JPH05206942A - 空きチャネル検出方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無線局で空きチャネルを効率よく検出し、通
信チャネルの選択を短時間に行なえるようにする。 【構成】 無線局に送受信部とは独立に複数チャネルの
各チャネル受信レベルを繰り返し測定し各チャネルの状
態を記憶しておく空きチャネル検出部を設ける。チャネ
ル切替制御を行うチャネル制御部は、この空きチャネル
検出部の空きチャネル情報に基づいてチャネル制御を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の無線チャネルを
用いる無線通信において、複数チャネルから通信チャネ
ルを選択する際に行う空きチャネル検出方式に関する。
本発明は例えば移動通信方式における空きチャネル検出
に利用するに適するものである。

【０００２】

【従来の技術】移動無線などにおいて、チャネル割り当
てを行う方法、すなわちチャネル配置方法には、各ゾー
ンの使用チャネルをあらかじめ固定配置する固定チャネ
ル配置法、あるいは通信の開始の都度割り当て条件を考
慮して自由に使用チャネルを決めるダイナミックチャネ
ル配置法などがある。固定チャネル配置法においては、
使用チャネルがあらかじめ分かっており、移動局へのチ
ャネル指定に際しては各ゾーン内のチャネル使用状況を
把握すればよく、制御が簡単であるが、周波数利用効率
の点で不利となる問題がある。これに対してチャネルを
固定しないダイナミックチャネル配置法においては、固
定チャネル配置法に比べて数十％の周波数利用効率の向
上を図ることができるが、各呼ごとにサービスエリア全
体において干渉を考慮しつつチャネル制御を行う必要が
あるためより複雑な機能を必要とする問題がある。

【０００３】周波数の利用効率を高め、あるいは一つの
周波数帯域を独立した複数の無線通信システムで共用す
る場合、チャネル配置をダイナミックな配置にすること
が必要となり、そのためチャネル選択の際に他からの干
渉を受けない空きチャネルを検出する技術が必須であ
る。また、時分割多元接続（ＴＤＭＡ）方式の場合、タ
イムスロット単位の空きチャネル検出が必要である。

【０００４】従来、通信チャネルを選択するために空き
チャネルを検出する場合、検出要求が発生した後に使用
する受信機ごとにアクセスチャネルを規則的あるいは不
規則的に変化させて受信レベルを観測し、ある一定の受
信感度以下の場合空きチャネルと判断していた。この従
来の空きチャネル検出方式について、基地局の空きチャ
ネル検出方式の構成を図７に示して説明する。

【０００５】この従来例では、基地局装置は、複数ｎ個
の受信部および送信部と、チャネル制御を行うチャネル
制御部７４を備えており、各受信部７１ごとにその受信
出力から空きチャネル判定を行う空きチャネル判定部７
３がｎ個設けられている。

【０００６】この動作を説明する。無線回線を接続しよ
うとする場合、使用する送受信機の受信部７１におい
て、チャネル制御部７４からのチャネル制御信号によっ
て指定されるチャネルにアクセスし、そのチャネルにお
ける受信部７１への受信入力を得る。この受信入力は空
きチャネル判定部７３に分岐され、受信レベルの値から
空きチャネルであるかどうかが判定される。このチャネ
ルが空きチャネルと判定されると回線接続となるが、使
用中チャネルと判定されると新たに他のチャネルについ
て同様の測定および判定を行う。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の空
きチャネル検出方式では、回線接続のための空きチャネ
ル検出要求が生じた後に、空きチャネル検出を行うた
め、検索の手順によっては空きチャネルの検出に時間が
かかり、通信リンクの確立に無視できない遅延を生ずる
場合がある。例えば、全チャネル数を検索した最後に空
きチャネルが検出されたとすると、その検出時間は、１
チャネルの受信レベル測定に要する時間の全チャネル分
の時間を要し、この時間内に他のチャネルが空いたりす
る場合があり、効率的ではない。また、受信レベルは瞬
時的に変動しているため、検出精度を高めるためには受
信レベルの平均化等の処理を行う必要があり、さらなる
検出時間が必要となる。

【０００８】このように、従来の空きチャネル検出方式
のように個々の受信部で空きチャネルの検出を行うと、
空きチャネルが検出されるまで時間がかかり、効率よく
チャネルの割り当てを行うことができないという欠点が
あった。

【０００９】本発明は、全チャネルの状態を常時把握で
きるようにして、空きチャネルを効率よく検出し、通信
チャネルの選択を短時間で行うことができる空きチャネ
ル検出方式を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数のチャネ
ルのうち空きチャネルを検出してこの空きチャネルに通
信チャネルを割り当てて使用する無線通信の空きチャネ
ル検出方式において、無線局は、通信に係わる受信部と
は別に空きチャネル検出部を備え、この空きチャネル検
出部は、複数のチャネルの各チャネルの受信レベルを繰
り返し測定し、各チャネルの状態を記憶する手段を備え
ることを特徴とする。

【００１１】

【作用】通信に係わる受信部とは独立に空きチャネル検
出部が設けられており、この空きチャネル検出部では、
各チャネルの受信レベルを順次測定して空きチャネルを
検出し、各チャネルの最新の情報を記憶しておく。この
空きチャネル検出部の各チャネルの情報はチャネル制御
部よりの指令により即時に提供できる。

【００１２】

【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例を説明
する。

【００１３】図１は、本発明の空きチャネル検出方式の
基本構成を示すものであり、無線基地局内の構成例で説
明する。

【００１４】ここで本発明の特徴とする点は、空きチャ
ネル検出部１３は通信に係わる受信部１１とは独立に設
けられており、常時全チャネルの受信入力レベルを各チ
ャネルを順次走査することによりチャネルの使用状態を
把握し、その各チャネルの最新使用状態を内部メモリに
記憶しておくことにある。

【００１５】この空きチャネル検出部１３の構成を図２
に示す。

【００１６】この空きチャネル検出部１３は、全チャネ
ル受信入力が与えられる帯域ろ波器２１と、包絡線検波
部２２と、Ａ／Ｄ変換器２３と、各チャネルのレベル判
定を行うレベル検出判定部２４と、空きチャネル情報を
記憶する空きチャネル記憶部２８と、チャネル同期信号
により検出チャネル制御信号を帯域ろ波部２１およびレ
ベル平均演算部２５に与える検出チャネル制御部２９と
を含んで構成されている。空きチャネル判定部２４は、
レベル平均演算部２５、受信レベル記憶部２６、空きチ
ャネル判定部２７を含んでいる。

【００１７】空きチャネル検出部１３の動作を説明す
る。

【００１８】全チャネル受信入力は、帯域ろ波部２１で
検出チャネルに対応した周波数帯域のみ取り出され、包
絡線検波部２２でそのチャネルの受信レベルが得られ
る。測定された受信レベルはＡ／Ｄ変換器２３でディジ
タル信号に変換され、レベル検出判定部２４に取り込ま
れる。受信レベルは、例えば検出チャネルのタイムスロ
ットを時間的に何分割化し、それぞれの瞬時受信レベル
を測定して、その最大値をもってそのチャネルの受信レ
ベルとし、レベル平均演算部２５で前回の受信レベルチ
ャネルとから平均受信レベルが得られ、これは受信レベ
ル記憶部２６に書き込まれる。ここで、受信レベルの平
均化は、フェージング等による受信レベルの瞬時変動に
よって空きチャネルが誤り検出されることを回避するた
めのものである。このレベル測定はシステムによって固
有のチャネル同期信号に同期して全チャネルについて繰
り返し行われ、測定する度にメモリ内容が更新される。
空きチャネル判定部２７では、平均受信レベルが得られ
る度にそのレベル値から空きチャネルであるかどうかが
判定される。空きチャネルと判定されるとそのチャネル
の周波数とタイムスロットに対応したチャネル番号が空
きチャネル記憶部２８に書き込まれ、チャネル制御部か
らの空きチャネル情報の要求があると即座に空きチャネ
ル情報を提供する。

【００１９】図３に周波数シンセサイザを用いた帯域ろ
波部の一実施例を示す。全チャネル受信入力はミクサ３
２で周波数シンセサイザ３１から出力される検出チャネ
ルに対応した周波数と乗算されて周波数変換され、帯域
通過フィルタ（ＢＰＦ）３３によって検出チャネルに対
応した周波数帯域のみの受信入力が得られる。

【００２０】また図４にホッピングフィルタを用いた帯
域ろ波部の他の構成を示す。ホッピングフィルタ４１
は、外部からの制御信号により通過帯域が可変であるフ
ィルタであり、これを用いることで検出チャネルに対応
した周波数帯域のみの受信入力を得ることができる。

【００２１】また図５に受信レベル記憶部２６のメモリ
テーブルの構成例を示す。この図５においてｒ（ｆ_{h ,}
ｆ_k ）はチャネル周波数ｆ_h 、スロットｔ_k における平
均レベルを示しており、この構成例においては、キャリ
ア周波数とタイムスロットに対応した入力アドレスを用
意し、測定ごとにそのアドレスに対する平均受信レベル
が書き込まれる。

【００２２】さらに図６に空きチャネル記憶部２８のメ
モリテーブルの構成例を示す。この図６において
（ｆ_hm，ｔ_km）はｍ番目に空きチャネルと判定された周
波数ｆ_h とスロットｔ_k のチャネル番号を示す。この構
成例では、全チャネルをスキャンする度に空きチャネル
と判定された順にチャネル番号が書き込まれ、チャネル
制御部からの空きチャネル情報の要求があった場合、記
憶した空きチャネル番号を読み出す方法で示している。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
通信に係わる送受信部とは独立に空きチャネル検出部を
設けて常時全チャネルの状態を記憶しておくことで、空
きチャネルを即時に決定することができるため、効率よ
いチャネル選択を行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例の空きチャネル検出方式の構成
例を示す図。

【図２】本発明一実施例の空きチャネル検出部の構成例
を示す図。

【図３】実施例の帯域ろ波部の構成例を示す図。

【図４】実施例の帯域ろ波部の構成例を示す図。

【図５】実施例の受信レベル記憶部の構成例を示す図。

【図６】実施例の空きチャネル記憶部の構成例を示す
図。

【図７】従来の空きチャネル検出方式の構成例を示す
図。

【符号の説明】

１１、７１ 受信部 １２、７２ 送信部 １３ 空きチャネル検出部 １４、７４ チャネル制御部 ２１ 帯域ろ波部 ２２ 包絡線検波部 ２３ Ａ／Ｄ変換器 ２４ レベル検出判定部 ２５ レベル平均演算部 ２６ 受信レベル記憶部 ２７ 空きチャネル判定部 ２８ 空きチャネル記憶部 ２９ 検出チャネル制御部 ３１ 周波数シンセサイザ ３２ ミクサ ３３ 帯域通過フィルタ ４１ ホッピングフィルタ ７３ 空きチャネル判定部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のチャネルのうち空きチャネルを検
   出してこの空きチャネルに通信チャネルを割り当てて使
   用する無線通信の空きチャネル検出方式において、 無線局は、通信に係わる受信部とは別に空きチャネル検
   出部を備え、 この空きチャネル検出部は、複数のチャネルの各チャネ
   ルの受信レベルを繰り返し測定し、各チャネルの状態を
   記憶する手段を備えることを特徴とする空きチャネル検
   出方式。