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JPH05184949A - 微量定容ピペット - Google Patents

微量定容ピペット

Info

Publication number
JPH05184949A
JPH05184949A JP2325092A JP2325092A JPH05184949A JP H05184949 A JPH05184949 A JP H05184949A JP 2325092 A JP2325092 A JP 2325092A JP 2325092 A JP2325092 A JP 2325092A JP H05184949 A JPH05184949 A JP H05184949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capillary
liquid
pipette
liquid sample
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2325092A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Kitajima
昌夫 北島
Shigeru Tezuka
滋 手塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2325092A priority Critical patent/JPH05184949A/ja
Publication of JPH05184949A publication Critical patent/JPH05184949A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微量の水性液体の一定量を、容易に迅速に確
実にしかも安全に採取することができる微量定容ピペッ
トを提供する。 【構成】 空気圧縮機構を備えた空洞を有する本体の管
状先端部に、少なくとも内側表面が親水性を有し、水性
液体が毛細管現象を示す内側寸法を有する液体収容部を
底部に貫通させて設け、水性液体が毛管現象を示さない
ような内径を有する片端有底円筒の液体採取部が、その
円筒部で気密に且つ着脱可能に取り付けられてなる微量
定容ピペット。上記の液体採取部が水性液体が毛細管現
象を示す内側寸法を有し、内側表面が親水性部分と疎水
性部分とを有する微量定容ピペット。疎水性プラスチッ
クス製の管の一端部が、水性液体が毛細管現象を示す内
側寸法を有し、且つ内側表面が親水性を有する微量定容
ピペット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微量の水性液体、特
に、血液、体液等の生理学的液体の一定量を採取するた
めに適した微量定容ピペットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微量の液体を正確に採取するため
にミクロピペットが使用されている。一般のミクロピペ
ットは、注射器のような気密構造のプランジャーの先端
部に液体吸い上げ管を有するもので、プランジャーによ
り本体の内部を陰圧にして液体を本体内空洞部に収容
し、プランジャーにより本体の内部を陽圧にして所定量
の液体を押し出す方式のものである。この形式のミクロ
ピペットは、通常のものは精密加工され極微量まで定容
可能にしてあるので、極めて高価であり、使い捨てとは
なり得ない。一方、簡易な方式としては、目盛りを付し
た注射筒やスポイトなどのプラスチックス成形品がある
が、定容の精度が低く1〜50μlレベルの微量の定量
には適さない。
【0003】また、1〜100μlの液体を正確に測り
採るために、ガラス製毛細管を利用した毛細管ピペット
又は毛管ピペットと呼ばれるものがある。毛管ピペット
は細いものであるとガラス製であるために取り扱い上危
険が伴いしかも見難く、外径が5〜6mm程度の肉厚毛
管を用いるか、別の太い管に取り付けて用いられてい
る。
【0004】更に、毛細管を利用したミクロピペットと
して、図10にその断面図を示すようなミクロピペット
が知られている。図10に於いて、ミクロピペット80
は、円筒形のプラスチック製のホルダー81の一端に、
略半球殻状で穴82が設けられたゴム製のキャップ83
が気密に取り付けられ、ホルダー81の他端にはガラス
製の毛細管84を貫通させたゴム栓85が気密に挿入さ
れている。
【0005】ミクロピペット80を使用して一定量の液
体試料を採取する際には、先ず穴82を解放したまま毛
細管84の先端84aを液体試料中に入れる。液体試料
は毛管現象により毛細管84内を上昇し、毛細管84の
終端84bから溢れてホルダー81内の空洞部86内に
溜る。空洞部86内に溜った液体試料の液面が毛細管8
4の終端84bに達しない内に、毛細管84の先端84
aを液体試料から取り出す。次に、穴82を指先等で塞
いだままキャップ83を押すと、毛細管84内の液体試
料が排出され、毛細管84の管内体積に相当する量の液
体試料を取り出すことができる。このようにして極微量
の一定容積の液体を簡単に得ることができる。
【0006】ミクロピペット80を使用して一定容積の
液体試料を採取する際には、試料が変わるごとにキャッ
プ83以外の部分を洗浄又は廃棄しなくてはならず、ガ
ラス製の毛細管84を取り扱う際に危険を伴うという問
題点がある。毛細管84を適当なプラスチック製の毛細
管に変えることも考えられるが、穴の直径が約1mm以
下の毛細管をプラスチックスで製造することは技術的に
困難であり、穴の直径を大きくすると極微量の試料を採
取することが難しくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】微量の水性液体の一定
量を、容易に迅速に確実にしかも安全に採取することが
できる微量定容ピペットを提供する。特に、体液や血液
のように採取、秤量の作業の際に病原菌等による取扱者
への感染等の危険性の高い液体の秤取時の危険の防止を
可能にするために、使い捨てにできる安価で且つ正確な
微量定容ピペットを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明(第一発明)は、
空気圧縮機構を備えた空洞を有し、外壁に通気孔を有す
る本体の管状先端部に、少なくとも内側表面が親水性を
有し、水性液体が毛細管現象を示す内側寸法を有する液
体試料収容部を、その一端が底面よりも突出せず且つ底
部に貫通させて設けた、水性液体が毛管現象を示さない
ような内径を有する片端有底円筒の液体採取部が、その
円筒部で気密に且つ着脱可能に取り付けられてなる微量
定容ピペットである。
【0009】他の本発明(第二発明)は、空気圧縮機構
を備えた空洞を有し、外壁に通気孔を有する本体の管状
先端部に、水性液体が毛細管現象を示す内側寸法を有
し、且つ一端から採取すべき液体試料の体積に対応する
長さだけ内側表面が親水性を有し、残りの部分の内側表
面が疎水性を有する液体採取部が、その疎水性側端部で
気密に且つ着脱可能に取り付けられてなる微量定容ピペ
ットである。
【0010】他の本発明(第三発明)は、疎水性プラス
チックス製の管の少なくとも一端部が、水性液体が毛細
管現象を示す内側寸法を有し、且つその先端から採取す
べき液体試料の体積に対応する長さだけ内側表面が親水
性を有するように処理されてなる微量定容ピペットであ
る。
【0011】本発明の好適な態様は下記の通りである。 (1)上記本体が、一端に管状先端部が設けられたシリ
ンダと管内面に沿って気密に摺動する頭部を有するピス
トンとからなり、必要に応じてピストンの後端とシリン
ダの後端との間にコイルバネが設けられ、シリンダの一
部に通気孔が設けられた形状を有するものであることを
特徴とする上記の微量定容ピペット。
【0012】(2)上記本体が、一端に管状先端部が設
けられ、内部に空洞部を有し、壁体の一部に通気孔が設
けられ、管状先端部及び通気孔を除いて気密な構造を有
し、壁体の一部が変形可能で且つ自力回復性の材料で作
られた形状のものであることを特徴とする上記の微量定
容ピペット。
【0013】(3)上記液体採取部が、毛細管部と片端
有底円筒部とがプラスチックスで一体に作られており、
少なくとも毛細管部の内面が親水性付与処理されたもの
であることを特徴とする上記の微量定容ピペット。
【0014】(4)上記液体採取部が、毛細管部と片端
有底円筒部とが親水性のプラスチックスで一体に作られ
たものであることを特徴とする上記の微量定容ピペッ
ト。
【0015】本発明の微量定容ピペットを添付する図面
を参照して詳細に説明する。
【0016】図1は、第一発明の微量定容ピペットの一
実施例の断面図である。図1に於いて、微量定容ピペッ
ト1は、本体2と液体採取部材11とから構成されてい
る。本体2は、シリンダ3とシリンダ3内に挿入された
ピストン4とからなる。シリンダ3の先端部には、管状
先端部5が形成されており、シリンダ3の後端部には鍔
部6が形成されており、シリンダ3の胴部には通気孔7
が設けられている。ピストン4の先端部には、シリンダ
3の内面に沿って気密に摺動する頭部8が設けられ、ピ
ストン4の後端部には係止部9が形成されている。鍔部
6と係止部9との間には、ピストン4を中に通して圧縮
コイルバネ10が装着されている。液体採取部材11
は、片端有底円筒部12と片端有底円筒部12の底に貫
通して一体に形成された毛細管部13とから構成されて
いる。
【0017】シリンダ3及びピストン4は、一般に硬質
のプラスチックス(特に限定されず、例えば、ポリスチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニ
ル、アクリレート系樹脂、ポリカーボネート等々を挙げ
ることができる)でそれぞれ管状先端部5及び鍔部6と
共に一体に成形することが好ましく、頭部8はゴム、軟
質プラスチックス(例えば、軟質塩化ビニル、低密度ポ
リエチレン、等々)などで作りピストン4に固着するこ
とが好ましい。ピストン4は、使用しないときは圧縮コ
イルバネ10の作用により、その頭部8の先端が通気孔
7よりも後方(図1に於いて上方)になるような位置ま
で退いている。
【0018】液体採取部材11を、その断面図を示す図
2を参照して更に詳細に説明する。図2に於いて、液体
採取部11は片端有底円筒部12と毛細管部13とが一
体に形成されて構成されており、毛細管部13の孔は片
端有底円筒部12の内部に連通している。片端有底円筒
部12の内側表面12a及び毛細管部13の内側表面1
3aは親水性を有している。毛細管部13の内径dは、
水性液体が毛管現象により毛細管部13の内部に進入し
得るような大きさであり、一般に0.1〜3mmである
ことが好ましく、特に0.5〜2.5mmであることが
好ましく、1〜2mmであることが最も好ましい。片端
有底円筒部12の内径Dは、水性液体が毛管現象により
その内部に進入しないような大きさであり、且つ、本体
2の管状先端部5に気密に嵌合できる大きさであり、一
般に5〜10mmであることが好ましい。
【0019】液体採取部材11を形成するためのプラス
チックスは、水性液体に不溶性又は非膨潤性であり、透
明乃至半透明で硬質のプラスチックスであることが好ま
しく、シリンダ3について例示したようなプラスチック
スから適宜選択することができる。一般にプラスチック
スは疎水性であり、水性液体が毛細管部13の内部に毛
管現象により進入しないので、少なくとも毛細管部13
の内部の表面を親水性にしておく必要がある。片端有底
円筒部12及び毛細管部13の内側表面に親水性を付与
する手段としては、液体採取部材11をプラスチックス
で一体に成形し、例えばこれを界面活性剤(ノニオン系
界面活性剤が特に好ましい)、親水性高分子化合物、水
溶性有機化合物(グリセリンエステル、エチレングリコ
ール、アミノ酸、糖など)、分子内に親水性部分と疎水
性部分とを有する化合物、及びこれらの混合物の水溶液
中に浸漬した後乾燥するような方法により、その表面を
親水性にする方法がある。毛細管部13の内部以外の表
面も親水性を有するようにしても差し支えない。その理
由は、図2に示すように液体採取部材11は、毛細管部
13の上端に於いて、内径が水性液体が毛管現象により
内部に進入し得るようなdから水性液体が毛管現象によ
り内部に進入しないようなDに断続的に変化している形
状を有しているので、毛細管部13からの水性液体が片
端有底円筒部12の中に入ることがないからである。
【0020】上記のような理由から、液体採取部材11
を親水性のプラスチックスで一体に成形し、その表面全
体に親水性を付与してもよい。この親水性のプラスチッ
クスとしては、例えば、ナイロン、エチレン−カルボン
酸系共重合体等のようにそれ自体が親水性を有するプラ
スチックスや、前記のような疎水性のプラスチックス
に、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、グリセ
リンラウレート、グリセリンステアレートなど)等のよ
うな親水性可塑剤をブレンドしたプラスチックス組成物
等を挙げることができる。
【0021】図1及び図2に示す微量定容ピペット1を
使用して一定容積の水性液体試料を採取する方法につい
て説明する。先ず、本体2の管状先端部5に液体採取部
材11を気密に嵌合させて取り付ける。この際、ピスト
ン4は図1に示すように、その頭部8の先端が通気孔7
よりも上方になるように位置している。この状態で毛細
管部13の先端を水性液体試料中に漬けると、水性液体
試料は毛管現象により毛細管部13内を上昇する。毛細
管部13内を上昇する水性液体試料の先端が片端有底円
筒部12の底面12bにまで到達すると、片端有底円筒
部12の内径Dが、水性液体が毛管現象を示さないほど
大きくなっているので、その時点で水性液体試料の上昇
が停止する。
【0022】次いで、毛細管部13の先端を水性液体試
料から取り出して試料を受容すべき容器や試料の分析に
使用する試験片など(図示せず)の上方に移動させ、指
先で顎部6と係止部9とを挟んで係止部9を押す。この
際、最初の内は本体2内及び片端有底円筒部12内の空
気は通気孔7から外部へ出るが、頭部8が通気孔7が設
けられた位置を通過すると、本体2内及び片端有底円筒
部12内の空気は圧縮され、毛細管部13の中の水性液
体試料を押し出す。毛細管部13の中の水性液体試料を
全部押し出した後、係止部9にかけた指を離すと、圧縮
コイルバネ10の復元力によりピストン4は後退し、最
初の位置まで戻る。このようにして一定容積の水性液体
試料を採取することができる。毛細管部13の内容積が
種々異なる液体採取部材11を使用することにより、所
望量の水性液体試料を容易に採取することができる。
【0023】第一発明の微量定容ピペットを使用して水
性液体試料を採取する際には、上記の説明から明らかな
ように本体2は水性液体試料と接触しないので、次に別
種の水性液体試料を採取する際には、液体採取部材11
のみを新しいものに交換するだけでよい。
【0024】図1には、本体2の管状先端部5を液体採
取部材11の片端有底円筒部12の中に挿入する態様を
示したが、逆に液体採取部材11の片端有底円筒部12
を本体2の管状先端部5の中に挿入するようにしてもよ
い。管状先端部5と片端有底円筒部12とは、一般に行
われているように接触部にテーパを設けることにより、
着脱が容易でしかも気密に嵌合させることができる。勿
論、必要に応じてねじ込み式又はその他の任意の形状に
してもよい。また、圧縮コイルバネ10を設けることな
く指でピストン4の移動を行ってもよく、更に他の形式
のピストン位置復元手段を講じてもよい。更に、ピスト
ン4に頭部8を固着することなく、ピストン4をシリン
ダ3内に気密にスライドできるように設けてもよい。
【0025】図3は、第一発明の微量定容ピペットの他
の実施例の断面図である。図3に於いて、微量定容ピペ
ット20は、本体21と液体採取部材11とから構成さ
れている。本体21は、管状先端部22、円筒部23及
び球殻部24とが一体に形成されてなり、通気孔25が
設けられている他は所謂スポイトと同様の構造を有する
ものである。球殻部24は、内部に空洞を有し略球状を
有し、その少なくとも一部が変形可能で且つ自力回復可
能であるように作られ、壁体の一部に通気孔25が設け
られている。そして、管状先端部22及び通気孔25を
除いて気密な構造を有している。本体21はプラスチッ
クス又はゴムで作られることが好ましい。また、球殻部
24と円筒部23とは別々に作り両者を気密に取り付け
るようにしてもよい。更に、円筒部23を設けず管状先
端部22に直接球殻部24を設けてもよい。更に、球殻
部24は球状形状のものに限らず内部に空洞を有するも
のであれば任意の形状のものであってもよい。
【0026】液体採取部材11は、図2について説明し
たものと同じであり、液体採取部材11と管状先端部2
2との相互関係も、図1及び図2について記載した液体
採取部材11と管状先端部5との相互関係と同様であ
る。
【0027】図3に示す微量定容ピペット20を使用し
て一定容積の水性液体試料を採取する方法について説明
する。先ず、本体21の管状先端部22に液体採取部材
11を気密に嵌合させて取り付ける。通気孔25を解放
させた状態で毛細管部13の先端を水性液体試料中に漬
けると、水性液体試料は毛管現象により毛細管部13内
を上昇する。毛細管部13内を上昇する水性液体試料の
先端が片端有底円筒部12の底面12bにまで到達する
と、片端有底円筒部12の内径Dが、水性液体が毛管現
象を示さないほど大きくなっているので、その時点で水
性液体試料の上昇が停止する。
【0028】次いで、毛細管部13の先端を水性液体試
料から取り出して試料を受容すべき容器や試料の分析に
使用する試験片など(図示せず)の上方に移動させ、指
先で通気孔25を塞ぎ、球殻部24を握って球殻部24
の空洞の体積を減少させる。その結果本体21内及び片
端有底円筒部12内の空気は圧縮され、毛細管部13の
中の水性液体試料を押し出す。毛細管部13の中の水性
液体試料を全部押し出した後、通気孔25を解放し球殻
部24にかけた力を抜くと球殻部24は元の形状に自然
に戻る。このようにして一定容積の水性液体試料を採取
することができる。
【0029】第一発明の微量定容ピペットを使用して水
性液体試料を採取する際には、上記の説明から明らかな
ように本体21は水性液体試料と接触しないので、次に
別種の水性液体試料を採取する際には、液体採取部材1
1のみを新しいものに交換するだけでよい。
【0030】図4は、第二発明の微量定容ピペットの一
実施例の断面図である。図4に於いて、微量定容ピペッ
ト30は、本体31と液体採取部材35とから構成され
ている。本体31は、円筒部32及び球殻部33とが一
体に形成されてなり、通気孔34が設けられており、図
3に示す微量定容ピペット20の本体21と同様に形成
されている。液体採取部材35は毛細管部36とそれに
気密に嵌合された鍔部37とからなり、鍔部37を円筒
部32の中に気密に嵌合して取り付けることができるよ
うになっている。
【0031】液体採取部材35を、その断面図を示す図
5を参照して詳細に説明する。図5に於いて、液体採取
部材35は毛細管部36とそれに気密に嵌合された鍔部
37とからなる。毛細管部36は疎水性のプラスチック
スから作られており、毛細管部36の内側表面36aの
先端から連続する一部には親水性処理が施され、親水性
表面部38が形成されている。毛細管部36の内側表面
36aに所定の長さの親水性表面部38を形成する手段
としては、例えば、界面活性剤(ノニオン系界面活性剤
が特に好ましい)、親水性高分子化合物、水溶性有機化
合物(グリセリンエステル、エチレングリコール、アミ
ノ酸、糖など)、分子内に親水性部分と疎水性部分とを
有する化合物、及びこれらの混合物の水溶液中に、疎水
性のプラスチックスで成形した毛細管部36の先端を所
定の長さだけ浸漬した後乾燥する方法を挙げることがで
きる。また、液体採取部材35を鍔部37で適当なマイ
クロピペットに取り付け、毛細管部36の先端から上記
のような界面活性剤等の水溶液を所定の長さだけ吸引
し、吸引した水溶液を押し出した後乾燥する方法を採用
することもできる。
【0032】図4に示す微量定容ピペット30を使用し
て一定容積の水性液体試料を採取する方法について、図
4及び図5を参照して説明する。先ず、本体31の円筒
部32に液体採取部材35を気密に嵌合させて取り付け
る。通気孔34を解放させた状態で毛細管部36の先端
を水性液体試料中に漬けると、水性液体試料は毛管現象
により毛細管部36内を上昇する。毛細管部36内を上
昇する水性液体試料の先端が毛細管部36の親水性表面
部38の端部にまで到達すると、それから先の毛細管部
36の表面36aは疎水性である(疎水性のプラスチッ
クスが露出している)ので、水性液体試料の先端はそれ
より先には進行せず水性液体の上昇は停止する。
【0033】次いで、毛細管部36の先端を水性液体試
料から取り出して試料を受容すべき容器や試料の分析に
使用する試験片など(図示せず)の上方に移動させ、指
先で通気孔34を塞ぎ、球殻部33を握って球殻部33
の空洞の体積を減少させる。その結果本体31内及び円
筒部32内の空気は圧縮され、毛細管部36の中の水性
液体試料を押し出す。毛細管部36の中の水性液体試料
を全部押し出した後、通気孔34を解放し球殻部33に
かけた力を抜くと球殻部33は元の形状に自然に戻る。
このようにして一定容積の水性液体試料を採取すること
ができる。毛細管部36の内径及び親水性表面部38の
長さを変えることによって、毛細管部36内に毛管現象
により進入する水性液体試料の量を変えることができ、
毛細管部36の内径及び親水性表面部38の長さが種々
異なる液体採取部材35を使用することにより、所望量
の水性液体試料を容易に採取することができる。
【0034】第二発明の微量定容ピペットを使用して水
性液体試料を採取する際にも、上記の説明から明らかな
ように本体31は水性液体試料と接触しないので、次に
別種の水性液体試料を採取する際には、液体採取部材3
5のみを新しいものに交換するだけでよい。
【0035】図6に、第二発明の微量定容ピペットの液
体採取部材の一例を示す。図6に於いて、液体採取部材
40は、先細り円筒形状を有し、その後端部41は図4
に示す本体31の円筒部32に気密に外挿できる内径を
有し、その先端部42は水性液体が毛細管現象を示す内
側寸法を有するものである。液体採取部材40は疎水性
のプラスチックスから作られており、先端部42の内側
表面42aの先端から連続する一部には親水性処理が施
され、親水性表面部43が形成されている。先端部42
の内側表面42aに所定の長さの親水性表面部43を形
成する手段としては、図5を参照して説明した液体採取
部35の親水性表面部38を形成する方法と同様であ
る。
【0036】液体採取部材40は、図4又は図1に示す
本体31又は本体2に気密に取り付けて一定容積の液体
試料を採取することができ、その際の液体試料の挙動は
図4及び図5を参照して説明したことと同様である。
【0037】以上の記載で、第一発明に於ける液体試料
収容部及び第二発明に於ける液体採取部が管状であるも
のについて説明したが、この液体試料収容部及び液体採
取部は管状のものに限定されるものでは無く、それらの
内側寸法が、水性液体が毛細管現象を示すような大きさ
のものである限り、その形状はどのようなものであって
もよい。即ち、それらの断面形状は円状のものに限ら
ず、楕円状、三角形、四角形、多角形、等種々の形状の
ものであってよい。
【0038】管状以外の液体試料収容部(第二発明の液
体採取部も同様である)の一例として、断面が薄肉長方
形である液体試料収容部の一例を図7に示す。図7に於
いて、液体試料収容部50は、一端辺部が先細りになっ
た板状部材51及び52を重ね、両側辺部に於いて板状
部材51と板状部材52との間にスぺーサー53及び5
4を挟んで、これらを一体に接着して構成され、板状部
材51と板状部材52との間に両端部で解放された空間
55が形成されている。空間55の厚さは、先細りにな
った端辺部51a及び52aを液体試料に漬けたとき、
液体試料が毛細管現象により空間55内に進入するよう
な厚さに構成されている。この厚さ、即ち、板状部材5
1と板状部材52との間隙は、一般に0.1〜3mmで
あることが好ましく、特に0.5〜2.5mmであるこ
とが好ましく、1〜2mmであることが最も好ましい。
板状部材51と板状部材52の相対する表面には、全面
又は端辺部51a及び52aから所定の長さまで親水性
処理が施されている。この親水性処理は、前記のよう
に、板状部材51と板状部材52を親水性材料で作成し
てもよく、板状部材51と板状部材52を疎水性プラス
チックスで作成し対面する表面に親水性表面部を形成し
てもよい。液体試料収容部50は、上記のように各部材
を接着して作成することの他に、全体を一体に成形して
作成することもできる。
【0039】液体試料収容部50は、図2に示す毛細管
部13と同様に適当な大きさの筒状物に取り付けて(又
は、筒状物と一体に作成して)、図1に示す本体2又は
図3に示す本体21と同様のものに取り付けることがで
きる。液体試料収容部50を取り付けた微量定容ピペッ
トは、前記と同様にして一定容積の液体試料を採取する
ことができる。また、液体試料収容部50と同様の第二
発明の液体採取部は、図4に於ける液体採取部材と同様
に本体に取り付け、同様にして一定容積の液体試料を採
取することができる。
【0040】図8は、第三発明の微量定容ピペットの一
実施例の断面図である。図8に於いて、微量定容ピペッ
ト60は、疎水性のプラスチックスから作られた毛細管
61からなり、毛細管61の内側表面61aの先端から
連続する一部には親水性処理が施され、親水性表面部6
2が形成されている。毛細管61の内側表面61aに所
定の長さの親水性表面部62を形成する手段としては、
図5を参照して説明した液体採取部35の親水性表面部
38を形成する方法と同様である。
【0041】図8に示す微量定容ピペット60を使用し
て一定容積の水性液体試料を採取する方法について説明
する。毛細管61の親水性表面部62を設けた側の先端
を水性液体試料中に漬けると、水性液体試料は毛管現象
により毛細管61内を上昇する。毛細管61内を上昇す
る水性液体試料の先端が毛細管61の親水性表面部62
の端部にまで到達すると、それから先の毛細管61の表
面61aは疎水性である(疎水性のプラスチックスが露
出している)ので、水性液体試料の先端はそれより先に
は進行せず水性液体試料の上昇は停止する。
【0042】次いで、毛細管61の先端を水性液体試料
から取り出して、試料を受容すべき試料の分析に使用す
る吸水性の試験片など(図示せず)に毛細管61の先端
を接触させると、毛細管61内に収容されている水性液
体試料は試験片に自然に吸収され、毛細管61から全量
排出される。このようにして一定容積の水性液体試料を
採取することができる。毛細管61の内径及び親水性表
面部62の長さを変えることによって、毛細管61内に
毛管現象により進入する水性液体試料の量を変えること
ができ、所望量の水性液体試料を容易に採取することが
できる。
【0043】第三発明の微量定容ピペットは、図8に示
すように全体が毛細管で形成されていてもよく、また、
親水性表面部が形成された部分を含む一部分が毛細管で
形成され、その他の部分が取り扱いに便利な適当な大き
さの管で形成されていたり、図9に示すように通気孔を
有する球殻状に形成されていてもよい。
【0044】図9は、第三発明の微量定容ピペットの他
の実施例の断面図である。図9に於いて、微量定容ピペ
ット63は、毛細管部64と球殻部65とが疎水性のプ
ラスチックスから一体に形成されており、毛細管部64
の内側表面64aの先端から連続する一部には親水性処
理が施され、親水性表面部66が形成されており、球殻
部65には通気孔67が形成されている。毛細管部64
の内側表面64aに所定の長さの親水性表面部66を形
成する手段としては、図5を参照して説明した液体採取
部35の親水性表面部38を形成する方法と同様であ
る。
【0045】図9に示す微量定容ピペット63を使用し
て一定容積の水性液体試料を採取する方法について説明
する。毛細管部64の親水性表面部66を設けた側の先
端を水性液体試料中に漬けると、水性液体試料は毛管現
象により毛細管部64内を上昇する。毛細管部64内を
上昇する水性液体試料の先端が親水性表面部66の端部
にまで到達すると、それから先の毛細管部64の表面6
4aは疎水性である(疎水性のプラスチックスが露出し
ている)ので、水性液体試料の先端はそれより先には進
行せず水性液体試料の上昇は停止する。
【0046】次いで、毛細管部64の先端を水性液体試
料から取り出して、試料を受容すべき試料の分析に使用
する吸水性の試験片など(図示せず)に毛細管部64の
先端を接触させると、毛細管部64内に収容されている
水性液体試料は試験片に自然に吸収され、毛細管部64
から全量排出される。この際、通気孔67を指先で塞ぎ
球殻部65を押しつぶして毛細管部64内に収容されて
いる水性液体試料を強制的に押し出してもよい。このよ
うにして一定容積の水性液体試料を採取することができ
る。毛細管部64の内径及び親水性表面部66の長さを
変えることによって、毛細管部64内に毛管現象により
進入する水性液体試料の量を変えることができ、所望量
の水性液体試料を容易に採取することができる。
【0047】上記の毛細管部、液体試料収容部又は液体
採取部の、採取すべき水性液体が収容される空間の体積
は、一般に1〜50μlの範囲内で任意の値に予め設定
することができる。
【0048】
【実施例】以下に、本発明の微量定容ピペットの実施例
及び使用例を示すが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0049】[実施例1]図2に示すような形状(円筒
部12:内径6mm長さ10mm、毛細管部13:内径
1mm長さ7mm)の液体採取部材を、内径6mmのポ
リプロピレン製の管を加工して、20個作製した。これ
らの液体採取部材を、5%のポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルを含むアルコール溶液中に1分間浸漬
した後、取り出して乾燥し、それらの表面に親水性を付
与した。
【0050】これらの液体採取部材を図1に示すような
微量定容ピペットの本体2に取り付け、毛細管部13の
先端を蒸留水に接触させたところ、蒸留水は毛細管部1
3内を上昇し毛細管部13の全体に蒸留水が入ったが、
円筒部12内には蒸留水は入らなかった。ピストン4を
押して毛細管部13に入った蒸留水を押し出して、その
重量を測定した。
【0051】20個の液体採取部材について、蒸留水の
採取、排出を繰り返した(各液体採取部材について1
回)ところ、1回の操作で排出された蒸留水の量は、2
0μl±1μlの範囲内に入っていた。
【0052】[実施例2]外径3mm内径2mmのポリ
エチレン製のチューブを約30mmの長さに切断して、
50本のポリエチレン管を作製した。このポリエチレン
管は表面が疎水性であるので、その先端を水に漬けても
管内に水は進入しなかった。
【0053】液面までの深さを1.2mmに設定できる
ように溢水スリットを有する処理槽に、10%のノニオ
ン界面活性剤(トリトン(Triton)X−100、ロームア
ンドハース社製)を含む水溶液を入れ、上記のポリエチ
レン管50本を束ねた状態で管を垂直にして、管の端部
から1.6mm水溶液中に浸漬した。この状態で1分間
保持した後ポリエチレン管の束を取り出し、送風乾燥し
て、管の内外表面が長さ1.6mm親水性処理されたポ
リエチレン管を作製した。得られたポリエチレン管は、
図4及び図5に示す液体採取部材35として使用できる
ものである。
【0054】[実施例3]ポリエチレン製管から図6に
示す液体採取部材40の形状を有するものを作製し、そ
の後端部41にマイクロピペットの先端を気密に装着
し、先端部42の先端を1%のノニオン界面活性剤(ト
リトン(Triton)X−100、ロームアンドハース社製)
を含む水溶液に漬け、この水溶液毛細管部内部に20μ
lだけ吸い上げた後吐出し、そして乾燥して、毛細管部
の内表面に20μlの空間体積に相当する表面積だけ親
水性を付与して、図6に示すような液体採取部材40を
作製した。この液体採取部材40を図4に示すような本
体31の円筒部32に取り付けて微量定容ピペットを作
製した。
【0055】[実施例4]厚さ180μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの表面を、写真用フィルムの
親水性化処理と同じようにグロー放電処理することによ
り親水性付与処理を施し、図7に示すような板状部材5
1及び52を作製し、親水性表面を対面させて両側辺部
を両面接着テープで接着して、空間部の寸法が約20m
m×10mm×0.5mm(端辺部51aでの長さ2m
m)である液体試料収容部50を作製した。液体試料収
容部50の先細り先端部を水滴に接触させたところ、毛
細管現象により水は瞬時に液体試料収容部50の空間5
5内に充満した。次いで液体試料収容部50の先細り先
端部を濾紙に接触させたところ、空間55内の水は全部
濾紙に吸い取られた。
【0056】上記と同じ構造の液体試料収容部50を1
0個作製し、上記と同様の操作を繰り返し、濾紙に吸い
取られた水の重量を秤量して、試料試料収容部50の区
間55内に収容された水の量のバラツキを調べたとこ
ろ、77mg±4.5mgの範囲内に入っていた。
【0057】[実施例5]内径1.5mm、外径3mm
のポリエチレンチューブを長さ100mmに切断して、
図8に示すような毛細管61を作製した。マイクロピペ
ットを用いて、10%のノニオン界面活性剤(トリトン
(Triton)X−100、ロームアンドハース社製)を含む
水溶液10μlの液滴を、顕微鏡のプレパラートガラス
上に作り、上記の毛細管61の先端をこの液滴に接触さ
せた。プレパラートガラス上の液滴の全量が毛細管61
内に取り込まれた。10秒間放置した後、毛細管61の
上記先端を濾紙に接触させて毛細管61内の界面活性剤
の水溶液を排出させ、放置乾燥して、毛細管61の内表
面上に親水性表面部62を形成させて、図8に示すよう
な微量定容ピペット60を作製した。
【0058】上記と同様にして10個の微量定容ピペッ
ト60を作製し、これらのピペットにより採取される水
性液体の量の精度を検定した。プレパラートガラス上
に、7%アルブミン水溶液の20μl〜1mlの範囲の
異なった種々の量の液滴を作った。微量定容ピペット6
0の親水性表面部62を有する先端を、アルブミン水溶
液の液滴に接触させたところ、親水性表面部62が形成
された部分にのみアルブミン水溶液が入った。次に、予
め秤量しておいた濾紙に、微量定容ピペットの先端を接
触させると、微量定容ピペット内のアルブミン水溶液は
全量濾紙に吸い取られた。アルブミン水溶液を吸収した
濾紙を秤量し、吸収前の重量との差から、微量定容ピペ
ット内に採取されたアルブミン水溶液の量を求めた。1
0個の微量定容ピペットを用いて、異なった種々の量の
アルブミン水溶液の液滴から、上記と同様にしてアルブ
ミン水溶液を採取し採取量を測定したところ、採取量は
平均値9.6mg、標準偏差0.7mgであった。
【0059】[使用例1]静脈血を注射器で採取し、そ
の一滴をプラスチックスフィルム上に滴下した。実施例
3で作製した微量定容ピペットの液体採取部材40の先
端部42を、孔34を開放させた状態でこの静脈血に接
触させたところ、静脈血は瞬時に液体採取部40の中に
取り込まれたが、親水性表面部43が形成された部分よ
りも中には進入しなかった。
【0060】孔34を指先で塞いだまま球殻部33を押
して、液体採取部材40内に取り込まれた静脈血を全部
濾紙上に押し出し、静脈血の重量を測定した。同様の操
作を10回繰り返したとき、液体採取部材40内に取り
込まれた静脈血の重量のバラツキは±10%の範囲内に
収まっていた。
【0061】糖尿病患者の血糖測定時の採血用に市販さ
れている穿刺採血具(ベーリンガーマンハイム社製グル
コプリック)を用いて、指の先端側部を針で穿刺し出血
させた指先の血液滴から、上記と同様にして実施例3で
作製した微量定容ピペットを用いて、微量の血液を採取
した。血液採取の操作を10回繰り返したとき、液体採
取部材40内に取り込まれた静脈血の重量のバラツキは
±10%の範囲内に収まっていた。
【0062】[使用例2]実施例1で作製した微量定容
ピペットを使用して、使用例1に於けると同様にして静
脈血を採取し、液体採取部材11内に取り込まれた静脈
血の重量のバラツキを調べたところ、27mg±1.5
mgの範囲内に収まっていた。
【0063】[使用例3]実施例1に於けると同様にし
て、毛細管部の内容積が10μlである液体採取部材1
1を取り付けた微量定容ピペットを作製した。静脈血を
遠心分離して得た血漿の一滴に、この微量定容ピペット
の毛細管部の先端を接触させると、瞬時に血漿は毛細管
部に進入した。毛細管部に取り込まれた血漿を、富士ド
ライケムグルコースPスライド上に吐出して点着し、富
士ドライケム5500アナライザーを用いて血漿中のグ
ルコース濃度を測定したところ、血漿中のグルコース濃
度は92mg/dlであった。
【0064】同じ大きさの液体採取部材11を10個作
製し、毎回異なる液体採取部材11を使用して血漿を採
取し、血漿中のグルコース濃度の測定を10回繰り返し
た。得られたグルコース濃度の測定値の変動係数は、平
均値=92mg/dl、CV=1.7%であった。
【0065】比較のために、エッペンドルフ社製の10
μl用マイクロピペット及び専用の成形プラスチックス
チップを用いて、同じ血漿についてグルコース濃度の測
定を10回行った。得られたグルコース濃度の測定値の
変動係数は、平均値=89mg/dl、CV=1.4%
であった。
【0066】[使用例4]検体として血漿の代わりに、
ヘパリン採血した全血を用い、スライドとして富士ドラ
イケムHbスライドを使用した他は、使用例3に於ける
と同様にしてヘモグロビン濃度を測定した。得られたヘ
モグロビン濃度の測定値の変動係数は、平均値=14.
3g/dl、CV=1.8%であった。
【0067】また、使用例3に於けるマイクロピペット
を使用した測定で得られたヘモグロビン濃度の測定値の
変動係数は、平均値=14.7g/dl、CV=1.4
%であった。
【0068】[使用例5]静脈から注射器で採血した血
液の一滴を顕微鏡プレパラートガラス上に滴下して静脈
血液滴を作り、実施例5に於けると同様にして作製した
微量定容ピペットの親水性表面部を有する先端を静脈血
液滴に接触させた。静脈血は微量定容ピペットの親水性
表面部が形成された部分にのみ入った。次いで、微量定
容ピペットの先端を、富士ドライケムHbスライドの表
面に軽く接触させると、微量定容ピペット内の静脈血は
排出され、スライドの表面に均一に拡がった。このスラ
イドを富士ドライケムアナライザー2000にセット
し、Hb濃度を測定した。
【0069】上記と同じ大きさの微量定容ピペットを1
0個作製し、それぞれの微量定容ピペットについて毎回
血液滴量が異なる他は上記と同様にして同一の静脈血を
採取し、Hb濃度の測定を行った。得られたHb濃度の
測定値は、平均値=13.8mg/dl、標準偏差=
0.43mg/dl、変動係数=3.2%であった。
【0070】これらのことから、本発明の微量定容ピペ
ットを使用して、高い測定精度が得られることが確認さ
れた。
【0071】
【発明の効果】本発明の微量定容ピペットは、血液、血
漿等のような生理学的液体を、微量の一定量(1〜50
μl)採取するために特に有用である。例えば、指先や
耳たぶにメスや針で傷をつけて出した血に、本発明の微
量定容ピペットの液体採取部材を接触させることより、
微量の一定量の血液を容易に採取することができる。本
発明の微量定容ピペットは、液体採取部材のみが水性液
体に接触するものであり、液体採取部材は安価に製造で
きるので使い捨てが可能であり、生理学的液体を取り扱
う際に衛生的である。
【0072】本発明の微量定容ピペットは、単純な構成
であるので殆ど故障することが無く、ドライ分析方法と
組み合わせて有利に使用することができる。従って、献
血や集団検診時の事前検査や小児等の微量採血の検査
に、有利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の微量定容ピペットの一実施例の断面
図である。
【図2】図1に示す液体採取部材の断面図である。
【図3】第一発明の微量定容ピペットの他の実施例の断
面図である。
【図4】第二発明の微量定容ピペットの一実施例の断面
図である。
【図5】図4に示す液体採取部材の断面図である。
【図6】第二発明の微量定容ピペットの液体採取部材の
一例の断面図である。
【図7】本発明の微量定容ピペットの液体採取部材の液
体収容部の一例の断面図である。
【図8】第三発明の微量定容ピペットの一実施例の断面
図である。
【図9】第三発明の微量定容ピペットの他の実施例の断
面図である。
【図10】従来のミクロピペットの一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 微量定容ピペット 2 本体 3 シリンダ 4 ピストン 5 管状先端部 6 顎部 7 通気孔 8 頭部 9 係止部 10 圧縮コイルバネ 11 液体採取部材 12 片端有底円筒部 13 毛細管部 20 微量定容ピペット 21 本体 22 管状先端部 23 円筒部 24 球殻部 25 通気孔 30 微量定容ピペット 31 本体 32 円筒部 33 球殻部 34 通気孔 35 液体採取部材 36 毛細管部 37 鍔部 38 親水性表面部 40 液体採取部材 41 後端部 42 先端部 43 親水性表面部 50 液体試料収容部 51 板状部材 52 板状部材 53 スペーサー 54 スペーサー 55 空間 60 微量定容ピペット 61 毛細管 62 親水性表面部 63 微量定容ピペット 64 毛細管部 65 球殻部 66 親水性表面部 67 通気孔 80 ミクロピペット 81 ホルダー 82 穴 83 キャップ 84 毛細管 85 ゴム栓 86 空洞部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気圧縮機構を備えた空洞を有し、外壁
    に通気孔を有する本体の管状先端部に、少なくとも内側
    表面が親水性を有し、水性液体が毛細管現象を示す内側
    寸法を有する液体試料収容部を、その一端が底面よりも
    突出せず且つ底部に貫通させて設けた、水性液体が毛管
    現象を示さないような内径を有する片端有底円筒の液体
    採取部が、その円筒部で気密に且つ着脱可能に取り付け
    られてなる微量定容ピペット。
  2. 【請求項2】 空気圧縮機構を備えた空洞を有し、外壁
    に通気孔を有する本体の管状先端部に、水性液体が毛細
    管現象を示す内側寸法を有し、且つ一端から採取すべき
    液体試料の体積に対応する長さだけ内側表面が親水性を
    有し、残りの部分の内側表面が疎水性を有する液体採取
    部が、その疎水性側端部で気密に且つ着脱可能に取り付
    けられてなる微量定容ピペット。
  3. 【請求項3】 疎水性プラスチックス製の管の少なくと
    も一端部が、水性液体が毛細管現象を示す内側寸法を有
    し、且つその先端から採取すべき液体試料の体積に対応
    する長さだけ内側表面が親水性を有するように処理され
    てなる微量定容ピペット。
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