像信号線の電位変化と同
期させれば対向電極を駆動するためのクロック信号を増
やす必要はない。
交流電圧パルスと同期しない場合の実施例を示してい
る。ここでは正極性書き込みの波形のみを図1,図2と
同様に示している。すなわち、図10(a)は今注目し
ている画素の前段の走査信号線の波形、図10(b)は
今注目している画素の走査信号線の波形、図10(c)
は対向電極の波形、図10(d)は映像信号線の波形、
図11(e)は画素電極の波形を示している。前述の実
施例と異なる点は、対向電極の電圧変化が走査信号線交
流電圧パルスの電圧変化よりTg−Ts以下の時間Tf
だけ進んで開始されることにある。この場合の画素電極
の電位変化を図1,図2と同様に図11(e)に示す。
まず、時刻t1に前段の走査信号線に書き込みパルスが
加わると付加容量Caddによる容量結合により画素電
極の電位はV1からV2に増加する。次に、時刻t2に
対向電極の電位がVcomlからVcomhに変化する
ため、液晶容量Clcによる容量結合により画素電極の
電位はV3まで増加する。次に、時刻3に自段の走査信
号線がVglからVgmに変化するため、ゲートソース
間寄生容量Cgsによる容量結合により画素電極の電位
はV4まで増加する。次に、時刻t4に前段の走査信号
線の書き込みが終わり、VghからVgmへ電位が変化
すると画素電極の電位はV5まで低下する。これと同時
に自段の走査信号線はVgmからVghに変化し、ON
状態となる。これによって正極性の書き込みが始まり、
画素電極の電位はV5から映像信号線の信号電圧Vsi
ghに近づき、書き込み時間Tg後の時刻t7にはほぼ
V6=Vsighとなる。対向電極の交流電圧パルスは
書き込み中の時刻t5にはVcomhからVcomlに
変化する。時刻t7には液晶に印加されている電圧はV
sighとVcomlの電位差となる。時刻t7に書き
込みが終了し走査信号線の電位はVghからVglに変化
する。この時、画素電極の電位はゲートソース間容量C
gsによる容量結合によってV6からV7に変化する。
次に、時刻t8に対向電極はVcomlからVcomh
に変化する。この時、画素電極の電位は液晶容量Clc
による容量結合によりV8まで増加する。次に、時刻t
9に前段及び自段の走査信号線はVglからVgmに変
化するため、付加容量Caddおよびゲートソース間寄
生容量Cgsによる容量結合により画素電極の電位はV
9まで増加する。次に、時刻t10に対向電極はVco
mhからVcomlに変化するため、液晶容量Clcによ
る容量結合によりV10まで減少する。次に、時刻t1
1に前段及び自段の走査信号線はVgmからVglに変
化するため、付加容量Caddおよびゲートソース間寄
生容量Cgsによる容量結合により画素電極の電位はV
11(=V7)まで減少する。以下、正極性の保持状態中
は走査信号線及び対向電極の交流的電圧変化に応じて画
素電極の電位はV7,V8,V9,V10の間を変位す
る。ここで、前述までの実施例と大きく異なる点は、液
晶印加電圧は書き込み直後の値から変化することにあ
る。すなわち、時刻t7からt8の間で書き込みパルス
遅延時間後の期間は前述までの実施例と同様に液晶印加
電圧は書き込み直後の値から変化しないが、時刻t8か
らt9の間は対向電極のみ変化しているため液晶印加電
圧は書き込み直後の値からVa減少する。時刻t9から
t10の間は走査信号線も変化しているため液晶印加電
圧は書き込み直後の値と同一になる。時刻t10からt
11の間は対向電極のみ変化しているため液晶印加電圧
は書き込み直後の値からVa増加する。以下、同様の変
化を繰り返す。従って、保持状態中を平均化すると液晶
印加電圧は書き込み直後の値と同一になる。このため、
前述までの実施例と同様の効果がある。負極性について
も以上と同様な変化となる。また、本実施例の駆動法で
はずれ時間Tsを小さく設定することにより走査信号線
の遅延及び対向電極の遅延があっても安定な電位変化が
得られる。また、対向電極を映像信号線の電位変化と同
期させれば対向電極を駆動するためのクロック信号を増
やす必要はない。
【0024】以上のいずれの実施例においても正極性書
き込みと負極性書き込みが交互に行われるのはいうまで
もない。しかし、通常の表示装置の走査信号線数は40
0,480,768,780,1024などのように偶
数になっている。このため交流電圧パルスを全走査信号
線に連続して印加し、最終ライン書き込み直後に第1ラ
イン書き込みを行う場合はフレームごとの正極,負極の
変換ができなくなる。そこで、本発明では図12に示し
たように第1ラインの画素の付加電極に接続される第0
ラインにも同様な電圧を加え、総ライン数を奇数とする
ことによりフレームごとの正極,負極の変換を可能とす
る。無論、この他にも最終ライン書き込み後に帰線期間
を設けて、この時間中に調整することも可能である。
き込みと負極性書き込みが交互に行われるのはいうまで
もない。しかし、通常の表示装置の走査信号線数は40
0,480,768,780,1024などのように偶
数になっている。このため交流電圧パルスを全走査信号
線に連続して印加し、最終ライン書き込み直後に第1ラ
イン書き込みを行う場合はフレームごとの正極,負極の
変換ができなくなる。そこで、本発明では図12に示し
たように第1ラインの画素の付加電極に接続される第0
ラインにも同様な電圧を加え、総ライン数を奇数とする
ことによりフレームごとの正極,負極の変換を可能とす
る。無論、この他にも最終ライン書き込み後に帰線期間
を設けて、この時間中に調整することも可能である。
【0025】図13は本発明の走査信号線の波形を与え
るための走査信号線ドライバ回路の一実施例をブロック
単位で示したものである。この回路は通常の映像信号線
ドライバ回路とほとんど同様である。すなわち、3値以
上の電圧レベルを出力できる映像信号線ドライバを用い
れば本発明の走査信号線波形を得るのは容易である。図
13でセレクタはCL2の立ち下がりをカウントしてラ
ッチ回路(1)のラッチ信号を発生する。ラッチ回路
(1)では、他の記憶回路などに記憶されたか、あるい
は、他の制御回路から与えられる走査信号線波形のデー
タを取り込む。ラッチ回路(2)ではラッチ回路(1)
のデータをCL1およびずれ時間Ts遅延されたCL3
でラッチする。つぎにレベルシフタで液晶駆動電圧に昇
圧し、液晶駆動回路で3レベルのうち1レベルを選んで
出力する。ずれ時間Tsが書き込み時間Tgの1/2で
あればCL1をTg/2にすることにより駆動でき、遅
延回路及びCL3は必要ない。この他にも前述の走査信
号線の波形を与える回路であればどのような構成でも適
用できるのはいうまでもない。また、ずれ時間Tsはコ
ントローラなどに可変抵抗や可変容量などの調節可能な
機構部を設けて、これを調節する構造としたほうが好ま
しいであろう。
るための走査信号線ドライバ回路の一実施例をブロック
単位で示したものである。この回路は通常の映像信号線
ドライバ回路とほとんど同様である。すなわち、3値以
上の電圧レベルを出力できる映像信号線ドライバを用い
れば本発明の走査信号線波形を得るのは容易である。図
13でセレクタはCL2の立ち下がりをカウントしてラ
ッチ回路(1)のラッチ信号を発生する。ラッチ回路
(1)では、他の記憶回路などに記憶されたか、あるい
は、他の制御回路から与えられる走査信号線波形のデー
タを取り込む。ラッチ回路(2)ではラッチ回路(1)
のデータをCL1およびずれ時間Ts遅延されたCL3
でラッチする。つぎにレベルシフタで液晶駆動電圧に昇
圧し、液晶駆動回路で3レベルのうち1レベルを選んで
出力する。ずれ時間Tsが書き込み時間Tgの1/2で
あればCL1をTg/2にすることにより駆動でき、遅
延回路及びCL3は必要ない。この他にも前述の走査信
号線の波形を与える回路であればどのような構成でも適
用できるのはいうまでもない。また、ずれ時間Tsはコ
ントローラなどに可変抵抗や可変容量などの調節可能な
機構部を設けて、これを調節する構造としたほうが好ま
しいであろう。
【0026】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば付
加容量構成の画素で映像信号線ドライバの駆動電圧を下
げられるため、映像信号線ドライバの低コスト化、低消
費電力化が可能になり、また、ドライバの製造プロセス
として従来より微細なルールが適用できるためフルカラ
ー用の回路構成にしてもICのチップサイズが大きくな
ることがない。
加容量構成の画素で映像信号線ドライバの駆動電圧を下
げられるため、映像信号線ドライバの低コスト化、低消
費電力化が可能になり、また、ドライバの製造プロセス
として従来より微細なルールが適用できるためフルカラ
ー用の回路構成にしてもICのチップサイズが大きくな
ることがない。
【0027】また、走査信号線の書き込みパルスと交流
電圧パルスがずれているため、交流電圧パルスを印加し
て付加容量方式ライン反転駆動法を適用しても書き込み
パルス幅を縮小する必要がない。このため、高精細,大
型あるいは多色TFTパネルへ適用しても表示不良を生
ずることがない。
電圧パルスがずれているため、交流電圧パルスを印加し
て付加容量方式ライン反転駆動法を適用しても書き込み
パルス幅を縮小する必要がない。このため、高精細,大
型あるいは多色TFTパネルへ適用しても表示不良を生
ずることがない。
【図1】本発明の一実施例の駆動波形及び画素電極の電
位変化を示す図である。
位変化を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の駆動波形及び画素電極の電
位変化を示す図である。
位変化を示す図である。
【図3】駆動波形及び画素電極の電位変化を示す図であ
る。
る。
【図4】駆動波形及び画素電極の電位変化を示す図であ
る。
る。
【図5】一画素の等価回路図である。
【図6】画素を複数個並べたTFTLCDの構成例を示す図で
ある。
ある。
【図7】本発明の他の実施例の駆動波形図である。
【図8】本発明の他の実施例の駆動波形図である。
【図9】本発明の他の実施例の駆動波形図である。
【図10】本発明の他の実施例の駆動波形及び画素電極
の電位変化を示す図である。
の電位変化を示す図である。
【図11】他の実施例の駆動電波形及び画素電極の電位
変化を示す図である。
変化を示す図である。
【図12】本発明の実施例の駆動波形を各ライン及び各
フレームについて全体像を示した図である。
フレームについて全体像を示した図である。
【図13】本発明の実施例の駆動波形を出力するドライ
バ回路の一実施例を示す図である。
バ回路の一実施例を示す図である。
310…TFT、311…走査信号線、312…映像信
号線、313…液晶容量、314…付加容量、315…
画素電極、316…対向電極、317…前段の走査信号
線、318…ゲートソース間容量、319…ゲート電
極、320…ドレイン電極、321…ソースドレイン間
容量、401…走査側ドライバ、402…第0ラインの
走査信号線、403,404…映像信号線側ドライバ、
405…対向電極駆動回路、406…対向電極。
号線、313…液晶容量、314…付加容量、315…
画素電極、316…対向電極、317…前段の走査信号
線、318…ゲートソース間容量、319…ゲート電
極、320…ドレイン電極、321…ソースドレイン間
容量、401…走査側ドライバ、402…第0ラインの
走査信号線、403,404…映像信号線側ドライバ、
405…対向電極駆動回路、406…対向電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 文明 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日立 原町電子工業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】走査信号線と、前記走査信号線にゲート電
極が接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジ
スタのドレイン電極に接続された映像信号線と、前記薄
膜トランジスタのソース電極に接続された画素電極と、
前記画素電極と前記走査信号線の前段の走査信号線との
間に形成された付加容量素子と、前記ソース電極と対向
電極との間に形成された液晶容量素子とからなる画素に
おいて、走査信号線には書き込みパルスとこのパルス幅
と同一のパルス幅及びパルス間隔の交流電圧パルスが印
加され、前記書き込みパルスの立上り及び立下がりタイ
ミングを前記交流電圧パルスの立上り及び立下がりタイ
ミングから少なくとも書き込みパルス幅より短い時間ず
らし、前記対向電極には前記交流電圧パルスと同一の交
流電圧パルスが印加されていることを特徴とする液晶表
示装置の駆動方法。 - 【請求項2】書き込みパルスの立上り及び立下がりタイ
ミングと交流電圧パルスの立上り及び立下がりタイミン
グのずれ時間は書き込みパルス幅のほぼ1/2であるこ
とを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の駆動方
法。 - 【請求項3】対向電極の交流電圧パルスと走査信号線の
交流電圧パルスは同期して印加されていることを特徴と
する請求項1又は請求項2記載の液晶表示装置の駆動方
法。 - 【請求項4】対向電極の交流電圧パルスは走査信号線の
交流電圧パルスより、書き込みパルス幅からずれ時間を
引いた時間より短い時間進んでいることを特徴とする請
求項1又は請求項2記載の液晶表示装置の駆動方法。 - 【請求項5】走査信号線は3個の電圧レベルを有し、正
極性書き込みパルスの立上り時は中間電圧レベルから高
電圧の書き込みパルス電圧レベルへ、正極性書き込みパ
ルスの立下り時は高電圧の書き込みパルス電圧レベルか
ら低電圧レベルへ変化し、負極性書き込みパルスの立上
り時は低電圧レベルから高電圧の書き込みパルス電圧レ
ベルへ、負極性書き込みパルスの立下り時は高電圧の書
き込みパルス電圧レベルから中間電圧レベルへ変化する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3071453A JPH05210088A (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 液晶表示装置の駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3071453A JPH05210088A (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 液晶表示装置の駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05210088A true JPH05210088A (ja) | 1993-08-20 |
Family
ID=13461007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3071453A Pending JPH05210088A (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 液晶表示装置の駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05210088A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6995741B2 (en) | 2001-06-04 | 2006-02-07 | Seiko Epson Corporation | Driving circuit and driving method |
JP2008003611A (ja) * | 1996-04-12 | 2008-01-10 | Thomson Multimedia Sa | ディスプレイ装置及びその行選択ラインスキャナ |
JP2010072154A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Ricoh Co Ltd | 画像表示装置 |
US8982030B2 (en) | 2009-10-13 | 2015-03-17 | Au Optronics Corp. | Gate output control method and corresponding gate pulse modulator |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP3071453A patent/JPH05210088A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008003611A (ja) * | 1996-04-12 | 2008-01-10 | Thomson Multimedia Sa | ディスプレイ装置及びその行選択ラインスキャナ |
JP4567710B2 (ja) * | 1996-04-12 | 2010-10-20 | トムソン マルチメディア | ディスプレイ装置及びその行選択ラインスキャナ |
US6995741B2 (en) | 2001-06-04 | 2006-02-07 | Seiko Epson Corporation | Driving circuit and driving method |
JP2010072154A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Ricoh Co Ltd | 画像表示装置 |
US8982030B2 (en) | 2009-10-13 | 2015-03-17 | Au Optronics Corp. | Gate output control method and corresponding gate pulse modulator |
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