[go: up one dir, main page]

JPH05168481A - 生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法 - Google Patents

生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法

Info

Publication number
JPH05168481A
JPH05168481A JP33841591A JP33841591A JPH05168481A JP H05168481 A JPH05168481 A JP H05168481A JP 33841591 A JP33841591 A JP 33841591A JP 33841591 A JP33841591 A JP 33841591A JP H05168481 A JPH05168481 A JP H05168481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
concentration
salt solution
inorganic salt
immobilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33841591A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Ito
伊藤  潔
Naokazu Naito
直和 内藤
Daisuke Ura
大輔 浦
Kiyoteru Nagahara
長原  清輝
Nobuhiro Fukuhara
信裕 福原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP33841591A priority Critical patent/JPH05168481A/ja
Publication of JPH05168481A publication Critical patent/JPH05168481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリビニルアルコールとκ−カラギーナンか
らなる高分子素材をゲル基材として用い、微生物または
酵素などの生体触媒を包括的に固定化させたゲルを作製
する場合において、ゲル成形時に用いる無機塩溶液が、
高濃度の炭酸イオンを含む条件下での固定化ゲル作製
法。 【効果】 ゲルの成型と強度付加を一度に達成出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
と水溶性高分子多糖類をゲル基材とした包括法による固
定化ゲルの作製法、および、その使用法に関するもので
ある。
【0002】ポリビニルアルコールと水溶性高分子多糖
類をゲル基材として用いて、微生物または酵素などの生
体触媒を保持・安定化させた粒状成型物(いわゆる固定
化ゲル)を作製し、包括した生体触媒に特異的な生化学
反応を利用して、種々の物質の生産・分解等を行う技術
は従来より探究されている。ここで、‘固定化ゲル’に
ついては、以後単にゲルと呼ぶ。また、‘包括した生体
触媒に特異的な生化学反応’については、これ以後単に
‘反応’と呼ぶ。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ゲルの
作製法については、既に種々の技術が提案されている。
特に、微生物菌体そのものを固定化するためには、いわ
ゆる‘包括法’と呼ばれるゲル作製法が採用されるのが
一般的である。特開平2−211872、特開昭63−
109779、特開昭62−138193等がこの様な
包括法によるゲル作製法を開示している。
【0004】すなわち、ゲル基材である高分子素材(た
とえば、ポリビニルアルコール及びκ−カラギーナン等
の水溶性高分子多糖類)と生体触媒(微生物または酵
素)を均一にまぜた後に、注射針・噴霧器や円盤成型器
などを用いて、適当な条件の無機塩溶液中に滴下するこ
とにより、ゲルは球状に成型される。一般的には、この
後で成型されたゲルの強度・耐水性・安定性を高める処
理を行う。たとえば、凍結・融解処理、ほう酸水溶液中
での懸濁などの手法が用いられてる。
【0005】工業的に利用することのできるゲルを作製
するためには、ゲルは反応中にある一定の強度および安
定性を維持している必要がある。すなわち、反応を進行
させるためには、ゲルを反応槽内で連続撹はんしたり、
反応槽内に充填する必要が生じる。また、ゲルは長期間
の連続使用や数回の再使用に耐えられることが望まし
い。このため、従来の技術では、ゲル成型時または成型
後にゲルに強度を付加する処理が特に重要なプロセスで
あり、かつ、その特徴ともなっている。
【0006】ところが、このような強度付加処理は、そ
れ自体が工業的には煩雑な処理であることは言うまでも
ない。たとえば、凍結処理によりゲルに強度を付加する
ためには、ゲルを一旦この溶液から取り出す必要が生じ
る。一方、強度付加処理が行われていないゲルは、成型
に用いられた無機塩溶液中での懸濁状態では比較的安定
であるが、非懸濁状態ではゲル相互の密着が起こり、
‘団子状態’となり易い。このため、ゲル相互の密着を
防止しつつ、ゲルを効率よく回収しなければならない。
【0007】また、特開昭62−138193で開示さ
れているほう酸を含む水溶液中でゲルの成形と強度付加
を同時に行う方法は、ほう酸自体の人間に対する毒性を
考慮した場合、食品業・飼料業等に応用することには限
界があり、また、ゲル成形後にゲルを洗浄する必要も生
じる。
【0008】本発明者らは、ゲルの成型と同時にゲルに
強度を付加できることが、工業的に必要なゲル作製法で
あると考え、種々の検討を加えた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゲルの成
型と強度付加を一度に達成できる無機塩溶液の種類と濃
度について種々の検討を加えた結果、高濃度の炭酸イオ
ン水溶液、好ましくは炭酸アンモニウム水溶液が最も最
適であるとの結論を得て本発明を完成させた。
【0010】さらに、高濃度の炭酸イオン水溶液中にて
作成されたゲルは、高濃度の無機塩溶液中、好ましくは
高濃度の炭酸イオン水溶液中、さらに好ましくは高濃度
の炭酸アンモニウム水溶液中では、連続撹はん・充填な
どの諸操作下でも十分その成型性と強度を長期間保持す
ることを見い出したのである。
【0011】特に、本発明によると、従来開示されてい
るような単なるカチオンの存在だけではなく、高濃度の
炭酸イオンが同時に存在することが、成型と同時に強度
をゲルに付加するにあたっては必須である。
【0012】即ち、本発明は、ポリビニルアルコールと
κ−カラギーナンからなる高分子素材をゲル基材として
用い、微生物または酵素などの生体触媒を包括的に固定
化したゲルを作製する場合において、ゲル成形時に用い
る無機塩溶液が、高濃度の炭酸イオンを含む条件下での
ゲル作製法と、このゲルの高濃度の無機塩溶液中での使
用法である。
【0013】具体的には、以下のような諸操作により工
業上有効なゲルを作製することができる。まず、ポリビ
ニルアルコールとκ−カラギーナンとからなる固定化用
高分子素材と生体触媒(微生物または酵素など)を、1
0℃から50℃、好ましくは15℃から35℃の恒温下
にて、均一に撹はん・混合する。以下、この溶液を菌体
懸濁液と呼ぶ。この場合、用いるポリビニルアルコール
としては、例えば、重合度500〜2000、けん化度
87.0〜89.0のものをその代表例として選ぶこと
ができる。
【0014】また、ゲル基材として使用する水溶性高分
子多糖類としては、κ−カラギーナンが好適な例であ
り、κ−カラギーナンを用いた場合は、その後の反応に
用いるのに十分な成形性と強度を持つゲルを作製するこ
とができる。
【0015】次に、上述の方法で調製した菌体懸濁液
は、注射針・噴霧器や回転円盤成形器などを用いて、撹
はん状態である高濃度の炭酸イオン水溶液中に逐次滴下
され、粒子径の均一な球状のゲルに成型される。この高
濃度の炭酸イオン水溶液は、その温度が0℃から50
℃、好ましくは20℃から30℃である。このようにし
て、少なくとも直径1mmから10mm以下の任意の大
きさの球状のゲルを成形させることが可能である。続い
て、30分以上撹はんを続けることで、十分な強度のゲ
ルを調整することができる。
【0016】本発明における高濃度の炭酸イオン水溶液
とは、具体的には、炭酸イオン濃度としては1.5M以
上、好ましくは2.0M以上であればよい。含有するカ
チオンとしては、アンモニウムイオンが最も望ましい
が、水素イオンを除く他の無機陽イオンを選ぶこともで
きる。例えば、ナトリウムイオン・カリウムイオン・マ
グネシウムイオン・カルシウムイオン・バリウムイオン
・アルミニウムイオン等の単原子陽イオンをその代表例
に挙げることができる。
【0017】高濃度の炭酸イオン水溶液中で成形し強度
を付加したゲルは、そのまま高濃度の無機塩溶液中で反
応に供することができる。この時の無機塩溶液の種類に
ついては、ゲルの成形性と強度を維持するのに十分な高
濃度に維持されている限りにおいては、任意に選択する
ことが可能である。好ましくは、以下の(イ)と(ロ)
の2条件を同時に満足していればよい。
【0018】(イ)含有するアニオンとしては、炭酸イ
オンが最も好ましいが、水酸化物イオンを除く無機陰イ
オンを選ぶことができる。例えば、塩化物イオン等の単
原子陰イオンや硫酸イオン等の多原子陰イオンをその代
表例に挙げることができる。また、陰イオンは、上記に
例示した陰イオン単独、もしくは複数の混合状態で用い
ることができる。さらに、総アニオン濃度としては、
1.5M以上、好ましくは2.0M以上が望ましい。
【0019】(ロ)含有するカチオンとしては、アンモ
ニウムイオンが最も好ましいが、水素イオンを除く無機
陽イオンを選ぶことができる。例えば、ナトリウムイオ
ン・カリウムイオン・マグネシウムイオン・カルシウム
イオン・バリウムイオン・アルミニウムイオン等の単原
子陽イオンを挙げることができる。また、陽イオンは、
上記に例示した陽イオン単独、もしくは複数の混合状態
で用いることができる。さらに、総カチオン濃度として
は、1.5M以上、好ましくは3.0M以上が望まし
い。また、アンモニウムイオンの場合は、5.0M以上
が望ましい。
【0020】微生物または酵素等の生体触媒に特徴的な
多種多様な生化学反応は、各々に特異的な無機塩濃度を
要求しており、極低濃度から高濃度まで広い範囲に及ん
でいる。この反応が、高い無機塩濃度を特異的に要求す
る場合、または、高い無機塩濃度下でも十分に反応性を
失わない場合には、本発明で開示した方法により、その
生体触媒をゲル中に包括することができる。
【0021】また、ある種の反応では、高塩濃度下で平
衡反応が一方に片寄ることがあり、このような反応にも
本発明を応用することができる。すなわち、本発明は、
高塩濃度を特異的に要求する反応や高塩濃度下で反応性
を失わない反応のみならず、高塩濃度下において平衡反
応がいずれか一方の側に片寄るような反応すべてについ
ても、その利用が可能である。
【0022】たとえば、本発明によるゲルを利用できる
反応例として、L−フェニルアラニン・アンモニア・リ
アーゼによるL−フェニルアラニン生成反応を挙げるこ
とができる。同酵素は、低アンモニウムイオン濃度下で
は、L−フェニルアラニンが分解されて桂皮酸とアンモ
ニアが生じるが、高濃度のアンモニウムイオン溶液中で
は、逆に桂皮酸とアンモニアを基質としてL−フェニル
アラニンが生成する。そこで、同酵素または同酵素を生
産している微生物菌体をゲル中に固定して、高濃度の炭
酸アンモニウム溶液中で、桂皮酸とアンモニアよりL−
フェニルアラニンを生成・蓄積させることができる。
【0023】本発明によるゲルに包括固定化することが
できる微生物としては、以下のような属をその代表例と
して挙げることができる。 エシェリシア属(Escherichia) ロドスポリジュウム属(Rhodosporidiu
m) リゾプス属(Rhizopus) サッカロマイセス属(Saccharomyces) キャンディダ属(Candida) バチルス属(Bacillus)
【0024】また、本発明によるゲルに包括固定化する
ことができる酵素としては、以下のような酵素をその代
表例として挙げることができる。 フェニルアラニンアンモニアリアーゼ (EC 4.
3.1.5.) ヒスチジンアンモニアリアーゼ (EC.4.
3.1.3.) アスパラギン酸アンモニアリアーゼ (EC.4.
3.1.1.) α−アミラーゼ (EC.3.
2.1.1.)
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明方法についてさ
らに具体的に説明する。 実施例1 重合度1500、けん化度87.0〜89.0のポリビ
ニルアルコール10重量部およびк−カラギーナン2重
量部を50℃の温水88重量部と混合し、よく撹はんし
て均一な溶液にした。この混合物1重量部に対して、乾
重量換算で10%のエシェリシア・コリー菌体懸濁液1
重量部を加えて、撹はんしながら混合した。以下、この
様な菌体と固定化用高分子素材の混合液を固定化用菌体
懸濁液と呼ぶ。
【0026】ここで、エシェリシア・コリー菌は、通商
産業省工業技術院生物工業研究所に寄託されており、受
託番号はFERM−BP3569である。以下、この菌
株をBP3569と呼称する。
【0027】また、このエシェリシア・コリー菌体(B
P3569)は、特開昭63−317087と同様にジ
ャーファーメンターを用いて培養を行い、遠心・集菌し
て調製した。
【0028】一方、アンモニウムイオン濃度で11.6
M、炭酸イオン濃度を1.6M〜4.0Mまで変化させ
た種々の炭酸アンモニウム緩衝溶液を調製した。
【0029】上述の種々の炭酸イオン濃度を有する炭酸
アンモニウム緩衝溶液をゆるやかに撹はんし、続いて、
注射針の先端より固定化用菌体懸濁液をこの溶液中に2
5℃にて滴下して、粒径2.0mm程度のゲルを作製し
た。
【0030】各炭酸アンモニウム緩衝溶液中で調製され
たゲルの相対強度を測定した結果を表1に示した。この
内、相対強度で70以上を有するゲルは、長時間(20
時間以上)同じ組成の炭酸アンモニウム緩衝溶液中に
て、100rpmの撹はん条件下で十分な成型性と強度
を保つことができた。ここで、ゲルの強度測定の方法と
しては、左納らの方法(ケミカルエンジニアリング,V
ol.36,No.6,1991)に準じて行った。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 重合度1500、けん化度87.0〜89.0のポリビ
ニルアルコール10重量部およびк−カラギーナン2重
量部を50℃の温水88重量部と混合し、よく撹はんし
て均一な溶液にした。この混合物1重量部に対して、乾
重量換算で10%のエシェリシア・コリー菌体懸濁液1
重量部をよく撹はん・混合した。ここで、このエシェリ
シア・コリー菌体(BP3569)は、実施例1と全く
同様の方法にて調製した。
【0033】一方、アンモニウムイオン濃度で5.0
M、炭酸イオン濃度を0.5M〜2.5Mまで変化させ
た種々の炭酸アンモニウム緩衝液を調製する。
【0034】上述の種々の炭酸イオン濃度を有する炭酸
アンモニウム緩衝溶液をゆるやかに撹はんし、続いて、
注射針の先端より固定化用菌体懸濁液をこの溶液中に2
5℃にて滴下して、粒径2.0mm程度のゲルを作製し
た。
【0035】各炭酸アンモニウム緩衝溶液中で調製され
たゲルの相対強度を測定した結果を表2に示した。この
内、相対強度で70以上を有するゲルは、長時間(20
時間以上)同じ組成の炭酸アンモニウム緩衝溶液中に
て、100rpmの撹はん条件下で十分な成型性と強度
を保つことができた。
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 重合度1500、けん化度87.0〜89.0のポリビ
ニルアルコール10重量部およびк−カラギーナン2重
量部を50℃の温水88重量部と混合し、よく撹はんし
て均一な溶液にした。この混合物1重量部に対して、乾
重量換算で10%のエシェリシア・コリー菌体懸濁液1
重量部をよく撹はん・混合した。ここで、このエシェリ
シア・コリー菌体(BP3569)は、実施例1と全く
同様の方法にて調製した。
【0038】一方、炭酸イオン濃度で2.5M、アンモ
ニウムイオン濃度を3.0M〜11.0Mまで変化させ
た種々の炭酸アンモニウム緩衝液を調製する。
【0039】上述の種々のアンモニウムイオン濃度を有
する炭酸アンモニウム緩衝溶液をゆるやかに撹はんし、
続いて、注射針の先端より固定化用菌体懸濁液をこの溶
液中に25℃にて滴下して、粒径2.0mm程度のゲル
を作製した。
【0040】各炭酸アンモニウム緩衝溶液中で調製され
たゲルの相対強度を測定した結果を表3に示した。この
内、相対強度で70以上を有するゲルは、長時間(20
時間以上)同じ組成の炭酸アンモニウム緩衝溶液中に
て、100rpmの撹はん条件下で十分な成型性と強度
を保つことができた。
【0041】
【表3】
【0042】実施例4 重合度1500、けん化度87.0〜89.0のポリビ
ニルアルコール10重量部およびк−カラギーナン2重
量部を50℃の温水88重量部と混合し、よく撹はんし
て均一な溶液にした。この混合物1重量部に対して、乾
重量換算で10%のエシェリシア・コリー菌体懸濁液1
重量部をよく撹はん・混合した。
【0043】このエシェリシア・コリー菌体(BP35
69)は、ロドスポリジュウム・トルロイデス由来のフ
ェニルアラニン・アンモニア・リアーゼを菌体内で大量
に発現させてある。また、このフェニルアラニン・アン
モニア・リアーゼは、アルカリ性の高濃度炭酸アンモニ
ウム溶液中において、桂皮酸とアンモニウムイオンから
L−フェニルアラニンを生成させることができる。
【0044】次に、アンモニウムイオン濃度で9.6
M、炭酸イオン濃度で2.5Mの炭酸アンモニウム緩衝
液(pH9.6)を調製し、ゆるやかに撹はんした。続
いて、固定化用菌体懸濁液を注射針の先端より、この炭
酸アンモニウム緩衝溶液中に滴下し、粒径2.0mm程
度のゲルを作製した。この際、滴下はすべて25℃で行
った。
【0045】さらに、5重量部の炭酸アンモニウム緩衝
溶液(アンモニウムイオン濃度で8.0M、炭酸イオン
濃度で1.6M)に対して、得られたゲル1重量部を加
えて、混合・撹はんした。ここで、このゲルは、この炭
酸アンモニウム緩衝溶液中において、100rpmの撹
はん条件下で、その形態・強度を安定に保持することが
できた。
【0046】続いて、菌体1重量部に対して12重量部
の桂皮酸を、その濃度が0.3%から0.7%の間に保
ちながら装入することにより、約20時間反応を行わ
せ、L−フェニルアラニンを緩衝液中に蓄積させた。ま
た、反応温度は30℃で行った。
【0047】反応終了後の、L−フェニルアラニンの濃
度は、5.0%であった。実施例4と比較例1の結果を
表4に併記した。
【0048】比較例1 固定化用高分子素材中に全く包括されていない菌体を用
いて、実施例4と同様の炭酸アンモニウム緩衝溶液中及
び反応条件下で、L−フェニルアラニンを生成・蓄積さ
せた。すなわち、実施例4と同重量の同一菌体を用い
て、固定化の有無のみを反応条件の差異として、Lーフ
ェニルアラニンを蓄積させた場合について、両者の比較
を行った。
【0049】反応終了後の、L−フェニルアラニンの濃
度は、5.2%であった。実施例4と比較例1の結果を
表4に併記した。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度の炭酸イオンを
含む条件下でゲルを作製し、さらに、このゲルを高濃度
の無機塩溶液中で使用する限りは、成形されたゲルに強
度を付加するプロセスを完全に省略できるので、ゲルの
工業上の利用がより容易になるという効果を期待でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長原 清輝 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 福原 信裕 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコールとκ−カラギーナン
    からなる高分子素材をゲル基材として用い、微生物また
    は酵素などの生体触媒を包括的に固定化させたゲルを作
    製する場合において、ゲル成形時に用いる無機塩溶液
    が、高濃度の炭酸イオンを含む条件下での固定化ゲル作
    製法。
  2. 【請求項2】 請求項1の無機塩溶液の炭酸イオン濃度
    が1.5M以上である場合の固定化ゲル作製法。
  3. 【請求項3】 請求項2の無機塩溶液が、5.0M以上
    のアンモニウムイオンを含む場合の固定化ゲル作製法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3の方法にて調製し
    た固定化ゲルを、高濃度の無機塩溶液中にて使用するこ
    とにより、包括された微生物または酵素などの生体触媒
    に特異的な生化学反応を進行させることを特徴とした固
    定化ゲルの使用法。
  5. 【請求項5】 請求項4の高濃度無機塩溶液が、1.5
    M以上の炭酸イオンを含む場合の固定化ゲル使用法。
  6. 【請求項6】 請求項4の高濃度無機塩溶液が、高濃度
    の炭酸アンモニウム溶液である場合の固定化ゲル使用
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6の高濃度の炭酸アンモニウム溶
    液が、炭酸イオン濃度が1.5M以上、アンモニウムイ
    オン濃度が5.0M以上である場合の固定化ゲル使用
    法。
JP33841591A 1991-12-20 1991-12-20 生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法 Pending JPH05168481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33841591A JPH05168481A (ja) 1991-12-20 1991-12-20 生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33841591A JPH05168481A (ja) 1991-12-20 1991-12-20 生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05168481A true JPH05168481A (ja) 1993-07-02

Family

ID=18317946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33841591A Pending JPH05168481A (ja) 1991-12-20 1991-12-20 生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05168481A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1108371C (zh) * 1997-05-29 2003-05-14 科学技术振兴事业团 微量元素·无机营养盐类扩散型菌体培养用载体
JP2018504137A (ja) * 2015-02-03 2018-02-15 上▲海▼▲凱▼▲賽▼生物技▲術▼研▲發▼中心有限公司 固定化細胞及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1108371C (zh) * 1997-05-29 2003-05-14 科学技术振兴事业团 微量元素·无机营养盐类扩散型菌体培养用载体
JP2018504137A (ja) * 2015-02-03 2018-02-15 上▲海▼▲凱▼▲賽▼生物技▲術▼研▲發▼中心有限公司 固定化細胞及びその製造方法
US10619148B2 (en) 2015-02-03 2020-04-14 Cathay Biotech Inc. Immobilized cell and preparation method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4797358A (en) Microorganism or enzyme immobilization with a mixture of alginate and silica sol
JPH0416156B2 (ja)
JPS59113889A (ja) 固定化酵素もしくは固定化微生物菌体の製造方法
US4525457A (en) Method of immobilizing enzymatically active materials
US5093253A (en) Method for microbial immobilization by entrapment in gellan gum
JPH05168481A (ja) 生体触媒を包括した固定化ゲルの作製法及びその使用法
EP0056111B1 (en) Immobilized enzymatic active substance and method for preparing the same
CN106636294B (zh) 一种固定化双酶耦合反应生产非天然氨基酸产品的工艺
JP2622170B2 (ja) 球状ポリビニルアルコール系含水ゲル及びその製造法
EP0340378B1 (en) Method for microbial immobilization
JPH066601B2 (ja) ゲル又は固定化ゲルの製造法
EP0859051A1 (en) Immobilized biocatalyst
KR900002839B1 (ko) 담체 매트릭스에서 세포 및 효소를 고정시키는 조성물 및 방법
JPH0416155B2 (ja)
RU2420581C1 (ru) Способ получения биокатализатора, обладающего активностью в отношении синтеза цефалоспоринов-кислот
JPH01285189A (ja) 微生物細胞の固定化方法
JPH01128787A (ja) 微生物菌体の固定化担体及びその製造方法
JPH0616706B2 (ja) 固定化酵素の製造法
JP2777211B2 (ja) 球状の生体触媒固定化成形物の製造方法
JPH0468896B2 (ja)
SU1742330A1 (ru) Способ получени биокатализатора в полисахаридном носителе
JPS62215389A (ja) 酵素又は微生物菌体の粒状固定化成形物及びその製造方法
JP2016140306A (ja) 顆粒及び有用物質の製造方法
JPH03146128A (ja) 生体触媒固定化ゲル
JPH0195780A (ja) 固定化酵素の保存方法