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JPH05127155A - 液晶光学素子及びその製造方法並びにそれを用いた調光体 - Google Patents

液晶光学素子及びその製造方法並びにそれを用いた調光体

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Publication number
JPH05127155A
JPH05127155A JP31747391A JP31747391A JPH05127155A JP H05127155 A JPH05127155 A JP H05127155A JP 31747391 A JP31747391 A JP 31747391A JP 31747391 A JP31747391 A JP 31747391A JP H05127155 A JPH05127155 A JP H05127155A
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JP
Japan
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liquid crystal
functional group
optical element
crystal optical
resin matrix
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JP31747391A
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Satoshi Niiyama
聡 新山
Yutaka Kumai
裕 熊井
Tsuneo Wakabayashi
常生 若林
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AG Technology Co Ltd
Original Assignee
AG Technology Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05127155A publication Critical patent/JPH05127155A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電極付き基板と液晶樹脂複合体との間の接合性
を高め、剥離を抑制し、液晶光学素子の信頼性を向上さ
せる。 【構成】電極付き基板の電極側表面に、樹脂マトリクス
を形成する硬化性化合物に含まれる官能基と反応可能な
官能基、特に好ましくは同じ官能基を有する化合物のオ
ーバーコート層を設けて、液晶樹脂複合体の硬化時に一
体化することにより、液晶光学素子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂マトリクス中に液
晶物質が分散保持された液晶樹脂複合体を用いた液晶光
学素子及びその製造方法並びにそれを用いた調光体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年 H.G.Craigheadらが Appl.Phys.Let
t.,40(1) 22(1982) に開示したように、液晶の屈折率異
方性を生かして、樹脂マトリクス中に液晶物質を分散さ
せた液晶樹脂複合体のフィルムを一対の電極付き基板間
に挟持した液晶光学素子が注目されている。
【0003】これらは具体的には、液晶物質を多孔体に
含浸させたり、液晶物質をマイクロカプセル中に封入し
たりした液晶樹脂複合体を使用し、電圧印加の有無によ
り液晶の屈折率を変化させ、マトリクスを構成する多孔
体やマイクロカプセル外壁との屈折率を調節することに
より、透過散乱を制御するものである。
【0004】これらは、他に J.L.Fergason らがポリビ
ニルアルコ−ルを使ってマイクロカプセル化したネマチ
ック液晶の液晶樹脂複合体により(特表昭58−501631
号)、また K.N.Pearlman らは種々のラテックス取り込
み液晶の液晶樹脂複合体により(特開昭60−252687
号)、また J.W.Doaneらは、エポキシ樹脂中に液晶を分
散硬化させた液晶樹脂複合体により(特表昭61−502128
号)作製している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの製造方法によ
り作製された液晶樹脂複合体を用いた液晶光学素子にお
いては、電圧を印加するために、電極付き基板に液晶樹
脂複合体を挟持する必要がある。
【0006】この電極付き基板には、光を透過させるた
めに、ガラスや透明プラスチックなどの基板の上に、In
2O3-SnO2(ITO)、SnO2等の金属酸化物や、金、銀な
どの金属の薄膜を設けたものが用いられることが多い。
【0007】液晶樹脂複合体を用いた液晶光学素子にお
いては、電極に液晶や液晶を取り囲む他の有機物である
樹脂が直接接する構造を有している。そのため、その液
晶を含む樹脂の硬化物とこれらの電極材料との密着性が
充分でないと、長期的な信頼性が低下する。即ち、液晶
を含む樹脂の硬化物と電極との間に剥離が生じ、素子に
電圧を印加しない状態で素子面内に散乱むらが生じて外
観を損ねたり、電圧を印加した際、部分的に素子に充分
な電圧が印加されなくなったりする等して素子の性能を
低下させるといった問題点が生じていた。
【0008】このため、電極材料表面と液晶を含む樹脂
の硬化物との密着性を向上させ、その接合面での剥離に
よる外観及び特性不良を防止し、長期的に素子の特性が
維持させる必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、樹脂マトリクス中に液晶
物質が分散保持された液晶樹脂複合体を一対の電極付き
基板間に挟持してなり、電圧の印加状態により光の透過
状態を制御する液晶光学素子において、少なくとも一方
の電極付き基板の電極側表面の少なくとも一部に、樹脂
マトリクスを形成する硬化性化合物に含まれる官能基と
反応可能な官能基を有する化合物のオーバーコート層を
設けて、液晶樹脂複合体を一体化したことを特徴とする
液晶光学素子、及び、その樹脂マトリクスを形成する硬
化性化合物に含まれる官能基とオーバーコート層の官能
基とを同一な基とする液晶光学素子、及び、その樹脂マ
トリクスを形成する硬化性化合物がビニル基を含有する
ものであり、オーバーコート層がビニル基を含有するも
のである液晶光学素子を提供するものである。
【0010】また、樹脂マトリクス中に液晶物質が分散
保持された液晶樹脂複合体を一対の電極付き基板間に挟
持してなり、電圧の印加状態により光の透過状態を制御
する液晶光学素子の製造方法において、少なくとも一方
の電極付き基板の電極側表面の少なくとも一部に、一般
式MXmn (Mは金属原子、Xは樹脂マトリクスの樹
脂に含まれる官能基と同じ官能基を含む基、Yの少なく
とも1つは加水分解可能な基、m及びnは自然数でm+
nが金属の価数を表す)で表される有機金属化合物を付
与して、これを加水分解して、樹脂マトリクスの硬化性
化合物に含まれる官能基と反応可能な官能基を有する化
合物のオーバーコート層を設け、その後液晶樹脂複合体
を形成する液晶と硬化性化合物との混合物を供給し硬化
させることを特徴とする液晶光学素子の製造方法、及
び、その樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物に含ま
れる官能基とオーバーコート層の官能基とを同一な基と
する液晶光学素子の製造方法、及び、樹脂マトリクスを
形成する硬化性化合物がビニル基を含有するものであ
り、Xがビニル基を含有する基である液晶光学素子の製
造方法、並びに、それらの液晶光学素子を用いた調光体
を提供するものである。
【0011】本発明の液晶光学素子では、電極付き基板
の電極側表面に樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物
に含まれる官能基と反応性のある官能基、特には同じ官
能基を有する化合物のオーバーコート層を設けている。
このため、電極付き基板と液晶樹脂複合体との付着力が
向上し、層間剥離を生じにくいので、信頼性が向上す
る。
【0012】本発明の液晶光学素子に用いる電極付き基
板は、光を透過させるために、ガラスや透明プラスチッ
クなどの基板の上に、In2O3-SnO2(ITO)、SnO2等の
金属酸化物や、金、銀等の金属の薄膜を設けたものが用
いられる。特に、電極としては、光の透過時に高い透過
率を発現させるために、基板への着色が少ないITO、
SnO2等の金属酸化物の薄膜が好ましい。また、片方の電
極をアルミニウム蒸着膜のような反射面とし、反射型散
乱型液晶光学素子としてもよい。
【0013】基板としては、生産性、加工性等の点よ
り、大面積の液晶光学素子には、ポリエステル、ポリエ
ーテルスルホン、ポリアリレートなどの透明高分子フィ
ルムを用いることが好ましく、小型から中型の液晶光学
素子には、生産性、信頼性、使い易さ等の点より、ガラ
スが適している。
【0014】ITO等の金属酸化物薄膜やアルミニウム
などの金属薄膜をガラスや透明高分子フィルム上に形成
する方法には、EB蒸着、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、CVD、CLD等公知の薄膜形成方法を用
いればよい。
【0015】この場合、これらの電極材料と基板材料と
の接着性を向上させたり、信頼性を向上させたり、着色
層を設けたりするために、電極材料と基板材料との間に
何らかのアンダーコート層を形成してもよい。具体的に
は、SiO2、SiO2-TiO2 、Al2O3 、ZrO2等の無機酸化物
層、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ウレタン等の
有機物層等がある。また、これに模様、文字や、カラー
フィルター層の機能や遮光膜の機能を設けてもよい。
【0016】本発明の電極表面に形成される化合物のオ
ーバーコート層としては、液晶を含む樹脂が硬化する際
に同時に結合を生成させるために、樹脂マトリクスを形
成する硬化性化合物に含まれる官能基と反応性のある官
能基を有する化合物のオーバーコート層が用いられる。
なかでも、その硬化性化合物の硬化時に、電極付きの基
板と信頼性の高い結合が得られやすいので、その硬化性
化合物に含まれる官能基と同じ官能基を有する化合物の
オーバーコート層が用いられることが好ましい。
【0017】本発明では、樹脂マトリクスを形成する硬
化性化合物としてビニル基を有している樹脂を用い、電
極表面に形成させる化合物のオーバーコート層としてビ
ニル基を含有する化合物を用いることが好ましい。特
に、アクリル基が好ましく、その一部がアルキル基、ハ
ロゲン、シアノ基で置換されていてもよい。
【0018】本発明では、オーバーコート層は樹脂マト
リクスを形成する硬化性化合物に含まれる官能基と反応
性のある官能基を有する化合物のオーバーコート層が用
いられる。特には、その硬化性化合物に含まれる官能基
と同じ官能基を有する化合物とされることが好ましい。
このため、このオーバーコート層の化合物は、硬化性化
合物に含まれる官能基と反応性のある官能基を有する化
合物であれば、単なる有機化合物でも使用できる。
【0019】しかし、電極表面に形成される化合物のオ
ーバーコート層の電極表面との密着性からは、その化合
物が有機金属化合物を用いて形成されることが好まし
い。具体的には、一般式MXmn で表される有機金属
化合物を原料として用いる。なお、Mは金属原子、Xは
樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物に含まれる官能
基と反応性のある官能基を含む基、Yの少なくとも1つ
は加水分解可能な基、m及びnは自然数でm+nが金属
の価数を表す。
【0020】上記化合物中の金属原子Mは種々の金属元
素が使用できるが、Si、Ti、Zr、Cr、Alが好ましい。特
に、Si、Tiといった構造は、シランカップリング剤、チ
タネートカップリング剤としてガラスなどの表面処理剤
として知られており、ガラス、電極との接着性が良い。
【0021】Xは樹脂マトリクスを形成する硬化性化合
物に含まれる官能基と反応性のある官能基を含む基であ
る。特に、その硬化性化合物に含まれる官能基と同じ官
能基を含む基であることが好ましい。例えば、樹脂マト
リクスを形成する硬化性化合物がビニル基を有する場合
には、このXもビニル基を有するようにされる。
【0022】また、樹脂マトリクスを形成する硬化性化
合物に含まれる官能基と反応性のあるXとしては、硬化
性化合物がビニル基を有する場合には、Xはメルカプト
アルキル基が、硬化性化合物がエポキシ系である場合に
は、Xはアルキルアミノ基やグリシジル基に代表される
パーオキサイド基が、硬化性化合物がウレタン系である
場合には、Xはヒドロキシアルキル基やイソシアネート
基が例示される。
【0023】これにより、後で硬化性化合物を硬化させ
た際に、硬化性化合物に含まれる官能基とオーバーコー
ト層の官能基とが反応し、電極付き基板と樹脂マトリク
スとの結合性が向上する。この基Xの数mは、通常 1個
とされればよい。もっとも、電極付き基板側との接着性
が問題にならない限りm≧ 2としてもよい。
【0024】Yの少なくとも1つは加水分解可能な基と
され、通常Xがほとんど分解されないまたは反応しない
条件下の加熱か紫外線照射により分解され、ガラス、電
極とよく結合する。具体的には、Xがほとんど分解され
ないまたは反応しない条件下の加熱か紫外線照射により
分解されるアルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子
等が上げられる。通常、この基Yは全部の基が加水分解
可能な基とされればよい。
【0025】なお、電極付き基板側との接着性が問題に
ならない範囲内で、この基Yの一部が他のアルキル基、
水酸基、水素原子等とすることもできる。この基Yの数
nと基Xの数mは、m+nが金属の価数を表すようにさ
れる。
【0026】本発明では、トリアルコキシシラン、トリ
ハロゲノシラン等のm= 1、n= 3で全てのYが加水分
解性の基である化合物が好ましい。樹脂マトリクスを形
成する硬化性化合物がビニル基を有する場合には、例え
ば、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ア
クリロキシプロピルトリクロロシラン、3-アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどのように1分子中
にアクリル基と珪素原子とが共存する化合物は、この用
途には最も適するもののひとつである。
【0027】同様に、3-メタクリロキシトリメトキシシ
ラン、3-アクリロキシプロピルトリプロポキシチタン、
3-メタクリロキシトリブトキシチタンなどもこの用途に
適する化合物である。本発明は、これらに限定されるわ
けではなく、液晶樹脂複合体を形成する際に同時に結合
を生成し得る官能基有し、電極表面との密着性が良好な
化合物であればいずれであっても良い。
【0028】本発明の液晶樹脂複合体の樹脂マトリクス
を形成する硬化性化合物としては、多重結合を有してい
たり、縮合可能な基を有していたりする等、種々の樹脂
を形成できる硬化性化合物が使用できる。本発明では、
この硬化性化合物と液晶との混合を用いて硬化させる。
なお、この硬化性化合物は通常モノマー、オリゴマー等
が使用できるが、溶液状で供給できるものであればかな
り高分子化しているものも使用できる。
【0029】中でも、本発明の液晶樹脂複合体の樹脂マ
トリクスを形成する硬化性化合物としては、ビニル基を
含有する化合物が好適である。これは、ビニル基を含有
する化合物は硬化時に水やガス等の副生物を生じること
なく硬化できるためである。特に、光硬化性を有するも
のが、カプセルの粒径または多孔質の孔径を容易に制御
でき、硬化反応が容易で好ましい。樹脂マトリクスを形
成する硬化性化合物として、このようなビニル基を含有
する化合物を用いた場合、上記のようなオーバーコート
層形成原料を用いれば良い。
【0030】また、ビニル基を含有する化合物はモノマ
ー、オリゴマーを使用することにより、溶媒を使用せず
に液晶と均質溶液を形成しやすい。溶媒を用いない溶液
状態で供給できることにより、密封したセル内や基板間
でも硬化ができるので、製造が容易という利点もある。
【0031】液晶樹脂複合体の他の原料である液晶は、
通常はネマチック液晶が使用されるが、これにコレステ
リック成分を混ぜたものや、スメクチック液晶を使用す
ることもできる。特に、正の誘電異方性を有するネマチ
ック液晶を用い、その液晶の常光屈折率(no)を樹脂マト
リクスの屈折率とほぼ一致させた液晶光学素子は、電界
を印加しない状態で散乱状態となり、電界を印加した状
態で透過状態となる。また、これに多色性色素を混入し
た場合、電界を印加しない状態で色がついた散乱状態ま
たは着色状態となり、電界を印加した状態で透過状態と
なる。
【0032】本発明のオーバーコート層の形成方法は、
通常液晶表示素子の電極付きの基板表面にオーバーコー
ト層を形成する公知の種々の形成方法が使用できる。形
成後に電極付き基板と充分に接合しており、かつ樹脂マ
トリクスを形成する硬化性化合物に含まれる官能基と反
応可能な官能基を有するオーバーコート層が形成されて
いればよい。
【0033】例えば、水−アルコール系溶媒 100重量部
に対してオーバーコート層を形成するための化合物を
0.1〜 5重量部溶解した溶液に、電極付き基板を数分〜
数十分浸漬する。その後、80〜 200℃で加熱乾燥させる
ことにより、電極表面に該化合物を密着形成する。ま
た、この溶液に微量の酸やアルカリなどの触媒を加える
ことで、アルコキシシラン、アルコキシチタン、クロロ
シラン、クロロチタンなどの部位を加水分解し、シラノ
ール基、チタノール基とすることにより、電極付き基板
との接合性が向上する。
【0034】この電極付き基板の浸漬工程は、スプレー
塗布法、スピン塗布法、印刷法等公知の他の供給法を用
いてもよい。また、加熱乾燥工程も紫外線照射等に置き
換えることもある。
【0035】次いで、少なくとも一方に、できれば両方
にこの基板を用いて、基板間に液晶樹脂複合体を形成す
るための液晶と硬化性化合物との混合物を供給する。こ
の供給方法は、セルの場合には、注入口から注入すれば
よいし、大型基板の場合には、一方の基板上に混合物を
供給し、他方の基板を重ね合わせればよい。
【0036】次いで、加熱または紫外線照射等により、
液晶樹脂複合体の樹脂マトリクスを形成する硬化性化合
物を硬化させる。この際に、オーバーコート層中の官能
基と硬化性化合物中の官能基とが反応し、液晶樹脂複合
体とオーバーコート層とが強固に結合する。
【0037】本発明の液晶光学素子は、そのままで調光
体や表示素子に使用できる。表示素子に使用する場合に
は、通常電極をパターニングして日の字表示、ドットの
集合によるドットマトリクス表示等を行う。もちろん、
特定の図形や文字を単に表示するようにパターニングし
てもよい。調光体として用いる場合には、通常電極はパ
ターニングせずに全面ベタ電極とすればよい。もちろ
ん、この場合にも一部に電極をパターニングして温度表
示、カレンダー表示等の何らかの表示を併用するように
してもよい。
【0038】また、調光体として用いる場合には、2枚
のガラス板間に挟み込み、ポリビチルブチラール等の接
着性樹脂で一体化して合わせガラス化したり、2枚の間
隔を空けて配置したガラス板の間に配置して積層ガラス
化したりしてもよい。もちろん、ガラス板、プラスチッ
ク板等に貼りつけて使用することもできる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。 実施例1 3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1重量部を
3重量部のイソプロピルアルコールに溶解し、 100重量
部の水に加え、微量の酢酸にて液全体のpHを 5〜 6に調
整した溶液を調整した。次いで、ITOを電極として設
けた 2枚のPETフィルム(帝人社製「A-125 」)を 3
分間浸漬した後、 150℃のオーブンで30分間乾燥させ、
ITO電極表面にアクリル基を有する基板を作製した。
【0040】次に、アクリル系光重合性樹脂 2重量部に
液晶( BDH社製「E-8 」) 3重量部を溶解し、光重合開
始剤(メルク社製「ダロキュア-1116 」)0.03重量部及
び25μmのスペーサー0.01重量部を加えたもの(組成物
1)を、上記で作成した基板上に供給した。次いで、同
様にして先に作成した他方の基板を重ね合わせ、ゴムロ
ールを用い、2枚基板の間に挟み込むようにした。次い
で、紫外線照射装置により 2分間光露光して、硬化を行
って、液晶光学素子を製造した。
【0041】得られた液晶光学素子は、基板間に電圧を
印加しない状態では全面均一な散乱状態を示し、これに
400Hz、 100Vの電圧を印加したところ、全面均一な透
明状態となった。この時の透過率を視感感度の透過率計
で測定したところ70.2%であった。次に、ここで得られ
た素子を室温で 800時間放置した後、 400Hz、 100Vの
電圧を印加して同様に透過率を測定したところ、69.9%
であった。また、基板間に電圧を印加しない状態では、
初期状態と同様に全面均一な散乱状態を示した。
【0042】この液晶光学素子を2枚のガラス板間に挟
み込み、ポリビチルブチラールで一体化した合わせガラ
ス板は、電界の印加状態により透過と散乱とを制御でき
る合わせガラス板となった。
【0043】実施例2 3-メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン 1重量
部を 2重量部のアセトン溶解し、 200重量部の水に加え
た溶液を調整した。これに、SnO2を電極として設けた2
枚のガラス板を 1分間浸漬した後、 200℃のオーブンで
10分間乾燥させ、SnO2電極表面にメタクリル基を有する
基板を作製した。
【0044】次に、この基板2枚を用い、直径20μmの
微量のガラスファイバースペーサーで基板間距離を一定
にし、基板周辺を接着剤で固定したガラスセルを作製し
て、実施例1に示す組成物1からスペーサーのみを除い
たもの(組成物2)を注入し、紫外線照射装置により 2
分間光露光して、硬化を行い、液晶光学素子を製造し
た。
【0045】得られた素子は、基板間に電圧を印加しな
い状態では全面均一な散乱状態を示し、これに50Hz、 1
00Vの電圧を印加したところ、全面均一な透明状態とな
り、この時の透過率を視感感度の透過率計で測定したと
ころ65.7%であった。次に、ここで得られた素子を60℃
に保った恒温槽中に1200時間放置した後取り出し、50H
z、 100Vの電圧を印加して同様に透過率を測定したと
ころ、65.1%であった。また、基板間に電圧を印加しな
い状態では、初期状態と同様に全面均一な散乱状態を示
した。
【0046】実施例3 3-アクリロキシプロピルトリプロポキシチタン 1重量部
を 5重量部のエチルアルコールに溶解し、 200重量部の
水に加えた溶液を調製し、ITOを電極として設けたガ
ラス基板及びアルミニウムを電極として設けたガラス基
板とを30分間浸漬した後、 120℃のオーブンで60分間乾
燥させ、ITO電極表面にアクリル基を有する基板及び
アルミニウム電極表面にアクリル基を有する基板を作製
した。
【0047】次に、これら2枚の基板を用い、実施例2
と同様にガラスセルを作製し、アクリル系光重合性樹脂
1重量部に液晶(ロッシュ社製「ROTN4931」) 2重量部
を溶解し、光重合開始剤としてベンゾインイソプロピル
エーテル0.05重量部及び20μmのスペーサー0.01重量部
を加えたもの(組成物3)を注入し、紫外線照射装置に
よりITOを電極とする側から3分間光露光して、硬化
を行い、液晶光学素子を製造した。
【0048】得られた液晶光学素子は、基板間に電圧を
印加しない状態では、ITO電極側から見ると全面均一
な散乱状態を示し、これに50Hz、 100Vの電圧を印加し
たところ、液晶樹脂複合体が透明になり、裏面のアルミ
ニウム電極による全面均一な反射状態となった。この時
の反射率を反射率計で測定したところ61.5%であった。
【0049】次に、ここで得られた素子を60℃に保った
恒温槽中に1000時間放置した後取り出し、50Hz、 100V
の電圧を印加して同様に反射率を測定したところ、60.2
%であった。また、基板間に電圧を印加しない状態で
は、初期状態と同様にITO電極側からは全面均一な散
乱状態を示した。
【0050】比較例1 実施例1に示す組成物1を実施例1と同様にゴムロール
を用い、そのままITOを電極として設けた2枚のPE
Tフィルム(帝人社製「A-125 」)の間に挟み込み、紫
外線照射装置により 2分間光露光して、硬化を行い、液
晶光学素子を製造した。
【0051】得られた液晶光学素子は、基板間に電圧を
印加しない状態では全面均一な散乱状態を示し、これに
400Hz、 100Vの電圧を印加したところ、全面均一な透
明状態となり、この時の透過率を視感感度の透過率計で
測定したところ70.8%であった。次に、ここで得られた
素子を実施例1と同様に室温で 800時間放置した後、40
0Hz、 100Vの電圧を印加したところ全面が均一な透過
率とはならず、透過率の高い部分と斑点状に透過率の低
い部分が見られた。
【0052】実施例1と同様に透過率を測定したところ
透過率の高い部分は69.0%であり、透過率の低い部分は
30〜36%であった。また、基板間に電圧を印加しない状
態でも、電圧印加時と同様の斑点状に散乱むらが見られ
た。斑点状に散乱むらの見られた部分を素子面に対して
垂直に切断しその断面を調べたところ、電極表面と液晶
を含む液晶樹脂複合体とが剥離していた。
【0053】比較例2 SnO2を電極として設けた2枚のガラス基板をそのまま用
い、実施例2と同様にガラスセルを作製し、実施例2に
示す組成物2を注入して紫外線照射装置により2分間光
露光して、硬化を行い、液晶光学素子を製造した。
【0054】これに50Hz、 100Vの電圧を印加したとこ
ろ、全面均一な透明状態となり、この時の透過率を視感
感度の透過率計で測定したところ65.4%であった。次
に、ここで得られた素子を60℃に保った恒温槽中に1200
時間放置した後取り出し、50Hz、 100Vの電圧を印加し
て同様に透過率を測定したところ、全面が均一な透明状
態とはならず、透過率の高い部分と斑点状に透過率の低
い部分が見られた。
【0055】実施例2と同様に透過率を測定したところ
透過率の高い部分の透過率は65.1%であり、透過率の低
い部分では26〜32%であった。また、基板間に電圧を印
加しない状態でも、電圧印加時と同様の斑点状に散乱む
らが見られた。斑点状に散乱むらの見られた部分を素子
面に対して垂直に切断しその断面を調べたところ、電極
表面と液晶を含む液晶樹脂複合体とが剥離していた。
【0056】比較例3 ITOを電極として設けたガラスおよびアルミニウムを
電極として設けたガラスとをそのまま基板として用い、
実施例2と同様にガラスセルを作製し、実施例3に示す
組成物3を注入して紫外線照射装置によりITOを電極
とする側から3分間光露光して、硬化を行い、液晶光学
素子を製造した。
【0057】得られた液晶光学素子は、基板間に電圧を
印加しない状態では、ITO電極側から見ると全面均一
な散乱状態を示し、これに50Hz、 100Vの電圧を印加し
たところ、液晶を含む液晶樹脂複合体が透明になり、裏
面アルミニウム電極による全面均一な反射状態となっ
た。この時の反射率を反射率計で測定したところ60.2%
であった。
【0058】次に、ここで得られた素子を60℃に保った
恒温槽中に1000時間放置した後取り出し、50Hz、 100V
の電圧を印加して同様に反射率を測定したところ、全面
が均一な反射状態とはならず、反射率の高い部分と斑点
状に反射率の低い部分が見られた。実施例3と同様に反
射率を測定したところ反射率の高い部分の反射率は58.7
%であり、反射率の低い部分では21〜27%であった。
【0059】また、基板間に電圧を印加しない状態で
も、電圧印加時と同様の斑点状に散乱むらが見られた。
斑点状に散乱むらの見られた部分を素子面に対して垂直
に切断しその断面を調べたところ、電極表面と液晶を含
む液晶樹脂複合体とが剥離していた。
【0060】
【発明の効果】以上のごとく、本発明は、長期的な使用
によっても電極材料と液晶を含む液晶樹脂複合体との界
面の剥離による液晶光学素子の外観不良や特性不良を引
き起こしにくい信頼性の高い液晶光学素子を提供するも
のである。このために、少なくとも一方の電極付き基板
の電極側表面の少なくとも一部に、樹脂マトリクスを形
成する硬化性化合物に含まれる官能基と反応可能な官能
基を有する化合物のオーバーコート層を設けて、液晶樹
脂複合体を一体化する。これにより、液晶樹脂複合体と
オーバーコート層との結合性が向上し、剥離を生じにく
くなり、高寿命で信頼性の高い液晶光学素子を得ること
できる。
【0061】また、樹脂マトリクスを形成する硬化性化
合物に含まれる官能基とオーバーコート層の官能基とを
同一な基とすることにより、2枚の電極付き基板間に液
晶と硬化性化合物との混合物を挟持する際、電極表面と
液晶を含む混合物との表面張力が接近して濡れ性が向上
することから、気泡の巻き込み等による素子の外観品位
の低下をも改善することができる。
【0062】本発明の液晶光学素子は、外観品位、信頼
性に優れた素子であり、大面積での調光、表示、光シャ
ッター等に広く利用することができ、調光窓、調光鏡、
飾り窓、大型公衆表示体、間仕切り等種々の応用が可能
である。この他、本発明の効果を損しない範囲で種々の
応用が可能である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂マトリクス中に液晶物質が分散保持さ
    れた液晶樹脂複合体を一対の電極付き基板間に挟持して
    なり、電圧の印加状態により光の透過状態を制御する液
    晶光学素子において、少なくとも一方の電極付き基板の
    電極側表面の少なくとも一部に、樹脂マトリクスを形成
    する未硬化化合物に含まれる官能基と反応可能な官能基
    を有する化合物のオーバーコート層を設けて、液晶樹脂
    複合体を一体化したことを特徴とする液晶光学素子。
  2. 【請求項2】樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物に
    含まれる官能基とオーバーコート層の官能基とを同一な
    基とする請求項1の液晶光学素子。
  3. 【請求項3】樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物が
    ビニル基を含有するものであり、オーバーコート層がビ
    ニル基を含有するものである請求項2の液晶光学素子。
  4. 【請求項4】樹脂マトリクス中に液晶物質が分散保持さ
    れた液晶樹脂複合体を一対の電極付き基板間に挟持して
    なり、電圧の印加状態により光の透過状態を制御する液
    晶光学素子の製造方法において、少なくとも一方の電極
    付き基板の電極側表面の少なくとも一部に、一般式MX
    mn (Mは金属原子、Xは樹脂マトリクスの樹脂に含
    まれる官能基と同じ官能基を含む基、Yの少なくとも1
    つは加水分解可能な基、m及びnは自然数でm+nが金
    属の価数を表す)で表される有機金属化合物を付与し
    て、これを加水分解して、樹脂マトリクスの硬化性化合
    物に含まれる官能基と反応可能な官能基を有する化合物
    のオーバーコート層を設け、その後液晶樹脂複合体を形
    成する液晶と硬化性化合物との混合物を供給し硬化させ
    ることを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物に
    含まれる官能基とオーバーコート層の官能基とを同一な
    基とする請求項4の液晶光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】樹脂マトリクスを形成する硬化性化合物が
    ビニル基を含有するものであり、Xがビニル基を含有す
    る基である請求項5の液晶光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1の液晶光学素子
    を用いた調光体。
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