JPH05104366A - 複合工作機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークに対し所定の基準に従って合理的かつ
最適な加工を実施できる複合工作機械を提供する。 【構成】 この複合工作機械は、作業床面に設置される
ベース１０上に、第１コラム１２を介して切削加工用の
主軸ヘッド１６を、第２コラム１４を介してレーザ加工
用の集光ヘッド１８を、同じく第２コラム１４を介して
回転式のワーク台２０を装備し、主軸ヘッド１６が、ベ
ース１０上で直交３軸座標系内を移動して切削加工を行
い、同様に集光ヘッド１８が、ベース１０上で直交３軸
座標系内を移動してレーザ加工を行う。ワーク台２０
は、第２コラム１４に支持された水平軸４０に固定さ
れ、回転駆動モータ４２等により駆動され、ワークパレ
ット４４を備えてワークを掴持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加工機能を多機能化し
た工作機械に関し、特に、工具による切削加工機能と、
レーザ光のエネルギーを利用した溶断、切削、熱処理に
よる表面処理等のレーザ加工機能とを少なくとも含んだ
異種の加工を１台の機械装置で同時に、かつ独立して実
施できるとともに、１つのワークに対して上記の異種の
加工を所定の制御順序で実施することができる複合工作
機械に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、炭酸ガス等を用いた高出力レーザ
光のエネルギーを利用して、金属材料等の各種材料の切
断、溶接、表面処理（熱処理）等を行うレーザ加工機が
実用化されている。すなわち、レーザ光は指向性が高
く、微小部分にエネルギーを集中できるため、レーザ加
工機によれば極めて小径の穴あけ加工や２次元的な複雑
パターンの切断が正確かつ容易に実施でき、また、脆弱
な材料、柔軟な材料の加工も可能である。さらに、加熱
エネルギー及び加熱時間を適切に制御することにより、
金属材料の表面に対して焼入れ等の表面硬化処理や、マ
ーキングが実施できる。レーザ光による表面硬化処理
は、焼入れ等の熱処理の他に被覆、合金化、衝撃硬化等
が可能であるが、いずれも微小部分に対して精密加工を
実施するものであり、他の硬化処理法に比較して処理時
間が極めて短く熱応力や熱歪みを小さくできる利点があ
る。また、加熱炉や冷却装置を必要とせず、加熱エネル
ギー及び加熱時間の制御のみで切断及び表面処理を１台
のレーザ加工機で連続して実施できる。

【０００３】この種のレーザ加工機は、一般に高出力を
得るためには極めて高いコストを要するとともに、レー
ザ光がその焦点付近でのみ作業可能なため、厚板や３次
元的な複雑形状を有するワークの切削加工には不向きで
ある。したがって、このような立体的形状を有する金属
ワークを切削し、その後引き続き、このワークをレーザ
加工により表面硬化処理しようとする場合には、１台の
レーザ加工機による連続作業は不適当であり、切削工作
機械を用いて切削加工を施すことが好ましい。

【０００４】そこで、切削工作機械による切削加工とレ
ーザ加工機によるレーザ加工とを連続して実施する際
に、自動化を促進し、作業効率を向上させるための種々
の提案がなされている。例えば、多数のワークを搬送路
上で連続して搬送し、この搬送路に沿って切削加工ヘッ
ドとレーザ加工ヘッドとを適宜位置に配置して、１つの
ワークに対して順次に切削加工及びレーザ加工による複
合的な加工を実施可能な複合型マシニングショップは既
に提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の複合型マシニン
グショップは、切削加工ヘッド及びレーザ加工ヘッドに
対してワークを自動的に搬送し、切削加工とレーザ加工
とを速やかに連続して行おうとするものである。しかし
ながら、ワークに対して合理的かつ最適な加工を実施す
るための配慮が為されていないため、加工しようとする
ワークの形状や必要とされる加工の種類によっては効率
的に機能しない場合がある。例えば、大まかな外形をレ
ーザ溶断で形成し、次いで切削工具により穴あけや精密
な３次元加工を施し、切粉や切削油を洗浄した後、レー
ザ光により所望箇所に表面処理を実施する手順が最も効
率的とされるワークに対し、上記の複合型マシニングシ
ョップでは搬送路の逆走が必要となる等、ワークごとの
対応が却って効率性を損なう危惧を有するのである。ま
た、１台の統制された機械装置としての具体的構造を備
えたものではなく、或る特定領域に離散的に切削加工ヘ
ッドとレーザ加工ヘッドとを配設した加工工場としての
技術的構想を提案しているに過ぎないため、実用性がな
い。

【０００６】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、加工機能を多機能化した複合工作機械において、ワ
ークに対し所定の基準に従って合理的かつ最適な加工を
実施できる構造を備えて１台の機械装置化された複合工
作機械の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は切削加工部及びレーザ加工部を１台の工作
機械に集約して据え付け、所定の基準に従って移動する
ワーク支持部の周囲にこれらの切削加工部及びレーザ加
工部を適宜位置に配置して、ワーク支持部に固定したワ
ークに対し切削加工及びレーザ加工を交互に又は所望の
順序により最適に実施できるようにした複合工作機械を
提供する。

【０００８】すなわち、本発明が提供する複合工作機械
は、作業床面に設置される静止機台上に、ワークを掴持
したまま移動してそのワークを所望の加工位置に位置決
めするワーク支持部と、ワーク支持部の周囲に配設さ
れ、ワークに対して加工種の異る加工を実施する複数の
加工部とを備えた複合工作機械において、上記ワーク支
持部は、上記加工位置へ移動させる駆動源を備えた一つ
のワーク取付台からなり、上記複数の加工部は、上記ワ
ーク取付台に掴持されたワークに切削加工位置で切削加
工を行う切削加工部と、切削加工部とは独立してレーザ
加工位置でワークにレーザ加工を行うレーザ加工部とを
少なくとも備え、上記ワーク支持部並びに上記加工部の
上記切削加工部及び上記レーザ加工部の各動作を制御し
て、各ワークに対し異なる加工種の加工を所望の順序で
実施可能にする制御手段を具備したことを特徴とするも
のである。

【０００９】本発明の好適な実施態様によれば、上記ワ
ーク取付台は、複数のワーク取付面を備え、上記ワーク
取付け台が所定の軸線を中心に旋回することにより、上
記複数のワーク取付面が循環移動し、上記切削加工部及
び上記レーザ加工部のそれぞれに順次対向する複合工作
機械が提供される。また、本発明の他の好適な実施態様
によれば、上記ワーク取付台は、その長手軸線を上記静
止機台上に水平支持された回転軸に一致させつつその回
転軸に固定され、上記切削加工部及び上記レーザ加工部
は、それぞれ上記ワーク取付台の上方及び側方のいずれ
かに配置されてワーク取付台の上記複数のワーク取付面
のいずれかに対向するようにした複合工作機械が提供さ
れる。

【００１０】あるいはまた、上記切削加工部が、切削加
工工具を保持して回転する主軸を備えた一つの主軸ヘッ
ドを具備し、上記レーザ加工部が、レーザ発振器から発
射されたレーザ光を案内かつ集光放射する一つの集光ヘ
ッドを具備し、上記主軸ヘッド及び上記集光ヘッドが、
上記ワーク取付台の複数のワーク取付面に掴持した複数
のワークの各々に対して所望の順序で、かつ異なるワー
クに対して同時に切削加工及びレーザ加工を実施する構
成とすることは好都合である。

【００１１】

【作用】 制御手段の制御により、ワーク支持部は、ワ
ークを固定したまま切削加工部又はレーザ加工部の対向
位置へ移動し、かつ位置決めされる。このとき切削加工
部及びレーザ加工部を、ワーク支持部を中心としてその
周囲に配設したため、ワーク支持部の移動は軸中心の回
転移動となる。切削加工部及びレーザ加工部は、回転移
動するワークに対し、制御手段の制御により切削加工及
びレーザ加工を独立して或いは交互的に又は所望の順序
で実施する。

【００１２】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明をその実
施例に基づきさらに詳細に説明する。図１は本発明の実
施例による複合工作機械の概略側面図、図２は図１の複
合工作機械の概略平面図である。

【００１３】図１及び図２に示したように、この複合工
作機械は、所望の作業床面に設置されるベース１０と、
ベース１０上に立設される第１コラム１２及び第２コラ
ム１４と、第１コラム１２に装着される切削加工用の主
軸ヘッド１６と、第２コラム１４に装着されるレーザ加
工用の集光ヘッド１８と、同じく第２コラム１４に装着
される回転式のワーク台２０とを備える。

【００１４】主軸ヘッド１６は、周知の切削加工工作機
械の主軸ヘッドと同様の構成のものであり、主軸モータ
２２の駆動により高速回転する主軸２４を備える。主軸
２４は、その先端に切削工具２６を着脱自在に保持し、
図示のように切削工具２６をワーク台２０に対向させて
略水平姿勢に支持する。また、主軸ヘッド１６は、ベー
ス１０上でＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の直交３軸座標系内を、各
軸の送り駆動モータ２８ａ、２８ｂ、２８ｃ（以下、送
り駆動モータ２８と総称する）の駆動により送りねじ機
構（図１には１つの送りねじ機構２９ｃが略示されてい
る）を介して移動可能に第１コラム１２に装着される。

【００１５】集光ヘッド１８は、周知のレーザ加工機械
の集光ヘッドと同様の構成を有したものであり、レーザ
発振器３０から発射されたレーザ光を導光管３２内の複
数のミラー（例えばミラー３４）で案内し、集光ヘッド
１８の先端に配置した集光レンズ３６により集光レーザ
ビームを放射する。集光ヘッド１８は、図示のように先
端の集光レンズ３６をワーク台２０に対向させつつワー
ク台２０の上方で略鉛直姿勢に支持される。また、集光
ヘッド１８は主軸ヘッド１６と同様に、ベース１０上で
Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の直交３軸座標系内を、各軸の送り駆
動モータ３８ａ、３８ｂ、３８ｃ（送り駆動モータ３８
と総称する）の駆動により送りねじ機構（図１には２つ
の送りねじ機構３１ｂ、３１ｃが略示されている）を介
して移動可能に第２コラム１４に装着される。

【００１６】第２コラム１４は、ベース１０上に平行に
離間して立設された一対の第２コラム部材１４ａ、１４
ｂを備え、これらの第２コラム部材１４ａ、１４ｂの間
に水平軸４０が軸線に関して回転可能に支持される。ワ
ーク台２０はこの水平軸４０に固定され、回転駆動モー
タ４２により図の矢印ｒ方向（反時計方向）へ回転す
る。ワーク台２０は、その回転軸である水平軸４０に直
交する断面が正方形（図１参照）の角柱体からなり、水
平軸４０に平行な４つの周面上にそれぞれワークパレッ
ト４４を備える。ワークはクランプ治具（図６参照）を
介して各ワークパレット４４に固定される。図１に示し
たごとく、これらのワークパレット４４のうち２つが常
に主軸ヘッド１６及び集光ヘッド１８に対向する。ワー
ク台２０の回転駆動モータ４２は、これら２つのワーク
パレット４４のワーク取付け面４４ａが主軸ヘッド１６
及び集光ヘッド１８の軸線に直交する位置、すなわちベ
ース１０上の直交３軸座標系におけるＸＹ平面及びＸＺ
平面に平行な位置で、ワーク台２０を停止するようにス
テップ動作する。したがって、ワーク台２０の各ワーク
パレット４４は、主軸ヘッド１６及び集光ヘッド１８の
加工作動時に各ヘッドに対するワーク取付け基準面を構
成する。

【００１７】図１及び図２に示した本発明の実施例によ
る複合工作機械は、上記の主軸ヘッド１６、集光ヘッド
１８、及びワーク台２０の作動、すなわち主軸モータ２
２、送り駆動モータ２８、レーザ発振器３０、送り駆動
モータ３８、及び回転駆動モータ４２等の動作を制御す
る制御装置４６を備える。同制御装置４６は周知のＮＣ
装置であり、図３に示したように、主軸モータ２２、送
り駆動モータ２８、レーザ発振器３０、送り駆動モータ
３８、及び回転駆動モータ４２をそれぞれ独立に制御す
る。したがって、この複合工作機械においては、主軸ヘ
ッド１６及び集光ヘッド１８はワーク台２０に対し独立
して３軸移動可能であり、ワーク台２０の２つのワーク
パレット４４上で異なるワークに対して同時に異なる加
工を実施することができる。

【００１８】上記構成を有する複合工作機械の実施例の
作用を、図４に示した作業工程図に基づいて説明する。
説明のため、ワーク台２０の各ワークパレット４４の位
置を、図１に示したようにＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄで表し、図４
の工程１でこれらＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄの位置にあるワークパ
レット４４を、それぞれパレットａ、パレットｂ、パレ
ットｃ、パレットｄで示す。まず、パレットａに注目す
ると、位置Ａにおいて作業者又はロボットがワークをパ
レットａに固定する（工程１）。次いでワーク台２０が
９０°回転し、位置Ｂにおいて集光ヘッド１８がワーク
をレーザ溶断する（工程２）。次いでワーク台２０が９
０°回転し、位置Ｃにおいて主軸ヘッド１６がワークを
切削する（工程３）。次いでワーク台２０が９０°回転
し、位置Ｄにおいて切粉及び切削油を落下させる（工程
４）。次いでワーク台２０が９０°回転し、位置Ａにお
いて作業者により、又はロボットにより無人処理で、次
工程の表面処理又はマーキングを施す面を洗浄する（工
程５）。次いで更に、ワーク台２０が９０°回転し、位
置Ｂにおいて集光ヘッド１８がレーザ光により表面処理
又はマーキングを実施する（工程６）。その後、位置Ｃ
及び位置Ｄ（工程７及び工程８）においては作業が無
く、再度、位置Ａに戻った時点で作業者又はロボットが
加工済ワークをパレットａから取り外すと同時に次の未
加工ワークをパレットａに固定する（工程９）。これら
の各工程において、工程６の表面処理又はマーキング
は、その処理面がワーク側面にある場合には位置Ｂでの
実施が困難であるため、パレットａが位置Ａ又は位置Ｃ
に在るときに、集光ヘッド１８をＹ軸移動してワークの
処理面に対向させた位置に位置決めした上で実施すれば
よい。

【００１９】この複合工作機械においては、前述のよう
に主軸ヘッド１６及び集光ヘッド１８が独立して制御さ
れるため、パレットａにおいて上記の各作業が実施され
ている間に、他のパレットｂ、パレットｃ、パレットｄ
においては同じ作業がワーク台２０の回転に伴いそれぞ
れ１工程ずつ遅れて実施される（図４参照）。したがっ
て、例えば図４の工程５において、パレットａで洗浄が
行われているときに、パレットｂでは切粉及び切削油落
としが、パレットｃでは主軸ヘッド１６による切削加工
が、パレットｄでは集光ヘッド１８によるレーザ溶断加
工が、それぞれ異なるワークに対して同時に実施されて
いる。また、例えば工程７及び工程８のように、パレッ
トａに対して作業が行われないときにも、他のいずれか
のパレットにおいて何らかの作業が実施されており、無
駄時間の少ない極めて効率的な作業が可能となる。

【００２０】次に、図５に示したワークの加工例を参照
して、複合工作機械の作用をさらに詳細に説明する。こ
の加工例によるワーク４８は、図５（ニ）に示したよう
な曲面部４８ａ及び取付け穴４８ｂを有するカムを完成
品とする。材料は平鋼であり、曲面部４８ａに焼入れを
必要とする。まず図５（イ）に示したように、位置Ａに
おいてパレットａに、治具５０（図６参照）を介してワ
ーク４８を固定する（工程１）。次いで位置Ｂで、図５
（ロ）に示した形状にワーク４８をレーザ溶断する（工
程２）。次いで位置Ｃで、図５（ハ）に示したようにワ
ーク４８に溶断部の仕上げ加工及び穴あけ加工を施し、
曲面部４８ａ及び取付け穴４８ｂを形成する（工程
３）。その後、位置Ｄの切粉及び切削油落としを経て、
位置Ａで曲面部４８ａを洗浄する（工程５）。次に工程
６の焼入れは、本来は位置Ｂで行われるものであるが、
ワーク４８の曲面部４８ａがワーク側面にあるため、前
述のように、パレットａが位置Ａ（曲面部４８ａが反対
側の場合は位置Ｃ）にあるときに、洗浄の直後に集光ヘ
ッド１８をＹ軸移動して曲面部４８ａに対向させた上で
実施する（図５（ニ）参照）。このとき、図４に示した
ように他のパレットにて集光ヘッド１８が作動している
場合には、その作業の終了を待たなければならない。例
えば、図４の工程５ではパレットｄにてレーザ溶断が行
われているため、その終了を待たなければならないが、
一方でパレットｃにて切削加工が実施されており、一般
に切削加工が比較的長時間を有するため、パレットｃで
の切削加工の間にパレットｄのレーザ溶断及びパレット
ａの焼入れを連続して実施でき、作業時間の効率性を低
下させることはない。このような観点から、パレットａ
において、図４の工程５の枠内に工程６の焼入れのみな
らず工程９のワーク交換までを含めることも可能であ
り、これにより作業効率をさらに高めることができる。

【００２１】このように、上記実施例による複合工作機
械は、複数のワークパレット４４を一定方向へ循環移動
させることのみにより、加工内容の異なる、様々なワー
クに対し適宜最適な対応が可能である。例えば、図４の
工程図において、パレットｂで工程４の切削が不要であ
れば、その枠を空欄にして無作業状態にするだけでよ
く、作業の連続性が損なわれないばかりか、他のパレッ
トには何の影響も及ぼさないため作業効率も低下しな
い。また前述のように加工内容によっては、他のパレッ
トの作業状況を考慮しつつ、洗浄から表面処理を経てワ
ーク交換までの工程を位置Ａに集約することもできる。
したがって、この複合工作機械においては、作業時間の
効率性向上を優先的に考慮しつつ、ワークに対して合理
的かつ最適な加工プログラムを組むことが可能となるの
である。

【００２２】図６は、前述のクランプ治具５０を示す。
同治具５０は、ワークパレット４４のワーク取付け面４
４ａとの間に所定の隙間を有してワーク４８を挟持する
挟持部材５０ａと、この隙間内に配置されワーク４８を
下面から支持する支持部材５０ｂとを備える。支持部材
５０ｂは、集光ヘッド１８から放射されるレーザビーム
を逃げる形状を有する。このような治具の使用により、
ワーク４８をワークパレット４４に強固に固定したまま
レーザ加工と切削加工とを連続して実施することが可能
となるのである。

【００２３】なお、上記実施例では、ワーク台２０を水
平軸線に関して回転する構成としたが、本発明はこれに
限定することなく、たとえばベース１０上で鉛直な回転
軸に装着して、その側面の異なる方向にそれぞれ主軸ヘ
ッド１６及び集光ヘッド１８を配置する構成としてもよ
い。このとき、上記の切粉及び切削油落としの工程は、
ワーク台２０のさらに異なる側面方向にエアブロー装置
等を配置することにより実施可能となる。また、主軸ヘ
ッド１６及び集光ヘッド１８をワークパレット４４に対
していずれも直交３軸座標系内で移動する構成とした
が、例えばワークパレット４４に割出し旋回可能な回転
台を装着して、主軸ヘッド１６及び集光ヘッド１８とワ
ークとが３軸以上の多軸方向へ相対移動可能な構成とす
ることにより、さらに精密な３次元加工が可能となるこ
とは、当業者にとって自明であろう。また、必要に応じ
て切削加工用の主軸ヘッド１６と対向位置に別の主軸ヘ
ッドを設け、切削加工における加工種の異なる切削加
工、例えば、主軸ヘッド１６でフライス系のカッターを
用いた切削加工を行い、他の主軸ヘッドでドリルによる
孔明け加工を行うように分業化させるようにしても良
い。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、静止機台上に、移動可能なワーク支持部と、ワーク
支持部を中心としてその周囲に、ワークに対して異なる
加工を実施する切削加工部及びレーザ加工部を配置し、
制御手段の制御により、ワーク支持部を適宜切削加工部
又はレーザ加工部の対向位置へ移動して、切削加工部及
びレーザ加工部により、ワークに対して切削加工及びレ
ーザ加工を独立に又は交互的に或いは所望の順序に従っ
て実施する構成としたから、１台の工作機械で機械切削
と溶断、レーザ孔明け、表面処理等の加工種の異なる工
程を１つのワークに対して所望の順序で実施でき、ワー
ク支持部が複数のワーク取付け部を備える場合には、上
記の異なる工程を異なるワークに対して異なる場所で同
時に実施することができることになり、ワークに対し所
定の基準に従った合理的かつ最適な加工を、作業時間の
効率性を維持したまま実施可能な１台の機械装置として
の複合工作機械が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による複合工作機械の概略側面
図である。

【図２】図１の複合工作機械の概略平面図である。

【図３】図１の複合工作機械における制御装置のブロッ
ク図である。

【図４】図１の複合工作機械による作業工程例を示す工
程図である。

【図５】図１の複合工作機械によるワークの加工例を示
す図である。

【図６】図１の複合工作機械における治具例の図で、
（イ）側面図、（ロ）平面図、である。

【符号の説明】

１０…ベース １２…第１コラム １４…第２コラム １６…主軸ヘッド １８…集光ヘッド ２０…ワーク台 ２２…主軸モータ ２４…主軸 ２６…切削工具 ２８、３８…送り駆動モータ ３０…レーザ発振器 ３６…ミラー ４０…水平軸 ４２…回転駆動モータ ４４…ワークパレット ４６…ＮＣ装置 ５０…治具

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業床面に設置される静止機台上に、ワ
   ークを掴持したまま移動して該ワークを所望の加工位置
   に位置決めするワーク支持部と、該ワーク支持部の周囲
   に配設され、ワークに対して加工種の異る加工を実施す
   る複数の加工部とを備えた複合工作機械において、 前記ワーク支持部は、前記加工位置へ移動させる駆動源
   を備えた一つのワーク取付台からなり、 前記複数の加工部は、前記ワーク取付台に掴持されたワ
   ークに切削加工位置で切削加工を行う切削加工部と該切
   削加工部とは独立してレーザ加工位置でワークにレーザ
   加工を行うレーザ加工部とを少なくとも備え、 前記ワーク支持部並びに前記加工部の前記切削加工部及
   び前記レーザ加工部の各動作を制御して、各ワークに対
   し異なる加工種の加工を所望の順序で実施可能にする制
   御手段を、具備したことを特徴とする複合工作機械。
2. 【請求項２】 前記ワーク取付台は、複数のワーク取付
   面を備え、前記ワーク取付け台が所定の軸線を中心に旋
   回することにより、前記複数のワーク取付面が循環移動
   し、前記切削加工部及び前記レーザ加工部のそれぞれに
   順次対向する請求項１記載の複合工作機械。
3. 【請求項３】 前記ワーク取付台は、その長手軸線を前
   記静止機台上に水平支持された回転軸に一致させつつ該
   回転軸に固定され、前記切削加工部及び前記レーザ加工
   部は、それぞれ前記ワーク取付台の上方及び側方のいず
   れかに配置されて該ワーク取付台の前記複数のワーク取
   付面のいずれかに対向する請求項２記載の複合工作機
   械。
4. 【請求項４】 前記切削加工部は、切削加工工具を保持
   して回転する主軸を備えた一つの主軸ヘッドを具備し、
   前記レーザ加工部は、レーザ発振器から発射されたレー
   ザ光を案内かつ集光放射する一つの集光ヘッドを具備
   し、前記主軸ヘッド及び前記集光ヘッドが、前記ワーク
   取付台の複数のワーク取付面に掴持した複数のワークの
   各々に対して所望の順序で、かつ異なるワークに対して
   同時に切削加工及びレーザ加工を実施する請求項２又は
   ３記載の複合工作機械。
5. 【請求項５】 前記主軸ヘッド及び前記集光ヘッドは、
   前記制御手段の制御により、前記静止機台上でそれぞれ
   独立して複数の軸線方向へ移動可能な請求項４記載の複
   合工作機械。