JPH05118407A - 車両の駆動力伝達装置 - Google Patents
車両の駆動力伝達装置Info
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- JPH05118407A JPH05118407A JP3275425A JP27542591A JPH05118407A JP H05118407 A JPH05118407 A JP H05118407A JP 3275425 A JP3275425 A JP 3275425A JP 27542591 A JP27542591 A JP 27542591A JP H05118407 A JPH05118407 A JP H05118407A
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- wheel
- input shaft
- wheels
- shaft
- vehicle
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- One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 車両の後輪デフに組込むことにより、4輪と
2輪駆動の自動切換えができ、車輪の機械的な直結を可
能にする装置を提供する。 【構成】 駆動軸2に、フロントプロペラシャフトに対
して遅く回転するリヤプロペラシャフトを連結し、その
駆動軸2に連結した入力軸8、9と、外輪13、14と
の間に、入力軸と遊びをもって共回りする制御保持器1
8と、固定保持器17を設ける。この両保持器17、1
8に、両者の相対回転で入力軸と外輪に係合するスプラ
グ21を組込み、制御保持器18にそれを減速させる差
動軸受29を連結し、両外輪に後輪の車軸を連結する。
各入力軸の回転が後輪より低い間は、外輪がオーバーラ
ンニングして後輪に駆動力が伝わらない。前輪のスリッ
プ等により入力軸の回転が後輪を上回ると、スプラグ2
1が係合して入力軸と外輪を直結し、4輪駆動に切換わ
る。
2輪駆動の自動切換えができ、車輪の機械的な直結を可
能にする装置を提供する。 【構成】 駆動軸2に、フロントプロペラシャフトに対
して遅く回転するリヤプロペラシャフトを連結し、その
駆動軸2に連結した入力軸8、9と、外輪13、14と
の間に、入力軸と遊びをもって共回りする制御保持器1
8と、固定保持器17を設ける。この両保持器17、1
8に、両者の相対回転で入力軸と外輪に係合するスプラ
グ21を組込み、制御保持器18にそれを減速させる差
動軸受29を連結し、両外輪に後輪の車軸を連結する。
各入力軸の回転が後輪より低い間は、外輪がオーバーラ
ンニングして後輪に駆動力が伝わらない。前輪のスリッ
プ等により入力軸の回転が後輪を上回ると、スプラグ2
1が係合して入力軸と外輪を直結し、4輪駆動に切換わ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の駆動経路に組
込むことにより車輪に対する駆動力の伝達を切換える伝
達装置に関するものである。
込むことにより車輪に対する駆動力の伝達を切換える伝
達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】ビスカスカップリング等の
高粘性流体を利用したセンタデフは、入力側と出力側の
速度差によって生じる高粘性流体内のせん断抵抗により
駆動力を伝達するため、速度差が小さい低速走行時にお
いては十分な駆動力が得られない欠点を有している。
高粘性流体を利用したセンタデフは、入力側と出力側の
速度差によって生じる高粘性流体内のせん断抵抗により
駆動力を伝達するため、速度差が小さい低速走行時にお
いては十分な駆動力が得られない欠点を有している。
【0003】このため、従来のオフロード走行を主な使
用目的とする4輪駆動車においては、低速時で大きな駆
動力を得るために、運転車の判断により、タイヤの脱輪
や泥地、砂地等の走行路面に応じて4輪の機械的な直結
状態とデフロック状態を切換えるパートタイム式の駆動
機構が採用されている。
用目的とする4輪駆動車においては、低速時で大きな駆
動力を得るために、運転車の判断により、タイヤの脱輪
や泥地、砂地等の走行路面に応じて4輪の機械的な直結
状態とデフロック状態を切換えるパートタイム式の駆動
機構が採用されている。
【0004】しかし、このような機構では、駆動の切換
えがそれに必要な状況に立ち入ってからの判断になる場
合が多く、後手での処理になるために、最適な走行状態
を選択できない欠点がある。
えがそれに必要な状況に立ち入ってからの判断になる場
合が多く、後手での処理になるために、最適な走行状態
を選択できない欠点がある。
【0005】また、上記のオフロード走行を目的とした
4輪駆動車は、通常、後輪を主要駆動輪とするFR方式
をベースにしているが、舗装道路等の走行においては、
負荷荷重の大きい前輪を主要駆動輪とするFF方式をベ
ースにした方が、走行性の上に優れた性能を発揮できる
面がある。
4輪駆動車は、通常、後輪を主要駆動輪とするFR方式
をベースにしているが、舗装道路等の走行においては、
負荷荷重の大きい前輪を主要駆動輪とするFF方式をベ
ースにした方が、走行性の上に優れた性能を発揮できる
面がある。
【0006】ところが、従来、FF方式をベースにした
構造でフルオートの4輪駆動を実現する装置は、前述し
た高粘性流体を用いるセンタデフがある程度であり、オ
フロードでの走行性を減じさせずに、フルタイムで直結
型の4輪駆動を実現できる装置は開発されていないのが
実状である。
構造でフルオートの4輪駆動を実現する装置は、前述し
た高粘性流体を用いるセンタデフがある程度であり、オ
フロードでの走行性を減じさせずに、フルタイムで直結
型の4輪駆動を実現できる装置は開発されていないのが
実状である。
【0007】そこで、この発明は、車両の駆動経路に組
込むことにより自動的に4輪から2輪への駆動の切換え
とデフロックの作動を行なうことができ、しかもFF方
式をベースにして大きな駆動力を発揮することができる
駆動力の伝達装置を提供することを目的としている。
込むことにより自動的に4輪から2輪への駆動の切換え
とデフロックの作動を行なうことができ、しかもFF方
式をベースにして大きな駆動力を発揮することができる
駆動力の伝達装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の駆動力伝達装置は、駆動部材に連結する
一対の入力軸の外周に、それぞれ外輪を回転自在に設
け、その各入力軸と各外輪の間に、入力軸との相対回転
によって係合子を入力軸と外輪に係合離脱させる保持器
を組込み、その各保持器と各入力軸又は各外輪とを回転
方向すき間を介して共回り可能に連結すると共に、各保
持器とそれが連結する入力軸又は外輪との間に回転差を
生じさせる差動手段を備えた構造としたものである。
め、この発明の駆動力伝達装置は、駆動部材に連結する
一対の入力軸の外周に、それぞれ外輪を回転自在に設
け、その各入力軸と各外輪の間に、入力軸との相対回転
によって係合子を入力軸と外輪に係合離脱させる保持器
を組込み、その各保持器と各入力軸又は各外輪とを回転
方向すき間を介して共回り可能に連結すると共に、各保
持器とそれが連結する入力軸又は外輪との間に回転差を
生じさせる差動手段を備えた構造としたものである。
【0009】
【作用】上記の駆動力伝達装置を、FF方式をベースと
した4輪駆動車に適用するには、駆動部材にリアプロペ
ラシャフトを連結し、各外輪にそれぞれ後輪の車軸を連
結する。また、上記リアプロペラシャフトの回転を、前
輪を駆動するフロントプロペラシャフトの回転よりも若
干低くなるように設定する。
した4輪駆動車に適用するには、駆動部材にリアプロペ
ラシャフトを連結し、各外輪にそれぞれ後輪の車軸を連
結する。また、上記リアプロペラシャフトの回転を、前
輪を駆動するフロントプロペラシャフトの回転よりも若
干低くなるように設定する。
【0010】この設定の状態で、駆動部材により各入力
軸を回転させると、差動手段の作用により保持器が入力
軸と相対回転し、係合子が係合作動位置に移動する。こ
のとき、車両が正常な走行状態にあるときは、入力軸の
回転に対して、前輪とつれ回りする後輪(外輪)の回転
が上回るため、外輪が係合子に対しオーバーランニング
する。このため、後輪が駆動されず、前輪だけの2輪駆
動になる。
軸を回転させると、差動手段の作用により保持器が入力
軸と相対回転し、係合子が係合作動位置に移動する。こ
のとき、車両が正常な走行状態にあるときは、入力軸の
回転に対して、前輪とつれ回りする後輪(外輪)の回転
が上回るため、外輪が係合子に対しオーバーランニング
する。このため、後輪が駆動されず、前輪だけの2輪駆
動になる。
【0011】一方、前輪又は後輪がスリップ等をする
と、車速の減少に伴なって減速する外輪に対して入力軸
の回転が上回り、係合子が係合して後輪が駆動され、4
輪駆動に切換わる。
と、車速の減少に伴なって減速する外輪に対して入力軸
の回転が上回り、係合子が係合して後輪が駆動され、4
輪駆動に切換わる。
【0012】
【実施例】図1乃至図5は、実施例の駆動力伝達装置を
示している。図1及び図2に示すように、ハウジング1
の内部には、外部から駆動軸2の端部が入り込み、この
駆動軸2の先端に設けたピニオンギヤ3に、その駆動軸
2やピニオンギヤ3と共に駆動部材を構成するリングギ
ヤ4が噛み合っている。
示している。図1及び図2に示すように、ハウジング1
の内部には、外部から駆動軸2の端部が入り込み、この
駆動軸2の先端に設けたピニオンギヤ3に、その駆動軸
2やピニオンギヤ3と共に駆動部材を構成するリングギ
ヤ4が噛み合っている。
【0013】このリングギヤ4の両側面には、ボルト5
によって結合用金具6、6が固定され、その各結合用金
具6、6に、セレーション溝7の嵌め合いにより入力軸
8、9が一体に連結されている。
によって結合用金具6、6が固定され、その各結合用金
具6、6に、セレーション溝7の嵌め合いにより入力軸
8、9が一体に連結されている。
【0014】この各入力軸8、9は、軸受10を介して
ハウジング1に回転自在に支持され、その各入力軸8、
9の端部外周に、それぞれ軸受11、12を介して外輪
13、14が回転自在に取付けられている。
ハウジング1に回転自在に支持され、その各入力軸8、
9の端部外周に、それぞれ軸受11、12を介して外輪
13、14が回転自在に取付けられている。
【0015】上記各外輪13、14の内径面と、それに
対向する各入力軸8、9の外径面は、図3及び図5に示
すように同心の円筒面15、16で形成され、その両円
筒面15、16の間に、入力軸8、9にピン止めされる
固定保持器17と、回動可能な制御保持器18とが組込
まれている。
対向する各入力軸8、9の外径面は、図3及び図5に示
すように同心の円筒面15、16で形成され、その両円
筒面15、16の間に、入力軸8、9にピン止めされる
固定保持器17と、回動可能な制御保持器18とが組込
まれている。
【0016】この固定保持器17と制御保持器18に
は、対向して周方向に複数のポケット19、20が形成
され、その各ポケット19、20に、係合子としてのス
プラグ21と弾性部材22とが組込まれている。
は、対向して周方向に複数のポケット19、20が形成
され、その各ポケット19、20に、係合子としてのス
プラグ21と弾性部材22とが組込まれている。
【0017】上記スプラグ21は、図5に示すように、
外径側と内径側がスプラグの中央線上に曲率中心をもつ
弧状面で形成され、左右の両方向に所定角度傾くと、両
円筒面15、16と係合して各入力軸8、9と外輪1
3、14を一体化する。また、弾性部材22は、制御保
持器18に支持され、各スプラグ21を両側から押圧し
て両円筒面15、16と係合しない中立位置に保持して
いる。
外径側と内径側がスプラグの中央線上に曲率中心をもつ
弧状面で形成され、左右の両方向に所定角度傾くと、両
円筒面15、16と係合して各入力軸8、9と外輪1
3、14を一体化する。また、弾性部材22は、制御保
持器18に支持され、各スプラグ21を両側から押圧し
て両円筒面15、16と係合しない中立位置に保持して
いる。
【0018】一方、図1及び図2に示すように、各入力
軸8、9の内部には、中空の作動軸23、23が回転自
在に支持され、その各作動軸23、23の中央部に設け
た起動ピン24、24の両端部が、入力軸8、9の周壁
に設けたピン孔25、25を挿通して各制御保持器1
8、18に連結している。
軸8、9の内部には、中空の作動軸23、23が回転自
在に支持され、その各作動軸23、23の中央部に設け
た起動ピン24、24の両端部が、入力軸8、9の周壁
に設けたピン孔25、25を挿通して各制御保持器1
8、18に連結している。
【0019】また、各作動軸23、23のリングギヤ4
側の端部には、入力軸8、9端部のピン孔26、26を
挿通する連結ピン27、27が取付けられ、その連結ピ
ン27、27の先端に、ホルダ28を介してハウジング
1に取付けた差動軸受29、29が連結されている。
側の端部には、入力軸8、9端部のピン孔26、26を
挿通する連結ピン27、27が取付けられ、その連結ピ
ン27、27の先端に、ホルダ28を介してハウジング
1に取付けた差動軸受29、29が連結されている。
【0020】この各差動軸受29、29は、半径方向す
き間をゼロ以下に設定し、予圧を加えて転がり時の回転
モーメントを大きく設定してあり、その回転モーメント
によって制御保持器18を減速し、入力軸8、9に対し
て制御保持器18の回転を常に遅れさせる抵抗を与えて
いる。
き間をゼロ以下に設定し、予圧を加えて転がり時の回転
モーメントを大きく設定してあり、その回転モーメント
によって制御保持器18を減速し、入力軸8、9に対し
て制御保持器18の回転を常に遅れさせる抵抗を与えて
いる。
【0021】また、上記起動ピン24は、図4に示すよ
うに、制御保持器18と作動軸23に対しては一体に固
定されるが、入力軸8、9のピン孔25との間には、回
転方向すき間Xをもって遊嵌されている。この回転方向
すき間Xは、制御保持器18の入力軸8、9に対する遅
れ角を決定するもので、その大きさは、スプラグ21が
円筒面15、16に係合しない中立位置から弾性部材2
1を介して円筒面15、16に接触するまでの距離より
も大きく設定される。
うに、制御保持器18と作動軸23に対しては一体に固
定されるが、入力軸8、9のピン孔25との間には、回
転方向すき間Xをもって遊嵌されている。この回転方向
すき間Xは、制御保持器18の入力軸8、9に対する遅
れ角を決定するもので、その大きさは、スプラグ21が
円筒面15、16に係合しない中立位置から弾性部材2
1を介して円筒面15、16に接触するまでの距離より
も大きく設定される。
【0022】さらに、連結ピン27は、ピン孔26に円
周方向すき間をもって遊嵌されるが、この円周方向すき
間の大きさは、上記の回転方向すき間Xよりも大きく形
成され、起動ピン24の動きを干渉しないようになって
いる。
周方向すき間をもって遊嵌されるが、この円周方向すき
間の大きさは、上記の回転方向すき間Xよりも大きく形
成され、起動ピン24の動きを干渉しないようになって
いる。
【0023】この実施例の駆動力伝達装置Aは上記のよ
うな構造であり、図6及び図7は、その駆動力伝達装置
Aを車両の駆動経路に装着した例を示している。
うな構造であり、図6及び図7は、その駆動力伝達装置
Aを車両の駆動経路に装着した例を示している。
【0024】図6に示す駆動経路は、前輪を主駆動輪と
するFF方式をベースとした4輪駆動車の駆動系を示し
たものであり、図においてBはエンジン、Cはトランス
ファー、Dはフロントプロペラシャフト、Eはリヤプロ
ペラシャフト、Fはフロントデフである。上記の駆動経
路において、駆動力伝達装置Aは、リヤプロペラシャフ
トEと、後輪に連結する各車軸G、Gとの分岐部分に装
着される。
するFF方式をベースとした4輪駆動車の駆動系を示し
たものであり、図においてBはエンジン、Cはトランス
ファー、Dはフロントプロペラシャフト、Eはリヤプロ
ペラシャフト、Fはフロントデフである。上記の駆動経
路において、駆動力伝達装置Aは、リヤプロペラシャフ
トEと、後輪に連結する各車軸G、Gとの分岐部分に装
着される。
【0025】この場合、駆動力伝達装置Aは、図7に示
すように駆動軸2をリヤプロペラシャフトEに連結し
(駆動軸2自身をリヤプロペラシャフトとしてもよ
い)、左右の両外輪13、14に、等速ジョイントHを
介して各車軸G、Gを連結する。
すように駆動軸2をリヤプロペラシャフトEに連結し
(駆動軸2自身をリヤプロペラシャフトとしてもよ
い)、左右の両外輪13、14に、等速ジョイントHを
介して各車軸G、Gを連結する。
【0026】また、後輪を駆動するリヤプロペラシャフ
トEの回転PR が、フロントプロペラシャフトDの回転
PF に対して若干遅く(PF >PR )なるように、例え
ばトランスファーCにおける両プロペラシャフトD、E
に対する駆動力伝達部のギヤ比を設定する。
トEの回転PR が、フロントプロペラシャフトDの回転
PF に対して若干遅く(PF >PR )なるように、例え
ばトランスファーCにおける両プロペラシャフトD、E
に対する駆動力伝達部のギヤ比を設定する。
【0027】上記のように装着した状態で、リヤプロペ
ラシャフトEから駆動軸2とリングギヤ4を介して各入
力軸8、9に回転が加えられると、差動軸受29の作用
によって減速される制御保持器18が、回転方向すき間
Xの分だけ入力軸8、9より回転が遅れ、固定保持器1
7に対して制御保持器18が相対回転する。この相対回
転により、図5に示すようにスプラグ21が入力軸8、
9の回転方向(矢印方向)に対して反対方向に傾き、両
円筒面15、16に接触して係合作動状態になる。
ラシャフトEから駆動軸2とリングギヤ4を介して各入
力軸8、9に回転が加えられると、差動軸受29の作用
によって減速される制御保持器18が、回転方向すき間
Xの分だけ入力軸8、9より回転が遅れ、固定保持器1
7に対して制御保持器18が相対回転する。この相対回
転により、図5に示すようにスプラグ21が入力軸8、
9の回転方向(矢印方向)に対して反対方向に傾き、両
円筒面15、16に接触して係合作動状態になる。
【0028】このスプラグの傾動時、制御保持器18に
取付けた弾性部材22により各スプラグ21が常に押圧
状態で保持されているため、起動ピン24とピン孔25
の周壁が接触する前に全スプラグが係合作動状態に移動
し、その状態で入力軸8、9と制御保持器18が共回り
する。
取付けた弾性部材22により各スプラグ21が常に押圧
状態で保持されているため、起動ピン24とピン孔25
の周壁が接触する前に全スプラグが係合作動状態に移動
し、その状態で入力軸8、9と制御保持器18が共回り
する。
【0029】上記の状態で、車両の前後輪がスリップ等
をせず正常な走行状態にあるときは、予め設定した両プ
ロペラシャフトD、Eの回転差(PF >PR )により、
前輪につれ回りする後輪の回転(ほぼPF と同じ)が、
各入力軸8、9の回転を上回るため、各外輪13、14
がスプラグ21に対してオーバーランニングし、クラッ
チが入らない。このため、後輪に駆動力が伝わらず、車
両は前輪だけによる2輪駆動で走行する。
をせず正常な走行状態にあるときは、予め設定した両プ
ロペラシャフトD、Eの回転差(PF >PR )により、
前輪につれ回りする後輪の回転(ほぼPF と同じ)が、
各入力軸8、9の回転を上回るため、各外輪13、14
がスプラグ21に対してオーバーランニングし、クラッ
チが入らない。このため、後輪に駆動力が伝わらず、車
両は前輪だけによる2輪駆動で走行する。
【0030】これに対して、主駆動輪である前輪が雪道
や砂地等でスリップすると、車両の速度が落ち、減速す
る後輪の回転にリヤプロペラシャフトEの回転が追い付
くため、入力軸8、9の回転が外輪13、14より速く
なる。このため、スプラグ21が円筒面15、16に係
合して後輪に駆動力が伝わり、4輪駆動状態に切換わ
る。
や砂地等でスリップすると、車両の速度が落ち、減速す
る後輪の回転にリヤプロペラシャフトEの回転が追い付
くため、入力軸8、9の回転が外輪13、14より速く
なる。このため、スプラグ21が円筒面15、16に係
合して後輪に駆動力が伝わり、4輪駆動状態に切換わ
る。
【0031】一方、前輪のスリップが収まり正常な状態
に戻ると、リアプロペラシャフトEより後輪の回転が上
回るため、外輪13、14が再びオーバーランニングし
てクラッチが切れ、自動的に2輪駆動に復帰する。
に戻ると、リアプロペラシャフトEより後輪の回転が上
回るため、外輪13、14が再びオーバーランニングし
てクラッチが切れ、自動的に2輪駆動に復帰する。
【0032】このように、上記の構造では、通常の走行
中は前輪によって駆動され、後輪は車体によりつれ回り
する従動状態となるが、前輪がスリップすると、プロペ
ラシャフトの回転が後輪の回転に追い付いた時点で連続
的に4輪駆動に切換わり、前輪の後輪に対するスリップ
率の割り合いは、それ以上増大しない。
中は前輪によって駆動され、後輪は車体によりつれ回り
する従動状態となるが、前輪がスリップすると、プロペ
ラシャフトの回転が後輪の回転に追い付いた時点で連続
的に4輪駆動に切換わり、前輪の後輪に対するスリップ
率の割り合いは、それ以上増大しない。
【0033】また、4輪駆動に切換った場合、両後輪は
スプラグ21の係合によってリヤプロペラシャフトEに
機械的に直結された状態(いわゆるデフロックの状態)
になるため、極めて大きく駆動力を得ることができ、強
力な悪路走破性を発揮できる。
スプラグ21の係合によってリヤプロペラシャフトEに
機械的に直結された状態(いわゆるデフロックの状態)
になるため、極めて大きく駆動力を得ることができ、強
力な悪路走破性を発揮できる。
【0034】上記の構造においては、両プロペラシャフ
トD、Eの回転差(PF −PR )に対して、前輪のスリ
ップによって生じる後輪の回転上昇分が上回るかどうか
によってクラッチをオン・オフするので、上記回転差
を、(最小旋回時の前後輪間の回転差)+(最小旋回時
の後輪における内外輪間の回転差)×1/2の値以上に
設定することにより、主駆動輪である前輪が一定のスリ
ップ値に達した段階で自動的に4輪駆動に切換えること
ができる。すなわち、上記回転差を適宜に設定すること
により、前輪のスリップ限界を任意に設定することがで
きる。
トD、Eの回転差(PF −PR )に対して、前輪のスリ
ップによって生じる後輪の回転上昇分が上回るかどうか
によってクラッチをオン・オフするので、上記回転差
を、(最小旋回時の前後輪間の回転差)+(最小旋回時
の後輪における内外輪間の回転差)×1/2の値以上に
設定することにより、主駆動輪である前輪が一定のスリ
ップ値に達した段階で自動的に4輪駆動に切換えること
ができる。すなわち、上記回転差を適宜に設定すること
により、前輪のスリップ限界を任意に設定することがで
きる。
【0035】また、上述の説明では、車両の一方向走行
の作用について説明したが、リアプロペラシャフトEか
ら各入力軸8、9に加わる回転方向が逆になると、差動
軸受29の減速作用により、スプラグ21の傾きが逆に
なって係合するため、前進と後退の両方向において駆動
力の切換えを全く同様に行なうことができる。
の作用について説明したが、リアプロペラシャフトEか
ら各入力軸8、9に加わる回転方向が逆になると、差動
軸受29の減速作用により、スプラグ21の傾きが逆に
なって係合するため、前進と後退の両方向において駆動
力の切換えを全く同様に行なうことができる。
【0036】なお、クラッチ機能部品として作用する係
合子は、図示したスプラグ21に限らず、一方向の回転
方向によって係合するスプラグを左右一対で用いたり、
ローラ等を用いるようにしてもよい。
合子は、図示したスプラグ21に限らず、一方向の回転
方向によって係合するスプラグを左右一対で用いたり、
ローラ等を用いるようにしてもよい。
【0037】また、保持器と入力軸の間に回転差をつけ
る差動手段は、上述した差動軸受29に限らず、歯車を
組合せた減速機構や、摩擦材のすべり接触によって減速
するブレーキ機構などを利用することができる。
る差動手段は、上述した差動軸受29に限らず、歯車を
組合せた減速機構や、摩擦材のすべり接触によって減速
するブレーキ機構などを利用することができる。
【0038】
【効果】以上のように、この発明の駆動力伝達装置は、
機械式クラッチの係合とオーバーランニングの作用を利
用して、左右の外輪に対する駆動力の伝達と遮断を自動
的に切換えるので、車両の後輪用デフとして用いること
により、フルタイムで直結型の4輪駆動を実現すること
ができる。
機械式クラッチの係合とオーバーランニングの作用を利
用して、左右の外輪に対する駆動力の伝達と遮断を自動
的に切換えるので、車両の後輪用デフとして用いること
により、フルタイムで直結型の4輪駆動を実現すること
ができる。
【0039】また、係合子による機械的な係合によって
駆動力を伝達するので、低速走行時においてもエンジン
のフルトルクを車輪に伝達でき、優れたオフロード走行
力を発揮できる利点がある。
駆動力を伝達するので、低速走行時においてもエンジン
のフルトルクを車輪に伝達でき、優れたオフロード走行
力を発揮できる利点がある。
【図1】実施例を示す縦断正面図
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】実施例のスプラグの作動状態を示す断面図
【図6】実施例の車両への装着例を示す図
【図7】同上の装着例の要部を拡大して示す一部縦断正
面図
面図
2 駆動軸 8、9 入力軸 13、14 外輪 17 固定保持器 18 制御保持器 21 スプラグ 22 弾性部材 23 作動軸 24 起動ピン 29 差動軸受 A 駆動力伝達装置 D フロントプロペラシャフト E リアプロペラシャフト X 回転方向すき間
Claims (1)
- 【請求項1】 駆動部材に連結する一対の入力軸の外周
に、それぞれ外輪を回転自在に設け、その各入力軸と各
外輪の間に、入力軸との相対回転によって係合子を入力
軸と外輪に係合離脱させる保持器を組込み、その各保持
器と各入力軸又は各外輪とを回転方向すき間を介して共
回り可能に連結すると共に、各保持器とそれが連結する
入力軸又は外輪との間に回転差を生じさせる差動手段を
備えた車両の駆動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3275425A JPH05118407A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 車両の駆動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3275425A JPH05118407A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 車両の駆動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05118407A true JPH05118407A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17555339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3275425A Pending JPH05118407A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 車両の駆動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05118407A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008164123A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 | 動力伝達装置 |
-
1991
- 1991-10-23 JP JP3275425A patent/JPH05118407A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008164123A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 | 動力伝達装置 |
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