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JPH05139095A - 艶消し転写箔及び化粧材 - Google Patents

艶消し転写箔及び化粧材

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Publication number
JPH05139095A
JPH05139095A JP3329982A JP32998291A JPH05139095A JP H05139095 A JPH05139095 A JP H05139095A JP 3329982 A JP3329982 A JP 3329982A JP 32998291 A JP32998291 A JP 32998291A JP H05139095 A JPH05139095 A JP H05139095A
Authority
JP
Japan
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matte
film
layer
transfer foil
fine
Prior art date
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Granted
Application number
JP3329982A
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English (en)
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JP3164619B2 (ja
Inventor
Michiko Fujihira
美智子 藤平
Tomoko Iwasa
智子 岩佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP32998291A priority Critical patent/JP3164619B2/ja
Publication of JPH05139095A publication Critical patent/JPH05139095A/ja
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Publication of JP3164619B2 publication Critical patent/JP3164619B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 艶消し部又は艶の異なる部分がスウェードの
如き柔和で、超艶消し状態である優れた意匠性を有し、
且つ転写箔の製造が容易であり、又、転写箔を用いた艶
消し付与の作業も容易な艶消し転写箔を提供すること、
及び、部分的に艶消し状態が設けられているか又は、艶
の異なる艶消し部分を有し、且つ製造も容易である化粧
材を提供すること。 【構成】 マット剤を添加した離型性バインダー樹脂を
用いて形成した特定表面形状の微細凹凸塗膜層2が基材
フィルム4上に部分的に設けられている賦形フィルム3
を用い、該賦形フィルム3の微細凹凸塗膜層2が形成さ
れている面側に、艶消し樹脂層5、接着剤層6が順次積
層されている艶消し転写箔1であり、該転写箔1を基材
に転写して化粧材11を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は艶消し転写箔及び化粧材
に関し、詳しくは部分的に艶消し部が設けられているか
又は艶消し面に艶消し状態の異なる部分が設けられてい
る転写箔と該転写箔を用いた化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】家具、建材、弱電等の各種分野におい
て、これらの分野の製品の表面を艶消し状態にすること
が意匠の一つとして行われている。製品表面を艶消し状
態にする手段は例えば、製品に直接艶消し塗料を用いて
塗装する方法、予め艶消し樹脂層を形成した転写箔を用
いて製品に該転写箔を転写して艶消し樹脂層を転移させ
る転写法、基材表面に各種手段を用いて艶消し状態にし
た化粧材を用い該化粧材を製品表面に貼着しする方法
等、種々の方法がある。
【0003】ところで、艶消し表面を全面に設けるので
はなく、部分的に所望の部分のみを艶消し状態とした
り、又艶消し表面の中で部分的に艶の状態の異なる部分
を形成することが要求されることがある。従来、上記の
如く部分的に艶消し状態を形成する場合、例えば1)転
写箔の場合、基材フィルム上に内部凝集力が基材フィル
ム/インキ及びインキ/剥離部分の密着力より小さいイ
ンキ層を部分的に設けた転写箔を形成し、該転写箔を用
いて転写を行い上記インキ層を層間剥離させその部分を
艶消し状態とする方法、2)通常の艶を有する転写箔を
用いて転写を行った後、艶消しにしたくない部分にマス
キングを施した後、全面に艶消し層を設けた転写箔を使
用し、しかる後マスキングを除去して所望の部分のみ艶
消しにする所謂2段転写法、3)基材フィルム上に直
接、マット剤入の艶消しインキの模様層及び、絵柄層、
接着剤層を部分的に形成し、該模様層を転写する方法
4)基材フィルムの表面にマット剤を含有した離型性イ
ンキを用いて部分的に艶消し部分を印刷形成し硬化密着
させ、これを離型層とした後、剥離層、絵柄層、接着剤
層等を順次積層した転写箔を用いる方法、5)射出成形
品等のような成形品の場合には、金型内に艶消しにしよ
うとする部分にシボを設けて成形を行い、シボ部分のみ
を艶消しとする方法等が知られている。又、その他の手
段として、6)マット剤を含有したインキ或いは塗料を
用いて、公知の手法、例えばグラビア印刷、シルクスク
リーン印刷等の印刷法或いは、ハケ塗り、パターン状の
マスクを通しての吹付け塗装等により、直接製品の表面
にマット剤入インキ或いは塗料のパターンを部分的に形
成する方法もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】艶消し表面として要求
される特性としては、スウェードの如き柔和な触感が
得られること、艶消し度合いが高い超艶消しの状態を
得ることであり、又その場合工程が煩雑でなく、容易
に上記、の艶消し状態を付与することが可能である
ことが要望されている。
【0005】しかしながら、上記1)、3)の転写箔を
用いた場合にははいずれも艶消し状態が小さく、触感も
柔和なスウェード調のものが得られるものではなかっ
た。又、4)の転写箔を用いた場合には1)に比較して
かなり艶消し状態とすることは可能であるが、やはり触
感の柔和なスウェード調のものが得られない欠点があ
り、2)の方法は工程が煩雑であり作業性が悪いという
問題があった。又、転写箔を使用しない5)の場合に
は、艶消し状態は優れているものの、スウェード調の柔
和な触感が得られないという問題があった。又6)の場
合は、インキや塗料を乾燥するのに時間がかかり、又製
品が溶剤分に弱い材質の場合はインキや塗料中の溶剤分
により、変質、劣化する場合もある。特にビーズ顔料の
ような艶消剤入のインキの場合、遅乾性溶剤がよく使れ
る為、此の問題は深刻である。
【0006】本発明は上記従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、艶消状態を部分的に形成するか又は、艶の異
なる部分を形成しようとする場合において、上記艶消し
部又は艶の異なる部分がスウェードの如き柔和で、超艶
消し状態である優れた意匠性を有し、且つ転写箔の製造
が容易であり、又、転写箔を用いた艶消し付与の作業も
容易な艶消し転写箔を提供すること、及び、部分的に艶
消し状態が設けられているか又は、艶の異なる艶消し部
分を有し、且つ製造も容易である化粧材を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明艶消し転写箔は、
基材フィルム上に艶消し微細凹凸が部分的に設けられて
いる賦形フィルムを用い、該賦形フィルムの艶消し微細
凹凸の上に少なくとも艶消し樹脂層が積層されてなるこ
とを特徴とするものである。
【0008】又、本発明のもう一つの艶消し転写箔は、
基材フィルム上に艶消し微細凹凸が全面的に設けられ、
更に該艶消し微細凹凸の表面にマット剤を含有しない離
型性バインダー樹脂からなる樹脂層が部分的に設けられ
た賦形フィルムを用い、該賦形フィルムの艶消し微細凹
凸が形成されている面側に、少なくとも艶消し樹脂層が
積層されてなることを特徴とするものである。
【0009】本発明は上記艶消し転写箔において、賦形
フィルムの艶消し微細凹凸が、球形状もしくは球形類似
形状のマット剤を添加した離型性バインダー樹脂を用い
て、該マット剤の重心がバインダー成分塗膜の平均水準
面から突出した表面状態となるように塗工して形成さ
れ、且つ表面グロス値(60°入射)が0.1〜10%
であると共に表面粗さが0.5〜40μmの塗膜層とし
て形成するのが好ましい。
【0010】又、上記艶消し転写箔において、賦形フィ
ルム表面側の艶消し微細凹凸のない部分又は、マット剤
を含有しないバインダー樹脂からなる樹脂層に絵柄層を
設けることや、艶消し樹脂層にビーズ顔料を含有せしめ
ることができる。
【0011】本発明化粧材は上記の艶消し転写箔を用い
て他の基材に転写を行い、該基材の表面に艶消し樹脂層
を設けてなるものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図面は本発明の実施例を表し、図1は本発
明転写箔の1例を示し、(a)は縦断面図、(b)はそ
の他の基材に転写した後の縦断面図である。本発明艶消
し転写箔1は図1に示すように、例えばマット剤を添加
した離型性バインダー樹脂を用いて形成した特定表面形
状の微細凹凸塗膜層からなる艶消し微細凹凸2が基材フ
ィルム4上に部分的に設けられている賦形フィルム3を
用い、該賦形フィルム3の艶消し微細凹凸2が形成され
ている面側に、艶消し樹脂層5、接着剤層6が順次積層
されているものである。
【0013】上記の賦形フィルム3に用いる基材フィル
ム4としては、通常の賦形フィルム用基材として用いら
れるものであれば特に限定されない。基材フィルム4の
厚みは通常12〜100μm程度である。基材フィルム
4の材質として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリアミド、アクリル、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ポリスチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ
テトラクロロエチレン、テフロン、ポリフッ化ビニリデ
ン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリイミド、セロハン等からなるフ
ィルムを単体で、或いはそれらのフィルムどうしを適宜
貼り合わせたり、その樹脂を直接塗布して積層フィルム
としたもの、又はアルミ箔、紙等と複合したもの等が挙
げられ、なかでもポリエステルフィルムが最も好まし
い。
【0014】図5は賦形フィルム3の艶消し微細凹凸2
の拡大図である。艶消し微細凹凸の凹凸形状としては、
用途及び所望の製品表面艶に応じて、任意のものを選択
すれば良いが、特にスエード調の艶消しを良好に再現す
る為には、図5に示すように艶消し微細凹凸2は、球形
状もしくは球形類似形状のマット剤の重心Xがバインダ
ー成分塗膜8の平均水準面Hから突出した表面状態とな
るように塗工して形成されてなる微細凹凸塗膜層からな
るものが好ましい。
【0015】上記の微細凹凸塗膜層の表面は、表面グロ
ス値(60°入射)が0.1〜10%であると共に表面
粗さが0.5〜40μmに形成されている。尚表面グロ
ス値(60°入射)は、JISZ8741に準じた鏡面
光沢度測定法により測定されるものであり、表面粗さは
マット剤の存在していない箇所の位置Hから塗膜のマッ
ト剤の存在する部分の最大突出部Yまでの距離にて表し
たものである。
【0016】微細凹凸塗膜層に添加されるマット剤は、
艶消し状態を与えるために添加するものであり、その形
状は一般的には球形状のもので、それ以外にも表面が滑
らかな状態の球形状に類似した楕円、ナス型、カーディ
オイトと対象軸に回転させた回転体等の形状が用いられ
る。このようなマット剤の材質として例えば微粒子やビ
ーズ顔料があり、これら単独使用又は併用することがで
きる。
【0017】微粒子の材質は、例えばシリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、クレイ、シ
ラスバルーン、ベンゾクアナミン、タルク等が挙げられ
る。上記微粒子の粒径は、0.8〜30μm程度であ
り、好ましくは1.0〜30μm程度である。又、微粒
子のバインダー樹脂に対する添加量は微細凹凸塗膜層の
表面グロス値等に応じて適宜決めることができる。
【0018】又、ビーズ顔料としては、例えば、Fe2 O
3 、TiO 2 、CaCO3 、キナクリドン等の通常の顔料の微
粉末表面を、ポリウレタン、アクリル、エポキシ、ポリ
エステル、ナイロン、フッ素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体等の弾力性のある樹脂で被覆したものが用
いられる。ビーズ顔料は粒径2〜30μmのものが、ス
ウェード調の風合いを発現することが可能であり、接着
剤層6の塗工性及び基材に対する密着性が向上するため
により好ましい。
【0019】塗膜中に添加される上記マット剤の表面グ
ロス値及び表面粗さは、微粒子の場合、表面グロス値が
0.1〜10%で表面粗さが0.5〜30μmの範囲が
好ましく、又、ビーズ顔料の場合は表面グロス値が0.
01〜6%、表面粗さが1〜40μmが好ましい。
【0020】上記マット剤を保持して微細凹凸塗膜層を
形成する離型性バインダー樹脂は、基材フィルム4に対
して密着性が良好であり、且つ転写後に賦形フィルム3
を剥離する際に艶消し樹脂層5との離型性の良好なもの
であればよい。この離型性バインダー樹脂の材質は、例
えば熱可塑性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いること
ができ、電離放射線硬化性樹脂としてはポリエステルク
アクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシ
ルエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート等が好ましい。尚、電離放射線としては、紫外
線又は電子線が通常良く用いられる。
【0021】微細凹凸塗膜層を形成するには、所望のパ
ターン状に部分的に基材フィルム上に公知のグラビア、
シルクスクリーン等の任意の印刷方法で設けることがで
きる。又、微細凹凸塗膜層のパターンとしては、艶消し
としたい所望の模様に応じて適宜決めればよく、例え
ば、格子状、文字(会社のロゴ等)等を任意に設けるこ
とができる。
【0022】本発明において、賦型フィルム3表面の艶
消し微細凹凸2は上記のように微細凹凸塗膜層塗膜とし
て形成する以外に、基材フィルム4表面に、公知のエン
ボス加工、凹凸工程紙へのキャスト法等により直接形成
することもできる。
【0023】艶消し樹脂層5及び必要に応じて設ける接
着剤層6は転写層9として、転写後にその他の基材13
(被転写体)側へ転移するものであり、艶消し樹脂層5
の表面が通常被転写体表面として形成される。従って前
述の艶消し微細凹凸2のパターンに対応した部分が凹部
10となり、その凹部10内が艶消し状に形成される
〔図1(b)参照〕。
【0024】図6は賦形フィルムを剥離した後の艶消し
樹脂層5の拡大図である。図6に示すように、艶消し樹
脂層5は転写後その他の基材表面となるものであるか
ら、艶消し微細凹凸を例えば前述の微細凹凸塗膜層とし
て形成した場合、賦形フィルム3を剥離した後、表面が
内側膨張形状の凹陥部18となるように形成される。
【0025】次に賦形フィルム4の表面に設けられる艶
消し樹脂層5は、所望の物性を有する樹脂から形成すれ
ばよいが、艶消し樹脂層5に熱硬化性樹脂を用いると硬
化時の高熱により基材に歪みが生じやすいため、熱硬化
性樹脂以外の樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂や電離放射
線硬化性樹脂等が用いられる。
【0026】艶消し樹脂層5の材質として具体的には例
えばアクリル、キレート硬化型アクリル、ポリエステル
ウレタン、2液硬化タイプとしてはエポキシ硬化型アク
リル、アクリルウレタン、ウレタンエラストマー、電離
放射線硬化性樹脂としてはポリエステルアクリレート、
ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げ
られる。なかでも耐擦傷性に優れた樹脂層が得られるこ
とからアクリルウレタン、ウレタンエラストマーが好ま
しい。
【0027】また、艶消し樹脂層5には艶消し効果を高
めるために任意の着色を施したり、艶消し剤を添加する
こともできる。上記の艶消し剤としては、前述の艶消し
微細凹凸に添加した微粒子やビーズ顔料等を用いればよ
い。特にビーズ顔料をビヒクルに添加したスウェードイ
ンキを用いると、スウェード調の風合いを発現すること
が可能であり、接着剤層の塗工性及び基材に対する密着
性が向上する。
【0028】艶消し樹脂層5を形成するには、上記の樹
脂に顔料や微粒子等を分散した塗料やスウェードインキ
を賦形フィルム3の艶消し微細凹凸2の面側に、グラビ
アコート、ロールコート等のコーティング法やスクリー
ン印刷等の印刷法により塗工し、加熱或いは電離放射線
の照射等で樹脂を乾燥又は硬化させて形成する。艶消し
樹脂層5の厚みは25〜35μm(塗布量で10〜30
g/m2 )程度が好ましい。尚、此の艶消し樹脂層は、
少なくとも、微細凹凸のパターンよりも大きければ(即
ち賦型できれば)良く、全面ベタの他、部分的な模様状
に形成しても良い。
【0029】接着剤層6は艶消し樹脂層と被転写体との
良好な接着を確保するためのものであり、その他の基材
の材質により公知の接着剤の中から適宜決めればよい。
一般にアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ゴム系樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の単体、又は
上記樹脂を混合してなるものが使用される。接着剤の形
態としては、感熱接着、感圧接着(粘着剤)、溶剤活性
接着、又は電子線、紫外線等による接着方式のいずれで
も良い。
【0030】又、艶消し樹脂層の樹脂としてウレタン系
の樹脂を用い、該樹脂層が接着剤層と直接接している場
合には、接着剤樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂共重
合体を10〜20重量%含有させると、艶消し樹脂層5
と接着剤樹脂の密着がより良好となるため好ましい。
又、接着剤層6の厚みは、艶消し樹脂層の凹凸を十分カ
バーし、被転写体への接着力が十分確保できる厚みであ
ればよい。
【0031】尚、艶消し樹脂層自体に接着性がある場合
には、接着剤を省略しても良い。但し、この場合は、接
着剤層を兼ねる艶消樹脂層の樹脂は、転写時の賦型フィ
ルムからの離型性、転写後の表面のベトツキ、汚染の防
止の点から、粘着剤は避ける。
【0032】図1(b)は本発明艶消し転写箔を用いて
転写を行った場合を示す断面図である。同図に示される
ように本発明艶消し転写箔1は、その他の基材13に接
着剤層6が接するように重ね合わせ、必要に応じ加圧も
しくは加熱等を加えた後に、賦形フィルム3を剥離する
ことにより、転写層9が容易にその他の基材13に転移
して、艶消し部を部分的に有する表面を付与して、本発
明化粧材が得られる。上記のその他の基材13は、通常
化粧材の基材として用いられるものであればよく、例え
ばMDF、パーチクルボード等の木質基材、鉄板、塩化
ビニル被覆鋼板、アルミニウム板等の金属板等の平板又
は立体成形体、紙、織布又は不織布、樹脂シート、金属
箔等のシート、セラミックス板、熱可塑性樹脂板、熱硬
化性樹脂板などの板状体、その他上記材料を複合化した
もの等が挙げられる。
【0033】図2は本発明艶消し転写箔の他の例を示す
もので、(a)は縦断面図、(b)は該艶消し転写箔を
その他の基材に転写した後の縦断面図である。図2に示
すように、本発明艶消し転写箔1は賦形フィルム3の表
面に剥離層14や、絵柄層15を設けることもできる。
【0034】この剥離層14は賦形フィルムの剥離を容
易にするために設けるもので、賦形フィルムを剥離した
際にその他の基材側に残存するもので、両者の剥離を容
易ならしめる効果を有するものである。又艶消し樹脂層
5の艶消し部以外を保護し光沢を調節する効果もある。
剥離層14の材質は転写箔に通常使用されるものを用い
ることができ、具体的には、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレ
ート、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ウレタン、エポ
キシ樹脂、セルロース等の樹脂単独、あるいはそれらの
混合樹脂が挙げられる。又剥離層14を形成する樹脂に
は必要に応じてワックス、マット材等を添加してもよ
い。これらの樹脂はグラビアコート、ロールコート等の
コーティング方式や、スクリーン印刷、グラビア印刷等
の印刷方法により塗布して形成される。
【0035】上記絵柄層15は、転写箔の装飾性を向上
する為に設けられるものであり、図2に示すように艶消
し微細凹凸2以外の剥離層14の部分に同調して設ける
のが好ましい。絵柄層15は通常の印刷インキ、例えば
剥離層を形成する樹脂と同様の樹脂をビヒクルとしたイ
ンキを用いて所望のパターンに印刷形成する。印刷方法
はグラビア、シルクスクリーン、オフセット等の方法が
ある。 又、絵柄層15は通常のインクにより模様、絵
柄、図柄等を施した模様層、或いはインクによるベタ刷
層、或いは金属蒸着層、部分金属蒸着層等の各層単独或
いはこれらの層の2層以上から形成することができる。
【0036】図3は本発明艶消し転写箔のその他の例を
示すもので、(a)は縦断面図、(b)は該艶消し転写
箔をその他の基材に転写した後の縦断面図である。図3
に示すように本発明艶消し転写箔1は、基材フィルム4
の表面に艶消し微細凹凸2を全面に設け、更に該艶消し
微細凹凸2表面の艶消しとしない部分にマット剤を添加
しない離型性バインダー樹脂からなる樹脂層16を設け
たものを賦形フィルム3として使用することもできる。
【0037】マット剤を添加しない離型性バインダー樹
脂からなる樹脂層16は、所望部分を艶消しにしないよ
うに形成するもので、材質は前述の微細凹凸塗膜層等に
用いる樹脂等が使用できくが、熱硬化型のアクリル/ウ
レタンの共重合体または混合樹脂を用いると、マット剤
の保持力、艶消し状態、光沢等に優れた転写箔が得られ
るため好ましい。尚、この場合図3(b)に示すよう
に、図1、2に示す艶消し転写箔と異なり、その他の基
材に転写後は艶消し樹脂層5の凹部10が光沢部となり
凸部17が艶消部となる。
【0038】図4は本発明艶消し転写箔のその他の例を
示すもので、(a)は縦断面図、(b)はその他の基材
に転写した後の縦断面図である。図4に示すように、本
発明の艶消し転写箔は、離型性バインダー樹脂層16の
上に剥離層14を設け、該剥離層14の上に絵柄層15
を設けることができる。このように形成した場合、転写
箔を転写して賦形フィルム3を剥離した後のその他の基
材13の表面は同図(b)に示すように、凹部10の内
部に絵柄が設けられ、該絵柄が剥離層14により保護さ
れた状態となり、凸部17が艶消し状に形成される。
【0039】以下、具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ製:S)の表面にマット剤を添加したバインダー
樹脂からなるインキ(諸星インキ製:ケミカルマット2
A)を用いグラビアリバース方式で印刷して部分的に艶
消し微細凹凸を有する賦形フィルムを得た。次に上記賦
形フィルムの艶消し微細凹凸を設けた面にビーズ顔料を
含有するスウェード樹脂(昭和インク工業所製:スウェ
ードインキNo.2)を塗布量15g/m 2 (dry) となるよう
にダイコートを用いて塗工し艶消し樹脂層を全面に形成
し、しかる後該樹脂層上に接着剤層(昭和インク工業所
製:HS32グレー)を設けて転写箔を得た。得られた
転写箔を用い、ロール転写で成形品に転写したところ、
部分的にスウェード調の超艶消しで柔和な意匠を有する
成形品が得られた。
【0040】実施例2 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ製:F−65)の表面に、マット剤を添加した離
型性バインダー樹脂からなる塗料を全面に塗工して半硬
化させた後、マット剤を添加しない離型性バインダー樹
脂からなる塗料をシルク印刷して完全硬化させ部分的に
艶消し微細凹凸を有する賦形フィルムを得た。次に上記
賦形フィルムの艶消し微細凹凸を設けた面に、グロス部
分(光沢部、つまり艶消し微細凹凸のない部分)に同調
させて剥離層(昭和インク工業所製:ハクリ46−7)
を形成し、該剥離層の表面に実施例1と同様の材質、方
法で艶消し樹脂層及び接着剤層を設けて転写箔を得た。
得られた転写箔を用い、射出成形同時絵付転写を行った
ところ部分的にスウェード調の超艶消しで柔和な意匠を
有し、且つ実施例1の場合に比較してさらにマット部分
とグロス部分の艶の差が大きな表面の意匠を有する成形
品が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明した如く本発明転写箔は上記構
成を採用したことにより、従来の部分艶消し転写箔と比
較して艶消し部分がスウェード調の超艶消しで柔和な優
れた意匠性をその他の基材に付与することができ、しか
もその作業も一度の転写のみで艶のない部分と艶のある
部分、又は艶の異なる部分を表面に付与することができ
るので、手間がかからずに容易に行うことができる。又
本発明化粧材は優れた艶消し意匠を有するものが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明艶消し転写箔の1例を示し、(a)は縦
断面図、(b)はその他の基材に転写した後の縦断面図
である。
【図2】本発明艶消し転写箔の他の例を示し、(a)は
縦断面図、(b)はその他の基材に転写した後の縦断面
図である。
【図3】本発明艶消し転写箔のその他の例を示し、
(a)は縦断面図、(b)はその他の基材に転写した後
の縦断面図である。
【図4】本発明艶消し転写箔のその他の例を示し、
(a)は縦断面図、(b)はその他の基材に転写した後
の縦断面図である。
【図5】艶消し微細凹凸の拡大図である。
【図6】賦形フィルムを剥離した後の艶消し樹脂層の艶
消し微細凹凸に対応する部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 艶消し転写箔 2 艶消し微細凹凸 3 賦形フィルム 4 基材フィルム 5 艶消し樹脂層 7 マット剤 8 バインダー成分塗膜 11 化粧材 15 絵柄層 16 樹脂層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルム上に艶消し微細凹凸が部分的
    に設けられている賦形フィルムを用い、該賦形フィルム
    の艶消し微細凹凸の上に少なくとも艶消し樹脂層が積層
    されてなることを特徴とする艶消し転写箔。
  2. 【請求項2】基材フィルム上に艶消し微細凹凸が全面的
    に設けられ、更に該艶消し微細凹凸の表面にマット剤を
    含有しない離型性バインダー樹脂からなる樹脂層が部分
    的に設けられた賦形フィルムを用い、該賦形フィルムの
    艶消し微細凹凸が形成されている面側に、少なくとも艶
    消し樹脂層が積層されてなることを特徴とする艶消し転
    写箔。
  3. 【請求項3】賦形フィルムの艶消し微細凹凸が、球形状
    もしくは球形類似形状のマット剤を添加した離型性バイ
    ンダー樹脂を用いて、該マット剤の重心がバインダー成
    分塗膜の平均水準面から突出した表面状態となるように
    塗工して形成され、且つ表面グロス値(60°入射)が
    0.1〜10%であると共に表面粗さが0.5〜40μ
    mの塗膜層である請求項1、2記載の艶消し転写箔。
  4. 【請求項4】賦形フィルム表面側の艶消し微細凹凸のな
    い部分又は、マット剤を含有しないバインダー樹脂から
    なる樹脂層に絵柄層が設けられている請求項1、2、又
    は3記載の艶消し転写箔。
  5. 【請求項5】艶消し樹脂層にビーズ顔料を含有せしめた
    請求項1、2、3又は4記載の艶消し転写箔。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載の艶消し転写箔を用いて
    他の基材に転写を行い、該基材の表面に艶消し樹脂層を
    設けてなる化粧材。
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