JPH05115290A - 多糖類の製造方法 - Google Patents
多糖類の製造方法Info
- Publication number
- JPH05115290A JPH05115290A JP29063191A JP29063191A JPH05115290A JP H05115290 A JPH05115290 A JP H05115290A JP 29063191 A JP29063191 A JP 29063191A JP 29063191 A JP29063191 A JP 29063191A JP H05115290 A JPH05115290 A JP H05115290A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polysaccharide
- culture
- present
- marinus
- added
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、生育速度の速い海洋性水素資化性
菌を培養することにより、単離生産に有利であり、グル
コースのホモポリマーの特性を有する多糖類、特にグル
コースポリマーを容易かつ工業的に有利に生産する方法
を提供することを目的としている。 【構成】 本発明は、Hydrogenovibrio
属に属する海洋性水素資化性菌Hydrogenovi
brio marinus(ヒドロゲノビブリオ・マリ
ヌス)を、H2 ,O2 およびCO2 を必須成分とする培
養ガスの存在下に培養し、得られた培養液から多糖類を
分離することを特徴としている。
菌を培養することにより、単離生産に有利であり、グル
コースのホモポリマーの特性を有する多糖類、特にグル
コースポリマーを容易かつ工業的に有利に生産する方法
を提供することを目的としている。 【構成】 本発明は、Hydrogenovibrio
属に属する海洋性水素資化性菌Hydrogenovi
brio marinus(ヒドロゲノビブリオ・マリ
ヌス)を、H2 ,O2 およびCO2 を必須成分とする培
養ガスの存在下に培養し、得られた培養液から多糖類を
分離することを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多糖類の製造方法に関
し、詳しくは海洋性水素資化性菌を培養ガスの存在下に
培養して多糖類を生産させ、得られた多糖類を培養液よ
り分離することを特徴とする多糖類の製造方法に関す
る。
し、詳しくは海洋性水素資化性菌を培養ガスの存在下に
培養して多糖類を生産させ、得られた多糖類を培養液よ
り分離することを特徴とする多糖類の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術およびその課題】特開昭53−11309
2号には、水田土壌より分離されたシュードモナス属に
属するシュードモナス・ハイドロゲノボーラso.no
v.を、水素の存在下で培養し、培養物から多糖類を分
離する多糖類の製造方法が開示されているが、海洋環境
から取得された海洋性水素資化性菌Hydrogeno
vibriomarinus(ヒドロゲノビブリオ・マ
リヌス)を培養して多糖類、とくにグルコースポリマー
を生産しうることは知られていない。
2号には、水田土壌より分離されたシュードモナス属に
属するシュードモナス・ハイドロゲノボーラso.no
v.を、水素の存在下で培養し、培養物から多糖類を分
離する多糖類の製造方法が開示されているが、海洋環境
から取得された海洋性水素資化性菌Hydrogeno
vibriomarinus(ヒドロゲノビブリオ・マ
リヌス)を培養して多糖類、とくにグルコースポリマー
を生産しうることは知られていない。
【0003】本発明者らは、既に海洋環境から取得され
た水素資化性菌Hydrogenovibrio ma
rinusの新たな利用について種々研究の結果、該菌
を特定条件下に培養することにより、多糖類、特にグル
コースのみからなるグリコーゲン様の特性を有するグル
コースポリマーを効率よく生産しうることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
た水素資化性菌Hydrogenovibrio ma
rinusの新たな利用について種々研究の結果、該菌
を特定条件下に培養することにより、多糖類、特にグル
コースのみからなるグリコーゲン様の特性を有するグル
コースポリマーを効率よく生産しうることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、Hydro
genovibrio属に属する海洋性水素資化性菌H
ydrogenovibrio marinus(ヒド
ロゲノビブリオ・マリヌス)を、H2 ,O2およびCO
2 を必須成分とする培養ガスの存在下に培養し、得られ
た培養液から多糖類を分離することを特徴とする多糖類
の製造方法を提供するものである。
genovibrio属に属する海洋性水素資化性菌H
ydrogenovibrio marinus(ヒド
ロゲノビブリオ・マリヌス)を、H2 ,O2およびCO
2 を必須成分とする培養ガスの存在下に培養し、得られ
た培養液から多糖類を分離することを特徴とする多糖類
の製造方法を提供するものである。
【0005】本発明において用いられる海洋性水素資化
性菌Hydrogenovibrio marinus
(ヒドロゲノビブリオ・マリヌス)(以下本菌と略称す
ることがある。)は、理化学研究所、微生物系統保存施
設に申請書受理番号第7688号として寄託され、その
入手が容易であり、その菌学的性質は以下の通りであ
る。 グラム染色 − 胞子形成能 − 運動性 + 細胞形態 コンマ状 大きさ 0.2〜0.5×1〜2μm 栄養源 H2 およびNa2 S2 O3 GC含量 44.1モル% チトクロム型 b,c,o ヒドロゲナーゼ 膜結合型のみ
性菌Hydrogenovibrio marinus
(ヒドロゲノビブリオ・マリヌス)(以下本菌と略称す
ることがある。)は、理化学研究所、微生物系統保存施
設に申請書受理番号第7688号として寄託され、その
入手が容易であり、その菌学的性質は以下の通りであ
る。 グラム染色 − 胞子形成能 − 運動性 + 細胞形態 コンマ状 大きさ 0.2〜0.5×1〜2μm 栄養源 H2 およびNa2 S2 O3 GC含量 44.1モル% チトクロム型 b,c,o ヒドロゲナーゼ 膜結合型のみ
【0006】本菌の培養条件は、温度25〜45℃、好
ましくは32〜42℃、pH5〜8、好ましくは6〜
7、塩濃度0〜1モル、好ましくは0.2〜0.7モ
ル、培養ガス中のH2 濃度70容量%以上、好ましくは
78容量%以上、O2 濃度5〜40容量%、好ましくは
5〜20容量%、CO2 濃度7〜15容量%、好ましく
は10〜12容量%であり、最適培養条件は、温度37
℃、pH6.5、塩濃度0.5Mおよび培養ガス中のO
2濃度5〜11容量%である。
ましくは32〜42℃、pH5〜8、好ましくは6〜
7、塩濃度0〜1モル、好ましくは0.2〜0.7モ
ル、培養ガス中のH2 濃度70容量%以上、好ましくは
78容量%以上、O2 濃度5〜40容量%、好ましくは
5〜20容量%、CO2 濃度7〜15容量%、好ましく
は10〜12容量%であり、最適培養条件は、温度37
℃、pH6.5、塩濃度0.5Mおよび培養ガス中のO
2濃度5〜11容量%である。
【0007】本菌は、数多く単離されている、好塩性水
素細菌としては、初の絶対独立栄養性であって、海洋環
境からはじめて取得された海洋性水素資化性菌である。
本菌は、回分培養で比増殖速度約0.6hr-1というオ
ートトロフ(autotroph)としては非常に速い
生育速度を示し、O2 分圧40%、すなわち培養ガス中
の濃度40容量%下でも良好な生育を示すという酸素耐
性の強いことを特徴としている。
素細菌としては、初の絶対独立栄養性であって、海洋環
境からはじめて取得された海洋性水素資化性菌である。
本菌は、回分培養で比増殖速度約0.6hr-1というオ
ートトロフ(autotroph)としては非常に速い
生育速度を示し、O2 分圧40%、すなわち培養ガス中
の濃度40容量%下でも良好な生育を示すという酸素耐
性の強いことを特徴としている。
【0008】本発明における多糖類の好ましい生産条件
を得るにあたり、微生物の生育するための条件の一部を
不足した状態で反応させること、すなわち律速反応をさ
せることにより、糖、蛋白などの生体成分を蓄積すると
いうことが一般に知られていることに鑑みて、前記水素
資化菌に対して、O2 律速、N律速およびMg律速を試
み、糖含量がどのように増加していくかについて以下説
明する。ここに、O2 律速とは溶存酸素濃度が下がるこ
とにより生育曲線が定常期になってしまうことを云い、
換言すれば定常期にO2 が不足している状態をいう。例
えば、培養ガスH2 :O2 :CO2 容量比=8:1:1
で培養を開始し、培養途中で7:2:1として培養を継
続した場合、図4に示されるように、O.D.540nm =
30程度でO2 律速となる。上記N速律条件とは、定常
期にNが不足していることを意味し、例えば(NH4 )
2 SO4 5g/lで培養を開始し、pH調整をNH4
OHが10ml入るまで6N NH4 OHで行ない、そ
の後6N NaOHに切り替えた場合、図7に示される
ように、O.D.540nm =10程度でN律速となる。こ
の場合、FeおよびMgの添加は行なわれる。上記Mg
律速条件とは、定常期にMgが不足していることを意味
し、例えばMgSO4 ・7H2 O 0.2g/lで培養
を開始し、途中添加せずに培養を継続した場合、図8に
示されるようにO.D.540nm =10程度でMg律速と
なる。この場合Feは添加される。したがって、本発明
における多糖類生産条件としては、微生物の量が多くか
つ多糖の生産量が多いという点で定常期においてO2 律
速条件で培養することが好ましい。
を得るにあたり、微生物の生育するための条件の一部を
不足した状態で反応させること、すなわち律速反応をさ
せることにより、糖、蛋白などの生体成分を蓄積すると
いうことが一般に知られていることに鑑みて、前記水素
資化菌に対して、O2 律速、N律速およびMg律速を試
み、糖含量がどのように増加していくかについて以下説
明する。ここに、O2 律速とは溶存酸素濃度が下がるこ
とにより生育曲線が定常期になってしまうことを云い、
換言すれば定常期にO2 が不足している状態をいう。例
えば、培養ガスH2 :O2 :CO2 容量比=8:1:1
で培養を開始し、培養途中で7:2:1として培養を継
続した場合、図4に示されるように、O.D.540nm =
30程度でO2 律速となる。上記N速律条件とは、定常
期にNが不足していることを意味し、例えば(NH4 )
2 SO4 5g/lで培養を開始し、pH調整をNH4
OHが10ml入るまで6N NH4 OHで行ない、そ
の後6N NaOHに切り替えた場合、図7に示される
ように、O.D.540nm =10程度でN律速となる。こ
の場合、FeおよびMgの添加は行なわれる。上記Mg
律速条件とは、定常期にMgが不足していることを意味
し、例えばMgSO4 ・7H2 O 0.2g/lで培養
を開始し、途中添加せずに培養を継続した場合、図8に
示されるようにO.D.540nm =10程度でMg律速と
なる。この場合Feは添加される。したがって、本発明
における多糖類生産条件としては、微生物の量が多くか
つ多糖の生産量が多いという点で定常期においてO2 律
速条件で培養することが好ましい。
【0009】本発明において生産される多糖類は、グル
コースのポリマーであって、培養によって得られた培養
液より例えば下記の方法により分離・精製することがで
きる。
コースのポリマーであって、培養によって得られた培養
液より例えば下記の方法により分離・精製することがで
きる。
【0010】本発明における培養により得られた培養液
を加熱処理後希釈し、遠心分離し、得られた沈でんを水
洗し、アルカリ溶液に懸濁しもとのスケールにする。次
いで氷冷下ホモナイズし、窒素気流下に撹拌し、酸で中
和後セライトを加えて撹拌し、遠心分離する。次いで得
られた上清に氷冷下TCAを加えて放置後遠心分離す
る。ついで得られた上清をアルカリで中和し、氷冷下エ
タノールを添加して沈でんを形成させ遠心分離する。次
いで得られた沈でん水に溶解後、水に対して透析し、セ
ライトで濾過し、氷冷下エタノールを添加して沈でんを
形成させて遠心分離する。次いで得られた沈でんを50
%,70%,90%エタノール、無水エタノール、エチ
ルエーテルで順次洗浄し、真空乾燥して、精製多糖類が
得られる。
を加熱処理後希釈し、遠心分離し、得られた沈でんを水
洗し、アルカリ溶液に懸濁しもとのスケールにする。次
いで氷冷下ホモナイズし、窒素気流下に撹拌し、酸で中
和後セライトを加えて撹拌し、遠心分離する。次いで得
られた上清に氷冷下TCAを加えて放置後遠心分離す
る。ついで得られた上清をアルカリで中和し、氷冷下エ
タノールを添加して沈でんを形成させ遠心分離する。次
いで得られた沈でん水に溶解後、水に対して透析し、セ
ライトで濾過し、氷冷下エタノールを添加して沈でんを
形成させて遠心分離する。次いで得られた沈でんを50
%,70%,90%エタノール、無水エタノール、エチ
ルエーテルで順次洗浄し、真空乾燥して、精製多糖類が
得られる。
【0011】本発明において得られる多糖類の純度検定
は、0.1%水溶液のUVスキャンおよびゲル濾過によ
り行なった。図1に、本発明で得られた多糖類0.1重
量%水溶液のUVスキャンを示す。図1において、縦軸
は吸光度を表わし、横軸は波長を表わす。図1より蛋白
質などを含まない純粋な多糖であることがわかる。図2
に、本発明の多糖類のゲル濾過のパターン、すなわち分
子量分布を示しており、図2より本発明の多糖類は平均
分子量5×106 程度の単一のピークを与えていること
がわかる。図2において縦軸は吸光度を表わし、横軸は
フラクショナンバーを表わす。ここにゲル濾過条件は以
下の通り: カラム セハロース CL−4B 溶出液 0.1Mリン酸緩衝液 流速 34ml/h カラムキャリブレーション 各種デキストラン(シグマ社製) サンプル濃度 0.9重量%(4ml) 図2より平均分子量5×106 程度の多糖であることが
わかる。
は、0.1%水溶液のUVスキャンおよびゲル濾過によ
り行なった。図1に、本発明で得られた多糖類0.1重
量%水溶液のUVスキャンを示す。図1において、縦軸
は吸光度を表わし、横軸は波長を表わす。図1より蛋白
質などを含まない純粋な多糖であることがわかる。図2
に、本発明の多糖類のゲル濾過のパターン、すなわち分
子量分布を示しており、図2より本発明の多糖類は平均
分子量5×106 程度の単一のピークを与えていること
がわかる。図2において縦軸は吸光度を表わし、横軸は
フラクショナンバーを表わす。ここにゲル濾過条件は以
下の通り: カラム セハロース CL−4B 溶出液 0.1Mリン酸緩衝液 流速 34ml/h カラムキャリブレーション 各種デキストラン(シグマ社製) サンプル濃度 0.9重量%(4ml) 図2より平均分子量5×106 程度の多糖であることが
わかる。
【0012】本発明方法により得られる多糖は、学会出
版センター発行(1986年)、「澱粉・関連糖質実験
法」、105および139頁に記載されている多糖の構
成成分について以下のような特徴を有している。 (%) うさぎ肝(%)* β−アミラーゼ分解率 62 49 平均単位鎖長 36 18 平均外部鎖長 24 11 平均内部鎖長 11 6 *アグリカルチャル アンド バイオロジカル ケミス
トリー (Agricurtural and Biological Chemirtry)、45、2
09−216頁、(1981年)に記載されているうさ
ぎ肝多糖分析法によったものである。
版センター発行(1986年)、「澱粉・関連糖質実験
法」、105および139頁に記載されている多糖の構
成成分について以下のような特徴を有している。 (%) うさぎ肝(%)* β−アミラーゼ分解率 62 49 平均単位鎖長 36 18 平均外部鎖長 24 11 平均内部鎖長 11 6 *アグリカルチャル アンド バイオロジカル ケミス
トリー (Agricurtural and Biological Chemirtry)、45、2
09−216頁、(1981年)に記載されているうさ
ぎ肝多糖分析法によったものである。
【0013】本発明で得られる多糖類の特性(Char
acterigation)は下記の通りである。 (1)ニンヒドリン発色によるアミノ酸、アミノ糖の検
出は陰性である。 (2)TLCによる分析結果、グルコースと思われる発
色が大部分で、他のスポットはいずれも微量である。 (3)HPLCによる分析結果を図3に示す。図3にお
いて縦軸は屈折率を表わし、横軸は時間を表わす。図3
よりこのグルコースポリマーの構成糖がグルコースだけ
であることがわかる。
acterigation)は下記の通りである。 (1)ニンヒドリン発色によるアミノ酸、アミノ糖の検
出は陰性である。 (2)TLCによる分析結果、グルコースと思われる発
色が大部分で、他のスポットはいずれも微量である。 (3)HPLCによる分析結果を図3に示す。図3にお
いて縦軸は屈折率を表わし、横軸は時間を表わす。図3
よりこのグルコースポリマーの構成糖がグルコースだけ
であることがわかる。
【0014】本発明で得られる多糖類は、生育速度が速
いことが生産に有利であり、グルコースポリマーである
ことが単離生産に有利である。一方グルコースポリマー
であるため生産量に限界があるが、多糖を培養液中に溶
け出すように育種をするということが考えられる。逆に
グルコースポリマーであるため何らかの生理活性を有す
るということは期待できる。
いことが生産に有利であり、グルコースポリマーである
ことが単離生産に有利である。一方グルコースポリマー
であるため生産量に限界があるが、多糖を培養液中に溶
け出すように育種をするということが考えられる。逆に
グルコースポリマーであるため何らかの生理活性を有す
るということは期待できる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、生育速度の速い海洋性
水素資化性菌を培養することにより、単離生産に有利で
あり、グルコースのホモポリマーの特性を有するグルコ
ースのポリマーである多糖類を容易かつ工業的に有利に
生産することができる。
水素資化性菌を培養することにより、単離生産に有利で
あり、グルコースのホモポリマーの特性を有するグルコ
ースのポリマーである多糖類を容易かつ工業的に有利に
生産することができる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
する。
する。
【0017】実施例1 下記組成: (NH4 )2 SO4 2.0g K2 HPO4 2.5g KH2 PO4 0.5g MgSO4 ・7H2 O 0.2g NaCl 29.3g CaCl2 10.0mg FeSO4 ・7H2 O 10.0mg NiSO4 ・7H2 O 0.6mg 微量成分溶液 2ml 脱イオン水 1000ml pH 7.0 微量成分溶液 MoO3 1.0mg ZnSO4 ・7H2 O 7.0mg CuSO4 ・5H2 O 0.5mg H2 BO3 1.0mg MnSO4 ・5H2 O 1.0mg CoCl2 ・6H2 O 1.0mg 脱イオン水 1000ml を有する培養液によるなる培地1000ml中に、海洋
性水素資化性微生物Hydrogenovibrio
marinus(ハイドロゲノビブリオ・マリヌス)菌
を、リアクター培地の10%だけ接種し、H2 :O2 :
CO2 容量比=8:1:1の混合ガス(1リットル/m
in)を入れ、6Nアンモニアで培地のpHを6.5に
調整しながら、37℃、撹拌速度1000rpmの条件
下振とう培養を開始した。リアクター培養において(N
H4 )2 SO4 5.0(g/l)を用いた。培養開始
50分後に0.2g/l FeSO4 ・7H2 Oを添加
し、培養開始6時間後に2g/l MgSO4 ・7H2
Oを添加し、培養開始11時間後であってO.D.
540nm 値が約8となった時点で上記混合ガスの組成をH
2 :O2 :CO2 容量比=7:2:1に変化させた。培
養開始それぞれ10,12,15,18,22,26,
30,34,40,44,48および53時間後に6N
NH4 OHを3,15,23,35,45,57,6
8,78,90,97,105および113ml添加し
てpHを調整し、53時間培養実験を行なった。菌体の
増殖はO.D.540nm で検出し、得られた多糖はフェノ
ール硫酸法により定量した。菌体の増殖および多糖の生
産量の経時変化を図4に示す。図4より菌の増殖が定常
期になっても引き続き多糖の含量が経時的に増加し続け
ていることがわかる。培養結果は、下記の通りであっ
た。 培養時間 53h 培養後の液量 1.6l OD540 70 乾燥菌体重量 33g/l 細胞壁成分(10%程度として) 33×0.1=3.3g/l 培養液の糖濃度 9.87g/l 多糖濃度 9.87−3.3=6.57g/l 全多糖量 6.57×1.6=10.51g 菌体当り多糖量 9.87/33=0.30g/gdcw 上清中の糖量 0.57g
性水素資化性微生物Hydrogenovibrio
marinus(ハイドロゲノビブリオ・マリヌス)菌
を、リアクター培地の10%だけ接種し、H2 :O2 :
CO2 容量比=8:1:1の混合ガス(1リットル/m
in)を入れ、6Nアンモニアで培地のpHを6.5に
調整しながら、37℃、撹拌速度1000rpmの条件
下振とう培養を開始した。リアクター培養において(N
H4 )2 SO4 5.0(g/l)を用いた。培養開始
50分後に0.2g/l FeSO4 ・7H2 Oを添加
し、培養開始6時間後に2g/l MgSO4 ・7H2
Oを添加し、培養開始11時間後であってO.D.
540nm 値が約8となった時点で上記混合ガスの組成をH
2 :O2 :CO2 容量比=7:2:1に変化させた。培
養開始それぞれ10,12,15,18,22,26,
30,34,40,44,48および53時間後に6N
NH4 OHを3,15,23,35,45,57,6
8,78,90,97,105および113ml添加し
てpHを調整し、53時間培養実験を行なった。菌体の
増殖はO.D.540nm で検出し、得られた多糖はフェノ
ール硫酸法により定量した。菌体の増殖および多糖の生
産量の経時変化を図4に示す。図4より菌の増殖が定常
期になっても引き続き多糖の含量が経時的に増加し続け
ていることがわかる。培養結果は、下記の通りであっ
た。 培養時間 53h 培養後の液量 1.6l OD540 70 乾燥菌体重量 33g/l 細胞壁成分(10%程度として) 33×0.1=3.3g/l 培養液の糖濃度 9.87g/l 多糖濃度 9.87−3.3=6.57g/l 全多糖量 6.57×1.6=10.51g 菌体当り多糖量 9.87/33=0.30g/gdcw 上清中の糖量 0.57g
【0018】得られた多糖は、グルコースポリマーでシ
エメル(Shemcl)、に従って分離・精製を行なっ
た。その詳細は下記の通りである。培養終了後の菌体培
養液を90℃で10分間加熱処理し、蒸留水で希釈し、
7000rpmの条件下10分間遠心分離により上清を
除いた。次いで分離された沈でんを水洗し、1N Na
OHに懸濁し元のスケールにし、氷冷下にホモジナイズ
し、窒素気流下、室温で3時間撹拌し、HClで中和
後、、セライトを加え数分間撹拌し、9000rpmで
20分間遠心分離により沈でんを除去した。次いで分離
された上清に、氷冷下TCAを5%となるように加え、
一晩4℃に保持し、9000rpm、30分間遠心分離
により沈でんを除去した。次いで、分離された上清を6
N NaOHで中和し、氷冷下50%エタノールを加え
て沈でんを形成させ、6000rpm、10分間遠心分
離により上清を除去した。次いで、分離された沈でんを
水に溶かして約1%溶液とし、水に対して透析し、セラ
イト濾過を行ない、氷冷下40%エタノールで沈でんを
形成させ、6000rpm、10分間遠心分離により上
清を除去した。次いで分離された沈でんを50%,70
%,90%エタノール、無水エタノール、エチルエーテ
ルで順次洗浄し、真空乾燥し、精製多糖2.53gを得
た。なお、最初の菌体量は、35gであった。得られた
精製多糖は、前記したゲル濾過およびUVスキャンによ
り確認した。
エメル(Shemcl)、に従って分離・精製を行なっ
た。その詳細は下記の通りである。培養終了後の菌体培
養液を90℃で10分間加熱処理し、蒸留水で希釈し、
7000rpmの条件下10分間遠心分離により上清を
除いた。次いで分離された沈でんを水洗し、1N Na
OHに懸濁し元のスケールにし、氷冷下にホモジナイズ
し、窒素気流下、室温で3時間撹拌し、HClで中和
後、、セライトを加え数分間撹拌し、9000rpmで
20分間遠心分離により沈でんを除去した。次いで分離
された上清に、氷冷下TCAを5%となるように加え、
一晩4℃に保持し、9000rpm、30分間遠心分離
により沈でんを除去した。次いで、分離された上清を6
N NaOHで中和し、氷冷下50%エタノールを加え
て沈でんを形成させ、6000rpm、10分間遠心分
離により上清を除去した。次いで、分離された沈でんを
水に溶かして約1%溶液とし、水に対して透析し、セラ
イト濾過を行ない、氷冷下40%エタノールで沈でんを
形成させ、6000rpm、10分間遠心分離により上
清を除去した。次いで分離された沈でんを50%,70
%,90%エタノール、無水エタノール、エチルエーテ
ルで順次洗浄し、真空乾燥し、精製多糖2.53gを得
た。なお、最初の菌体量は、35gであった。得られた
精製多糖は、前記したゲル濾過およびUVスキャンによ
り確認した。
【0019】実施例2 培養ガス組成H2 :O2 :CO2 容量比=8:1:1を
途中で変化させなかった以外実施例1と同様にして、4
3時間培養実験を行なった。菌体の増殖および多糖の生
産量の経時変化を図5に示す。1.9(g/l)の精製
多糖を得た。図5よりこの培養条件では、定常期におい
て、糖の含量も定常になり増加していないこと、および
増殖しているときには菌の量が増えているのでこれとと
もに糖も増加していることがわかる。培養結果による
と、O.D.540nm 20および糖濃度1.90(g/
l)であった。
途中で変化させなかった以外実施例1と同様にして、4
3時間培養実験を行なった。菌体の増殖および多糖の生
産量の経時変化を図5に示す。1.9(g/l)の精製
多糖を得た。図5よりこの培養条件では、定常期におい
て、糖の含量も定常になり増加していないこと、および
増殖しているときには菌の量が増えているのでこれとと
もに糖も増加していることがわかる。培養結果による
と、O.D.540nm 20および糖濃度1.90(g/
l)であった。
【0020】実施例3 培養開始5時間後0.2g/l FeSO4 ・7H2 O
を添加し、培養開始10時間後2g/l MgSO4 ・
7H2 Oを添加し、培養開始8,10および12時間後
にそれぞれ6N NH4OHを3ml,8mlおよび1
0ml添加し、培養開始15時間後および30時間後に
6N NaOH 23mlを添加してpH調整を行なっ
た以外、実施例1と同様に30時間培養実験を行なっ
た。菌体の増殖および多糖の生産量の経時変化を図6に
示す。1.75(g/l)の精製多糖を得た。図6より
O2律速の場合と比べて糖の含量が多くないこと、およ
び定常期になると糖の増加も定常的となり、O2 律速時
のように糖が蓄積されてきていないことがわかる。得ら
れた結果は下記の通りであった。 培養時間 30h OD540 18.3 乾燥菌体重量 8.6g/l 細胞壁成分(10%程度として) 8.6×0.1=0.86g/l 培養液の糖濃度 1.75g/l 多糖濃度 1.75−0.86=0.89g/l 菌体当り多糖量 0.89/8.5=0.10g/gdcw
を添加し、培養開始10時間後2g/l MgSO4 ・
7H2 Oを添加し、培養開始8,10および12時間後
にそれぞれ6N NH4OHを3ml,8mlおよび1
0ml添加し、培養開始15時間後および30時間後に
6N NaOH 23mlを添加してpH調整を行なっ
た以外、実施例1と同様に30時間培養実験を行なっ
た。菌体の増殖および多糖の生産量の経時変化を図6に
示す。1.75(g/l)の精製多糖を得た。図6より
O2律速の場合と比べて糖の含量が多くないこと、およ
び定常期になると糖の増加も定常的となり、O2 律速時
のように糖が蓄積されてきていないことがわかる。得ら
れた結果は下記の通りであった。 培養時間 30h OD540 18.3 乾燥菌体重量 8.6g/l 細胞壁成分(10%程度として) 8.6×0.1=0.86g/l 培養液の糖濃度 1.75g/l 多糖濃度 1.75−0.86=0.89g/l 菌体当り多糖量 0.89/8.5=0.10g/gdcw
【0021】実施例4実施例1における、0.2g/l
FeSO4 ・7H2 O、0.1g/l FeSO4 ・
7H2 Oおよび2g/l MgSO4 ・7H2 Oの添加
に代えて、培養培養開始6時間後に0.1g/l Fe
SO4 ・7H2Oを添加し、培養開始11,13,1
6,20,24,28,38および57時間後に、それ
ぞれ6NNH4 OH 8,11,14,18,20,2
2,24,26および26mlを添加してpHを調整
し、培養ガス組成を変化させなかった以外、実施例1と
同様に57時間培養実験を行なった。1.9(g/l)
の精製多糖を得た。菌体の増殖および多糖の生産量の経
時変化を図8に示す。図8よりO2 律速に比べて糖の含
量が多くないことがわかる。得られた結果は下記の通り
であった。 培養時間 40h OD540 20 乾燥菌体重量 9.4g/l 細胞壁成分(10%程度として) 9.4×0.1=0.94g/l 培養液の糖濃度 1.90g/l 多糖濃度 1.90−0.94=0.96g/l 菌体当り多糖量 0.96/9.4=0.10g/gdcw
FeSO4 ・7H2 O、0.1g/l FeSO4 ・
7H2 Oおよび2g/l MgSO4 ・7H2 Oの添加
に代えて、培養培養開始6時間後に0.1g/l Fe
SO4 ・7H2Oを添加し、培養開始11,13,1
6,20,24,28,38および57時間後に、それ
ぞれ6NNH4 OH 8,11,14,18,20,2
2,24,26および26mlを添加してpHを調整
し、培養ガス組成を変化させなかった以外、実施例1と
同様に57時間培養実験を行なった。1.9(g/l)
の精製多糖を得た。菌体の増殖および多糖の生産量の経
時変化を図8に示す。図8よりO2 律速に比べて糖の含
量が多くないことがわかる。得られた結果は下記の通り
であった。 培養時間 40h OD540 20 乾燥菌体重量 9.4g/l 細胞壁成分(10%程度として) 9.4×0.1=0.94g/l 培養液の糖濃度 1.90g/l 多糖濃度 1.90−0.94=0.96g/l 菌体当り多糖量 0.96/9.4=0.10g/gdcw
【図1】本発明の多糖類の0.1%水溶液のUVスキャ
ンのグラフである。
ンのグラフである。
【図2】本発明の多糖類のゲル濾過のパターンのグラフ
である。
である。
【図3】本発明の多糖類のHPLCによる分析結果を表
わすグラフである。
わすグラフである。
【図4】本発明における菌の増殖および多糖類の生産量
の経時変化を示すグラフである。
の経時変化を示すグラフである。
【図5】本発明における菌の増殖、多糖類の生産量およ
び溶存酸素の経時変化を示すグラフである。
び溶存酸素の経時変化を示すグラフである。
【図6】本発明における菌の増殖および多糖類の生産量
の経時変化を示すグラフである。
の経時変化を示すグラフである。
【図7】本発明における菌の増殖および多糖類の生産量
の経時変化を示すグラフである。
の経時変化を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Hydrogenovibrio属に属
する海洋性水素資化性菌Hydrogenovibri
o marinus(ヒドロゲノビブリオ・マリヌス)
を、H2 ,O2 およびCO2 を必須成分とする培養ガス
の存在下に培養し、得られた培養液から多糖類を分離す
ることを特徴とする多糖類の製造方法。 - 【請求項2】 該多糖類が、グルコースポリマーである
請求項1記載の多糖類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29063191A JP3064061B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 多糖類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29063191A JP3064061B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 多糖類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05115290A true JPH05115290A (ja) | 1993-05-14 |
JP3064061B2 JP3064061B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=17758482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29063191A Expired - Fee Related JP3064061B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 多糖類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3064061B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-09 JP JP29063191A patent/JP3064061B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3064061B2 (ja) | 2000-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0164943A2 (en) | Process for production of pyrrolo-quinoline quinone | |
JP2918286B2 (ja) | 共重合体の製法 | |
EP0111683A1 (en) | Improved strain of Clostridium acetobutylicum and process for its preparation | |
CA1158580A (en) | Continuous process for the production of gelable exopolysaccharide | |
JP3341017B2 (ja) | 新規セルロース生産菌 | |
CN110951798A (zh) | γ-聚谷氨酸的生物发酵方法及其应用 | |
FR2681601A1 (fr) | Polysaccharide, ses applications, son obtention par fermentation, souche de pseudomonas le produisant. | |
JP4251449B2 (ja) | マンニトールおよびホモ多糖類を製造する方法 | |
US4391910A (en) | Processes for producing thermophilic aspartase | |
JPH05115290A (ja) | 多糖類の製造方法 | |
JP3722522B2 (ja) | β−1,3−グルカンの製造法 | |
US3980520A (en) | Process for the production of l-malic acid by microbiological fermentation and means suitable for carrying out the same | |
CA1327536C (en) | Process for the production of microbial cellulose | |
US4950604A (en) | Culture of a microorgansim of the genus klebsiella sp., having a high content of rhamnose | |
BE1007064A3 (fr) | Enzyme de levane saccharase, procede pour sa preparation, micro-organismes qui le produisent et compositions le contenant. | |
JPS58201985A (ja) | グルコ−ス脱水素酵素の生産方法 | |
CA2049669A1 (en) | Phb-free gellan gum broth | |
JP2845385B2 (ja) | 新規変異株及びそれを用いるグリセリンの製造方法 | |
JP2837624B2 (ja) | 天然紫色色素の製造方法 | |
JP2731100B2 (ja) | デキストランスクラーゼ生産性新規微生物及びこの新規微生物を用いるデキストランスクラーゼの生産方法 | |
DE69325602T2 (de) | Gamma-Polyglutaminsäure-Hydrolase und Verfahren zu ihrer Herstellung | |
WO1992018637A1 (en) | Method for the production of d-gluconic acid | |
JPH04278078A (ja) | ラクトバチルスsp.B001およびこれを用いるマンニトールの製造方法 | |
JP3096838B2 (ja) | ピリミジンアナログ耐性株を用いるバクテリアセルロースの製造方法 | |
JPH06133791A (ja) | 低分子デキストラン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |